JP5374683B2 - 化学蓄熱材成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、上記特許文献2に記載の発明は蓄熱装置に関するものであり、上記特許文献3に記載の発明は、化学蓄熱材カプセルに関するものである。これらの発明は、上述の化学蓄熱材の粉体化に対処する発明である。そこには、細孔径を有する多孔カプセルあるいは多孔筒状体に蓄熱材を封入し、粉体化による剥離や反応性低下の抑制について記載されている。
また、蓄熱システムでは、反応に伴い熱を系外へと導く熱交換を行うことも重要な要素となる。しかし、上記特許文献2、3に記載の蓄熱装置及び化学蓄熱材カプセルは、カプセルあるいは筒状体封入による熱伝導抵抗の増加や粒子間距離に依存した接触経路の複雑化など熱律束が発生する。そのため、化学蓄熱システムとしては十分な能力を発揮できないという問題がある。
上記骨格構造部は、粘土鉱物を焼成してなるセラミックスよりなることを特徴とする化学蓄熱材成形体にある(請求項1)。
このように、本発明によれば、水和・脱水反応に伴う化学蓄熱材の微粉化を抑制すると共に、化学蓄熱システムとして十分に能力を発揮することが可能な化学蓄熱材成形体を提供することができる。
所望の形状に整えたセラミックス原料を焼成することにより上記骨格構造部を得る骨格焼成工程と、
上記化学蓄熱材を含むスラリーである蓄熱材スラリーを上記骨格構造部の外表面及び細孔内部に配置する化学蓄熱材配置工程と、
上記骨格構造部に配置した上記蓄熱材スラリーを乾燥させる乾燥工程とを有し、
上記骨格焼成工程の前には、該骨格焼成工程の焼成によって焼失しうる繊維又は多孔質材料よりなる支持材に上記セラミックス原料を含むスラリーであるセラミックススラリーを担持させた状態で所望の形状に整形する整形工程を有し、上記骨格焼成工程では、上記支持材を焼失させることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法にある(請求項15)。
このように、本発明によれば、水和・脱水反応に伴う化学蓄熱材の微粉化を抑制すると共に、化学蓄熱システムとして十分に能力を発揮することが可能な化学蓄熱材成形体の製造方法を提供することができる。
多数の細孔を有する多孔質状の隔壁に囲まれた多数のセルを有するハニカム状基材を用い、該基材の上記隔壁の細孔にセラミックス原料を含浸させるセラミックス原料含浸工程と、
上記基材のセル内に上記化学蓄熱材を含むスラリーである蓄熱材スラリーを配置する化学蓄熱材配置工程と、
上記基材とこれに配置した上記セラミックス原料及び上記化学蓄熱材を一体的に焼成して、上記基材を焼失させると共に、上記セラミックス原料が焼成してなる骨格構造部とこれに担持された化学蓄熱材とからなる化学蓄熱材成形体を得る焼成工程とを有することを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法にある(請求項19)。
このように、本発明によれば、水和・脱水反応に伴う化学蓄熱材の微粉化を抑制すると共に、化学蓄熱システムとして十分に能力を発揮することが可能な化学蓄熱材成形体の製造方法を提供することができる。
上記骨格構造部は、化学蓄熱材と親和性があって、500℃程度で安定であることが好ましい。
そして、上記化学蓄熱材成形体の上記骨格構造部は、粘土鉱物を焼成してなるセラミックスよりなることが好ましい。
この場合には、上記粘土鉱物は、多孔質で比表面積が大きい繊維状形状を有する。そのため、上記粘土鉱物の繊維質、多孔性、可塑性等の性質により、骨格構造部中に、水蒸気等の流路となる、あるいは、化学蓄熱材が入りこんでいく細孔を良好に形成させることができる。
そして、上記層リボン構造を示す粘土鉱物は、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトであることが好ましい(請求項3、25)。
また、上記粘土鉱物は、ベントナイトであることも好ましい(請求項4、26)。
また、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って酸化物となると共に水和反応に伴って水酸化物となる水和反応系化学蓄熱材であることが好ましい(請求項6、28)。
いずれの場合にも、上記化学蓄熱材成形体は、水和反応及び脱水(逆水和)反応によって放熱・蓄熱を良好に行うことができ、蓄熱システムとしての性能を高めることができる。なお、水和反応及び脱水反応に伴って上記化学蓄熱材の体積が膨張、収縮を繰り返すが、上記化学蓄熱材は骨格構造部によって良好に担持されているため、上記化学蓄熱材の微粉化を十分に抑制することができる。
この場合には、後述するように上記化学蓄熱材及び上記粘土鉱物を混合して化学蓄熱材成形体を形成する際に、混合・増粘用のバインダとして、上記化学蓄熱材として炭酸化合物を用いた場合には使用することができなかった水の使用が可能となる。これにより、上記化学蓄熱材成形体の成形性を高めることができる。また、上記化学蓄熱材として炭酸化合物を用いた場合に必要であった脱炭酸工程時における1000℃付近の高温焼成が不要となる。これにより、焼成温度を低くすることができ、使用材料や工程の自由度を高めることができる。
蓄熱密度、長期蓄熱安定性、放出速度、安全性の観点から、無機系であることが好ましい。
この場合には、上記化学蓄熱材の蓄熱・放熱反応(脱水・水和反応)に対する材料安定性が高くなる。そのため、上記化学蓄熱材成形体は、長期間に亘って安定した蓄熱効果を得ることができる。
この場合には、上記化学蓄熱材の蓄熱・放熱反応(脱水・水和反応)に対する材料安定性が高くなる。そのため、上記化学蓄熱材成形体は、長期間に亘って安定した蓄熱効果を得ることができる。また、上記化学蓄熱材として、環境負荷の小さい安全な材料をもちいることにより、製造、使用、リサイクル等を含めた安全性の確保が容易になる。
この場合には、上記化学蓄熱材の蓄熱・放熱反応(脱水・水和反応)に対する材料安定性をより一層高めることができ、上記化学蓄熱材成形体の蓄熱効果を長期間に亘って安定して維持することができる。
また、水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムとの混合物等を用いることもできる。
この場合には、上記粘土鉱物の繊維質、多孔性、可塑性等の性質により、上記化学蓄熱材は、いわば多孔質の粘土鉱物中に分散保持された状態で、骨格構造部に担持されることになる。そのため、化学蓄熱材のみの場合と比較して、大幅に耐衝撃性を向上することができる。
また、上記化学蓄熱材と上記粘土鉱物とを含む上記複合材は、焼成されていることが好ましい(請求項13)。この場合には、化学蓄熱材の周囲の粘土鉱物が構造的に強固となり、より安定した化学蓄熱材成形体を得ることができる。
この場合には、上記中空部は、水蒸気が出入りする流路となるため、化学蓄熱材の反応性を確保することができ、蓄熱、放熱を良好に行うことができる。
セラミックス原料は、例えば、押出し成形や、圧縮成形、あるいは、後述するように支持材を用いた方法等により、所望の形に整えることができる。
また、上記骨格焼成工程は、900℃〜1100℃の温度域で焼成することが好ましい。
上記蓄熱材スラリーは、例えば、上記骨格構造部を蓄熱材スラリー中に浸漬する方法等により、上記骨格構造部の外表面及び細孔内部に配置することができる。
上記蓄熱材スラリーは、化学蓄熱材を含有していればよく、化学蓄熱材のみを含むスラリーでも、後述するように、粘土鉱物を含むスラリーでもよい。
上記乾燥工程は、80℃〜110℃の温度域で行うことが好ましい。
また、上記セラミックス原料、及び蓄熱材スラリーの配合や粘度の最適な値等は、製造環境等により変動するため、適宜実験により導き出すことが好ましい。
そして、上記支持材の形状は、蛇腹形状であってもよいし、フラット形状であってもよく、これらの支持材を積み重ねたり、立体裁断を行ったり、曲成する等して所望の形状を得ることができる。
また、上記支持材は、繊維を織り交ぜた布状材よりなることが好ましい(請求項16)。この布状材としては、例えば、レース等の比較的粗い織り目のものがより好ましい。
上記中空部は、水蒸気等の反応流体が出入りする流路となり、化学蓄熱材の蓄熱、放熱を良好に行うことができる。
また、上記心材は、金属部材を用いることが好ましいが、必ずしも金属である必要はなく、焼成後の粘土鉱物(セピオライト等)のセラミックス等を用いてもよい。
化学蓄熱材として水酸化物を用いた場合には、この場合に得られる化学蓄熱材成形体は、酸化物と粘土鉱物との複合体となる。
また、上記2次焼成工程における焼成温度は、350〜500℃であることが好ましい。
上記セラミックス原料含浸工程後の上記ハニカム状基材のセル内は空洞になっていることが好ましいため、上記セラミックス原料は、基材に染みこみ、基材の細孔中に留まり、また、表面張力で外表面に残る程度の、ある程度低い粘度であることが好ましい。
上記骨格構造部を構成するセラミックス原料は、粘土鉱物と水との混合物であることが好ましい(請求項23)。そして、上記セラミックス原料の配合や粘度の最適な値等は、製造環境等により変動するため、適宜実験により導き出すことが好ましい。
また、上記ハニカム状基材は、焼成前に構造を保つことができ、焼成工程において焼失する材料からなるものであれば、いずれのものも用いることができる。
上記蓄熱材スラリーは、上記ハニカム状基材のセル内に多く充填できるように、粘度の高いものを用いることが好ましい。
そして、粘土の高い蓄熱材スラリーを上記のセル中に押し込むように配置させることが好ましい。
また、上記蓄熱材スラリーの配合や粘度の最適な値等は、製造環境等により変動するため、適宜実験により導き出すことが好ましい。
上記焼成工程は、400℃〜500℃の温度域で焼成することが好ましい。
また、上記基材は、網目状に成形した樹脂メッシュよりなってもよい(請求項21)。
これら樹脂よりなる基材は、上記焼成工程において容易に焼失させることができ、基材として好適である。
この場合には、形成される中空部が、水蒸気が出入りする通路になり、化学蓄熱材の蓄熱、放熱を良好に行うことができる。
また、上記バルク部は、骨格を形成する際に、所望の位置に樹脂よりなる塊を形成すること等により設けることができる。
この場合には、上記粘土鉱物の繊維質、多孔性、可塑性等の性質により、上記化学蓄熱材は、いわば多孔質の粘土鉱物中に分散保持された状態で、骨格構造部に担持されることになる。そのため、化学蓄熱材のみの場合と比較して、大幅に耐衝撃性を向上することができる。
また、親和性の観点から、上記骨格構造部を構成するセラミック原料は、蓄熱材スラリーを構成する粘土鉱物と同一の粘土鉱物を用いることが好ましい。
この場合には、上記粘土鉱物は、多孔質で比表面積が大きい層リボン構造の繊維状形状を有する。そのため、上記粘土鉱物の繊維質、多孔性、可塑性等の性質により、上記化学蓄熱材を良好に組織化、構造化させることができる。
また、上記蓄熱材スラリーを構成する層リボン構造を示す粘土鉱物は、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトであることが好ましい(請求項36)。
この場合には、上記化学蓄熱材をそれよりも小さい径の繊維状の上記粘土鉱物によって取り囲むため、少量の該粘土鉱物を用いて上記化学蓄熱材の組織化、構造化を実現することが可能である。そのため、上記化学蓄熱材成形体は、上記化学蓄熱材間に隙間が形成させた多孔質構造体を少量の上記粘土鉱物で補強したものとなる。これにより、上記化学蓄熱材成形体における質量当たり、体積当たりの上記化学蓄熱材の充填密度を大きくすることができる。すなわち、蓄熱密度の大きい上記化学蓄熱材成形体となる。さらに、上記化学蓄熱材成形体は、粉体に比べ、見かけの熱伝導率が大きいため、蓄熱効率、蓄熱した熱の利用効率が高いものとなる。
上記ベントナイトは、接着力が強い粘土鉱物であるため、この接着力によって、上記化学蓄熱材を良好に組織化、構造化させることができる。
本例は、本発明の実施例にかかる化学蓄熱材成形体及びその製造方法について、図1〜図8を用いて説明する。
図8に示すように、本例の化学蓄熱材成形体1は、多数の細孔を有する多孔質のセラミックスよりなる骨格構造部2と、該骨格構造部2の外表面、又は該骨格構造部の外表面及び細孔内部に担持された化学蓄熱材3とを有する。
以下、これを詳説する。
上記セラミックス原料21を構成する粘土鉱物として、層リボン構造を有する粘土鉱物であるセピオライト(Mg8Si12O30(OH)4(OH2)4・8H2O)を用意した。
上記セピオライトは、水に懸濁した場合の繊維径が化学蓄熱材の平均粒子径よりも小さい径の繊維状を呈する。
具体的には、上記セピオライトは、その線径(繊維径)が1μm以下、その長さ(繊維長)が200μm以下のものが望ましい。本例では、線径が略0.01μmで長さが略数十μmのトルコ産のセピオライトを準備する。
なお、トルコ産のセピオライトに代えて、例えば、線径が0.1μmで長さが略100μmのスペイン産のセピオライトを用いることもできる。
上記蓄熱材スラリー31を構成する上記化学蓄熱材3として、アルカリ土類金属Caの水酸化物Ca(OH)2を用意した。この化学蓄熱材の平均粒径Dは10μm(レーザー回折式測定法、島津製作所製SALD−2000Aによる)である。
また、上記化学蓄熱材は、以下に示す反応で蓄熱・放熱を可逆的に繰り返す。
Ca(OH)2 ⇔ CaO + H2O
さらに、上記の式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、以下のようになる。
Ca(OH)2 + Q → CaO + H2O
CaO + H2O → Ca(OH)2 + Q
上記化学蓄熱材と粘土鉱物の配合割合は、9:1であった。
本例の製造方法は、所望の形状に整えたセラミックス原料を焼成することにより上記骨格構造部2を得る骨格焼成工程と、上記化学蓄熱材3を含むスラリーである蓄熱材スラリー31を上記骨格構造部2の外表面及び細孔内部に配置する化学蓄熱材配置工程と、上記骨格構造部2に配置した上記蓄熱材スラリー31を乾燥させる乾燥工程とを有する。
その後、図2に示すように、上記支持材4を上記セラミックス原料中21に浸漬し、上記支持材4にセラミックス原料21を十分に染込ませた。
続いて、図4に示すように、骨格焼成工程において、所望の形状に整えたセラミックス原料21を、炉6内において温度1000℃で焼成することにより、上記樹脂型5と上記支持材4を焼失させた。これにより、図5に示すように、粘土鉱物よりなり、貫通形成された中空部22を有する上記骨格構造部2を得た。
また、得られた化学蓄熱材成形体1は、熱交換可能に構成された金属容器に成形体を装填することで、化学蓄熱材反応器を構成することができる。
また、本例では、化学蓄熱材として、水酸化カルシウムを用いたが、それに代えて、水酸化マグネシウム、あるいは水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムとの混合物等を用いることも可能である。
本例は、本発明の実施例にかかる化学蓄熱材成形体及びその製造方法について、図9〜図13を用いて説明する。
図13に示すように、本例の化学蓄熱材成形体12は、多数の細孔を有する多孔質のセラミックスよりなる骨格構造部2と、該骨格構造部2の外表面、又は該骨格構造部の外表面に担持された化学蓄熱材3とを有する。
以下、これを詳説する。
上記セラミックス原料23を構成する粘土鉱物は、上記実施例1において、セラミック原料に用いたセピオライトと同一のセピオライトを用意した。
上記蓄熱材スラリー32を構成する上記化学蓄熱材3として、上記実施例1において、蓄熱材スラリーに用いたアルカリ土類金属Caの水酸化物Ca(OH)2と同一のCa(OH)2を用意した。
また、蓄熱材スラリー32を構成する上記粘土鉱物として、上記セラミック原料に用いるセピオライトと同一のセピオライトを用意した。
上記化学蓄熱材3と粘土鉱物の配合割合は、9:1であった。
本例の製造方法は、多数の細孔を有する多孔質状の隔壁に囲まれた多数のセルを有するハニカム状基材8を用い、該基材8の上記隔壁の細孔にセラミックス原料23を含浸させるセラミックス原料含浸工程と、上記基材8のセル内に上記化学蓄熱材3を含むスラリーである蓄熱材スラリー32を配置する化学蓄熱材配置工程と、上記基材8とこれに配置した上記セラミックス原料23及び上記化学蓄熱材32を一体的に焼成して、上記基材8を焼失させると共に、上記セラミックス原料23が焼成してなる骨格構造部2とこれに担持された化学蓄熱材3とからなる化学蓄熱材成形体12を得る焼成工程とを有する。
上記ハニカム状基材8は、樹脂メッシュを組み立ててなる。
その後、図11に示すように、化学蓄熱材配置工程において、上記基材8のセル内に、上記蓄熱材スラリー32を充填し、加圧成形することにより、上記基材8のセル内に上記化学蓄熱材3を含むスラリーである蓄熱材スラリー32を配置した。
また、上記化学蓄熱材成形体12は、上記骨格構造部2の外表面に化学蓄熱材3を担持し、上記骨格構造部2の細孔部分が空洞になっているため、上記細孔部分は、主に水蒸気等の流路となり、化学蓄熱材3の蓄熱、放熱を特に良好に行うことができ、化学蓄熱システムの効率を上げることができる。
2 骨格構造部
3 化学蓄熱材
Claims (38)
- 多数の細孔を有する多孔質のセラミックスよりなる骨格構造部と、該骨格構造部の外表面、又は該骨格構造部の外表面及び細孔内部に担持された化学蓄熱材とを有し、
上記骨格構造部は、粘土鉱物を焼成してなるセラミックスよりなることを特徴とする化学蓄熱材成形体。 - 請求項1において、上記粘土鉱物は、層リボン構造を有する粘土鉱物であることを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 請求項2において、上記層リボン構造を示す粘土鉱物は、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトであることを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 請求項1において、上記粘土鉱物は、ベントナイトであることを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って吸熱すると共に水和反応に伴って放熱する水和反応系化学蓄熱材であることを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って酸化物となると共に水和反応に伴って水酸化物となる水和反応系化学蓄熱材であることを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、水酸化物からなることを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 請求項7において、上記水酸化物は、無機化合物であることを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 請求項8において、上記無機化合物は、アルカリ土類金属水酸化物であることを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 請求項9において、上記アルカリ土類金属水酸化物は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化バリウムのうち1種又は2種以上であることを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 請求項8において、上記無機化合物は、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、及び水酸化銅のうち1種又は2種以上であることを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 請求項1〜11のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、少なくとも粘土鉱物と混合してなる複合材の状態で上記骨格構造部に担持されていることを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 請求項12において、上記化学蓄熱材と上記粘土鉱物とを含む上記複合材は、焼成されていることを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 請求項1〜13のいずれか1項において、上記化学蓄熱材成形体は、貫通形成された中空部を有することを特徴とする化学蓄熱材成形体。
- 多数の細孔を有する多孔質のセラミックスよりなる骨格構造部と、該骨格構造部の外表面及び細孔内部に担持された化学蓄熱材とを有する化学蓄熱材成形体を製造する方法であって、
所望の形状に整えたセラミックス原料を焼成することにより上記骨格構造部を得る骨格焼成工程と、
上記化学蓄熱材を含むスラリーである蓄熱材スラリーを上記骨格構造部の外表面及び細孔内部に配置する化学蓄熱材配置工程と、
上記骨格構造部に配置した上記蓄熱材スラリーを乾燥させる乾燥工程とを有し、
上記骨格焼成工程の前には、該骨格焼成工程の焼成によって焼失しうる繊維又は多孔質材料よりなる支持材に上記セラミックス原料を含むスラリーであるセラミックススラリーを担持させた状態で所望の形状に整形する整形工程を有し、上記骨格焼成工程では、上記支持材を焼失させることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。 - 請求項15において、上記支持材は、繊維を織り交ぜた布状材よりなることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項15又は16において、上記骨格構造部は貫通形成された中空部を有し、上記化学蓄熱材配置工程及び乾燥工程において上記中空部に心材を挿入しておき、上記乾燥工程の後に当該心材を除去することを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項15〜17のいずれか1項において、上記乾燥工程の後には、上記骨格構造部及びこれに担持させた上記化学蓄熱材を一体的に焼成する2次焼成工程を有することを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 多数の細孔を有する多孔質のセラミックスよりなる骨格構造部と、該骨格構造部の外表面に担持された化学蓄熱材とを有する化学蓄熱材成形体の製造方法であって、
多数の細孔を有する多孔質状の隔壁に囲まれた多数のセルを有するハニカム状基材を用い、該基材の上記隔壁の細孔にセラミックス原料を含浸させるセラミックス原料含浸工程と、
上記基材のセル内に上記化学蓄熱材を含むスラリーである蓄熱材スラリーを配置する化学蓄熱材配置工程と、
上記基材とこれに配置した上記セラミックス原料及び上記化学蓄熱材を一体的に焼成して、上記基材を焼失させると共に、上記セラミックス原料が焼成してなる骨格構造部とこれに担持された化学蓄熱材とからなる化学蓄熱材成形体を得る焼成工程とを有することを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。 - 請求項19において、上記基材は、多孔質の樹脂よりなることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項19において、上記基材は、網目状に成形した樹脂メッシュよりなることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項19〜21のいずれか1項において、上記基材は、上記焼成工程において焼失して中空部となるバルク部分を有することを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項15〜22のいずれか1項において、上記骨格構造部を構成するセラミックス原料は、粘土鉱物と水との混合物であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項23において、上記粘土鉱物は、層リボン構造を有する粘土鉱物であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項24において、上記層リボン構造を示す粘土鉱物は、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトであることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項23において、上記粘土鉱物は、ベントナイトであることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項15〜26のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って吸熱すると共に水和反応に伴って放熱する水和反応系化学蓄熱材であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項15〜27のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴って酸化物となると共に水和反応に伴って水酸化物となる水和反応系化学蓄熱材であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項15〜28のいずれか1項において、上記化学蓄熱材は、水酸化物からなることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項29において、上記水酸化物は、無機化合物であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項30において、上記無機化合物は、アルカリ土類金属水酸化物であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項31において、上記アルカリ土類金属水酸化物は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化バリウムのうち1種又は2種以上であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項30において、上記無機化合物は、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、及び水酸化銅のうち1種又は2種以上であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項15〜33のいずれか1項において、上記蓄熱材スラリーは、化学蓄熱材と粘土鉱物と水とを混練してなることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項34において、上記蓄熱材スラリーを構成する粘土鉱物は、層リボン構造を有する粘土鉱物であることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項35において、上記蓄熱材スラリーを構成する層リボン構造を示す粘土鉱物は、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトであることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項34〜36のいずれか1項において、上記蓄熱材スラリーを構成する粘土鉱物は、上記化学蓄熱材の粒子径よりも小さい径の繊維状を呈していることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
- 請求項34において、上記蓄熱材スラリーを構成する粘土鉱物は、ベントナイトであることを特徴とする化学蓄熱材成形体の製造方法。
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