以下、図面を参照して、実施の形態の説明を行う。なお、各図において、既に説明した図と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
図2は、第1の実施の形態に係る半導体記憶装置の構造を例示する図である。図2に例示する半導体記憶装置10は、例えばマイクロプロセッサやディジタルシグナルプロセッサ等の半導体装置の一部であり、8ビットのSRAM(Static Random Access Memory)としての機能を有する。ただし、半導体記憶装置10は、8ビットのSRAMとしての機能を有する単独の半導体記憶装置であっても良い。なお、第1の実施の形態では、便宜上8ビットのSRAMを例示するが、SRAMは8ビットには限定されず、nビット(nは自然数)であっても構わない。又、半導体記憶装置10は、DRAMであっても構わない。
図2を参照するに、半導体記憶装置10は、ラッチ20と、ラッチ0〜721と、ラッチ22と、RAM030(ビット0)〜RAM737(ビット7)と、ラッチ040〜ラッチ747と、チョッパー50と、チョッパーA60と、チョッパーB61とを有する。ADはRAM030〜RAM737の書き込みアドレスを指定する信号であるアドレス信号を示している。WEはRAM030〜RAM737へのデータの書き込み/読み出しを制御する信号であるライト/リード制御信号を示している。又、WD0〜WD7はそれぞれRAM030〜RAM737へ書き込むデータを、RD0〜RD7はそれぞれRAM030〜RAM737から読み出すデータを示している。又、CLK、DSLA、及びDSLBは、それぞれ、基準クロック信号、第1の遅延量制御信号、及び第2の遅延量制御信号を示している。
ラッチ20は、入力するライト/リード制御信号WEを一時的に保持する制御信号保持回路としての機能を有する。ラッチ0〜721は、入力するデータWD0〜WD7を一時的に保持する入力データ保持回路としての機能を有する。ラッチ22は、入力するアドレス信号ADを一時的に保持する入力アドレス保持回路としての機能を有する。ラッチ20、ラッチ0〜721及びラッチ22のそれぞれで一時的に保持されたライト/リード制御信号WE、データWD0〜WD7及びアドレス信号ADは、入力するパルス信号P1に同期して、RAM030〜RAM737に出力される。なお、ラッチ20及びラッチ22は1ビット幅のラッチ、ラッチ0〜721は8ビット幅のラッチである。ただし、ラッチ22及びラッチ0〜721はそれぞれ1ビット幅及び8ビット幅には限定されず、nビット幅(nは自然数)であっても構わない。パルス信号P1については後述する。
RAM030〜RAM737は、8ビットデータのビット0〜ビット7のいずれかに対応する『0』又は『1』のWD1ビットデータを記憶する記憶回路としての機能を各々有する。RAM030〜RAM737は、メモリセル及び周辺回路(図示せず)を有する。RAM030〜RAM737は、並列に動作する同一構造の記憶回路であり、それぞれが同一の動作性能(周波数特性等)を有する。RAM030〜RAM737に記憶されたデータは、RAM030〜RAM737から読み出された後にラッチ040〜ラッチ747を介して出力される。なお、以降、RAM030〜RAM737を総称して記憶回路と称する場合がある。
ラッチ20、ラッチ0〜721及びラッチ22に入力するパルス信号P1に同期して、ラッチ20からライト/リード制御信号WEが、ラッチ0〜721からデータWD0〜WD7が、ラッチ22からアドレス信号ADがそれぞれRAM030〜RAM737に出力されると、次のように動作する。すなわち、アドレス信号ADによりRAM030〜RAM737に書き込みアドレスが指定される。そして、例えばライト/リード制御信号WEの立ち上がっている期間に、データWD0〜WD7がそれぞれRAM030〜RAM737のアドレス信号ADに指定されたアドレスに書き込まれる。
ラッチ040〜ラッチ747は、それぞれRAM030〜RAM737のいずれかに対応しており、対応するRAM030〜RAM737から出力されるデータを一時的に保持する出力データ保持回路としての機能を有する。ラッチ040〜ラッチ343で一時的に保持されたデータは、入力するパルス信号PAに同期して出力される。ラッチ444〜ラッチ747で一時的に保持されたデータは、入力するするパルス信号PBに同期して出力される。パルス信号PAおよびPBについては後述する。
チョッパー50は、基準クロック信号CLKのエッジに対して所定の遅延量を有するパルス信号P1を生成する入力データ用パルス生成回路としての機能を有する。パルス信号P1は、ラッチ20、ラッチ0〜721及びラッチ22に出力される。チョッパー50が出力するパルス信号P1に同期して、ラッチ20からライト/リード制御信号WEが、ラッチ0〜721からデータWD0〜WD7が、ラッチ22からアドレス信号ADがそれぞれRAM030〜RAM737に出力される。
チョッパーA60は、基準クロック信号CLKのエッジに対して第1の遅延量を有するパルス信号PAを生成する出力データ用パルス生成回路としての機能を有する。第1の遅延量は、チョッパーA60に入力する第1の遅延量制御信号DSLAに基づいて設定される。パルス信号PAは、ラッチ040〜ラッチ343に出力される。
チョッパーB61は、基準クロック信号CLKのエッジに対して第1の遅延量とは異なる第2の遅延量を有するパルス信号PBを生成する出力データ用パルス生成回路としての機能を有する。第2の遅延量は、チョッパーB61に入力する第2の遅延量制御信号DSLBに基づいて設定される。パルス信号PBは、ラッチ444〜ラッチ747に出力される。なお、第1の遅延量制御信号DSLA及び第2の遅延量制御信号DSLBは、予め半導体記憶装置10に対して設定される。
半導体記憶装置10は、A1とB1の2つの領域を有する。領域A1は、RAM030〜RAM333及び各RAMに対応するラッチ040〜ラッチ343を有する。又、領域B1は、RAM434〜RAM737及び各RAMに対応するラッチ444〜ラッチ747を有する。
ここで、図2に加え、図3に例示するフローチャート及び図4に例示するタイミングチャートを用いて、半導体記憶装置10の試験方法及び動作について説明する。図3は、第1の実施の形態に係る半導体記憶装置の試験方法を示すフローチャートの例である。図4は、第1の実施の形態に係る半導体記憶装置のタイミングチャートの例である。図4に例示するタイミングチャートにおいて、d1及びd2は半導体記憶装置10に入力する入力データを示しており、e1及びe2は入力データd1及びd2に対応して半導体記憶装置10から出力される出力データを示している。
入力データd1及びd2は、RAM030〜RAM737へのデータの書き込み/読み出しを制御する信号であるライト/リード制御信号WE、RAM030〜RAM737へ書き込むデータWD0〜WD7、及びRAM030〜RAM737の書き込みアドレスを指定する信号であるアドレス信号ADを含む。出力データe1及びe2は、RAM030〜RAM737から読み出すデータRD0〜RD7を含む。RAM030〜RAM737が正常に動作している場合には、『データWD0〜WD7=データRD0〜RD7』となる。なお、半導体記憶装置10には予め所定の電源電圧が印加されているものとする。ここでは、電源と基準電位間に電圧V1が印加されているものとする。
半導体記憶装置10の試験方法及び動作について説明する。始めに、図3のステップS101において、記憶回路であるRAM030〜RAM737に、入力データd1に含まれるデータWD0〜WD7を書き込む(S101)。
具体的には、基準クロック信号CLKに同期して入力データd1が半導体記憶装置10に入力する。そして、ラッチ20、ラッチ0〜721及びラッチ22は、それぞれ入力データd1に含まれるライト/リード制御信号WE、データWD0〜WD7及びアドレス信号ADを一時的に保持する。チョッパー50は、基準クロック信号CLKの立ち上がりに対して所定の遅延量Tp1を有するパルス信号P1を生成し、ラッチ20、ラッチ0〜721及びラッチ22に出力する。なお、図4の例では、所定の遅延量Tp1と後述する第1の遅延量TAとは同一値に設定されている。
ラッチ20、ラッチ0〜721及びラッチ22は、チョッパー50から入力するパルス信号P1の立下りに同期して、一時的に保持している入力データd1に含まれるライト/リード制御信号WE、データWD0〜WD7及びアドレス信号ADを、それぞれRAM030〜RAM737に出力する。そして、例えばライト/リード制御信号WEの立ち上がっている期間に、ラッチ0〜721に一時的に保持しているデータWD0〜WD7を、それぞれRAM030〜RAM737のアドレス信号ADに指定されたアドレスに書き込む。第1の実施の形態では、ラッチ0〜721から領域A1のRAM030〜RAM333にデータWD0〜WD3を書き込むタイミングと、ラッチ0〜721から領域B1のRAM434〜RAM737にデータWD4〜WD7を書き込むタイミングとは同一である。
次いで、ステップS102において、記憶回路であるRAM030〜RAM737に書き込んだデータWD0〜WD7を、それぞれ出力データ保持回路であるラッチ040〜ラッチ747に一時的に保持する(S102)。
具体的には、RAM030〜RAM737に書き込んだデータWD0〜WD7を、半導体記憶装置10の外部からRAM030〜RAM737に供給される読み出し指示信号(図示せず)に同期して、データRD0〜RD7を含む出力データe1としてラッチ040〜ラッチ747に出力する。そして、ラッチ040〜ラッチ747は、それぞれデータRD0〜RD7を一時的に保持する。
次いで、ステップS103において、出力データ保持回路であるラッチ040〜ラッチ747に一時的に保持しているデータRD0〜RD7をラッチ040〜ラッチ747から読み出す(S103)。
具体的には、チョッパーA60が、入力する第1の遅延量制御信号DSLAに基づいて、基準クロック信号CLKの立ち上がりに対して第1の遅延量TAを有するパルス信号PAを生成し、領域A1に含まれるラッチ040〜ラッチ343に出力する。そして、チョッパーA60から入力するパルス信号PAの立下りに同期して、ラッチ040〜ラッチ343に一時的に保持しているデータRD0(ビット0)〜RD3(ビット3)を出力データe1として読み出す。
又、チョッパーB61が、入力する第2の遅延量制御信号DSLBに基づいて、基準クロック信号CLKの立ち上がりに対して第2の遅延量TBを有するパルス信号PBを生成し、領域B1に含まれるラッチ444〜ラッチ747に出力する。そして、チョッパーB61から入力するパルス信号PBの立下りに同期して、ラッチ444〜ラッチ747に一時的に保持しているデータRD4(ビット4)〜RD7(ビット7)を出力データe1として読み出す。
ここで、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7が入力してRAMに書き込まれるタイミングは、パルス信号P1の立ち下がりのみで決まるので、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7が書き込まれるタイミングは同一である。一方、第1の実施形態では第2の遅延量TB<第1の遅延量TAであるから、パルス信号PAの立ち下がりとパルス信号PBの立ち下がりとは異なるタイミングとなる。よって、ラッチ040〜ラッチ343からデータRD0〜RD3が読み出されるタイミングと、ラッチ444〜ラッチ747からデータRD4〜RD7が読み出されるタイミングとは、第1の遅延量TA及び第2の遅延量TBに対応して異なる値となる。
すなわち、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7が書き込まれてから(P1の立下り)、データRD0〜RD3がラッチ040〜ラッチ343から読み出されるまでの期間T0と、データRD4〜RD7がラッチ444〜ラッチ747から読み出されるまでの期間T1とは、それぞれ異なる値となる。期間T0及びT1は、第1の実施の形態における内部動作サイクルである(以降、内部動作サイクルT0及びT1という)。又、内部動作サイクルの逆数が内部動作周波数である。すなわち、内部動作サイクルがT0であれば、内部動作周波数は1/T0である。
このように、RAM030〜RAM333の内部動作サイクルT0と、RAM434〜RAM737の内部動作サイクルT1とは、それぞれ異なる値となる。図4の例では、内部動作サイクルT1<内部動作サイクルT0となる。又、内部動作周波数1/T1>内部動作周波数1/T0となる。なお、図4の例では、内部動作サイクルT0は基準クロック信号CLKの周期と等しい。
このように、ラッチ0〜721からRAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7を書き込むタイミングを同一とする。そして、領域A1においてラッチ040〜ラッチ343からデータRD0〜RD3を読み出すためのパルス信号PAに比べ、領域B1においてラッチ444〜ラッチ747からデータRD4〜RD7を読み出すためのパルス信号PBのタイミングを早くする。それにより、領域A1の内部動作サイクルT0に比べ領域B1の内部動作サイクルT1は短くなり、読み出しディレイに関して領域A1に比べて領域B1を高速に試験した場合と同様の結果を得ることができる。その結果、半導体記憶装置10への1回のデータの書き込み及び読み出しで、互いに異なる2つの内部動作周波数に対応する試験データを取得することができる。なお、試験データとは、後述するステップS104において領域毎にRAMの動作の良否判定を行い、後述するステップS105において半導体記憶装置の周波数特性を導出するためのデータである。
次いで、ステップS104において、領域毎に記憶回路であるRAMに書き込んだデータと、出力データ保持回路から読み出したデータとを比較して、領域毎に記憶回路の動作の良否判定を行う(S104)。
具体的には、ステップS101でRAM030〜RAM333に書き込んだデータWD0〜WD3と、ステップS103でラッチ040〜ラッチ343から読み出したデータRD0〜RD3とを比較し、領域A1に含まれるRAM030〜RAM333の動作の良否判定を行う。又、ステップS101でRAM434〜RAM737に書き込んだデータWD4〜WD7と、ステップS103でラッチ444〜ラッチ747から読み出したデータRD4〜RD7とを比較し、領域B1に含まれるRAM434〜RAM737の動作の良否判定を行う。ここで、領域A1における良否判定は、書き込んだデータWD0〜WD3と、対応する読み出したデータRD0〜RD3とが全て一致した場合に『P』(動作成功)、それ以外を『F』(動作失敗)とする。
又、RAM030〜RAM333は同一構造の回路であるから、RAM030〜RAM333の何れか1つ又は複数を領域A1の代表として、代表するRAMに書き込んだデータと代表するRAMから読み出したデータとを比較しても良い。例えばRAM030を領域A1の代表として、RAM030に書き込んだデータWD0とRAM030から読み出したデータRD0とが一致した場合に、領域A1の内部動作周波数では『P』(動作成功)と判定する。領域B1についても同様である。
次いで、ステップS105において、各領域の内部動作周波数と、各領域の良否判定結果(『P』又は『F』)とに基づいて、半導体記憶装置の周波数特性を導出する(S105)。例えば、領域A1(内部動作周波数1/T0)及び領域B1(内部動作周波数1/T1)の良否判定結果が何れも『P』であれば、図5に例示するような半導体記憶装置10の周波数特性を導出する。1/T0と1/T1以外の周波数や電圧V1以外の電源電圧における試験結果が必要であれば、電源電圧を電圧V1以外に可変してから半導体記憶装置10に印加し、図3に例示するステップS101〜S105を繰り返すことにより試験結果を取得することができる。
このように、1回のデータの書き込み及び読み出しで、複数の内部動作周波数における半導体記憶装置10の動作の良否に関するデータを取得することは、半導体記憶装置の周波数特性を導出するためのデータ取得時間の短縮化に寄与する。半導体記憶装置の周波数特性を導出するためのデータ取得時間の短縮化について、比較例を示しながら以下に詳説する。
図6は、比較例に係る半導体記憶装置の構造を例示する図である。図6を参照するに、比較例に係る半導体記憶装置300は、領域A1及びB1を有さない。又、半導体記憶装置300にはチョッパーB61がなくチョッパーA60の出力するパルス信号PAがラッチ040〜ラッチ747に出力されている。半導体記憶装置300について、半導体記憶装置10と同一構造である部分の説明は省略する。
図7は、比較例に係る半導体記憶装置のタイミングチャートの例である。図6及び図7を参照するに、チョッパーA60は、第1の遅延量制御信号DSLAに基づいて、基準クロック信号CLKの立ち上がりに対して第1の遅延量TAを有するパルス信号PAを生成し、ラッチ040〜ラッチ747に出力する。ラッチ040〜ラッチ747は、チョッパーA60から入力するパルス信号PAの立下りに同期して、データRD0(ビット0)〜データRD7(ビット7)を出力データe1として読み出す。
すなわち、図7のタイミングチャートでは図4のタイミングチャートとは異なり、データRD0〜データRD7は、全て同一のタイミングで読み出される。従って、RAM030〜RAM737に入力データd1が入力してから、ラッチ040〜ラッチ747から出力データe1が出力されるまでの時間はそれぞれ同一の時間T0である。すなわち、RAM030〜RAM737のそれぞれの内部動作サイクルは全てT0(内部動作周波数は全て1/T0)である。その結果、半導体記憶装置300への1回のデータの書き込み及び読み出しで、1つの内部動作周波数に対応する試験データのみを取得することができる。
ここで、図6に例示する比較例に係る半導体記憶装置300において、図1に例示する電圧対周波数特性の試験を行う場合を考える。前述のように、半導体記憶装置300では、1回のデータの書き込み及び読み出しで1つの内部動作周波数に対応する試験データのみを取得することができる。従って、1回のデータの書き込み及び読み出しで図1に例示する電圧対周波数特性の1ポイント(例えば電圧1.1[V]、周波数85MHz)についてのみ、『P』又は『F』の試験結果が得られる。図1に例示する電圧対周波数特性の全試験結果を取得するためには、『電圧のステップ(=4)×周波数のステップ(=8)』=32回のデータの書き込み及び読み出しを実行させなければならない。
一方、前述のように、第1の実施の形態に係る半導体記憶装置10では、1回のデータの書き込み及び読み出しで互いに異なる2つの内部動作周波数に対応する試験データを取得することができる。従って、1回のデータの書き込み及び読み出しで図1に例示する電圧対周波数特性の2ポイント(例えば電圧1.1[V]、周波数85MHz及び90MHz)について『P』又は『F』の試験結果が得られる(図5参照)。その結果、半導体記憶装置10において図1に例示する電圧対周波数特性の全試験結果を取得するために必要な動作の回数は、半導体記憶装置300において図1に例示する電圧対周波数特性の全試験結果を取得するために必要な動作の回数の半分の16回となる。
以上のように、第1の実施の形態では、記憶回路であるRAM及びRAMから読み出したデータを一時的に保持する出力データ保持回路であるラッチを含む2つの領域を有する半導体記憶装置の、各領域のRAMに同一のタイミングでデータを書き込む。そして、各RAMに書き込んだデータを、各RAMから出力して各ラッチに一時的に保持する。そして、領域毎に互いに位相の異なるパルス信号を生成して各ラッチに供給し、供給したパルス信号に同期して領域毎に異なるタイミングで各ラッチに一時的に保持しているデータを読み出す。
その結果、基準クロック信号CLKの周期が一定であっても、2つの領域に含まれる記憶回路を互いに異なる2つの内部動作周波数で動作させること可能となり、半導体記憶装置への1回のデータの書き込み及び読み出しで、互いに異なる2つの内部動作周波数に対応する試験データを取得することができる。従って、半導体記憶装置10では、図6に例示する半導体記憶装置300の1/2の時間で図1に例示する電圧対周波数特性の全試験データを取得することができる。すなわち、半導体記憶装置が複数の領域を有さない場合に比べて、半導体記憶装置の周波数特性を導出するためのデータ取得時間を短縮することができる。
〈第1の実施の形態の変形例〉
第1の実施の形態の変形例では、記憶回路であるRAM及びRAMから読み出したデータを一時的に保持する出力データ保持回路であるラッチを含む8つの領域を有する半導体記憶装置の例を示す。第1の実施の形態の変形例は、8つの領域を有する半導体記憶装置において、RAM030〜RAM737からデータRD0〜RD7を読み出すタイミングを領域毎に変えることにより、各領域を互いに異なる内部動作周波数で動作させて電圧対周波数特性の試験をする例である。
図8は、第1の実施の形態の変形例に係る半導体記憶装置の構造を例示する図である。図8を参照するに、半導体記憶装置11は、記憶回路であるRAM030〜RAM737及びRAM030〜RAM737から読み出したデータを一時的に保持する出力データ保持回路であるラッチ040〜ラッチ747を含む8つの領域A2〜H2を有する。又、半導体記憶装置11は、それぞれラッチ040〜ラッチ747のいずれかに対応するチョッパーA60〜チョッパーH67を有し、チョッパーA60〜チョッパーH67は領域A2〜H2に含まれる対応するラッチ040〜ラッチ747にパルス信号PA〜PHを出力している。半導体記憶装置11について、半導体記憶装置10と同一構造である部分の説明は省略する。
ここで、図8に加え、図3に例示するフローチャート及び図9に例示するタイミングチャートを用いて、半導体記憶装置11の試験方法及び動作について説明をする。図9は、第1の実施の形態の変形例に係る半導体記憶装置のタイミングチャートの例である。
第1の実施の形態の変形例において、図3のステップS101及びS102の動作については第1の実施の形態と同様であるため説明は省略し、図3のステップS103から説明を始める。
図3のステップS103において、出力データ保持回路であるラッチ040〜ラッチ747に一時的に保持しているデータRD0〜RD7をラッチ040〜ラッチ747から読み出す(S103)。
具体的には、チョッパーA60が、入力する第1の遅延量制御信号DSLAに基づいて、基準クロック信号CLKの立ち上がりに対して第1の遅延量TAを有するパルス信号PAを生成する。そして、生成したパルス信号PAを、領域A2に含まれるラッチ040に出力する。そして、チョッパーA60から入力するパルス信号PAの立下りに同期して、ラッチ040に一時的に保持しているデータRD0(ビット0)を出力データe1として読み出す。
同様に、チョッパーB61〜チョッパーH67それぞれが、各々に入力する第2の遅延量制御信号DSLB〜第8の遅延量制御信号DSLHに基づいて、基準クロック信号CLKの立ち上がりに対して第2の遅延量TB〜第8の遅延量THを有するパルス信号PB〜PHを生成する。そして、生成したパルス信号PB〜PHを、領域B2に含まれるラッチ141〜領域H2に含まれるラッチ747に出力する。そして、チョッパーB61〜チョッパーH67から入力するパルス信号PB〜PHの立下りに同期して、ラッチ141〜ラッチ747に一時的に保持しているデータRD1(ビット1)〜RD7(ビット7)を出力データe1として読み出す。
ここで、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7が入力してRAM030〜RAM737に書き込まれるタイミングは、パルス信号P1の立ち下がりのみで決まるので、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7が書き込まれるタイミングは同一である。一方、第8の遅延量TH<第7の遅延量TG<第6の遅延量TF<第5の遅延量TE<第4の遅延量TD<第3の遅延量TC<第2の遅延量TB<第1の遅延量TAとすれば、パルス信号PA〜PHの立ち下がりは夫々異なるタイミングとなる。よって、ラッチ040〜ラッチ747からデータRD0〜RD7が読み出されるタイミングは、第1の遅延量TA〜第8の遅延量THに対応して夫々異なる値となる。
つまり、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7が入力するタイミング、言い換えるとデータWD0〜WD7がRAM030〜RAM737の各々に書き込まれるタイミングは同一であるが、ラッチ040〜ラッチ747からデータRD0〜RD7が読み出されるタイミングは第1の遅延量TA〜第8の遅延量THに対応して異なる。従って、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7が入力してから、データRD0〜RD7がラッチ40〜ラッチ47から読み出だされるまでの期間T0〜T7は、それぞれ異なる値となる。期間T0〜T7は、第1の実施の形態の変形例における内部動作サイクルである。
このように、図9の例では、RAM030〜RAM737の内部動作サイクルT0〜T7は、それぞれ異なる値となる。すなわち、内部動作サイクルT7<内部動作サイクルT6<内部動作サイクルT5<内部動作サイクルT4<内部動作サイクルT3<内部動作サイクルT2<内部動作サイクルT1<内部動作サイクルT0となる。又、内部動作周波数1/T7>内部動作周波数1/T6>内部動作周波数1/T5>内部動作周波数1/T4>内部動作周波数1/T3>内部動作周波数1/T2>内部動作周波数1/T1>内部動作周波数1/T0となる。なお、図9の例では、内部動作サイクルT0は基準クロック信号CLKの周期と等しい。
このように、基準クロック信号CLKの周期が一定であっても、8つの領域A2〜H2に含まれるRAM030〜RAM737を互いに異なる8つの内部動作周波数で動作させることが可能である。その結果、半導体記憶装置11への1回のデータの書き込み及び読み出しで、互いに異なる8つの内部動作周波数に対応する試験データを取得することができる。
言い換えれば、ラッチ040〜ラッチ747からRAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7を書き込むタイミングを同一とする。そして、領域A2〜H2毎にラッチ040〜ラッチ747からデータRD0〜RD7を読み出すためのパルス信号PA〜PHのタイミングを変える。それにより、各領域の内部動作サイクルは、領域A2から領域H2へ向かうにつれて短くなり、読み出しディレイに関して領域A2から領域H2へ向かうにつれて高速に試験した場合と同様の結果を得ることができる。その結果、半導体記憶装置11への1回のデータの書き込み及び読み出しで、互いに異なる8つの内部動作周波数に対応する試験データを取得することができる。
次いで、ステップS104において、領域毎に記憶回路であるRAMに書き込んだデータと、出力データ保持回路から読み出したデータとを比較して、領域毎に記憶回路であるRAMの動作の良否判定を行う(S104)。
具体的には、ステップS101でRAM030に書き込んだデータWD0と、ステップS103でラッチ040から読み出したデータRD0とを比較し、領域A2に含まれるRAM030の動作の良否判定を行う。同様に、ステップS101でRAM131〜RAM737に書き込んだデータWD1〜WD7と、ステップS103でラッチ141〜ラッチ747から読み出したデータRD1〜RD7とをそれぞれ比較し、領域B2〜H2に含まれるRAM131〜RAM737の動作の良否判定を行う。
次いで、ステップS105において、各領域の内部動作周波数と、各領域の良否判定結果(『P』又は『F』)とに基づいて、半導体記憶装置の周波数特性を導出する(S105)。例えば、取得したデータに基づく良否判定結果が、領域A2〜C2では何れも『P』、領域D2〜H2では何れも『F』であれば、図10に例示するような半導体記憶装置11の周波数特性を導出できる。電圧V1以外の電源電圧における試験結果が必要であれば、電源電圧を電圧V1以外に可変してから半導体記憶装置11に印加し、図3に例示するステップS101〜105を繰り返すことにより試験結果を取得することができる。
半導体記憶装置11では、1回のデータの書き込み及び読み出しで互いに異なる8つの内部動作周波数に対応する試験データを取得することができるので、図1に例示する電圧対周波数特性の全試験データを4回のデータの書き込み及び読み出しを実行することで取得することができる。すなわち、半導体記憶装置11では、図6に例示する半導体記憶装置300の1/8の時間で図1に例示する電圧対周波数特性の全試験データを取得することができる。
以上のように、第1の実施の形態の変形例では、記憶回路であるRAM及びRAMから読み出したデータを一時的に保持する出力データ保持回路であるラッチを含む8つの領域を有する半導体記憶装置の、各領域のRAMに同一のタイミングでデータを書き込む。そして、各RAMに書き込んだデータを、各RAMから出力して各ラッチに一時的に保持する。そして、領域毎に互いに位相の異なるパルス信号を生成して各ラッチに供給し、供給したパルス信号に同期して領域毎に異なるタイミングで各ラッチに一時的に保持しているデータを読み出す。
その結果、基準クロック信号CLKの周期が一定であっても、8つの領域に含まれる記憶回路を互いに異なる8つの内部動作周波数で動作させること可能となり、半導体記憶装置への1回のデータの書き込み及び読み出しで、互いに異なる8つの内部動作周波数に対応する試験データを取得することができる。従って、半導体記憶装置11では、図6に例示する半導体記憶装置300の1/8の時間で図1に例示する電圧対周波数特性の全試験データを取得することができる。すなわち、半導体記憶装置が複数の領域を有さない場合に比べて、半導体記憶装置の周波数特性を導出するためのデータ取得時間を大幅に短縮することができる。
なお、nビット(nは自然数)の記憶回路を含む半導体記憶装置は、最大で同一構造の記憶回路を含むn個の領域を有することができる。そして、半導体記憶装置の有するn個の領域を互いに異なるn個の内部動作周波数で動作させることにより、半導体記憶装置への1回のデータの書き込み及び読み出しで、互いに異なるn個の内部動作周波数に対応する試験データを取得することが可能となる。その結果、半導体記憶装置が記憶回路を含む複数の領域を有さない場合に比べて、半導体記憶装置の周波数特性を導出するためのデータ取得時間を1/nに短縮することができる。
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態は、8つの領域を有する半導体記憶装置において、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7を書き込むタイミングを領域毎に変えることにより、各領域を互いに異なる内部動作周波数で動作させて電圧対周波数特性の試験をする例である。以下、第1の実施の形態の変形例と同一部分についてはその説明を省略し、第1の実施の形態の変形例と異なる部分を中心に説明をする。
図11は、第2の実施の形態に係る半導体記憶装置の構造を例示する図である。図11を参照するに、半導体記憶装置12は、記憶回路であるRAM030〜RAM737、RAM030〜RAM737から読み出したデータを一時的に保持する出力データ保持回路であるラッチ040〜ラッチ747、及びRAM030〜RAM737に書き込むデータを一時的に保持する入力データ保持回路であるラッチ070〜ラッチ777を含む8つの領域A3〜H3を有する。
又、半導体記憶装置12は、それぞれラッチ070〜ラッチ777のいずれかに対応するチョッパーA60〜チョッパーH67を有する。チョッパーA60〜チョッパーH67は領域A3〜H3に含まれる対応するラッチ070〜ラッチ777にパルス信号PA〜PHを出力している。ラッチ070〜ラッチ777は、チョッパーA60〜チョッパーH67からそれぞれ入力するパルス信号PA〜PHの立下りに同期して、データWD0〜WD7をそれぞれRAM030〜RAM737に出力する。
又、半導体記憶装置12では、チョッパー51が基準クロック信号CLKのエッジに対して所定の遅延量を有するパルス信号P2を生成し、ラッチ040〜ラッチ747のそれぞれに出力している。ラッチ040〜ラッチ747は、チョッパー51から入力するパルス信号P1の立下りに同期して、データRD0〜RD7を出力する。
又、半導体記憶装置12において、RAM030〜RAM737の内部には、それぞれ書き込み期間設定用パルス生成回路(図示せず)が設けられている。書き込み期間設定用パルス生成回路は、リード/ライト制御信号WE及びアドレス信号ADがラッチ20及び22からRAM030〜RAM737に入力するタイミングで立ち上がり、基準クロック信号CLKの立ち下がりから所定量遅延して立ち下がる書き込み期間設定用パルス信号を生成する。書き込み期間設定用パルス信号が立ち上がっている期間は、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7を書き込むことができる期間である。半導体記憶装置11と同一構造の半導体記憶装置12の部分については、説明を省略する。
ここで、図11に加え、図3に例示するフローチャート及び図12に例示するタイミングチャートを用いて、半導体記憶装置12の試験方法及び動作について説明する。図12は、第2の実施の形態に係る半導体記憶装置のタイミングチャートの例である。
始めに、図3のステップS101において、記憶回路であるRAM030〜RAM737に、入力データd1に含まれるデータWD0〜WD7を書き込む(S101)。
具体的には、基準クロック信号CLKに同期して入力データd1が半導体記憶装置12に入力する。そして、ラッチ20、ラッチ070〜ラッチ777及びラッチ22は、それぞれ入力データd1に含まれるライト/リード制御信号WE、データWD0〜WD7及びアドレス信号ADを一時的に保持する。
チョッパーA60は、入力する第1の遅延量制御信号DSLAに基づいて、基準クロック信号CLKの立ち上がりに対して第1の遅延量TAを有するパルス信号PAを生成する。そして、生成したパルス信号PAを、領域A3に含まれるラッチ070に出力する。ラッチ070は、チョッパーA60から入力するパルス信号PAの立下りに同期して、データWD0(ビット0)をRAM030に書き込む。
同様に、チョッパーB61〜チョッパーH67はそれぞれ、入力する第2の遅延量制御信号DSLB〜第8の遅延量制御信号DSLHに基づいて、基準クロック信号CLKの立ち上がりに対して第2の遅延量TB〜第8の遅延量THを有するパルス信号PB〜PHを生成する。そして、生成したパルス信号PB〜PHを、領域B3に含まれるラッチ171〜領域H3に含まれるラッチ777に出力する。ラッチ171〜ラッチ777は、チョッパーB61〜チョッパーH67から入力するパルス信号PB〜PHの立下りに同期して、データWD1(ビット1)〜データWD7(ビット7)をRAM131〜RAM737に書き込む。
ここで、図11、図12の例では、第8の遅延量TH>第7の遅延量TG>第6の遅延量TF>第5の遅延量TE>第4の遅延量TD>第3の遅延量TC>第2の遅延量TB>第1の遅延量TAであるものとする。又、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7を書き込むことが可能な期間は、書き込み期間設定用パルス信号が立ち上がっている期間である。すなわち、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7が入力するタイミングは第1の遅延量TA〜第8の遅延量THに対応した異なる値となるが、データWD0〜WD7を書き込むことが可能な期間の終了するタイミングは同一である。従って、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7が入力してから、データWD0〜WD7を書き込むことが可能な期間の終了までの期間T0〜T7は、それぞれ異なる値となる。期間T0〜T7は、第2の実施の形態における内部動作サイクルである。
このように、図11、図12の例では、RAM030〜RAM737の内部動作サイクルT0〜T7は、それぞれ異なる値となる。すなわち、内部動作サイクルT7<内部動作サイクルT6<内部動作サイクルT5<内部動作サイクルT4<内部動作サイクルT3<内部動作サイクルT2<内部動作サイクルT1<内部動作サイクルT0となる。又、内部動作周波数1/T7>内部動作周波数1/T6>内部動作周波数1/T5>内部動作周波数1/T4>内部動作周波数1/T3>内部動作周波数1/T2>内部動作周波数1/T1>内部動作周波数1/T0となる。
次いで、ステップS102において、記憶回路であるRAM030〜RAM737に書き込んだデータWD0〜WD7を、出力データ保持回路であるラッチ040〜ラッチ747に一時的に保持する(S102)。
具体的には、RAM030〜RAM737に書き込んだデータWD0〜WD7を、半導体記憶装置12の外部からRAM030〜RAM737に供給される読み出し指示信号(図示せず)に同期して、データRD0〜RD7を含む出力データe1としてラッチ040〜ラッチ747に出力する。ラッチ040〜ラッチ747は、データRD0〜RD7を一時的に保持する。
次いで、ステップS103において、出力データ保持回路であるラッチ040〜ラッチ747に一時的に保持しているデータRD0〜RD7をラッチ040〜ラッチ747から読み出す(S103)。
具体的には、チョッパー51が基準クロック信号CLKのエッジに対して所定の遅延量を有するパルス信号P2を生成し、ラッチ040〜ラッチ747のそれぞれに出力している。チョッパー51から入力するパルス信号P1の立下りに同期して、ラッチ040〜ラッチ747に一時的に保持しているデータRD0〜RD7を出力データe1として読み出す。
次いで、第1の実施の形態の変形例と同様に、ステップS104及びS105の処理を行う。
以上のように、第2の実施の形態では、記憶回路であるRAM、RAMから読み出したデータを一時的に保持する出力データ保持回路であるラッチ、及びRAMに書き込むデータを一時的に保持する入力データ保持回路であるラッチを含む8つの領域を有する半導体記憶装置の、各領域のRAMに異なるタイミングでデータを書き込む。具体的には、入力データ保持回路である各ラッチに各RAMに書き込むデータを一時的に保持する。そして、領域毎に互いに位相の異なるパルス信号を生成して入力データ保持回路である各ラッチに供給し、供給したパルス信号に同期して領域毎に異なるタイミングで各ラッチに一時的に保持しているデータを出力し各RAMに書き込む。このとき、各RAMにデータを書き込むことが可能な期間の終了するタイミングを同一とする。そして、各RAMに書き込んだデータを、各RAMから出力して出力データ保持回路である各ラッチに一時的に保持し、同一のタイミングで出力データ保持回路である各ラッチから読み出す。
すなわち、各RAMに領域毎に異なるタイミングでデータを書き込み、各RAMに対応する出力データ保持回路である各ラッチから領域によらず同一のタイミングでデータを読み出す。その結果、基準クロック信号CLKの周期が一定であっても、8つの領域に含まれる記憶回路を互いに異なる8つの内部動作周波数で動作させること可能となり、半導体記憶装置への1回のデータの書き込み及び読み出しで、互いに異なる8つの内部動作周波数に対応する試験データを取得することができる。従って、半導体記憶装置12では、図6に例示する半導体記憶装置300の1/8の時間で図1に例示する電圧対周波数特性の全試験データを取得することができる。すなわち、半導体記憶装置が複数の領域を有さない場合に比べて、半導体記憶装置の周波数特性を導出するためのデータ取得時間を大幅に短縮することができる。
なお、nビット(nは自然数)の記憶回路を含む半導体記憶装置は、最大で同一構造の記憶回路を含むn個の領域を有することができる。そして、半導体記憶装置の有するn個の領域を互いに異なるn個の内部動作周波数で動作させることにより、半導体記憶装置への1回のデータの書き込み及び読み出しで、互いに異なるn個の内部動作周波数に対応する試験データを取得することが可能となる。その結果、半導体記憶装置が記憶回路を含む複数の領域を有さない場合に比べて、半導体記憶装置の周波数特性を導出するためのデータ取得時間を1/nに短縮することができる。
〈第3の実施の形態〉
第3の実施の形態は、8つの領域を有する半導体記憶装置において、RAM030〜RAM737に領域毎に異なるタイミングでアドレス信号ADを供給してRAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7を書き込むタイミングを領域毎に変えることにより、各領域を互いに異なる内部動作周波数で動作させて電圧対周波数特性の試験をする例である。以下、第2の実施の形態と同一部分についてはその説明を省略し、第2の実施の形態と異なる部分を中心に説明をする。
図13は、第3の実施の形態に係る半導体記憶装置の構造を例示する図である。図13を参照するに、半導体記憶装置13は、記憶回路であるRAM030〜RAM737、RAM030〜RAM737から読み出したデータを一時的に保持する出力データ保持回路であるラッチ040〜ラッチ747、及びRAM030〜RAM737に入力するアドレス信号ADを一時的に保持する入力アドレス保持回路であるラッチ070〜ラッチ777を含む8つの領域A4〜H4を有する。
又、半導体記憶装置12では、データWD0〜WD7は領域A3〜H3の各々に対応して設けられたラッチ070〜ラッチ777にそれぞれ入力し、ラッチ070〜ラッチ777からそれぞれ対応するRAM030〜RAM737に出力されている。しかし、半導体記憶装置13では、データWD0〜WD7は領域A4〜H4に共通した1つのラッチ21に入力し、ラッチ21からRAM030〜RAM737に出力されている。
又、半導体記憶装置13では、アドレス信号ADが領域A4〜H4の各々に対応して設けられたラッチ070〜ラッチ777にそれぞれ入力する。チョッパーA60〜チョッパーH67はそれぞれ、パルス信号PA〜PHを生成し、対応するラッチ070〜ラッチ777に出力する。ラッチ070〜ラッチ777は、パルス信号PA〜PHに同期して、一時的に保持しているアドレス信号ADをそれぞれ対応するRAM030〜RAM737に出力する。
ラッチ070〜ラッチ777は、入力するアドレス信号ADを一時的に保持する入力アドレス保持回路としての機能を有する。又、チョッパーA60〜チョッパーH67は、パルス信号PA〜PHを生成する入力アドレス用パルス生成回路としての機能を有する。半導体記憶装置12と同一構造である半導体記憶装置13の部分については、説明を省略する。
ここで、図13に加え、図3に例示するフローチャート及び図14に例示するタイミングチャートを用いて、半導体記憶装置13の試験方法及び動作について説明する。図14は、第3の実施の形態に係る半導体記憶装置のタイミングチャートの例である。
始めに、図3のステップS101において、記憶回路であるRAM030〜RAM737に、入力データd1に含まれるデータWD0〜WD7を書き込む(S101)。
具体的には、基準クロック信号CLKに同期して入力データd1が半導体記憶装置13に入力する。そして、ラッチ20、ラッチ0〜721及びラッチ070〜ラッチ777は、それぞれ入力データd1に含まれるライト/リード制御信号WE、データWD0〜WD7及びアドレス信号ADを一時的に保持する。
チョッパーA60は、入力する第1の遅延量制御信号DSLAに基づいて、基準クロック信号CLKの立ち上がりに対して第1の遅延量TAを有するパルス信号PAを生成する。そして、生成したパルス信号PAを、領域A4に含まれるラッチ070に出力する。ラッチ070は、チョッパーA60から入力するパルス信号PAの立下りに同期して、一時的に保持しているアドレス信号ADをRAM030に出力する。RAM030に入力するアドレス信号ADにより書き込みアドレスが指定され、RAM030の指定されたアドレスにデータW0が書き込まれる。
同様に、チョッパーB61〜チョッパーH67は、それぞれ入力する第2の遅延量制御信号DSLB〜第8の遅延量制御信号DSLHに基づいて、基準クロック信号CLKの立ち上がりに対して第2の遅延量TB〜第8の遅延量THを有するパルス信号PB〜PHを生成する。そして、生成したパルス信号PB〜PHを、領域B4に含まれるラッチ171〜領域H4に含まれるラッチ777に出力する。ラッチ171〜ラッチ777は、チョッパーB61〜チョッパーH67から入力するパルス信号PB〜PHの立下りに同期して、各々が一時的に保持するアドレス信号ADをRAM131〜RAM737に出力する。RAM131〜RAM737に入力するアドレス信号ADにより書き込みアドレスが指定され、RAM131〜RAM737の指定されたアドレスにデータW1〜W7が書き込まれる。
なお、アドレス信号ADは、RAM030〜RAM737に共通の信号である。すなわち、RAM030〜RAM737に共通の信号であるアドレス信号ADが異なるタイミングでRAM030〜RAM737に入力し、RAM030〜RAM737に異なるタイミングでデータW0〜W7が書き込まれる。
次いで、第2の実施の形態と同様に、ステップS102〜S105の処理を行う。
図14の『内部動作期間n』は、RAM030〜RAM737内部でデータの書き込み/読み出しを行う期間である。RAM030〜RAM737内部から読み出したデータRD0〜RD7は、それぞれラッチ040〜ラッチ747に入力し、パルス信号P2に同期してラッチ040〜ラッチ747から読み出される。これにより、データRD0〜RD7の読み出しが完了する。図14の例では、『内部動作期間0〜内部動作期間7』の開始は、ラッチ070〜ラッチ777の出力信号(アドレス信号ADがRAM030〜RAM737に供給された時点)により決定され、『内部動作期間0〜内部動作期間7』の終了は、基準クロック信号CLKの立ち下がりで決定される。
ここで、パルス信号Pnを遅延させる遅延量Tnの関係は、第8の遅延量TH>第7の遅延量TG>第6の遅延量TF>第5の遅延量TE>第4の遅延量TD>第3の遅延量TC>第2の遅延量TB>第1の遅延量TAである。又、RAM030〜RAM737にデータWD0〜WD7が書き込まれるタイミングは、RAM030〜RAM737にアドレス信号ADが入力した後である。又、『内部動作期間0〜内部動作期間7』の終了時点は、図14の例では同一のタイミングである。すなわち、RAM030〜RAM737の各々に対応するデータWD0〜WD7が入力するタイミングは第1の遅延量TA〜第8の遅延量THに対応した異なる値となるが、内部動作期間の終了するタイミングはRAM030〜RAM737で同一である。従って、RAM030〜RAM737の内部動作期間0〜内部動作期間7(T0〜T7)は、それぞれ異なる値となる。内部動作期間0〜内部動作期間7(T0〜T7)は、第3の実施の形態における内部動作サイクルである。
このように、RAM030〜RAM737の内部動作サイクルT0〜T7は、それぞれ異なる値となる。すなわち、RAM030〜RAM737の内部動作サイクルT0〜T7は、内部動作サイクルT7<内部動作サイクルT6<内部動作サイクルT5<内部動作サイクルT4<内部動作サイクルT3<内部動作サイクルT2<内部動作サイクルT1<内部動作サイクルT0となる。又、RAM030〜RAM737の内部動作周波数は、内部動作周波数1/T7>内部動作周波数1/T6>内部動作周波数1/T5>内部動作周波数1/T4>内部動作周波数1/T3>内部動作周波数1/T2>内部動作周波数1/T1>内部動作周波数1/T0となる。
以上のように、第3の実施の形態では、記憶回路であるRAM、RAMから読み出したデータを一時的に保持する出力データ保持回路であるラッチ、及びRAMに入力するアドレス信号を一時的に保持する入力アドレス保持回路であるラッチを含む8つの領域を有する半導体記憶装置の、各領域のRAMに異なるタイミングでデータを書き込む。具体的には、入力アドレス保持回路である各ラッチに各RAMに入力するアドレス信号を一時的に保持する。そして、領域毎に互いに位相の異なるパルス信号を生成して入力アドレス保持回路である各ラッチに供給し、供給したパルス信号に同期して領域毎に異なるタイミングで各ラッチに一時的に保持しているアドレス信号を各RAMに入力する。各RAMに入力するアドレス信号により書き込みアドレスが指定され、各RAMの指定されたアドレスにデータが書き込まれる。このとき、アドレス信号を各RAMに領域毎に異なるタイミングで入力するため、アドレス信号の入力に引き続いて行われるデータの書き込みも領域毎に異なるタイミングとなる。又、各RAMにデータを書き込むことが可能な期間の終了するタイミングを同一とする。そして、各RAMに書き込んだデータを、各RAMから出力して出力データ保持回路である各ラッチに一時的に保持し、同一のタイミングで出力データ保持回路である各ラッチから読み出す。
すなわち、各RAMに領域毎に異なるタイミングでデータを書き込み、各RAMに対応する出力データ保持回路である各ラッチから領域によらず同一のタイミングでデータを読み出す。その結果、基準クロック信号CLKの周期が一定であっても、8つの領域に含まれる記憶回路を互いに異なる8つの内部動作周波数で動作させること可能となり、半導体記憶装置への1回のデータの書き込み及び読み出しで、互いに異なる8つの内部動作周波数に対応する試験データを取得することができる。従って、半導体記憶装置13では、図6に例示する半導体記憶装置300の1/8の時間で図1に例示する電圧対周波数特性の全試験データを取得することができる。すなわち、半導体記憶装置が複数の領域を有さない場合に比べて、半導体記憶装置の周波数特性を導出するためのデータ取得時間を大幅に短縮することができる。
なお、第3の実施の形態において、第2の実施の形態と同様に、nビット(nは自然数)の記憶回路を含む半導体記憶装置は、最大で同一構造の記憶回路を含むn個の領域を有することができる。そして、半導体記憶装置の有するn個の領域を互いに異なるn個の内部動作周波数で動作させることにより、半導体記憶装置への1回のデータの書き込み及び読み出しで、互いに異なるn個の内部動作周波数に対応する試験データを取得することが可能となる。その結果、半導体記憶装置が記憶回路を含む複数の領域を有さない場合に比べて、半導体記憶装置の周波数特性を導出するためのデータ取得時間を1/nに短縮することができる。
〈第4の実施の形態〉
第4の実施の形態は、8つの領域を有する半導体記憶装置において、RAM030〜RAM737の内部をリセットするリセット期間に着目し、RAM030〜RAM737のリセット期間を領域毎に変えることにより、各領域を互いに異なる内部動作周波数で動作させて電圧対周波数特性の試験をする例である。以下、第1の実施の形態の変形例と同一部分についてはその説明を省略し、第1の実施の形態の変形例と異なる部分を中心に説明をする。
図15は、第4の実施の形態に係る半導体記憶装置の構造を例示する図である。図15を参照するに、半導体記憶装置14は、記憶回路であるRAM030〜RAM737、RAM030〜RAM737から読み出したデータを一時的に保持する出力データ保持回路であるラッチ040〜ラッチ747を含む8つの領域A5〜H5を有する。又、半導体記憶装置14は、チョッパー51を有する。チョッパー51は基準クロック信号CLKのエッジに対して所定の遅延量を有するパルス信号P2を生成する機能を有し、生成されたパルス信号P2はラッチ040〜ラッチ747に出力される。又、半導体記憶装置14は、第1の遅延量制御信号DSLA〜第8の遅延量制御信号DSLHが領域A5〜H5に含まれるRAM030〜RAM737に入力している。
又、半導体記憶装置14において、RAM030〜RAM737の内部には、それぞれリセットパルス生成回路及びリセット回路が設けられている。図16は、図15に示すRAMの内部に設けられたリセットパルス生成回路及びリセット回路を例示する図である。図16を参照するに、リセットパルス生成回路80は、パルス生成回路80a〜80hと、セレクタ回路80iとを有する。
パルス生成回路80a〜80hは、互いにパルス幅の異なるリセットパルス信号を生成する。図17に示すパルス幅T0〜T7のパルス信号は、互いにパルス幅の異なるリセットパルス信号の一例である。セレクタ回路80iは入力する遅延量制御信号DSLN(NはA〜Hの何れか)に対応して内部スイッチを切り替え、パルス生成回路80a〜80hの出力のうちの1つを選択しリセット回路90に出力する。リセット回路90は、入力するリセットパルス信号が立ち上がっている期間RAMをリセットする。すなわち、リセット回路90に入力するリセットパルス信号のパルス幅がRAMのリセット期間となる。
このように、リセットパルス生成回路80は、入力する第1の遅延量制御信号DSLA〜第8の遅延量制御信号DSLHの何れかに対応した領域毎にパルス幅の異なるリセットパルス信号をリセット回路90に供給する機能を有する。つまり、第1の遅延量制御信号DSLA〜第8の遅延量制御信号DSLHに基づいて、RAM030〜RAM737の各々の互いに異なるリセット期間が決定される。半導体記憶装置14のその他の部分については、半導体記憶装置11と同一構造である。
なお、図16に示すリセットパルス生成回路80の回路構成は一例であり、図示した回路には限定されない。又、リセットパルス生成回路80は必ずしもRAM030〜RAM737の内部に設ける必要はなく、領域A5〜H5に対して設けられていればよい。
ここで、図15及び図16に加え、図3に例示するフローチャート及び図17に例示するタイミングチャートを用いて、半導体記憶装置14の試験方法及び動作について説明する。図17は、第4の実施の形態に係る半導体記憶装置のタイミングチャートの例である。図17において、『内部動作期間』は、RAM030〜RAM737内部でデータの書き込み/読み出しを行う期間である。具体的には、内部動作期間に以下の動作が行われる。
ラッチ20、ラッチ0〜721及びラッチ22に入力するパルス信号P1に同期して、ラッチ20からライト/リード制御信号WEが、ラッチ0〜721からデータWD0〜WD7が、ラッチ22からアドレス信号ADがそれぞれRAM030〜RAM737に出力される。そして、アドレス信号ADによりRAM030〜RAM737に書き込みアドレスが指定され、例えばライト/リード制御信号WEの立ち上がっている期間に、データWD0〜WD7がそれぞれRAM030〜RAM737の指定されたアドレスに書き込まれる。
RAM030〜RAM737に書き込まれたデータWD0〜WD7は、半導体記憶装置14の外部からRAM030〜RAM737に供給される読み出し指示信号(図示せず)に同期して、データRD0〜RD7としてラッチ040〜ラッチ747で出力され一時的に保持される。ラッチ040〜ラッチ747で一時的に保持されているデータRD0〜RD7は、入力するパルス信号P2に同期してラッチ040〜ラッチ747から出力される。以上が内部動作期間に行われる動作である。
内部動作期間の終了後、RAM030〜RAM737はリセットされる。すなわち、図3のステップS101〜S103までの一連の動作が終了すると、RAM030〜RAM737はリセットされる。RAM030〜RAM737のリセット期間T0〜T7は、RAM030〜RAM737の内部をリセットする期間である。リセット期間T0〜T7は、『内部動作期間』の終了時から次の基準クロック信号CLKの立ち上がり前までに設定する。リセット期間が短いことは、半導体記憶装置が高速で動作している状態に相当する。
リセット期間T0〜T7は第1の遅延量制御信号DSLA〜第8の遅延量制御信号DSLHに基づいて設定される。図17の例では、リセット期間T7<リセット期間T6<リセット期間T5<リセット期間T4<リセット期間T3<リセット期間T2<リセット期間T1<リセット期間T0の関係になるように、第1の遅延量制御信号DSLA〜第8の遅延量制御信号DSLHが設定されている。リセット期間T0〜T7は第4の実施の形態における内部動作サイクルである。
このように、RAM030〜RAM737の内部動作サイクルT0〜T7は、それぞれ異なる値となる。すなわち、内部動作サイクルT7<内部動作サイクルT6<内部動作サイクルT5<内部動作サイクルT4<内部動作サイクルT3<内部動作サイクルT2<内部動作サイクルT1<内部動作サイクルT0となる。又、RAM030〜RAM737の内部動作周波数は、内部動作周波数1/T7>内部動作周波数1/T6>内部動作周波数1/T5>内部動作周波数1/T4>内部動作周波数1/T3>内部動作周波数1/T2>内部動作周波数1/T1>内部動作周波数1/T0となる。
つまり、各領域のリセット期間を第1の遅延量制御信号DSLA〜第8の遅延量制御信号DSLHの設定で変えられる構成にすると、例えばリセット期間は領域A5に比べて領域B5の方が短くなる。これにより、RAM内部のリセットに関してRAM030の含まれる領域A5に比べてRAM131の含まれる領域B5の方を高速に試験した場合と同様の結果を得ることができる。
以上のように、第4の実施の形態では、記憶回路であるRAM、RAMから読み出したデータを一時的に保持する出力データ保持回路であるラッチを含む8つの領域を有する半導体記憶装置の、各領域のRAMの内部をリセットするリセット期間に着目し、RAMのリセット期間を領域毎に変える。
具体的には、各RAMの内部にリセットパルス生成回路及びリセット回路を設け、各リセットパルス生成回路が、入力する遅延量制御信号に対応した領域毎に互いに異なるパルス幅のリセットパルス信号を生成し各リセット回路に供給する。そして、各リセット回路は、入力する互いに異なるパルス幅のリセットパルス信号が立ち上がっている期間各RAMをリセットする。ここで、リセットパルス信号の立ち上がっている期間(リセットパルス信号のパルス幅)がリセット期間である。
その結果、基準クロック信号CLKの周期が一定であっても、8つの領域に含まれる記憶回路を互いに異なる8つの内部動作周波数で動作させること可能となり、半導体記憶装置への1回のデータの書き込み及び読み出しで、互いに異なる8つの内部動作周波数に対応する試験データを取得することができる。従って、半導体記憶装置14では、図6に例示する半導体記憶装置300の1/8の時間で図1に例示する電圧対周波数特性の全試験データを取得することができる。すなわち、半導体記憶装置が複数の領域を有さない場合に比べて、半導体記憶装置の周波数特性を導出するためのデータ取得時間を大幅に短縮することができる。
なお、第4の実施の形態において、第1の実施の形態の変形例と同様に、nビット(nは自然数)の記憶回路を含む半導体記憶装置は、最大で同一構造の記憶回路を含むn個の領域を有することができる。そして、半導体記憶装置の有するn個の領域を互いに異なるn個の内部動作周波数で動作させることにより、半導体記憶装置への1回のデータの書き込み及び読み出しで、互いに異なるn個の内部動作周波数に対応する試験データを取得することが可能となる。その結果、半導体記憶装置が記憶回路を含む複数の領域を有さない場合に比べて、半導体記憶装置の周波数特性を導出するためのデータ取得時間を1/nに短縮することができる。
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、図8、図11、図13、図15に示す半導体記憶装置において、全ての領域で内部動作周波数を異ならせる必要はなく、複数の領域の内部動作周波数は同一にしても構わない。一例を挙げると、図8の領域A2〜D2の内部動作周波数を図2の領域A1の内部動作周波数と同一にし、図8の領域E2〜H2の内部動作周波数を図2の領域B1の内部動作周波数と同一にすれば、図8の半導体記憶装置11は図2の半導体記憶装置10と同様に動作する。
又、第1の実施の形態〜第4の実施の形態で示した機能をシステム動作で使用することを考えると、領域毎にRAMアクセスにバラツキがある場合、RAMへのデータの書き込み及び読み出しに余裕のない領域についてはマージンを削って性能優先の設定することで性能を確保することができる。RAMへのデータの書き込み及び読み出しに余裕のある領域についてはマージン優先の設定にすることで性能の範囲内でより多くのマージンを確保することができる。
一例として、図8に示す半導体記憶装置11において、領域D2からのデータの読み出しに余裕がない場合を考える。例えば、領域D2に対する遅延量の設定がTDのときはデータの読み出しができなく、領域D2に対する遅延量の設定がTC(TC>TD)のときはデータの読み出しができるとする。又、領域D2以外の領域では、遅延量の設定がTDでデータの読み出しができるとする。このような場合には、領域D2以外の領域に対する遅延量の設定をTDとし、領域D2に対する遅延量の設定のみをTC(TC>TD)にすることにより、領域D2を含む全領域からのデータの読み出しが可能となり、半導体記憶装置11の性能を確保することができる。
以上の第1の実施の形態〜第4の実施の形態を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
記憶回路及び前記記憶回路から読み出したデータを一時的に保持する出力データ保持回路を含む複数の領域を有する半導体記憶装置の各記憶回路にデータを書き込む第1ステップと、
前記各記憶回路に書き込んだデータを、前記各記憶回路から出力して前記出力データ保持回路に一時的に保持する第2ステップと、
前記出力データ保持回路に一時的に保持しているデータを前記出力データ保持回路から読み出す第3ステップと、
前記領域毎に前記第1ステップで書き込んだデータと前記第3ステップで読み出したデータとを比較して、前記領域毎に前記記憶回路の動作の良否判定を行う第4ステップと、を有し、
前記第1ステップでデータを書き込むタイミング又は前記第3ステップでデータを読み出すタイミングを前記領域毎に変えることにより、各領域を互いに異なる内部動作周波数で動作させる半導体記憶装置の試験方法。
(付記2)
前記第3ステップよりも後に、前記各記憶回路をリセットする第5ステップを有し、
前記第1ステップでデータを書き込むタイミング及び前記第3ステップでデータを読み出すタイミングは前記各領域で同一とし、前記各記憶回路をリセットするリセット時間を前記領域毎に変えることにより、前記各領域を互いに異なる内部動作周波数で動作させる付記1記載の半導体記憶装置の試験方法。
(付記3)
前記各領域の内部動作周波数と、前記各領域の良否判定結果とに基づいて、前記半導体記憶装置の周波数特性を導出する第6ステップを更に有する付記1又は2記載の半導体記憶装置の試験方法。
(付記4)
前記半導体記憶装置に印加する電源電圧を可変し、前記電源電圧毎に前記周波数特性を導出する付記3記載の半導体記憶装置の試験方法。
(付記5)
前記半導体記憶装置は、前記各領域に対して設けられた出力データ用パルス生成回路を有し、
前記第1ステップでは、前記各領域の前記各記憶回路に同一のタイミングでデータを書き込み、
前記第3ステップでは、前記出力データ用パルス生成回路が前記領域毎に互いに位相の異なるパルス信号を生成して前記出力データ保持回路に供給し、前記パルス信号に同期して前記領域毎に異なるタイミングで前記出力データ保持回路に一時的に保持しているデータを読み出す付記1、3〜4の何れか一に記載の半導体記憶装置の試験方法。
(付記6)
前記半導体記憶装置は、前記各領域内に設けられた入力データ保持回路と、前記各領域に対して設けられた入力データ用パルス生成回路と、を有し、
前記第1ステップよりも前に、前記入力データ保持回路は、前記各記憶回路に書き込むデータを一時的に保持し、
前記第1ステップでは、前記入力データ用パルス生成回路が前記領域毎に互いに位相の異なるパルス信号を生成して前記入力データ保持回路に供給し、前記パルス信号に同期して前記領域毎に異なるタイミングで前記入力データ保持回路に一時的に保持しているデータを前記各記憶回路に出力して前記各記憶回路に書き込み、
前記第3ステップでは、前記出力データ保持回路に一時的に保持しているデータを同一のタイミングで前記出力データ保持回路から読み出す付記1、3〜4の何れか一に記載の半導体記憶装置の試験方法。
(付記7)
前記半導体記憶装置は、前記各領域内に設けられた入力アドレス保持回路と、
前記各領域に対して設けられた入力アドレス用パルス生成回路と、を有し、
前記第1ステップでは、前記入力アドレス用パルス生成回路が前記領域毎に互いに位相の異なるパルス信号を生成して前記入力アドレス保持回路に供給し、前記パルス信号に同期して前記領域毎に異なるタイミングで前記各記憶回路に前記アドレス信号を入力し、前記領域毎に異なるタイミングで前記各記憶回路の前記アドレス信号に指定されたアドレスにデータを書き込み、
前記第3ステップでは、前記出力データ保持回路に一時的に保持しているデータを同一のタイミングで前記出力データ保持回路から読み出す付記1、3〜4の何れか一に記載の半導体記憶装置の試験方法。
(付記8)
複数の領域と、
各領域に対して設けられた、互いに位相の異なるパルス信号を生成するパルス生成回路と、を有し、
前記各領域は、
記憶回路と、
前記記憶回路から読み出したデータを一時的に保持する出力データ保持回路、前記記憶回路に書き込むデータを一時的に保持する入力データ保持回路、前記記憶回路に入力するアドレス信号を一時的に保持する入力アドレス保持回路の少なくとも1つと、を含み、
前記パルス生成回路が、前記入力データ保持回路、前記入力アドレス保持回路、前記出力データ保持回路の何れか1つに前記互いに位相の異なるパルス信号を供給することにより、前記各領域が互いに異なる内部動作周波数で動作可能である半導体記憶装置。
(付記9)
記憶回路を含む複数の領域と、
各領域に対して設けられた、前記記憶回路をリセットするリセットパルス信号を生成するリセットパルス生成回路と、を有し、
前記リセットパルス生成回路が、領域毎に互いに異なるパルス幅を有する前記リセットパルス信号を生成して前記各領域の各記憶回路に供給し、前記各領域の各記憶回路を前記パルス幅に対応する期間リセットすることにより、前記各領域が互いに異なる内部動作周波数で動作可能である半導体記憶装置。