JP5240388B1 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】天候の如何に拘わらずスピン量を安定して確保する。
【解決手段】フェース面12のスコアライン14に挟まれた複数の帯状領域30に形成された複数の細溝32は、複数の第1の溝部16Aと複数の第2の溝部16Bとを含み、第1の溝部16Aと第2の溝部16Bとは、トウヒール方向と交差する方向において隣り合う帯状領域30毎に交互に形成されている。そして、スコアライン14に対して第1の溝部16Aと第2の溝部16Bがなす角度のうち、ヒール26からトウ28に至るにしたがってそれら溝部が上方に変位する場合の角度を正、下方に変位する場合の角度を負としたとき、第1の溝部16Aがスコアライン14に対してなす角度および第2の溝部16Bがスコアライン14に対してなす角度のうち、一方の角度が正で他方の角度が負であるようにした。
【選択図】図11

Description

本発明はゴルフクラブヘッドに関する。
一般的に、ゴルフクラブヘッドのフェース面には、トウヒール方向と直交する方向に間隔をおいて形成された複数のスコアラインが形成されている。
スコアラインは、以下の機能を奏する。
1)ゴルフボールを打球したときにスピン量を増加させる。
2)芝や泥・水などフェース面とゴルフボールの間の介在物を排出する。
3)ゴルフボールとフェース面間でのスリップ現象を抑制する。
しかし、スコアラインを有していても、ボールとフェース面の衝突角が大きくなるウェッジクラブ(ロフトが大きいクラブ)では、しばしばスリップ現象が発生することがあるし、フェース面とボール間の摩擦力不足によりスピン量が少ない場面が多々ある。
また、上述したようにスコアラインのスピンに対する影響は大きく、非スリップ時のスピン量増大・スリップ減少の抑止に大きな意味を持っている。
しかし、スコアラインに対するルール規制は厳しく、一般的にはスコアラインの配置はある程度決まってしまう。
また、スコアラインのエッジ形状についても、最近ルールが制定され、角形状はスピン量を増大させるとして、丸みを帯びた形状にせざるを得ない。
そこで、スコアラインよりも細い細溝をフェース面に形成することで、言い換えると、スコアライン以外の平面部分に細溝を形成することで、スピン量の増大およびスリップの抑止を図ったゴルフクラブヘッドが提案されている。
例えば、特許文献1には、複数の細溝の配列方向とスコアラインとがなす角度を特定の角度範囲に設定したゴルフクラブヘッドが提案されている。
また、特許文献2には、スコアラインと平行な第1の細溝と、第1の細溝と交差する第2の細溝とを形成したゴルフクラブヘッドが提案されている。
特開2008−132168号公報 特開2011−234749号公報
しかしながら、上記従来技術では、フェース面でゴルフボールを打撃した際にフェース面上を接触しつつ移動するゴルフボールの移動方向と細溝の延在方向とが交差していることから、ゴルフボールと細溝との間に存在する水が排水されにくい。
そのため、雨天時にはゴルフボールがフェース面上でスリップしやすく、晴天時でのスピン量と雨天時でのスピン量とで大きな差異が発生してしまうため、改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、天候の如何に拘わらずスピン量を安定して確保する上で有利なゴルフクラブヘッドを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、フェース面と、前記フェース面にトウヒール方向に延在しトウヒール方向と交差する方向に間隔をおいて互いに平行に形成された複数のスコアラインと、前記複数のスコアラインで挟まれ細長状にトウヒール方向に延在する前記フェース面の部分で形成された複数の帯状領域と、前記複数の帯状領域に形成された複数の細溝とを備えるゴルフクラブヘッドであって、前記複数の細溝は、複数の第1の溝部と複数の第2の溝部とを含み、前記第1の溝部と前記第2の溝部とは、前記交差する方向において隣り合う前記帯状領域毎に交互に形成され、前記第1の溝部の延在方向の両端および前記第2の溝部の延在方向の両端は、前記スコアラインの近傍に位置し、前記スコアラインと接触せず、前記スコアラインに対して前記第1の溝部と前記第2の溝部とがなす角度のうち、ヒールからトウに至るにしたがってそれら溝部が上方に変位する場合の角度を正、下方に変位する場合の角度を負としたとき、前記第1の溝部が前記スコアラインに対してなす角度および前記第2の溝部が前記スコアラインに対してなす角度のうち、一方の角度が正で他方の角度が負であり、前記正の角度は、10度以上80度以下の範囲内であり、前記負の角度は、−80度以上−10度以下の範囲内であり、前記第1の溝部および前記第2の溝部の深さは、5μm以上25μm以下の範囲内であり、前記第1の溝部および前記第2の溝部の幅は、0.05mm以上0.20mm以下の範囲内であり、前記第1の溝部および前記第2の溝部の配置間隔は、0.5mm以上5.0mm以下の範囲内であることを特徴とする。
本発明によれば、第1の溝部および第2の溝部の一方がフェース面上におけるゴルフボールの移動軌跡と交差し、第1の溝部および第2の溝部の他方が移動軌跡とほぼ平行するため、第1の溝部および第2の溝部の一方によってゴルフボールのスピン量を増加させることができ、かつ、第1の溝部および第2の溝部の他方によって排水性を向上させることができる。したがって、天候の如何に拘わらずスピン量を安定して確保する上で有利となる。
(A)、(B)は打撃時におけるゴルクラブヘッド10とゴルフボール2の挙動を説明する図である。 (A)はフェース面12に複数の第1の溝部16Aが形成されたゴルフクラブヘッド10の正面図、(B)は(A)の部分断面図、(C)は水がフェース面12に付着した場合の説明図である。 (A)はフェース面12に複数の第2の溝部16Bが形成されたゴルフクラブヘッド10の正面図、(B)は(A)の部分断面図、(C)は水がフェース面12に付着した場合の説明図である。 (A)〜(C)はウェッジクラブのゴルクラブヘッド10とゴルフボール2の挙動を説明する図である。 (A)〜(D)は試料A〜Dの正面図である。 試料A〜Dを用いた実験の説明図である。 各試料A〜Dの表面が水で濡れていない状態における各試料A〜Dにおける衝突角とスピン量との測定結果を示す線図である。 (A)は試料Bの正面図、(B)はゴルフボール2を打撃した場合における(A)のBB線断面の拡大図である。 各試料A〜Dの表面を水で濡らした状態における各試料A〜Dにおける衝突角とスピン量との測定結果を示す線図である。 (A)は試料Dの正面図、(B)はゴルフボール2を打撃した場合における(A)のBB線断面の拡大図である。 本実施の形態のゴルフクラブヘッド10の正面図である。 図11のスコアライン14および細溝32の部分拡大図である。 スコアライン14に対して第1の溝部16Aと第2の溝部16Bとがなす角度α、角度βの説明図である。 ゴルフクラブヘッド10を取り付けたゴルフクラブ測定器100の斜視図である。 実験例1のゴルフクラブヘッド10の正面図である。 実験例2のゴルフクラブヘッド10の正面図である。 実験例3のゴルフクラブヘッド10の正面図である。 実験例4のゴルフクラブヘッド10の正面図である。 実験例5のゴルフクラブヘッド10の正面図である。 実験例6のゴルフクラブヘッド10の正面図である。 実験例7のゴルフクラブヘッド10の正面図である。 実験例8のゴルフクラブヘッド10の正面図である。 実験例10のゴルフクラブヘッド10の正面図である。 実験例12のゴルフクラブヘッド10の正面図である。 第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bが曲線である場合における第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bがスコアライン14となす角度の規定を示す説明図である。 実験例1〜14の実験結果を示す第1の図である。 実験例1〜14の実験結果を示す第2の図である。 実験例15〜38の実験結果を示す第1の図である。 実験例15〜38の実験結果を示す第2の図である。 ゴルフのルールで規定されるスコアライン14の形状の説明図である。
本発明の実施の形態について説明する前に、ゴルフクラブヘッド10のフェース面12に形成された細溝の効果について説明する。
図1(A)に示すように、ゴルフクラブヘッドがウェッジクラブの場合は、ヘッドが開き気味の状態でゴルフボール2を打撃する。
そのため、図1(B)に示すように、フェース面12を正面から見て、ゴルフクラブヘッド10のフェース面12上におけるゴルフボール2の移動軌跡Aは、スコアライン14に対して斜め左上方向となる。
図2(A)は、フェース面12に形成され複数のスコアライン14で挟まれたトウヒール方向に延在する複数の帯状領域30に細溝を構成する複数の第1の溝部16Aを形成したゴルフクラブヘッド10の正面図、(B)は(A)のBB線断面の一部を拡大した図である。
この場合、複数の第1の溝部16Aは、それら第1の溝部16Aとゴルフボール2の移動軌跡A(図1(B))がほぼ直交するように、ヒールからトウに至るにしたがってそれら第1の溝部16Aが下方に変位する角度で形成されている。
この場合、フェース面12上でゴルフボール2が摺動する際にゴルフボール2の表面と摺動する第1の溝部16Aの数が増大するため、ゴルフボール2のスピン量を増やす上で有利となる。
一方、図2(C)に示すように、雨天などにより水Wが複数の第1の溝部16Aに付着したものとする。
この場合、第1の溝部16Aを設けることによって水分の逃げ道が増える。したがって、ゴルフクラブヘッド10をスウィングしてゴルフボール2を打撃すると、打撃時における排水性能の向上が見込める反面、スウィング方向も、ゴルフボール2の移動軌跡も第1の溝部16Aとほぼ直交するため、第1の溝部16Aによる排水性能を確保する上では不利となる。
また、フェース面12上に水分がある状態でスウィングした場合、スウィングにより、水分がフェース面12から吹き飛ばされるが、第1の溝部16Aが形成されている場合は、第1の溝部16Aによる水分保持力が高いため、フェース面12に水分が残り易くなる。したがって、このようなことからも第1の溝部16Aによる排水性能を十分に確保する上で不利がある。
図3(A)は、フェース面12に形成され複数のスコアライン14で挟まれたトウヒール方向に延在する複数の帯状領域30に細溝を構成する複数の第2の溝部16Bを形成したゴルフクラブヘッド10の正面図、(B)は(A)のBB線断面の一部を拡大した図である。
この場合、複数の第2の溝部16Bは、それら第2の溝部16Bとゴルフボール2の移動軌跡A(図1(B))がほぼ平行するように、ヒールからトウに至るにしたがってそれら第2の溝部16Bが上方に変位する角度で形成されている。
一方、図3(C)に示すように、雨天などにより水Wが複数の第2の溝部16Bに付着したものとする。
この状態で、ゴルフクラブヘッド10をスウィングしてゴルフボール2を打撃すると、スウィング方向も、ゴルフボール2の移動軌跡も第2の溝部16Bとほぼ平行することになるため、水は第2の溝部16Bに沿って流れて排水され易く、したがって、ゴルフボール2がフェース面12上でスリップしにくくなる。
しかしながら、この場合、フェース面12上でゴルフボール2が摺動する際にゴルフボール2の表面と摺動する第2の溝部16Bの数が減少するため、ゴルフボール2のスピン量を増やす上で不利となる。
したがって、図2、図3に示したように、溝部16A、16Bの方向をどちらか一方にしたのでは、ゴルフボール2のスピン量の増大と排水性の向上との何れか一方を確保する上で有利になるものの、他方の性能が低下してしまう不都合が生じることになる。
次に、実際にゴルファがウェッジクラブのゴルフクラブヘッド10を用いてゴルフボール2を打撃したときのフェース面12上でのゴルフボール2の移動軌跡について詳細に説明する。
図4(A)に示すように、ゴルフクラブヘッド10でゴルフボール2を打撃すると、ゴルフボール2はフェース面12上で矢印方向に移動する。
実際の測定結果から、ウェッジクラブのゴルフクラブヘッド10の場合は、図4(B)に示すように、ゴルフクラブヘッド10の移動軌跡がアウトサイドインであって、かつ、図4(C)に示すように、フェース面12が開かれた状態でゴルフボール2が打撃されることが多いことがわかった。なお、ウェッジクラブ以外のゴルフクラブヘッド10の場合は、ゴルフクラブヘッド10の移動軌跡はウェッジクラブよりもストレートに近い傾向である。
したがって、ウェッジクラブのゴルフクラブヘッド10の場合は、ウェッジクラブ以外のゴルフクラブヘッド10に比べて、フェース面12上でのゴルフボール2の移動軌跡が、ヒールからトウに至るにしたがって上方に変位する軌跡となる傾向が顕著となることがわかる。
次に、フェース面12上に形成する細溝を構成する溝部の配置形態を様々に変えてスピン量および排水性がどのように変化するかを実験した。
図5(A)〜(D)に示すように、フェース面12の溝部の配置形態を異ならせた4種類の試料A〜Dを作製した。
各試料A〜Dとも同形同大の矩形板状の金属板材の表面に複数のスコアライン14を形成し、試料C〜Dにはさらに溝部を形成した。
図5(A)は、試料Aであり、スコアライン14のみを形成したものである。
図5(B)は、試料Bであり、スコアライン14の間にスコアライン14と平行する複数の第1の溝部16Aを形成したものである。
図5(C)は、試料Cであり、スコアライン14と直交する複数の第2の溝部16Bをスコアライン14の延在方向に間隔をおいて形成したものである。
図5(D)は、試料Dであり、スコアライン14の間に、スコアライン14と平行する複数の第1の溝部16Aと、スコアライン14と直交する複数の第2の溝部16Bとを交互に形成したものである。
図6に示すように、各試料A〜Dをその表面が斜め上方を向くように傾斜した状態で固定台座4に取着し、エアキャノン6からゴルフボール2を打ち出して各試料A〜Dの表面に当てる。
なお、この場合、スコアライン14は水平方向と平行させている。
ゴルフボール2の移動方向と各試料A〜Dの表面の法線とがなす角度を衝突角とする。
各試料A〜Dの表面に当たったのちのゴルフボール2のスピン量を測定した。
図7は、各試料A〜Dにおける衝突角とスピン量との測定結果を示す線図である。
図7からわかるように、スピン量を確保する効果は、試料A、Cが最低であり、試料Dが中間であり、試料Bが最大である。
したがって、図8(A)に示すように、ゴルフボール2の起動軌跡と第1の溝部16Aの延在方向とが直交することがスピン量を確保する上で有利であることがわかる。
これは、図8(B)に示すように、フェース面12におけるスコアライン14の間の平坦な帯状領域に形成された第1の溝部16Aが、ゴルフボール2の起動軌跡と交差(直交)しているため、試料A〜Dの表面上でゴルフボール2が摺動する際にゴルフボール2の表面と摺動する第1の溝部16Aの数が多く、かつ、第1の溝部16Aがゴルフボール2の表面に引っかかり易く、ゴルフボール2とフェース面12との間に大きな摩擦が発生することによるものである。
次に、各試料の表面を水で濡らした状態で上記と同様の実験を行った。
具体的には、水を含浸させた薬包紙を各試料A〜Dの表面全域に貼り付けた状態とした。
図9に実験結果を示す。図9からわかるように、試料の表面が水で濡れた状態では、スピン量を確保する効果は、試料A、試料B、試料D、試料Cの順番で大きくなる。
したがって、図10(A)に示すように、試料の表面が水で濡れた状態では、ゴルフボール2の起動軌跡と第2の溝部16Bの延在方向とがほぼ平行することがスピン量を確保する上で有利であることがわかる。
これは、図10(B)に示すように、スコアライン14の間の平坦な帯状領域に形成された第2の溝部16Bがゴルフボール2の起動軌跡とほぼ平行しているため、ゴルフボール2とフェース面12との間の水が矢印で示すように第2の溝部16Bに沿って排出されやすく、ゴルフボール2がフェース面12上でスリップしにくくなることによるものである。
以上の実験結果から、フェース面12上にゴルフボール2の移動軌跡と交差する第1の溝部16Aと、移動軌跡とほぼ平行する第2の溝部16Bとの双方を設けると、ゴルフボール2およびフェース面12に水が付いているか否かの影響を受けることなく、ゴルフボール2のスピン量を安定して確保する上で有利となることが期待される。
本発明は、上述した知見に基いてなされたものである。
(実施の形態)
次に本発明の実施の形態について説明する。
図11は、本実施の形態のゴルフクラブヘッド10の正面図、図12は、図11の部分拡大図である。
本実施の形態では、ゴルフクラブヘッド10がウェッジクラブのゴルフクラブヘッドである場合について説明するが、本発明はウェッジクラブ以外のゴルフクラブのアイアン型ゴルフクラブヘッドにも適用可能である。この場合、ウェッジクラブを含むアイアン型ゴルフクラブヘッドのロフト角は、40度〜70度の範囲である。
また、ゴルフクラブヘッド10の材質は、鉄(SUS、軟鉄)、カーボン、Ti、セラミックスなど従来公知の様々な材料が使用可能である。
ゴルフクラブヘッド10は、フェース部18と、ソール部20と、ブレード部22と、ホーゼル24とを備えている。
フェース部18は、その前面が上下の高さを有して左右に延在するフェース面12とされている。
ソール部20は、フェース部18の下部によって形成され、ソール部20の下面がソール面となっている。
ブレード部22は、フェース部18の上部によって形成されている。
ホーゼル24は、フェース部18のヒール26側の箇所から起立され、ホーゼル24にシャフト11の一端が挿入して取着されることでのシャフト11がゴルフクラブヘッド10に連結される。なお、図11において符号28はゴルフクラブヘッド10のトウである。
ゴルフクラブヘッド10は、さらに複数のスコアライン14と、複数の帯状領域30と、複数の細溝32とを備えている。
スコアライン14は、フェース面12にトウヒール方向に延在しトウヒール方向と交差(直交)する方向に間隔をおいて互いに平行に複数形成されており、スコアライン14は溝で形成されている。
本実施の形態では、スコアライン14の深さは200〜600μm、幅は250μm〜1000μm、スコアライン14の間隔は1.5〜6.0mmである。
複数の帯状領域30は、複数のスコアライン14で挟まれ細長状にトウヒール方向に延在するフェース面12の部分で形成されている。
複数の細溝32は、複数の帯状領域30に形成されており、複数の細溝32は、複数の第1の溝部16Aと複数の第2の溝部16Bとを含んでいる。
第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bは、直線または曲線である。
第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bは、切削加工、あるいは、レーザ加工、あるいは、打刻により形成される。
第1の溝部16Aと第2の溝部16Bとは、トウヒール方向と交差(直交)する方向において隣り合う帯状領域30毎に交互に形成されている。
図13に示すように、スコアライン14に対して第1の溝部16Aと第2の溝部16Bとがなす角度のうち、ヒール26からトウ28に至るにしたがってそれら溝部が上方に変位する場合の角度αを正、ヒール26からトウ28に至るにしたがってそれら溝部が下方に変位する場合の角度βを負と規定する。
この場合、第1の溝部16Aがスコアライン14に対してなす角度および第2の溝部16Bがスコアライン14に対してなす角度のうち、一方の角度が正で他方の角度が負である。本実施の形態では、第1の溝部16Aの角度が正の角度α>0で、第2の溝部16Bの角度が負の角度β<0である。
第1の溝部16Aが構成されていると、第1の溝部16Aが、ゴルフボール2の起動軌跡と交差しているため、フェース面12上でゴルフボール2が摺動する際にゴルフボール2の表面と摺動する第1の溝部16Aの数が多く、かつ、第1の溝部16Aがゴルフボール2の表面に引っかかり易く、ゴルフボール2とフェース面12との間に大きな摩擦が発生することでスピン量を確保する上で有利となる。
また、第2の溝部16Bが構成されていると、ゴルフボール2の起動軌跡と第2の溝部16Bの延在方向とがほぼ平行するため、ゴルフボール2とフェース面12との間の水が第2の溝部16Bに沿って排出されやすく、ゴルフボール2がフェース面12上でスリップしにくくなるため、フェース面12およびゴルフボール2が水で濡れた状態であってもスピン量を確保する上で有利となる。
したがって、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの双方が設けられていることにより、ゴルフボール2およびフェース面12に水が付いているか否かの影響を受けることなく、ゴルフボール2のスピン量を安定して確保する上で有利となる。
なお、本実施の形態では、複数の細溝32は、最もフェース面12の下縁寄りに位置するスコアライン14とフェース面12の下縁との間のフェース面12の箇所にも形成されている。
また、複数の細溝32は、フェース面12の下縁から、スコアライン14のうち最も長いスコアライン14の中点を通りスコアライン14と直交する直線に沿って少なくともフェース面12の下縁から15mmに最も近いスコアライン14まで形成されている。
フェース面12の下縁から15mmに最も近いスコアライン14まで形成されていると、フェース面12がゴルフボール2を打撃する際に複数の細溝32がゴルフボール2の表面に的確に接触させることができ、スピン量を確保する上で有利となる。
正の角度αは、10度以上80度以下の範囲内であり、負の角度βは、−80度以上−10度以下の範囲内である。
正の角度αが上記範囲内であると、スピン量を確保する上で有利となる。
正の角度αが上記範囲外であると、スピン量を確保する効果が小さくなる。
負の角度βが上記範囲内であると、排水性を確保する上で有利となる。
負の角度βが上記範囲外であると、排水性を確保する効果が小さくなる。
図12に示すように、第1の溝部16Aの延在方向の両端および第2の溝部16Bの延在方向の両端は、スコアライン14の近傍に位置し、スコアライン14と接触しないように構成されている。
第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bがスコアライン14と接触し、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bとスコアライン14とが交差すると、この交差する箇所に水が付着しやすくなる。
本実施の形態のように、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bがスコアライン14と接触しないと、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bとスコアライン14とが交差する箇所の水の付着を抑制でき、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの排水性を確保する上で有利となる。
また、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの深さは、5μm以上25μm以下の範囲内であり、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの幅は、0.05mm以上0.20mm以下の範囲内であり、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの配置間隔は、0.5mm以上5.0mm以下の範囲内である。
第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの深さ、幅、配置間隔の全てが上記の範囲内であると、溝部とゴルフボール2との摩擦を大きく確保することができ、スピン量を確保する上で有利となる。
第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの深さ、幅、配置間隔の何れかが上記範囲外であると、溝部とゴルフボール2との摩擦を大きく確保するし、スピン量を確保する効果が小さくなる。
ここで、ゴルフクラブヘッド10を基準状態に設置する際の基準面について説明する。
図14に示すように、ゴルフクラブ測定器100は、ゴルフクラブシャフト11を保持するシャフト保持部102と、シャフト保持部102が取付けられたライ角度調整部104と、ライ角度調整部104と一体に設けられた測定台106と、測定台106上に前後方向に移動自在に載置されたフェース角度調整具108とを備えている。
このゴルフクラブ測定器100では、ゴルフクラブシャフト11をシャフト保持部102によって保持するとともに、ライ角度調整部104によってシャフト保持部102の角度を調整することにより、ゴルフクラブが測定台106の基準面106Aに対してライ角度通りのアドレスポジションに設置されるようにゴルフクラブシャフト11の角度を調整する。
次に、ゴルフクラブヘッド10のソール部20を基準面106Aに接触させるとともに、フェース角度調整具108の先端部108Aにフェース面12を密着させることにより、先端部108Aに対するフェース角度が0°になるようにゴルフクラブシャフト11をシャフト保持部102のチャック部102Aで固定する。
この状態における基準面106Aがゴルフクラブヘッド10の基準状態を規定する基準面となる。
以上説明したように、本実施の形態では、フェース面12のスコアライン14に挟まれた複数の帯状領域30に形成された複数の細溝32は、複数の第1の溝部16Aと複数の第2の溝部16Bとを含み、第1の溝部16Aと第2の溝部16Bとは、トウヒール方向と交差する方向において隣り合う帯状領域30毎に交互に形成されている。
そして、スコアライン14に対して第1の溝部16Aと第2の溝部16Bがなす角度のうち、ヒール26からトウ28に至るにしたがってそれら溝部が上方に変位する場合の角度を正、下方に変位する場合の角度を負としたとき、第1の溝部16Aがスコアライン14に対してなす角度および第2の溝部16Bがスコアライン14に対してなす角度のうち、一方の角度が正で他方の角度が負であるようにした。
したがって、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの一方がフェース面上にゴルフボール2の移動軌跡と交差し、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの他方が移動軌跡とほぼ平行する。
そのため、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの一方によってゴルフボール2のスピン量を増加させることができ、かつ、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの他方によって排水性を向上させることができる。
この結果、ゴルフボール2およびフェース面12に水が付いているか否かの影響を受けることなく、すなわち、天候の如何に拘わらず、ゴルフボール2のスピン量を安定して確保する上で有利となる。
以下、本発明の実験例について説明する。
なお、以下の実験例の説明では、上記の実施の形態と同一の箇所、部材に同一の符号を付しその説明を省略する。
図26〜図29は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、1本のゴルフクラブヘッド10について以下の試験を行った。なお、ゴルフクラブヘッド10はウェッジクラブとした。
1)ルール適合
細溝がゴルフのルールに適合しているかを示す。
実験例1〜25、28〜38がルールに適合し、実験例26、27がルールに適合していない。
以下、ゴルフの規則について図30を参照して説明する。
スコアライン14の形状を示すパラメータを以下の通りとする。
W:スコアライン14の溝幅
L:スコアライン14間の溝間距離
S:スコアライン14の断面積
D:スコアライン14の溝深さ
この場合、各パラメータは、以下の関係式を満たす必要がある。
L≧3W……(1)
L≧0.075インチ(約1.9mm)……(2)
W≦0.035インチ(約0.9mm)……(3)
D≦0.020インチ(0.508mm)……(4)
S/(W+L)≦0.0762(mm/mm)……(5)
また、スコアライン14を構成する溝壁面とフェース面12となす角部はR形状であること。
図30に示すように、スコアライン14の幅方向は、フェース面12となす角度θ=30度の直線がスコアライン14を構成する溝壁面とフェース面12となす角部の曲線との接点を基準として規定する。
さらに、スコアライン14間のフェース面12の平面部分については、以下の表面粗さの規定がある。
Ry≦4.5μm……(6)
Ra≦25.4μm……(7)
ただし、Ryは最大高さ、Raは算術平均粗さであり、JISB0601:1994で規定されるものである。
したがって、ゴルフのルールの規定に適合するために、細溝32は、上記の(6)式、(7)式を満たす必要がある。
したがって、本明細書において、細溝32がゴルフのルールに適合するとは、(6)式、(7)式の双方を満たすことをいい、細溝32がゴルフのルールに適合しないとは、(6)式、(7)式の少なくとも一方を満たさないことをいうものとする。
2)スピン量(ドライ、ウェット)
専用のスイングロボットを用いてゴルフクラブをスイングしてゴルフボール2を打撃し、計測器によってゴルフボール2のスピン量を計測した。ヘッドスピードは33m/sとした。
ゴルフクラブヘッドのフェース面12が乾燥した状態のスピン量(ドライ)と、フェース面12が水で濡れた状態のスピン量(ウェット)とを計測し、スピン量を指数で評価した。
実験例1のスピン量を100とし指数が大きいほど評価が良いことを示す。
3)飛距離
専用のスイングロボットを用いてゴルフクラブをスイングしてゴルフボール2を打撃し、飛距離を計測した。ヘッドスピードは33m/sとした。
飛距離を指数で評価した。
実験例1の飛距離を100とし指数が大きいほど評価が良いことを示す。
4)安定性
安定性は、2)のスピン量の測定を10回(N=10)繰り返した場合の試験結果におけるスピン量のバラツキ(標準偏差)を評価するものである。
安定性を指数で評価した。
実験例1の安定性を100とし指数が大きいほど評価が良いことを示す。
5)合計点
上述したスピン量(ドライ)、スピン量(ウェット)、飛距離、安定性の4つの指数を合計したものを合計点とした。
実験例1の合計点を400とし合計点が大きいほど評価が良いことを示す。
次に、実験例1〜38のフェース面12の形状について説明する。
なお、実験例1〜12、15〜17は本発明の範囲外であり、実験例13、14、18〜38が本発明の範囲内である。
実験例1は本発明の範囲外であり、図15に示すように、フェース面12にスコアライン14のみが形成され、細溝は形成されていないものである。
実験例2は本発明の範囲外であり、図16に示すように、フェース面12の中心点を通りトウヒール方向と直交する仮想線L1上に中心を有する同一半径(50mm)の円を、前記仮想線L1上に沿って一定間隔で描いたときに各円の円周に沿って溝部34Aを形成することで細溝34を構成したものであり、溝部34Aは下方に凸状を呈している。
実験例3は本発明の範囲外であり、図17に示すように、図16と同様に同一半径の円を、仮想線L1上に沿って一定間隔で描いたときに各円の円周に沿って溝部34Bを形成することで細溝34を構成したものであり、溝部34Bが上方に凸状を呈している点が実験例2と相違している。
実験例4は本発明の範囲外であり、図18に示すように、スコアライン14の間の帯状領域30に、スコアライン14と平行に延在する直線状の溝部36Aをスコアライン14の延在方向と直交する方向に等間隔をおいて複数設けることで細溝36を構成したものである。
実験例5は本発明の範囲外であり、図19に示すように、スコアライン14の間の帯状領域30に、スコアライン14と平行な複数の直線溝部38Aと、直線溝部38Aと交差する複数のジグザグ状溝部38Bとを形成して細溝38を構成したものである。
実験例6は本発明の範囲外であり、図20に示すように、スコアライン14の間の帯状領域30に、ヒール26からトウ28に至るにつれて上方に傾斜する溝部40Aとヒール26からトウ28に至るにつれて下方に傾斜する溝部40Bとをトウヒール方向において繰り返して形成して細溝40を構成したものである。
実験例7は本発明の範囲外であり、図21に示すように、スコアライン14と直交する溝部42Aをスコアライン14の延在方向に等間隔をおいて形成して細溝42を構成したものである。
実験例8は本発明の範囲外であり、図22に示すように、フェース面12の中心点を通りトウヒール方向に延在する仮想線L2上に中心を有する同一半径(50mm)の円を、仮想線L2上に沿って一定間隔で描いたときに各円の円周に沿って溝部44Aを形成することで細溝44を構成したものであり、溝部44Aはトウ方向に凸状を呈している。
実験例9は本発明の範囲外であり、図2(A)に示すように、スコアライン14で挟まれた帯状領域30に細溝を構成する複数の第1の溝部16Aを形成し、それら第1の溝部16Aは、ヒール26からトウ28に至るにしたがって下方に変位する角度で形成されたものである。
実験例10は本発明の範囲外であり、図23に示すように、フェース面12の中心点を通り、ヒール26からトウ28に至るにしたがって上方に変位する仮想線L3上に中心を有する同一半径(50mm)の円を、仮想線L3上に沿って一定間隔で描いたときに各円の円周に沿って溝部46Aを形成することで細溝46を構成したものであり、溝部46Aはヒール26からトウ28に至るにしたがって下方に変位している(右上がり曲線となっている)。
実験例11は本発明の範囲外であり、図3(A)に示すように、スコアライン14で挟まれた帯状領域30に細溝を構成する複数の第2の溝部16Bを形成し、それら第2の溝部16Bは、ヒール26からトウ28に至るにしたがって上方に変位する角度で形成されたものである。
実験例12は本発明の範囲外であり、図24に示すように、フェース面12の中心点を通り、ヒール26からトウ28に至るにしたがって下方に変位する仮想線L4上に中心を有する同一半径(50mm)の円を、仮想線L4上に沿って一定間隔で描いたときに各円の円周に沿って溝部48Aを形成することで細溝48を構成したものであり、溝部48Aはヒール26からトウ28に至るにしたがって上方に変位している(左上がり曲線となっている)。
実験例13は本発明の範囲内であり、図11、図12に示す実施の形態と同様に構成されており、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bは直線で形成されている。
実験例14は本発明の範囲内であり、実験例13と異なるのは、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bが曲線で形成されている点である。
実験例14において、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bは、例えば、半径15mmの円弧に沿って形成されている。
なお、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bが曲線で形成されている場合、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bがスコアライン14に対してなす角度α、βは、図25に示すように、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの中間部分の接線Mがスコアライン14となす角度とする。
実験例15、16、17は、本発明の範囲外であり、請求項1の第1の溝部16Aと第2の溝部16Bとが、トウヒール方向と交差(直交)する方向において隣り合う帯状領域30毎に交互に形成されるという規定を満たしていないものである。
例えば、第1の溝部16AをA、第2の溝部16BをBとしたとき、細溝32の構成をAとBとの組み合わせで表現して説明する。
実験例15は、細溝32の構成が、ABBABBA……、あるいは、AABAABAA……といったように2つの第1の溝部16A同士あるいは2つの第2の溝部16B同士が隣り合ってしまうような配列となっている。
実験例16は、細溝32の構成が、ABBBABBBA……、あるいは、AAABAAABAAAB……といったように3つの第1の溝部16A同士あるいは3つの第2の溝部16B同士が隣り合ってしまうような配列となっている。あるいは、フェース面12の中心点から上半分が第1の溝部16A、下半分が第2の溝部16Bといったように上下に区分されている。
実験例17は、スコアライン14で挟まれた1つの帯状領域30に第1の溝部16Aと第2の溝部16Bとが混在しており、第1の溝部16Aと第2の溝部16Bとが交互に配列されているものである。
実験例18、19は、本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが請求項2の規定を満たさないものである。
実験例18は、第1の溝部16Aがスコアライン14に対してなす正の角度αが10度以上80度以下の範囲を下回る9度である。
実験例19は、第1の溝部16Aがスコアライン14に対してなす正の角度αが10度以上80度以下の範囲を上回る81度である。
実験例20、21は、本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定は満たすが請求項2の規定の下限値あるいは上限値に近い値である。
実験例20は、第1の溝部16Aがスコアライン14に対してなす正の角度αが10度以上80度以下の範囲の下限値に近い10.5度である。
実験例21は、第1の溝部16Aがスコアライン14に対してなす正の角度αが10度以上80度以下の範囲を上限値に近い79.5度である。
実験例22、23は、本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが請求項2の規定を満たさないものである。
実験例22は、第2の溝部16Bがスコアライン14に対してなす負の角度βが−80度以上−10度以下の範囲を上回る−9度である。
実験例23は、第2の溝部16Bがスコアライン14に対してなす負の角度βが−80度以上−10度以下の範囲を下回る−度81度である。
実験例24、25は、本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定は満たすが請求項2については規定の下限値あるいは上限値に近い値である。
実験例24は、第2の溝部16Bがスコアライン14に対してなす負の角度βが−80度以上−10度以下の範囲の上限値に近い−10.5度である。
実験例25は、第2の溝部16Bがスコアライン14に対してなす負の角度βが−80度以上−10度以下の範囲の下限値に近いである−79.5度である。
実験例26は、本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定は満たすが、請求項3の規定を満たさないものであり、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bがスコアライン14と接触しているものである。
したがって、実験例26は、ゴルフのルールに適合しない。
実験例27、28は、本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定は満たすが、請求項4の規定の一部を満たさないものである。
実験例27は、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの深さが5μm以上25μm以下の範囲を上回る26μmである。したがって、実験例27は、ゴルフのルールに適合しない。
実験例28は、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの深さが5μm以上25μm以下の範囲を下回る4μmである。
実験例29、30は、本発明の範囲内であり、請求項1、2、3、4の規定を満たすが、請求項4については規定の上限値あるいは下限値である。
実験例29は、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの深さが5μm以上25μm以下の範囲の上限値25μmである。
実験例28は、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの深さが5μm以上25μm以下の範囲の下限値5μmである。
実験例31、32は、本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定は満たすが、請求項4の規定の一部を満たさないものである。
実験例31は、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの配置間隔が0.5mm以上5.0mm以下の範囲を上回る6mmである。
実験例32は、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの配置間隔が0.5mm以上5.0mm以下の範囲を下回る0.4mmである。
実験例33、34は、本発明の範囲内であり、請求項1、2、3、4の規定を満たすが、請求項4については規定の上限値あるいは下限値に近い値である。
実験例33は、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの配置間隔が0.5mm以上5.0mm以下の範囲の上限値に近い4.5mmである。
実験例34は、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの配置間隔が0.5mm以上5.0mm以下の範囲の下限値に近い0.6mmである。
実験例35、36は、本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定は満たすが、請求項4の規定の一部を満たさないものである。
実験例35は、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの幅が、0.05mm以上0.20mm以下の範囲を上回る0.21mmである。
実験例36は、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの幅が、0.05mm以上0.20mm以下の範囲を下回る0.04mmである。
実験例37、38は、本発明の範囲内であり、請求項1、2、3、4の規定を満たすが、請求項4については規定の上限値あるいは下限値に近い値である。
実験例37は、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの幅が、0.05mm以上0.20mm以下の範囲の上限値に近い0.19mmである。
実験例38は、第1の溝部16Aおよび第2の溝部16Bの幅が、0.05mm以上0.20mm以下の範囲の下限値に近い0.06mmである。
以下、各評価項目について検討する。
(1)ルール適合
実験例26、27を除く実験例1〜25、28〜38はゴルフのルールに適合している。
(2)スピン量(ドライ)、スピン量(ウェット)
本発明の範囲内であり、請求項1〜4の全てを満たす実験例13、14、20、21、24、25、29、30、33、34、37、38は、スピン量(ドライ)が112〜116点であり、スピン量(ウェット)が110〜118点であり、それらの間に大きな差異がなく、天候の如何に拘わらずスピン量を安定して確保する上で有利であることがわかる。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが、請求項2、4のいずれかの規定が範囲外である実験例18、19、22、23、27、28、31、32、35、36は、スピン量(ドライ)が110〜115点であり、スピン量(ウェット)が104〜115点であり、スピン量(ドライ)に対してスピン量(ウェット)が若干低下する傾向であり、排水性を確保する効果が小さい。
本発明の範囲外であり、請求項1を満たさない実験例1〜12、15〜17は、スピン量(ドライ)が99〜116点であり、スピン量(ウェット)が100〜115点であり、本発明に比較してスピン量を確保する効果が低いことがわかる。
3)飛距離
本発明の範囲内であり、請求項1〜4の全てを満たす実験例13、14、20、21、24、25、29、30、33、34、37、38は、飛距離が101〜105点であり、飛距離を確保する上で有利であることがわかる。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが、請求項2、4のいずれかの規定が範囲外である実験例18、19、22、23、27、28、31、32、35、36は、飛距離が100〜102点であり飛距離を確保する効果が小さい。
本発明の範囲外であり、請求項1を満たさない実験例1〜12、15〜17は、実験例3の飛距離115点を除いて飛距離が97〜101点であり、本発明に比較して飛距離を確保する効果が低いことがわかる。
4)安定性
本発明の範囲内であり、請求項1〜4の全てを満たす実験例13、14、20、21、24、25、29、30、33、34、37、38は、安定性が101〜103点であり、合計点を確保する上で有利であることがわかる。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが、請求項2、4のいずれかの規定が範囲外である実験例18、19、22、23、27、28、31、32、35、36は、安定性95〜100点であり安定性を確保する効果が小さい。
本発明の範囲外であり、請求項1を満たさない実験例1〜12、15〜17は、安定性が89〜101点であり、本発明に比較して安定性を確保する効果が低いことがわかる。
(5)合計点
本発明の範囲内であり、請求項1〜4の全てを満たす実験例13、14、20、21、24、25、29、30、33、34、37、38は、合計点が429〜441点であり、最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが、請求項2、4のいずれかの規定が範囲外である実験例18、19、22、23、27、28、31、32、35、36は、合計点が415〜425点であり次いで優れている。
本発明の範囲外であり、請求項1を満たさない実験例1〜12、15〜17は、合計点が400〜416点であり、本発明の範囲外のものは合計点の評価も低いものとなっている。
10……ゴルフクラブヘッド、12……フェース面、14……スコアライン、16A……第1の溝部、16B……第2の溝部、30……帯状領域、32……細溝、α……正の角度、β……負の角度。

Claims (5)

  1. フェース面と、
    前記フェース面にトウヒール方向に延在しトウヒール方向と交差する方向に間隔をおいて互いに平行に形成された複数のスコアラインと、
    前記複数のスコアラインで挟まれ細長状にトウヒール方向に延在する前記フェース面の部分で形成された複数の帯状領域と、
    前記複数の帯状領域に形成された複数の細溝とを備えるゴルフクラブヘッドであって、
    前記複数の細溝は、複数の第1の溝部と複数の第2の溝部とを含み、
    前記第1の溝部と前記第2の溝部とは、前記交差する方向において隣り合う前記帯状領域毎に交互に形成され、
    前記第1の溝部の延在方向の両端および前記第2の溝部の延在方向の両端は、前記スコアラインの近傍に位置し、前記スコアラインと接触せず、
    前記スコアラインに対して前記第1の溝部と前記第2の溝部とがなす角度のうち、ヒールからトウに至るにしたがってそれら溝部が上方に変位する場合の角度を正、下方に変位する場合の角度を負としたとき、
    前記第1の溝部が前記スコアラインに対してなす角度および前記第2の溝部が前記スコアラインに対してなす角度のうち、一方の角度が正で他方の角度が負であり、
    前記正の角度は、10度以上80度以下の範囲内であり、
    前記負の角度は、−80度以上−10度以下の範囲内であり、
    前記第1の溝部および前記第2の溝部の深さは、5μm以上25μm以下の範囲内であり、
    前記第1の溝部および前記第2の溝部の幅は、0.05mm以上0.20mm以下の範囲内であり、
    前記第1の溝部および前記第2の溝部の配置間隔は、0.5mm以上5.0mm以下の範囲内である、
    ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記第1の溝部および前記第2の溝部は、直線または曲線である、
    ことを特徴とする請求項記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記第1の溝部および前記第2の溝部は、切削加工、あるいは、レーザ加工、あるいは、打刻により形成される、
    ことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記複数の細溝は、前記フェース面の下縁から、前記スコアラインのうち最も長いスコアラインの中点を通り前記スコアラインと直交する直線に沿って少なくとも前記フェース面の下縁から15mmに最も近いスコアラインまで形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜に何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記複数の細溝は、最もフェース面下縁寄りに位置するスコアラインと前記フェース面下縁との間の前記フェース面の箇所にも形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜に何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
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