JP5232510B2 - 化学蓄熱材成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化学蓄熱材を成形した化学蓄熱材成形体の製造方法に関する。
従来、化学蓄熱材は、体積あたりの蓄熱量が大きく、保温の必要もなく、蓄熱損失が少ないため長期間の蓄熱が可能である。そのため、化学反応を利用する蓄熱に関する研究開発が鋭意進められてきた(特許文献1〜3)。
特許文献1に記載の発明は、化学蓄熱材及びその製造方法に関するものであり、炭酸カルシウムを焼成し、酸化カルシウム化した後に比表面積を調整する手段が記載されている。
また、特許文献2に記載の発明は、蓄熱装置に関するものであり、また、特許文献3に記載の発明は、化学蓄熱材カプセルに関するものである。これらの発明は、上述の粒子の粉体化に対処する発明である。そこには、細孔径を有する多孔カプセルあるいは多孔筒状体に蓄熱材を封入し、粉体化による剥離や反応性低下の
抑制について記載されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の化学蓄熱材は、化学蓄熱システムとしての作動中には水和反応と脱水反応を繰り返す。その時、粉体の化学蓄熱材は、各粒子が数十%の体積の膨張収縮を繰り返し、その結果、粒子の割れや、粒子同士が擦れ合うことにより微粉化してしまい、蓄熱システムとしての反応性が低下するという問題がある。
また、蓄熱システムでは、反応に伴い熱を系外へと導く熱交換を行うことも重要な要素となる。しかし、上記特許文献2、3に記載の蓄熱装置及び化学蓄熱材カプセルは、カプセルあるいは筒状体封入による熱伝導抵抗の増加や粒子間距離に依存した接触経路の複雑化など熱律束が発生する。そのため、化学蓄熱システムとしては十分な能力を発揮できないという問題がある。
また、化学蓄熱システムの効率を上げるために、化学蓄熱材の蓄熱・放熱に必要な水蒸気等の流路として中空部が設けられている成形体が求められている。しかしながら、このような中空部を有し、かつ、化学蓄熱システムとしては十分な能力を発揮することができる化学蓄熱材成形体を製造することは困難であった。
特開平1−225686号公報 特公平6−80395号公報 特公平8−80394号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、中空部を有し、水和・脱水反応に伴う粒子の粉体化を抑制すると共に、化学蓄熱システムとして十分に能力を発揮することが可能である化学蓄熱材成形体の製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、粉体の水酸化物からなる無機化合物の化学蓄熱材に少なくとも粘土鉱物と水とを混合してなる混合材料を所望の中空成形体に成形する成形工程と、
上記中空成形体に貫通形成された中空部に、多孔質の心材を挿入して該心材の外周面と上記中空部の内周面とを接触させた状態で上記中空成形体の乾燥を行う乾燥工程とを有し、
該乾燥工程は、乾燥後においても上記化学蓄熱材が水酸化物として存在する条件で行うことを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法にある(請求項1)。
上記化学蓄熱材成形体の製造方法は、上記混合材料からなる中空成形体に対して上記乾燥工程を行うことにより、中空部を有し、水和・脱水反応に伴う粒子の粉体化を抑制すると共に、化学蓄熱システムとして十分に能力を発揮することが可能である化学蓄熱材成形体を得ることができる。
上記混合材料は、化学蓄熱材、粘土鉱物、及び水からなる。そのため、得られる化学蓄熱材成形体は、上記粘土鉱物の繊維質、多孔性、可塑性等の性質により、いわば多孔質の粘土鉱物の骨格中に粉体の化学蓄熱材が分散担持され、化学蓄熱材間には隙間が形成されたものとなる。このような構成からなる化学蓄熱材成形体は、蓄熱・放熱の繰り返しによる化学蓄熱材の微粉化を抑制すると共に、化学蓄熱システムとして十分に能力を発揮することが可能である。
ここで、上記混合材料からなる中空成形体を乾燥する際には、混合材料中の水分が抜けることにより収縮が発生する。そして、上記中空成形体の外表面は表面積が大きいため乾燥はゆっくりと進む。一方、内表面(中空部の表面)は表面積が小さいため、水蒸気が一気に飛び乾燥は早く進む。そのため、外表面と内表面との収縮速度の差が大きく、変形(反り等)やクラックが発生するという問題があった。
そこで、本発明の化学蓄熱材成形体の製造方法では、上記混合材料からなる中空成形体に対して上述の特殊な乾燥工程を行い、上記内表面の乾燥を穏やかに進めることにより、変形及びクラックを発生させることなく、化学蓄熱材成形体を製造することができる。
すなわち、上記製造方法は、上記乾燥工程において、上記中空成形体の中空部に心材を挿入し、上記心材と上記中空部とが接触した状態にするものであるが、上記心材は多孔質であり吸湿性を有するため、上記中空成形体に含まれる水分が内表面から一気に蒸発することを防ぎつつ、上記水分を均質で緩やかに吸水していく。そのため、内表面の乾燥を穏やかに進めることができ、外表面と内表面の収縮速度の差を小さくすることができる。これにより、上記のような、変形やクラックを発生させることなく、乾燥を行うことができる。
さらに、上記心材は、内面部の乾燥を穏やかに進めるだけでなく、上記中空部と接触するように挿入されていることにより、成形工程後の形状を維持させることもできる。
このように、本発明によれば、中空部を有し、水和・脱水反応に伴う粒子の粉体化を抑制すると共に、化学蓄熱システムとして十分に能力を発揮することが可能である化学蓄熱材成形体の製造方法を提供することができる。
本発明の化学蓄熱材成形体の製造方法は、上述したように、粉体の化学蓄熱材に少なくとも粘土鉱物と水とを混合してなる混合材料を所望の中空成形体に成形する成形工程を有する。
上記混合材料を構成する上記化学蓄熱材、粘土鉱物、及び水の最適な配合割合は、製造環境によって変動するため、適宜、実験等により導き出すことができる。
また、上記中空成形体は、中空部が設けてあれば、中空円筒形状であっても、中空角柱形状であってもよい。
上記中空成形体の成形は、例えば、押し出し成形、圧縮成形等により行うことができる。
また、上記製造方法は、上記中空成形体に貫通形成された中空部に、多孔質の心材を挿入して該心材の外周面と上記中空部の内周面とを接触させた状態で上記中空成形体の乾燥を行う乾燥工程を有する。
この乾燥工程は、85℃程度の温度で、低温度条件下で時間をかけて行うことが好ましい。
また、後述するように、化学蓄熱材として水酸化物を用いる場合には、乾燥工程後も水酸化物として存在する。
なお、上記中空成形体は、上記乾燥工程後において脱水が完了し、収縮も完了するため、乾燥工程後に焼成を行ってもよい。この場合には、後述するように化学蓄熱材として水酸化物を用いる場合には、上記化学蓄熱材は、焼成後には酸化物となる。
また上記心材は、上記乾燥工程後に抜き取ることが好ましい。
また、得られる化学蓄熱材成形体は、熱交換可能に構成された金属容器に装填することで、化学蓄熱反応器を構成することができる。
また、上記製造方法において、上記心材は、焼成済みのセラミックス材料よりなることが好ましい(請求項2)。
焼成済みのセラミックス材料は、多孔質体であり、また、吸湿性も有しているため、上記心材として適している。
また、上記心材は、焼成済みのセピオライトよりなることが好ましい(請求項3)。
上記セピオライトは、繊維質であり、構造安定性と吸湿性が特に良好である。そのため、均質で緩やかに脱水を進行することができ、収縮の偏りが特に起きにくく、また、上記心材の構造強度が高く、特に、変形を抑制し、成形後の形状を良好に維持することができる。
上記セピオライトは、層リボン構造を有する粘土鉱物であり、具体的には、輝石に似た単鎖が複数本結合して四面体リボンを形成してなる粘土鉱物の一つである。セピオライトは、例えば、Mg8Si1230(OH)4(OH24・8H2Oの化学式で表すことができる含水マグネシウム珪酸塩がある。セピオライトは、それ自体が多孔質であり、比表面積が大きい繊維状を呈している。また、セピオライトとしては、上記化学式で表されるものの変種についても含まれる。
また、上記心材には貫通成形された心材中空部を有する中空形状を呈していることが好ましい(請求項4)。
上記心材の中心部に空間を形成した中空構造を用いることにより、この心材中空部を通して心材に吸収された水分を効率よく排出することができ、より均質な乾燥条件を提供することができる。
また、上記心材中空部に強制的にガスを流通させることがより好適であるが、ガスを強制的に流通させなくても自然対流によりガスの置換が行われるため、ほぼ同様の効果を得ることができる。
また、上記化学蓄熱材に混合させる上記粘土鉱物は、層リボン構造を有する粘土鉱物であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記粘土鉱物は、多孔質で比表面積が大きい層リボン構造の繊維状形状を有する。そのため、上記粘土鉱物の繊維質、多孔性、可塑性等の性質により、上記化学蓄熱材を良好に組織化、構造化させることができる。
そして、上記層リボン構造を有する粘土鉱物は、セピオライト及び/又はパリゴルスカイト(アタパルジャイト)であることが好ましい(請求項6)。
また、上記粘土鉱物は、上記化学蓄熱材の粒子径よりも小さい径の繊維状を呈していることが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記化学蓄熱材をそれよりも小さい径の繊維状の上記粘土鉱物によって取り囲むため、少量の該粘土鉱物を用いて上記化学蓄熱材の組織化、構造化を実現することが可能である。そのため、上記化学蓄熱材複合体は、上記化学蓄熱材間に隙間が形成させた多孔質構造体を少量の上記粘土鉱物で補強したものとなる。これにより、上記化学蓄熱材成形体における質量当たり、体積当たりの上記化学蓄熱材の充填密度を大きくすることができる。すなわち、蓄熱密度の大きい上記化学蓄熱材成形体となる。さらに、上記化学蓄熱材成形体は、粉体に比べ見かけの熱伝導率が大きいため、蓄熱効率、蓄熱した熱の利用効率が高いものとなる。
また、上記粘土鉱物は、ベントナイトであってもよい(請求項8)。
上記ベントナイトは、接着力が強い粘土鉱物であるため、この接着力によって、上記化学蓄熱材を良好に組織化、構造化させることができる。
また、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って吸熱すると共に水和反応に伴って放熱する水和反応系化学蓄熱材であることが好ましい(請求項9)。
また、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って酸化物となると共に水和反応に伴って水酸化物となる水和反応系化学蓄熱材であることが好ましい(請求項10)。
いずれの場合にも、上記化学蓄熱材成形体は、水和反応及び脱水(逆水和)反応によって放熱・蓄熱を良好に行うことができ、蓄熱システムとしての性能を高めることができる。なお、水和反応及び脱水反応に伴って上記化学蓄熱材の体積が膨張、収縮を繰り返すが、粘土鉱物を用いた構造における上記化学蓄熱材の組織化・構造化によって、上記化学蓄熱材の微粉化を十分に抑制することができる。
また、上記化学蓄熱材は、水酸化物からなることが好ましい
この場合には、上記化学蓄熱材と上記粘土鉱物を混合する際に、混合・増粘用のバインダとして、上記化学蓄熱材として炭酸化合物を用いた場合には使用することができなかった水の使用が可能となる。これにより、上記化学蓄熱材成形体の成形性を高めることができる。また、上記化学蓄熱材として炭酸化合物を用いた場合に必要であった脱炭酸工程時における1000℃付近の高温焼成が不要となる。これにより、焼成温度を低くすることができ、使用材料や工程の自由度を高めることができる。
また、上記水酸化物は、無機化合物であることが好ましい
この場合には、上記化学蓄熱材の蓄熱・放熱反応(脱水・水和反応)に対する材料安定性が高くなる。そのため、上記化学蓄熱材成形体は、長期間に亘って安定した蓄熱効果を得ることができる。
また、上記無機化合物は、アルカリ土類金属水酸化物であることが好ましい(請求項11)。
この場合には、上記化学蓄熱材の蓄熱・放熱反応(脱水・水和反応)に対する材料安定性が高くなる。そのため、上記化学蓄熱材成形体は、長期間に亘って安定した蓄熱効果を得ることができる。また、上記化学蓄熱材として、環境負荷の小さい安全な材料を用いることにより、製造、使用、リサイクル等を含めた安全性の確保が容易になる。
また、粘土鉱物としてセピオライトを用いる構成では、水酸化物のアルカリ性が粘土鉱物との反応によるガラス化を助けるため、多孔質構造体の強度向上に寄与する。
また、上記アルカリ土類金属水酸化物は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化バリウムのうち1種又は2種以上であることが好ましい(請求項12)。
この場合には、上記化学蓄熱材の蓄熱・放熱反応(脱水・水和反応)に対する材料安定性をより一層高めることができ、上記化学蓄熱材成形体の蓄熱効果を長期間に亘って安定して維持することができる。
また、水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムとの混合物等を用いることもできる。
また、上記無機化合物は、アルカリ土類金属水酸化物以外にも、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、及び水酸化銅のうち1種又は2種以上を用いることもできる(請求項13)。
(実施例1)
本例は、本発明の実施例にかかる化学蓄熱材成形体の製造方法について、図1〜図3を用いて説明する。
本例の製造方法は、図1に示すように、粉体の化学蓄熱材に少なくとも粘土鉱物と水とを混合してなる混合材料11を所望の中空成形体1に成形する成形工程と、図2に示すように、中空成形体1に貫通形成された中空部12に、多孔質の心材2を挿入して心材2の外周面21と中空部12の内周面13とを接触させた状態で中空成形体1の乾燥を行う乾燥工程とを有する。
以下、これを詳説する。
上記粉体の化学蓄熱材としては、アルカリ土類金属Caの水酸化物Ca(OH)2を用いる。この化学蓄熱材の平均粒径Dは10μm(レーザー回折式測定法、島津製作所製SALD−2000Aによる)である。
また、上記化学蓄熱材は、以下に示す反応で蓄熱・放熱を可逆的に繰り返す。
Ca(OH)2 ⇔ CaO + H2
さらに、上記の式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、以下のようになる。
Ca(OH)2 + Q → CaO + H2
CaO + H2O → Ca(OH)2 + Q
また、上記粘土鉱物としては、層リボン構造を有する粘土鉱物であるセピオライト(Mg8Si1230(OH)4(OH24・8H2O)を用いる。
上記セピオライトは、水に懸濁した場合の繊維径が化学蓄熱材の平均粒子径よりも小さい径の繊維状を呈する。
具体的には、上記セピオライトは、その線径(繊維径)が1μm以下、その長さ(繊維長)が200μm以下のものが望ましい。本例では、線径が略0.01μmで長さが略数十μmのトルコ産のセピオライトを準備する。
なお、トルコ産のセピオライトに代えて、例えば、線径が0.1μmで長さが略100μmのスペイン産のセピオライトを用いることもできる。
また、上記心材2としては、多孔質である、焼成済みのセピオライト(サイズ:φ14×70mm)を用いる。
まず、成形工程において、上記Ca(OH)2とセピオライトと、バインダとしての水とを、100:20:10の割合で混合し、撹拌して混合材料11を作製する。その後、上記混合材料11を押し出し成形し、貫通形成された中空部12を有する中空円筒形体1(外径20mm、内径14mm、長さ50mm)を形成する。
次に、上記乾燥工程において、上記中空成形体1の中空部12に、心材2の外周面21と中空部12の内周面13とが接触した状態となるように上記心材2を挿入する。その後、乾燥炉において、85℃、96時間の条件で中空成形体1の乾燥を行う。これにより、図3に示す化学蓄熱材成形体3を得る。
次に、化学蓄熱材成形体3の製造方法における作用効果について説明する。
上記化学蓄熱材成形体3は、粉体の化学蓄熱材(Ca(OH)2)に粘土鉱物(セピオライト)と水とを混合してなる混合材料11を乾燥させてなるものである。そのため、上記粘土鉱物の繊維質、多孔性、可塑性等の性質により、得られる化学蓄熱材成形体3は、多孔質の粘土鉱物の骨格中に粉体の化学蓄熱材が分散担持されたものとなる。これにより、化学蓄熱材間には隙間が形成され、蓄熱・放熱の繰り返しによる化学蓄熱材の微粉化を抑制すると共に、化学蓄熱システムとして十分に能力を発揮することが可能である。
また、上記製造方法は、上記乾燥工程において、上記中空成形体1の中空部12に心材2を挿入し、上記心材2と上記中空部12とが接触した状態にするものであるが、上記心材2は多孔質であり吸湿性を有するため、上記中空成形体1に含まれる水分が内周面13から一気に蒸発することを防ぎつつ、上記水分を均質で緩やかに吸水していく。そのため、内周面13の乾燥を穏やかに進めることができ、外周面と内周面13の収縮速度の差を小さくすることができる。これにより、変形やクラックを発生させることなく、乾燥を行うことができる。
さらに、上記心材2は、内周面13の乾燥を穏やかに進めるだけでなく、上記中空部12と接触するように挿入されていることにより、成形工程後の形状を維持させることもできる。
そのため、得られる化学蓄熱材成形体3には、変形及びクラックの発生は確認されない。
このように、本例によれば、中空部を有し、水和・脱水反応に伴う粒子の粉体化を抑制すると共に、化学蓄熱システムとして十分に能力を発揮することが可能である化学蓄熱材成形体3を製造できることが分かる。
熱交換可能に構成された金属容器に得られた化学蓄熱材成形体3を装填することで、化学蓄熱反応器を構成することができる。
なお、本例において、粘土鉱物として、セピオライトを用いるが、セピオライトに代えて、パリゴルスカイト、ベントナイト等を用いることも可能である。
また、本例では、化学蓄熱材として、水酸化カルシウムを用いるが、それに代えて、水酸化マグネシウム、あるいは水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムとの混合物等を用いることも可能である。
(実施例2)
本例は、図4に示すごとく、上記実施例1の心材2を、貫通成形された心材中空部41を有する中空形状を呈する心材4に変更した例である。そのほかは、実施例1と同様にして行う。
本例の心材4としては、多孔質である、焼成済みのセピオライト(サイズ:φ14×φ5×70mm)を用意する。
本例においても、上記実施例1と同様に変形及びクラックが発生することなく、蓄熱・放熱の繰り返しによる化学蓄熱材の微粉化を抑制すると共に、化学蓄熱システムとして十分に能力を発揮する化学蓄熱材成形体を得ることができる。
なお、本例では、貫通成形された心材中空部41を有する中空形状を呈している心材4を用いるため、より均質な乾燥条件を提供することができる。
(比較例1)
本例は、比較のために、上記実施例1の乾燥工程を、中空成形体に心材を挿入することなく乾燥を行う工程に変更して行った例である。その他は実施例1と同様にして行った。
本例により得られた化学蓄熱材成形体9は、図5に示すごとく、反りの変形と、クラック91が確認された。
つまり、上記混合材料からなる中空成形体を乾燥する際には、混合材料中の水分が抜けることにより収縮が発生するが、上記中空成形体の中空部に心材を挿入しないことにより、表面積が大きいた該表面と、表面積の小さい内表面(中空部の表面)との脱水の速度、つまり収縮速度の差が大きく、変形(反り等)やクラックが発生する。
実施例1における、(a)中空成形体を示す正面図、(b)中空成形体を示す断面図。 実施例1の乾燥工程における、(a)心材の挿入状態を示す正面、(b)心材の挿入状体を示す断面図。 実施例1における、(a)化学蓄熱材成形体を示す正面図、(b)化学蓄熱材成形体を示す断面図。 実施例2の乾燥工程における、(a)心材の挿入状態を示す正面、(b)心材の挿入状体を示す断面図。 比較例1における、化学蓄熱材成形体を示す説明図。
符号の説明
1 中空成形体
11 混合材料
12 中空部
2 心材

Claims (13)

  1. 粉体の水酸化物からなる無機化合物の化学蓄熱材に少なくとも粘土鉱物と水とを混合してなる混合材料を所望の中空成形体に成形する成形工程と、
    上記中空成形体に貫通形成された中空部に、多孔質の心材を挿入して該心材の外周面と上記中空部の内周面とを接触させた状態で上記中空成形体の乾燥を行う乾燥工程とを有し、
    該乾燥工程は、乾燥後においても上記化学蓄熱材が水酸化物として存在する条件で行うことを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
  2. 請求項1において、上記心材は、焼成済みのセラミックス材料よりなることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
  3. 請求項2において、上記心材は、焼成済みのセピオライトよりなることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記心材には貫通成形された心材中空部を有する中空形状を呈していることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記粘土鉱物は、層リボン構造を有する粘土鉱物であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、上記層リボン構造を有する粘土鉱物は、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトであることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、上記粘土鉱物は、上記化学蓄熱材の粒子径よりも小さい径の繊維状を呈していることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記粘土鉱物は、ベントナイトであることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って吸熱すると共に水和反応に伴って放熱する水和反応系化学蓄熱材であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って酸化物となると共に水和反応に伴って水酸化物となる水和反応系化学蓄熱材であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項において、上記無機化合物は、アルカリ土類金属水酸化物であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
  12. 請求項11において、上記アルカリ土類金属水酸化物は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化バリウムのうち1種又は2種以上であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項において、上記無機化合物は、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、及び水酸化銅のうち1種又は2種以上であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
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