JP5236880B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
耐熱性絶縁層の厚みは、例えば1μm以上、15μm以下、もしくは、1μm以上、5μm以下である。
推定発熱速度は、(i)加速速度熱量計もしくは暴走反応測定装置(ARC)により、絶対温度Tと、正極合剤の発熱速度Vとの関係を求め、(ii)アレニウスの定理に基づいて、絶対温度Tの逆数(X座標)と、発熱速度Vの対数(Y座標)との関係をプロットし、(iii)T<200℃(473K)の発熱領域に存在するプロットに適合する近似直線を求め、(iv)得られた近似直線を、T=200℃(473K)の温度軸に外挿することにより求められる。
(i)一般式(1):Lia1Mb1MecO2
元素Mは、Al、Mn、Sn、In、Fe、Cu、Mg、Ti、Zn、ZrおよびMoよりなる群から選択される少なくとも1種であり、元素Meは、NiおよびCoよりなる群から選択される少なくとも1種であり、一般式(1)は、0.9<a1<1.2、0.02≦b1≦0.5、0.5≦c≦0.98、および0.95≦b1+c≦1.05を満たす。
元素Mは、Al、Mn、Sn、In、Fe、Cu、Mg、Ti、Zn、ZrおよびMoよりなる群から選択される少なくとも1種であり、一般式(2)は、0.9<a2<1.2、0.02≦b2≦0.5、0.1≦d≦0.5、0.1≦e≦0.5、および0.95≦b2+d+e≦1.05を満たす複合リチウム酸化物。一般式(2)は、0.15≦b2≦0.4、0.3≦d≦0.5および0.15≦e≦0.4を満たすことが特に好ましい。
第1に、一般式(1):Lia1 Mb1 MecO2で表される組成を有し、元素Mは、Al、Mn、Sn、In、Fe、Cu、Mg、Ti、Zn、ZrおよびMoよりなる群から選択される少なくとも1種であり、元素Meは、NiおよびCoよりなる群から選択される少なくとも1種であり、一般式(1)は、0.9<a1<1.2、0.02≦b1≦0.5、0.5≦c≦0.98、および0.95≦b1+c≦1.05を満たす複合リチウム酸化物を、推定発熱速度を50W/kg以下に抑制するのに有効な正極材料として挙げることができる。
c値が0.5未満では、一定以上の容量を確保することが困難であり、0.98を超えると、推定発熱速度を低下させる効果が得られない。
d値が0.1未満では、Niの添加効果(例えば理論容量を向上させる効果)が低く、0.5を超えると、電圧が低くなる上に、寿命特性も低下する。
e値が0.1未満では、Coの添加効果(例えば電圧を向上させる効果)が低く、0.5を超えると、正極の利用率が低下する。
耐熱性絶縁層は、例えば、無機酸化物フィラーおよび結着剤(樹脂成分)を含む場合と、耐熱性樹脂(樹脂成分)からなる場合があるが、特に限定されない。無機酸化物フィラーおよび結着剤を含む耐熱性絶縁層は、機械強度が比較的高いので、耐久性が高い。ここで、無機酸化物フィラーおよび結着剤を含む耐熱性絶縁層は、無機酸化物フィラーを主成分とする。例えば耐熱性絶縁層の80重量%以上、好ましくは90重量%以上が無機酸化物フィラーである。耐熱性樹脂からなる耐熱性絶縁層は、例えば20重量%を超える耐熱性樹脂を含む。
耐熱性樹脂からなる耐熱性絶縁層は、無機酸化物フィラーを主成分として含む耐熱性絶縁層に比べ、柔軟性が高い。これは無機酸化物フィラーよりも耐熱性樹脂の方が柔軟なためである。よって、耐熱性樹脂からなる耐熱性絶縁層は、充放電に伴う極板の膨張および収縮に追従しやすく、高い耐熱性を保持できる。よって、釘刺し安全性も高くなる。
耐熱性樹脂からなる耐熱性絶縁層は、例えば80重量%未満の無機酸化物フィラーを含むことができる。無機酸化物フィラーを含ませることにより、柔軟性と耐久性とのバランスに優れた耐熱性絶縁層が得られる。耐熱性樹脂は耐熱性絶縁層の柔軟性に寄与し、機械的強度の高い無機酸化物フィラーは耐久性に寄与する。耐熱性絶縁層に無機酸化物フィラーを含ませることにより、電池の高出力特性が向上する。詳細は不明であるが、これは、柔軟性と耐久性との相乗効果により、耐熱性絶縁層の空隙構造が適正化されるためと考えられる。良好な高出力特性を確保する観点から、耐熱性樹脂からなる耐熱性絶縁層は、25重量%〜75重量%の絶縁性フィラーを含むことが望ましい。
耐熱性絶縁層を構成する耐熱性樹脂の具体例としては、例えば、芳香族ポリアミド(アラミド)等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などを好ましく用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機酸化物フィラーおよび結着剤を含む耐熱性絶縁層は、負極の少なくとも一方の面に形成もしくは接着されていることが好ましく、負極の両面に形成もしくは接着されていることが更に好ましい。耐熱性樹脂からなる耐熱性絶縁層は、セパレータの少なくとも一方の面に形成もしくは接着されていることが好ましく、耐熱性絶縁層は比較的脆いため、セパレータの一方の面だけに形成もしくは接着されていることが更に好ましい。耐熱性樹脂からなる耐熱性絶縁層が、セパレータの一方の面だけに形成されている場合、セパレータの厚みAと、耐熱性絶縁層の厚みBとの比率:A/Bは、耐熱性絶縁層の破損を防ぐ観点から、例えば3≦A/B≦12、もしくは、4≦A/B≦6である。
短絡点近傍温度の測定
円筒形18650(直径18mm、高さ65mm)の非水電解質二次電池を10セル作製した。ここで、正極活物質には、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた。また、負極表面に、無機酸化物フィラーおよび樹脂成分からなる耐熱性絶縁層を形成した。これらのセルを用いて、釘刺し試験を行い、釘刺し直後の0.5秒間に、短絡点近傍の温度が何℃まで上昇するかを調べた。
(i)正極の作製
コバルト酸リチウム3kgと、結着剤としての呉羽化学(株)製のPVDF#1320(PVDFを12重量%含むN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液)1kgと、アセチレンブラック90gと、適量のNMPとを、双腕式練合機で攪拌し、正極合剤ペーストを調製した。このペーストを15μm厚のアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥後、圧延して、正極合剤層を形成した。この際、アルミニウム箔および正極合剤層からなる極板の厚みを160μmに制御した。得られた極板を、直径18mm、高さ65mmサイズの円筒形の電池ケースに挿入可能な幅と長さに裁断し、正極を得た。
人造黒鉛3kgと、日本ゼオン(株)製のBM−400B(スチレン−ブタジエン共重合体を40重量%含む水性分散液)75gと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)30gと、適量の水とを、双腕式練合機で攪拌し、負極合剤ペーストを調製した。このペーストを10μm厚の銅箔の両面に塗布し、乾燥後、圧延して、負極合剤層を形成した。この際、銅箔および負極合剤層からなる極板の厚みを180μmに制御した。得られた極板を、前記電池ケースに挿入可能な幅と長さに裁断し、負極を得た。
エチレンカーボネートと、メチルエチルカーボネートとを、体積比1:3で含む混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度で溶解し、非水電解質を調製した。
無機酸化物フィラーであるメディアン径0.3μmのアルミナを950gと、樹脂成分である日本ゼオン(株)製のBM−720H(アクリロニトリル単位を含むゴム性状高分子を8重量%含むNMP溶液)625gと、適量のNMPとを、双腕式練合機で攪拌し、耐熱性絶縁層の原料ペーストを調製した。
耐熱性絶縁層の原料ペーストを負極の両面に塗布し、塗膜を乾燥させて、各面に厚みが0.5μmの耐熱性絶縁層を形成した。
正極と、厚み0.5μmの耐熱性絶縁層を形成した負極とを、厚み20μmのポリエチレン樹脂の単層からなるセパレータを介して捲回して、極板群を構成した。この極板群を電池ケース内に挿入し、非水電解質を5.5g電池ケース内に注液し、ケースの開口部を封口した。こうして、円筒形の非水電解質二次電池(公称容量2000mAh)を完成させた。
まず、各電池(円筒形電池1〜10)に対し、以下の充電を行った。
定電流充電:1400mA(終止電圧4.25V)
定電圧充電:4.25V(終止電流100mA)
充電後の電池に対して、その側面から、2.7mm径の鉄製丸釘を、20℃環境下で、5mm/秒の速度で貫通させ、貫通後0.5秒間の短絡点近傍(すなわち釘刺し点近傍)の電池温度を観測した。
正極活物質の検討
耐熱性絶縁層と正極活物質の熱安定性が非常に重要な要件であることから、次に正極合剤の熱安定性の検討を行った。ここでは、表2に示す正極材料1〜3を含む正極合剤の200℃における推定発熱速度を測定した。
定電流充電:1400mA(終止電圧4.25V)
定電圧充電:4.25V(終止電流100mA)
ただし、電池電圧4.25Vのとき、金属Liに対する正極電位は4.35Vに相当する。
昇温ステップ:試料の自発的な発熱が検知されない領域において、段階的に強制的に上昇させる環境温度の温度幅(図2の「1」)である。
発熱検知感度:試料の自己発熱を検知する感度(図2の「2」)である。感度は材料に基づいて任意に設定される。検知時間(Δt)内における試料の自発的な発熱による温度上昇幅をΔTとした場合、感度はΔT/Δtで表される。
昇温後安定時間:所定の昇温ステップに基づいて、強制的に環境温度を昇温させた後、試料温度と炉内環境温度とが安定するまで放置する時間(図2の「3」)である。この時間は任意に設定される。
発熱認識温度幅:試料の自己発熱を認識する温度幅(図2の「4」)である。発熱認識温度幅が0.2℃で、発熱検知感度が0.04℃/分である場合、0.04℃/分以上の昇温が5分間(0.2/0.04)継続した場合に発熱有りと認識される。
《電池X1〜X18および電池Y1〜Y12》
表2に示した正極材料1〜3およびそれらを混合した以下の正極材料A〜Eを用いた。耐熱性絶縁層の接着面を表5記載のように設定した。さらに耐熱性絶縁層の乾燥後の接着面一つあたりの厚みを表5記載のように設定した。それ以外は、実験1と同様にして、円筒形18650の非水電解質二次電池を作製した。
正極材料B:正極材料1が80重量%、正極材料2が20重量%の混合物
正極材料C:正極材料1が70重量%、正極材料2が30重量%の混合物
正極材料D:正極材料1が60重量%、正極材料2が40重量%の混合物
正極材料E:正極材料1が50重量%、正極材料2が50重量%の混合物
実験2と同様の条件で、正極合剤の200℃における推定発熱速度を求めた。結果を表5に示す。
実験1と同様の条件で、電池の釘刺し試験を行い、短絡点から離れた電池表面の最高到達温度を調べた。電池X1〜X18および電池Y1〜Y12の電池は、それぞれ10個ずつ作製し、釘刺し試験は10個の電池で行った。各電池について、10個の電池のうち、80℃に達しなかった電池の最高到達温度の平均値と、80℃に達した電池の個数を求めた。10個すべてが80℃以上の最高到達温度を示したものについては、表5に「80℃以上」と示した。結果を表5に示す。
正極材料2:LiAl0.05Ni0.8Co0.15O2
正極材料3:LiCoO2
正極材料A:正極材料1/正極材料2=90/10(wt%)
正極材料B:正極材料1/正極材料2=80/20(wt%)
正極材料C:正極材料1/正極材料2=70/30(wt%)
正極材料D:正極材料1/正極材料2=60/40(wt%)
正極材料E:正極材料1/正極材料2=50/50(wt%)
電池Y5、Y6より、コバルト酸リチウムに比べて比較的熱安定性の高い正極活物質を用いたとしても、同時多発的な内部短絡が発生すると、耐熱性絶縁層が存在しない場合には、電池表面の最高到達温度を常に80℃未満に抑えられないことが理解できる。
表6−1に示した正極材料4〜13、および、正極材料1と3とを混合した以下の正極材料F〜Hを用いた。耐熱性絶縁層の接着面を表6−1記載のように設定した。耐熱性絶縁層の乾燥後の接着面一つあたりの厚みを表6−1記載のように設定した。それ以外は、実験1と同様にして、円筒形18650の非水電解質二次電池を作製した。
表6−2に示した正極材料4〜13、および、正極材料1と3とを混合した以下の正極材料F〜Hを用いた。耐熱性絶縁層の接着面を表6−2記載のように設定した。耐熱性絶縁層の乾燥後の厚みを表6−2記載のように設定した。ただし、電池X9と同様に、セパレータの片面だけに、特許文献2の実施例で開示されているアラミド樹脂と無機酸化物フィラーからなる厚み5μmの膜を耐熱性絶縁層として形成した。それ以外は、実験1と同様にして、円筒形18650の非水電解質二次電池を作製した。
正極材料4〜13には、表7記載の組成(LiMbNidCoeO2)の複合リチウム酸化物を用いた。
正極材料G:正極材料1が80重量%、正極材料3が20重量%の混合物
正極材料H:正極材料1が70重量%、正極材料3が30重量%の混合物
実験1と同様の条件で、電池の釘刺し試験を行い、電池表面の最高到達温度を調べた。電池X19A〜X30A、X19B〜X30Bおよび電池Y13A、Y13Bの電池は、それぞれ10個ずつ作製し、釘刺し試験は10個の電池で行った。各電池について、10個の電池表面の最高到達温度の平均値を求めた。その結果を表6−1および表6−2に示す。10個全ての電池の最高到達温度は、80℃未満であった。
電池X21Aと電池X22A〜X30Aとの対比、および、電池X21Bと電池X22B〜X30Bとの対比から、Al、Sn、In、Fe、Cu、Mg、Ti、ZnおよびMoには、推定発熱速度を低下させる効果があることが理解できる。なお、表7記載の複合リチウム酸化物のように、元素MとしてMnと他の元素M1とを併用する場合、Mnと元素M1とのモル比は、99:1〜50:50、さらには97:3〜90:10とすることが好ましい。
表8−1に示した正極材料14〜24(組成LiCo0.98M0.02O2の複合リチウム酸化物)を用いた。電池X9と同様に、アラミド樹脂と無機酸化物フィラーからなる耐熱性絶縁層を、セパレータ表面に、乾燥後の厚みが5μmになるように形成した。それ以外は、実験1と同様にして、円筒形18650の非水電解質二次電池を作製した。実験2と同様の条件で、正極合剤の200℃における推定発熱速度を求めた。各電池について、釘刺し試験を行い10個の電池表面の最高到達温度の平均値を求めた。結果を表8−1に示す。10個全ての電池の最高到達温度は、80℃未満であった。
表8−2に示した正極材料14〜24(組成LiCo0.98M0.02O2の複合リチウム酸化物)を用いた。電池X4と同様に、無機酸化物フィラーとBM−720Hを含む耐熱性絶縁層を、負極の両面に、乾燥後の厚みが5μmになるように形成した。それ以外は、実験1と同様にして、円筒形18650の非水電解質二次電池を作製した。実験2と同様の条件で、正極合剤の200℃における推定発熱速度を求めた。各電池について、釘刺し試験を行い10個の電池表面の最高到達温度の平均値を求めた。結果を表8−2に示す。10個全ての電池の最高到達温度は、80℃未満であった。
表9−1に示した正極材料25〜35を用いた。電池X9と同様に、アラミド樹脂と無機酸化物フィラーからなる耐熱性絶縁層を、セパレータ表面に、乾燥後の厚みが5μmになるように形成した。それ以外は、実験1と同様にして、円筒形18650の非水電解質二次電池を作製した。実験2と同様の条件で、正極合剤の200℃における推定発熱速度を求めた。各電池について、釘刺し試験を行い、10個の電池表面の最高到達温度の平均値を求めた。結果を表9−1に示す。10個全ての電池の最高到達温度は、80℃未満であった。
表9−2に示した正極材料25〜35を用いた。電池X4と同様に、無機酸化物フィラーとBM−720Hを含む耐熱性絶縁層を、負極の両面に、乾燥後の厚みが5μmになるように形成した。それ以外は、実験1と同様にして、円筒形18650の非水電解質二次電池を作製した。実験2と同様の条件で、正極合剤の200℃における推定発熱速度を求めた。各電池について、釘刺し試験を行い、10個の電池表面の最高到達温度の平均値を求めた。結果を表9−2に示す。10個全ての電池の最高到達温度は、80℃未満であった。
正極材料1と正極材料24とを混合した以下の正極材料36〜38を用いた。電池X9と同様に、アラミド樹脂と無機酸化物フィラーからなる耐熱性絶縁層を、セパレータ表面に、乾燥後の厚みが5μmになるように形成した。それ以外は、実験1と同様にして、円筒形18650の非水電解質二次電池を作製した。実験2と同様の条件で、正極合剤の200℃における推定発熱速度を求めた。各例について、釘刺し試験を行い、10個の電池表面の最高到達温度の平均値を求めた。結果を表10−1に示す。10個全ての電池の最高到達温度は、80℃未満であった。
正極材料1と正極材料24とを混合した以下の正極材料36〜38を用いた。電池X4と同様に、無機酸化物フィラーとBM−720Hを含む耐熱性絶縁層を、負極の両面に、乾燥後の厚みが5μmになるように形成した。それ以外は、実験1と同様にして、円筒形18650の非水電解質二次電池を作製した。実験2と同様の条件で、正極合剤の200℃における推定発熱速度を求めた。各電池について、釘刺し試験を行い、10個の電池表面の最高到達温度の平均値を求めた。結果を表10−2に示す。10個全ての電池の最高到達温度は、80℃未満であった。
正極材料37:正極材料1が50重量%、正極材料24が50重量%の混合物
正極材料38:正極材料1が90重量%、正極材料24が10重量%の混合物
耐熱性絶縁層の接着面を表11記載のように設定した。セパレータに耐熱性絶縁層を形成した場合には、表11記載のように耐熱性絶縁層を正極側または負極側だけに配置した。それ以外は、実験1と同様にして、円筒形18650の非水電解質二次電池を作製した。
アラミド樹脂の代わりにポリアミドイミド樹脂(熱分解開始温度400℃以上、非晶質、ガラス転移点250℃)を用いたこと以外、電池X9と同様に電池を作製した。
耐熱性絶縁層を負極側に配置したこと以外、電池X9と同様に電池を作製した。
耐熱性絶縁層を負極側に配置したこと以外、電池X58と同様に電池を作製した。
耐熱性絶縁層の原料ペーストを、フッ素樹脂シート上に塗布し、乾燥後、剥離して、正極からも負極からもセパレータからも独立した、厚み5μmの耐熱性絶縁層からなるシートを作製した。耐熱性絶縁層からなるシートを、正極とセパレータとの間に挿入したこと以外、電池Y6と同様に電池を作製した。
電池X62に準じて、電池X9と同様の組成のポリアミド樹脂を含む耐熱性絶縁層からなるシートを作製し、電池X62と同様に電池を作製した。
電池X62に準じて、電池X58と同様の組成のポリアミドイミド(PAI)樹脂を含む耐熱性絶縁層からなるシートを作製し、電池X62と同様に電池を作製した。
耐熱性絶縁層の無機酸化物フィラーとして、メディアン径0.3μmのアルミナの代わりに、メディアン径0.3μmのマグネシア(酸化マグネシウム)を用いたこと以外、電池X4と同様に電池を作製した。
耐熱性絶縁層の無機酸化物フィラーとして、メディアン径0.3μmのアルミナの代わりに、メディアン径0.3μmのマグネシア(酸化マグネシウム)を用いたこと以外、電池X56と同様に電池を作製した。
表11が示すように、耐熱性絶縁層がどのような材質であっても、釘刺し試験における安全性は向上した。これにより、耐熱性および絶縁性を有する材質であれば、同様の効果が得られることが確認できた。また、耐熱性絶縁層は、セパレータまたは負極の表面に形成した方が、効果が大きいことがわかった。さらに、アルミナの代わりにマグネシアを用いても、同様の結果が得られることがわかった。
Claims (11)
- (a)正極活物質を含む正極合剤およびこれを担持する正極集電体を含む正極、(b)リチウムを吸蔵および放出可能な材料を含む負極、
(c)前記正極と前記負極との間に介在するポリオレフィン樹脂を含むセパレータ、
(d)非水電解質、および
(e)前記正極と前記負極との間に介在する耐熱性絶縁層を具備する非水電解質二次電池であって、
前記正極と前記負極とが、これらの間に介在する前記セパレータおよび前記耐熱性絶縁層とともに捲回されており、
前記正極合剤の200℃における推定発熱速度は、50W/kg以下であり、
前記推定発熱速度は、
(i)加速速度熱量計もしくは暴走反応測定装置(ARC)により、絶対温度Tと、正極合剤の発熱速度Vとの関係を求め、
(ii)アレニウスの定理に基づいて、X座標である絶対温度Tの逆数と、Y座標である発熱速度Vの対数との関係をプロットし、
(iii)T<200℃(473K)の発熱領域に存在するプロットに適合する近似直線を求め、
(iv)得られた近似直線を、T=200℃(473K)の温度軸に外挿する、ことにより求められ、
前記正極活物質が、一般式(1):Lia1Mb1MecO2で表される複合リチウム酸化物、一般式(2):Lia2Mb2NidCoeO2で表される複合リチウム酸化物、前記一般式(1)で表される複合リチウム酸化物と前記一般式(2)で表される複合リチウム酸化物との混合物、または前記一般式(1)もしくは一般式(2)で表される複合リチウム酸化物とLiCoO 2 との混合物を含み、
前記一般式(1)および(2)において、
元素Mは、Al、Mn、Sn、In、Fe、Cu、Mg、Ti、Zn、ZrおよびMoよりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記一般式(1)において、
元素Meは、NiおよびCoよりなる群から選択される少なくとも1種であり、
0.9<a1<1.2、
0.02≦b1≦0.5、
0.5≦c≦0.98、および
0.95≦b1+c≦1.05であり
前記一般式(2)において、
0.9<a2<1.2、
0.02≦b2≦0.5、
0.1≦d≦0.5、
0.1≦e≦0.5、および
0.95≦b2+d+e≦1.05である、非水電解質二次電池。 - 前記耐熱性絶縁層の厚みが、1μm以上、15μm以下である、請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 前記耐熱性絶縁層の厚みが、1μm以上、5μm以下である、請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 前記一般式(2)が、0.15≦b≦0.4、0.3≦d≦0.5および0.15≦e≦0.4を満たす、請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 前記一般式(1)で表される複合リチウム酸化物において、元素Mは、前記複合リチウム酸化物の内部よりも表層部に多く分布する、請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 前記一般式(2)で表される複合リチウム酸化物において、元素Mは、前記複合リチウム酸化物の内部よりも表層部に多く分布する、請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 前記一般式(1)で表される複合リチウム酸化物は、一般式(3):X−Si−Y3で表されるSi化合物で処理されており、Xは、前記複合リチウム酸化物と反応する官能基を含み、Yは、C、H、O、FまたはSiを含む官能基を含む、請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 前記一般式(2)で表される複合リチウム酸化物は、一般式(3):X−Si−Y3で表されるSi化合物で処理されており、Xは、前記複合リチウム酸化物と反応する官能基を含み、Yは、C、H、O、FまたはSiを含む官能基を含む、請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 前記耐熱性絶縁層が、無機酸化物フィラーおよび結着剤を含む、請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 前記無機酸化物フィラーの含有量が、前記耐熱性絶縁層の90〜99重量%である、請求項9記載の非水電解質二次電池。
- 前記耐熱性絶縁層の厚みが、3〜15μmである、請求項9記載の非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006551665A JP5236880B2 (ja) | 2005-12-20 | 2006-06-23 | 非水電解質二次電池 |
Applications Claiming Priority (4)
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