JP2005211808A - ジメチルエーテル改質触媒 - Google Patents

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将直 米村
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繁 野島
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Abstract

【課題】 ジメチルエーテルから、固体高分子方燃料電池の原料として有用な水素を得るための活性の高いジメチルエーテル改質触媒を提供することを目的とする。
【解決手段】 固形型固体酸触媒と、アルカリ土類金属、Cuの融点よりも高融点の金属、希土類金属からなる群から選択される一以上の金属と、Cuとを含んでなる固形型触媒とを含むジメチルエーテル改質触媒を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ジメチルエーテル改質触媒に関する。本発明は、特には、ジメチルエーテルを改質して、燃料電池の原料となる水素を高い効率で生成するジメチルエーテル改質触媒に関する。
近年、固体高分子型燃料電池(PEFC)は低公害で、熱効率が高いため家庭用電源、自動車用電源や分散電源等の幅広い分野での動力源としての適用が期待されている。この燃料電池に、その燃料である水素を供給するには幾つかの方法が考えられるが、例えば効率的な水素製造装置を用いる方法が有望である。かかる水素製造においては炭化水素を主成分とする原料、特にはメタノール、灯油、LPGが用いられ、これらを、水蒸気改質触媒で改質することにより水素を製造してきた。また、運搬、貯蔵に適していることから、ジメチルエーテルも原料の選択枝として採用されつつある。
ジメチルエーテルは、水(水蒸気)と以下の式(1)のように反応し、水素と一酸化炭素を生成する。このような反応を促進する触媒として、銅、亜鉛およびアルミナを含有する前駆体混合物と活性アルミナを混合して調製された触媒が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。また、固体酸に銅と遷移金属とを担持させた触媒が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。しかし、これらの触媒は、必ずしもジメチルエーテルの改質性能が充分であるとはいえない。
CH3OCH3+H2O→2CO+4H2 ・・・・・(1)
特開2001−96159号公報 特開2003−38957号公報
本発明は、ジメチルエーテルから水素を得るための活性の高いジメチルエーテル改質触媒を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は一側面によれば、ジメチルエーテル改質触媒であって、固形型固体酸触媒と、アルカリ土類金属、Cuの融点よりも高融点の金属、および希土類金属からなる群から選択される一以上の金属と、Cuとを含んでなる固形型触媒とを含む。ここで、「固形型固体酸触媒」とは、固体酸を主成分として含む触媒をいう。「固形型触媒」とは、Cuを主成分として含む触媒をいう。
本発明は別の側面によれば、ジメチルエーテル改質触媒であって、2種類以上の固体酸を含んでなる固形型固体酸触媒と、少なくともCuを含んでなる固形型触媒とを分散配位させたものである。
本発明はまた別の側面によれば、ジメチルエーテル改質触媒であって、固形型固体酸触媒と、Cuと、ZnまたはAlのいずれかとを含んでなる固形型触媒とを含む。
前記固形型固体酸触媒が、H0>−10.0の固体酸強度と、0.15mmol/g以上の固体酸量と、20m2/g以上の比表面積とを有することが好ましい。
前記固形型固体酸触媒が、TiO2−SiO2、TiO2−Al23、TiO2−ZrO2、ZrO2−Al23、TiO2−P25、TiO2−B23、γ−Al23、β−Al23、δ−Al23、θ−Al23、またはAlO(OH)であることが好ましい。
前記固体酸が二種以上含まれる固形型固体酸触媒としては、特に、TiO2−SiO2、TiO2−Al23、TiO2−ZrO2、ZrO2−Al23、TiO2−P25、またはTiO2−B23であることが好ましい。
また、前記固形型固体酸触媒が、M−Y型ゼオライト、M−X型ゼオライト、M−A型ゼオライト、M−β型ゼオライト、M−L型ゼオライト、M−モルデナイト、M−フェリエライト、またはM−メタロシリケート(M=Na、K、NH4)であることが好ましい。
前記固形型触媒には、ZnまたはAl、あるいはそれらの両方を含むことが好ましい。
粒径が500μm以下の粒状の前記固形型固体酸触媒と、粒径が500μm以下の粒状の前記固形型触媒とを混合した後、成形してなるジメチルエーテル改質触媒が好ましい。または、10mmφ以下の球状もしくは粒状、直径及び高さが10mmφ以下の円柱状、又はリング状に成形した前記固形型固体酸触媒と、10mmφ以下の球状もしくは粒状、直径及び高さが10mmφ以下の円柱状、又はリング状に成形した前記固形型触媒とを混合してなるジメチルエーテル改質触媒が好ましい。
本発明はさらに別の側面によれば、ジメチルエーテル改質触媒であって、スピネル構造のCuAl24結晶を含んでなる。
本発明はまた別の側面によれば、ジメチルエーテル改質触媒装置であって、ガス流れ前段に充填した固形型固体酸触媒と、ガス流れ後段に充填した少なくともCuを含んでなる固形型触媒とを含む。また別の側面によれば、固形型固体酸触媒と少なくともCuを含んでなる固形型触媒とを充填してなるジメチルエーテル改質触媒装置であって、ガス流れ前段からガス流れ後段にかけて該固形型固体酸触媒の該固形型触媒に対する重量比率が小さくなるように、該固形型固体酸触媒と該固形型触媒とが混合されて充填されている。ジメチルエーテル改質触媒装置において、前記固形型固体酸触媒が、触媒の総重量のうち、10〜90重量%となるように含まれていることが好ましい。
本発明はさらにまた別の側面によればジメチルエーテル改質方法であって、前述のいずれかに記載のジメチルエーテル改質触媒またはジメチルエーテル改質触媒装置に、ジメチルエーテルと水蒸気とが、水蒸気/ジメチルエーテル中のC=1〜20(mol/mol)となるように供給するステップを含む。かかる方法においては、さらに空気又は酸素を、O2/ジメチルエーテル中のC=1.5〜10(mol/mol)となるように供給することが好ましい。
本発明によれば、高い改質効率を有するジメチルエーテル改質触媒が得られる。また、本発明のジメチルエーテル改質触媒を用いることで、取り扱いが容易なジメチルエーテルを原料として、燃料電池の燃料として用いることができる水素を得ることができ、燃料電池の実用化に貢献し得る。
本発明の第一の実施形態によるジメチルエーテル改質触媒は、固形型固体酸触媒と、アルカリ土類金属、Cuの融点よりも高融点の金属、希土類金属からなる群から選択される一以上の金属と、Cuとを含んでなる固形型触媒とを含む。
固形型固体酸触媒は、金属の酸化物、硫化物、リン酸塩、粘度鉱質、ゼオライトなどの、その表面が酸点を示す固体酸を含んでなる触媒をいう。固形型固体酸触媒は、ジメチルエーテルの改質反応において、以下の式(2)で示される反応を促進する。
CH3OCH3 +H2O → 2CH3OH ・・・・・(2)
ここで、かかる固体酸は、ハメット法で測定した酸強度値が、H0>−10.0であることが好ましい。酸強度値H0<−10.0の固形型固体酸触媒を用いると、上式(2)で示すジメチルエーテルの加水分解反応ではなく、脱水素反応を促進するため、所望の生成物が得られないからである。特に、H0が、−1.0〜−9.5の範囲にあることがさらに好ましい。したがって、酸強度値が上記の範囲にない固形型固体酸触媒を用いる場合には、既知の方法で処理をして酸強度を弱めることができる。例えば、酸強度値H0<−10.0のゼオライトを固形型固体酸触媒として用いるときは、ゼオライトのイオン交換サイトをアルカリ金属などで置換して、酸強度をH0が、−10.0以上となるまで弱めることができる。
固形型固体酸触媒に含まれる固体酸の量が、ピリジン昇温吸着脱離法で測定したとき、0.15mmol/g以上であることが好ましい。上記ジメチルエーテルの加水分解反応をさらに促進するためである。特に、固体酸の量が0.20〜1.0mmol/gの範囲にあることがさらに好ましい。さらに、固形型固体酸触媒は、BET一点法で測定した比表面積が、20m2/g以上であることが好ましく、特に、比表面積が50〜400m2/gの範囲にあることが好ましい。比表面積を増大させることで、触媒中に存在する固体酸量が増大し、DMEの加水分解反応を促進できるからである。
固形型固体酸触媒は、上記の物性値を有するものであれば、市販品を用いてもよく、既知の方法で合成したものであってもよい。また、固形型固体酸触媒は、一種類の固体酸からなるものであっても、二種以上の固体酸からなるものであってもよい。
具体的には、TiO2−SiO2、TiO2−Al23、TiO2−ZrO2、ZrO2−Al23、TiO2−P25、TiO2−B23などの二成分系の固形型固体酸触媒、γ−Al23、β−Al23、δ−Al23、θ−Al23、AlO(OH)などの一成分系の固形型固体酸触媒、M−Y型ゼオライト、M−X型ゼオライト、M−A型ゼオライト、M−β型ゼオライト、M−L型ゼオライト、M−モルデナイト、M−フェリエライト、M−メタロシリケート(ここで、M=Na、K、NH4)などが挙げられるが、これらには限定されない。
さらに、固形型固体酸触媒には、上述のような酸点を有する化合物のほかに、SiO2、TiO2、Al23、グラファイトなどを含んでいてもよい。これらは、ある形状に成形する際のバインダーの効果を発揮するためである。
固形型触媒は、式(2)で示される反応により生成されたメタノールを分解して、水素を生成する式(3)で示される反応を促進する。
2CH3OH → 2CO + 4H2 ・・・・・(3)
固形型触媒はCuを必須の成分として含み、この他に、アルカリ土類金属、融点がCuよりも高い金属、希土類金属からなる群から選択される一以上の金属を含んでなる。アルカリ土類金属、融点がCuよりも高い金属、希土類金属等は、触媒の調製過程における焼結時に、Cuの結晶化を効果的に防止し、Cuの活性点を有する表面積を広くすることができるからである。このとき、固形型触媒は、Cuと、アルカリ土類金属、融点がCuよりも高い金属、希土類金属からなる群から選択される一の金属とからなる二成分系の触媒であってもよい。また、Cuと、アルカリ土類金属、融点がCuよりも高い金属、希土類金属からなる群から選択される二種類の金属とからなる三成分系の触媒であってもよい。
アルカリ土類金属としては、Ca、Mgが好ましく用いられる。融点がCuよりも高い金属としては、Fe、Mn、Cr、Pd、Ptなどが挙げられ、希土類金属としては、La,Ceなどが挙げられるがこれらには限定されない。
固形型触媒には、これらの必須の成分以外に、Zn、Alなどの金属を含むことができる。Zn及びAlは、ガス中の水分を吸着し、改質反応をより進行させるという作用をするため、単独で、または組み合わせて好ましく用いられる。
このとき、固形型固体酸触媒と、固形型触媒との組成比は、1:10〜10:1とすることができる。この範囲外だと、DMEの加水分解又はMeOHの水蒸気改質反応が充分に進行しなくなるからである。特に、3:7〜7:3とすることが好ましい。
一方、共沈法で本実施形態によるジメチルエーテル改質触媒を調製する場合には、以下の二態様が挙げられる。一つの態様としては、固形型触媒は、金属の硝酸塩を原料として共沈法によりスラリーを調製し、乾燥、焼成させる。固形型固体酸触媒は、市販品を用いるか、または硝酸塩以外の各種塩、有機金属化合物等を共沈させ、乾燥、焼成させる。これらをそれぞれ別個に所定の粒径の粉末とし、上述の所定の組成比で混合した後、成形することができる。このとき、粉末の状態とは、粒径が約50〜500μm、好ましくは約100〜200μmの粉末のことをいう。粉末から成形体を形成する方法は、粉末をそのまま加圧成形したり、粉末にバインダー及び水を加えて造粒または押出し成形することができる。このとき、成形体は、10mmφ以下の球状もしくは粒状、直径及び高さが10mmφ以下の円柱状、又はリング状であることが好ましい。このように、粉末状の固形型触媒と粉末状の固形型固体酸触媒とを混合したのち、成形することにより、均一に混合されたDME改質触媒が得られる。なお、触媒原料として制限は無く、硝酸塩以外にも硫酸塩、塩化物、有機金属化合物等を用いても良い。
別の態様としては、固形型固体酸触媒と前記固形型触媒とを、前述のようにそれぞれ別個に調製して所定の粒径の粉末とし、それぞれ別個の成形体とした後、固形型固体酸触媒の成形体と固形型触媒の成形体とを混合することができる。このとき、成形体は、10mmφ以下の球状もしくは粒状、直径及び高さが10mmφ以下の円柱状、又はリング状であることが好ましい。このように、成形体を混合することにより、触媒充填層の配合調整が容易に行うことができる。
本発明の第一の実施形態によるジメチルエーテル改質触媒は、高改質性能及び高耐久性という利点が得られる。
本発明の第二の実施形態によるジメチルエーテル改質触媒は、2種類以上の固体酸を含んでなる固形型固体酸触媒と、少なくともCuを含んでなる固形型触媒とを分散配位させてなる。
2種類以上の固体酸を含んでなる固形型固体酸触媒とは、第一実施形態において説明した固形型固体酸触媒のうち、二種以上の異なる固体酸を有するものを言う。好ましい固形型固体酸触媒は、第一実施形態において説明したものと同様の酸強度値H0、固体酸量、比表面積を有するものであり、同じように扱うことができるため、ここでは説明を省略する。
具体的には、二種類以上の固体酸を含んでなる固形型固体酸触媒としては、TiO2−SiO2、TiO2−Al23、TiO2−ZrO2、ZrO2−Al23、TiO2−P25、TiO2−B23などの二成分系の固形型固体酸触媒、TiO2−SiO2、−Al23、ZrO2−SiO2−Al23などの三成分系の固形型固体酸触媒が挙げられるがこれらには限定されない。また、M−Y型ゼオライト、M−X型ゼオライト、M−A型ゼオライト、M−β型ゼオライト、M−L型ゼオライト、M−モルデナイト、M−フェリエライト、M−メタロシリケート(ここで、M=Na、K、NH4)などを用いることもできるがこれらには限定されない。
少なくともCuを含んでなる固形型触媒とは、Cuを必須の成分として含み、その他の成分を含んでもよい触媒をいう。その他の成分としては、アルカリ土類金属、融点がCuよりも高い金属、希土類金属、Al、Zn等が挙げられるがこれらには限定されない。
固形型固体酸触媒と固形型触媒とを「分散配位させた」とは、担持されている状態とは異なり、固形型固体酸触媒と固形型触媒を粒子レベルまたは固形物レベルで隣り合わせることをいう。固形型固体酸触媒と固形型触媒とを分散配位させるために、固形型固体酸触媒と固形型触媒とを別個に共沈法で調製し、これらを所定の組成比率で混合することができる。
本発明の第二の実施形態によるジメチルエーテル改質触媒に含まれる固形型固体酸触媒と、固形型触媒との組成比率は、第一実施形態と同様に、1:10〜10:1とすることができる。特には、3:7〜7:3とすることが好ましい。また、第二の実施形態によるジメチルエーテル改質触媒は、第一の実施形態において説明した共沈法で同様にして調製することができる。
本発明の第二の実施形態によるジメチルエーテル改質触媒によれば、DMEの高改質性能及び高耐久性という利点が得られる。
本発明の第三の実施形態によるジメチルエーテル改質触媒装置は、ガス流れ前段に充填した固形型固体酸触媒と、ガス流れ後段に充填した少なくともCuを含んでなる固形型触媒とを含む。ここでいう固形型固体酸触媒と固形型触媒とは、前述の第一の実施形態および第二の実施形態で開示した任意の触媒をいう。この場合、ガス流れの前段に固形型固体酸触媒を充填し、ガス流れの後段に少なくともCuを含んでなる固形型触媒とを充填しているものであれば、前段の固形型固体酸触媒と、後段の固形型触媒とのあいだに、さらに、固形型固体酸触媒と固形型触媒とを所定の組成比で混合したジメチルエーテル改質触媒を含むものであってもよい。これは、ジメチルエーテル改質触媒装置のガス流れ前段で、固形型固体酸触媒によりジメチルエーテルをメタノールに加水分解する反応を進行させ、ガス流れの後段で、固形型触媒によりメタノールを水素に改質する反応を進行させることで、効率的に改質反応を進行させるためである。
例えば、ガス流れ前段に固形型固体酸触媒を充填し、その後段に固形型固体酸触媒と固形型触媒とを重量比が9:1〜6:4となるように混合したジメチルエーテル改質触媒を充填し、そのさらに後段に固形型固体酸触媒と固形型触媒とを重量比が4:6〜1:9となるように混合したジメチルエーテル改質触媒を充填し、ガス流れ最後段に固形型触媒を充填した形態をいう。この例は、前段の固形型固体酸触媒と後段の固形型触媒と間に、固形型固体酸触媒と固形型触媒との組成比の異なる二種のジメチルエーテル改質触媒を充填した形態を挙げたが、前段の固形型固体酸触媒と後段の固形型触媒と間にさらなるジメチルエーテル改質触媒を含まないもの、あるいは、前段の固形型固体酸触媒と後段の固形型触媒と間に固形型固体酸触媒と固形型触媒との重量比が1:1のジメチルエーテル改質触媒のみを充填したもの、あるいは、組成比の異なる三種以上のジメチルエーテル改質触媒を充填したものであってもよい。このとき、組成比の異なるジメチルエーテル改質触媒は、ガス流れの前段で固形型固体酸触媒の比率が高く、ガス流れの後段で固形型触媒の比率が高くなるようにすることが好ましい。
また、第三の実施形態の別の形態であるジメチルエーテル改質触媒装置は、固形型固体酸触媒と少なくともCuを含んでなる固形型触媒とを充填してなるジメチルエーテル改質触媒装置であって、ガス流れ前段からガス流れ後段にかけて該固形型固体酸触媒の該固形型触媒に対する重量比率が小さくなるように、該固形型固体酸触媒と該固形型触媒とが混合されて充填されているものである。
「該固形型固体酸触媒の該固形型触媒に対する重量比率が小さくなるように、該固形型固体酸触媒と該固形型触媒とが混合されて充填されている」とは、例えば、ガス流れ前段に固形型固体酸触媒と固形型触媒とを重量比が9:1〜8:2となるように混合したジメチルエーテル改質触媒を充填し、その後段に固形型固体酸触媒と固形型触媒とを重量比が7:3〜6:4となるように混合したジメチルエーテル改質触媒を充填し、そのさらに後段に固形型固体酸触媒と固形型触媒とを重量比が4:6〜3:7となるように混合したジメチルエーテル改質触媒を充填し、ガス流れ最後段に固形型固体酸触媒と固形型触媒とを重量比が2:8〜1:9となるように混合したジメチルエーテル改質触媒を充填した形態をいう。このとき、それぞれの混合比率を有するジメチルエーテル改質触媒は、同じ体積となるように充填することもできるし、異なる体積となるように充填することもできる。この例は、固形型固体酸触媒と固形型触媒との組成比の異なる四種のジメチルエーテル改質触媒を充填した形態であるが、組成比の異なる二種のジメチルエーテル改質触媒、組成比の異なる三種のジメチルエーテル改質触媒、あるいは組成比の異なる五種以上のジメチルエーテル改質触媒を充填したものであってもよい。
本実施形態によるジメチルエーテル改質触媒装置には、固形型固体酸触媒は、触媒の総重量のうち、10〜90重量%となるように含まれていることが好ましい。特に、30〜70重量%となるように含まれていることが好ましい。いっぽう、固形型触媒は、触媒の総重量のうち、90〜10重量%となるように含まれていることが好ましい。特に、70〜30重量%となるように含まれていることが好ましい。DMEの加水分解反応及びその反応で得られたMeOHの水蒸気改質反応をより進行させる為だからである。
このようなジメチルエーテル改質触媒装置の製造方法としては、例えば、直径と長さの比が、5〜1000の反応管を長さ方向に4分割し、固形型固体酸触媒、固形型固体酸触媒と固形型触媒との組成比率が7:3のジメチルエーテル改質触媒、固形型固体酸触媒と固形型触媒との組成比率が3:7のジメチルエーテル改質触媒、固形型触媒の4種類の触媒を、それぞれ同体積ずつ、ガス流れの前段からガス流れの後段に向かって順に充填する方法が挙げられるが、このような組成比率、充填方法には限定されない。ここで、固形型固体酸触媒と固形型触媒とを混合したジメチルエーテル改質触媒を調製するときには、それぞれ粉末の状態で混合して成形してもよく、それぞれ、好ましくは10mmφ以下の球状もしくは粒状、直径及び高さが10mmφ以下の円柱状、又はリング状に成形した後、混合してもよい。
本発明の第三の実施形態によれば、DMEの高改質性能及び高耐久性という利点が得られる。
本発明の第四実施形態によるジメチルエーテル改質触媒は、スピネル構造のCuAl24結晶を含んでなる。かかるジメチルエーテル改質触媒は、スピネル構造を有するCuAl24結晶を主成分とするものである。スピネル構造のCuAl24結晶の他に、Zn、Al、Cr、Fe、Mn等の金属を含んでもよい。
このようなスピネル構造のCuAl24結晶を含んでなるジメチルエーテル改質触媒は、例えば、共沈法で、CuOとAl23とを原料として、調製した後、乾燥し、600℃で3時間程度焼成し、粉砕・成形することで得られる。このとき、成形体は、10mmφ以下の球状もしくは粒状、直径及び高さが10mmφ以下の円柱状、又はリング状とすることが好ましいがこれらには限定されない。
本発明の第四の実施形態よるジメチルエーテル改質触媒によれば、Cuを原子レベルで高分散させることによるDMEの高改質性能及び高耐久性という利点が得られる。
本発明の第五の実施形態によるジメチルエーテル改質方法は、前述のいずれかに記載のジメチルエーテル改質触媒またはジメチルエーテル改質触媒装置に、ジメチルエーテルと水蒸気とを、S/C(水蒸気/カーボン)=1〜20(mol/mol)となるように供給するステップを含む。
接触させるステップの前に、0.01〜100体積%のH2ガスを含むN2ガスを用い、室温〜500℃の範囲で、0.01〜200時間の範囲にわたってジメチルエーテル改質触媒を還元するステップを行うことが好ましい。上記処理を施す事で、DME改質活性をより高める事が出来るからである。
また、ジメチルエーテルと水蒸気とに加え、さらに、空気または酸素を、O2/C=1.5〜10(mol/mol)となるような範囲でジメチルエーテル改質触媒装置に接触させることが好ましい。下記(4)式を進行させる事で得られる反応熱をDMEの水蒸気改質反応に利用出来るからである。
CH3OCH3 + 3/2O2 = 3H2 + 2CO2 −604kJ/mol・・・(4)
しかしながら、空気または酸素の添加は本実施形態によるジメチルエーテル改質方法において必須の条件ではない。
これらのステップを実施する際、ジメチルエーテル改質触媒またはジメチルエーテル改質触媒装置に、ジメチルエーテルと水蒸気とを接触させる温度は、200〜600℃が好ましく、300〜500℃がさらに好ましい。また、圧力は、常圧で実施することができるが、加圧下に制限は無く使用できる。また、ガス流量は、GHSVで、10〜1,000,000h-1の範囲で使用することができる。
本発明の第五の実施形態によるジメチルエーテル改質方法によれば、DMEの高改質性能及び高耐久性という利点が得られる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例1]
炭酸ナトリウム2.5mol%を水2Lに溶解させ、60℃に保温したアルカリ溶液をAとした。次に硝酸アルミニウム0.015mol及び硝酸亜鉛0.225molを水400mlに溶解させ、60℃に保温した酸性溶液を溶液Bとした。また、硝酸カルシウム0.006mol及び硝酸マグネシウム0.012molを水300mlに溶かして60℃に保温した酸性溶液を溶液Cとした。さらに、硝酸銅0.3molを水400mlに溶かして60℃に保温した酸性溶液を溶液Dとした。まず、攪拌しながら溶液Aに溶液Bを30分にわたり均一に滴下し沈殿生成液Eを得た。次に、溶液Cを前記の沈殿生成液Eに30分にわたり均一に滴下し沈殿生成液Fを得た。さらに溶液Dを沈殿生成液Fに30分にわたり均一に滴下し、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛及び銅を含有した沈殿生成液Gを得た。沈殿生成液Gを2時間そのまま攪拌することにより熟成を行い、次に沈殿生成液Gのろ液及びNaイオン、NOイオンが検出されない様十分洗浄した。さらに、100℃で24時間乾燥し、その後、300℃で3時間焼成することにより固形型触媒粉末1−1を得た。
次に、ハメット法で測定した酸強度値H0が−8.0、ピリジン昇温吸着脱離法で測定した固体酸量が0.30mmol/g、BET一点法で測定した比表面積値が200m2/gであるγ−Al23からなる固形型固体酸触媒粉末1−2と、固形型触媒粉末1−1とが約100μmの粒形となるように各々を粉砕し、重量比1:1の割合で両者が均一に分布するよう混ぜ合わせた後、3mmφ×3mmLの円柱状に成形してジメチルエーテル改質触媒1を得た。この調製方法を調製法Aとする。
[実施例2]
実施例1のγ−Al23のからなる固体型固体酸触媒の代わりに、それぞれTiO2−SiO2、TiO2−Al23、TiO2−ZrO2、ZrO2−Al23、TiO2−P25、TiO2−B23、β−Al23、δ−Al23、θ−Al23、AlO(OH)、Na−Y型ゼオライト、Na−X型ゼオライト、Na−A型ゼオライト、NH4−β型ゼオライト、K−L型ゼオライト、Na型モルデナイト、K型フェリエライト、Na型メタロシリケートからなる固体型固体酸触媒を用いたこと以外は実施例1と同様にして、調製法Aによりジメチルエーテル改質触媒2〜19を得た。
[実施例3]
実施例1の固形型触媒粉末1−1と固形型固体酸触媒粉末1−2とを混ぜ合わせた後の形状を、5mmφ×5mmLの円柱状、1mmφの球状、3mmφの球状、外径5mmφ×内径2mmφ×高さ5mmφのリング状に代えて成形したこと以外は実施例1と同様にして、調製法Aによりジメチルエーテル改質触媒20〜23を得た。
[実施例4]
実施例1の固形型触媒粉末1−1と固形型固体酸触媒粉末1−2との混合比率(重量比)を10:1、5:1、2:1、1:2、1:5、1:10に代えたこと以外は実施例1と同様にして、調製法Aによりジメチルエーテル改質触媒24〜29を得た。
[実施例5]
炭酸ナトリウムを2.5mol%となるように水2Lに溶解させ、60℃に保温してこのアルカリ溶液をAとした。次に硝酸アルミニウム0.015mol及び硝酸亜鉛0.225molを水400mlに溶解させ、60℃に保温した酸性溶液を溶液Bとした。また、硝酸カルシウム0.006molを水300mlに溶かして60℃に保温した酸性溶液を溶液Cとした。さらに、硝酸銅0.3molを水400mlに溶かして60℃に保温した酸性溶液を溶液Dとした。まず、攪拌しながら溶液Aに溶液Bを30分にわたり均一に滴下し沈殿生成液Eを得た。次に、溶液Cを前記の沈殿生成液Eに30分にわたり均一に滴下し沈殿生成液Fを得た。さらに溶液Dを沈殿生成液Fに30分にわたり均一に滴下し、カルシウム、アルミニウム、亜鉛及び銅を含有した沈殿生成液Gを得た。沈殿生成液Gを2時間そのまま攪拌することにより熟成を行い、次に沈殿生成液Gのろ液及びNaイオン、NOイオンが検出されない様十分洗浄した。さらに、100℃で24時間乾燥し、その後、300℃で3時間焼成することにより固形型触媒粉末30−1を得た。
次に、ハメット法で測定した酸強度値H0が−8.0、ピリジン昇温吸着脱離法で測定した固体酸量が0.30mmol/g、BET一点法で測定した比表面積値が200m2/gであったγ−Al23からなる固形型固体酸触媒粉末30−2と、固形型触媒粉末30−1とを約100μmの粒形となるよう各々を粉砕し、両者が均一に分布するように重量比1:1の割合で混ぜ合わせた後、3mmφ×3mmLの円柱状の成形してジメチルエーテル改質触媒30を得た。この調製方法を調製法Bとする。
[実施例6]
炭酸ナトリウムが2.5mol%となるように水2Lに溶解させ、60℃に保温してこのアルカリ溶液をAとした。次に硝酸アルミニウム0.015mol及び硝酸銅0.3molを水400mlに溶かして60℃に保温した酸性溶液を溶液Bとした。まず、攪拌しながら溶液Aに溶液Bを30分にわたり均一に滴下し、アルミニウム及び銅を含有した沈殿生成液Cを得た。沈殿生成液Cを2時間そのまま攪拌することにより熟成を行い、次に沈殿生成液Cのろ液及びNaイオン、NOイオンが検出されない様に、十分洗浄した。さらに、100℃で24時間乾燥し、その後、300℃で3時間焼成することにより固形型触媒粉末31−1を得た。
次に、ハメット法で測定した酸強度値H0が−8.0、ピリジン昇温吸着脱離法で測定した固体酸量が0.30mmol/g、BET1点法で測定した比表面積値が200m2/gであるγ−Al23からなる固形型固体酸触媒粉末31−2と、固形型触媒粉末31−1とを約100μmの粒形となるよう各々を粉砕し、両者が均一に分布するように重量比1:1の割合で混ぜ合わせた。、3mmφ×3mmLの円柱状の成形してジメチルエーテル改質触媒31を得た。この調製方法を調製法Cとする。
[実施例7]
実施例6の硝酸アルミニウム0.015molの代わりに硝酸亜鉛、硝酸クロム、硝酸マンガン、硝酸鉄を0.225mol用いたこと以外は実施例6と同様にして、調製法Cによりジメチルエーテル改質触媒32〜35を得た。
[実施例8]
炭酸ナトリウムを2.5mol%となるように水2Lに溶解させ、60℃に保温してこのアルカリ溶液をAとした。次に硝酸アルミニウム0.015mol及び硝酸亜鉛0.225molを水400mlに溶解させ、60℃に保温した酸性溶液を溶液Bとした。また、硝酸銅0.3molを水400mlに溶かして60℃に保温した酸性溶液を溶液Cとした。まず、攪拌しながら溶液Aに溶液Bを30分にわたり均一に滴下し沈殿生成液Eを得た。次に、溶液Cを前記の沈殿生成液Eに30分にわたり均一に滴下し、アルミニウム、亜鉛及び銅を含有した沈殿生成液Fを得た。沈殿生成液Fを2時間そのまま攪拌することにより熟成を行い、次に沈殿生成液Fのろ液及びNaイオン、NOイオンが検出されない様十分洗浄した。さらに、100℃で24時間乾燥し、その後、300℃で3時間焼成することにより固形型触媒粉末36−1を得た。
次に、ハメット法で測定した酸強度値H0が−8.0、ピリジン昇温吸着脱離法で測定した固体酸量が0.30mmol/g、BET一点法で測定した比表面積値が210m2/gのTiO2−SiO2からなる固形型固体酸触媒粉末36−2と、固形型触媒粉末36−1とを、約100μmの粒形となるように各々粉砕し、重量比1:1の割合で両者が均一に分布するよう混ぜ合わせた後、3mmφ×3mmLの円柱状の成形してジメチルエーテル改質触媒36を得た。この調製方法を調製法Dとする。
[実施例9]
実施例8の硝酸アルミニウム0.015molの代わりに硝酸クロム、硝酸マンガン、硝酸鉄を0.225mol用いたこと以外は実施例8と同様にして、調製法Dによりジメチルエーテル改質触媒37〜39を得た。
[実施例10]
実施例8のTiO2−SiO2からなる固体型固体酸触媒の代わりに、それぞれ、TiO2−Al23、TiO2−ZrO2、ZrO2−Al23、TiO2−P25、TiO2−B23、Na−Y型ゼオライト、Na−X型ゼオライト、Na−A型ゼオライト、NH4−β型ゼオライト、K−L型ゼオライト、Na型モルデナイト、K型フェリエライト、Na型メタロシリケートからなる固体型固体酸触媒を用いたこと以外は実施例8と同様にして、調製法Dによりジメチルエーテル改質触媒40〜52を得た。
[実施例11]
実施例8の固形型触媒粉末36−1と固形型固体酸触媒粉末36−2の混合した後の形状を、5mmφ×5mmLの円柱状、1mmφの球状、3mmφの球状、外径5mmφ×内径2mmφ×高さ5mmφのリング状に代えて成形したこと以外は実施例8と同様にして、調製法Dによりジメチルエーテル改質触媒53〜56を得た。
[実施例12]
実施例8の固形型触媒粉末36−1と固形型固体酸触媒粉末36−2との混合比率(重量比)を、それぞれ、10:1、5:1、2:1、1:2、1:5、1:10に代えたこと以外は実施例8と同様にして、調製法Dによりジメチルエーテル改質触媒57〜62を得た。
[実施例13]
実施例1の調製法A、実施例5の調製法B、実施例6の調製法C及び実施例8の調製法Dの成形前の混合手順にて、それぞれ、固形型固体酸触媒粉末と、固形型触媒粉末とを調製した。これらを、組成比率を変えて粉末状態で均一に混合した後、それぞれを3mmφ×3mmLの円柱状に成形して、四種類の触媒を得た。それぞれの混合比率(重量比)は、固形型固体酸触媒粉末:固形型触媒粉末が、10:0(触媒1)、7:3(触媒2)、3:7(触媒3)、0:10(触媒4)とした。これを、直径と長さの比が100の反応管に触媒1を反応管のガス流れ方向の上流端から1/4までの位置に、触媒2を反応管の1/4から2/4までの位置に、触媒3を反応管の2/4から3/4までの位置に、触媒4を反応管の3/4から下流端までの位置に、それぞれ同量ずつ配置してジメチルエーテル改質触媒装置63〜66を得た。
[実施例14]
実施例1の調製法A、実施例5の調製法B、実施例6の調製法C及び実施例8の調製法Dの成形前の混合手順にて、それぞれ、固形型触媒粉末及び固体酸粉末を調製し、それぞれ別個に成形して、3mmφ×3mmLの円柱状に成形した固形型固体酸触媒(固形型固体酸触媒成形体)と、3mmφ×3mmLの円柱状に成形した固形型触媒(固形型触媒成形体)を得た後、重量比1:1の割合で均一に混ぜ合わせたこと以外は実施例1、5、6及び8と同様にしてジメチルエーテル改質触媒67〜70を得た。
[実施例15]
実施例14と同様にして3mmφ×3mmLの円柱状に成形した固形型固体酸触媒と、3mmφ×3mmLの円柱状に成形した固形型触媒を得た。そして、直径と長さの比が100の反応管の前段に固形型固体酸触媒成形体を、反応管の後段に固形型触媒成形体を、それぞれ同体積だけ充填して、ジメチルエーテル改質触媒装置71〜74を得た。
[実施例16]
実施例14と同様にして3mmφ×3mmLの円柱状に成形した固形型固体酸触媒と、3mmφ×3mmLの円柱状に成形した固形型触媒を得た。これらを、組成比率を変えて、成形体の状態で均一に混合して、四種類の触媒を得た。それぞれの混合比率(重量比)は、固形型固体酸触媒成形体:固形型触媒成形体が、10:0(触媒1)、7:3(触媒2)、3:7(触媒3)、0:10(触媒4)とした。これを、直径と長さの比が100の反応管に、触媒1を反応管のガス流れ方向の上流端から1/4までの位置に、触媒2を反応管の1/4から2/4までの位置に、触媒3を反応管の2/4から3/4までの位置に、触媒4を反応管の3/4から下流端までの位置に、それぞれ同量ずつ配置してジメチルエーテル改質触媒装置75〜78を得た。
[実施例17]
20Lの容器にイオン交換水を5L入れ、その中に硝酸銅3水和物と硝酸亜鉛6水和物をCu:Al=2:1(重量比)、CuO+Al23=100gとなるように添加し、攪拌溶解した。次に、容器中を攪拌しながら市販の28%アンモニア水とイオン交換水を1:1(体積比)で希釈したアンモニア水を容器内に滴下し、pH=7とした。pH=7となった後、アンモニア水の滴下を止め、1時間攪拌後、遠心分離機で洗浄濾過した。そして、110℃に設定した乾燥器で1晩乾燥後、600℃×3h焼成を施す事で触媒粉末79を得た。得られた触媒粉末79を約100μmの粒径となるよう各々を粉砕した後、3mmφ×3mmLの円柱状に成形してジメチルエーテル改質触媒79を得た。この調製方法を調製法Eとする。なお、本触媒をX線回折装置にて結晶構造を確認した結果、スピネル構造CuAl24を形成していた。
[比較例1]
実施例1にて、得られた固形型触媒粉末1−1のみを3mmφ×3mmLの円柱状で固形化させて比較触媒1を得た。
[比較例2]
特開2001−96159号公報の実施例1の通り、市販のγ−Al23(比表面積200m2/g)の円柱状成形品(3.2mmφ×3.2mmL)92gを、45重量%の硝酸銅水溶液(硝酸銅3水和物30.4g)に加え、50〜80℃の範囲で加熱して硝酸銅を含浸させた。次いで、乾燥炉にて100℃で水分を蒸発させた後、500℃で3時間焼成することにより、アルミナに8重量%の銅が担持された比較触媒2を得た。
[比較例3]
特開2003−38957の実施例1の通り、炭酸水素アンモニウム140.4gを1186mlのイオン交換水と共に5Lの丸底フラスコに入れ溶解し、40℃に保持した。また、硝酸銅(5水塩)195g及びホウ酸18.8gをイオン交換水1290mlに溶解し、40℃とした溶液を前述の炭酸水素アンモニウム溶液へ注加した。続いて同溶液をに、酸化亜鉛49.35gをイオン交換水500mlに分散したスラリーを加え、直ちに炭酸ガスを6L/hの流速で吹き込んだ。1時間後、80℃へ昇温し、30分保持した。炭酸ガスは2時間で停止し、60℃まで冷却した。濾過、洗浄、濾別した沈殿物にアルミナゾル(日産化学工業#200)60gとイオン交換水60mlの混合スラリーを加え、混練した。次いで、80℃で乾燥後、380℃で焼成した。この焼成粉20mlに市販のγ−アルミナ(比表面積230m2/g)を等体積量加え、乾式でよく混合し、3mmφ×5mmhの円柱形状に打錠成形したものを20〜35メッシュに粉砕、整粒した。このように銅、亜鉛、アルミニウムを主成分とする比較触媒3を得た。
[実験例]
ジメチルエーテル改質触媒1〜79と、比較触媒1〜3とについて、ジメチルエーテル改質試験を実施した。改質試験は、直径と長さの比が100の反応管にジメチルエーテル改質触媒1〜62、71〜79、比較触媒1〜3をそれぞれ充填したジメチルエーテル改質触媒装置、またはジメチルエーテル改質触媒装置63〜70に、ジメチルエーテルを接触させることにより実施した。それぞれの触媒のジメチルエーテル改質性能は、試験中、反応管出口から排出されたガスのH2、CO及びCO2濃度をガスクロマトグラフによって測定することにより算出した。
実施例と比較例1の試験条件を表1に、比較例2の試験条件を表2に、比較例3の試験条件を表3に示す。また、それぞれの触媒の組成、調製方法を表4〜表7に示す。表4〜表7中、固形型触媒:固形型固体酸触媒の混合比率は触媒層全体における混合比率をいい、調製方法の欄に記載したA〜Eは、実施例中で説明した調製法A〜Eを表す。実施例13、15、16の触媒装置における、固形型触媒:固形型固体酸触媒の混合比率とその配置を表8に示す。ジメチルエーテル改質性能を表9〜表11に示す。本発明によるジメチルエーテル改質触媒1〜79は、反応管入口温度が300℃〜400℃の温度域において、比較触媒1〜3よりも、2〜4倍程度高いジメチルエーテル改質性能を得ることが出来た。
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本発明のジメチルエーテル改質触媒の活用例として、燃料電池の原料である水素を製造するプラント等で使用することができる。

Claims (16)

  1. 固形型固体酸触媒と、
    アルカリ土類金属、Cuの融点よりも高融点の金属、および希土類金属からなる群から選択される一以上の金属と、Cuとを含んでなる固形型触媒と
    を含むジメチルエーテル改質触媒。
  2. 2種類以上の固体酸を含んでなる固形型固体酸触媒と、
    少なくともCuを含んでなる固形型触媒と
    を分散配位させたジメチルエーテル改質触媒。
  3. 固形型固体酸触媒と、
    Cuと、ZnまたはAlのいずれかとを含んでなる固形型触媒と
    を含むジメチルエーテル改質触媒。
  4. 前記固形型固体酸触媒が、H0>−10.0の固体酸強度と、0.15mmol/g以上の固体酸量と、20m2/g以上の比表面積とを有する請求項1から3のいずれかに記載のジメチルエーテル改質触媒。
  5. 前記固形型固体酸触媒が、TiO2−SiO2、TiO2−Al23、TiO2−ZrO2、ZrO2−Al23、TiO2−P25、TiO2−B23、γ−Al23、β−Al23、δ−Al23、θ−Al23、またはAlO(OH)である請求項1または3に記載のジメチルエーテル改質触媒。
  6. 前記固形型固体酸触媒が、TiO2−SiO2、TiO2−Al23、TiO2−ZrO2、ZrO2−Al23、TiO2−P25、またはTiO2−B23である請求項2または3に記載のジメチルエーテル改質触媒。
  7. 前記固形型固体酸触媒が、M−Y型ゼオライト、M−X型ゼオライト、M−A型ゼオライト、M−β型ゼオライト、M−L型ゼオライト、M−モルデナイト、M−フェリエライト、またはM−メタロシリケート(M=Na、K、NH4)である請求項1〜6のいずれかに記載のジメチルエーテル改質触媒。
  8. 前記固形型触媒がZnまたはAl、あるいはそれらの両方をさらに含む請求項1〜7のいずれかに記載のジメチルエーテル改質触媒。
  9. 粒径が500μm以下の粒状の前記固形型固体酸触媒と、粒径が500μm以下の粒状の前記固形型触媒とを混合した後、成形してなる請求項1〜8のいずれかに記載のジメチルエーテル改質触媒。
  10. 10mmφ以下の球状もしくは粒状、直径及び高さが10mmφ以下の円柱状、又はリング状に成形した前記固形型固体酸触媒と、10mmφ以下の球状もしくは粒状、直径及び高さが10mmφ以下の円柱状、又はリング状に成形した前記固形型触媒とを混合してなる請求項1〜8のいずれかに記載のジメチルエーテル改質触媒。
  11. スピネル構造のCuAl24結晶を含んでなるジメチルエーテル改質触媒。
  12. ガス流れ前段に充填した固形型固体酸触媒と、
    ガス流れ後段に充填した少なくともCuを含んでなる固形型触媒と
    を含むジメチルエーテル改質触媒装置。
  13. 固形型固体酸触媒と少なくともCuを含んでなる固形型触媒とを充填してなるジメチルエーテル改質触媒装置であって、ガス流れ前段からガス流れ後段にかけて該固形型固体酸触媒の該固形型触媒に対する重量比率が小さくなるように、該固形型固体酸触媒と該固形型触媒とが混合されて充填されているジメチルエーテル改質触媒装置。
  14. 前記固形型固体酸触媒が、触媒の総重量のうち、10〜90重量%となるように含まれている請求項12または13に記載のジメチルエーテル改質触媒装置。
  15. 請求項1〜11のいずれかに記載のジメチルエーテル改質触媒または請求項12〜14のいずれかに記載のジメチルエーテル改質触媒装置に、ジメチルエーテルと水蒸気とが、水蒸気/ジメチルエーテル中のC=1〜20(mol/mol)となるように供給するステップを含むジメチルエーテル改質方法。
  16. さらに空気又は酸素を、O2/ジメチルエーテル中のC=1.5〜10(mol/mol)となるように供給する請求項15に記載のジメチルエーテル改質方法。
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