JP5241504B2 - 眼鏡レンズ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、眼鏡レンズ及びその製造方法に関する。
近年眼鏡レンズは、汚れにくく、或いは付着した汚れを拭き取りやすくするために、反射防止膜の表面に撥水撥油層を設けたものが市販されている。そして、このような撥水撥油層としては、汚れにくく、或いは付着した汚れを拭き取りやすくするために十分な撥水撥油性を有するだけでなく、長期間にわたりその撥水撥油性が維持されること(撥水撥油層の耐久性)が要求されている。
このような撥水撥油層に関する技術として、例えば、特開平9−258003号公報(文献1)には、レンズ表面に、下記一般式(1):
Figure 0005241504
(式(1)中、Rfは炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキル基を表し、Yはヨウ素又は水素を表し、Y’は水素又は低級アルキル基を表し、Y”はフッ素又はトリフルオロメチル基を表し、Rは加水分解可能な基を表し、Rは水素又は不活性な一価の有機基を表し、a、b、c、dはそれぞれ0〜200の整数を表し、eは0又は1を表し、s及びtはそれぞれ0〜2の整数を表し、wは1〜10の整数を表す。)で表され、分子量が5×10〜1×10のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の層を形成してなる防汚性レンズが開示されている。
また、例えば、国際公開第2006/107082号パンフレット(文献2)や国際公開第2006/107083号パンフレット(文献3)には、光学部材の表面処理剤として下記一般式(2)〜(5):
Figure 0005241504
Figure 0005241504
Figure 0005241504
Figure 0005241504
(式(2)〜(5)中、Xは酸素又は二価の有機基を表し、X’は加水分解可能な基を表し、X”は二価の有機シリコーン基を表し、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表し、qは1〜3の整数を表し、m、n、oはそれぞれ0〜200の整数を表し、pは1又は2を表し、rは2〜20の整数を表し、kは0〜2の整数を表し、zはkが0又は1である場合に0〜10の整数を表す。)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物が開示されている。
さらに、特開2003−238577号公報(文献4)には、下記一般式(6):
Figure 0005241504
(式(6)中、Rfは2価の直鎖状のパーフルオロポリエーテル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、Rは加水分解可能な基を表し、iは0〜2の整数を表し、jは1〜5の整数を表し、uは2又は3を表す。)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物が開示されている。
しかしながら、上記文献等に記載されているようなフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として構成される撥水撥油層を備える眼鏡レンズは、汚れにくく、また付着した汚れを拭き取りやすいものの、次のような問題があった。すなわち、眼鏡レンズは一般に円形状を有しており、これを眼鏡店等で眼鏡フレームの枠に合わせた形状に加工を行う、玉摺り加工が行われる。この玉摺り加工は、玉摺り加工機のチャックに眼鏡レンズの光学中心を吸着保持させる方法、或いは眼鏡レンズの凸面の光学中心にレンズロックキャップを両面テープで固定し、凹面側からの押圧で眼鏡レンズを保持しながら、眼鏡レンズの縁を砥石で研削するものである。そして、このような玉摺り加工の際に、眼鏡レンズの表面が滑りやすいため、砥石で削る際に砥石の研削圧力によりレンズ中心がずれてしまう軸ずれが発生し、正確な玉摺り加工ができないという問題があった。
一方、このような玉摺り加工性と撥水撥油層の耐久性とを両立させる技術として、例えば、特開2005−3817号公報(文献5)には、表面に、少なくとも1種以上がフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物である、2種以上のシラン化合物により防汚層を形成する眼鏡レンズにおいて、前記2種以上のシラン化合物のそれぞれを単独成分として形成されるレンズ表面の動摩擦係数が、最も高い動摩擦係数値が、最も低い動摩擦係数値の1.4倍以上であることを特徴とする防汚性眼鏡レンズが開示されており、明細書中において、少なくとも一種のシラン化合物として前記一般式(1)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を用いることが記載されている。
しかしながら、文献5に記載のような眼鏡レンズは、動摩擦係数が低い表面が得られる前記一般式(1)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と、動摩擦係数の高い表面が得られるシラン化合物とを混合したものを原料とすることにより、眼鏡レンズの表面の滑り性を低下させることによって玉摺り加工性を向上させたものである。したがって、このような眼鏡レンズにおいては、フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物が本来持ちうる滑り性、撥水撥油性が抑制されてしまうという問題があった。また、このような眼鏡レンズは、撥水撥油層の耐久性と玉摺り加工性とを両立させるという点で必ずしも未だ十分なものではなかった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、十分な撥水撥油性を長期間にわたり維持することができ、しかも十分な玉摺り加工性を有する眼鏡レンズ、並びに眼鏡レンズの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、撥水撥油層を備える眼鏡レンズにおいて、撥水撥油層の原料として、数多あるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の中から選択される特定の第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と、数多あるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の中から選択される特定の第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物とを組み合わせて用いることにより、驚くべきことに十分な撥水撥油性を長期間にわたり維持することができ、しかも十分な玉摺り加工性を有する眼鏡レンズが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の眼鏡レンズは、レンズ基材と、
前記レンズ基材上に配置され、二酸化ケイ素を主成分とする層を最外層として備える多層反射防止膜と、
前記多層反射防止膜の最外層に接して施され、下記一般式(1):
Figure 0005241504
(式(1)中、Rfは炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキル基を表し、Yはヨウ素又は水素を表し、Y’は水素又は低級アルキル基を表し、Y”はフッ素又はトリフルオロメチル基を表し、Rは加水分解可能な基を表し、Rは水素又は不活性な一価の有機基を表し、a、b、c、dはそれぞれ0〜200の整数を表し、eは0又は1を表し、s及びtはそれぞれ0〜2の整数を表し、wは1〜10の整数を表す。)
で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物、及び、下記一般式(2)〜(5):
Figure 0005241504
Figure 0005241504
Figure 0005241504
Figure 0005241504
(式(2)〜(5)中、Xは酸素又は二価の有機基を表し、X’は加水分解可能な基を表し、X”は二価の有機シリコーン基を表し、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表し、qは1〜3の整数を表し、m、n、oはそれぞれ0〜200の整数を表し、pは1又は2を表し、rは2〜20の整数を表し、kは0〜2の整数を表し、zはkが0又は1である場合に0〜10の整数を表す。)
で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の平均分子量が1000〜10000である第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物、並びに、下記一般式(6):
Figure 0005241504
(式(6)中、Rfは2価の直鎖状のパーフルオロポリエーテル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、Rは加水分解可能な基を表し、iは0〜2の整数を表し、jは1〜5の整数を表し、uは2又は3を表す。)
で表される平均分子量が1000〜10000である第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として構成され、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物との質量比(第1/第2)が10/90〜90/10である撥水撥油層を備えるものである。
また、本発明の眼鏡レンズにおいては、前記撥水撥油層が、前記多層反射防止膜の最外層に接して施され、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第1層と、前記第1層に接して施され、前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第2層とを備えることが好ましい。
さらに、本発明の眼鏡レンズにおいては、前記レンズ基材と前記多層反射防止膜との間に、ハードコート層、或いはプライマー層及びハードコート層を更に備えていてもよい。
さらに、本発明の眼鏡レンズにおいては、前記撥水撥油層の厚みが5〜30nmであることが好ましい。
本発明の眼鏡レンズの製造方法は、レンズ基材上に二酸化ケイ素を主成分とする層を最外層として備える多層反射防止膜を形成して反射防止膜付レンズを得る工程と、
前記反射防止膜付レンズ上に下記一般式(1):
Figure 0005241504
(式(1)中、Rfは炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキル基を表し、Yはヨウ素又は水素を表し、Y’は水素又は低級アルキル基を表し、Y”はフッ素又はトリフルオロメチル基を表し、Rは加水分解可能な基を表し、Rは水素又は不活性な一価の有機基を表し、a、b、c、dはそれぞれ0〜200の整数を表し、eは0又は1を表し、s及びtはそれぞれ0〜2の整数を表し、wは1〜10の整数を表す。)
で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物、及び、下記一般式(2)〜(5):
Figure 0005241504
Figure 0005241504
Figure 0005241504
Figure 0005241504
(式(2)〜(5)中、Xは酸素又は二価の有機基を表し、X’は加水分解可能な基を表し、X”は二価の有機シリコーン基を表し、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表し、qは1〜3の整数を表し、m、n、oはそれぞれ0〜200の整数を表し、pは1又は2を表し、rは2〜20の整数を表し、kは0〜2の整数を表し、zはkが0又は1である場合に0〜10の整数を表す。)
で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の平均分子量が1000〜10000である第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物、並びに、下記一般式(6):
Figure 0005241504
(式(6)中、Rfは2価の直鎖状のパーフルオロポリエーテル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、Rは加水分解可能な基を表し、iは0〜2の整数を表し、jは1〜5の整数を表し、uは2又は3を表す。)
で表される平均分子量が1000〜10000である第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として構成され、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物との質量比(第1/第2)が10/90〜90/10である撥水撥油層を形成する工程と、
を含む方法である。
また、本発明の眼鏡レンズの製造方法においては、前記撥水撥油層を形成する工程が、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物及び前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を含有する溶液を準備し、前記反射防止膜付レンズの表面に前記溶液を塗布した後に乾燥して、前記撥水撥油層を形成する工程であってもよい。
さらに、本発明の眼鏡レンズの製造方法においては、前記撥水撥油層を形成する工程が、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物及び前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を真空槽内で蒸発させて、反射防止膜付レンズの表面に前記撥水撥油層を形成する工程であってもよい。
また、本発明の眼鏡レンズの製造方法においては、前記撥水撥油層を形成する工程が、真空槽内で前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を蒸発させて、前記反射防止膜付レンズの表面に前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第1層を形成し、その後、真空槽内で前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を蒸発させて、前記第1層の表面に前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第2層を形成して、前記反射防止膜付レンズの表面に前記第1層及び前記第2層を備える撥水撥油層を形成する工程であってもよい。
さらに、本発明の眼鏡レンズの製造方法においては、前記レンズ基材が、前記レンズ基材の表面にハードコート層、或いはプライマー層及びハードコート層が施されたものであってもよい。
また、本発明の眼鏡レンズの製造方法は、レンズ基材と、
前記レンズ基材上に配置され、二酸化ケイ素を主成分とする層を最外層として備える多層反射防止膜と、
前記多層反射防止膜の最外層に接して施され、2種類以上のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として構成される撥水撥油層を備える眼鏡レンズの製造方法であって、
前記レンズ基材上に前記多層反射防止膜を形成して反射防止膜付レンズを得る工程と、
真空槽内で第1及び第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物をそれぞれ一定の時間差をおいて蒸発させて、前記反射防止膜付レンズの表面に前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第1層、並びに前記第1層の表面に前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第2層を形成して、前記反射防止膜付レンズの表面に前記第1層及び前記第2層を備える撥水撥油層を形成する工程と、
を含む方法である。
さらに、本発明の眼鏡レンズの製造方法においては、前記撥水撥油層を形成するにあたり、前記真空槽内の発熱媒体上に配置したときに前記発熱媒体からの距離が異なる2箇所以上の材料充填用スペースが形成された1又は複数の容器を前記発熱媒体上に配置し、前記第1及び第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の蒸発に時間差が生じるように、前記第1及び第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を前記材料充填用スペースに仕込んでもよい。
本発明によれば、十分な撥水撥油性を長期間にわたり維持することができ、しかも十分な玉摺り加工性を有する眼鏡レンズ、並びに眼鏡レンズの製造方法を提供することが可能となる。
図1は、本発明の眼鏡レンズを真空蒸着法により製造する場合において材料充填用の容器を発熱媒体上に配置した状態を示す概略断面図である。 図2は、実施例6における撥水撥油層の製膜速度と製膜時間との関係を示すグラフである。 図3は、実施例7における撥水撥油層の製膜速度と製膜時間との関係を示すグラフである。 図4は、シリコン系粘着剤付きテープを用いた眼鏡レンズの玉摺り加工方法の一実施形態を示す概略断面図である。 図5は、玉摺り加工用保護膜を用いた眼鏡レンズの玉摺り加工方法の一実施形態を示す概略断面図である。 図5は、玉摺り加工を行った際の軸ずれを測定するための方法の一実施形態を示す概略断面図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の眼鏡レンズについて説明する。すなわち、本発明の眼鏡レンズは、レンズ基材と、前記レンズ基材上に配置され、二酸化ケイ素を主成分とする層を最外層として備える多層反射防止膜と、前記多層反射防止膜の最外層に接して施され、前記一般式(1)〜(5)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物、並びに、前記一般式(6)で表される第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として構成される撥水撥油層と、を備えるものである。
本発明にかかるレンズ基材は、無機ガラスからなるものであってもよく、プラスチックからなるものであってもよい。また、このようなプラスチックとしては、例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−39)樹脂、ポリチオウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエピスルフィド樹脂が挙げられる。
本発明にかかる多層反射防止膜は、無機酸化物からなる層を複数備える膜である。このような無機酸化物としては、低温で真空蒸着が可能なものを用いることが好ましく、例えば、SiO、ZrO、TiO、Ta、Nbが挙げられる。また、このような多層反射防止膜は、二酸化ケイ素(SiO)を主成分とする層を最外層として備える必要がある。このような最外層に後述する撥水撥油層が施されることにより、撥水撥油層の耐久性を向上させることが可能となる。
本発明にかかる撥水撥油層は、前記多層反射防止膜の最外層に接して施され、第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物及び第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として構成される層である。このように撥水撥油層の原料として、特定の第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と、特定の第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物とを組み合わせて用いることにより、十分な撥水撥油性を長期間にわたり維持することができ、しかも十分な玉摺り加工性を有する眼鏡レンズを得ることが可能となる。
本発明にかかる第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物は、以下説明する一般式(1)〜(5)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物である。
Figure 0005241504
一般式(1)において、Rfは炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキル基を表す。そして、このようなパーフルオロアルキル基としては、CF−,C−,C−が好ましい。また、Yはヨウ素又は水素を表す。さらに、Y’は水素又は低級アルキル基を表す。また、Y”はフッ素又はトリフルオロメチル基を表す。さらに、Rは加水分解可能な基を表す。そして、このような加水分解可能な基としては、ハロゲン、−OR、−OCOR、−OC(R)=C(R)、−ON=C(R)、−ON=CRが好ましい。ここで、Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表し、Rは水素又は低級脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基を表す。また、Rは水素又は不活性な一価の有機基を表す。そして、不活性な一価の有機基としては、炭素数1〜4の一価の炭化水素基が好ましい。さらに、a、b、c、dはそれぞれ0〜200の整数を表し、eは0又は1を表し、s及びtはそれぞれ0〜2の整数を表し、wは1〜10の整数を表す。
Figure 0005241504
Figure 0005241504
Figure 0005241504
Figure 0005241504
一般式(2)〜(5)において、Xは酸素又は二価の有機基を表す。そして、二価の有機基としては、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキレン基が挙げられる。また、X’は加水分解可能な基を表す。そして、加水分解可能な基としては、ハロゲン、−OR、−OCOR、−OC(R)=C(R)、−ON=C(R)、−ON=CRが好ましい。ここで、Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表し、Rは水素又は低級脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基を表す。さらに、X”は二価の有機シリコーン基を表す。ここで、有機シリコーン基とは少なくとも一つのシロキサン基と少なくとも一つのメチレン基とを有する基をいう。また、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表す。さらに、qは1〜3の整数を表し、m、n、oはそれぞれ0〜200の整数を表し、pは1又は2を表し、rは2〜20の整数を表し、kは0〜2の整数を表し、zはkが0又は1である場合に0〜10の整数を表す。
このような第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物は、直鎖状のパーフルオロアルキル基の片方の末端に、反射防止膜表面と化学結合を形成させることが可能な官能基を有するものである。そして、このような第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物で処理された表面は、水との高い接触角(例えば、110°〜116°)を有し、かつ摩擦係数が著しく小さく、よく滑る特徴を有している。また、このような表面は、特にクロス(布)によるラビング耐久性が優れている。
また、このような第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の平均分子量は、1000〜10000の範囲であることが好ましく、2000〜8000の範囲であることがより好ましい。平均分子量が前記下限未満では撥水撥油性が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると蒸着での製膜が困難となる傾向にある。
このような第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物としては、例えば、特開平9−258003号公報、国際公開第2006/107082号パンフレット、国際公開第2006/107083号パンフレットに記載されているものが挙げられる。また、これらの第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、市販されている第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物としては、例えば、ダイキン工業株式会社製オプツール−AES4が挙げられる。
本発明にかかる第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物は、下記一般式(6)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物である。
Figure 0005241504
一般式(6)において、Rfは2価の直鎖状のパーフルオロポリエーテル基を表す。そして、このようなパーフルオロポリエーテル基としては、炭素数1〜4のパーフルオロポリエーテル基を繰り返し単位とする2価の直鎖状のパーフルオロポリエーテル基が好ましい。また、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す。さらに、Rは加水分解可能な基を表す。そして、加水分解可能な基としては、ハロゲン、−OR、−OCOR、−OC(R)=C(R)、−ON=C(R)、−ON=CRが好ましい。ここで、Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表し、Rは水素又は低級脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基を表す。また、iは0〜2の整数を表し、jは1〜5の整数を表し、uは2又は3を表す。
このような第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物は、二価の直鎖状のパーフルオロエーテル基の両方の末端に、反射防止膜表面と化学結合を形成させることが可能な官能基を有するものである。そして、このような第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物で処理された表面は、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と同様に、高い接触角(例えば、105°〜110°)を有し、かつ摩擦係数が著しく小さく、よく滑る特徴を有している。また、このような表面は、特にペーパー(紙)によるラビング耐久性が優れている。
また、このような第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の平均分子量は、1000〜10000の範囲であることが好ましく、2000〜8000の範囲であることがより好ましい。平均分子量が前記下限未満では撥水撥油性が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると蒸着での製膜が困難となる傾向にある。
このような第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物としては、例えば、特開2003−238577号公報に記載されているものが挙げられる。また、これらの第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、市販されている第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物としては、例えば、信越化学工業株式会社製KY−130が挙げられる。
以上説明したような撥水撥油層においては、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物との質量比(第1/第2)が、1/99〜99/1の範囲であることが好ましく、10/90〜90/10の範囲であることがより好ましい。
また、このような撥水撥油層の厚みは5〜30nmの範囲であることが好ましく、10〜25nmの範囲であることがより好ましい。撥水撥油層の厚みが前記下限未満では、撥水撥油層の耐久性が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、プラスチック眼鏡レンズに若干の曇りが発生する場合があるほか、玉摺り加工の際の軸ずれの危険性が増す傾向にある。
さらに、このような撥水撥油層は、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物及び前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の混合物を原料として構成される単一の層であってもよいが、複数の層を備えるものであってもよい。なお、このような撥水撥油層は、前述した第1又は第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物で処理された表面の特徴を兼ね備えているため、十分な撥水撥油性を長期間にわたり維持することができ、しかも十分な玉摺り加工性を有する層となる。
また、このような撥水撥油層が複数の層を備える場合には、撥水撥油層の耐久性及び玉摺り加工性を更に向上させるという観点から、このような撥水撥油層が、前記多層反射防止膜の最外層に接して施され、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第1層と、前記第1層に接して施され、前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第2層とを備えることが好ましい。さらに、このように撥水撥油層が複数の層を備える場合には、前記第1層及び第2層の間に、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物及び/又は第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として構成される層を更に備えていてもよい。
本発明の眼鏡レンズは、前記レンズ基材と、前記多層反射防止膜と、前記撥水撥油層とを備えるものであるが、前記レンズ基材と前記多層反射防止膜との間に、ハードコート層を更に備えていてもよい。このようなハードコート層は、眼鏡レンズの耐擦傷性を向上させるために設けられる層である。また、このようなハードコート層を形成する場合は、必要に応じて、前記レンズ基材とハードコート層の間にプライマー層を更に備えていてもよい。このようなプライマー層を形成することにより、その上に形成するハードコート層とレンズ基材との密着性を向上させることができ、また耐衝撃性を向上させることもできる。
また、このようなハードコート層の材料としては、例えば、シリコン系樹脂と無機微粒子のゾルとの混合物が挙げられる。さらに、シリコン系樹脂としては、例えば、アルコキシシランの加水分解縮合物を加熱硬化させて得られるものが挙げられる。また、このようなプライマー層の材料としては、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラニン系樹脂、ポリビニルアセタールを主成分とするプライマー組成物が挙げられる。
次に、本発明の眼鏡レンズの製造方法について説明する。本発明の眼鏡レンズの製造方法は、レンズ基材上に二酸化ケイ素を主成分とする層を最外層として備える多層反射防止膜を形成して反射防止膜付レンズを得る工程(第1の工程)と、
前記反射防止膜付レンズ上に前記一般式(1)〜(5)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物、並びに、前記一般式(6)で表される第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として構成される撥水撥油層を形成する工程(第2の工程)と、
を含む方法である。
第1の工程においては、レンズ基材上に二酸化ケイ素を主成分とする層を最外層として備える多層反射防止膜を形成して反射防止膜付レンズを得る。このようにレンズ基材上に多層反射防止膜を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法を用いることができるが、真空蒸着法を用いることが好ましい。また、このようなレンズ基材としては、レンズ基材の表面にハードコート層、或いはプライマー層及びハードコート層が施されたものを用いてもよい。なお、プライマー層やハードコート層を形成する方法としては、適宜公知の方法を用いることができる。
第2の工程においては、先ず、前記一般式(1)〜(5)で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と、前記一般式(6)で表される第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物とを準備し、これらのフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として、前記反射防止膜付レンズ上に撥水撥油層を形成する。そして、このように撥水撥油層を形成する方法としては、例えば、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法等の湿式法による方法、真空蒸着法等の乾式法による方法を用いることができる。
このような湿式法により撥水撥油層を形成する方法については、ディッピング法による方法を例に挙げて説明する。このようなディッピング法による方法においては、先ず、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物及び前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を含有する溶液を準備する。このような溶液に用いる有機溶媒としては、例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロ−4−メトキシブタン、パーフルオロ−4−エトキシブタン、メタキシレンヘキサフルオライドが挙げられる。また、このような溶液の濃度は、0.01〜0.5質量%の範囲とすることが好ましく、0.03〜0.1質量%の範囲とすることがより好ましい。濃度が前記下限未満では撥水撥油層の厚みが不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、塗布むらが発生しやすく、材料コストも高くなる傾向にある。
このようなディッピング法による方法においては、次に、前記溶液中に前記反射防止膜付レンズを浸漬した後に、一定条件で引き上げることにより、前記反射防止膜付レンズに前記溶液を塗布し、その後乾燥して、前記反射防止膜付レンズ上に撥水撥油層を形成する。ここで、浸漬時間及び引き上げ速度としては、撥水撥油層の厚みに応じて適宜選択することができる。また、乾燥条件は撥水撥油層を安定化できる条件であればよい。
また、このような乾式法により撥水撥油層を形成する方法については、真空蒸着法による方法を例に挙げて説明する。このような真空蒸着法による方法においては、先ず、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物及び前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を準備する。ここで、これらのフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を十分に乾燥しておくことが好ましい。そして、これらのフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を真空槽内で蒸発させて、反射防止膜付レンズの表面に前記撥水撥油層を形成する。
また、このような真空蒸着法による方法によれば、前記反射防止膜付レンズの表面に複数の層を備える撥水撥油層を形成することもできる。例えば、真空槽内で前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を蒸発させて、前記反射防止膜付レンズの表面に前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第1層を形成し、その後、真空槽内で前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を蒸発させて、前記第1層の表面に前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第2層を形成して、前記反射防止膜付レンズの表面に前記第1層及び前記第2層を備える撥水撥油層を形成することができる。
また、本発明の眼鏡レンズは、以下のような方法によっても製造することができる。すなわち、レンズ基材と、
前記レンズ基材上に配置され、二酸化ケイ素を主成分とする層を最外層として備える多層反射防止膜と、
前記多層反射防止膜の最外層に接して施され、2種類以上のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として構成される撥水撥油層を備える眼鏡レンズの製造方法であって、
前記レンズ基材上に前記多層反射防止膜を形成して反射防止膜付レンズを得る工程と、
真空槽内で第1及び第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物をそれぞれ一定の時間差をおいて蒸発させて、前記反射防止膜付レンズの表面に前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第1層、並びに前記第1層の表面に前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第2層を形成して、前記反射防止膜付レンズの表面に前記第1層及び前記第2層を備える撥水撥油層を形成する工程と、
を含む方法により、本発明の眼鏡レンズを製造することができる。
このような方法としては、例えば、2箇所以上の独立して加熱制御をすることが可能な発熱媒体を有する真空槽内で、第1の発熱媒体上に、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物又はその混合物を充填した容器を配置し、第2の発熱媒体上に、前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物又はその混合物を充填した容器を配置する。そして、先ず、第1の発熱媒体を加熱し、一定の時間差をおいて、第2の発熱媒体を加熱することにより目的とする撥水撥油層を有する眼鏡レンズが得られる。
また、前記真空槽内における前記発熱媒体が1箇所にのみ配置されている場合には、前記撥水撥油層を形成するにあたり、前記真空槽内の発熱媒体上に配置したときに前記発熱媒体からの距離が異なる2箇所以上の材料充填用スペースが形成された1又は複数の容器を前記発熱媒体上に配置し、前記第1及び第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の蒸発に時間差が生じるように、前記第1及び第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を前記材料充填用スペースに仕込んでもよい。具体的には、前記真空槽内の発熱媒体上に配置したときに前記発熱媒体からの距離が異なる2箇所以上の材料充填用スペースが形成された1又は複数の容器を前記発熱媒体上に配置し、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物又はその混合物を前記発熱媒体からの距離の短い位置にある充填用スペースに仕込み、前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物又はその混合物を前記発熱媒体からの距離の長い位置にある充填用スペースに仕込むことにより、1回の同時加熱処理で、異なった種類のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の蒸発に時間差を持たせることができる。
また、このような場合、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物又はその混合物と、前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物又はその混合物の蒸発開始時間の時間差は、材料充填用スペースの発熱媒体からの距離の差、並びに前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物又はその混合物と、前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物又はその混合物との蒸発しやすさの差、言い換えれば両者の平均分子量の差によって決定される。そこで、本発明においては、前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を仕込んだ充填用スペースの位置を前記発熱媒体から離すことが好ましい。また、前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物としては、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物又はその混合物の平均分子量と同等以下の平均分子量のものを選択することが好ましい。
このような材料充填用スペースを有する容器として、例えば、図1に示す容器が挙げられる。図1は、本発明の眼鏡レンズを真空蒸着法により製造する場合において材料充填用の容器を発熱媒体上に配置した状態を示す概略断面図である。図1に示す容器には、フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を充填するための材料充填用スペースが2箇所に形成されており、ルツボ底部に近い位置に形成された充填用スペース1と、ルツボ底部から離れた位置に形成された充填用スペース2とが形成されている。また、図1に示す容器は、充填用スペース2が形成されているルツボ4と、充填用スペース1が形成されているルツボ3からなるものであり、このような容器は発熱媒体5上に配置されている。そして、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を、ルツボ底部に近い充填用スペース1に充填し、前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を、ルツボ底部から離れた充填用スペース2に充填することで、2種類の材料の蒸発に時間差を持たせることができる。充填用スペース1と発熱媒体5との間の距離、並びに充填用スペース2と発熱媒体5との間の距離の差は、それぞれの材料の蒸発温度差、目的とする撥水撥油層の構成により決定されるが、一般的には2〜10mmの範囲とすることができる。
また、ルツボ3、4の材料としては、比較的熱伝導率の高い金属もしくはセラミック材料が挙げられる。具体的には、SUS、Cu、Mo、Ta、PBN等が好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)反射防止膜付レンズの作製
先ず、レンズ基材として、屈折率が1.67、球面度数(S度)が−6.00ディオプター、乱視度数(C度)が−2.00ディオプター、外径が80mmである眼鏡用のプラスチックレンズを準備した。そして、レンズ基材の表面に、屈折率が1.67であるシリコン系ハードコート層を形成し、さらにその表面に、真空蒸着法により多層反射防止膜を製膜して反射防止膜付レンズを得た。なお、多層反射防止膜の膜構成は、光学膜厚でレンズ基材側から、SiO/ZrO/SiO層の合計膜厚がλ/4、ZrO層の膜厚がλ/4、SiO層の膜厚がλ/4(λ=500nm)となる5層膜構成とした。
(2)撥水撥油層の形成
先ず、内容量4ml、内径20mm、深さ13mmのステンレス製ルツボに、オプツール−AES4(ダイキン工業(株)製)0.25mlを入れ、50℃で1時間加熱し、溶媒を揮発させた。そして、このルツボを真空蒸着装置内の抵抗加熱フィラメント上にセットし、真空度が3×10−5Torr、印加電流が150Aとなる条件下においてルツボを加熱し、上記反射防止膜付レンズの表面に撥水撥油層の第1層を形成した。なお、第1層を形成する際に、蒸着機内に設置されている水晶膜厚計に表示された数値を撥水撥油層の第1層の厚みとして記録した。
次に、内容量4ml、内径20mm、深さ13mmのステンレス製の他のルツボに、KY−130(信越化学工業(株)製)0.15mlを入れ、50℃で1時間加熱し、溶媒を揮発させた。そして、このルツボを真空蒸着装置内の抵抗加熱フィラメント上にセットし、撥水撥油層の第1層を形成させた条件と同様の条件下においてルツボを加熱し、撥水撥油層の第1層が形成された反射防止膜付レンズの表面に撥水撥油層の第2層を形成した。なお、第2層を形成する際に、蒸着機内に設置されている水晶膜厚計に表示された数値を撥水撥油層の第2層の厚みとして記録した。
次いで、第1層及び第2層が形成された反射防止膜付レンズを真空蒸着機から取り出し、50℃で1時間の加熱を行い、撥水撥油層を安定化させて眼鏡レンズを得た。
(実施例2)
撥水撥油層の第1層の原料として、オプツール−AES4(ダイキン工業(株)製)0.25mlに代えてオプツール−AES4(ダイキン工業(株)製)0.15mlとKY−130(信越化学工業(株)製)0.1mlとの混合物を用いた以外は実施例1と同様にして眼鏡レンズを得た。なお、撥水撥油層の第1層及び第2層の厚みは実施例1と同様の方法で測定した。
(実施例3)
先ず、フッ素系溶剤(住友スリーエム製、製品名「ノベックHFE−7200」)995gをビーカーに取り、その後オプツール−AES4(ダイキン工業(株)製)2.5gとKY−130(信越化学工業(株)製)2.5gとをビーカーに投入して溶解させて、撥水撥油剤濃度が0.1質量%である溶液を得た。そして、この溶液に、実施例1と同様の方法で得られた反射防止膜付レンズを10秒間浸漬し、その後8mm/秒の速度で引き上げを行った後、50℃で1時間の加熱を行い、撥水撥油層を安定化させて眼鏡レンズを得た。なお、撥水撥油層の厚みとしては、シリコンウエハーの表面に上記と同様の条件で撥水撥油層を形成したサンプルについて、エリプソメーターMARY−102(ファイブラボ(株)製)を用いて膜厚測定を行い、その測定値を記録した。
(実施例4)
先ず、実施例1と同様にして反射防止膜付レンズを作製した。
次に、内容量4ml、内径20mm、深さ13mmのステンレス製ルツボに、オプツール−AES4(ダイキン工業(株)製)0.15mlとKY−164(信越化学工業(株)製)0.15mlとを入れ、50℃で1時間加熱し、溶媒を揮発させた。そして、このルツボを真空蒸着装置内の抵抗加熱フィラメント上にセットし、真空度が3×10−5Torr、印加電流が150Aとなる条件下においてルツボを加熱し、上記反射防止膜付レンズの表面に撥水撥油層を形成した。なお、撥水撥油層を形成する際に、蒸着機内に設置されている水晶膜厚計に表示された数値を撥水撥油層の厚みとして記録した。
次いで、撥水撥油層が形成された反射防止膜付レンズを真空蒸着機から取り出し、50℃で1時間の加熱を行い、撥水撥油層を安定化させて眼鏡レンズを得た。
(実施例5)
先ず、フッ素系溶剤(住友スリーエム製、製品名「ノベックHFE−7200」)995gをビーカーに取り、その後オプツール−AES4(ダイキン工業(株)製)2.5gとKY−164(信越化学工業(株)製)2.5gとをビーカーに投入して溶解させて、撥水撥油剤濃度が0.1質量%である溶液を得た。そして、この溶液に、実施例1と同様の方法で得られた反射防止膜付レンズを10秒間浸漬し、その後8mm/秒の速度で引き上げを行った後、50℃で1時間の加熱を行い、撥水撥油層を安定化させて眼鏡レンズを得た。なお、撥水撥油層の厚みは、実施例3と同様に方法により測定した。
(比較例1)
撥水撥油層の第2層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして比較用の眼鏡レンズを得た。なお、撥水撥油層の厚みは実施例1と同様の方法で測定した。
(比較例2)
オプツール−AES4(ダイキン工業(株)製)0.25mlに代えてKY−130(信越化学工業(株)製)0.3mlを用いた以外は比較例1と同様にして比較用の眼鏡レンズを得た。なお、撥水撥油層の厚みは実施例1と同様の方法で測定した。
(実施例6)
先ず、実施例1と同様にして反射防止膜付レンズを作製した。
次に、図1に示すような、内容量4ml、内径20mm、深さ13mmのステンレス製ルツボ(大)3と、内容量0.5ml、内径8mm、底の厚み5mmのステンレス製ルツボ(小)4とを準備した。そして、充填用スペース1にはダイキン工業(株)オプツール−AES4を0.2ml入れ、充填用スペース2には信越化学工業(株)製KY−130を0.1ml入れて50℃で1時間乾燥させて溶媒を蒸発させた。
そして、これらのルツボ3、4を、図1に示すように真空蒸着装置内の抵抗加熱フィラメント5上にセットし、真空度が3×10−5Torr、印加電流が150Aとなる条件下において、ルツボ3、4を加熱し、上記反射防止膜付レンズの表面に撥水撥油層を形成した。なお、撥水撥油層を形成する際、蒸着機内に設置されている水晶膜厚計で製膜速度を記録した。撥水撥油層の製膜速度と製膜時間との関係を図2に示す。また、水晶膜厚計に表示された数値を撥水撥油層の厚みとして記録した。これらの結果から、先ず、オプツール−AES4が蒸発し、オプツール−AES4の蒸発が終了してからおよそ数十秒後にKY−130の蒸発したことが確認された。
次いで、撥水撥油層が形成された反射防止膜付レンズを真空蒸着機から取り出し、50℃で1時間の加熱を行い、撥水撥油層を安定化させて眼鏡レンズを得た。
(実施例7)
KY−130(信越化学工業(株)製)0.1mlに代えてKY−164(信越化学工業(株)製)0.1mlを用いた以外は実施例6と同様にして眼鏡レンズを得た。なお、撥水撥油層を形成する際、蒸着機内に設置されている水晶膜厚計で製膜速度を記録した。撥水撥油層の製膜速度と製膜時間との関係を図3に示す。また、水晶膜厚計に表示された数値を撥水撥油層の厚みとして記録した。これらの結果から、先ず、オプツール−AES4が蒸発し、オプツール−AES4の蒸発が終了してからおよそ数十秒後にKY−164の蒸発したことが確認された。
(比較例3)
充填用スペース1にダイキン工業(株)オプツール−AES4を0.3ml入れ、充填用スペース2には何も仕込まなかった以外は実施例6と同様にして比較用の眼鏡レンズを得た。なお、撥水撥油層の厚みは実施例6と同様の方法で測定した。
(比較例4)
オプツール−AES4(ダイキン工業(株)製)0.3mlに代えてKY−130(信越化学工業(株)製)0.3mlを用いた以外は比較例3と同様にして比較用の眼鏡レンズを得た。なお、撥水撥油層の厚みは実施例6と同様の方法で測定した。
<玉摺り加工性の評価>
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた眼鏡レンズを試料として、特開2004−347660号公報に記載されている玉摺り加工方法及び国際公開第2006/93113号パンフレットに記載されている玉摺り加工方法により玉摺り加工を行い、以下に示す方法により眼鏡レンズの玉摺り加工性を評価した。
(1)シリコン系粘着剤付きテープを用いた玉摺り加工方法(特開2004−347660号公報)
図4に示すような玉摺り加工方法により眼鏡レンズの玉摺り加工を行った。すなわち、先ず、眼鏡レンズ11の凸面に、レンズメーターにより光学中心を通る点を含む直線上の3点を印点した。そして、眼鏡レンズ11の凹面に、凹面から見て凸面に印点した3点を通る直線と、さらに光学中心(レンズロック中心点)を通り、この直線に直行する直線をカッターナイフを用いて描いた。
次に、長径40mm、短径30mmである楕円形のシリコン粘着剤付きポリエステルフィルムテープ12(住友スリーエム(株)製、フィルム厚み:40μm)を眼鏡レンズ11の両面に貼り付けた。そして、凸面に貼り付けたポリエステルフィルムテープ12の表面に、レンズロックテープ13(住友スリーエム(株)製LEAP III)によりレンズロックキャップ14に貼り付け、その後、裏面受け15を嵌め込んだ玉摺機加工軸シャフト16ともう一方の玉摺機加工軸シャフト17との間に挟み、玉摺り加工を行った。
なお、玉摺り加工は以下に示すような条件で行った。すなわち、玉摺機としては、LE9000 SX((株)ニデック製、砥石が1つ内蔵されている通常負荷機)を用いた。また、チャック圧値としては60kgとした。さらに、玉型としては、ニコンクラシオ(製品番号9018、横48mm、天地30mmの8角形近似形状)を用いた。また、加工偏心量としては横方向を5mm、上方向を2mmとした。さらに、レンズロックキャップ14としては、(株)ニデック製の最小サイズキャップ(硬質プラスチック材質、天地幅17mm)を用いた。
(2)玉摺り用保護膜を用いた玉摺り加工方法(国際公開第2006/93113号パンフレット)
図5に示すような玉摺り加工方法により眼鏡レンズの玉摺り加工を行った。すなわち、先ず、メタノール150質量部と1−メトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業(株)製)150質量部との混合溶液中に、エスレックBM−5(積水化学(株)製)50質量部を溶解させ、さらにメタノールシリカゾル(日産化学(株)製、固形分:30質量%)を加えてよく攪拌して、保護膜用コート液を得た。
次に、眼鏡レンズ1を300RPMで回転させながら保護膜用コート液5mlを眼鏡レンズ11の凸面側(片面)のレンズ中心部に塗布し、15秒間そのまま回転させた。その後、1500RPMの回転数で10秒間、回転させた後、塗膜を1日間乾燥させて、眼鏡レンズ11の凸面側(片面)に玉摺り加工用保護膜18を形成した。
そして、玉摺り加工用保護膜18上に、レンズメーターにより光学中心を通る点を含む直線上の3点を印点した。その後、眼鏡レンズ11の凹面に、凹面から見て凸面に印点した3点を通る直線と、さらに光学中心を通り、この直線に直行する直線をカッターナイフを用いて描いた。
次いで、玉摺り加工用保護膜18の表面に、レンズロックテープ13(住友スリーエム(株)製LEAP III)によりレンズロックキャップ14に貼り付け、その後、裏面受け15を嵌め込んだ玉摺機加工軸シャフト16ともう一方の玉摺機加工軸シャフト17との間に挟み、玉摺り加工を行った。なお、玉摺り加工は、前述したシリコン系粘着剤付きテープを用いた玉摺り加工方法における玉摺り加工条件と同様の条件で行った。
(3)玉摺り加工性の評価方法
玉摺り加工性は、加工後のレンズ形状及び軸ずれ量を評価又は測定することにより行った。すなわち、加工後のレンズ形状を目視にて観察した。また、玉摺り加工後の軸ずれ量は、図6に示すように、加工されたレンズ21を型板22に嵌め込み、あらかじめレンズの凹面に付けておいたレンズロック中心点23を通る直線24の軸ずれ量を、型板22に付けてある軸ずれ測定基準線25を基準にして(株)ニコン製プロファイルプロジェクターによって測定した。なお、玉摺り加工性は、加工後のレンズ形状及び軸ずれ量から、以下に示す基準に従って判定した。
○:目的とする玉型形状が得られ、軸ずれが1.5°以下であった。
△:目的とする玉型形状が得られたが、軸ずれが1.5°を超えた。
×:軸ずれが1.5°を大幅に超え、目的とする玉型形状がまったく得られなかった。
<撥水撥油性及びその耐久性の評価>
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた眼鏡レンズの撥水撥油性及びその耐久性を以下に示す方法により評価した。すなわち、先ず、眼鏡レンズの凸面に、前述した玉摺り用保護膜を用いた玉摺り加工方法と同様の方法により玉摺り加工用保護膜を形成させ、1日経過後、この保護膜を剥離した。そして、この眼鏡レンズの凸面の撥水撥油層について、以下に示すような水に対する接触角の測定及びインクテストを行って、眼鏡レンズの撥水撥油性を評価した。また、この眼鏡レンズの凸面の撥水撥油層を、メガネクロス((株)パール製、製品名「ドットクリーン」)に200gの荷重をかけつつ、90回/分の擦り速度で1000回ずつ、5000回まで擦るという耐久性試験を行った。そして、耐久性試験中及び耐久性試験後の眼鏡レンズ凸面の撥水撥油層について、以下に示すような水に対する接触角の測定及びインクテストを行って、眼鏡レンズの撥水撥油性の耐久性を評価した。
(1)水に対する接触角の測定
メガネクロスで擦る前(初期)及び5000回擦った後(耐久性試験後)の水に対する接触角を、協和界面科学(株)製接触角計、CA−D型を使用して測定した。
(2)インクテスト
メガネクロスで擦る前(初期)の眼鏡レンズ凸面の撥水撥油層に黒色油性マーカー(ゼブラ(株)製、製品名「ハイマッキー」)により、約3cmの直線を描き、インクの弾き具合を目視にて観察した。そして、描いたインクが点状に弾いた場合は「A」と判定し、描いたインクが弾かずに線状に描けた場合を「B」と判定した。また、このようなインクテストを上記耐久性試験において、眼鏡レンズ凸面の撥水撥油層をメガネクロスで1000回ずつ擦るごとに行い、上記「A」の性能を維持できたメガネクロスの擦りの回数を判定した。
<評価結果>
実施例1〜5及び比較例1、2で得られた眼鏡レンズの玉摺り加工性、撥水撥油性及びその耐久性を評価した結果、並びに実施例1〜5及び比較例1、2で得られた眼鏡レンズにおける撥水撥油層の厚みを表1に示す。また、実施例6、7及び比較例3、4で得られた眼鏡レンズの玉摺り加工性、撥水撥油性及びその耐久性を評価した結果、並びに実施例6、7及び比較例3、4で得られた眼鏡レンズにおける撥水撥油層の厚みを表2に示す。
Figure 0005241504
Figure 0005241504
表1及び表2に示した結果から明らかなように、本発明の眼鏡レンズ(実施例1〜7)は、玉摺り加工性、撥水撥油性及びその耐久性が優れたものであった。したがって、本発明の眼鏡レンズは、十分な撥水撥油性を長期間にわたり維持することができ、しかも十分な玉摺り加工性を有することが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、十分な撥水撥油性を長期間にわたり維持することができ、しかも十分な玉摺り加工性を有する眼鏡レンズ、並びに眼鏡レンズの製造方法を提供することが可能となる。

Claims (13)

  1. レンズ基材と、
    前記レンズ基材上に配置され、二酸化ケイ素を主成分とする層を最外層として備える多層反射防止膜と、
    前記多層反射防止膜の最外層に接して施され、下記一般式(1):
    Figure 0005241504
    (式(1)中、Rfは炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキル基を表し、Yはヨウ素又は水素を表し、Y’は水素又は低級アルキル基を表し、Y”はフッ素又はトリフルオロメチル基を表し、Rは加水分解可能な基を表し、Rは水素又は不活性な一価の有機基を表し、a、b、c、dはそれぞれ0〜200の整数を表し、eは0又は1を表し、s及びtはそれぞれ0〜2の整数を表し、wは1〜10の整数を表す。)
    で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物、及び、下記一般式(2)〜(5):
    Figure 0005241504
    Figure 0005241504
    Figure 0005241504
    Figure 0005241504
    (式(2)〜(5)中、Xは酸素又は二価の有機基を表し、X’は加水分解可能な基を表し、X”は二価の有機シリコーン基を表し、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表し、qは1〜3の整数を表し、m、n、oはそれぞれ0〜200の整数を表し、pは1又は2を表し、rは2〜20の整数を表し、kは0〜2の整数を表し、zはkが0又は1である場合に0〜10の整数を表す。)
    で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の平均分子量が1000〜10000である第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物、並びに、下記一般式(6):
    Figure 0005241504
    (式(6)中、Rfは2価の直鎖状のパーフルオロポリエーテル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、Rは加水分解可能な基を表し、iは0〜2の整数を表し、jは1〜5の整数を表し、uは2又は3を表す。)
    で表される平均分子量が1000〜10000である第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として構成され、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物との質量比(第1/第2)が10/90〜90/10である撥水撥油層を備える、眼鏡レンズ。
  2. 前記撥水撥油層が、前記多層反射防止膜の最外層に接して施され、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第1層と、前記第1層に接して施され、前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第2層とを備える、請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  3. 前記レンズ基材と前記多層反射防止膜との間に、ハードコート層、或いはプライマー層及びハードコート層を更に備える、請求項1又は2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 前記撥水撥油層の厚みが5〜30nmである、請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
  5. レンズ基材上に二酸化ケイ素を主成分とする層を最外層として備える多層反射防止膜を形成して反射防止膜付レンズを得る工程と、
    前記反射防止膜付レンズ上に下記一般式(1):
    Figure 0005241504
    (式(1)中、Rfは炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキル基を表し、Yはヨウ素又は水素を表し、Y’は水素又は低級アルキル基を表し、Y”はフッ素又はトリフルオロメチル基を表し、Rは加水分解可能な基を表し、Rは水素又は不活性な一価の有機基を表し、a、b、c、dはそれぞれ0〜200の整数を表し、eは0又は1を表し、s及びtはそれぞれ0〜2の整数を表し、wは1〜10の整数を表す。)
    で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物、及び、下記一般式(2)〜(5):
    Figure 0005241504
    Figure 0005241504
    Figure 0005241504
    Figure 0005241504
    (式(2)〜(5)中、Xは酸素又は二価の有機基を表し、X’は加水分解可能な基を表し、X”は二価の有機シリコーン基を表し、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表し、qは1〜3の整数を表し、m、n、oはそれぞれ0〜200の整数を表し、pは1又は2を表し、rは2〜20の整数を表し、kは0〜2の整数を表し、zはkが0又は1である場合に0〜10の整数を表す。)
    で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の平均分子量が1000〜10000である第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物、並びに、下記一般式(6):
    Figure 0005241504
    (式(6)中、Rfは2価の直鎖状のパーフルオロポリエーテル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、Rは加水分解可能な基を表し、iは0〜2の整数を表し、jは1〜5の整数を表し、uは2又は3を表す。)
    で表される平均分子量が1000〜10000である第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として構成され、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物と前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物との質量比(第1/第2)が10/90〜90/10である撥水撥油層を形成する工程と、
    を含む、眼鏡レンズの製造方法。
  6. 前記撥水撥油層を形成する工程が、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物及び前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を含有する溶液を準備し、前記反射防止膜付レンズの表面に前記溶液を塗布した後に乾燥して、前記撥水撥油層を形成する工程である、請求項に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  7. 前記撥水撥油層を形成する工程が、前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物及び前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を真空槽内で蒸発させて、反射防止膜付レンズの表面に前記撥水撥油層を形成する工程である、請求項に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  8. 前記撥水撥油層を形成する工程が、真空槽内で前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を蒸発させて、前記反射防止膜付レンズの表面に前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第1層を形成し、その後、真空槽内で前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を蒸発させて、前記第1層の表面に前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第2層を形成して、前記反射防止膜付レンズの表面に前記第1層及び前記第2層を備える撥水撥油層を形成する工程である、請求項に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  9. 前記レンズ基材が、前記レンズ基材の表面にハードコート層、或いはプライマー層及びハードコート層が施されたものである、請求項5〜8のうちのいずれか一項に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  10. レンズ基材と、
    前記レンズ基材上に配置され、二酸化ケイ素を主成分とする層を最外層として備える多層反射防止膜と、
    前記多層反射防止膜の最外層に接して施され、2種類以上のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として構成される撥水撥油層を備える眼鏡レンズの製造方法であって、
    前記レンズ基材上に前記多層反射防止膜を形成して反射防止膜付レンズを得る工程と、
    真空槽内で第1及び第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物をそれぞれ一定の時間差をおいて蒸発させて、前記反射防止膜付レンズの表面に前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第1層、並びに前記第1層の表面に前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を主たる原料として構成される第2層を形成して、前記反射防止膜付レンズの表面に前記第1層及び前記第2層を備える撥水撥油層を形成する工程と、
    を含む、眼鏡レンズの製造方法。
  11. 前記撥水撥油層を形成するにあたり、前記真空槽内の発熱媒体上に配置したときに前記発熱媒体からの距離が異なる2箇所以上の材料充填用スペースが形成された1又は複数の容器を前記発熱媒体上に配置し、前記第1及び第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物の蒸発に時間差が生じるように、前記第1及び第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を前記材料充填用スペースに仕込む、請求項10に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  12. 前記第1のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物が、下記一般式(1):
    Figure 0005241504
    (式(1)中、Rfは炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキル基を表し、Yはヨウ素又は水素を表し、Y’は水素又は低級アルキル基を表し、Y”はフッ素又はトリフルオロメチル基を表し、Rは加水分解可能な基を表し、Rは水素又は不活性な一価の有機基を表し、a、b、c、dはそれぞれ0〜200の整数を表し、eは0又は1を表し、s及びtはそれぞれ0〜2の整数を表し、wは1〜10の整数を表す。)
    で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物、及び、下記一般式(2)〜(5):
    Figure 0005241504
    Figure 0005241504
    Figure 0005241504
    Figure 0005241504
    (式(2)〜(5)中、Xは酸素又は二価の有機基を表し、X’は加水分解可能な基を表し、X”は二価の有機シリコーン基を表し、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表し、qは1〜3の整数を表し、m、n、oはそれぞれ0〜200の整数を表し、pは1又は2を表し、rは2〜20の整数を表し、kは0〜2の整数を表し、zはkが0又は1である場合に0〜10の整数を表す。)
    で表されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種のものである、請求項10又は11に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  13. 前記第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物が、下記一般式(6):
    Figure 0005241504
    (式(6)中、Rfは2価の直鎖状のパーフルオロポリエーテル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、Rは加水分解可能な基を表し、iは0〜2の整数を表し、jは1〜5の整数を表し、uは2又は3を表す。)
    で表されるものである、請求項10〜12のうちのいずれか一項に記載の眼鏡レンズの製造方法。
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