JP2009256519A - 化学蓄熱材複合物及びその製造方法 - Google Patents
化学蓄熱材複合物及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009256519A JP2009256519A JP2008109386A JP2008109386A JP2009256519A JP 2009256519 A JP2009256519 A JP 2009256519A JP 2008109386 A JP2008109386 A JP 2008109386A JP 2008109386 A JP2008109386 A JP 2008109386A JP 2009256519 A JP2009256519 A JP 2009256519A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat storage
- storage material
- chemical heat
- chemical
- oxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
【課題】長期間安定に蓄熱及び放熱を繰り返し行うことができる化学蓄熱材複合物及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】混合工程と焼成工程とを行って得られる化学蓄熱材複合物及びその製造方法である。混合工程においては、脱水反応に伴って酸化物となり、水和反応に伴って水酸化物となる化学蓄熱材の酸化物からなる粉体の第1化学蓄熱材110と、酸化物以外の化学蓄熱材からなる粉体の第2化学蓄熱材111と、粘土鉱物12と、水とを混合することにより混合物Mを得る。焼成工程においては、混合物Mを焼成することにより化学蓄熱材複合物1を得る。
【選択図】図2
【解決手段】混合工程と焼成工程とを行って得られる化学蓄熱材複合物及びその製造方法である。混合工程においては、脱水反応に伴って酸化物となり、水和反応に伴って水酸化物となる化学蓄熱材の酸化物からなる粉体の第1化学蓄熱材110と、酸化物以外の化学蓄熱材からなる粉体の第2化学蓄熱材111と、粘土鉱物12と、水とを混合することにより混合物Mを得る。焼成工程においては、混合物Mを焼成することにより化学蓄熱材複合物1を得る。
【選択図】図2
Description
本発明は、化学蓄熱材を含む化学蓄熱材複合物及びその製造方法に関する。
従来から、化学蓄熱を利用する化学蓄熱材及びそれを用いた化学蓄熱システムが知られている。
例えば、特許文献1では、0.3〜4mmの範囲の結晶性の石灰石を850〜1100℃の範囲で所定時間加熱した後、500〜600℃の範囲で所定時間加熱することにより、多数の気孔を生成した生石灰を得る化学蓄熱材及びその製造方法が開示されている。
また、特許文献2では、多孔性カプセル内に粉体化学蓄熱材を収容した蓄熱装置が開示されている。また、特許文献3では、耐熱性多孔質体の筒状体内に粉体化学蓄熱材を充填してなる化学蓄熱カプセルが開示されている。
例えば、特許文献1では、0.3〜4mmの範囲の結晶性の石灰石を850〜1100℃の範囲で所定時間加熱した後、500〜600℃の範囲で所定時間加熱することにより、多数の気孔を生成した生石灰を得る化学蓄熱材及びその製造方法が開示されている。
また、特許文献2では、多孔性カプセル内に粉体化学蓄熱材を収容した蓄熱装置が開示されている。また、特許文献3では、耐熱性多孔質体の筒状体内に粉体化学蓄熱材を充填してなる化学蓄熱カプセルが開示されている。
しかしながら、特許文献1に示される気孔が形成された生石灰を粉体のまま化学蓄熱材として用いた場合、作動中における水和反応及び脱水反応の繰り返しにより、粉体の化学蓄熱材は、体積の膨張及び収縮を繰り返す。そのため、他の粉体と接触して擦れ合うことにより微粉化してしまい、蓄熱システムとしての反応性が低下するという問題があった。そのため、長期間安定して蓄熱及び放熱を繰り返し行うことができないという問題があった。
また、特許文献2及び特許文献3に示す蓄熱システムでは、粉体の微粉化を抑制することができるものの、カプセル封入又は筒状体封入による熱伝導抵抗の増加や伝熱経路の複雑化により、化学蓄熱材の発熱反応による熱を効率よく取り出すことができず、さらに蓄熱反応による熱を効率よく供給することができないという問題があった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、長期間安定に蓄熱及び放熱を繰り返し行うことができる化学蓄熱材複合物及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、脱水反応に伴って酸化物となり、水和反応に伴って水酸化物となる化学蓄熱材の酸化物からなる粉体の第1化学蓄熱材と、上記酸化物以外の化学蓄熱材からなる粉体の第2化学蓄熱材と、粘土鉱物と、水とを混合することにより混合物を得る混合工程と、
上記混合物を焼成することにより化学蓄熱材複合物を得る焼成工程とを有することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法にある(請求項1)。
上記混合物を焼成することにより化学蓄熱材複合物を得る焼成工程とを有することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法にある(請求項1)。
第2の発明は、上記第1の発明の製造方法によって得られることを特徴とする化学蓄熱材複合物にある(請求項17)。
上記第1の発明の上記混合工程においては、上記第1化学蓄熱材と上記第2化学蓄熱材とを用いている。これらのうち酸化物からなる上記第1化学蓄熱材は、上記混合工程において、水と反応して水和され、水酸化物状態の化学蓄熱材、即ち上記第1化学蓄熱材の水酸化物を生成すると共に、粒子崩壊が起こり、上記第1化学蓄熱材を微粒化させることができる。そして、微粒化された上記第1化学蓄熱材(水酸化物)と上記第2化学蓄熱材と上記粘土鉱物の粒子との上記混合物を得ることができる。
次に、上記焼成工程においては、上記混合物を焼成する。これにより、水酸化物状態の上記第1化学蓄熱材は酸化されて酸化物となると共に、いわば上記粘土鉱物の骨格中に粉体の上記第1化学蓄熱材(酸化物)及び上記第2化学蓄熱材が分散保持されて組織化・構造化された上記化学蓄熱材複合物を得ることができる。これにより、次のような種々の作用効果が期待できる。
即ち、上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材の粉体間には、上記粘土鉱物の存在によって隙間が形成される。よって、蓄熱・放熱の繰り返しによる上記化学蓄熱材の擦れ合い及びこれに伴う微粉化を抑制することができる。
また、上記隙間により、水蒸気等の蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の導入排出経路を充分に確保することができる。よって、蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の上記化学蓄熱材複合物内における移動(拡散)阻害を抑制することができる。
また、上記隙間により、水蒸気等の蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の導入排出経路を充分に確保することができる。よって、蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の上記化学蓄熱材複合物内における移動(拡散)阻害を抑制することができる。
また、上記化学蓄熱材複合物は、上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材を取り囲む上記粘土鉱物により、強度が高く、安定した構造を有する多孔質構造体となる。そのため、上記化学蓄熱材複合物は、蓄熱及び放熱を繰り返し行っても、微粉化が起こり難く、また、導入排出経路を充分に確保することができる。そのため、長期間安定に蓄熱及び放熱を繰り返し行うことができる。
特に、本発明では、上記混合工程において、上記第1化学蓄熱材として化学蓄熱材の酸化物を用い、上記第2化学蓄熱材として酸化物以外の化学蓄熱材を用い、上記粘土鉱物との混合時に水を用いてこれらの混合を行っている。そのため、焼成後に得られる上記化学蓄熱材複合物において、上記粘土鉱物が上記第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材を取り囲む構造を強固に安定化させることができる。この理由は次のように考えられる。
即ち、上記混合工程の上記混合物においては、上述のごとく水和反応により上記第1化学蓄熱材の水酸化物が生成し、該水酸化物のアルカリ溶液を形成することができる。このアルカリ溶液が上記粘土鉱物の少なくとも一部と反応し、反応による生成物が上記焼成工程後の上記化学蓄熱材複合物における上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材と上記粘土鉱物との間に接着作用を発現したためであると推察される。
このように、本発明に寄れば、長期間安定に蓄熱及び放熱を繰り返し行うことができる化学蓄熱材複合物及びその製造方法を提供することができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明においては、上記混合工程と上記焼成工程とを行うことにより、化学蓄熱材(第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材)と粘土鉱物とが上述のごとく組織化・構造化された上記化学蓄熱材複合物を製造する。
上記第1化学蓄熱材は、所謂水和反応系化学蓄熱材であり、可逆的に、脱水反応に伴って酸化物となり、水和反応に伴って水酸化物となる。
本発明においては、上記混合工程と上記焼成工程とを行うことにより、化学蓄熱材(第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材)と粘土鉱物とが上述のごとく組織化・構造化された上記化学蓄熱材複合物を製造する。
上記第1化学蓄熱材は、所謂水和反応系化学蓄熱材であり、可逆的に、脱水反応に伴って酸化物となり、水和反応に伴って水酸化物となる。
また、上記第2化学蓄熱材は、脱水反応に伴って酸化物となり、水和反応に伴って水酸化物となる化学蓄熱材の水酸化物からなることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記焼成工程において、上記第1化学蓄熱材と同様に上記第2化学蓄熱材も酸化され、酸化物状態の上記第1化学蓄熱材と上記第2化学蓄熱材とが形成される。
上記第1化学蓄熱材としては、後述のごとく例えば金属元素の酸化物を用いることができ、上記第2化学蓄熱材としては、例えば金属元素の水酸化物を用いることができる。また、上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材としては、同じ金属元素の酸化物及び水酸化物を用いることができ、互いに異なる金属元素の酸化物及び水酸化物を用いることもできる。上記第1化学蓄熱材は、上記混合工程において水酸化物状態になるため、上記第1化学蓄熱材と上記第2化学蓄熱材として同じ金属元素Xの酸化物(XO)及び水酸化物(XOH)を用いると、上記混合工程においては、第1化学蓄熱材と第2化学蓄熱材とから同じ水酸化物(XOH)が形成される。また、この場合には、上記焼成工程後には、上記第1化学蓄熱材と上記第2化学蓄熱材とから同じ化学蓄熱材の酸化物(XO)が形成される。上記のごとく、同じ金属元素を用いることにより、上記化学蓄熱材複合物の構造を安定化させ、長期間安定に蓄熱及び放熱を繰り返し行うことができる上記化学蓄熱材複合物を得ることができる。
この場合には、上記焼成工程において、上記第1化学蓄熱材と同様に上記第2化学蓄熱材も酸化され、酸化物状態の上記第1化学蓄熱材と上記第2化学蓄熱材とが形成される。
上記第1化学蓄熱材としては、後述のごとく例えば金属元素の酸化物を用いることができ、上記第2化学蓄熱材としては、例えば金属元素の水酸化物を用いることができる。また、上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材としては、同じ金属元素の酸化物及び水酸化物を用いることができ、互いに異なる金属元素の酸化物及び水酸化物を用いることもできる。上記第1化学蓄熱材は、上記混合工程において水酸化物状態になるため、上記第1化学蓄熱材と上記第2化学蓄熱材として同じ金属元素Xの酸化物(XO)及び水酸化物(XOH)を用いると、上記混合工程においては、第1化学蓄熱材と第2化学蓄熱材とから同じ水酸化物(XOH)が形成される。また、この場合には、上記焼成工程後には、上記第1化学蓄熱材と上記第2化学蓄熱材とから同じ化学蓄熱材の酸化物(XO)が形成される。上記のごとく、同じ金属元素を用いることにより、上記化学蓄熱材複合物の構造を安定化させ、長期間安定に蓄熱及び放熱を繰り返し行うことができる上記化学蓄熱材複合物を得ることができる。
上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材としては、脱水反応に伴って吸熱し、水和反応に伴って放熱する物質を採用することが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記化学蓄熱材複合物は、上記第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材の水和反応及び脱水(逆水和)反応によって蓄熱・放熱を良好に行うことができ、蓄熱システムとしての性能を高めることができる。なお、水和反応及び脱水反応に伴って上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材の体積が膨張及び収縮を繰り返すが、本発明の製造方法によって得られる上記化学蓄熱材複合物においては、上記第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材の組織化・構造化によってこれらの微粉化を充分に抑制することができる。
この場合には、上記化学蓄熱材複合物は、上記第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材の水和反応及び脱水(逆水和)反応によって蓄熱・放熱を良好に行うことができ、蓄熱システムとしての性能を高めることができる。なお、水和反応及び脱水反応に伴って上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材の体積が膨張及び収縮を繰り返すが、本発明の製造方法によって得られる上記化学蓄熱材複合物においては、上記第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材の組織化・構造化によってこれらの微粉化を充分に抑制することができる。
上記化学蓄熱材が例えばアルカリ土類金属の化合物(酸化物及び水酸化物)である場合には、放熱時の水和反応及び蓄熱時の脱水反応は、下記の式で表すことができる。ただし、Aはアルカリ土類金属元素を示し、Qは発熱量及び蓄熱量を示す。
AO+H2O→A(OH)2+Q(水和反応)
A(OH)2+Q→AO+H2O(脱水反応)
上記の反応式に示すごとく、放熱及び蓄熱時には、水(水蒸気)が化学蓄熱材との反応物及び反応生成物となり、放熱及び蓄熱が起こる。そして、上記の反応式で表される水和反応・脱水反応が可逆的に起こることにより、放熱及び蓄熱を繰り返し行うことができる。
AO+H2O→A(OH)2+Q(水和反応)
A(OH)2+Q→AO+H2O(脱水反応)
上記の反応式に示すごとく、放熱及び蓄熱時には、水(水蒸気)が化学蓄熱材との反応物及び反応生成物となり、放熱及び蓄熱が起こる。そして、上記の反応式で表される水和反応・脱水反応が可逆的に起こることにより、放熱及び蓄熱を繰り返し行うことができる。
上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材としては、無機化合物を採用することが好ましい(請求項4)。
この場合には、無機化合物の優れた安定性を生かして、水和・脱水反応等の蓄熱・放熱反応に対する材料安定性に優れた上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。該化学蓄熱材複合物は、より長期間安定に蓄熱・放熱を行うことができる。
この場合には、無機化合物の優れた安定性を生かして、水和・脱水反応等の蓄熱・放熱反応に対する材料安定性に優れた上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。該化学蓄熱材複合物は、より長期間安定に蓄熱・放熱を行うことができる。
上記混合工程において、上記第1化学蓄熱材としては、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化銅、及びアルカリ土類金属の酸化物から選ばれる1種以上の酸化物を採用することが好ましい(請求項5)。
また、上記第2化学蓄熱材としては、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、水酸化銅、及びアルカリ土類金属の水酸化物から選ばれる1種以上の水酸化物を採用することが好ましい(請求項7)。
これらの場合にも、これらの化合物の優れた安定性を生かして、水和・脱水反応等の蓄熱・放熱反応に対する材料安定性に優れた上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。該化学蓄熱材複合物は、より長期間安定に蓄熱・放熱を行うことができる。
より好ましくは、上記第1化学蓄熱材としてはアルカリ土類金属の酸化物がよく、上記第2化学蓄熱材としてはアルカリ土類金属の水酸化物がよい。これらの場合には、より長期間安定に蓄熱・放熱を行わせることができる。また、環境負荷の小さい安全なアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物を化学蓄熱材として用いることができるため、製造、使用、リサイクル等を含めた安全性の確保が容易になる。
また、上記第2化学蓄熱材としては、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、水酸化銅、及びアルカリ土類金属の水酸化物から選ばれる1種以上の水酸化物を採用することが好ましい(請求項7)。
これらの場合にも、これらの化合物の優れた安定性を生かして、水和・脱水反応等の蓄熱・放熱反応に対する材料安定性に優れた上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。該化学蓄熱材複合物は、より長期間安定に蓄熱・放熱を行うことができる。
より好ましくは、上記第1化学蓄熱材としてはアルカリ土類金属の酸化物がよく、上記第2化学蓄熱材としてはアルカリ土類金属の水酸化物がよい。これらの場合には、より長期間安定に蓄熱・放熱を行わせることができる。また、環境負荷の小さい安全なアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物を化学蓄熱材として用いることができるため、製造、使用、リサイクル等を含めた安全性の確保が容易になる。
また、上記混合工程において、上記第1化学蓄熱材としては、酸化カルシウム及び/又は酸化マグネシウムを採用することがさらにより好ましい(請求項6)。
また、上記第2化学蓄熱材としては、水酸化カルシウム及び/又は水酸化マグネシウムを採用することがさらにより好ましい(請求項8)。
これらの場合には、上記混合工程及び上記焼成工程後に、化学蓄熱材として酸化カルシウム及び/又は酸化マグネシウムを含有する上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。このような化学蓄熱材複合物は、比較的高い蓄熱密度を発揮できると共に、優れた安定性を示すことができる。なお、上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材としては、上述の他に、それぞれ酸化リチウム及び水酸化リチウム等を用いることもできる。
また、上記第2化学蓄熱材としては、水酸化カルシウム及び/又は水酸化マグネシウムを採用することがさらにより好ましい(請求項8)。
これらの場合には、上記混合工程及び上記焼成工程後に、化学蓄熱材として酸化カルシウム及び/又は酸化マグネシウムを含有する上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。このような化学蓄熱材複合物は、比較的高い蓄熱密度を発揮できると共に、優れた安定性を示すことができる。なお、上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材としては、上述の他に、それぞれ酸化リチウム及び水酸化リチウム等を用いることもできる。
上記粘土鉱物は、上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材の粒子径よりも小さい径の繊維状を呈していることが好ましい(請求項9)。
この場合には、上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材をそれよりも小さい径の繊維状の上記粘土鉱物によって取り囲むため、少量の該粘土鉱物を用いて上記第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材の組織化・構造化を実現することが可能になる。そのため、上記化学蓄熱材複合物は、化学蓄熱材間に隙間が形成された多孔質構造体を少量の上記粘土鉱物で補強したものとなる。これにより、上記化学蓄熱材複合物における質量当たり及び体積当たりの化学蓄熱材の占有率を大きくすることができる。すなわち、蓄熱容量の大きい上記化学蓄熱材複合物となる。さらに、上記化学蓄熱材複合物は、化学蓄熱材自体が主要構造を成しているため、伝熱経路が単純であり、蓄熱効率、蓄熱した熱の利用効率が高いものとなる。
この場合には、上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材をそれよりも小さい径の繊維状の上記粘土鉱物によって取り囲むため、少量の該粘土鉱物を用いて上記第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材の組織化・構造化を実現することが可能になる。そのため、上記化学蓄熱材複合物は、化学蓄熱材間に隙間が形成された多孔質構造体を少量の上記粘土鉱物で補強したものとなる。これにより、上記化学蓄熱材複合物における質量当たり及び体積当たりの化学蓄熱材の占有率を大きくすることができる。すなわち、蓄熱容量の大きい上記化学蓄熱材複合物となる。さらに、上記化学蓄熱材複合物は、化学蓄熱材自体が主要構造を成しているため、伝熱経路が単純であり、蓄熱効率、蓄熱した熱の利用効率が高いものとなる。
上記粘土鉱物は、多孔質であることが好ましい(請求項10)。
この場合には、上記第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材が多孔質の上記粘土鉱物により取り囲まれた上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。そのため、上記化学蓄熱材複合物の蓄熱・放熱時には、水蒸気等の反応物又は反応生成物が上記粘土鉱物の孔を通過することができ、水蒸気(熱媒)の移動が阻害されることがない。それ故、上記化学蓄熱材複合物における化学蓄熱材の反応性を向上させることができる。また、この場合には、蓄熱反応停止時に、上記化学蓄熱材複合物内に存在する余剰の水蒸気を多孔質の上記粘土鉱物が吸着することができる。そのため、反応停止時の低温状態等に、液体の水が発生すること(液水化)を防止することができる。その結果、液体状の水と化学蓄熱材との反応によるシンタリングを抑制することができる。
この場合には、上記第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材が多孔質の上記粘土鉱物により取り囲まれた上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。そのため、上記化学蓄熱材複合物の蓄熱・放熱時には、水蒸気等の反応物又は反応生成物が上記粘土鉱物の孔を通過することができ、水蒸気(熱媒)の移動が阻害されることがない。それ故、上記化学蓄熱材複合物における化学蓄熱材の反応性を向上させることができる。また、この場合には、蓄熱反応停止時に、上記化学蓄熱材複合物内に存在する余剰の水蒸気を多孔質の上記粘土鉱物が吸着することができる。そのため、反応停止時の低温状態等に、液体の水が発生すること(液水化)を防止することができる。その結果、液体状の水と化学蓄熱材との反応によるシンタリングを抑制することができる。
上記粘土鉱物としては、層リボン構造を有する粘土鉱物を採用することが好ましい(請求項11)。
この場合には、上記粘土鉱物は、多孔質で比表面積が大きい繊維状形態を有する。そのため、上記粘土鉱物の繊維質、多孔性、可塑性等の性質により、上記化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
上記層リボン構造を有する上記粘土鉱物としては、例えば、セピオライト、パリゴルスカイトを用いることができる(請求項12)。
これらの場合には、上記粘土鉱物は、多孔質で比表面積が大きい繊維状形態を有する。そのため、上記粘土鉱物が有する繊維質、多孔性、及び可塑性等という性質により、上記化学蓄熱材複合物中で化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
この場合には、上記粘土鉱物は、多孔質で比表面積が大きい繊維状形態を有する。そのため、上記粘土鉱物の繊維質、多孔性、可塑性等の性質により、上記化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
上記層リボン構造を有する上記粘土鉱物としては、例えば、セピオライト、パリゴルスカイトを用いることができる(請求項12)。
これらの場合には、上記粘土鉱物は、多孔質で比表面積が大きい繊維状形態を有する。そのため、上記粘土鉱物が有する繊維質、多孔性、及び可塑性等という性質により、上記化学蓄熱材複合物中で化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
また、上記粘土鉱物としては、上記の層リボン構造を有するもの以外に、ベントナイトを採用することもできる(請求項13)。
この場合には、上記粘土鉱物の接着力が強くなるため、化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
この場合には、上記粘土鉱物の接着力が強くなるため、化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
上記混合工程においては、上記第1化学蓄熱材と上記第2化学蓄熱材との合計を100質量%としたとき、上記第1化学蓄熱材0.5質量%〜50質量%と上記第2化学蓄熱材50質量%〜99.5質量%とを混合することが好ましい(請求項14)。
上記第1化学蓄熱材が0.5質量%未満の場合又は上記第2化学蓄熱材が99.5質量%を越える場合には、上記第1化学蓄熱材を添加することによる、上述の微粒化及び接着効果を十分に発揮できなくなり、上記化学蓄熱材複合物の蓄熱及び放熱の安定性が低下するおそれがある。一方、上記第1化学蓄熱材が50質量%を越える場合又は上記第2化学蓄熱材が50質量%未満の場合には、上記化学蓄熱材複合物の構造の安定性が低下し、蓄熱及び放熱の安定性が低下するおそれがある。より好ましくは、上記第1化学蓄熱材は25質量%以下、上記第2化学蓄熱材は75%以上であることがよい。
上記第1化学蓄熱材が0.5質量%未満の場合又は上記第2化学蓄熱材が99.5質量%を越える場合には、上記第1化学蓄熱材を添加することによる、上述の微粒化及び接着効果を十分に発揮できなくなり、上記化学蓄熱材複合物の蓄熱及び放熱の安定性が低下するおそれがある。一方、上記第1化学蓄熱材が50質量%を越える場合又は上記第2化学蓄熱材が50質量%未満の場合には、上記化学蓄熱材複合物の構造の安定性が低下し、蓄熱及び放熱の安定性が低下するおそれがある。より好ましくは、上記第1化学蓄熱材は25質量%以下、上記第2化学蓄熱材は75%以上であることがよい。
上記混合工程においては、最終的に上記化学蓄熱材複合物100質量%に対する上記粘土鉱物の含有量が0.1〜20質量%となるように上記粘土鉱物を混合することが好ましい(請求項15)。
この場合には、上記粘土鉱物により、上記化学蓄熱材複合物の構造強度を充分に向上させることができる。
上記粘土鉱物の含有量が0.1質量%未満の場合には、上記化学蓄熱材複合物の構造強度を充分に向上させることができないおそれがある。一方、20質量%を超える場合には、上記化学蓄熱材複合物における蓄熱システムとしての効果が低下するおそれがある。
この場合には、上記粘土鉱物により、上記化学蓄熱材複合物の構造強度を充分に向上させることができる。
上記粘土鉱物の含有量が0.1質量%未満の場合には、上記化学蓄熱材複合物の構造強度を充分に向上させることができないおそれがある。一方、20質量%を超える場合には、上記化学蓄熱材複合物における蓄熱システムとしての効果が低下するおそれがある。
上記焼成工程においては、上記混合物を温度350〜500℃で焼成することが好ましい(請求項16)。
この場合には、上記粘土鉱物の結晶化と化学蓄熱材の脱水反応とを同時に進行させることができる。これにより、多孔質構造体として形成される上記化学蓄熱材複合物において、化学蓄熱材の構造化と比表面積の増加とを同時に達成することができる。
この場合には、上記粘土鉱物の結晶化と化学蓄熱材の脱水反応とを同時に進行させることができる。これにより、多孔質構造体として形成される上記化学蓄熱材複合物において、化学蓄熱材の構造化と比表面積の増加とを同時に達成することができる。
なお、上記焼成温度は、化学蓄熱材の脱水温度に近いことが好ましく、このような組み合わせとして、例えば、セピオライト(焼成温度:350℃以上)とアルカリ土類金属化合物(脱水温度:400〜450℃)との組み合わせを挙げることができる。
また、上記焼成工程では、例えば、上記混合物を所定の形状に成形して成形体を得た後、その成形体を焼成することができる。
また、上記焼成工程では、例えば、上記混合物を所定の形状に成形して成形体を得た後、その成形体を焼成することができる。
次に、本発明の実施例につき、図1及び図2を用いて説明する。
本例においては、混合工程と焼成工程とを行うことにより化学蓄熱材複合物を製造する。図1に、本例の製造方法によって得られる化学蓄熱材複合物1における化学蓄熱材11及び粘土鉱物12の構造上の関係を模式的に示す。
本例においては、混合工程と焼成工程とを行うことにより化学蓄熱材複合物を製造する。図1に、本例の製造方法によって得られる化学蓄熱材複合物1における化学蓄熱材11及び粘土鉱物12の構造上の関係を模式的に示す。
具体的には、同図に示すごとく、化学蓄熱材複合物1は、多数の化学蓄熱材11が組織化・構造化されたものであって、化学蓄熱材11間には隙間(細孔)が形成されている。したがって、本例の化学蓄熱材複合物1は、多孔質構造体(多孔体)として把握されるものである。
また、同図に示すごとく、化学蓄熱材複合物1は、多数の化学蓄熱材11に粘土鉱物12が絡まるように取り囲んでいる。すなわち、化学蓄熱材複合物1は、多孔質の粘土鉱物12の骨格中に化学蓄熱材11が分散保持された構造として把握される。そして、化学蓄熱材複合物1は、多数の化学蓄熱材11間に細孔が形成された多孔質構造体としての構造が粘土鉱物12によって保持(補強)されるようになっている。
本例では、化学蓄熱材11は、カルシウムの水酸化物(Ca(OH)2)又は酸化物(CaO)であり、脱水に伴って蓄熱(吸熱)し、水和(水酸化カルシウムへの復原)に伴って放熱(発熱)する。すなわち、化学蓄熱材11は、以下に示す反応で蓄熱・放熱を可逆的に繰り返す。
Ca(OH)2⇔CaO+H2O
さらに、上記の式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、以下のようになる。
Ca(OH)2+Q→CaO+H2O
CaO+H2O→Ca(OH)2+Q
なお、図1に示される化学蓄熱材11は、焼成後の状態である。そのため、化学蓄熱材11は、酸化カルシウム(CaO)として存在している。
Ca(OH)2⇔CaO+H2O
さらに、上記の式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、以下のようになる。
Ca(OH)2+Q→CaO+H2O
CaO+H2O→Ca(OH)2+Q
なお、図1に示される化学蓄熱材11は、焼成後の状態である。そのため、化学蓄熱材11は、酸化カルシウム(CaO)として存在している。
また、粘土鉱物12は、層リボン構造を有する粘土鉱物であるセピオライトであり、具体的には、輝石に似た単鎖が複数本結合して四面体リボンを形成してなる粘土鉱物の1つである。セピオライトは、例えば、Mg8Si12O30(OH)4(OH2)4・8H2Oの化学式で表すことができる含水マグネシウム珪酸塩である。セピオライトは、それ自体が多孔質であり、比表面積が大きい繊維状を呈している。なお、セピオライトとしては、上記化学式で表されるものの変種についても含まれる。
次に、混合工程と焼成工程とを行って化学蓄熱材複合物を製造する方法について説明する。
混合工程においては、脱水反応に伴って酸化物となり、水和反応に伴って水酸化物となる化学蓄熱材の酸化物からなる粉体の第1化学蓄熱材と、酸化物以外の化学蓄熱材からなる粉体の第2化学蓄熱材と、粘土鉱物と、水とを混合することにより混合物を得る。焼成工程においては、この混合物を焼成することにより、図1に示すごとく化学蓄熱材複合物1を得る。
以下、これを詳説する。
混合工程においては、脱水反応に伴って酸化物となり、水和反応に伴って水酸化物となる化学蓄熱材の酸化物からなる粉体の第1化学蓄熱材と、酸化物以外の化学蓄熱材からなる粉体の第2化学蓄熱材と、粘土鉱物と、水とを混合することにより混合物を得る。焼成工程においては、この混合物を焼成することにより、図1に示すごとく化学蓄熱材複合物1を得る。
以下、これを詳説する。
まず、図2(a)に示すごとく、粉体の第1化学蓄熱材110として、平均粒子径D=10μm(レーザー回折式測定法、島津製作所製SALD−2000Aによる)の酸化カルシウム(CaO)、及び第2化学蓄熱材111として、第1化学蓄熱材110とほぼ同じ平均粒子径を有する水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を準備した。なお、第1化学蓄熱材110及び第2化学蓄熱材111としては、平均粒子径1〜100μm、好ましくは平均粒子径5〜50μmのものを用いることができる。
また、粘土鉱物12として、水に懸濁した場合の繊維径が第1化学蓄熱材110及び第2化学蓄熱材111の平均粒子径Dよりも小さい径の繊維状を呈する粘土鉱物であるセピオライト(Mg8Si12O30(OH)4(OH2)4・8H2O)を準備した。具体的には、セピオライトは、その線径(繊維径)が1μm以下、その長さ(繊維長)が200μm以下のものが望ましい。本例では、線径が略0.01μmで長さが略数十μmのトルコ産のセピオライトを準備した。
なお、トルコ産のセピオライトに代えて、例えば、線径が略0.1μmで長さが略100μmのスペイン産のセピオライトを用いることもできる。
なお、トルコ産のセピオライトに代えて、例えば、線径が略0.1μmで長さが略100μmのスペイン産のセピオライトを用いることもできる。
次いで、混合工程では、図2(b)に示すごとく、まず、第1化学蓄熱材110としての酸化カルシウムと、第2化学蓄熱材111としての水酸化カルシウムと、粘土鉱物12としてのセピオライトとを混合容器21に入れ、均一に混合した後、図2(c)に示すごとく、混合したものを混練機22に入れ、バインダとしての水を徐々に加えながら混練し、増粘化させた。このとき、酸化物状態の第1化学蓄熱材(CaO)110は、水と反応し、第2化学蓄熱材111と同様の水酸化物状態の化学蓄熱材(Ca(OH)2)を生成する。その結果、水酸化物状態の化学蓄熱材である水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と粘土鉱物12との混練物である混合物Mを得た。
次いで、図2(d)に示すごとく、混合工程で得られた混合物Mを押し出し型23に入れ、押出成形した。これにより、混合物Mを、押し出し型23の形状に応じた所定の形状に成形した。本例では、数mmサイズのペレット(成形体)Pに成形した。このペレットPとしては、例えば、直径略3mm、長さ3〜5mm程度の略円柱状や、同等の大きさの角柱状等に成形することができる。また、必要に応じて、押し出し型23から押し出された混合物Mを切断してペレットPを形成するようにしてもよい。
次いで、焼成工程では、図2(e)に示すごとく、ペレットPを焼成炉24に入れ、約450℃で所定時間焼成した。これにより、化学蓄熱材複合物1を得た。
なお、この焼成温度は、水酸化カルシウムの脱水温度以上である。そのため、焼成工程における焼成により、水酸化カルシウムの脱水反応が進行する。よって、製造直後の化学蓄熱材複合物1では、化学蓄熱材11は、酸化物状態(酸化カルシウム)で存在している。本例においては、第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材として同じ元素(Ca)の酸化物及び水酸化物を用いているため、焼成工程後においては、第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材の両者から酸化カルシウムが形成され、化学蓄熱材複合物1において、化学蓄熱材11は酸化カルシウムからなる。
なお、この焼成温度は、水酸化カルシウムの脱水温度以上である。そのため、焼成工程における焼成により、水酸化カルシウムの脱水反応が進行する。よって、製造直後の化学蓄熱材複合物1では、化学蓄熱材11は、酸化物状態(酸化カルシウム)で存在している。本例においては、第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材として同じ元素(Ca)の酸化物及び水酸化物を用いているため、焼成工程後においては、第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材の両者から酸化カルシウムが形成され、化学蓄熱材複合物1において、化学蓄熱材11は酸化カルシウムからなる。
以上のように製造された化学蓄熱材複合物1は、そのまま化学蓄熱材複合物1として蓄熱システムに用いてもよく、さらに大型の蓄熱材を製造するための原料(中間体)として用いてもよく、適用される用途に応じた形状に成形工程において成形してもよい。なお、大型の蓄熱材を製造するための原料(中間体)として成形する際には、焼成温度を水酸化カルシウムの脱水温度未満(例えば、350℃以下)とし、二次成形時に水酸化カルシウムの脱水温度以上の温度で焼成することが好ましい。
次に、本例の化学蓄熱材複合物1における作用効果について説明する。
本例の混合工程においては、第1化学蓄熱材110と第2化学蓄熱材111とを用いている。これらのうち第1化学蓄熱材110は、混合工程において水と反応して水和され、水酸化物状態の化学蓄熱材、即ち化学蓄熱材の水酸化物を生成すると共に、粒子崩壊が起こり、第1化学蓄熱材110を微粒化させることができる(図2(a)〜(c)参照)。そして、微粒化された第1化学蓄熱材110の水酸化物と、第2化学蓄熱材111と、粘土鉱物11の粒子とが分散された混合物Mを得ることができる。
本例の混合工程においては、第1化学蓄熱材110と第2化学蓄熱材111とを用いている。これらのうち第1化学蓄熱材110は、混合工程において水と反応して水和され、水酸化物状態の化学蓄熱材、即ち化学蓄熱材の水酸化物を生成すると共に、粒子崩壊が起こり、第1化学蓄熱材110を微粒化させることができる(図2(a)〜(c)参照)。そして、微粒化された第1化学蓄熱材110の水酸化物と、第2化学蓄熱材111と、粘土鉱物11の粒子とが分散された混合物Mを得ることができる。
焼成工程においては、混合物M、具体的にはその成形体(ペレット)Pを焼成する。これにより、水酸化物状態の化学蓄熱材(第1化学蓄熱材110及び第2化学蓄熱材111)は酸化されて酸化物となると共に、図1に示すごとく、いわば粘土鉱物12の骨格中に粉体の化学蓄熱材11が分散保持されて組織化・構造化された化学蓄熱材複合物1を得ることができる。なお、化学蓄熱材11は、酸化物状態の第1化学蓄熱材110及び第2化学蓄熱材111から構成されており、本例においては、いずれも酸化カルシウムからなっている。これにより、次のような種々の作用効果が期待できる。
すなわち、化学蓄熱材11の粉体間には、粘土鉱物12等の存在によって隙間が形成される。よって、蓄熱・放熱の繰り返しによる化学蓄熱材11の擦れ合い及びこれに伴う微粉化を抑制することができる。
また、上記隙間により、水蒸気等の蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の導入排出経路を充分に確保することができる。よって、蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の化学蓄熱材複合物1内における移動(拡散)阻害を抑制することができる。
また、上記隙間により、水蒸気等の蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の導入排出経路を充分に確保することができる。よって、蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物の化学蓄熱材複合物1内における移動(拡散)阻害を抑制することができる。
また、化学蓄熱材複合物1は、化学蓄熱材11を取り囲む粘土鉱物12により、強度が高く、安定した構造を有する多孔質構造体となる。そのため、上記化学蓄熱材複合物1は、蓄熱及び放熱を繰り返し行っても、微粉化が起こり難く、また、導入排出経路を充分に確保することができる。そのため、長期間安定に蓄熱及び放熱を繰り返し行うことができる。
特に、本例においては、混合工程で、第1化学蓄熱材110として、化学蓄熱材の酸化物(CaO)を用い、第2化学蓄熱材111として、酸化物以外の化学蓄熱材(Ca(OH)2)を用い、粘土鉱物12との混合時に水を用いてこれらの混合を行っている(図2(a)〜(c)参照)。そのため、図1に示すごとく、焼成後に得られる化学蓄熱材複合物1においては、粘土鉱物12により、第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材から形成される化学蓄熱材11を取り囲む構造を強固に安定化させることができる。この理由は次のように考えられる。
即ち、混合工程の混合物Mにおいては、上述のごとく水和反応により第1化学蓄熱材110の水酸化物が生成し、この水酸化物のアルカリ溶液を形成することができる(図2(a)〜(c)参照)。このアルカリ溶液が粘土鉱物12の少なくとも一部と反応し、反応による生成物が焼成工程後の化学蓄熱材複合物1における化学蓄熱材11(酸化物状態の第1化学蓄熱材及び第2化学蓄熱材)と粘土鉱物12との間に接着作用を発現したためであると推察される(図1参照)。
また、粘土鉱物12としては、層リボン構造を有する粘土鉱物であるセピオライトを用いている。すなわち、多孔質で比表面積が大きい繊維状形態を有するものを用いている。そのため、粘土鉱物12の繊維質、多孔性、可塑性等の性質により、化学蓄熱材11を良好に組織化、構造化させることができる。
また、多孔質で比表面積が大きい粘土鉱物12の吸着性により、蓄熱・放熱反応時に存在する余剰な水蒸気を粘土鉱物12内に吸着することができる。そのため、例えば、化学蓄熱材複合物1を用いた蓄熱システムが停止されている低温状態の場合に、化学蓄熱材11が吸水して化学蓄熱材複合物1内で液水化することを防止することができる。これにより、化学蓄熱材11と液水との反応によるシンタリングを抑制することができる。
また、粘土鉱物12としては、第1化学蓄熱材110及び第2化学蓄熱材の粒子径よりも小さい径の繊維状を呈するものを用いている(図2参照)。そのため、図1に示すごとく、化学蓄熱材11がそれよりも小さい径の繊維状の粘土鉱物12によって取り囲まれるため、少量の粘土鉱物12を用いて化学蓄熱材11の組織化、構造化を実現することが可能である。具体的には、少量の粘土鉱物12で化学蓄熱材11間に細孔が形成された多孔質構造体を補強した化学蓄熱材複合物1となる。これにより、化学蓄熱材複合物1における質量当たり、体積当たりの化学蓄熱材11の占有率を大きくすることができる。すなわち、蓄熱容量の大きい化学蓄熱材複合物1となる。さらに、化学蓄熱材複合物1は、化学蓄熱材11自体が主要構造を成しているため、伝熱経路が単純であり、蓄熱効率、蓄熱した熱の利用効率が高いものとなる。
また、化学蓄熱材11は、脱水反応に伴って吸熱し、水和反応に伴って放熱する水和反応系化学蓄熱材であり、また水和反応に伴って水酸化され、脱水反応に伴って酸化される水和反応系化学蓄熱材である酸化カルシウム(水酸化カルシウム)を用いている。そのため、化学蓄熱材複合物1は、水和反応及び脱水(逆水和)反応によって蓄熱・放熱を良好に行うことができ、蓄熱システムとしての性能を高めることができる。
また、図2に示すごとく、混合工程において、第1化学蓄熱材110として、酸化物である酸化カルシウムを用い、第2化学蓄熱材111として、水酸化物である水酸化カルシウムを用いている。そのため、混合工程において、第1化学蓄熱材110と第2化学蓄熱材111と粘土鉱物12とを混合する際に、例えば化学蓄熱材として炭酸化合物を用いた場合に混合・増粘用のバインダとして使用することができなかった水を使用することができる。これにより、混合物Mの成形性を高めることができる。また、化学蓄熱材として炭酸化合物を用いた場合に必要であった脱炭酸工程時における1000℃近辺の高温焼成が不要となる。これにより、焼成温度を低くすることができ、使用材料や工程の自由度を高めることができる。
また、第1化学蓄熱材110及び第2化学蓄熱材111としては、無機化合物を用いている。そのため、化学蓄熱材複合物1における化学蓄熱材の蓄熱・放熱反応(水和・脱水反応)に対する材料安定性が高くなる。特に、酸化カルシウム(水酸化カルシウム)の可逆性は高いことから、化学蓄熱材複合物1は、長期間に渡って安定した蓄熱効果を得ることができる。
また、第1化学蓄熱材110及び第2化学蓄熱材111として、環境負荷の小さい安全なアルカリ土類金属化合物(CaO、Ca(OH)2)を用いている。そのため、化学蓄熱材複合物1の製造、使用、リサイクル等を含めた安全性の確保が容易になる。
また、第1化学蓄熱材110及び第2化学蓄熱材111として、環境負荷の小さい安全なアルカリ土類金属化合物(CaO、Ca(OH)2)を用いている。そのため、化学蓄熱材複合物1の製造、使用、リサイクル等を含めた安全性の確保が容易になる。
また、混合工程においては、粘土鉱物12の揺変性(チキソトロピ)により、水分と共に撹拌することで増粘効果を得ることができる。そのため、化学蓄熱材11をベースとした構造体をより高精度、高密度な状態で形成することができる(図1参照)。これにより、得られる化学蓄熱材複合物1は、高精度、高密度であり、熱抵抗が低いものとなる。
また、焼成工程では、350〜500℃の温度で焼成する。そのため、粘土鉱物12の結晶化と第1化学蓄熱材110及び第2化学蓄熱材111の脱水反応とを同時に進行させることができる。これにより、多孔質構造体として形成される化学蓄熱材複合物1の化学蓄熱材11の構造化と比表面積の増加とを同時に達成することができる。
なお、本例では、混合工程における第1化学蓄熱材110として、酸化カルシウムを用いたが、これを酸化マグネシウムに代える、あるいは酸化カルシウムと酸化マグネシウムとの混合物に代えることもできる。同様に、第2化学蓄熱材111としては、水酸化カルシウムを用いたが、これを水酸化マグネシウムに代える、あるいは水酸化カルシウムと水酸化マグネシウムの混合物に代えることもできる。さらに、第1化学蓄熱材110として、酸化カルシウム又は酸化マグネシウムを用い、第2化学蓄熱材111として、それぞれ水酸化マグネシウム又は水酸化カルシウムを用いることもできる。
(実施例2)
本例は、本発明の化学蓄熱材複合物の反応率を測定する例である。
本例では、後述の表1に示すごとく、第1化学蓄熱材(CaO)、第2化学蓄熱材(Ca(OH)2)、及び粘土鉱物(セピオライト)の組成比(質量%)を変えて化学蓄熱材複合物を作製した(本発明品E1〜E3)。また、比較用として、第1化学蓄熱材を添加しない化学蓄熱材(比較品C1)を作製した。
そして、本発明品E1〜E3、及び比較品C1について、反応率を測定した。
本例は、本発明の化学蓄熱材複合物の反応率を測定する例である。
本例では、後述の表1に示すごとく、第1化学蓄熱材(CaO)、第2化学蓄熱材(Ca(OH)2)、及び粘土鉱物(セピオライト)の組成比(質量%)を変えて化学蓄熱材複合物を作製した(本発明品E1〜E3)。また、比較用として、第1化学蓄熱材を添加しない化学蓄熱材(比較品C1)を作製した。
そして、本発明品E1〜E3、及び比較品C1について、反応率を測定した。
ここで、反応率とは、熱重量分析法により、脱水時と水和時との重量変化量を求め、サンプル中の酸化カルシウムから水酸化カルシウムへの変化率として求めた値である。
具体的には、サンプル約20mgを採取し、450℃まで昇温し、温度450℃、窒素ガス流通下でサンプル重量を測定した。このとき、カルシウム成分は、ほとんどが酸化カルシウムとなる。その後、200℃まで降温し、温度200℃、水蒸気を含む窒素ガス中に晒すことにより、水酸化カルシウムへの重量変化量を測定した。この脱水・水和を3回繰り返し、3回目の重量変化量を仕込みの水酸化カルシウムの重量で換算し、反応率とした。その結果を表1に示す。
具体的には、サンプル約20mgを採取し、450℃まで昇温し、温度450℃、窒素ガス流通下でサンプル重量を測定した。このとき、カルシウム成分は、ほとんどが酸化カルシウムとなる。その後、200℃まで降温し、温度200℃、水蒸気を含む窒素ガス中に晒すことにより、水酸化カルシウムへの重量変化量を測定した。この脱水・水和を3回繰り返し、3回目の重量変化量を仕込みの水酸化カルシウムの重量で換算し、反応率とした。その結果を表1に示す。
表1に示されるように、本発明品E1〜E3は、比較品C1に比べて反応率が高くなっていることがわかる。
本発明品E1〜E3は、混合工程において第1化学蓄熱材(化学蓄熱材の酸化物)を用いて作製しているため、化学蓄熱材を取り囲む構造が強固に安定化しており、この安定化が表1に示す高い反応率に大きく貢献していると考えられる。
本発明品E1〜E3は、混合工程において第1化学蓄熱材(化学蓄熱材の酸化物)を用いて作製しているため、化学蓄熱材を取り囲む構造が強固に安定化しており、この安定化が表1に示す高い反応率に大きく貢献していると考えられる。
1 化学蓄熱材複合物
110 第1化学蓄熱材
111 第2化学蓄熱材
12 粘土鉱物
110 第1化学蓄熱材
111 第2化学蓄熱材
12 粘土鉱物
Claims (17)
- 脱水反応に伴って酸化物となり、水和反応に伴って水酸化物となる化学蓄熱材の酸化物からなる粉体の第1化学蓄熱材と、上記酸化物以外の化学蓄熱材からなる粉体の第2化学蓄熱材と、粘土鉱物と、水とを混合することにより混合物を得る混合工程と、
上記混合物を焼成することにより化学蓄熱材複合物を得る焼成工程とを有することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。 - 請求項1において、上記第2化学蓄熱材は、脱水反応に伴って酸化物となり、水和反応に伴って水酸化物となる化学蓄熱材の水酸化物からなることを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項1又は2において、上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材としては、脱水反応に伴って吸熱し、水和反応に伴って放熱する物質を採用することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材としては、無機化合物を採用することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、上記第1化学蓄熱材としては、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化銅、及びアルカリ土類金属の酸化物から選ばれる1種以上の酸化物を採用することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項5において、上記第1化学蓄熱材としては、酸化カルシウム及び/又は酸化マグネシウムを採用することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項において、上記第2化学蓄熱材としては、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、水酸化銅、及びアルカリ土類金属の水酸化物から選ばれる1種以上の水酸化物を採用することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項7において、上記第2化学蓄熱材としては、水酸化カルシウム及び/又は水酸化マグネシウムを採用することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか一項において、上記粘土鉱物は、上記第1化学蓄熱材及び上記第2化学蓄熱材の粒子径よりも小さい径の繊維状を呈していることを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか一項において、上記粘土鉱物は、多孔質であることを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項において、上記粘土鉱物としては、層リボン構造を有する粘土鉱物を採用することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項11において、上記層リボン構造を有する上記粘土鉱物は、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトであることを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項において、上記粘土鉱物としては、ベントナイトを採用することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項1〜13のいずれか一項において、上記混合工程においては、上記第1化学蓄熱材と上記第2化学蓄熱材との合計を100質量%としたとき、上記第1化学蓄熱材0.5質量%〜50質量%と上記第2化学蓄熱材50質量%〜99.5質量%とを混合することとを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項1〜14のいずれか一項において、上記混合工程においては、最終的に上記化学蓄熱材複合物100質量%に対する上記粘土鉱物の含有量が0.1〜20質量%となるように上記粘土鉱物を混合することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項1〜15のいずれか一項において、上記焼成工程においては、上記混合物を温度350〜500℃で焼成することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
- 請求項1〜16のいずれか一項に記載の製造方法によって得られることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008109386A JP2009256519A (ja) | 2008-04-18 | 2008-04-18 | 化学蓄熱材複合物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008109386A JP2009256519A (ja) | 2008-04-18 | 2008-04-18 | 化学蓄熱材複合物及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009256519A true JP2009256519A (ja) | 2009-11-05 |
Family
ID=41384361
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008109386A Pending JP2009256519A (ja) | 2008-04-18 | 2008-04-18 | 化学蓄熱材複合物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009256519A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014024887A (ja) * | 2012-07-24 | 2014-02-06 | Denso Corp | 化学蓄熱材、反応器および蓄熱装置 |
CN104293303A (zh) * | 2013-07-19 | 2015-01-21 | 李义 | 一种常压下可以相变的储热材料 |
KR20180027124A (ko) * | 2016-09-06 | 2018-03-14 | 한국에너지기술연구원 | 허니컴 구조체의 제조방법 |
KR102094412B1 (ko) * | 2018-09-28 | 2020-03-27 | 한국에너지기술연구원 | 허니컴 구조의 열화학 열 저장재 및 그 제조 방법 |
WO2023185023A1 (zh) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | 浙江大学 | 铜基复合金属氧化物储热材料及其制备方法 |
KR102650632B1 (ko) * | 2023-11-13 | 2024-03-21 | 주성호 | 찜질팩용 축열제 제조장치 |
-
2008
- 2008-04-18 JP JP2008109386A patent/JP2009256519A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014024887A (ja) * | 2012-07-24 | 2014-02-06 | Denso Corp | 化学蓄熱材、反応器および蓄熱装置 |
CN104293303A (zh) * | 2013-07-19 | 2015-01-21 | 李义 | 一种常压下可以相变的储热材料 |
KR20180027124A (ko) * | 2016-09-06 | 2018-03-14 | 한국에너지기술연구원 | 허니컴 구조체의 제조방법 |
KR101867171B1 (ko) | 2016-09-06 | 2018-07-23 | 한국에너지기술연구원 | 허니컴 구조체의 제조방법 |
KR102094412B1 (ko) * | 2018-09-28 | 2020-03-27 | 한국에너지기술연구원 | 허니컴 구조의 열화학 열 저장재 및 그 제조 방법 |
WO2023185023A1 (zh) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | 浙江大学 | 铜基复合金属氧化物储热材料及其制备方法 |
KR102650632B1 (ko) * | 2023-11-13 | 2024-03-21 | 주성호 | 찜질팩용 축열제 제조장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5297669B2 (ja) | 化学蓄熱材複合体及びその製造方法 | |
JP4911002B2 (ja) | 熱交換型熱利用装置及びその製造方法 | |
JP5223314B2 (ja) | 蓄熱装置 | |
JP2009256519A (ja) | 化学蓄熱材複合物及びその製造方法 | |
Alvarez Criado et al. | Composite material for thermochemical energy storage using CaO/Ca (OH) 2 | |
JP5277621B2 (ja) | 化学蓄熱材成形体及びその製造方法 | |
JP5374683B2 (ja) | 化学蓄熱材成形体及びその製造方法 | |
JP5327729B2 (ja) | 化学蓄熱材料、及びその製造方法 | |
JP2009256520A (ja) | 化学蓄熱材複合物及びその製造方法 | |
JP5547896B2 (ja) | 化学蓄熱反応器及びフィルタ付化学蓄熱材成形体の製造方法 | |
JP5586262B2 (ja) | 化学蓄熱材成形体およびその製造方法 | |
JP5232521B2 (ja) | 化学蓄熱材複合体の製造方法 | |
JP5232510B2 (ja) | 化学蓄熱材成形体の製造方法 | |
JP2014521497A5 (ja) | ||
JP5264263B2 (ja) | 化学蓄熱材料、化学蓄熱材成形体、及びそれらの製造方法 | |
JP5300307B2 (ja) | 化学蓄熱材成形体及びその製造方法 | |
JP5749049B2 (ja) | 化学蓄熱器及びその製造方法 | |
JP5231077B2 (ja) | 化学蓄熱材複合体及びその製造方法 | |
JP2005281050A (ja) | 化学反応材料 | |
JP5303159B2 (ja) | 化学蓄熱材複合体 | |
JP5401782B2 (ja) | 蓄熱装置及びその製造方法 | |
JP5277138B2 (ja) | 蓄熱器及びその製造方法 | |
JP5303158B2 (ja) | 化学蓄熱材成形体及びその製造方法 | |
JP2005211808A (ja) | ジメチルエーテル改質触媒 | |
JP5503377B2 (ja) | 化学蓄熱材構造物の製造方法 |