JP5239196B2 - 低粘度フェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法 - Google Patents

低粘度フェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂中にフェノール類の骨格を一定以上含む低粘度フェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法に関する。
芳香族炭化水素とホルマリンとを酸触媒の存在下で反応させて得られる芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂は各種天然樹脂および合成樹脂に対する相溶性が優れているので、各種天然樹脂および合成樹脂に混合して用いられ、混合される主樹脂の粘接着性、耐湿性、電気特性の改質などに利用されている。更にその改質効果を上げる為にフェノール類で変性して用いることができる。
従来のフェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂は固体、または高粘度品が多く、該樹脂の操作性を改善する方法として、有機溶剤による希釈処理を施す方法が取られている。しかし、有機溶剤による希釈処理では装置の大型化が必要になるばかりでなく、環境問題の観点からも溶剤使用の規制が強化される傾向にあることなど問題点が存在し、有機溶剤による希釈処理が不要な低粘度のフェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂が望まれている。
低粘度のフェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂を得る方法としては、フェノール類過剰の反応系で反応を行う方法もあるが、樹脂中に未反応フェノール類が大量に残存し好ましくない。更に、未反応フェノール類除去後の樹脂は常温において半固体状であり、これは樹脂の操作性に問題があるといえる。
弱酸性触媒としてパラトルエンスルホン酸のアミン塩を用いて芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂を少量のフェノール類で変性することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、加熱減量改善のため蒸留操作により未反応フェノール類および未反応低沸分を留出除去した場合、蒸留操作中にも反応が進行し、粘度が上昇する。更に回収した未反応フェノール類および未反応低沸分を反応系に戻した場合、パラトルエンスルホン酸のアミン塩のアミン由来の成分が反応停止剤として働くため、循環型の製造サイクルが確立できないという問題点もある。
特開2003−119234公報
本発明は、従来の低粘度フェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂に見られる、上記の問題点を改善する低粘度の液状フェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題点を改善するべく鋭意検討した結果、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂を用い、かつ塩基性化合物及び/又は沸点300℃以上の第3級アミン化合物を添加して縮合反応を停止することにより、未反応フェノール類が少なく、低沸分除去後も粘度上昇が少なく、液状を保った低粘度のフェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)およびフェノール類(B)を酸性触媒存在下で縮合反応させて低粘度フェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(C)を得る製造方法であって、反応混合物の25℃における粘度が200〜1500mPa・Sの範囲の時点で無機塩基性化合物及び/又は沸点300℃以上の第3級アミン化合物を添加して縮合反応を停止させる工程、縮合反応停止後に、未反応フェノール類(B)および低沸分を留出除去する工程を含むことを特徴とする低粘度フェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法である。
本発明の製造方法により、未反応フェノール類が少なく、低沸分除去後も粘度上昇が少なく、液状を保った低粘度のフェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂が得られる。
本発明で得られる低粘度芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂は樹脂中にフェノール性水酸基を有し、粘度が低く、エポキシ樹脂、その硬化剤やウレタン樹脂との相溶性に優れ、エポキシ樹脂系重防食塗料の添加剤として優れた防食性や表面の平滑性を示す。
芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)は、通常、メタキシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素とホルマリンを酸触媒下の還流下で2〜8時間反応させる事により得られる。キシレンを用いたものをキシレンホルムアルデヒド樹脂と称し、メシチレンを用いたものをメシチレンホルムアルデヒド樹脂と称する。発明で使用する芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)の原料として使用される芳香族炭化水素としてはトルエン、キシレンの3異性体、メシチレン、プソイドキュメン、炭素数が10以上の単環芳香族炭化水素化合物ならびにナフタリン、メチルナフタリン等の多環芳香族炭化水素化合物などが挙げられる。なおこれらの2種以上の混合物も使用することができる。
本発明で使用する芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)の25℃における粘度範囲は30〜500mPa・Sが好ましく、さらに好ましくは50〜200mPa・Sである。このような比較的低粘度の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂は特開平10−168147号公報に記載される様に、メタノールなどのアルコール類を添加して芳香族炭化水素とホルムアルデヒドとを硫酸等の強酸触媒中で反応することにより合成できる。
芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)は、芳香核間にメチレン結合、ジメチレンエーテル結合、アセタール結合を有し、末端の芳香核にメチロール基、アセタール基、メトキシメチル基を有し、芳香核を1〜8個有する化合物(1〜8核体)を主成分とする。この芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)は水酸基、カルボキシル基等を有する化合物、たとえばフェノール類、脂肪族または芳香族カルボン酸のような第三成分と反応することが知られており、本発明においてはフェノール類(B)と反応させてフェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(C)を得るものである。
本発明で使用するフェノール類(B)としては、フェノール、クレゾール類、キシレノール類、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、カルダノール、テルペンフェノール等が挙げられるが、中でもフェノールが好ましい。フェノール類(B)は単独でもそれらの2種以上の混合物でもよい。
本発明で使用する酸性触媒としては、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸等が例示できる。好ましくはパラトルエンスルホン酸である。パラトルエンスルホン酸の添加量としては、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)がキシレンホルムアルデヒド樹脂またはメシチレンホルムアルデヒド樹脂であるときには、該芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)およびフェノール類(B)の合計量に対して、5〜50ppmが好ましく、10〜30ppmがより好ましい。5ppm未満では反応の進行が遅く、50ppmを超えると反応が局所的に進行し、ゲル化を引き起こすので好ましくない。芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)がトルエンホルムアルデヒド樹脂であるときには、パラトルエンスルホン酸の添加量としては、該トルエンホルムアルデヒド樹脂およびフェノール類(B)の合計量に対して、50〜500ppmが好ましく、100〜300ppmがより好ましい。50ppm未満では反応の進行が遅く、500ppmを超える量では反応の進行に変化が認められないことから過剰添加でありコスト的観点から好ましくない。
芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)とフェノール類(B)の仕込割合は重量比で95:5〜60:40が好ましく、さらに好ましくは90:10〜70:30である。フェノール類(B)の仕込み割合が多すぎると未反応フェノール類(B)の残存量が増加し蒸留操作の負担が大きくなる。またフェノール類(B)を少なくすると塗料用途において防食性能や密着力が低下し、フェノール変性の効果が小さくなり好ましくない。
反応温度、反応時間は用いるフェノール類(B)の種類、酸性触媒の種類、量によって異なるが、反応温度は120℃〜200℃程度であり、反応時間は1〜6時間程度が好ましい。フェノール類(B)としてフェノールを用いるときには、反応温度は160〜180℃程度であり、反応時間は1〜3時間程度が好ましい。
縮合反応を停止する時期の判断は、反応混合物の粘度または反応混合物中の未反応フェノール類含有率を測定することにより行うことができる。縮合反応を停止する時期の判断は反応混合物の粘度を測定し行うのが好ましい。縮合反応を停止する時点の反応混合物の25℃における粘度は200〜1500mPa・Sの範囲、好ましくは400〜1000mPa・Sの範囲である。1500mPa・Sを超えると蒸留後の得られる製品の粘度が高くなり、更には塗料用途においては平滑性が損なわれることになり好ましくない。200mPa・S未満だと、反応が不十分で好ましくない
反応停止工程において、反応停止剤として添加する塩基性化合物としては、無機塩基性化合物または第3級アミン化合物が好適に用いられる。無機塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を例示することができる。第3級アミン化合物としては、低沸点の第3級アミン化合物では蒸留操作において留出してしまうため、沸点300℃以上の第3級アミン化合物が用いられ、トリエタノールアミンが特に好ましい。
該無機塩基性化合物または第3級アミン化合物の添加量は用いる酸性触媒量に対して、1〜5倍モル量の範囲が好ましく、2〜3倍モル量の範囲がより好ましい。
添加方法として無機塩基性化合物は水またはアルコール溶液として添加するのが好ましい。第3級アミン類は直接添加が好ましい。
縮合反応を停止したときの未反応フェノール類(B)の含有率は、2〜5重量%が好ましい。
塩基性化合物を添加して縮合反応を停止し、縮合反応停止後に、未反応フェノール類(B)および低沸分を留出除去する工程を実施することにより、フェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(C)中の未反応フェノール類(B)の含有率を低下させることができる。未反応フェノール類(B)の含有率を0.5重量%以下とすることが好ましい。
未反応フェノール類(B)および低沸分を留出除去する方法として、約1.3〜4kPa(10〜30Torr)の真空下で留出除去するか、水蒸気蒸留により留出除去する方法が挙げられる。好ましい方法は、真空下で蒸留する方法である。回収した低沸分中には反応性官能基を有する物質が含まれ、回収した未反応フェノール類(B)および低沸分は反応原料の一部として再利用できる。これにより廃水処理の軽減および原単位の向上を図ることができる。
本発明によって得られた低粘度フェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(C)の粘度は、縮合反応を停止する時期の反応混合物の粘度を制御することにより、未反応フェノール類(B)および低沸分を蒸留、除去した後の製品の25℃における粘度を1500〜10000mPa・Sに制御することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお「%」は特別に記述しない限り「重量%」を示す。低粘度フェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の評価方法を示す。
(1)粘度
TV20型粘度計コーンプレートタイプを使い25℃での粘度を測定した。
(2)未反応フェノールの含有率
試料を2g採取し、アセトン20mlに溶解させ、内部標準試料として安息香酸メチルを0.1g添加して分析試料とした。ガスクロマトグラフ(GC)のカラム温度120℃で分析試料を0.5μmlとして内部標準法で測定した。
実施例1
温度計、リービッヒコンデンサー、攪拌機、窒素導入管を備えた2リットルセパラブルフラスコに、キシレンホルムアルデヒド樹脂(三菱ガス化学株式会社、ニカノール(NIKANOL(商品名)Y100)(25℃における粘度100mPa・S)850g、フェノール(和光純薬株式会社製、特級試薬)150gと、パラトルエンスルホン酸(和光純薬株式会社-特級試薬)の0.5%水溶液2.4ml(キシレンホルムアルデヒド樹脂およびフェノールの合計量に対して12ppm)を添加し、窒素気流下165℃で2時間反応した後、反応混合物の粘度(25℃)を測定したところ650mPa・Sであった。水酸化カリウムの0.5%水溶液1.4ml(触媒量に対して2倍モル量)を添加して反応を停止させた。縮合反応を停止したときの未反応フェノールの含有率は、4.8%であった。真空減圧下(2.7kPa)で180℃まで昇温して、未反応フェノールおよび低沸分を留出回収し、25℃における粘度が7400mPa・Sで、未反応フェノール含有率が0.3%のフェノール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂880gを得た。蒸留による回収留分は103gであった。
実施例2
温度計、リービッヒコンデンサー、攪拌機、窒素導入管を備えた2リットルセパラブルフラスコに、キシレンホルムアルデヒド樹脂(三菱ガス化学株式会社、ニカノール(NIKANOL(商品名)Y100)(25℃における粘度100mPa・S)850g、フェノール150g、実施例1で留出回収した未反応フェノールおよび低沸分の混合液100g、パラトルエンスルホン酸0.5%水溶液2.6ml(キシレンホルムアルデヒド樹脂およびフェノールの合計量に対して13ppm)を添加し窒素気流下165℃で2時間反応させた後、反応混合物の粘度(25℃)を測定したところ450mPa・Sであった。水酸化カリウム0.5%水溶液1.5ml(触媒量に対して2倍モル量)を添加して反応を停止させた。縮合反応を停止したときの未反応フェノールの含有率は、4.5%であった。真空減圧下(2.7kPa)で180℃まで昇温し、未反応フェノールおよび低沸分を留出回収し、25℃における粘度が3800mPa・Sで、未反応フェノール含有率が0.3%のフェノール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂890gを得た。蒸留による回収留分は107gであった。
実施例3
温度計、リービッヒコンデンサー、攪拌機、窒素導入管を備えた2リットルセパラブルフラスコに、キシレンホルムアルデヒド樹脂(三菱ガス化学株式会社、ニカノール(NIKANOL(商品名)Y100)(25℃における粘度100mPa・S)750g、フェノール250g、実施例2で留出回収した未反応フェノールおよび低沸分の混合液100g、パラトルエンスルホン酸0.5%水溶液6ml(キシレンホルムアルデヒド樹脂およびフェノールの合計量に対して30ppm)を添加し、窒素気流下165℃で1時間30分反応した後、反応混合物の粘度(25℃)を測定したところ750mPa・Sであった。水酸化ナトリウム0.5%水溶液3.5ml(触媒量に対して2倍モル量)を添加して反応を停止させた。縮合反応を停止したときの未反応フェノールの含有率は、4.9%であった。真空減圧下(2.7kPa)で180℃まで昇温し、未反応フェノールおよび低沸分を留出回収し、25℃における粘度が7800mPa・Sで、未反応フェノールの含有率が0.3%のフェノール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂880gを得た。蒸留による回収留分は108gであった。
実施例4
温度計、リービッヒコンデンサー、攪拌機、窒素導入管を備えた2リットルセパラブルフラスコに、メシチレンホルムアルデヒド樹脂(三菱ガス化学株式会社、ニカノール(NIKANOL(商品名)Y51)(25℃における粘度50mPa・S)850g、フェノール150gとパラトルエンスルホン酸0.5%水溶液2.4ml(メシチレンホルムアルデヒド樹脂およびフェノールの合計量に対して12ppm)を添加し、窒素気流下165℃で2時間反応させた後、反応混合物の粘度(25℃)を測定したところ550mPa・Sであった。水酸化カリウム0.5%水溶液1.4ml(触媒量に対して2倍モル量)を添加して反応を停止させた。縮合反応を停止したときの未反応フェノールの含有率は4.3%であった。真空減圧下(2.7kPa)で180℃まで昇温し、未反応フェノールおよび低沸分を留出回収し、25℃における粘度が3400mPa・Sで、未反応フェノールの含有率が0.3%のフェノール変性メシチレンホルムアルデヒド樹脂860gを得た。蒸留による回収留分は103gであった
実施例5
温度計、リービッヒコンデンサー、攪拌機、窒素導入管を備えた2リットルセパラブルフラスコに、トルエンホルムアルデヒド樹脂(エアプロダクト社、エポジール(登録商標))(25℃における粘度100mPa・S)800g、フェノール(和光純薬株式会社-特級試薬)200gとパラトルエンスルホン酸(和光純薬株式会社-特級試薬)5%水溶液2ml(トルエンホルムアルデヒド樹脂およびフェノールの合計量に対して100ppm)を添加し、窒素気流下165℃で3時間反応した後、反応混合物の粘度(25℃)を測定したところ1300mPa・Sであった。水酸化カリウム5%水溶液1.2ml(触媒量に対して2倍モル量)を添加して反応を停止させた。縮合反応を停止したときの未反応フェノールの含有率は2.1%であった。真空減圧下(2.7kPa)で180℃まで昇温し、未反応フェノールおよび低沸分を留出回収し、25℃における粘度が1600mPa・Sで、未反応フェノールの含有率が0.3%のフェノール変性トルエンホルムアルデヒド樹脂880gを得た。蒸留による回収留分は105gであった
比較例1
温度計、リービッヒコンデンサー、攪拌機、窒素導入管を備えた2リットルセパラブルフラスコに、キシレンホルムアルデヒド樹脂(三菱ガス化学株式会社、ニカノール(NIKANOL(商品名)Y100)(25℃における粘度100mPa・S)850g、フェノール150gとパラトルエンスルホン酸ピリジニウム塩5%水溶液2ml(キシレンホルムアルデヒド樹脂およびフェノールの合計量に対して0.01%)を添加し、窒素気流下165℃で2時間反応させた。反応終了時の粘度(25℃)を測定したところ660mPa・Sであった。真空減圧下(2.7kPa)で180℃まで昇温し、未反応フェノールおよび低沸分を留出回収し、25℃における粘度が14000mPa・Sで、未反応フェノールの含有率が0.3%のフェノール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂880gを得た。蒸留による回収留分は103gであった。
さらに、温度計、リービッヒコンデンサー、攪拌機、窒素導入管を備えた2リットルセパラブルフラスコに、キシレンホルムアルデヒド樹脂(三菱ガス化学株式会社、ニカノール(NIKANOL(商品名)Y100)(25℃における粘度100mPa・S)を850g、フェノール150g、上記で留出回収した未反応フェノールおよび低沸分の混合液100gとパラトルエンスルホン酸ピリジニウム塩5%水溶液2.2ml(キシレンホルムアルデヒド樹脂およびフェノールの合計量に対して0.01%)を添加し、窒素気流下165℃で2時間反応させた。この時の粘度(25℃)は110mPa・Sであった。未反応フェノールの含有率を測定したところ14%であり、反応が進行していなかった。
本発明の製造方法により、未反応フェノール類が少なく、低沸分除去後も粘度上昇が少なく、液状を保った低粘度のフェノール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂が得られる。また、本発明の製造方法で得られる低粘度芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂は、樹脂中にフェノール性水酸基を有し、粘度が低く、エポキシ樹脂、その硬化剤やウレタン樹脂との相溶性に優れ、エポキシ樹脂系重防食塗料の添加剤として優れた防食性や表面の平滑性を示す。

Claims (5)

  1. 芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)及びフェノール(B)を酸性触媒存在下で縮合反応させて低粘度フェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(C)を得る製造方法であって、反応混合物の25℃における粘度が200〜1500mPa・Sの範囲の時点で水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選ばれる一種以上である無機塩基性化合物を添加して縮合反応を停止させる工程および縮合反応停止後に未反応フェノール(B)および低沸分を留出除去する工程を含み、
    酸性触媒がパラトルエンスルホン酸であり、
    芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)がキシレンホルムアルデヒド樹脂またはメシチレンホルムアルデヒド樹脂で25℃における粘度が30〜500mPa・Sであり、
    芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)およびフェノール(B)の仕込割合重合比が芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A):フェノール(B)=95:5〜60:40であり、
    酸性触媒量が、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)およびフェノール(B)の合計量に対して5〜50ppmであって、
    低粘度フェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(C)中の未反応フェノール(B)の含有率が0.5重量%以下である
    低粘度フェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
  2. 芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)及びフェノール(B)を酸性触媒存在下で縮合反応させて低粘度フェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(C)を得る製造方法であって、反応混合物の25℃における粘度が200〜1500mPa・Sの範囲の時点で水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選ばれる一種以上である無機塩基性化合物を添加して縮合反応を停止させる工程および縮合反応停止後に未反応フェノール(B)および低沸分を留出除去する工程を含み、
    酸性触媒がパラトルエンスルホン酸であり、
    芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)がトルエンホルムアルデヒド樹脂で25℃における粘度が30〜500mPa・Sであり、
    芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A)およびフェノール(B)の重量配合比が
    芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(A):フェノール(B)=95:5〜60:40であり、
    酸性触媒量が、該トルエンホルムアルデヒド樹脂およびフェノール(B)の合計量に対して50〜500ppmであって、
    低粘度フェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(C)中の未反応フェノール(B)の含有率が0.5重量%以下である
    低粘度フェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
  3. 低粘度フェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂(C)の25℃における粘度が1500〜10000mPa・Sである請求項1または2に記載の低粘度フェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
  4. 縮合反応停止後に未反応フェノール(B)および低沸分を留出除去する工程において、回収した未反応フェノール(B)および低沸分を反応原料の一部として再使用する請求項1〜のいずれかに記載の低粘度フェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
  5. 反応温度120〜200℃で、1〜6時間縮合反応をさせる請求項1に記載の低粘度フェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
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