JP5239230B2 - ガスバリアフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、酸素や水蒸気の透過に関するバリア性が必要とされる食品、医薬品等の包装材料や、有機EL、太陽電池等の産業資材の基材として用いられるガスバリアフィルムに関するものである。
従来、酸素や水蒸気の透過に関するバリア性を備えた包装材料としては、種々のものが開発されているが、近年は酸化ケイ素、酸化アルミニウムのような金属酸化物膜をナノスケールでプラスチック基材上に設けた透明バリアフィルムが数多く提案されている。
上記のような透明バリアフィルムは、従来のアルミニウム箔等を使用したバリアフィルムと比較して、透明性に優れ、かつ、水蒸気や酸素に対し高いバリア性を有するという点で食品包装だけに限らず、産業用用途にも期待されている技術である。
SiOなどの無機化合物薄膜を用いたガスバリアフィルムは、ポリビニルアルコールやエチレンビニルアルコール共重合体といったガスバリア性ポリマーを用いた場合よりガスバリア性に優れ、湿度依存性も小さいが、有機ELのような産業資材で用いるにはさらなる高バリア性が必要となる。
また、一般にプラスチック基材上には微細な凹凸があり、この上に無機酸化物からなるガスバリア層を真空成膜法により成膜した場合、この微細な凹凸上に成膜したことに起因する欠陥がガスバリア層内に発生し、ガスバリア性を低下させてしまうといった問題が指摘されている。
例えば、特許文献1では、基材上に蒸着法を用いてフッ素化合物膜を形成し、その上に真空成膜法を用いて無機酸化物からなるガスバリア層を形成してなるガスバリア性フィルムが記載されている。このガスバリア性フィルムにおいては、基材上に形成されたフッ素化合物膜が基材表面の凹凸を平滑化するため、ガスバリア性の高いガスバリア性フィルムとなっている。
しかし、蒸着法を用いてフッ素化合物膜を形成する場合、基材表面の凹凸をそのまま追従してフッ素化合物膜が形成されるため、フッ素化合物膜表面は平滑にはならず、バリア性向上への寄与はそれほど大きいものではなかった。
特開2003−340955号公報
本発明における課題は、ポリエステル基材表面の微細な凹凸を平滑化し、平滑な面上に無機酸化物層を形成することで、高い透明性を保持しつつ、高いガスバリア性を有するガスバリアフィルムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、ポリエステル基材の少なくとも一方の面上に、1層以上の有機化合物層と1層以上の無機酸化物層とを順次設けた透明ガスバリアフィルムにおいて、
前記有機化合物層はウェット成膜法により形成されたものであり、
前記有機化合物層が少なくともフッ素系界面活性剤と2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂とからなり、
前記2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂100重量部に対し、前記フッ素系界面活性剤が0.01重量部以上1重量部以下配合してなり、
前記ポリエステル基材の前記有機化合物層を設ける面に易接着処理が施されており、前記ポリエステル基材の前記有機化合物層を設ける面における、JIS B 0601−1994に基づく表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.005μm以上0.015μm以下であり、最大高さ(Ry)が0.02μm以下である
ことを特徴とするガスバリアフィルムである。
請求項2に記載の発明は、ポリエステル基材の少なくとも一方の面上に、1層以上の有機化合物層と1層以上の無機酸化物層とを順次設けた透明ガスバリアフィルムにおいて、
前記有機化合物層はウェット成膜法により形成されたものであり、
前記有機化合物層が少なくともフッ素系樹脂と2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂とからなり、
前記2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂100重量部に対し、前記フッ素系樹脂が5重量部以上500重量部以下配合してなり、
前記ポリエステル基材の前記有機化合物層を設ける面に易接着処理が施されており、前記ポリエステル基材の前記有機化合物層を設ける面における、JIS B 0601−1994に基づく表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.005μm以上0.015μm以下であり、最大高さ(Ry)が0.02μm以下であることを特徴とするガスバリアフィルムである。
請求項3に記載の発明は、前記有機化合物層の膜厚が10nm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア性積層フィルムである。
請求項4に記載の発明は、前記無機酸化物層の膜厚が10nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリアフィルムである。
請求項5に記載の発明は、前記無機酸化物層が物理気相成長法あるいは化学気相成長法により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリアフィルムである。
請求項6に記載の発明は、前記無機酸化物層の上層にR(M−OR)で表される少なくとも一種類以上の金属アルコキシドを含有するオーバーコート層を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリアフィルムである。
(ただしR、Rは炭素数1〜8の有機基、Mは金属原子)
請求項7に記載の発明は、前記無機酸化物層の上層に少なくとも2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂を含有するオーバーコート層を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリアフィルムである。
本発明によれば、ポリエステル基材表面の微細な凹凸を平滑化することで、高い透明性を保持しつつ、高いガスバリア性を有するガスバリアフィルムを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明におけるガスバリアフィルムの断面概略図である。本発明におけるガスバリアフィルム1は、ポリエステル基材2の少なくとも一方の面上に、有機化合物層3と無機酸化物層4とが順次形成されたものである。ここで、ポリエステル基材の両面に、有機化合物層と無機酸化物層とを順次形成してもよい。また、有機化合物層が2層以上の有機化合物層の積層体から構成されていてもよく、無機酸化物層が2層以上の無機酸化物層の積層体から構成されていてもよい。しかし、有機化合物層上に無機酸化物層が形成されている必要がある。
本発明に用いられるポリエステル基材2としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ポリエステル基材2の膜厚は、制約を加える事項ではないが、3μm以上300μm以下程度の一般的な膜厚であることが望ましい。
ポリエステル基材2には必要に応じて帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑り剤等の添加剤が含まれていてもよい。さらに、ポリエステル基材2表面に、コロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理、易接着処理等の改質処理を施してもよい。
また、本発明に用いられるポリエステル基材2の表面は、微細な凹凸形状を有している。その凹凸形状は、フィルム成膜工程に起因するものであり、本発明では、JIS B 0601−1994に基づくポリエステル基材2の表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.005μm以上0.015μm以下程度の範囲であり、最大高さ(Ry)の値が0.02μm以下程度の範囲であるものを用いている。
本発明に用いられる有機化合物層3は、少なくともフッ素系界面活性剤と2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂とからなり、2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂100重量部に対し、フッ素系界面活性剤が0.01重量部以上1重量部以下配合してなるもの、または、フッ素系樹脂と2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂とからなり、2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂100重量部に対し、フッ素系樹脂が5重量部以上500重量部以下配合してなるものである。
本発明におけるフッ素系界面活性剤としては、疎水性基としてフルオロカーボン鎖を用いているものであればよく、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、ポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、2種類以上を混合して使用してもよく、市販のフッ素系界面活性剤を使用してもよい。
本発明におけるフッ素系樹脂としては、トリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフロオプロピルメタクリレート、テトラフロロプロピルメタクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、オクタフロロペンチルメタクリレート、へプタデカフロロデシルアクリレート、へプタデカフロロデシルメタクリレート等のフッ素原子を含む(メタ)アクリレートを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、2種類以上を混合して使用してもよい。
本発明では、表面張力の低いフッ素系界面活性剤およびフッ素系樹脂を上記した重量部添加することで、表面張力を大幅に低減することができるため、ポリエステル基材2表面に有機化合物層3を形成する際、ポリエステル基材2表面の凹凸形状を平滑化することができる。有機化合物層3表面を平滑化することで、有機化合物層3と無機酸化物層4との密着性を向上させることができ、また、無機酸化物層4をより緻密に形成することができるため、バリア性を向上させることができる。
本発明における2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂としては、反応性アクリル基を分子内に2個以上有する化合物であればよく、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジメタクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることができる。
また、多官能(メタ)アクリレートであるウレタン(メタ)アクリレートも挙げることができる。ウレタン(メタ)アクリレートとしては、分子内にウレタン結合と(メタ)アクリレート構造を有するものであればよく、ジイソシアネートとジオールおよび水酸基含有(メタ)アクリレートから生成されるものを挙げることができる。
ジイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ジフェニルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等を挙げることができ、ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ナノンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、ポリエチレンオキサイドジオール、ポリプロピレンオキサイドジオール、ポリテトラメチレンオキサイドジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ポリカプロラクトンジオール、ポリエステルジール、ポリカーボネートジオール等を挙げることができる。また、水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン変性物、2−ヒドロキシエチルアクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシプロピルアクリレートオリゴマー、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を挙げることができる。
また、多官能アクリレートであるポリエステルアクリレートも挙げることができる。ポリエステルアクリレートとしては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させたものを挙げることができる。
また、エポキシアクリレートも挙げることができる。エポキシアクリレートとしては、エポキシ樹脂のエポキシ基を開環しアクリル酸でアクリル化することにより得られるアクリレートであり、芳香環、脂環式のエポキシを用いたものが好ましく用いられる。
上記した2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂は、1種類のみを用いても2種類以上を混合して使用してもよい。
本発明において、2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂は、有機化合物層3のベースに用いられるものであり、透明性に優れるため、本発明におけるガスバリアフィルムの透明性を低下させることがなく、また、バリア性向上にも寄与するものである。
本発明に用いられる有機化合物層3が、少なくともフッ素系界面活性剤と2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂とからなるとき、2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂100重量部に対し、フッ素系界面活性剤が0.01重量部以上1重量部以下配合してなるものである。フッ素系界面活性剤が0.01重量部未満である場合、有機化合物層3を形成する塗布材料の表面張力を低く抑えることができず、有機化合物層3表面の平滑性を得ることができない。また、フッ素系界面活性剤が1重量部より多い場合、有機化合物層3を形成する塗布材料の表面張力が低くなりすぎ、濡れ性不良により、ポリエステル基材2表面に一様に有機化合物層3を塗布することができない。
また、本発明に用いられる有機化合物層3が、少なくともフッ素樹脂と2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂とからなるとき、2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂100重量部に対し、フッ素樹脂が5重量部以上90重量部以下配合してなるものである。フッ素樹脂が5重量部未満である場合、有機化合物層3を形成する塗布材料の表面張力を低く抑えることができず、有機化合物層3表面の平滑性を得ることができない。また、フッ素樹脂が90重量部より多い場合、有機化合物層3を形成する塗布材料の表面張力が低くなりすぎ、濡れ性不良により、ポリエステル基材2表面に一様に有機化合物層3を塗布することができない。
さらに、本発明における有機化合物層3に、光重合開始剤や光増感剤を配合してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類等が挙げることができる。
光増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げることができる。
また、ブロッキング防止、硬度付与、帯電防止性能付与、屈折率調整等のために無機微粒子あるいは有機微粒子を加えてもよい。
無機微粒子としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、五酸化アンチモン等の酸化物や、アンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ等の複合酸化物を挙げることができる他、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、カオリン、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等も使用することができる。
有機微粒子としては、ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリル−スチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン樹脂粉末、ポリスチレン系粉末、ポリカーボネート粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末等を挙げることができる。
上記したフッ素系界面活性剤またはフッ素樹脂、2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂、光重合開始剤、光増感剤等は、溶媒に溶かし、固形分を30重量%以上80重量%以下程度、より好ましくは40重量%以上60重量%以下程度に調整し、ポリエステル基材2上に塗工する。
溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、デカン等の炭化水素類、キシレン、トルエン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明における有機化合物層3の塗工方式は、ウェット成膜法であり、公知の方法を用いることができる。具体的には、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター等である。ウェット成膜法を用いることにより、ポリエステル基材2表面の凹凸形状に追従せずに有機化合物層3を形成することができるため、表面形状が平滑である有機化合物層3を得ることができ、有機化合物層3と無機酸化物層4との密着性、および、バリア性を向上させることができる。有機化合物層3をドライ成膜法を用いて形成した場合、ポリエステル基材2表面の凹凸形状に有機化合物層3が追従して形成されるため、有機化合物層3表面に平滑性を保持することがでず、有機化合物層3と無機酸化物層4との密着性低下、および、バリア性低下の要因となる。
ウェット成膜法を用いて塗工された有機化合物層3は、紫外線あるいは電子線を照射し、硬化させるものであり、紫外線照射手段および電子線照射手段は、制限されるものではない。
紫外線照射手段としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電管等を用いることができる。照射条件として紫外線照射量は、通常100mJ/cm以上800mJ/cm以下程度である。
電子線照射手段としては、有機化合物層3表面に電子線を照射できるものであればよく、特に制限されるものではない。
本発明における有機化合物層3の膜厚(硬化膜厚)は、10nm以上20μm以下であることが好ましい。硬化膜厚が10nm未満であると、ポリエステル基材2の表面凹凸を一様に覆うことができず、形成した有機化合物層3表面に平滑性を付与することができない。また、硬化膜厚が20μmより大きいと、硬化収縮の増加によるクラック発生等の問題やコスト増による経済的問題が生じ、生産性が低下する。
本発明に用いられる無機酸化物層4は、バリア性を有するものであり、酸化アルミニウム(AlO)、酸化珪素(SiO)、インジウムとスズの複合酸化物(ITO)、インジウムとセリウムの複合酸化物(ICO)、スズを含むインジウムとセリウムの複合酸化物(ICOSn)、チタンを含むインジウムとセリウムの複合酸化物(ICOTi)、スズおよびチタンを含むインジウムとセリウムの複合酸化物(ICOSnTi)が望ましく、その中でも、酸化珪素は透明性、ガスバリア性とも他の金属酸化物より優れているためより好ましい。
本発明における無機酸化物層4の膜厚(硬化膜厚)は、10nm以上1000nm以下であることが好ましい。さらには、10nm以上200nm以下であることが好ましい。硬化膜厚が10nm未満であると、十分なバリア性能を得ることができない。また、硬化膜厚が1000nmより大きいと、硬化収縮の増加によりクラックが発生し、バリア性が低下する。さらに、材料使用量の増加、膜形成時間の長時間化等に起因してコストが増加し、経済的観点から好ましくない。
本発明における無機酸化物層4の塗工方式は、ドライ成膜法である物理気相成長法あるいは化学気相成長法を用いることができる。
高いガスバリア性を得るためには、無機酸化物層4の緻密性が重要になる。物理気相成長法あるいは化学気相成長法を用いて無機酸化物層4を形成することにより、他の塗工方式と比較して、より緻密性を有する無機酸化物層4を得ることができる。
さらに、無機酸化物層4の緻密性は、初期成長段階における緻密性に寄与するものであり、つまり、有機化合物層3に接する部分における無機酸化物層4の緻密性に寄与するものであるため、本発明では、有機化合物層3表面を平滑形状にすることで、無機酸化物層4の緻密性を向上させるものである。
本発明における物理気相成長法としては、真空蒸着法、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明における化学気相成長法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ここでは、特に、真空装置を使用した減圧下で行う塗工方式が好ましく、抵抗加熱式真空蒸着法、EB(Electron Beam)加熱式真空蒸着法、誘導加熱式真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、デュアルマグネトロンスパッタリング法、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)等が好ましく用いられる。
上記のスパッタリング法以降の項目ではプラズマを用いているが、DC(Direct Current)方式、RF(Radio Frequency)方式、MF(Middle Frequency)方式、DCパルス方式、RFパルス方式、DC+RF重畳方式等のプラズマの生成法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
スパッタリング法の場合、陰極であるターゲットに負の電位勾配が生じ、Arイオンが電位エネルギーを受け、ターゲットに衝突する。ここで、プラズマが発生しても負の自己バイアス電位が生じないとスパッタリングを行うことができない。したがって、MW(Micro Wave)プラズマは自己バイアスが生じないため、スパッタリングには適していない。しかし、PECVD法では、プラズマ中の気相反応を利用して化学反応、堆積とプロセスが進むため、自己バイアスが無くても膜の生成が可能であるため、MWプラズマを利用することができる。
図2は、本発明におけるガスバリアフィルムの断面概略図である。図2に示すように、本発明では、無機酸化物層4の上層にオーバーコート層5を設けてもよい。
本発明におけるオーバーコート層5としては、少なくともR(M−OR)(ただし、R、Rは炭素数1〜8の有機基、Mは金属原子)で表される1種類以上の金属アルコキシドを含有するもの、もしくは、少なくとも2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂を含有するものを用いることができる。これより、無機酸化物層4の保護、バリア性、印刷適性等の機能を向上させることができる。
本発明におけるR(M−OR)(ただし、R、Rは炭素数1〜8の有機基、Mは金属原子)で表される1種類以上の金属アルコキシドでは、金属原子Mとして、Si、Ti、Al、Zr等を用いることができる。
金属原子MがSiであるR(Si−OR)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。
金属原子MがTiであるR(Ti−OR)としては、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトライソプロポキシチタニウム、テトラブトキシチタニウム等を挙げることができる。
金属原子MがAlであるR(Al−OR)としては、テトラメトキシアルミニウム、テトラエトキシアルミニウム、テトライソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシアルミニウム等を挙げることができる。
金属原子MがZrであるR(Zr−OR)としては、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等を挙げることができる。
上記金属アルコキシドは1種類のみ用いても2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において、少なくともR(M−OR)で表される1種類以上の金属アルコキシドを含有するオーバーコート層5は、主にゾルゲル法を用いて形成されるが、これに限定されるものではない。また、膜厚(硬化膜厚)は10nm以上5μm以下程度であることが好ましい。
本発明においてオーバーコート層5に用いる2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂としては、上記した有機化合物層3と同様の反応性アクリル基を分子内に2個以上有する化合物を用いることができる。また、塗工方式は、ウェット成膜法であっても、ドライ成膜法であってもよく、膜厚(硬化膜厚)は10nm以上20μm以下程度であることが好ましい。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、透明ガスバリアフィルムの性能は、下記の方法に従って評価した。
全光線透過率は、日本電色工業株式会社製、NDH−2000を用い、JIS−K7105に準拠して測定を行った。
水蒸気透過度は、JIS−Z0208に順ずる方法を用いてカップ法により測定し、40℃、90RH%の条件下において、フィルムを透過する水分を塩化カルシウムの重量変化により測定した。
<実施例1>
50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材(A4100、東洋紡績株式会社製)を用い、その易接着面に
アクリルモノマー(DPE−6A、共栄社化学株式会社製) 400重量部
フッ素系界面活性剤(BYK−340、ビックケミー・ジャパン株式会社製)
0.4重量部
溶媒(メチルイソブチルケトン、純正化学株式会社製) 600重量部
光重合開始剤(イルガキュアー184、チバスペシャリティケミカルズ社製)
20重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚2μmになるように塗布、乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cmの紫外線を照射し有機化合物層を形成した。その有機化合物層の上に電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を電子ビーム加熱によって蒸発させ、成膜中の圧力が1.5×10−2Paにおいて硬化膜厚50nmのSiOx膜を成膜した。ただし、このときの蒸着条件は、加速電圧が40kV、エミッション電流が0.2Aである。
このガスバリアフィルムの水蒸気透過率は0.5g/m・day、全光線透過率は80%であった。
<実施例2>
50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材(A4100、東洋紡績株式会社製)を用い、その易接着面に
ウレタンアクリレート(U−6HA、新中村化学工業株式会社製) 400重量部
フッ素系界面活性剤(F−470、大日本インキ化学工業株式会社製)0.8重量部
溶媒(酢酸エチル、純正化学株式会社製) 600重量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバスペシャリティケミカルズ社製)
20重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚2μmになるように塗布、乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cmの紫外線を照射し有機化合物層を形成した。その有機化合物層の上に電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を電子ビーム加熱によって蒸発させ、成膜中の圧力が1.5×10−2Paにおいて硬化膜厚50nmのSiOx膜を成膜した。蒸着条件は実施例1と同様である。
このガスバリアフィルムの水蒸気透過率は0.5g/m・day、全光線透過率は79%だった。
<実施例3>
50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材(A4100、東洋紡績株式会社製)を用い、その易接着面に
ウレタンアクリレート(UA306I、共栄社化学株式会社製)
400重量部
フッ素系界面活性剤(BYK−340、ビックケミー・ジャパン株式会社製)
0.2重量部
溶媒(酢酸エチル、純正化学株式会社製) 600重量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバスペシャリティケミカルズ社製)
20重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚2μmになるように塗布、乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cmの紫外線を照射し有機化合物層を形成した。その有機化合物層の上に電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を電子ビーム加熱によって蒸発させ、成膜中の圧力が1.5×10−2Paにおいて硬化膜厚50nmのSiOx膜を成膜した。蒸着条件は実施例1と同様である。
このガスバリアフィルムの水蒸気透過率は0.5g/m・day、全光線透過率は79%だった。
<実施例4>
50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材(A4100、東洋紡績株式会社製)を用い、その易接着面に
アクリル樹脂(NKエステル A−DPH、新中村化学株式会社製)
400重量部
フッ素系界面活性剤(BYK−340、ビックケミー・ジャパン株式会社製)
2.8重量部
溶媒(酢酸エチル、純正化学株式会社製) 600重量部
光重合開始剤(イルガキュアー184、チバスペシャリティケミカルズ社製)
20重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚2μmになるように塗布、乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cmの紫外線を照射し有機化合物層を形成した。その有機化合物層の上に電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を電子ビーム加熱によって蒸発させ、成膜中の圧力が1.5×10−2Paにおいて硬化膜厚50nmのSiOx膜を成膜した。蒸着条件は実施例1と同様である。
このガスバリアフィルムの水蒸気透過率は0.5g/m・day、全光線透過率は79%だった。
<実施例5>
50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材(A4100、東洋紡績株式会社製)を用い、その易接着面に
アクリル樹脂(DPE−6A、共栄社化学株式会社製) 400重量部
フッ素系樹脂(ビスコート8F、大阪有機化学工業株式会社製)
20重量部
溶媒(メチルイソブチルケトン、和光純薬株式会社製) 630重量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバスペシャリティケミカルズ社製)
21重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚2μmになるように塗布、乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cmの紫外線を照射し有機化合物層を形成した。その有機化合物層の上に電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を電子ビーム加熱によって蒸発させ、成膜中の圧力が1.5×10−2Paにおいて硬化膜厚50nmのSiOx膜を成膜した。蒸着条件は実施例1と同様である。
このガスバリアフィルムの水蒸気透過率は0.6g/m・day、全光線透過率は78%であった。
<実施例6>
50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材(A4100、東洋紡績株式会社製)を用い、その易接着面に
アクリル樹脂(DPE−6A、共栄社化学株式会社製) 400重量部
フッ素系樹脂(ビスコート8F、大阪有機化学工業株式会社製)
20重量部
溶媒(メチルイソブチルケトン、和光純薬株式会社製) 630重量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバスペシャリティケミカルズ社製)
21重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚2μmになるように塗布、乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cmの紫外線を照射し有機化合物層を形成した。その有機化合物層の上に電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を電子ビーム加熱によって蒸発させ、成膜中の圧力が1.5×10−2Paにおいて硬化膜厚50nmのSiOx膜を成膜した。蒸着条件は実施例1と同様である。
このガスバリアフィルムの水蒸気透過率は0.6g/m・day、全光線透過率は78%であった。
<実施例7>
50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材(A4100、東洋紡績株式会社製)を用い、その易接着面に
アクリル樹脂(NKエステル A−DPH、新中村化学株式会社製)
100重量部
フッ素系樹脂(ビスコート4F、大阪有機化学工業株式会社製株式会社製)
400重量部
溶媒(メチルイソブチルケトン、和光純薬株式会社製) 750重量部
光重合開始剤(イルガキュアー184、チバスペシャリティケミカルズ社製)
25重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚2μmになるように塗布、乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cmの紫外線を照射し有機化合物層を形成した。その有機化合物層の上に電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を電子ビーム加熱によって蒸発させ、成膜中の圧力が1.5×10−2Paにおいて硬化膜厚50nmのSiOx膜を成膜した。蒸着条件は実施例1と同様である。
このガスバリアフィルムの水蒸気透過率は0.6g/m・day、全光線透過率は78%であった。
<比較例1>
50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材(A4100、東洋紡績株式会社製)を用い、その易接着面に、フラッシュ蒸着法を用いて、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(共栄社化学株式会社製)とフッ素樹脂HFIP−M(セントラル化学株式会社製)が重量比にて1:1の割合で混合した樹脂を、厚さ(硬化膜厚)が200nmとなるよう形成した。ここでフラッシュ蒸着法とは重合しうるアクリル系のモノマー、もしくは、モノマーとオリゴマーの混合物からなる樹脂成分を真空下において高温蒸発源直上で瞬間的に加熱気化させた後、電子線や紫外線照射等により硬化させる方法のことを言う。
その有機化合物層の上に、さらに、電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を電子ビーム加熱によって蒸発させ、成膜中の圧力が1.5×10−2Paにおいて硬化膜厚50nmのSiOx膜を成膜した。蒸着条件は実施例1と同様である。
このガスバリアフィルムの水蒸気透過率は5.0g/m・day、全光線透過率は79%であった。
<比較例2>
50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材(A4100、東洋紡績株式会社製)を用い、その易接着面に
アクリルモノマー(DPE−6A、共栄社化学株式会社製) 400重量部
溶媒(メチルイソブチルケトン、和光純薬株式会社製) 600重量部
光重合開始剤(イルガキュアー184、チバスペシャリティケミカルズ社製)
20重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚2μmになるように塗布、乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cmの紫外線を照射し有機化合物層を形成した。その有機化合物層の上に電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を電子ビーム加熱によって蒸発させ、成膜中の圧力が1.5×10−2Paにおいて硬化膜厚50nmのSiOx膜を成膜した。蒸着条件は実施例1と同様である。このガスバリアフィルムの水蒸気透過率は1.5g/m・day、全光線透過率は80%だった。
<比較例3>
50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材(A4100、東洋紡績株式会社製)を用い、その易接着面に電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を電子ビーム加熱によって蒸発させ、成膜中の圧力が1.5×10−2Paにおいて硬化膜厚50nmのSiOx膜を成膜した。蒸着条件は実施例1と同様である。
このガスバリアフィルムの水蒸気透過率は10g/m・day、全光線透過率は80%だった。
<比較例4>
50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材(A4100、東洋紡績株式会社製)を用い、その易接着面に電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を電子ビーム加熱によって蒸発させ、成膜中の圧力が1.5×10−2Paにおいて硬化膜厚50nmのSiOx膜を成膜した。蒸着条件は実施例1と同様である。その蒸着膜上に
ウレタンアクリレート(U−6HA、新中村化学工業株式会社製) 400重量部
フッ素系界面活性剤(F−470、大日本インキ化学工業株式会社製)0.8重量部
溶媒(酢酸エチル、純正化学株式会社製) 600重量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバスペシャリティケミカルズ社製)
20重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚2μmになるように塗布、乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cmの紫外線を照射し有機化合物層を形成した。
このガスバリアフィルムの水蒸気透過率は8g/m・day、全光線透過率は85%だった。
Figure 0005239230
表1に示すように、ポリエステル基材の少なくとも一方の面上に、有機化合物層と無機酸化物層とを順次形成し、有機化合物層が、少なくともフッ素系界面活性剤と2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂とからなり、2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂100重量部に対し、フッ素系界面活性剤が0.01重量部以上1重量部以下配合してなる本発明のガスバリアフィルムは、高い透明性を保持しつつ、高いガスバリア性を有している(実施例1〜4、比較例2〜4参照)。
また、ポリエステル基材の少なくとも一方の面上に、有機化合物層と無機酸化物層とを順次形成し、有機化合物層が、少なくともフッ素系樹脂と2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂とからなり、2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂100重量部に対し、フッ素系樹脂が5重量部以上500重量部以下配合してなる本発明のガスバリアフィルムも、高い透明性を保持しつつ、高いガスバリア性を有している(実施例5〜7、比較例2〜4参照)。
また、実施例1、5で水蒸気透過率が良好であったものが、比較例1では不良となった。これより、本発明の有機化合物層は、ウェット成膜法により形成されることが必要であるとわかる。
本発明のガスバリアフィルムの断面概略図。 本発明のガスバリアフィルムの断面概略図。
符号の説明
1 ガスバリアフィルム
ポリエステル基材
3 有機化合物層
4 無機酸化物層
5 オーバーコート層

Claims (7)

  1. ポリエステル基材の少なくとも一方の面上に、1層以上の有機化合物層と1層以上の無機酸化物層とを順次設けた透明ガスバリアフィルムにおいて、
    前記有機化合物層はウェット成膜法により形成されたものであり、
    前記有機化合物層が少なくともフッ素系界面活性剤と2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂とからなり、
    前記2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂100重量部に対し、前記フッ素系界面活性剤が0.01重量部以上1重量部以下配合してなり、
    前記ポリエステル基材の前記有機化合物層を設ける面に易接着処理が施されており、前記ポリエステル基材の前記有機化合物層を設ける面における、JIS B 0601−1994に基づく表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.005μm以上0.015μm以下であり、最大高さ(Ry)が0.02μm以下であることを特徴とするガスバリアフィルム。
  2. ポリエステル基材の少なくとも一方の面上に、1層以上の有機化合物層と1層以上の無機酸化物層とを順次設けた透明ガスバリアフィルムにおいて、
    前記有機化合物層はウェット成膜法により形成されたものであり、
    前記有機化合物層が少なくともフッ素系樹脂と2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂とからなり、
    前記2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂100重量部に対し、前記フッ素系樹脂が5重量部以上500重量部以下配合してなり、
    前記ポリエステル基材の前記有機化合物層を設ける面に易接着処理が施されており、前記ポリエステル基材の前記有機化合物層を設ける面における、JIS B 0601−1994に基づく表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.005μm以上0.015μm以下であり、最大高さ(Ry)が0.02μm以下であることを特徴とするガスバリアフィルム。
  3. 前記有機化合物層の膜厚が10nm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア性積層フィルム。
  4. 前記無機酸化物層の膜厚が10nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  5. 前記無機酸化物層が物理気相成長法あるいは化学気相成長法により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  6. 前記無機酸化物層の上層にR(M−OR)で表される少なくとも一種類以上の金属アルコキシドを含有するオーバーコート層を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
    (ただしR、Rは炭素数1〜8の有機基、Mは金属原子)
  7. 前記無機酸化物層の上層に少なくとも2官能以上の(メタ)アクリル基を有する樹脂を含有するオーバーコート層を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
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