JP5233652B2 - ハイブリッド車両の発進制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン、モータ、クラッチ、駆動輪の順に接続したハイブリッド駆動系を有するハイブリッド車両の発進制御装置に関する。
従来のハイブリッド車両の発進制御装置では、クラッチをアクセル開度に基づく目標駆動力に応じた伝達トルク容量としてスリップ制御し、エンジンとモータジェネレータの一方を用いて車両を発進させている。上記説明に関係する技術の一例は、特許文献1に記載されている。
特開2006−315488号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、クラッチの応答性を考慮していないため、ドライバのアクセル踏み込みに対しクラッチに応答遅れが発生するような条件下(例えば、極低温環境下)では、アクセル踏み込みに対しクラッチトルクが遅れ、かつ急激に立ち上がる。このため、ドライバの予期せぬ駆動力変動が発生し、ドライバに違和感を与えるという問題があった。
本発明の目的は、クラッチの応答遅れに起因する駆動力変動を抑制し、ドライバに与える違和感を低減できるハイブリッド車両の発進制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、エンジンを始動しての車両の発進時、目標駆動力に応じた目標モータ回転数よりもモータ回転数検出手段により検出された実際のモータ回転数が高い場合、車両の駆動力を制限する。
本発明では、実際のモータ回転数が目標モータ回転数よりも大きいとき、すなわち、アクセル踏み込みに対しクラッチの応答が遅れたとき、車両の駆動力を制限するため、クラッチの応答遅れに起因する駆動力変動を抑制し、ドライバに与える違和感を低減できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明する。
まず、ハイブリッド車両の駆動系構成を説明する。
図1は実施例1のエンジン始動制御装置が適用された後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。実施例1におけるハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータ(モータ)MGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RL(駆動輪)と、右後輪RR(駆動輪)と、を有する。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
エンジンEは、例えばガソリンエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等が制御される。なお、エンジン出力軸にはフライホイールFWが設けられている。
第1クラッチCL1は、エンジンEとモータジェネレータMGとの間に介装されたクラッチであり、後述する第1クラッチコントローラ5からの制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された制御油圧により作動し、スリップ締結を含み締結・開放が制御される。具体的には、第1クラッチCL1は非制御時において、板ばねの付勢力によって完全締結しているノーマルクローズ型の乾式クラッチである。第1クラッチCL1の開放指令が出力されると、伝達トルク容量指令に応じた油圧がピストンに供給されてストロークし、ストローク量に応じた伝達トルク容量に設定される。所定以上のストロークが行われると、クラッチプレート間の接触が絶たれて開放する。また、ピストンにはクラッチ開放時のフリクションロスを軽減するために、クラッチプレートの接触が絶たれた後もさらにピストンに付与する油圧を高めて余分に所定量ストロークさせる。
一方、第1クラッチCL1が開放された状態から締結するときは、ピストンに付与する油圧を徐々に低くする。すると、ピストンがストロークを開始し、所定量ストロークしたときにクラッチプレートが当接し始める(ガタ詰めに相当)。ちなみに、クラッチプレートが当接したか否かはエンジン回転数Neが上昇を開始したか否かで判断できる。それ以後は、ピストンに作用する油圧を低くするほど高い伝達トルク容量となる。なお、実施例1ではノーマルクローズ型の乾式クラッチとしたが、ノーマルオープン型でもよいし、湿式クラッチでも良いし、多板であっても単板であっても構わない。
モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この状態を「力行」と呼ぶ)、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータジェネレータMGのロータは、図外のダンパーを介して自動変速機ATの入力軸に連結されている。
第2クラッチCL2は、モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に介装されたクラッチであり、後述するATコントローラ7からの制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、スリップ締結を含み締結・開放が制御される。
自動変速機ATは、前進5速後退1速等の有段階の変速比を車速VSPやアクセル開度APO等に応じて自動的に切り換える変速機であり、第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、いくつかの摩擦締結要素を流用している。
そして、自動変速機ATの出力軸は、車両駆動軸としてのプロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。なお、前記第1クラッチCL1と第2クラッチCL2には、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチを用いている。
このハイブリッド駆動系には、第1クラッチCL1の締結・開放状態に応じて3つの走行モードを有する。
第1走行モードは、第1クラッチCL1の開放状態で、モータジェネレータMGの動力のみを動力源として走行するモータ使用走行モードとしての電気自動車走行モード(以下、「EV走行モード」と略称する。)である。
第2走行モードは、第1クラッチCL1の締結状態で、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用走行モード(以下、「HEV走行モード」と略称する。)である。
第3走行モードは、第1クラッチCL1の締結状態で第2クラッチCL2をスリップ制御させ、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用スリップ走行モード(以下、「WSC走行モード」と略称する。)である。このモードは、特にバッテリSOCが低いときやエンジン水温が低いときに、クリープ走行を達成可能なモードである。なお、EV走行モードからHEV走行モードに遷移するときは、第1クラッチCL1を締結し、モータジェネレータMGのトルクを用いてエンジン始動を行う。
上記「HEV走行モード」には、「エンジン走行モード」と「モータアシスト走行モード」と「走行発電モード」との3つの走行モードを有する。
「エンジン走行モード」は、エンジンEのみを動力源として駆動輪RL,RRを動かす。「モータアシスト走行モード」は、エンジンEとモータジェネレータMGの2つを動力源として駆動輪RL,RRを動かす。「走行発電モード」は、エンジンEを動力源として駆動輪RL,RRを動かすと同時に、モータジェネレータMGを発電機として機能させる。
定速運転時や加速運転時には、エンジンEの動力を利用してモータジェネレータMGを発電機として動作させる。また、減速運転時は、制動エネルギを回生してモータジェネレータMGにより発電し、バッテリ4の充電のために使用する。
また、さらなるモードとして、車両停止時には、エンジンEの動力を利用してモータジェネレータMGを発電機として動作させる発電モードを有する。
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、互いの情報交換が可能なCAN通信線11を介して接続されている。
エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報を入力し、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne:エンジン回転数,Te:エンジントルク)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。なお、エンジン回転数Ne等の情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
モータコントローラ2は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報を入力し、統合コントローラ10からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm:モータジェネレータ回転数,Tm:モータジェネレータトルク)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電状態を表すバッテリSOCを監視していて、バッテリSOC情報は、モータジェネレータMGの制御情報に用いると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
第1クラッチコントローラ5は、第1クラッチ油圧センサ14と第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報を入力し、統合コントローラ10からの第1クラッチ制御指令に応じ、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令を第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。なお、第1クラッチストロークC1Sの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と車速センサ17と第2クラッチ油圧センサ18と運転者の操作するシフトレバーの位置に応じた信号を出力するインヒビタスイッチからの各センサ情報を入力し、統合コントローラ10からの第2クラッチ制御指令に応じ、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブ内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する。なお、アクセル開度APOと車速VSPとインヒビタスイッチの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19とブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報を入力し、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(摩擦ブレーキによる制動力)で補うように、統合コントローラ10からの回生協調制御指令に基づいて回生協調ブレーキ制御を行う。
統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21と、第2クラッチ出力回転数N2outを検出する第2クラッチ出力回転数センサ22と、第2クラッチ伝達トルク容量TCL2(第2クラッチトルク)を検出する第2クラッチトルクセンサ23と、ブレーキ油圧センサ24と、第2クラッチCL2の温度を検出する第2クラッチ温度センサ10aと、前後加速度を検出するGセンサ10bと、モータジェネレータMGの温度を検出するモータ温度センサ10cと、バッテリ4の温度を検出するバッテリ温度センサ10dとからの各センサ情報と、CAN通信線11を介して得られた情報とを入力する。
また、統合コントローラ10は、エンジンコントローラ1への制御指令によるエンジンEの動作制御と、モータコントローラ2への制御指令によるモータジェネレータMGの動作制御と、第1クラッチコントローラ5への制御指令による第1クラッチCL1の締結・開放制御と、ATコントローラ7への制御指令による第2クラッチCL2の締結・開放制御と、を行う。
図2は、実施例1の統合コントローラ10の制御ブロック図であり、統合コントローラ10は、目標駆動力演算部100と、モード選択部200と、目標充放電演算部300と、動作点指令部(駆動力制限手段)400と、変速制御部500と、を有する。
目標駆動力演算部100では、図3に示す目標駆動力マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPとから、目標駆動力tFoOを演算する。
モード選択部200は、モードマップに基づいて目標モードを選択する。図5はモードマップを表す。モードマップ内には、EV走行モードと、WSC走行モードと、HEV走行モードとを有し、アクセル開度APOと車速VSPとから目標モードを演算する。但し、EV走行モードが選択されていたとしても、バッテリSOCが所定値以下であれば、強制的に「HEV走行モード」もしくは「WSC走行モード」を目標モードとする。
目標充放電演算部300では、図4に示す目標充放電量マップを用いて、バッテリSOCから目標充放電電力tPを演算する。また、目標充放電量マップには、EV走行モードを許可もしくは禁止するためのEVON線がSOC=50%に設定され、EVOFF線がSOC=35%に設定されている。
SOC≧50%のときは、図5のモードマップにおいてEV走行モード領域が出現する。モードマップ内に一度EV走行モード領域が出現すると、SOCが35%を下回るまでは、この領域は出現し続ける。
SOC<35%のときは、図5のモードマップにおいてEV走行モード領域が消滅する。モードマップ内からEV走行モード領域が消滅すると、SOCが50%に到達するまでは、この領域は消滅し続ける。
動作点指令部400では、アクセル開度APOと、目標駆動力tFoOと、目標モードと、車速VSPと、目標充放電電力tPとから、これらの動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標モータジェネレータトルクと目標第2クラッチ伝達トルク容量と自動変速機ATの目標変速段と第1クラッチCL1の伝達トルク容量指令である第1クラッチソレノイド電流指令を演算する。
変速制御部500では、シフトマップに示すシフトスケジュールに沿って、目標第2クラッチ伝達トルク容量と目標変速段を達成するように自動変速機AT内のソレノイドバルブを駆動制御する。なお、シフトマップは、車速VSPとアクセル開度APOに基づいてあらかじめ目標変速段が設定されたものである。
[WSC走行モードについて]
次に、WSC走行モードの詳細について説明する。
WSC走行モードとは、エンジンEが作動した状態を維持している点に特徴があり、目標駆動力変化に対する応答性が高い。具体的には、第1クラッチCL1を完全締結し、第2クラッチCL2を目標駆動力に応じた伝達トルク容量としてスリップ制御し、エンジンEとモータジェネレータMGの一方を用いて走行する。
実施例1のハイブリッド車両では、トルクコンバータのように回転数差を吸収する要素を持たないため、第1クラッチCL1と第2クラッチCL2を共に完全締結した場合、エンジンEの回転数に応じて車速が決まってしまう。エンジンEには自立回転を維持するためのアイドル回転数による下限値が存在し、このアイドル回転数は、エンジンの暖機運転等によりアイドルアップを行っていると、さらに下限値が高くなる。また、目標駆動力が高い状態では素早くHEV走行モードに遷移できない場合がある。
一方、EV走行モードでは、第1クラッチCL1を解放するため、上記エンジン回転数による下限値に伴う制限はない。しかしながら、バッテリSOCに基づく制限によってEV走行モードによる走行が困難な場合や、アクセル開度APOが大きく、モータジェネレータMGのみで目標駆動力を達成できない領域では、エンジンEによって安定したトルクを発生する以外に手段がない。
そこで、上記下限値に相当する車速よりも低車速領域であって、かつ、EV走行モードによる走行が困難な場合やモータジェネレータMGのみでは目標駆動力を達成できない領域では、エンジン回転数Neを所定の下限回転数に維持し、第2クラッチCL2をスリップ制御させ、エンジントルクTeを用いて走行するWSC走行モードを選択する。
図6はWSC走行モードにおけるエンジン動作点設定処理を表す概略図、図7はWSC走行モードにおけるエンジン目標回転数を表すマップである。
WSC走行モードにおいて、運転者がアクセルペダルを操作すると、図7に基づいてアクセルAPO開度に応じた目標エンジン回転数特性が選択され、この特性に沿って車速VSPに応じた目標エンジン回転数が設定される。そして、図6に示すエンジン動作点設定処理によって目標エンジン回転数に対応した目標エンジントルクが演算される。
ここで、エンジンEの動作点をエンジン回転数NeとエンジントルクTeにより規定される点と定義する。図6に示すように、エンジン動作点は、エンジンEの出力効率が高い動作点を結んだ線(以下、α線)上で運転することが望まれる。
しかし、上述のようにエンジン回転数Neを設定した場合、運転者のアクセルペダル操作量によってはα線から離れた動作点を選択することとなる。そこで、エンジン動作点をα線に近づけるために、目標エンジントルクは、α線を考慮した値にフィードフォワード制御される。
一方、モータジェネレータMGは、設定されたエンジン回転数を目標回転数とする回転数フィードバック制御が実行される。今、エンジンEとモータジェネレータMGは直結状態とされていることから、モータジェネレータMGが目標回転数を維持するように制御されることで、エンジンEの回転数も自動的にフィードバック制御されることとなる。
このとき、モータジェネレータMGが出力するトルクは、α線を考慮して決定された目標エンジントルクと目標駆動力との偏差を埋めるように自動的に制御される。モータジェネレータMGでは、上記偏差を埋めるように基礎的なトルク制御量(回生・力行)が与えられ、さらに、目標エンジン回転数と一致するようにフィードバック制御される。
あるエンジン回転数において、目標駆動力がα線上の駆動力よりも小さい場合、エンジン出力トルクを大きくした方がエンジン出力効率は上昇する。このとき、出力を上げた分のエネルギをモータジェネレータMGにより回収することで、第2クラッチCL2に入力されるトルク自体は運転者の要求トルクとしつつ、効率の良い発電が可能となる。
ただし、バッテリSOCの状態によって発電可能なトルク上限値が決定されるため、バッテリSOCからの要求発電出力(SOC要求発電電力)と、現在の動作点におけるトルクとα線上のトルクとの偏差(α線発電電力)との大小関係を考慮する必要がある。
図6(a)は、α線発電電力がSOC要求発電電力よりも大きい場合の概略図である。SOC要求発電電力以上にはエンジン出力トルクを上昇させることができないため、α線上に動作点を移動させることはできない。ただし、より効率の高い点へ移動させることで燃費効率を改善する。
図6(b)は、α線発電電力がSOC要求発電電力よりも小さい場合の概略図である。SOC要求発電電力の範囲内であれば、エンジン動作点をα線上に移動させることができるため、この場合は、最も燃費効率の高い動作点を維持しつつ発電することができる。
図6(c)は、エンジン動作点がα線よりも高い場合の概略図である。目標駆動力に応じた動作点がα線よりも高いときは、バッテリSOCに余裕があることを条件として、エンジントルクTeを低下させ、不足分をモータジェネレータMGの力行により補う。これにより、燃費効率を高くしつつ目標駆動力を達成することができる。
[WSC走行モードにおける発進時]
次に、WSC走行モードにおける発進時について説明する。
例えば、アクセル踏み込み待機からの発進時(いわゆるパワーオン発進時)のように、発進時のアクセル開度APOが高い場合、第2クラッチCL2をスリップさせながらエンジンEを始動して発進するWSC走行モードでの発進となる(以下、通常制御という。)。ところが、極低温環境下(例えば、気温-10℃以下)では、自動変速機ATの作動油の粘度が著しく高まることに起因して第2クラッチCL2の応答性が悪化し、第2クラッチCL2のフィードバック制御性が悪化する。
このため、実施例1では、極低温環境下の発進時には、上述した通常のWSC走行モードにおける発進制御(通常制御)のような第2クラッチCL2のスリップ制御(目標駆動力に応じた第2クラッチCL2のフィードバック制御)を禁止する。
このとき、モータジェネレータMGの目標モータ回転数と実モータ回転数との回転差から第2クラッチCL2の応答遅れを判定し、応答遅れが発生していると判定した場合、目標第2クラッチトルク(目標第2クラッチ伝達トルク容量)を制限する駆動力制限制御を行う。
また、実施例1では、上記駆動力制限制御時であって、モータジェネレータMGの出力制限下では、目標エンジントルクを、モータ回転数と実際のモータ回転数(実モータ回転数)との偏差に応じて補正するモータ回転数フィードバック制御を実行する。なお、極低温環境下であっても、第2クラッチCL2の応答遅れが発生していないと判定した場合には、通常制御を実行する。
図8は、上記モータ回転数フィードバック制御と駆動力制限制御を共に実現する動作点指令部400の制御ブロック図である。
比較器401は、実モータ回転数と目標モータ回転数との回転差をゲイン設定部402へ出力する。
ゲイン設定部402では、比較器401から出力された回転差に基づき、あらかじめ設定されたゲインマップを参照して目標エンジントルクの補正ゲインを設定し、乗算器403へ出力する。図9にゲインマップの一例を示す。図9に示すように、補正ゲインは、回転差がゼロ付近の場合には1とし、回転差が正の値の場合(実モータ回転数>目標モータ回転数)には回転差が大きいほど減少し、回転差が負の値の場合(実モータ回転数<目標モータ回転数)には回転差が大きいほど増加する特性とする。補正ゲインの下限値は、例えばゼロとし、補正ゲインの上限値は、例えば1.3程度としてもよい。
ここで、補正ゲインは、目標第2クラッチトルクの制限量、すなわちモータジェネレータMGのトルク制限量と、モータジェネレータMG(またはインバータ3)の温度と、バッテリ4の温度とに応じて変更する。
補正ゲインは、モータジェネレータMGの出力またはトルク制限量が大きいほど、図9の一点鎖線で示すように、回転差の変化に対するゲインの変化を大きくし、出力またはトルク制限量が小さいほど、図9の二点鎖線で示すように、回転差の変化に対するゲインの変化を小さくする。ここで、出力またはトルク制限量とは、モータジェネレータMGの目標出力または目標トルクがモータジェネレータMGの定格で決まる最大出力または最大トルクを超えるときの両者の差をいう。モータジェネレータMGの出力およびトルクは、定格を超えないように制御されるからである。なお、上下限値は出力またはトルク制限量にかかわらず一定とする。
また、補正ゲインは、モータジェネレータMG(またはインバータ3)の温度が高いほど、図9の一点鎖線で示すように、回転差の変化に対するゲインの変化を大きくし、モータジェネレータMGの温度が低いほど、図9の二点鎖線で示すように、回転差の変化に対するゲインの変化を小さくする。なお、上下限値はモータジェネレータMGの温度にかかわらず一定とする。
さらに、補正ゲインは、バッテリ4の温度が適正温度範囲から外れるほど、図9の一点鎖線で示すように、回転差の変化に対するゲインの変化を大きくし、バッテリ4の温度が適正温度範囲に近いほど、図9の二点鎖線で示すように、回転差の変化に対するゲインの変化を小さくする。ここで、適正温度範囲とは、バッテリ4がモータジェネレータMGの駆動に必要な電力を供給可能な温度範囲とする。なお、上下限値はバッテリ4の温度にかかわらず一定とする。
また、補正ゲインは、モータジェネレータMGの出力またはトルク制限量が大きいほど、モータジェネレータMGの温度が高いほど、またはバッテリ4の温度が適正温度範囲から外れるほど、ゲインが1となる不感帯をより狭くしている。
以上のように、補正ゲインは、モータジェネレータMGの出力またはトルク制限量が大きいほど、モータジェネレータMGの温度が高いほど、またはバッテリ4の温度が適正温度範囲から外れるほど、回転差が正の値の場合にはより小さくなり、回転差が負の値の場合にはより大きくなるように設定する。つまり、モータトルクの制限は、モータジェネレータMGの出力またはトルク制限量が大きいほど、モータジェネレータMG(またはインバータ3)の温度が高いほど、またはバッテリ4の温度が適正温度から外れるほど大きくなる。よって、上記のように補正ゲインを設定することで、モータトルクの制限量に応じたフィードバック量を設定でき、実モータ回転数を目標モータ回転数により近付けることができる。
図8に戻り、乗算器403は、目標エンジントルクとゲイン設定部402から出力された補正ゲインとを乗算し、補正後目標エンジントルクとしてエンジンモデル404へ出力する。
エンジンモデル404は、エンジンEの遅れ応答時間を考慮した伝達関数Gse(s)を備え、エンジンEに対し乗算器403から出力された補正後目標エンジントルクを目標値として与えたときの、エンジントルク推定値を出力する。エンジンモデル404は、演算したエンジントルク推定値を、加減算器407へ出力すると共に、最終的な補正後目標エンジントルクとしてエンジンコントローラ1へ出力する。
モータジェネレータモデル405は、モータジェネレータMGの遅れ応答時間を考慮した伝達関数Gsm(s)を備え、モータジェネレータMGの指令電流から予測したモータトルクを入力し、モータジェネレータMGの遅れを考慮したモータトルク推定値を加減算器407へ出力する。
クラッチモデル406は、第2クラッチCL2の遅れ応答時間を考慮した伝達関数Gsc(s)を備え、第2クラッチCL2に対し目標第2クラッチトルク(目標第2クラッチ伝達トルク容量)を目標値として与えたときの、クラッチトルク推定値を出力する。クラッチモデル406は、演算したクラッチトルク推定値を、加減算器407とトルク制限部409とへそれぞれ出力する。
加減算部407は、エンジンモデル404から出力されたエンジントルク推定値と、モータジェネレータモデル405から出力されたモータトルク推定値と、クラッチモデル406から出力されたクラッチトルク推定値とを入力し、エンジントルク推定値とモータトルク推定値との加算値から、クラッチトルク推定値を減算した値を、モータ出力軸トルク(エンジントルク+モータトルク)としてトルク−回転変換部408へ出力する。
トルク−回転変換部408は、加減算部407から出力されたモータ出力軸トルクを、回転数に変換し、モータ回転数として加算器401へ出力する。
実施例1では、エンジンモデル404、モータジェネレータモデル405、クラッチモデル406、加減算部407およびトルク−回転変換部408により、モータジェネレータMGの回転数を検出(推定)するモータ回転数検出手段を構成している。
トルク制限部409は、クラッチモデル406から出力されたクラッチトルク推定値と、クラッチ応答異常判定時トルク制限値とを入力し、クラッチ応答異常判定が不成立である場合、クラッチトルク推定値を補正後目標第2クラッチトルクとしてATコントローラ7へ出力し、クラッチ応答異常判定が成立している場合、クラッチ応答異常判定時トルク制限値を補正後目標第2クラッチトルクとしてATコントローラ7へ出力する。
ここで、クラッチ応答異常判定時トルク制限値は、クリープトルク相当値とする。さらに、アクセル開度APOに所定のゲインを乗算した値としてもよい。その他、第2クラッチトルクの変化率を制限する値、目標第2クラッチトルクに所定のゲイン(<1)を乗算した値、目標第2クラッチトルクのローパスフィルタ通過後の値等が考えられるが、これらに限定されるものではない。
また、クラッチ応答異常判定は、アクセル開度APOが所定のアクセル開度閾値以上であり、かつ、目標モータ回転数と実モータ回転数との回転差の絶対値が所定の回転差閾値以上である場合、クラッチ応答異常と判定する。この異常判定は、以下の3つの条件のいずれか1つが成立した場合に解除する。
1.アクセル開度APOがゼロとなったとき
2.自動変速機ATのレンジ位置がPレンジまたはNレンジに変化したとき
3.ドライバがブレーキを踏み込み、車両の制動力が駆動力以上となったとき
上記の条件は、いずれもドライバの発進意図が無くなったことを判断できるものであり、ドライバの発進意図が無くなった場合にクラッチ応答異常判定を解除することで、駆動力制限制御が解除でき、次にドライバが発進しようとした場合に、駆動力の制限なくドライバの加速意図に応じて車両を発進させることができる。
なお、アクセル開度閾値は、WSC走行モードにおいてエンジン始動が必要なアクセル開度APOとする。また、回転差閾値は、第2クラッチCL2のトルクの立ち上がりに遅れが生じていると判定できる値とする。
[駆動力制限制御実行判定処理]
図10は、駆動力制限制御実行判定処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。この制御処理は、車両の発進時に実行される。
ステップS1では、走行モードがWSC走行モードであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS2へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
ステップS2では、アクセル開度APOがアクセル開度閾値以上であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS3へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
ステップS3では、目標モータ回転数と実モータ回転数との回転差の絶対値が回転差閾値以上であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS4へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
ステップS4では、駆動力制限制御の条件が成立したため、クラッチ応答異常判定が成立していると判定し、クラッチ応答異常判定時トルク制限値によりクラッチトルクを制限し、リターンへ移行する。
[モータ回転数フィードバック制御実行判定処理]
図11は、モータ回転数フィードバック制御実行判定処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS11では、第2クラッチCL2のフィードバック制御中であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS16へ移行し、NOの場合にはステップS12へ移行する。ここで、第2クラッチCL2がフィードバック制御中でない場合とは、極低速環境下であることを示す。
ステップS12では、モータジェネレータMGの出力またはトルク制限量が閾値以上であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS15へ移行し、NOの場合にはステップS13へ移行する。ここでの閾値は、モータジェネレータMGまたはインバータ3の故障を判定可能な値とする。
ステップS13では、モータジェネレータMGの温度が閾値以上であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS15へ移行し、NOの場合にはステップS14へ移行する。ここでの閾値は、モータジェネレータMGの発熱を判定可能な値とする。
ステップS14では、バッテリ4の温度が閾値以下であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS15へ移行し、NOの場合にはステップS16へ移行する。ここでの閾値は、適正温度範囲の下限値とする。
ステップS15では、目標エンジントルクを実モータ回転数と目標モータ回転数との回転差に応じた補正ゲインにより補正するモータ回転数フィードバック制御を実行し、リターンへ移行する。
ステップS16では、通常のWSC制御を実施し、リターンへ移行する。
以上のように、モータ回転数フィードバック制御は、第2クラッチCL2のフィードバック制御を行っていない場合に実行する。第2クラッチトルクを目標第2クラッチトルクに近付けるフィードバック制御と、実モータ回転数を目標モータ回転数に近付けるフィードバック制御との干渉を回避するためである。
次に、作用を説明する。
図12は、極低温環境下におけるWSC走行モード発進時のタイムチャートである。
時点t0では、ドライバがブレーキを踏み込んで車両を停止させている。このとき、エンジン水温が低いため、走行モードはWSC走行モードを選択する。このとき、図11のフローチャートでは、ステップS11→ステップS16へと進む流れとなり、エンジン回転数を所定の下限回転数に維持し、モータジェネレータMGは目標エンジン回転数を維持するようにフィードバック制御する通常制御を実施する。なお、極低温環境下であるため、第2クラッチCL2のフィードバック制御は実施しない。
時点t1では、ドライバがブレーキペダルの踏み戻しを開始する。
時点t1から時点t2の区間では、ブレーキペダルの踏み戻しにより、ブレーキ踏力が減少する。ここで、通常のWSC走行モードでは、ブレーキ踏力の減少に応じたクリープトルクを模擬すべく、目標第2クラッチトルクをクリープトルク相当とするが、極低温環境下であるため、バッテリ4の温度が閾値以下となり、モータジェネレータMGの出力が制限される。このとき、図11のフローチャートでは、ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14→ステップS15へと進む流れとなり、通常制御から目標エンジントルクを実モータ回転数と目標モータ回転数との回転差に応じた補正ゲインにより補正するモータ回転数フィードバック制御へと切り替える。
ここで、WSCモードの発進時には、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2は共にスリップしているため、モータ回転数センサ21により検出された回転数と実モータ回転数とに乖離が生じる可能性がある。また、モータ回転数センサ21により検出されたモータ回転数、すなわち1制御周期前の値を用いてフィードバック制御を行う場合、制御に遅れが生じる。
これに対し、実施例1では、実モータ回転数を、推定エンジントルク、推定モータトルクおよび推定クラッチトルクとから推定することで、両クラッチCL1,CL2が共にスリップ状態である場合であっても、実モータ回転数をより精度良く求めることができる。また、推定エンジントルクおよび推定クラッチトルクは、目標エンジントルクおよび目標第2クラッチトルクから算出し、推定モータトルクはモータジェネレータMGへの指令電流から算出しているため、制御に遅れが生じるのを回避できる。
時点t2では、ブレーキ踏力がゼロとなり、時点t2から時点t3の区間では、自動変速機ATの出力軸トルク、すなわち、駆動力を徐々に増大させる。
時点t3では、ドライバがアクセルの踏み込みを開始する。
時点t4では、アクセル開度APOがアクセル開度閾値以上となり、目標モータ回転数と実モータ回転数との回転差の絶対値が回転差閾値以上となったため、図10のフローチャートでは、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進む流れとなり、クラッチ応答異常判定が成立していると判定し、クラッチ応答異常判定時トルク制限値によりクラッチトルクを制限する駆動力制限制御を開始する。
ここで、実施例1の駆動力制限制御を適用しない場合、アクセル開度APOに応じて目標第2クラッチトルクが立ち上がるのに対し、極低温環境下における第2クラッチCL2の応答遅れに起因して第2クラッチトルクが遅れて急激に立ち上がる。このとき、ドライバはすでに時点t5からアクセルペダルを一定踏みしているにもかかわらず、車両の駆動力が急激に増大する。つまり、予期せぬ駆動力変動によりドライバに違和感(車両の飛び出し感)を与える。
これに対し、実施例1の駆動力制限制御では、第2クラッチCL2に応答遅れが発生した場合、第2クラッチトルクを制限するため、第2クラッチCL2の応答遅れに起因して実第2クラッチトルクが急激に立ち上がるのを防止でき、ドライバに与える違和感を低減できる。このとき、第2クラッチトルクをクリープトルク相当に制限しているため、車両の飛び出し感を抑制できる。さらに、第2クラッチトルクをアクセル開度APOに応じて変化させているため、運転者の要求駆動力に応じてリニアに車両を発進させることができ、駆動力制限に伴う違和感を低減できる。
時点t6では、アクセル開度一定により目標回転数はほぼ一定であるのに対し、モータトルクの低下に伴い、実モータ回転数が上昇し始める。ここで、実施例1のモータ回転数フィードバック制御を適用しない場合、第1クラッチCL1の締結によりエンジンEとモータジェネレータMGは直結状態であるため、実モータ回転数の上昇に応じてエンジン回転が吹け上がってしまう。
これに対し、実施例1のモータ回転数フィードバック制御では、実モータ回転数と目標モータ回転数との回転差に応じた補正ゲインにより、目標エンジントルクを減少補正することにより、エンジントルクを減少させる。これにより、実モータ回転数の上昇を抑制してエンジン回転の吹け上がりを抑え、エンジン回転数を適正値に維持できる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の発進制御装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) エンジンEを始動してのWSC発進時、モータジェネレータMGの回転数を検出するモータ回転数検出手段(エンジンモデル404、モータジェネレータモデル405、クラッチモデル406、加減算部407およびトルク−回転変換部408)と、発進時、目標モータ回転数と実モータ回転数との回転差の絶対値が所定の回転差閾値以上である場合、クラッチ応答異常と判定し、目標第2クラッチトルクをクラッチ応答異常判定時トルク制限値に制限する動作点指令部400と、を備える。このため、第2クラッチCL2の応答遅れに起因して駆動力が急に立ち上がるのを防止でき、ドライバに与える違和感を低減できる。
(2) 動作点指令部400は、駆動力の制限量を、アクセル開度APOに応じて変化させるため、運転者の要求駆動力に応じてリニアに車両を発進させることができ、駆動力制限に伴う違和感を低減できる。
(他の実施例)
以上、本発明に係るハイブリッド車両の発進制御装置を、実施例に基づいて説明したが、上記構成に限られず本発明の範囲を逸脱しない範囲で他の構成を取り得る。例えば、FR型のハイブリッド車両について説明したが、FF型のハイブリッド車両であっても構わない。
実施例1の後輪駆動のハイブリッド車両を示す全体システム図である。 実施例1の統合コントローラ10の制御ブロック図である。 図2の目標駆動力演算部にて目標駆動力演算に用いられる目標駆動力マップの一例を示す図である。 図2の目標充放電演算部にて目標充放電電力の演算に用いられる目標充放電量マップの一例を示す図である。 図2のモード選択部にて目標モードの選択に用いられるモードマップを示す図である。 WSC走行モードにおけるエンジン動作点設定処理を表す概略図である。 WSC走行モードにおけるエンジン目標回転数を表すマップである。 実施例1のモータ回転数フィードバック制御と駆動力制限制御を共に実現する動作点指令部400の制御ブロック図である。 実施例1の回転差に応じた補正ゲイン設定マップである。 実施例1の駆動力制限制御実行判定処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のモータ回転数フィードバック制御実行判定処理の流れを示すフローチャートである。 極低温環境下におけるWSC走行モード発進時のタイムチャートである。
符号の説明
AT 自動変速機
CL1 第1クラッチ
E エンジン
MG モータジェネレータ
RL,RR 左右後輪(駆動輪)
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 クラッチコントローラ
6 クラッチ油圧ユニット
7 コントローラ
8 クラッチ油圧ユニット
9 ブレーキコントローラ
10a 第2クラッチ温度センサ
10b Gセンサ
10c モータ温度センサ
10d バッテリ温度センサ
11 CAN通信線
12 エンジン回転数センサ
13 レゾルバ
14 クラッチ油圧センサ
15 クラッチストロークセンサ
16 アクセル開度センサ
17 車速センサ
18 クラッチ油圧センサ
19 車輪速センサ
20 ブレーキストロークセンサ
21 モータ回転数センサ
22 クラッチ出力回転数センサ
23 クラッチトルクセンサ
24 ブレーキ油圧センサ
100 目標駆動力演算部
200 モード選択部
300 目標充放電演算部
400 動作点指令部(駆動力制限手段)
401 比較器
402 ゲイン設定部
403 乗算器
404 エンジンモデル
405 モータジェネレータモデル
406 クラッチモデル
407 加減算器
408 トルク−回転変換部
409 トルク制限部
500 変速制御部

Claims (2)

  1. エンジン、モータ、クラッチ、駆動輪の順に接続したハイブリッド駆動系を有し、前記エンジンを始動しての車両の発進時、前記クラッチを目標駆動力に応じてスリップ制御するハイブリッド車両の発進制御装置において、
    前記モータの実際の回転数を検出するモータ回転数検出手段と、
    前記発進時、目標駆動力に応じた目標モータ回転数よりも前記モータ回転数検出手段により検出された実際のモータ回転数が高い場合、前記クラッチの締結トルクを制限する駆動力制限制御を行う駆動力制限手段と、
    前記駆動力制限制御時、前記実際のモータ回転数と前記目標モータ回転数との回転差が大きいほど前記エンジンのトルクを減少補正するエンジントルク補正手段と、
    を備えることを特徴とするハイブリッド車両の発進制御装置。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両の発進制御装置において、
    前記駆動力制限手段は、前記駆動力の制限量を、アクセル開度に応じて変化させることを特徴とするハイブリッド車両の発進制御装置。
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