JP4665044B2 - 燃料改質用触媒、改質器及び燃料電池システム - Google Patents

燃料改質用触媒、改質器及び燃料電池システム Download PDF

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Description

本発明は、水素製造のための燃料改質用触媒、特にメタノールやジメチルエーテルなどの炭化水素系液体燃料の水蒸気改質用触媒、およびCO濃度低減のためのシフト反応用のシフト触媒、あるいは液体燃料合成用の反応等に用いることが可能な触媒、それを用いた改質器、それを用いた燃料電池システム及び触媒の製造方法に関するものである。
固体高分子型燃料電池(PEFC)は、低温で動作し小型化が可能なことから一般家庭用あるいはモバイル機器用の電源として普及が期待されている。
このPEFCの燃料となるのが水素で、効率、コストの点から炭化水素系の燃料を“改質”反応させて水素を取り出し、燃料電池に供給する方法が有力である。
ここで反応の担い手となるのが改質触媒であり、また改質された混合ガス中に含まれる一酸化炭素CO濃度を低濃度化するCOシフト触媒の性能も重要である。
一般に、これら触媒には高い反応性と生成するガスの選択性が要求される。Cu系材料は貴金属系の材料に比べて、安価で、入手も容易な上これらの性能に優れるため、すでに一部の燃料電池システムにも採用されている。しかし、Cu系材料の最大の弱点は耐酸化性および耐シンタリング性にある。いったん大気にさらされると急な発熱を伴って酸化し、Cu粒子同士が凝集して活性が低下してしまう。また、300℃を超える温度において粒子の成長、すなわちシンタリングが起こってしまう。このことから、使用にあたっては、厳密な温度管理とエアの混入を防止する対策が必要となっている。
しかし、今後の燃料電池システムにおいては、省エネの観点から頻繁な起動停止が求められ、また、効率向上・小型化の観点からはシステム停止時に徐々にエアが入り込むのを許す設計や、あるいは運転停止時に水蒸気パージ後にエアによるパージを行うシステムなども検討されている。これらの問題は、特にモバイル用として用いられる場合に不可欠な要素となる。したがって、厳密な温度管理とエアの混入を避ければならない従来のCu系材料の使用は困難である。
従来のCu系材料触媒の1つとして、アルミナなどのセラミックス多孔質基材上に沈殿法などにより触媒前駆体となるCu成分を含む粒子を付着させ、焼成した後に還元してCu粒子を析出させたものがある。この方法により生じたCu粒子は、粒径が小さく比表面積を大きく調整できるが、粒子同士が重なり合って存在する状態となる。そのため、一旦大気に触れ酸化が起こってしまうと容易に粒子同士が凝集・合体してしまい、比表面積が下がり、結果的に活性が低下するという問題点がある。
また、Cu−Zn/Al系触媒に関して、特許文献1には共沈法による触媒作製法が提案されている。共沈法で得られた粉末を低温(300〜600℃)で焼成して触媒前駆体を得、次にこれを還元してアルミナなどのセラミックス多孔質基材上にCu粒子を析出させるというものである。各成分の量比を適切に調節することにより還元で析出させたCu粒子は分散性よく、熱によるシンタリング(凝集)が少ないとしている。
しかしながら、この方法で得られた触媒では、Cu粒子と基材との密着性(結合性)に問題があり、長時間使用するときに、その耐久性が問題となる。
なお、これらの方法において、還元前の触媒前駆体は、CuOもしくはCuOが含まれる組成となっており、このためCuを析出させる温度は150℃から300℃程度で良い。
一方、非特許文献1及び非特許文献2には、スピネル型複合酸化物を還元処理して得た触媒について報告されている。この文献中では、Cu−Al系、Cu−Mn系、Cu−Mn−Fe系スピネル型複合酸化物を還元処理して得た触媒が評価されており、Cu−Mn系、Cu−Mn−Fe系スピネル型複合酸化物を還元処理して得た触媒が最も活性が高いとされている。しかしながらこれらが還元されてできるMnOなどの基材は機械的強度の点で問題があり、また、Mnがいくつかの価数を取り得るため長時間使用による安定性が懸念される。また、この文献において、スピネル型複合酸化物の還元温度は粒成長を考慮して250〜300℃程度としている。そのため非特許文献2に示されたCu−Al系スピネル型複合酸化物CuAl触媒は、比表面積が大きいにもかかわらず触媒活性が低い。これは還元温度が250〜300℃と低く、Cuが析出途中にあること(Cuの析出量が少ない)が主に原因しているものと考えられる。
一方、我々のこれまでの研究において、還元析出法により作製したCo系触媒が、COガスシフト反応において優れたCO濃度低減と選択性を示すことが明らかになった。しかしCo系の触媒は、高温の酸化条件下に置いた際、表面にCoなどの酸化物が形成されると、この酸化物は極めて安定であるため、触媒活性が失われると共に、少なくとも十分還元性の高い雰囲気下で350℃以上の温度で熱処理を行わないと元の金属状態に戻らないことが確認されている。特に改質ガスのようにCOが共存する雰囲気下において還元は容易ではなく、さらに高い400〜500℃の高温が必要となっている。Co系材料は、COシフト反応用以外にも炭化水素系燃料の改質や、液体燃料合成用触媒としても有用であり、酸化に対して対策を講じておくことは使用の幅を広げることで特に重要である。
特開2004−202310号公報
Appl.Catal. A:Genaral, 242, 287 (2003) 第94回触媒討論会予稿集, 390 (2004))
前述したように、Cu系材料を用いた触媒は、貴金属系触媒に比べて安価で入手が容易であり、改質触媒やCOシフト触媒等として期待されているが、現状のCu系触媒は耐酸化性、耐シンタリング性、基材と金属粒子との密着性、触媒性能などの特性に劣るという欠点がある。
また、Co系材料においても、貴金属系触媒に比べて安価で入手が容易であり、改質触媒やCOシフト触媒、液体燃料合成用触媒として期待されているが一旦酸化されると容易には還元されないという問題点がある。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、耐酸化性、耐シンタリング性、さらには基材と金属粒子の密着性に優れ、長寿命で、触媒性能も良好なCu系材料を用いた触媒、またそれを用いた改質器及び燃料電池システムを提供することを目的とする。
また本発明は、高い触媒性能を示すと共に酸化後も容易に復元(還元)可能なCo系触媒、またそれを用いた改質器及び燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の触媒は、Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物を用いた触媒前駆体を還元して得られる触媒であって、少なくとも表層部が、Alを含み、且つスピネル型複合酸化物CuAlのX線回折における最強線である(311)面の回折強度がCu、CuAlOおよびAlのそれぞれの最強線回折強度の5%以下である酸化物と、前記酸化物に埋め込み分散形成された金属Cu粒子とを備えることを特徴とする燃料改質用触媒である。
また、本発明の第1の触媒の製造方法は、Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物の触媒前駆体を350℃以上1000℃以下の温度にて還元熱処理することを特徴とする燃料改質用触媒の製造方法である。
本発明の第2の触媒は、Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物及びCo−アルミネートスピネル酸化物を用いた触媒前駆体を還元して得られる触媒であって、少なくとも表層部が、Alを含み、且つスピネル型複合酸化物CuAlのX線回折における最強線である(311)面の回折強度がCu、CuAlO及びAlのそれぞれの最強線回折強度に対して5%以下である酸化物と、前記酸化物に埋め込み分散形成された金属Cu粒子と、前記酸化物に埋め込み分散形成された金属Co粒子とを備えることを特徴とする燃料改質用触媒である。
本発明の第2の触媒の製造方法は、Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物とCo−アルミネートスピネル型複合酸化物とを用いた触媒前駆体を600℃以上1000℃以下の温度にて還元熱処理することを特徴とする燃料改質用触媒の製造方法である。
また本発明の第3の触媒は、前記第1の触媒と、固体酸触媒とを配合したことを特徴とする燃料改質用触媒である。
また本発明の第4の触媒は、前記第2の触媒と、固体酸触媒とを配合したことを特徴とする燃料改質用触媒である。
また、本発明は、前記第1の触媒〜前記第4の触媒と、前記触媒を担持する担持体と、前記触媒を担持した担持体を収納する容器とを具備し、外部から供給された燃料と水蒸気を前記容器内で反応させ反応物から水素を取り出すことを特徴とする改質器である。
また、本発明は、燃料電池と、前記改質器と、前記改質器にて取り出された水素を前記燃料電池に供給する水素供給路とを具備することを特徴とする燃料電池システムである。
<第1の触媒(Cu系触媒)について>
本発明者らは、Cu材料系触媒を得るにあたり、触媒前駆体としてCu−アルミネートスピネル型複合酸化物を用い、これを高温条件で還元することにより優れたCu材料系触媒が得られることを見出した。
Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物を還元すると、金属Cu粒子の析出とともに少なくとも表層部の構成相が変化し、基材組成がAlとCuAlOを主成分とする複合体となる。さらに還元を進めるとほぼ金属CuとAlのみの材料となり、このとき表層部にスピネル型複合酸化物CuAlはほぼ残存しないことが少なくともX線回折にて確認される。このような状態となった際に、安定で高い触媒性能を示す。このようにして得られた触媒は、基材である酸化物に、微細なCu粒子が一部埋め込まれるような形で分散して存在し、基材との密着性(結合性)が強固である触媒/基材一体型の構造となっている。埋め込まれるような形で分散している金属Cu粒子は触媒活性が高い上に、酸化等によるシンタリングや凝集が起こりに難い。また基材との結合も強固であるため脱離はほとんど起こらない。また、金属Cu粒子自体は表面にCuOやCuOが存在しても200℃程度で容易に還元再生され、繰り返し安定的に使用が可能になる。
<第2の触媒(Co系触媒)について>
本発明者らは、Co材料系触媒を得るに当たり、Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物及びCo−アルミネートスピネル酸化物が同時に存在し、かつ高温条件にて還元熱処理を行うことにより、Cuの存在によってCoの還元が促進され、酸化物上に金属Co粒子と共に金属Cu粒子が析出した触媒が得られること、また、この触媒が酸化された場合であっても金属Cu粒子の存在で金属Co粒子の還元が再び促進され、触媒性能を低下させることなく、酸化後も容易に元の状態に復元する触媒を得ることができることを見出した。例えば、この触媒をいったん強制的に酸化処理した後、20%程度のCOを含む改質ガス中におくだけで(約35%のHを含む)350℃に温度を上げれば再生復帰する。
上記の触媒は、表層部に少なくともスピネル型複合酸化物CuAlほぼ残存しない程度に還元熱処理されている必要がある。またその条件の還元熱処理を行った場合CoAlも還元されほぼ残存しない傾向がある。このようにして得られた触媒は、基材となる酸化物に、金属Cu粒子、金属Co粒子が一部埋め込まれるような形で存在し、基材との密着性(結合性)が強固である触媒/基材一体型の構造となっている。また、埋め込まれるような形で分散しているCu粒子、Co粒子は触媒活性が高い上に、酸化等によるシンタリングや凝集が起こりに難い。また基材との結合も強固であるため脱離はほとんど起こらない。
本発明によれば、耐酸化性、耐シンタリング性、さらには基材と金属粒子の密着性に優れ、長寿命で、触媒性能も良好なCu系材料を用いた触媒を得ることができる。
また本発明は、高い触媒性能を示すと共に酸化後も容易に復元(還元)可能なCo系触媒を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば非貴金属系触媒の欠点である酸化後の性能維持を図れることになり、安価な材料を提供できるとともに、触媒としての性能を大きく向上させることが可能となる。
また、これらの触媒を用いた改質器は、具備する触媒が上記の作用効果を有しているため、高い燃料改質能を有しかつ長寿命な改質器を提供することができる。
また、この改質器を用いた燃料電池システムは、高効率かつ使用期間が長いという特徴を有する。さらに、酸化に対する耐性を有していることから、特にシステム停止時に後段からのゆっくりした酸素の混入を許容したり、Nガスパージを使わなくて済む(パージ用のボンベを必要としなくなる)設計を可能にするため、システムの小型・コンパクト化が図れることになる。
図1は、一実施形態にかかる炭化水素系燃料改質器を示す模式図である。 図2は、一実施形態にかかるハニカム状に作製した触媒を示す模式図である。 図3は、一実施形態にかかるハニカム状の触媒の断面図である。 図4は、実施例にかかる改質性評価用の実験装置を示す概略図である。 図5は、実施例2で得られた触媒試料の組織図である。 図6は、実施例1で得られた触媒試料のメタノール改質試験結果を示す特性図である。 図7は、スピネル型複合酸化物CuAlのH中における還元温度に対する重量変化を示す特性図である。 図8は、比較例1の触媒試料のメタノール改質試験結果を示す特性図である。 図9は、スピネル型複合酸化物CuAl、CoAlの混合物のH中における還元温度に対する重量変化を示す特性図である。 図10は、実施例9にて作製したγ−Alと触媒の混合体を用いたDMEの改質実験における改質温度に対する転化率を示す特性図である。 図11は、実施例1の触媒前駆体の還元前のX線回折の回折結果を示す特性図である。 図12は、実施例1の触媒前駆体の還元後のX線回折の回折結果を示す特性図である。 図13は、実施例2の触媒前駆体の還元後のX線回折の回折結果を示す特性図である。 図14は、実施例3の触媒前駆体の還元後のX線回折の回折結果を示す特性図である。
<第1の触媒(Cu系触媒)>
以下、第1の触媒について説明する。
第1の触媒は、Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物を用いた触媒前駆体を還元して得られるものである。このとき少なくとも表層部が、Alを含み、且つスピネル型複合酸化物CuAlのX線回折における最強線である(311)面の回折強度がCu、CuAlOおよびAlのそれぞれの最強線回折強度に対して5%以下である酸化物と、前記酸化物に埋め込み分散形成された金属Cu粒子を具備する。
この第1の触媒を構成する前記酸化物は、表層部のみならず内部まで、Alを含み、且つスピネル型複合酸化物CuAlのX線回折における最強線である(311)面の回折強度がCu、CuAlOおよびAlのそれぞれの最強線回折強度に対して5%以下である状態であっても良い。
前記酸化物中にはさらにTiを含有することが望ましい。Tiを含有する粒子は、緻密化が進行し、基材としての強度が高い。特に触媒全体を多孔体化して用いる場合に最適である。Tiの含有量は還元前の触媒前駆体の状態で、金属量換算で0.01〜2重量%の範囲であることが触媒としての性能を大きく変化させない上で望ましい。このときチタンは酸化物焼結体中に化合物を形成した形で含有されていてよいがこれに限定されない。
前記酸化物中にはさらにZnを含有することが望ましい。Znを含有する粒子は、活性と安定性が向上する。Znの含有量は還元前の触媒前駆体の状態で、金属量換算で10重量%〜50重量%の範囲であることがCuの触媒性能を高めるために望ましい。このときZnは化合物を形成した形で含有されていて良く、例えばZnOの形で含有されているのが好ましいが、これに限定されない。
表面に金属Cu粒子を析出させた基材となる酸化物の大きさ、形状は特に限定されない。例えば一般的には平均粒径が1μm〜10μm程度の粒子状のものが挙げられるがこれに限定されない。
酸化物に埋め込み分散形成された金属Cu粒子の少なくとも95%は、その粒径が、200nm以下であることが好ましい。Cu粒子がこれ以上の大きさになると、触媒比表面積の低下を来たし、かつ隣接粒子間距離も近くなる可能性が高くなり酸化時に粒子間で合体・凝集が起こりやすくなり、性能が低下する恐れがあるからである。また少なくとも作製初期の状態では酸化物に埋め込み分散形成された金属Cu粒子の少なくとも95%は粒径が5nm以上であることが触媒性能を保つために望ましい。
なお、上記した金属Cu粒子の粒径は、SEM写真による表面観察による金属Cu粒子の粒径測定から測定した値である。
第1の触媒において触媒中に含まれるCuの総量は5〜40重量%の範囲であることが望ましいがこれに限定されない。
なお、粒子が酸化物に埋め込み分散形成される状態とは基材中より還元析出させた金属ナノ粒子の一部が基材である酸化物中に分散して埋め込まれた状態で存在することを意味し、酸化物と粒子との界面が整合性良く結合されている状態を言う。
<製造方法>
前述の如くの第1の触媒を得るには、Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物を用いた触媒前駆体を特定温度条件にて還元熱処理することにより得られる。
以下に詳細に説明する。
<触媒前駆体>
前記触媒前駆体として用いられるCu−アルミネートスピネル型複合酸化物は、具体的にはCuAlを用いることが製造が容易であるなどの利点があり望ましい。また、CuAlOであっても良いし、CuAlとCuAlOとの混合物であっても良い。また、触媒前駆体中に未反応原料のAlを含んでいても良い。
触媒前駆体を得る過程は特に限定されない。例えば原料であるアルミニウム化合物と銅化合物とを混合した後焼結する方法がある。具体的には硝酸銅と硝酸アルミニウムなど金属塩を原料とし、これらを所定比混合して水溶液化し、乾燥、焼成する方法、あるいはCuOとAlの原料とし、これらを所定比混合して、焼成する方法などがある。例えばCuAlはCuOとAlを約1:1のモル比で混合して焼成することにより得ることができる。
これらの方法において用いる原料粉末の粒径は小さいほど緻密化して強度を持たせることができるので好ましいが、焼成時にガス加圧やプレスなどを組み合わせて緻密化を進めても構わない。
また、焼結性を高めて緻密化をより進行させ触媒前駆体の密度を向上させること及び、金属の析出を安定化させるために、原料であるアルミニウム化合物と銅化合物に加えてTi成分を添加することが望ましい。Ti成分は、TiOなどのチタン酸化物などのチタン化合物が挙げられる。Ti成分は、触媒前駆体(焼結体)全体に含まれる金属元素量に対して金属換算で0.012重量%以上2重量%以下となるように添加することが好ましい。0.01重量%未満では添加による効果が小さく、2重量%を超えると、焼結時の収縮が大きく割れる可能性があるからである。
また触媒活性と安定性を向上させるため、原料であるアルミニウム化合物と銅化合物に加えてZn成分を添加することも望ましい。Zn成分は、ZnOなどの亜鉛酸化物など、亜鉛化合物が挙げられる。Zn成分は、触媒前駆体(焼結体)全体に対して金属換算でZn量が10重量%以上50重量%以下とすることが望ましい。
触媒前駆体を得る際の焼成(熱処理)の温度は700℃以上1300℃以下とするのが好ましい。より好ましくは900℃以上1200℃以下である。これまでの検討で、内部から還元析出により金属粒子を形成する方法において、基材である複合酸化物自体の比表面積の影響は比較的小さく、比表面積の高い触媒前駆体を敢えて用意する必要ないことが明らかになっている。一体型の触媒では、むしろ焼結性を上げ強度を持たせるほうがより効果的と考えられ、このような理由から上記温度範囲が適当であると考えられる。基材が適度な強度をもつことは、基材自体を構造化、多孔化してモノリス型触媒として用いる場合に特に重要な要素となる。
なお、スピネル型複合酸化物CuAlを得る際は、この系が単相もしくはAl相リッチ側の組成になるように混合・焼成する。焼結体内部にCuO相あるいはCuO相が残存すると、より低い温度でCuの析出が起こり、結果的に組織が不均一になる可能性があるからである。
<還元熱処理>
以上のようにして得られた触媒前駆体に対して還元熱処理を行う。還元熱処理は、水素雰囲気中で熱処理しても良いし、不活性ガス中でカーボンなどの還元性物質と同時に熱処理する方法であっても良い。
前述の如くCu−アルミネートスピネル型複合酸化物の触媒前駆体を用いた場合、還元処理時の熱処理温度は350℃以上1000℃以下で行う。より好ましくは400℃以上800℃以下である。
通常250〜350℃と想定される触媒の使用温度を考えると、Cuの還元熱処理はそれ以上の温度で行うことが求められる。またスピネル型Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物のCuAlでは350℃付近の加熱で金属Cuの析出を開始し、AlとCuAlOの複合体となる。600℃付近ではこのCuAlOからのCuの析出も始まる。還元熱処理温度が350℃より低いと金属Cuの析出が十分でない可能性があり、また、Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物CuAlが多く残存する。この物質が多く残存すると使用中に改質反応で生成した水素によりさらに析出が起こり性能が安定しない可能性がある。また、1000℃より高い場合には既に析出したCu粒子が合体・粒成長してしまう可能性がある。
還元熱処理時間は還元温度にもよるがCu粒子の十分な析出を行わせる時間を確保することが好ましい。具体的には例えば数分から数時間であり、還元時の重量減少が2〜8%程度になるように温度と時間を調整することが好ましい。
ちなみに、市販のCu−Zn/Al系触媒を得る場合、熱重量分析(TG)の結果、触媒前駆体としてAl基材上に被覆されたCu系酸化物を用いるが、還元によるCuの析出は150℃付近から開始する。したがって、還元熱処理は150℃〜200℃と、はるかに低い温度である。
また非特許文献1に示されたスピネル型複合酸化物CuAlを還元熱処理した触媒は比表面積が大きいにもかかわらず活性でなかったのは、還元熱処理温度が250〜350℃と低くCuの析出が十分ではなく、CuAlが残存していることが考えられる。
<第2の触媒(Co系触媒)>
以下、第2の触媒について説明する。
第2の触媒は、Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物及びCo−アルミネートスピネル酸化物を用いた触媒前駆体を還元して得られるものである。少なくとも表層部が、Alを含み、且つスピネル型複合酸化物CuAlのX線回折における最強線である(311)面の回折強度がCu、CuAlO及びAlのそれぞれの最強線回折強度に対して5%以下である酸化物と、前記粒子に埋め込み形成された平均粒径5nm以上200nm以下の金属Cu粒子と、前記粒子に分散して埋め込み形成された平均粒径5nm以上200nm以下のCo粒子と、を具備する。
この第2の触媒を構成する酸化物は、表層部のみならず内部まで、Alを含み、且つスピネル型複合酸化物CuAlのX線回折における最強線である(311)面の回折強度がCu、CuAlO及びAlのそれぞれの最強線回折強度に対して5%以下である状態であっても良い。
表面に金属Cu粒子を析出させた基材酸化物の平均粒径は特に限定されない。例えば一般的には粒径が1μm〜10μm程度のものが挙げられるがこれに限定されない。
酸化物に埋め込み形成された金属Cu粒子の少なくとも95%は、その粒径が200nm以下であることが好ましい。Cu粒子がこれ以上の大きさになると、触媒比表面積の低下をきたし、かつ隣接粒子間距離も近くなる可能性が高くなり酸化時に粒子間で合体・凝集が起こりやすくなり、性能が低下する恐れがあるからである。また酸化物に埋め込み分散形成された金属Cu粒子の少なくとも95%は粒径が5nm以上であることが触媒性能を保つために望ましい。
酸化物に埋め込み形成された金属Co粒子の少なくとも95%はその粒径が200nm以下に抑えることが好ましい。Co粒子がこれ以上の大きさになると、触媒比表面積の低下を来たし、かつ隣接粒子間距離も近くなる可能性が高くなり酸化時に粒子間で合体・凝集が起こりやすくなり、性能が低下する恐れがあるからである。またまた酸化物に埋め込み分散形成された金属Co粒子の少なくとも95%は粒径が5nm以上であることが触媒性能を保つために望ましい。
第2の触媒において酸化物に埋め込み形成された金属Coの量は5〜40重量%の範囲であることが望ましいがこれに限定されない。
第2の触媒においては、Cuは主にCo粒子の還元再生を容易にする作用を果たす。そのため酸化物に埋め込み形成された金属Coの量に対する金属Cuの量は0.01mol%以上5mol%以下であることが望ましい。より好ましくは0.01mol%以上2mol%以下である。0.01mol%より少ないと還元されにくいCoそのものの性質が現れてしまうし、2mol%以上加えるとCuの性質が強調されてしまうためである。
<製造方法>
前述の如くの第2の触媒を得るには、Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物とCo−アルミネートスピネル型複合酸化物とを用いた触媒前駆体を特定温度条件にて還元熱処理して金属Cuと金属Coを同時に析出することにより得られる。以下に詳細に説明する。
<触媒前駆体>
前記触媒前駆体として用いられるCu−アルミネートスピネル型複合酸化物として、CuAl、若しくはCuAlOが挙げられ、CuAlの方が、製造が容易であるなどの利点があり望ましい。CuAlOとCuAlの混合物であっても良い。
Co−アルミネートスピネル型複合酸化物としては、具体的にはCoAl、若しくはCoAlOが挙げられ、CoAlの方が製造が容易であり望ましい。CoAlOとCoAlの混合物であっても良い。
触媒前駆体は、Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物とCo−アルミネートスピネル型複合酸化物は複合体を形成していることが望ましい。また、触媒前駆体中に未反応原料のAlを含んでいても良い。
触媒前駆体を得る過程はとくに限定されない。例えば、原料であるアルミニウム化合物と銅化合物と、コバルト化合物を混合した後焼結して複合体を得る方法がある。原料の混合には溶液法(金属塩水溶液混合や共沈法、ゾルーゲル法など)であっても良いし、粉末による混合であっても良い。具体的には例えば、出発原料に酸化物粉末を用い、CuOとCoOそれとAlを所望の割合で混合し、プレス成形して電気炉にて焼結する方法がある。
触媒前駆体を得る際の焼成(熱処理)の温度は適度な密度の焼結体を得るために700℃以上1300℃以下とするのが好ましい。より好ましくは900℃以上1200℃以下である。
なお、焼結体中には可能な限りCuOやCuOおよびCoOやCoなどの酸化物を残存させないことが好ましい。これらが多く残存すると、還元時により低い温度でCuやCoの析出が起こってしまい、最終的に形成される組織が不均一になる可能性があるからである。焼結体はCuAlとCoAlの2相のみから成ることがより好ましいが、Al相が過剰に存在するのは構わない。
<還元熱処理>
以上のようにして得られた触媒前駆体に対して還元熱処理を行う。還元熱処理は、水素雰囲気中で熱処理しても良いし、不活性ガス中でカーボンなどの還元性物質と同時に熱処理する方法であっても良い。
スピネル型複合酸化物CoAlは、700℃付近の加熱で金属Coの析出が始まってCoAlOを生成し、その後、850℃付近からはさらにCoAlOから金属Coが析出して最終的に基材はAlだけになる。Cu系、Co系の両スピネル複合酸化物が同時に含まれると、還元開始温度がCu系スピネル型複合酸化物単独の還元温度よりも高温側にシフトしていくことが明らかになった。以上の点を鑑み、還元温度は600℃以上1000℃以下とするのが好ましく、より好ましくは800℃以上1000℃以下である。600℃より低い場合には触媒性能を発現するのに十分な金属析出量が得られない。1000℃より高い場合には、析出粒子の粒成長が生じ、やはり触媒活性が低下する原因となる。
還元熱処理時間は還元温度にもよるが金属Cu粒子、金属Co粒子の十分な析出を行わせる時間を確保することが好ましい。具体的には例えば数分から数時間であり、還元時の重量減少が2〜8%程度になるように温度と時間を調整することが好ましい。
<触媒の使用方法>
本発明にかかる第1、第2の触媒は、例えば、定置用の改質型燃料電池やモバイル用の燃料電池に用いる液体燃料の改質、COシフト触媒として有用に用いることができる。
前記液体燃料の改質用としては具体的にはメタノールのみならずジメチルエーテル(DME)等の炭化水素系燃料の改質用触媒としても有用である。特にDMEは、安全無害で容易に蒸気化せしめることが可能なため、メタノールと同様、燃料の有力な候補になっている燃料であり、この燃料の改質が可能な触媒は非常に有用である。DMEの改質は次の2段階の反応により進められる。一つは、DMEの加水分解で、メタノールへと分解を進める。そしてもう一つは生成したメタノールを効率よく改質しHを取り出すことである。
なお、第2の触媒は、Cu系触媒や貴金属系触媒に比べ、改質やシフト反応に対し活性な温度は比較的高い(Cu系に比べて50〜100℃高い)が、反応の選択性が高く、また、触媒活性も高いため、改質やシフト触媒として有用である。またこの触媒は、メタノールなどの液体燃料合成用の触媒としても有用である。
本発明の第1の触媒もしくは第2の触媒は、加水分解促進作用の高い固体酸触媒を組み合わせ、第1の触媒と固体酸触媒を配合した触媒(第3の触媒)或いは第2の触媒と固体酸触媒を配合した触媒(第4の触媒)を用いると、DME改質用の触媒として特に有用である。これらの組み合わせは触媒活性の高さと、大気に晒されても何度でも繰り返ししよう可能な耐久性を併せ持つことができる。
このとき固体酸触媒としてはγ−Al、q―Al、アナターゼ型チタニア、ジルコニア、ゼオライト、メタロシリケート、ヘテロポリ酸、およびTi、Si、Al、Zrから成る成分を少なくとも2種以上を含む複合酸化物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。
また固体酸触媒の配合比率は、第1の触媒若しくは第2の触媒に対して30重量%以上70重量%以下であることが望ましい。この量が少ないと加水分解が十分に生じず、また多すぎると改質が十分にはされないからである。
本発明の第1の触媒の製造方法もしくは第2の触媒の製造方法によれば、触媒成分である金属を触媒前駆体から析出させ、その残部を基材とし、触媒成分と基材とが一体化される。
したがって、触媒前駆体をあらかじめペレット状やハニカム状、フォーム状あるいはシート状に成形した後・焼成、還元熱処理することも可能である。このことは特に、触媒として複雑な形状を付与したい場合や非常に微細な構造をもつ反応器を作製する場合などにおいて、より効果が期待できる。特に本発明の第1の触媒の製造方法もしくは第2の触媒の製造方法の利点に、いかなる形状の試料においても、成形焼結後に表面部に金属粒子の析出を図るため、均一で重なり等の無い触媒組織を形成できることがある。これにより、特に、微細に加工された溝内部や複雑形状をした試料表面部に均一で安定な触媒組織を形成することができる。
もちろん、いったん焼成した触媒前駆体を細かく粉砕して粉末化し、セラミックスあるいは金属で加工した前記形状を有する担体に付着させた後還元して用いることも可能である。
本発明の第1の触媒〜第4の触媒を改質器にて使用する場合について述べる。改質器の構成としては、本発明の第1の触媒〜第4の触媒を粒子状にして容器に収める構成が例として挙げられる。
本発明の一実施形態にかかる炭化水素系燃料改質器の構成を、図1に模式的に示す。
図示する炭化水素系燃料の改質器においては、炭化水素系燃料保管用のタンク10に、CHOHやジメチルエーテル(DME)などの液体燃料が収容され、こうした燃料を改質するための水は、改質剤タンク20に収容される。燃料および改質剤は、それぞれ予備加熱装置30,40において気化され、容器60内の混合器50に導入される。混合されたガスは、容器60内に配置されたリフォーミング触媒層80内で反応して水素を主成分とする燃料に改質される。
図示する例では、リフォーミング触媒層80内を均一に加熱するためにバーナー70が使用されるが、触媒による燃焼加熱あるいは生成した水素の一部を還流させて燃焼させる方法を採用してもよい。
リフォーミング触媒層80には、例えば図2に示すようなハニカム状に作製した触媒110を装填することができる。本発明の実施形態においては、触媒前駆体から金属粒子を還元により析出させるので、図3に模式的に示すように、ガス等の流路となるハニカム内壁100の表面に金属粒子90を形成することができる。また、このようなハニカム状の触媒とすることによってハンドリングが容易となり、燃料や改質ガスの流れに対する圧力損失を格段に低減することが可能である。
改質器から得られた改質ガスを燃料電池用の燃料として用いる際には、改質器の容器から水素供給路(図示せず)を通じて、直接若しくは一酸化炭素変成器(図示せず)に供給して改質ガス中のCO濃度を減少させた後、固体高分子膜型燃料電池等(図示せず)の燃料極に供給すればよい。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1、2、3)
CuO粉末とAl粉末を等モル秤量してボールミルを用いて混合し、φ21mm×4mmのペレット状にプレス成形して、大気炉にて1100℃で2時間焼結した。得られた焼結体(触媒前駆体)の組成をX線回折装置にて同定し、比表面積をNガス吸着試験装置にて測定した。次に、焼結体を粗く粉砕し、200μmメッシュを通して篩い、それより大きいものを残してCHOH改質用の試験に供した。前記破砕片2gを用い、100cc/minの水素気流中、400℃で10分間(実施例1)、600℃で10分間(実施例2)、および900℃で0分間(900℃に達したらすぐ降温する。)(実施例3)、還元処理を行ってそれぞれ触媒試験用の試料とした。
次に実施例1〜3の試料に対し、メタノール改質試験および酸化試験を行った。還元した試料をいったん大気中に取り出し、図4に示す試験装置の反応容器(改質器)内に充填した。(補足:なお市販のCu系触媒はこのような扱いはしない。還元した粒子は容易に酸化凝集してしまうため、大気中に出すことはせず、必ず実際に用いる反応容器内で使用直前に水素還元して用いる。)送液はシリンジポンプにより行い、送液量としては、気化したときの換算でCHOH:50cc/minに対しHO:100cc/min(CHOH:HO=1:2)となるようにした。一部、CHOH:HO=1:4の実験も行った。ガスのキャリアとして、および内部標準用のガスとして50cc/minのNガスを用いた。改質後の混合ガスはトラップ槽にて液体成分を取り除き、ガスクロマトグラフィにて分析した。気化器の温度は150℃とし、改質器の温度は200〜350℃の間で変化させた。配管はすべてステンレス製で、途中は気化したガスが凝縮しないようにテープヒーターにて150℃に加熱した。
反応器を350℃に保ったままNガスでパージし、さらにエア組成となるようにNとOを約15分間導入し、試料を酸化させた。
酸化後、再びラインをNでパージし、前回と同様に改質実験を実施した。一連の酸化−改質試験を5回繰り返したのち、実験を終了して材料の組織をSEMにて観察した。
次に、実施例1の試料に対しシフト触媒としての性能を評価するシフト試験を行った。図4に示した改質器の後段にシフト反応器を取り付け、試料2gを用い、シフト反応器内に充填した。シフト反応器に導入する改質ガスとして、実際の触媒改質により改質された改質ガスを用いて実験を行った。試料2gを用い、シフト反応器内に充填した。用いた改質ガスの組成は概ね、H:32%、CO:5%、CO:8%、CH:1%、N:20%、HO:34%である。反応の前後でのCO濃度の変化、およびH生成量を調べた。さらに、Nガスによるパージを行った後、350℃でエア組成になるようにNとOを15分間導入して酸化させた。この酸化させた試料を還元せずに再度350℃にて、再度シフト試験を行った。触媒性能を評価すると共に試験後試料を取り出してSEMによる組織観察を行った。
(比較例1)
市販のCu−Zn系触媒(タブレット状)を用いて、実施例1と同じ条件にてメタノール改質試験および酸化試験を行った。ただし、還元処理は改質反応器内にセットしてから100cc/min、10%のH/Ar混合気流中、200℃で1時間行った(反応器内で還元処理を行ったのは、還元後に大気にとり出すと著しく酸化が進行してしまうので、それを避けるためである)。なお、この触媒の触媒前駆体はCuO若しくはCuOが含まれる組成となっている。
(比較例2)
実施例1にて作製した触媒前駆体の還元温度を325℃×10分にした以外は実施例1と同様に試料の作製及びメタノール改質試験及び酸化試験を行った。
(実施例4)
硝酸銅と硝酸アルミニウムの水和物を、CuとAlの元素比が1:2になるように混合して水溶液とした。エバポレータにて水分を蒸発させたのち、Ar中にて110℃で2時間および500℃で10時間の熱分解処理を行った。作製した混合粉末を原料としてφ21mm×4mmのペレット状にプレス成形し、大気炉にて1100℃、2時間の焼結を行った。この焼結体を粗く粉砕し、600℃で10分間水素還元処理を行って実施例1と同様にメタノール改質試験及び酸化試験に供した。
(実施例5)
等モル量に秤量したCuO粉末とAl粉末に、触媒前駆体全体に対してTi量が金属換算で0.3重量%となるようにTiO粉末を微量混合し、ボールミルにより湿式混合を行った。混合液を乾燥させた後、プレス機にて成形した。成形体を大気炉中で1100℃、2時間焼結を行った。焼結体(触媒前駆体)を粗く粉砕し、600℃で10分間の還元処理を行って、前記実施例1と同様にメタノール改質試験及び酸化試験に供した。
実施例5にて作製した試料に対して実施例1と同様にシフト触媒としての性能を評価するシフト試験を行った。
(実施例6)
等モル秤量したCuO粉末とAl粉末に、触媒前駆体全体に対してZn量が金属換算で40wt%になるようにZnO粉末を加え、ボールミルにより湿式混合を行った。混合液を乾燥させた後、プレス機にて成形した。成形体を大気炉に入れ、1100℃で2時間焼成を行った。得られた焼結体を粗く粉砕し、600℃で10分間還元処理を行って、実施例1と同様にメタノール改質試験及び酸化試験に供した。
(実施例7)
実施例6のCuO−Al−ZnO系の材料に、触媒前駆体全体に対してTi成分量が0.3重量%になるようにTiOを混合した以外は実施例6と全く同様に試料を作製し、実施例1と同様にメタノール改質試験及び酸化試験を行った。
(実施例8)
CuO粉末とCoO粉末とAl粉末をモル比で0.2:9.8:10に秤量して混合し、φ21mmのペレット状にプレス成形した後、大気炉にて1300℃で5時間焼結した。
得られた焼結体の組成をX線回折装置にて同定し、比表面積をNガス吸着試験装置にて測定した。次に、焼結体を粗く粉砕し、200μmメッシュを通して篩い、それより大きいものを残してCHOH改質用の試験に供した。前記破砕片2gを用い、100cc/minの水素気流中、還元条件は900℃で0分還元処理を行って(900℃に達したらすぐ降温する。)実施例1と同様のメタノールの改質試験及び酸化試験と実施例1と同様のシフト試験に供した。
(比較例3)
CuO粉末を添加しないでCoO粉末とAl粉末のみから触媒前駆体を得た以外は実施例8と同様にして試料を得、実施例1と同様にシフト試験を実施した。
(実施例9)
実施例1の試料とγ−Alをそれぞれ1.5gずつ秤量して混合して試料を作製した。γ−Alは扱いやすいように、粉末をプレスして粗く粉砕したものを用いた(以下、γ−Alに関しては同様の処理をしたものとする)。
この試料に対しDME改質試験及び酸化試験を行った。DME改質試験及び酸化試験は、DME:HOの混合比は1:4(DMEがCHOHに加水分解したときにCHOH:HO比として1:2に相当)とする以外は実施例1のメタノール改質試験及び酸化試験と同様に行った。
(実施例10)
実施例1の試料とH型ペンタシル型ゼオライトをそれぞれ1.5gずつ秤量して混合し試料を作製した。ゼオライト触媒は、予め固形状に加工したものを用いた。
この試料に対し実施例9と同様のDME改質試験及び酸化試験を行った。
(実施例11)
実施例1の試料とヘテロポリ酸の一種であるタングステンーリン触媒(HPW1240)をそれぞれ1.5gずつ秤量して混合し試料を作製した。HPW1240は水に溶解させたものを市販のγ−Alボールに付着、乾燥させたものを用いた。
この試料に対し実施例9と同様のDME改質試験及び酸化試験を行った。
(実施例12)
本発明にかかわるCu―アルミネートスピネル型複合酸化物はそれ自体、さまざまな形状を付与させることが可能である。ペレット状やハニカム状、フォーム状などさまざまな使用の形態があるが、ここではその代表例としてセラミックフォーム化したものを例に説明する。その製造には通常のセラミックスの焼結プロセスが使用できる。
CuO粉末とAl粉末を等モル秤量して、有機バインダーを加え混合しスラリー化した後、ポリウレタン製のスポンジ(フォーム)表面に付着させた。前記セラミックス被覆ポリウレタンフォームをゆっくりと昇温し、骨格であるポリウレタンを熱分解により焼失させた(700℃×10時間)。このとき、急激な燃焼による崩壊を防ぐため、ArないしN等の不活性雰囲気下で加熱を行った。完全にポリウレタンを焼失させた後、大気雰囲気に移して1150℃で5時間本焼結を行った。得られた焼結体をH気流中で600℃、10分間還元して試料を得た。得られた試料を実施例1と同様のメタノール改質試験及び酸化試験に供した。
(実施例13)
実施例12で作製したフォーム表面にCuOとAlのスピネル型複合酸化物を形成したセラミックス試料(還元をする前段階のもの)の表面にγ−Alの前駆体となる層をゾルーゲル法にて被覆形成した。これを600℃で熱処理し、表面に固体酸としてのγ−Al相を形成した触媒前駆体を得た。得られた焼結体をH気流中で600℃、10分間還元して試料を得た。この処理温度ではγ−Alの相は高比表面積のまま維持されているものと考えられる。この試料に対し実施例9と同様のDME改質試験及び酸化試験を行った。
(実施例14)
アルミナで構成されたセラミックフォームを、硝酸銅と硝酸アルミニウムをモル比で1:2の割合になるように混合した水溶液に浸漬し、表面に触媒前駆体となるCu−Al系の成分を付着形成させた。乾燥後、N雰囲気中で500℃、10時間熱処理することにより、硝酸塩を熱分解させてフォーム表面にCuOとAlの混合酸化物層を形成した。その後、大気中にて1150℃で5時間焼成し、セラミックフォーム表面にCu―アルミネートスピネル型複合酸化物の形成を図った触媒前駆体を作製した。次にこれを600℃で10分間水素還元処理し、表面にCu粒子を析出形成した。
この試料に対し、実施例1と同様にメタノール改質実験及び酸化試験を行った。
(実施例15)
実施例14で作製したCu―アルミネートスピネル型複合酸化物層を形成したセラミックス試料の表面にγ−Alの前駆体となる層をゾルーゲル法にて被覆形成し、600℃で熱処理して固体酸としてのγ−Al相を形成した。これを触媒前駆体とした。本材料を600℃で10分間水素雰囲気下で熱処理を行う還元熱処理を行って試料を得た。
この試料に対し実施例9と同様のDME改質試験及び酸化試験を行った。
(実施例16)
実施例1にて作製したCuAlを主成分とする焼結体を1μm程度の微粒子になるよう機械的に粉砕した。この粉砕粉末を用いて、アルミナのゾルと同時にアルミナ製セラミックフォーム表面に被覆層を形成した。実施例15と同様に乾燥、焼成、還元熱処理を行い試料を得た。
この試料に対し実施例9と同様のDME改質試験及び酸化試験を行った。
(実施例17)
硝酸銅水和物と硝酸アルミニウム水和物を1:2の割合になるように混合して水に溶かし、水溶液とした。前記混合水溶液をエバポレータを用いて乾燥した後、Ar雰囲気にした電気炉に入れ乾燥のため110℃で1時間、熱分解処理のため500℃で10時間焼成した。その後、得られた粉末を大気炉に移し、1000℃で2時間熱処理を行った。これにより、Cu−Al系の複合酸化物の微粒子を得た。前記微粒子をγ−Alを含むゾルと同時にα−Alで構成されるセラミックフォーム上に被覆した。実施例15と同様に水素中、600℃で10分間還元熱処理を行い試料を得た。
この試料に対し実施例9と同様のDME改質試験及び酸化試験を行った。
以下に各実施例の試料の分析結果及び試験の結果について説明する。
<実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2の試料の分析及び試験結果>
(実施例1の試料の分析結果)
実施例1にて作製された触媒前駆体の組成は、X線回折の結果、ほぼスピネル型CuAlと同定され、ごく微量CuAlO相を有するものであった。この還元前の触媒前駆体のX線回折の回折結果を図11に示す。
前記触媒前駆体を400℃で還元した実施例1の試料の表面層は、CuとCuAlOとAl相がそれぞれ検出された。実施例1の触媒前駆体の還元後の試料のX線回折の回折結果を図12に示す。実施例1の試料ではCuAlは検出されなかった。少なくとも表層部のすべてのCuAlが還元されていた。
実施例1で得られた触媒の組織写真を図5に示す。数10nmサイズのCu粒子が、セラミックスの表面部に分散性高く析出しているのがわかる。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。Cu粒子の大きさは、試料破断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察上、10nmから60nm程度の間で分散していた。Cu粒子は基材であるセラミックスに半ば埋め込まれたような形で存在している。この組織性状は、酸化後においてもほとんど変わらなかった。
実施例1のHガスの化学吸着法による金属比表面積は1.2m/gであった。
(実施例2の試料の分析結果)
実施例1にて作製された触媒前駆体を600℃で還元した実施例2の試料の表面層は、CuとCuAlOとAl相がそれぞれ検出された。実施例2の試料のCuAlのX線回折における測定ではCuAlの存在は認められなかった。実施例2の触媒前駆体の還元後の試料のX線回折の回折結果を図13に示す。400℃で還元した実施例1の材料に比べ、Cuの強度がより強くなっており、析出が進んでいることがわかる。また、実施例2の試料においてもCu粒子が、セラミックスの表面部に分散性高く析出していた。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。Cu粒子の大きさは、試料破断面のSEM観察上、20nmから80nm程度の間で分散していた。Cu粒子は基材であるセラミックスに半ば埋め込まれたような形で存在している。この組織性状は、酸化後においてもほとんど変わらなかった。
実施例2のHガスの化学吸着法による金属比表面積は1.5m/gであった。
(実施例3の試料の分析結果)
実施例1にて作製された触媒前駆体を900℃で還元した実施例3の試料の表面層は、CuとAl相がそれぞれ検出された。実施例3の触媒前駆体の還元後の試料のX線回折の回折結果を図14に示す。実施例3の試料でもCuAl相の存在は認められなかった。また、実施例3の試料においてもCu粒子が、セラミックスの表面部に分散性高く析出していた。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。Cu粒子の大きさは、試料破断面のSEM観察上、40nmから120nm程度の間で分散していた。Cu粒子は基材であるセラミックスに半ば埋め込まれたような形で存在している。この組織性状は、酸化後においてもほとんど変わらなかった。
実施例3のHガスの化学吸着法による金属比表面積は1.5m/gであった。
(比較例2の試料の分析結果)
実施例1にて作製された触媒前駆体を325℃で還元した比較例2の試料の表面層は、Cu、CuAlOおよびCuAlが検出され、CuAlのX線回折における最強線である(311)面の回折強度はCu、CuAlOおよびAlの最強線回折強度に対してそれぞれ、50%、90%、200%(すなわち、Alより多い)であった。ちなみに、還元温度300℃では、X線回折によりCuの存在はほとんど検出されず、また、SEMによる観察でもCu粒子を捕らえることができなかった。
(実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2の試料の試験結果)
実施例1の試料での1回目のメタノール改質試験の結果、および複数回の酸化処理後の改質試験の結果(メタノール転化率)を図6(a)に示す。横軸試験温度に対して縦軸は投入されたメタノールの何%が水蒸気との改質反応に使われたかを示している。図には、改質試験1回目の結果と、2回目、5回目のそれぞれの結果を示してある。図6(a)において、●は1回目、○2回目、△は5回目に相当する。
また、1回目のメタノール改質試験における改質outガスの組成を図6(b)に示す。改質反応により出てくるガスは、ほぼ75%のHと25%のCOであることがわかる。5回目の改質試験後のoutガス組成も全く変化はみられず、ほぼHとCOから成る組成であった。
図6から明らかなように、300℃でほぼすべてのメタノールが改質反応に使われ、改質ガスの組成もHとCOのみという理想的な性能を示している。また、この結果は、350℃で15分間強制酸化させた後も低下しないことがわかる。むしろ、若干酸化後に活性が良くなる(転化率が上がるのは)傾向が見られる。その後、酸化−改質試験をさらに4回(全5回)繰り返した後も特に性能における低下が見られないことが明らかになった。
また、別途CHOHと、混合するHOとの量比を1:4とした場合には、転化率はより低温側で上昇し、250℃でほぼ100%に達した。生成ガスは、1:2の場合と全く同様、HとCOだけという結果には変わりはなかった。実用化においては、特にモバイル目的でこの改質触媒を用いることを想定すると、燃料タンクの量は極力少なくした方が好ましいため、若干転化率は落ちるが、以後、CHOHと混合するHO量1:2とした場合についての結果のみ述べる。
実施例2の試料においては、実施例1とほとんど同じ性能を示した。一方、比較例2の試料においては、ほとんど触媒活性はみられなかった。
図7にスピネル型複合酸化物CuAlのH中における還元温度に対する重量変化を示す。図中Weight
loss(%)の値が−側であればあるほど、還元により酸素が抜けCuが析出しているものと考えられる。これより明らかなように、300℃ではほとんど還元によるCuの析出は起こっておらず、このため活性が低かったものと考えられる。この図で最初の大きな重量減少(350〜600℃)はCuAlからCuが析出してCuAlOとAlが生成する過程で、次の重量減少(600〜700℃)はさらにCuAlOからCuが抜けてAlになる過程であると考えられる。このことからも還元温度は少なくとも350℃以上に上げてCuの析出を十分に行わせた方が良いことがわかる。
一方、比較例1の市販のCu−Zn系触媒のメタノール転化率を図8に示す。この材料は150℃以上の温度で還元が始まるものであり、還元前のCuの状態はCuOの形態である。高すぎる還元温度はCu粒子の粒成長を促し、比表面積の低下すなわち大きな活性の低下を引き起こすとされており、通常250℃以上に上げないようにされている。還元後のフレッシュな試料の活性は非常に高く、特に低温側で優れていることがわかる。選択性もほぼHとCOのみと高い。しかし、酸化後には1回目の酸化で10%程度活性が低下した。比表面積の低下とともに組織観察でも多くの凝集した粒子が観察された。このように、酸化は明らかな触媒性能の低下をきたすことわかる。
実施例3試料の結果は、メタノール転化率が100に達する温度がやや低く、280℃程度と成ったこと以外は、実施例1とほとんど同じ性能を示した。これは析出しているCuの総量が実施例1および2に比較して多いことが影響していると考えられる、改質反応により出てくるガスは、ほぼ75%のHと25%のCOであった。また、酸化後の改質性能およびoutガス組成もほとんど変化はみられなかった。
また、実施例1に示す材料を用いてシフト反応試験を行った結果、300℃で約88%のCOがCOおよびHに転化されるのがわかった。また、より高い350℃で強制的に酸化させた後の材料においても、特に還元処理をする必要もなく、改質ガス中に含まれるHで還元再生し、酸化前と同等のシフト性能を示すことが明らかになった。
<実施例4、実施例5、実施例6、実施例7の分析結果及び試験結果>
(実施例4の試料の分析結果)
出発原料として硝酸塩を用いた実施例4にて作製された触媒前駆体の組成は、X線回折の結果、実施例2と同様にほぼスピネル型CuAlと同定され、ごく微量CuAlO相を有するものであった。
一方、前記触媒前駆体を還元した実施例4の試料の表面層は、CuとCuAlOとAl相がそれぞれ検出された。実施例4の試料においてもCuAlは検出されなかった。また、実施例4の試料においてもCu粒子が、セラミックスの表面部に分散性高く析出していた。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。Cu粒子の大きさは、試料破断面のSEM観察上、10nmから60nm程度の間で分散していた。Cu粒子は基材であるセラミックスに半ば埋め込まれたような形で存在している。この組織性状は、酸化後においてもほとんど変わらなかった。出発原料として硝酸塩を用いた実施例4においては、実施例1の試料に比べて同じ焼結温度でもより材料の緻密化が観察された。
(実施例5の試料の分析結果)
実施例5にて作製された触媒前駆体の組成は、X線回折の結果、ほぼCuAlと同定された。TiOを加えた試料ではCuAlO相が検出されなかった。
一方、前記触媒前駆体を還元した実施例5の試料の表面はCuとCuAlOとAl相がそれぞれ検出された。
実施例5の試料でも実施例2と同様、CuAl相は検出されなかった。また、実施例5の試料においてもCu粒子が、セラミックスの表面部に分散性高く析出していた。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。Cu粒子の大きさは、試料破断面のSEM観察上、20nmから60nm程度の間で分散していた。Cu粒子は基材であるセラミックスに半ば埋め込まれたような形で存在している。この組織性状は、酸化後においてもほとんど変わらなかった。
(実施例6の試料の分析結果)
実施例6にて作製された触媒前駆体の組成は、X線回折の結果、主成分のCuAlとCuAlOおよびZnOと同定された。
一方、前記触媒前駆体を還元した実施例6の試料の表面層は、Cuと、ZnOおよびCuAlOとAlがそれぞれ検出された。
実施例6の試料の還元後のX線回折における測定ではCuAlの存在は認められなかった。また、実施例6の試料においてもCu粒子が、セラミックスの表面部に分散性高く析出していた。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。Cu粒子の大きさは、試料破断面のSEM観察上、20nmから60nm程度の間で分散していた。Cu粒子は基材であるセラミックスに半ば埋め込まれたような形で存在している。この組織性状は、酸化後においてもほとんど変わらなかった。
(実施例7の試料の分析結果)
実施例7にて作製された触媒前駆体の組成は、X線回折の結果、ほぼCuAlとZnOと同定された。
一方、前記触媒前駆体を還元した実施例7の試料の表面層は、Cuと、ZnOおよびCuAlOとAlがそれぞれ検出された。
実施例7の試料の還元後のX線回折における測定ではCuAlの存在は認められなかった。また、実施例7の試料においてもCu粒子が、セラミックスの表面部に分散性高く析出していた。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。Cu粒子の大きさは、試料破断面のSEM観察上、20nmから60nm程度の間で分散していた。Cu粒子は基材であるセラミックスに半ば埋め込まれたような形で存在していた。この組織性状は、酸化後においてもほとんど変わらなかった。
(実施例4、実施例5、実施例6、実施例7の試料の試験結果)
実施例4の試料のメタノール改質性能は、実施例1で示したものとほぼ同等の結果を示した。より緻密質であるという点で触媒の機械的強度が増し、特にこの材料そのものをモノリス触媒として用いる場合に効果的であることがわかった。
このような緻密化促進の効果は、実施例5に示すように、微量のTiOを添加したときにも顕著に現れた。TiOを添加し焼成した焼結体は大きく収縮し、密度は、例えばTiOを0.6重量%加えた場合にTiOを添加せずにCuO粉末とAl粉末だけで焼成したそれと比較しておよそ1.5倍になった。微量に添加するTi成分は、メタノールの改質性能をほとんど変化させないことがわかった。ただし、Ti成分を適量以上に導入すると、改質温度が高温側にシフトすることも明らかになった。微量のTi成分の添加は触媒性能を低下させずに材料の機械的強度を向上させるのに有効であることがわかる。
また、実施例6のZn成分の添加した触媒前駆体を600℃で還元した試料は、図5に示したのと同様に、Cu粒子が基材上に孤立分散した組織となった。Zn成分の添加により、同じ量の触媒に対してCu含有量が少なくなることにはなるが、一般的なCu−Zn系触媒に見られるように低温での活性と高い選択性(ほとんどHとCOのみ)が観察された。市販材料に近い低温活性を示したのに加え、Cu粒子を分散して析出させているため、酸化させても性能低下は見られなかった。
同様に、Zn成分と微量のTi成分とを同時に添加した実施例7においてもメタノール改質における高い活性と、酸化に対する耐久性が確認された。しかも、このTi添加材においては密度が高くなっており、この触媒自体をモノリス化しても安定な強度を発現できるものと考えられる。
また、Ti成分を加えて作製した実施例5の試料において、シフト試験を行った結果、実施例1の試料と同様、300℃で約88%のCOがCOおよびHに転化されるのがわかった。また、より高い350℃で強制的に酸化させた後の材料においても、特に還元処理をする必要もなく、改質ガス中に含まれるHで還元再生し、酸化前と同等のシフト性能を示すことが明らかになった。このことにより、触媒性能に加え、機械的特性の点でも有利な材料の提供が可能になることが明らかになった。
以下に各試料の分析結果について述べる。
(実施例8、比較例3の試料の分析結果)
実施例8にて作製された触媒前駆体の組成は、X線回折の結果、ほぼCuAlとCoAlの混相であることが確認された。
一方、前記触媒前駆体を還元した試料の表面層は、Cu、CoおよびAlがそれぞれ検出され、CuAlおよびCoAlは全く検出されなかった。
また、この実施例8の試料においてもCu粒子が、セラミックスの表面部に分散性高く析出していた。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。CuおよびCo粒子の大きさは、試料破断面のSEM観察上、30nmから80nm程度の間で分散していた。Cu粒子およびCo粒子は基材であるセラミックスに半ば埋め込まれたような形で存在している。この組織性状は、酸化後においてもほとんど変わらなかった。
一方、比較例3の試料においては、Co粒子が析出していたが、Cu粒子の析出は当然なかった。
(実施例8、比較例3の試料の試験結果)
実施例8における触媒前駆体、スピネル型複合酸化物CuAl、CoAlの混合物のH中における還元温度に対する重量変化を図9に示す。図中Weight
loss(%)の値が−側であればあるほど、CuAl、CoAlが減少し、その代わり金属Cu、金属Coが析出しているものと考えられる。図7との比較から分かるように、CuとCoが同時に存在することで金属Cuの析出温度が高温側にシフトしていることがわかる。両者は750℃を越えるあたりから析出が始まると考えられる。実際、900℃で還元した試料の組成は、Cu、CoとAlであった。この材料の酸化前のシフト性能は、比較例3のCoOのみを用いた場合と同等の性能、すなわち350℃で最も活性でCO転化率は93%を示した。Coを主成分とする触媒の最適使用温度はCu系よりも50℃ほど高温側ではあるが、Cu系に比べ、より高いCO濃度から低減が図れる特徴がある。
また、350℃酸化後もほとんど変化ない性能が得られた(350℃で最大。CO転化率94%)。この場合、酸化後に特に還元処理をしてないことから、Cu系と同様、使用温度の350℃において改質ガス中に含まれるHにより還元され再生したものと考えられる。
一方、比較例3に示す、析出粒子がCoのみの触媒の場合、酸化後、350℃の試験温度では全く反応が起こらなかった。これは、別の実験で、Co系触媒の場合、還元性ガス中にCOが比較的高い濃度で含まれるときに還元がされにくくなり、十分に還元がなされるまでに600℃程度の温度が必要なことが明らかになっている。しかし、実施例8のように、Coと同時にわずかなCuが存在していると、COが含まれていても350℃で十分還元されることがわかった。
また、いったん酸化させたこの材料をメタノールの改質触媒として用いた実験では、還元処理を行っていないにもかかわらず、200℃前後で燃料であるCHOHとHOを投入した直後から改質反応が起こった。これは、まず、基材表面触媒中にわずかに存在するCu成分が容易に燃料と反応しHを生成し、このHによりCo粒子が次々と還元されていったものと考えられる。このように、酸化により形成されたCo表面のCo相は、Cuの存在により容易に還元され、再生可能であることが明らかになった。
<実施例9の試料の試験結果>
γ−Alと実施例1にて作製した触媒の混合体を用いたDMEの改質実験の結果(改質温度に対する転化率)を図10に示す。300℃で60%、350℃で94%の転化率であった。DME流量に対してHO流量が1:4と少ないことを考慮すると、この性能は良好である。また、生成するCOガス濃度も350℃で1%程度と低く抑えられた。この材料を大気中に取り出したのち、再び改質実験を行ったが、全く同じ性能を示した。
以上説明したように、還元析出法により作製したCu/Al系材料はメタノール改質に対して低温で活性で選択性に優れ、酸化しても容易に再生可能であるという特徴がある。生成するガスはほぼHとCOのみでCO濃度も1%を十分切るほどであるため、後段のシフト触媒が不要になる可能性もある。
また、Co系触媒において微量のCuを同時に析出させることでCoの還元を促し低温で再生させられることも明らかになった。
さらに、モバイル用としても有用なジメチルエーテル(DME)の改質触媒としても、γ−Alと同時に適用することにより、大きく効果を発揮できることが示された。
<実施例10の試料の試験結果>
ゼオライト固体酸触媒と実施例1の試料との組み合わせは、実施例9に示すγ−Alと実施例1にて作製した触媒の組み合わせによるDME改質試験におけるより低温で活性を示した。転化率は300℃で95%に達した。また、生成するCOガス濃度も350℃で1%程度と低く抑えられるのがわかった。ただし、ゼオライト系材料の場合は、350℃以上の高温ではCHの生成が顕著になるため、これ以下の温度で用いることが好ましいことが分かった。
<実施例11の試料の試験結果>
ヘテロポリ酸の一つであるリンータングステン酸化物(HPW1240)と実施例1の試料との組み合わせは、より低温側で活性を示した。DME改質試験における転化率は300℃で90%であった。また、生成するCOガス濃度も350℃で1%程度と低く抑えられるのがわかった。
<実施例12の試料の分析結果及び試験結果>
本発明による実施の形態の一つとして、触媒前駆体そのものをフォーム状に形成した。X線回折による構成相同定の結果、触媒前駆体は、CuAlを主成分とし、少量のCuAlOを含むものであることが明らかになった。これを水素還元した材料の構成相はCu、CuAlOおよびAlで、CuAl相は検出されなかった。すなわち、CuAlOおよびAlの複合相で構成されたセラミックフォームを骨格とし、その表面にCuの析出した構造となった。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。Cu粒子の大きさは、試料破断面のSEM観察上、20nmから80nm程度の間で分散していた。
この材料を用いてメタノール改質試験を行った結果、実施例1の結果と同様、300℃で転化率は100%に達し、改質ガスの組成もHとCOのみという理想的な性能を示した。この材料を大気中に取り出したのち、再び改質実験を行ったが、ほぼ同じ性能を示した。また、流量を高速にした場合の圧損も非常に小さいことがわかった。このことは同時に、材料をハニカム状に形成しても圧損少なく有効な改質が行えることを示している。本発明による基材一体型触媒の特徴である。
<実施例13の試料の分析結果及び試験結果>
作製されたセラミックス(触媒前駆体)は、X線回折による構成相同定の結果少なくとも表面部がγ−AlとCuAlおよびCuAlOにより構成されていた。これを還元し、Cuを析出させた試料は、Cu、CuAlO、Alおよびγ−Alにより構成され、CuAl相は検出されなかった。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。Cu粒子の大きさは、試料破断面のSEM観察上、20nmから80nm程度の間で分散していた。
この試料に対し、DME改質実験を行った結果、300℃で65%、350℃で95%の転化率であった。また、生成するCOガス濃度もほとんど検出されず、良好な性能が得られた。CHガスの生成は試験の範囲内では0であった。
<実施例14の試料の分析結果及び試験結果>
α−Alを骨格とするセラミックスフォームの表面に形成した触媒前駆体の層の組成は、X線回折による測定の結果、CuAlを主成分とし、少量のCuAlOを含むものであることが明らかになった。これを還元したものはCu成分と、CuAlOおよびAlにより構成され、CuAl相は検出されなかった。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。Cu粒子の大きさは、試料破断面のSEM観察上、20nmから60nm程度の間で分散していた。
この材料を用いてメタノール改質試験を行った結果、300℃で転化率100%を示し、実施例12に示すものとほぼ同等の改質性能を示すことがわかった。また、生成ガスも、ほぼ75%のHと25%のCOとCu系触媒の特徴を示した。また、酸化後の改質性能およびoutガス組成もほとんど変化はみられなかった。
<実施例15の分析結果と試験結果>
X線回折による触媒前駆体の構成相の測定では、γ−Alと、CuAlおよびCuAlOが同定された。これを還元したものは、γ−Alと、Cu、CuAlOおよびAlで、CuAl相は検出されなかった。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。Cu粒子の大きさは、試料破断面のSEM観察上、20nmから60nm程度の間で分散していた。
これを用いたDME改質試験の結果、300℃で64%、350℃で94%の転化率であった。また、生成するCOガス濃度もほとんど検出されず、良好な性能が得られた。CHガスの生成は試験の範囲内では0であった。
<実施例16の分析結果と試験結果>
骨格であるアルミナフォームの表面には、X線回折による構成相同定の結果、実施例1で作製したものと同じ触媒前駆体であるCuAlとCuAlOから成る粒子と、それを覆うようにして形成されたγ−Alの相が確認された。この材料を還元したところ、アルミナフォーム基体上に、γ−Alと、表面に20nmから60nm程度の大きさで析出分散されたCu粒子をもつ約1μmサイズの複合酸化物粒子(CuAlOとAlから成る)が同時に担持された構造を持つ触媒となった。200nm以上、5nm以下の粒子の存在は確認されなかった。この複合酸化物粒子の構成相としては、CuAlは検出されなかった。
これを用いたDME改質試験の結果、300℃で65%、350℃で95%の転化率が得られた。また、生成するCOガス濃度も1%以下とほとんど検出されず、良好な性能が得られた。CHガスの生成は試験の範囲内では0であった。
<実施例17の分析結果と試験結果>
骨格であるアルミナフォームの表面には、X線回折による構成相同定の結果、実施例1で作製したものと同じ触媒前駆体であるCuAlとCuAlOから成る微粒子と、それを覆うようにして形成されたγ−Alの相が確認された。この材料を還元したところ、アルミナフォーム基体上に、γ−Alと、表面に20nmから60nm程度の大きさで析出したCu粒子をもつ数10nmサイズの複合酸化物粒子(CuAlOとAlから成る)が同時に担持された構造を持つ触媒となった。200nm以上、5nm以下のCu粒子の存在は確認されなかった。この複合酸化物粒子の構成相としては、CuAlは検出されなかった。
これを用いたDME改質試験の結果、300℃で65%、350℃で95%の転化率が得られた。また、生成するCOガス濃度も1%以下とほとんど検出されず、良好な性能が得られた。CHガスの生成は試験の範囲内では0であった。
10・・・タンク
20・・・改質剤タンク
30、40・・・予備加熱装置
50・・・混合器
60・・・容器
70・・・バーナー
80・・・リフォーミング触媒層
90・・・金属粒子
100・・・ハニカム内壁
110・・・触媒

Claims (9)

  1. TiもしくはZnを含有するCu−アルミネートスピネル型複合酸化物を用いた触媒前駆体を還元して得られる触媒であって、 少なくとも表層部が、Alを含み、且つスピネル型複合酸化物CuAlのX線回折における最強線である(311)面の回折強度がCu、CuAlOおよびAlのそれぞれの最強線回折強度の5%以下である酸化物と、前記酸化物に埋め込み分散形成された金属Cu粒子とを備えることを特徴とする燃料改質用触媒。
  2. 請求項1記載の触媒と、固体酸触媒とを配合したことを特徴とする燃料改質用触媒。
  3. 請求項1又は請求項2記載の触媒と、前記触媒を担持する担持体と、前記触媒を担持する担持体を収納する容器とを具備し、外部から供給された燃料と水蒸気を前記容器内で反応させ反応物から水素を取り出すことを特徴とする改質器。
  4. 燃料電池と、 請求項3記載の改質器と、 前記改質器にて取り出された水素を前記燃料電池に供給する水素供給路とを具備することを特徴とする燃料電池システム。
  5. Cu−アルミネートスピネル型複合酸化物及びCo−アルミネートスピネル酸化物を用いた触媒前駆体を還元して得られる触媒であって、 少なくとも表層部が、Alを含み、且つスピネル型複合酸化物CuAlのX線回折における最強線である(311)面の回折強度がCu、CuAlO及びAlのそれぞれの最強線回折強度に対して5%以下である酸化物と、前記酸化物に埋め込み分散形成された金属Cu粒子と、前記酸化物に埋め込み分散形成された金属Co粒子とを備えることを特徴とする燃料改質用触媒。
  6. 金属Coに対する金属Cuの含有量は0.01mol%以上5mol%以下であることを特徴とする請求項5記載の燃料改質用触媒。
  7. 請求項5記載の触媒に、固体酸触媒を配合したことを特徴とする燃料改質用触媒。
  8. 請求項5又は請求項7記載の触媒と、前記触媒を担持する担持体と、前記触媒を担持する担持体を収納する容器とを具備し、外部から供給された燃料と水蒸気を前記容器内で反応させ反応物から水素を取り出すことを特徴とする改質器。
  9. 燃料電池と、 請求項8記載の改質器と、 前記改質器にて取り出された水素を前記燃料電池に供給する水素供給路とを具備することを特徴とする燃料電池システム。
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