JP4755909B2 - 眼鏡レンズの切削方法及び眼鏡レンズ - Google Patents

眼鏡レンズの切削方法及び眼鏡レンズ Download PDF

Info

Publication number
JP4755909B2
JP4755909B2 JP2006020550A JP2006020550A JP4755909B2 JP 4755909 B2 JP4755909 B2 JP 4755909B2 JP 2006020550 A JP2006020550 A JP 2006020550A JP 2006020550 A JP2006020550 A JP 2006020550A JP 4755909 B2 JP4755909 B2 JP 4755909B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
film
cutting
chlorinated
spectacle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006020550A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006330677A (ja
Inventor
崇光 廣瀬
斉 嘉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2006020550A priority Critical patent/JP4755909B2/ja
Priority to PCT/JP2006/307747 priority patent/WO2006117986A1/ja
Publication of JP2006330677A publication Critical patent/JP2006330677A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4755909B2 publication Critical patent/JP4755909B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • G02B1/041Lenses
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B9/00Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor
    • B24B9/02Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground
    • B24B9/06Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground of non-metallic inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain
    • B24B9/08Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground of non-metallic inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain of glass
    • B24B9/14Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground of non-metallic inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain of glass of optical work, e.g. lenses, prisms
    • B24B9/146Accessories, e.g. lens mounting devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Description

本発明は、眼鏡レンズの切削方法及び眼鏡レンズに関し、特に眼鏡レンズを加工する際に軸ずれを起こすことが無い眼鏡レンズの切削方法及び眼鏡レンズに関する。
眼鏡レンズは、円形の厚版レンズを眼鏡枠の形状に合わせるように玉型に切削加工して使用される。一方、眼鏡レンズの表面には傷防止のためのハードコート膜や反射防止膜の他に最表層に水ヤケ防止のための撥水性膜が施されている。近年、撥水性を備えた滑り性の良い水ヤケ防止膜が多く用いられるようになっている。レンズを玉型加工する際に、前述したような撥水性が良好なレンズ表面に、従来法によるエチレン−ビニルアセテートコポリマーなどからなるレンズ加工用両面テープを用いて加工を行った場合、レンズ表面の滑りが良いために、レンズ表面とサクションカップ又はレンズ加工用両面テープの間で滑りが起こり、軸ずれが生じやすい。このため滑り性の良好な表面を持つレンズに対しては、一般的に、ポリエステルなどのフイルムで作製される粘着テープをレンズ片面または両面に貼り、その上からサクションカップ又はレンズ加工用両面テープを貼着することで軸ずれを防止している(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、レンズの曲率半径が小さい形状の表面に粘着テープを貼った場合は粘着テープにしわが入ったり、レンズ表面と粘着テープの間に空気が入ったりすることで、玉型加工時に粘着テープの付着力低下を引き起こし、加工軸ずれを生じる場合がある。また粘着テープの大きさが加工玉型より大きいと、加工時にレンズと研削ツールの隙間にテープが挟まり、加工精度を低下させ、加工機の冷却水の排水口にテープ加工片が詰まるなどの問題が生じるため、一般的には粘着テープの大きさは切削されたレンズ形状より小さくなっている。このためレンズ表面と粘着テープの接触面積が小さくなり、レンズ度数が高いレンズなどのように加工時の負荷抵抗が大きい場合は、軸ずれを引き起こす場合がある。
また、特許文献1に開示されている粘着テープを使用した方法では、前もってレンズ度数の測定、光学中心及び乱視軸のマーキングを行い、その後に粘着テープを貼付する工程となるため、取り扱い時にキズを生じる機会が多くなる。
さらに、撥水性の良好なレンズの表面は水系やアルコール系の液体の濡れ性が悪く、レンズ表面で塗膜溶液が弾かれ、均一な透明膜を塗布することが難しいという問題があった。
また、特許文献2には、軸ずれ防止手段として、レンズの表面に塗布することにより、レンズ表面に密着固定される被膜を形成するための被膜形成剤と、所定強度を有する支持体と前記被膜上に貼着可能な粘着剤を少なくとも有する粘着テープから構成されるキットを用いることが開示され、前記被膜形成剤は合成樹脂と溶剤を含有し、合成樹脂として酢酸ビニルが、溶剤としてメタノールが好ましいと開示されている。
しかしながら、特許文献2記載のように、合成樹脂として酢酸ビニルを、溶剤としてメタノールを用いて被膜を形成した場合、皮膜に凹凸が生じて均一な膜が形成できず、皮膜形成後、レンズメータによる度数測定が困難という課題を有していた。
このような状況下において、撥水性を備え、滑り性の高いレンズの加工時に軸ずれを抑え、作業効率の良い切削加工方法が望まれていた。
特開2004-122302号公報 特開2004-122238号公報
本発明は前記の課題を解決するためなされたもので、撥水性を有するレンズを眼鏡枠に入れるための玉型加工等の切削加工を行う際に、軸ずれを引き起こすことがなく、作業効率の良い眼鏡レンズの切削方法及び眼鏡レンズを提供することを目的とするものである。
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、撥水性薄膜を施したレンズ表面に、塩素化ポリプロピレン又は塩素化ポリエチレンからなる樹脂製被膜を形成することにより、軸ずれを引き起こすことがなく眼鏡レンズが切削でき、前記樹脂製被膜は透明性を有するために、玉型加工等の切削加工を行う際に、被膜が形成された状態で度数測定、マーキングが行えるため、傷付きも防止されることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、撥水性薄膜を施したレンズ表面に、塩素化ポリプロピレン又は塩素化ポリエチレンからなる樹脂製被膜を形成する工程と、該樹脂製被膜上にレンズ加工用両面テープを貼着する工程と、前記レンズを切削加工する工程とを有する眼鏡レンズの切削方法、並びに、撥水性薄膜を施したレンズ表面に、塩素化ポリプロピレン又は塩素化ポリエチレンからなる樹脂製被膜を形成してなる眼鏡レンズを提供するものである。
本発明の眼鏡レンズの切削方法によれば、撥水性を有する眼鏡レンズを切削加工する際に、軸ずれを引き起こすことがなく正確な加工ができる。
本発明の眼鏡レンズの切削方法は、撥水性薄膜を施したレンズ表面に、塩素化ポリプロピレン又は塩素化ポリエチレンからなる樹脂製被膜を形成する工程と、該樹脂製被膜上にレンズ加工用両面テープを貼着する工程と、前記レンズを切削加工する工程とを有する。
また、本発明の眼鏡レンズは、撥水性薄膜を施したレンズ表面に、塩素化ポリプロピレン又は塩素化ポリエチレンからなる樹脂製被膜を形成してなるものである。
本発明に用いられるレンズとしては、特に限定されず、ガラスレンズ、プラスチックレンズのいずれにも適用でき、硬化膜や反射防止膜等が施されていてもよい。この硬化膜の材料としては、特に限定されず、公知の有機ケイ素化合物及び金属酸化物コロイド粒子よりなるコーティング組成物を使用することができる。前記反射防止膜の材質及び形成方法は特には限定されず、従来より知られている無機酸化物よりなる単層、多層膜を使用することができる。
また、レンズ表面に施される撥水性薄膜の種類及び形成方法は、特に限定されず、例えば、特開2005-3817号公報に記載されているような含フッ素シラン化合物等の撥水処理剤を用いて、真空蒸着等の公知の方法で形成すればよい。また、前記樹脂製被膜が撥水性薄膜から、より容易に剥がれやすくするため、撥水性薄膜は、撥水性に加え良好な撥油性を兼ね備えた材質からなることが好ましい。
前記塩素化ポリプロピレンからなる樹脂製被膜は、塩素化ポリプロピレンと溶媒とを含有した塩素化ポリプロピレン溶液からなる被膜形成剤を用いて形成されると好ましく、前記塩素化ポリエチレンからなる樹脂製被膜は、塩素化ポリエチレンと溶媒とを含有した塩素化ポリエチレン溶液からなる被膜形成剤を用いて形成されると好ましい。
以下、塩素化ポリプロピレン溶液と塩素化ポリエチレン溶液を総称して被膜形成剤ということがある。
本発明で用いる被膜形成剤は、レンズ表面に樹脂製被膜を形成するための溶液であり、被膜形成剤における塩素化ポリプロピレン及び塩素化ポリエチレン(溶質)の濃度は、それぞれについて被膜形成剤全量を基準にして、通常5〜40質量%、好ましくは15〜25質量%である。また、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンの重量平均分子量は、通常4〜10万、好ましくは6〜8万である。また、被膜形成剤の固形分濃度は、通常5〜40質量%、好ましくは15〜25質量%である。
前記塩素化ポリエチレンとはポリエチレンに塩素を付加させたもの、塩素化ポリプロピレンとはポリプロピレンに塩素を付加させたものである。
前記塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンに対する溶媒としては、特に限定されないが、例えば、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、エステル類、ケトン類及び脂環式炭化水素を有する脂肪族炭化水素化合物から選ばれる一種以上を用いれば好ましい。
前記芳香族炭化水素の例としては、トルエン、キシレン等が挙げられ、前記塩素化炭化水素の例としては、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等が挙げられ、前記エステル類の例としては、酢酸エステル類、プロピオン酸エステル類等が挙げられ、前記ケトン類の例としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン等が挙げられ、前記脂環式炭化水素を含有する脂肪族炭化水素の例としては、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。
また、本発明で用いる被膜形成剤は、必要に応じ、界面活性剤を添加しても良く、シリコーン系界面活性剤及び/又はフッ素系界面活性剤が好ましい。界面活性剤を添加することにより、形成被膜に凹凸がなく、より均一な膜となり、度数測定がより容易になる。
前記界面活性剤の添加量としては、被膜形成剤全量を基準にして、通常0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
前記シリコーン系界面活性剤としては、下記一般式(1)〜(4)の様な例が挙げられ、重合度及び変性率を変えることにより、低粘度液状から高粘度ペースト状、又は固体状のシリコーンにすることができ、また有機基Xにより任意の親水性を付与することができる。
Figure 0004755909
前記各一般式(1)〜(4)において、mは1以上の整数、nは1以上の整数である。
有機基Xとしては、下記ポリエーテル系、ポリグリセリン系、ピロリドン系、ベタイン系、硫酸塩、リン酸塩及び4級アミン塩等が挙げられる。
ポリエーテル系:−C36O(C24O)a(C36O)bR[aは1以上の整数、bは1以上の整数、Rは有機基である。]
ポリグリセリン系:−C36O(CH2CH(OH)CH2O)cH[cは1以上の整数。]
ピロリドン系:
Figure 0004755909
ベタイン系:−C36+(CH3)2CH2COO-
硫酸塩:−C36O(C24O)aSO3Na[aは1以上の整数。]
リン酸塩:−C36O(C24O)aPO3Na[aは1以上の整数。]
Figure 0004755909
[aは1以上の整数。]
4級アミン塩:−C36+(CH3)3・Cl-
また、前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、アニオン系 ノニオン系 カチオン系 両性イオン系等が挙げられる。
以上のような被膜形成剤を用いて、撥水性薄膜を施したレンズ表面に、樹脂製被膜を形成するが、樹脂製被膜の形成方法としては、例えば、スピンコーティング法や浸漬塗布法を用いることができ、浸漬塗布法で形成することが好ましい。具体的には浸漬塗布法により、通常、上昇速度50mm/min〜1000mm/min、好ましくは150mm/min〜600mm/minで、レンズの切削加工もしくは玉型加工に用いる軸部材によりレンズが固定される部分よりも広い面積に塗布するが、取り扱いキズを減らすという観点からはレンズ全面に塗布することが好ましい。塗布後、溶媒が揮発するとレンズ表面に密着固定された樹脂製被膜が形成される。
なお、従来、透明性を有する被膜を得るためには、被膜の膜厚ムラをなくし、膜中への気泡を排除する必要があったが、本発明では塩素化ポリプロピレン又は塩素化ポリエチレンを上記のような高揮発性の溶媒に溶解させた溶液を用いることで、例えば、浸漬後の引き上げ時にレンズ表面に形成された被膜からの溶媒の揮発が早いため、塗布溶液の粘度が高くなり、撥水膜による弾きは抑えられる。このため溶液の粘度も必要以上に高くする必要がなく、均一で透明な膜を得ることが可能となる。
本発明においては、前記樹脂製被膜が形成された後、該樹脂製被膜上にレンズ加工用両面テープを貼着し、レンズの切削加工を行う。
レンズ加工用両面テープとしては、特に限定されず公知のものを用いればよく、例えば、商品名:リープテープ(住友3M(株)製)、商品名:ブロッキングパット(株式会社サイモン製)等が知られている。
また、レンズを切削する加工機械としては、特に限定されず公知の機械を用いればよく、眼鏡小売店等で使用されている機械や、加工業者が使用している機械を使用することができる。
切削加工後の眼鏡レンズにおいて、樹脂製被膜が不要の場合には、樹脂製被膜の端を指でつまむなどして容易にはがすことができる。
以下、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)反射防止膜付プラスチックレンズの作製
プラスチックレンズとして、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート重合体系レンズ(HOYA(株)製Hi−Lux(商品名)、屈折率1.499、度数0.00)を用い、このプラスチックレンズ基材上に、特開昭63−10640号公報に開示されている硬化膜を施した。具体的には、SiO2濃度40%のコロイダルシリカ(スノーテックス−40、水分散シリカ、日産化学(株)製)240質量部に、0.5N塩酸2.0質量部、酢酸20質量部を加えた溶液を、35℃にして攪拌しながら、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(3官能有機ケイ素化合物)95質量部を滴下し、室温にて8時間攪拌し、室温にて16時間放置した。この加水分解溶液に、メチルセロソルブ80質量部、イソプロピルアルコール120質量部、ブチルアルコール40質量部、アルミニウムアセチルアセトン16質量部、シリコーン系界面活性剤(NUCシルウェットY−7006(商品名)、日本ウニカ(株)製)0.2質量部、紫外線吸収剤(チヌビンP(商品名)、チバガイギー製)0.1質量部を加えて、8時間攪拌後、室温にて24時間熟成させコーティング組成物を得た。該組成物を、引き上げ速度15cm/minで浸漬法により塗布、室温にて15分放置後、120℃で2時間加熱硬化して硬化膜を施した。
次に、前記硬化膜上に真空蒸着法(真空度2.67×10-3Pa(2×10-5Torr) )により、二酸化ケイ素からなる下地層(屈折率1.46、膜厚0.5λ(λは550nm))を形成し、該下地層の上に、プラスチックレンズに酸素イオンビームを照射するイオンビームアシスト法で得られる二酸化チタンからなる層(膜厚0.06λ)、真空蒸着法で得られる二酸化ケイ素からなる層(膜厚0.12λ)、さらにイオンビームアシスト法で得られる二酸化チタンからなる層(膜厚0.06λ)よりなる3層等価膜である第1層(屈折率1.70、膜厚0.24λ)を形成した。この第1層の上に、イオンビームアシスト法により二酸化チタンからなる第2層(屈折率2.40、膜厚0.5λ)を形成し、該第2層の上に、真空蒸着法(真空度2.67×10-3Pa(2×10-5Torr) )により二酸化ケイ素からなる第3層(屈折率1.46、膜厚0.25λ)を形成して、反射防止膜付きプラスチックレンズを得た。このレンズは直径75mmの円形で、視感反射率は0.4%であった。
(2)撥水性薄膜の形成
前記(1)で得られたプラスチックレンズの凹凸両面に、撥水処理剤として下記化合物(A)及び溶媒としてメタキシレンヘキサフロライド(C64(CF32)を用いて、下記のようにしてフッ素防汚コーティングが施されたレンズを作製した。
(CH3O)3SiCH2CH2CH2OCH2CF2(OC24p(OCF2qOCF2CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33 ・・・(A)
(式中、p=22、q=22、繰り返し単位(OC24)及び(OCF2)の配列はランダムであり、化合物(A)は3次元構造の硬化物である。)
化合物(A)を0.30mlしみ込ませたステンレス製焼結フィルター(細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を真空蒸着装置内にセットし、以下(I)、(II)の条件で電子銃を用いて該焼結フィルター全体を加熱して、前記反射防止膜付プラスチックレンズに撥水性薄膜を形成した。このレンズの度数は−7.00D、視感反射率は0.4%であった。
(I)真空度:3.1×10-4 〜8.0×10-4Pa(2.3×10-6〜6.0×10-6Torr)
(II)電子銃の条件
加速電圧:6kV、印加電流:15mA、照射面積:3.5×3.5cm2、蒸着時間:30秒
(3)樹脂製被膜の形成
被膜形成剤として、固形分濃度20質量%となるように、溶質として重量平均分子量6〜8万の塩素化ポリプロピレン、溶媒としてトルエン及びシクロヘキサンを含有する被膜形成剤(商品名:スーパークロン 日本製紙ケミカル(株)製)を使用して(2)で得られたプラスチックレンズを、常温で浸漬塗布法により下降速度を300mm/min、上昇速度を300mm/minとして被膜形成剤を全面に塗布し、15分間常温乾燥させてプラスチックレンズに樹脂製被膜を形成した。
(4)プラスチックレンズの評価
上記(1)〜(3)の操作を繰り返し、プラスチックレンズのサンプルを10枚作製し下記(i)及び(ii)の評価を行った。
(i)度数変化の測定
樹脂製被膜形成前と形成後のプラスチックレンズのサンプルについてレンズメーターにて度数の測定を行った結果を表1に示す。
(ii)軸ずれの測定
レンズの光学中心を通るよう、横方向(X軸)及び縦方向(Y軸)に2本の線を直交するように設ける。レンズの光学中心にレンズ加工用両面テープ(商品名:リープテープ(住友3M(株)製)の基準点が来るように、前記テープを貼り付ける。その後、HOYA(株)製の玉摺り加工機(商品名:AE−3000)を用いてレンズの玉型加工を行い、レンズ加工前と加工後のレンズ加工用両面テープの基準点間の直線間距離及び角度を測定し、それぞれ中心ずれ距離(A(mm))、軸ずれ角(θ(°))とした(図1参照)。図1において、点線が加工前の直行座標、実線が加工後の直行座標を示す。得られた結果を表2に示す。
なお、表2中、中心ずれ距離Aが0.5mm以上を×、0.5mm未満を○として記載した。
比較例1
実施例1において、樹脂製被膜の代わりに眼鏡用レンズの両面にポリエステル製フィルム(商品名:AT−22 ビッグテクノス(株)製)を貼り付け、その上の凸面に両面加工用テープ(リープテープ(住友3M(株)製))を貼り付けた以外は同様にして、プラスチックレンズのサンプルを10枚作製し(4)の(i)及び(ii)の評価を行った。それらの結果を表1及び2に示す。
ただし、比較例1においては、(4)の(i)の測定は、樹脂製被膜形成前と形成後のプラスチックレンズのサンプルの代わりに、ポリエステル製フィルムの貼り付け前と貼り付け後のサンプルについてレンズメーターにて度数の測定を行った。
比較例2
実施例1において、樹脂製被膜を形成せず、眼鏡用レンズの凸面に両面加工用テープ(リープテープ(住友3M(株)製))のみを貼り付けた以外は同様にして、プラスチックレンズのサンプルを10枚作製し(4)の(ii)の評価を行った結果を表2に示す。
Figure 0004755909
※Sは度数を表し、単位はDである。
表1の結果より、実施例1のプラスチックレンズでは樹脂製被膜形成の前後で度数表示差が大きくずれるものは無かった。これに対し、比較例1のプラスチックレンズではポリエステル製フィルムの貼り付け前後で度数表示差が大きく、度数の誤表示となるものがあるため、フィルムやテープ貼り付け後に正確な度数測定を行うことはできない。なお、通常は、フィルムやテープを張る位置を決めるためにレンズメーターを使用するため、何の印も無い状態で正確な位置にフィルムやテープを張ることは不可能である。
以上の結果より、実施例1のように樹脂製被膜を形成することにより、正確な度数測定が行えることが確認された。
Figure 0004755909
表2の結果より、実施例1のプラスチックレンズでは、10枚すべてについて中心ずれ及び軸ずれが発生しなかった。一方、比較例1では中心ずれはないが、軸ずれが起きたものがあった。比較例2では、全てのレンズで中心ずれ、軸ずれがおきた。また、実施例1のプラスチックレンズは玉型加工後の撥水性が劣化することなく維持されていた。
また、玉型加工終了後、実施例1のプラスチックレンズの樹脂製被膜の端を指でつまんで剥がすと、加工後のレンズはレンズ表面に汚れの無いきれいな状態となり、その後も洗浄を必要としないため、取り扱い傷を減らすことが可能となった。
実施例2
実施例1において、被膜形成剤に、シリコーン系界面活性剤(Y−7006(商品名)、(東レ・ダウコーニング社製))を0.1質量%添加した以外は全て同様にしてプラスチックレンズに樹脂製被膜を形成し、実施例1の(4)と同様にプラスチックレンズを評価したところ実施例1と同様の結果が得られた。
比較例3
実施例1において、実施例1で用いた被膜形成剤の代わりに、合成樹脂として変性酢酸ビニル樹脂を25〜35質量%、溶剤としてメタノールを65〜75質量%含有する被膜形成剤(Three Bond 1401(商品名)、(株)スリーボンド製)を用いた以外は同様にしてプラスチックレンズに樹脂製被膜を形成したところ、レンズ表面に凹凸ができてしまい、実施例1の(4)の(1)と同様にプラスチックレンズの度数測定を行なった結果、レンズメータにおける度数表示値が誤数値となった。
本発明の眼鏡レンズの切削方法によれば、撥水性を有する眼鏡レンズを玉型加工等の切削加工する際に、軸ずれを引き起こすことがなく正確な加工ができる。このため、実用的な眼鏡レンズの切削方法として有用である。
レンズの軸ずれを評価する基準となる中心ずれ距離及び軸ずれ角を説明する図である。

Claims (10)

  1. 撥水性薄膜を施したレンズ表面に、塩素化ポリプロピレン又は塩素化ポリエチレンからなる樹脂製被膜を形成する工程と、該樹脂製被膜上にレンズ加工用両面テープを貼着する工程と、前記レンズを切削加工する工程とを有する眼鏡レンズの切削方法。
  2. 前記樹脂製被膜が浸漬塗布法により形成されるものである請求項1記載の眼鏡レンズの切削方法。
  3. 前記塩素化ポリプロピレンからなる樹脂製被膜が、塩素化ポリプロピレンと、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、エステル類、ケトン類及び脂環式炭化水素を有する脂肪族炭化水素化合物から選ばれる一種以上の溶媒とを含有した塩素化ポリプロピレン溶液からなる被膜形成剤を用いて形成されるものである請求項1又は2記載の眼鏡レンズの切削方法。
  4. 前記塩素化ポリエチレンからなる樹脂製被膜が、塩素化ポリエチレンと、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、エステル類、ケトン類及び脂環式炭化水素を有する脂肪族炭化水素化合物から選ばれる一種以上の溶媒とを含有した塩素化ポリエチレン溶液からなる被膜形成剤を用いて形成されるものである請求項1又は2記載の眼鏡レンズの切削方法。
  5. 前記樹脂製被膜が界面活性剤を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の眼鏡レンズの切削方法。
  6. 前記撥水性薄膜が撥油性を兼ね備えた請求項1〜5のいずれかに記載の眼鏡レンズの切削方法。
  7. 前記レンズが反射防止膜を有する請求項1〜6のいずれかに記載の眼鏡レンズの切削方法。
  8. 撥水性薄膜を施したレンズ表面に、塩素化ポリプロピレン又は塩素化ポリエチレンからなる樹脂製被膜を形成してなる眼鏡レンズ。
  9. 前記樹脂製被膜が界面活性剤を含有する請求項8に記載の眼鏡レンズ。
  10. 前記レンズが反射防止膜を有する請求項8又は9記載の眼鏡レンズ。

JP2006020550A 2005-04-27 2006-01-30 眼鏡レンズの切削方法及び眼鏡レンズ Active JP4755909B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006020550A JP4755909B2 (ja) 2005-04-27 2006-01-30 眼鏡レンズの切削方法及び眼鏡レンズ
PCT/JP2006/307747 WO2006117986A1 (ja) 2005-04-27 2006-04-12 眼鏡レンズの切削方法及び眼鏡レンズ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005129231 2005-04-27
JP2005129231 2005-04-27
JP2006020550A JP4755909B2 (ja) 2005-04-27 2006-01-30 眼鏡レンズの切削方法及び眼鏡レンズ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006330677A JP2006330677A (ja) 2006-12-07
JP4755909B2 true JP4755909B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=37307789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006020550A Active JP4755909B2 (ja) 2005-04-27 2006-01-30 眼鏡レンズの切削方法及び眼鏡レンズ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4755909B2 (ja)
WO (1) WO2006117986A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008152085A (ja) * 2006-12-19 2008-07-03 Hoya Corp 眼鏡用レンズの製造方法、眼鏡用レンズの成膜装置および眼鏡用レンズ
WO2008114781A1 (ja) * 2007-03-16 2008-09-25 Hoya Corporation 眼鏡レンズの縁摺り加工方法
JP5855393B2 (ja) * 2011-08-31 2016-02-09 株式会社ニコン・エシロール 眼鏡用レンズ
JP2013254161A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Nikon-Essilor Co Ltd 眼鏡用レンズ及びその加工方法
JP6286644B2 (ja) 2014-05-30 2018-03-07 東海光学株式会社 ずれ防止用コート剤

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1138270A (en) * 1979-05-08 1982-12-28 Albert J. Ronning Conformable, multilayered tape
JP4046546B2 (ja) * 2002-04-30 2008-02-13 日東電工株式会社 メガネ用レンズの研磨方法および該研磨方法で用いられる粘着シート
JP3715601B2 (ja) * 2002-08-05 2005-11-09 ソーラオプティカルジャパン株式会社 眼鏡用レンズの玉型加工に用いる軸ずれ防止キット及びこれを用いた眼鏡用レンズの玉型加工方法
JP3771524B2 (ja) * 2002-08-06 2006-04-26 株式会社 シミズメガネ 眼鏡用レンズの加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006330677A (ja) 2006-12-07
WO2006117986A1 (ja) 2006-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9188703B2 (en) Curable coating compositions providing antistatic abrasion resistant coated articles
EP1669795B1 (en) Stainproof eyeglass lens and method for production thereof
US9075189B2 (en) Method for obtaining optical articles having superior abrasion resistant properties, and coated articles prepared according to such method
US8187676B2 (en) Process for preparing articles having anti-fog layer by layer coating and coated articles having enhanced anti-fog and durability properties
JP4797904B2 (ja) 防汚性物品の製造方法、および防汚性物品
JP4755909B2 (ja) 眼鏡レンズの切削方法及び眼鏡レンズ
JP2009175500A (ja) 光学部材の製造方法
JP6257897B2 (ja) 光学物品およびその製造方法
JP2007276445A (ja) 防汚層を有する製品の製造方法および防汚層を有する製品
JP2009258633A (ja) 光学物品の製造方法
JP4420476B2 (ja) 表面改質膜用組成物,表面改質膜,表示装置用フィルター,表示装置及び表示装置用フィルターの製造方法
US9625742B2 (en) Optical article comprising a precursor coating of an anti-fog coating and a temporary layer made of metal fluorides or compounds including magnesium and oxygen
JP2008513815A (ja) 疎水性コーティングが施された眼科用ガラスの研磨・打ち抜き特性の改善
KR100693656B1 (ko) 방오성 안경 렌즈 및 그 제조방법
JP2005234311A (ja) 光学素子および光学素子の製造方法
JP5038621B2 (ja) 反射防止膜および反射防止膜形成用組成物
JP2009173787A (ja) 撥水材料、それを用いた光学部材の製造方法、光学部材並びに眼鏡用プラスチックレンズ
JP2008139531A (ja) 有機系の反射防止層形成用組成物の製造方法および有機系の反射防止層を有する製品の製造方法
CN104977631A (zh) 用于在底物的面上沉积顶涂层的方法和柔性沉积装置
JP2009184096A (ja) 加工用テープ、及び玉摺り加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110524

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110530

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4755909

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250