JP2008296076A - ジメチルエーテル改質触媒およびその製造方法、並びに、水素含有ガスの製造方法 - Google Patents

ジメチルエーテル改質触媒およびその製造方法、並びに、水素含有ガスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ジメチルエーテルの改質反応において、比較的高い温度域でも高い活性、耐久性を有するジメチルエーテル改質触媒およびその製造方法を提供する。また、比較的高い温度域でも水素含有ガスを製造することができる水素含有ガスの製造方法を提供する。
【解決手段】銅および亜鉛を主たる金属成分として含み、篩別により0.5mm以下の粒子径とされた金属酸化物粒子と、篩別により0.5mm〜2mmの粒子径とされた活性アルミナ粒子とが配合されてなるジメチルエーテル改質触媒である。篩別により、銅および亜鉛を主成分として含む金属酸化物粒子の粒子径を0.5mm以下、活性アルミナ粒子を粒子径0.5mm〜2mmとし、前記篩別後の金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子とを混合するジメチルエーテル改質触媒の製造方法である。本発明のジメチルエーテル改質触媒の存在下で、ジメチルエーテルと水蒸気とを反応させる水素含有ガスの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジメチルエーテルから水素を生成させるジメチルエーテル改質触媒およびその製造方法、並びに、水素含有ガスの製造方法に関する。
水素ガスは、アンモニア合成、各種有機化合物の水素化、石油精製、脱硫等の化学工業用、または半導体や冶金の雰囲気ガス、ガラス製造等に広く使用されている。また、最近は自動車等の動力源となる燃料電池用の原料としても大いに注目されている。
水素ガスの製造方法としては、例えば、ナフサ、天然ガス、石油液化ガス等の炭化水素類の水蒸気改質法が知られている。これらの炭化水素類を用いる方法には、原料の脱硫が必要なこと、水蒸気改質時の反応温度が800〜1000℃と非常に高いこと等の問題がある。
一方、メタノールを原料とした水蒸気改質法もよく知られている。当該水蒸気改質法は、脱硫が不要で反応温度が低い等の利点があり、近年注目され、小規模から大規模まで多数の設備が設置されている。
また、最近では、ジメチルエーテルを原料とする水蒸気改質法による水素ガスの製造方法も注目されている。ジメチルエーテルは、常温において容易に液化するため、貯蔵や運搬等において液化プロパンガスと同等の取り扱いが可能である。そのため、クリーンな燃料として自動車および発電用途として期待されている。現在、ジメチルエーテルはメタノールの脱水反応によって製造されており高価ではあるが、合成ガスからの直接合成法が開発されるに至って、安価かつ大量に供給できる状況になりつつある。
ジメチルエーテルの水蒸気改質反応は、下記(1)式および(2)式の2段反応で進行するものと考えられている。また、これらの主反応の他に、下記(3)式のシフト反応や下記(4)式のメタネーション反応などにより少量の一酸化炭素やメタンが副生する。これらの反応により副生した一酸化炭素やメタンは、改質ガスからさらに高純度な水素を精製する際に除去しにくいため、極力少ない方が好ましい。熱平衡から見ると反応温度が低いほど、また、水蒸気(S)とジメチルエーテル(D)のモル比(以下、S/D比と記す)が大きいほど改質ガス中の副生物濃度を低くさせることができる。
CH3OCH3+H2O=2CH3OH−23.5kJ/mol ・・・(1)
CH3OH+H2O=CO2+3H2−49.5kJ/mol ・・・(2)
CO2+H2=CO+H2O−41.2kJ/mol ・・・(3)
CO+3H2=CH4+H2O+206.2kJ/mol ・・・(4)
ジメチルエーテルの水蒸気改質反応は(2)式のみのメタノール改質反応に比べて化学量論上は2倍量の水素を生成させることが可能であるが、(1)式の水和反応も吸熱反応であるため、より多くの熱量が供給されるように反応温度を高くする必要がある。従って、低温においても高い活性を示す触媒があれば、その分、反応温度を下げ放熱に伴う熱損失を減らし、熱効率を上げることが可能となり、外熱供給システムの大型化を避けることができる。
一方、ジメチルエーテルおよび水蒸気と共に空気を導入してジメチルエーテルの一部を酸化し、その熱を利用して(1)式および(2)式の主反応である吸熱反応を起こさせる自己熱供給型反応がある。この方法は、ジメチルエーテルの一部を(5)式に示すように水素および二酸化炭素に酸化し、この熱を利用して(1)式および(2)式の主反応を行うものである。この方法は、反応が継続されると熱の供給を必要としないので、反応開始時に必要な温度レベルにまで昇温するだけでよい。
CH3OCH3+3/2O2=3H2+2CO2+603.7kJ/mol(5)
ジメチルエーテルの水蒸気改質反応に使用される触媒としては、例えば、銅、亜鉛およびアルミニウムを含む金属酸化物を含有する触媒にゼオライトやシリカ−アルミナなどの固体酸を混合した触媒(例えば、特許文献1参照);銅、亜鉛、クロム、アルミニウムを含む金属酸化物を含有する触媒(例えば、特許文献2参照);白金、パラジウムなどの貴金属を用いた触媒(例えば、特許文献3,4参照);等が提案されている。しかしながら、従来知られているジメチルエーテルの水蒸気改質用触媒では、活性や耐久性が十分でなく、そのまま反応に使用するには問題があった。
例えば、特許文献1に記載されている触媒をジメチルエーテル水蒸気改質反応に使用する場合、反応熱により触媒成分である銅、亜鉛のシンタリングや触媒粒子の粉化等が起こるため、耐久性が低くなってしまう。また、個々の触媒を別個に成型し、物理混合することは、製造上の効率が低下するばかりでなく、充填が煩わしくなるなど量産化には不向きである。
また、特許文献2に記載されている触媒は、上記4成分を共沈殿法で調製したものであり、活性が低く、一酸化炭素やメタンの生成濃度が高い。また、当該触媒の耐久性については不明である。
さらに、特許文献3,4に記載されている触媒は、低温での活性はなくとも高温領域での使用が可能であるが、メタン生成濃度が高い。従って、燃料電池用に使用する場合、燃料の水素が(4)式などに示す反応を起こすため、効率は著しく低下する。また、当該触媒の耐久性についても不明である。
特開平9−118501号公報 特開平11−106770号公報 米国特許第6555259号明細書 特開平10−174865号公報
ジメチルエーテルの水蒸気改質用触媒では、一般に、ガス空間速度(以下、「GHSV」と記す)を2000(1/h)程度とし、反応温度を350〜450℃とする必要がある。そして、エネルギーコストを考えた場合、より低温で高い活性を示す触媒が求められる。しかしながら、GHSVが大きい場合においては、反応温度も高くなり、低温域のみならず、比較的温度の高い領域においても高い活性および耐久性が求められる。従って、低温で高い活性を示す触媒があれば、水素発生用の改質反応器のみならず、燃料電池の実用化にもつながり、かつ、装置全体の小型化までもが可能となる。
本発明は、上記現状における課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、ジメチルエーテルの改質反応において、比較的高い温度域でも高い活性および耐久性を示すジメチルエーテル改質触媒およびその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、当該ジメチルエーテル改質触媒を用いて、比較的高い温度域でも水素含有ガスを製造することができる水素含有ガスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題について鋭意研究した結果、本発明者らは、下記本発明に想到し当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、銅および亜鉛を主たる金属成分として含み、篩別により0.5mm以下の粒子径とされた金属酸化物粒子と、篩別により0.5mm〜2mmの粒子径とされた活性アルミナ粒子とが配合されてなるジメチルエーテル改質触媒である。
また、本発明は、篩別により、銅および亜鉛を主成分として含む金属酸化物粒子の粒子径を0.5mm以下、および、活性アルミナ粒子を粒子径0.5mm〜2mmとし、前記篩別後の金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子とを混合するジメチルエーテル改質触媒の製造方法である。
さらに、本発明は、既述の本発明のジメチルエーテル改質触媒の存在下で、ジメチルエーテルと水蒸気とを反応させる水素含有ガスの製造方法である。
本発明によれば、ジメチルエーテルの改質反応において、比較的高い温度域でも高い活性および耐久性を示すジメチルエーテル改質触媒およびその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、当該ジメチルエーテル改質触媒を用いて、比較的高い温度域でも水素含有ガスを製造することができる水素含有ガスの製造方法を提供することができる。
[1]ジメチルエーテル改質触媒
本発明のジメチルエーテル改質触媒は、銅および亜鉛を主たる金属成分として含み、篩別により0.5mm以下の粒子径とされた金属酸化物粒子(以下、特筆しない限り、単に「金属酸化物粒子」という)と、篩別により0.5mm〜2mmの粒子径とされた活性アルミナ粒子(以下、特筆しない限り、単に「活性アルミナ粒子」という)とが配合されてなる。
当該ジメチルエーテル改質触媒は、ジメチルエーテルの改質反応において、比較的高い温度域でも高い活性と高い耐久性を発揮する。このような効果が発揮される理由は明らかではないが、比較的粒子径の大きい活性アルミナ粒子は、既述の(1)式で示されるジメチルエーテルの水和反応の進行に寄与すると考えられるが、その粒子径が小さい場合に比べて、粉化や活性劣化などが起こりにくくなる。そのため、高活性な状態を維持しながら高い耐久性が発揮されると考えられる。そして、その結果、長時間にわたり安定して水素含有ガスを製造することができる。
金属酸化物粒子は、既述の(2)式で示されるメタノールの分解反応の進行に寄与する。当該反応を効率よく進行させるには、銅および亜鉛が主たる金属成分として含まれている必要がある。具体的には、金属酸化物粒子中の銅および亜鉛の合計の含有量が他の金属成分のそれぞれの含有量よりも大きくなっていればよい。
金属酸化物粒子は、篩別により0.5mm以下とされているが、その下限は、実用上問題ない範囲であれば特に限定されず、例えば、300μm程度とすることが好ましい。
また、金属酸化物粒子には、他の金属成分が含まれていてもよい。例えば、アルミニウム、クロム等が挙げられる。これらは助触媒的な役割を果たすため、触媒活性の向上に寄与することができる。なお、これらの好ましい含有量については、後述する。
活性アルミナ粒子は、篩別により0.5mm〜2mmの粒子径とされている。粒子径が0.5mm未満では、活性劣化の度合い大きくなって高活性な状態を維持することが困難となり、触媒の耐久性も劣ってしまう。粒子径が2mmを超えても実用的な利点はない。従って、粒子径が0.5mm〜2mmの範囲にない活性アルミナ粒子は、少ないほうが好ましく、具体的には、粒子径が0.5mm〜2mmの範囲にある活性アルミナ粒子との合計に対し、5重量%以下であることが好ましく、1重量%以下であることがより好ましい。
また、活性アルミナ粒子の粒子径は、0.5〜1mmであることがより好ましい。
活性アルミナ粒子は、ベーマイトおよびγ−アルミナを含むことが好ましい。このような活性アルミナ粒子は、市販品を使用することができる。
また、活性アルミナ粒子は、造粒されてなることが好ましい。造粒により一次粒子が複数凝集し顆粒状となることで、固体酸点が発現しやすくなるといった効果が得られる。
本発明のジメチルエーテル改質触媒は、金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子とを単に配合した状態で使用することができるが、実用的な観点からは、成型処理を施し所定の形状(成型体)として実用に供することが好ましい。例えば、円柱状、球状、不定形な顆粒状といった形状とすることが好ましい。このように、本発明のジメチルエーテル改質触媒が物理的に一体化した成型体となっていることで、各構成成分を個々に成型したり、成型後、改質器へ充填すべく成型体を再度、混合したりといった煩わしさを解消することができ、触媒の量産化や大量使用が可能となる。
また、成型体とされたジメチルエーテル改質触媒における金属酸化物粒子および活性アルミナ粒子は、成型処理により変形しながら密に接触する。すなわち、配合時のそれぞれの粒子径が変化する場合がある。しかし、化学的な変化を伴うものでなく、活性アルミナの粒子径が極端に小さくなることもないため、上記各粒子の触媒性能が劣ることはない。逆に、上記各粒子が密に接触することになるため、それぞれの成分がそれぞれの機能を発揮しながら、さらに両者の複合効果も発現されやすくなる。その結果、高活性で良好な耐久性をより効率よく示す触媒とすることができる。
[2]ジメチルエーテル改質触媒の製造方法
本発明のジメチルエーテル改質触媒の製造方法では、まず、篩別により、銅および亜鉛を主成分として含む金属酸化物粒子の粒子径を0.5mm以下とし、これとは別に、篩別により、活性アルミナ粒子を粒子径0.5mm〜2mmとする。篩別後、金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子とを混合して、ジメチルエーテル改質触媒を製造する。
以下、当該製造方法について詳細に説明する。
(金属酸化物粒子)
金属酸化物粒子は、例えば、下記のようにして作製することができる。まず、銅および亜鉛のそれぞれの金属化合物の水溶液を沈殿剤で処理して、沈殿物を作製する。このとき、銅および亜鉛の沈殿物を別々に作製した場合は、これらを混合することが好ましい。また、いずれかの沈殿物を作製した後、当該沈殿物の存在下で他方の金属化合物を沈殿させてもよい。さらに、銅および亜鉛を含有する沈殿物を同時に得る共沈法を適用してもよい。このようにして得られた沈殿物は、濾過および洗浄を行い前駆体化合物(スラリー)とする。その後、スラリーを乾燥および/または焼成し、篩別を行って所定の粒子径とすることで、金属酸化物粒子が作製される。
銅化合物としては、例えば、酢酸銅等の水溶性の有機酸塩;塩化銅、硫酸銅、硝酸銅等の水溶性の無機酸塩;等を使用することができる。
亜鉛化合物としては、例えば、酢酸亜鉛等の水溶性の有機酸塩;塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛等の水溶性の無機酸塩;酸化亜鉛;等を使用することができる。
金属酸化物粒子がアルミニウムを含む場合、アルミニウム化合物としては、例えば、酢酸アルミニウム等の有機酸の水溶性塩;塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等の無機の水溶性塩;等を使用することができる。
金属酸化物粒子がクロムを含む場合、クロム化合物としては、例えば、酢酸クロム等の有機酸の水溶性塩;塩化クロム、硫酸クロム、硝酸クロム等の無機の水溶性塩;等を使用することができる。
沈殿剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の水溶性アルカリ化合物が用いられる。
なお、亜鉛化合物として酸化亜鉛を使用する場合は、これを水中に分散させ、炭酸ガスと接触させることにより、炭酸亜鉛の沈殿物を得ることができる。
金属化合物の水溶液を沈殿剤で処理して沈殿物とする際には、硼素化合物を共存させることが好ましい。硼素化合物を共存させることで、調製後の触媒の活性を向上させることができる。硼素化合物を共存させる場合、銅と硼素との原子比(銅/硼素)は、0.5〜6であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。硼素化合物としては、例えば、硼酸が好適である。
沈殿物調製時の金属化合物の水溶液中の濃度は、0.2〜3モル/Lであることが好ましく、0.5〜2モル/Lであることがより好ましい。金属化合物に対する沈殿剤の量は、化学当量の1〜2倍であることが好ましく、1.1〜1.6倍であることがより好ましい。沈殿剤の使用量が1倍以上であることで、沈殿の生成を良好なものとすることができる。また、2倍以下とすることで、沈殿剤が過剰になることを防ぎ、かつ、錯イオンが形成されて沈殿物が再溶解してしまうことを防ぐことができる。
沈殿物調製時の液温は、20〜90℃であることが好ましく、35〜85℃であることがより好ましい。液温が20℃以上であることで、沈殿生成速度が遅くなることによる効率の低下を防ぐことができる。液温が90℃以下であることで、中和反応に伴う発熱によって突沸が起こるのを防ぐことが可能となる。
金属酸化物粒子がアルミニウムやクロムを含まない場合、銅および亜鉛のそれぞれの組成は、銅が30〜80重量%、亜鉛が15〜50重量%であることが好ましく、銅が40〜70重量%、亜鉛が20〜40重量%であることがより好ましい。なお、各重量の合計は100重量%を超えないものとする。
金属酸化物粒子がアルミニウムを含む場合、銅、亜鉛、アルミニウムのそれぞれの組成は、銅が30〜80重量%、亜鉛が15〜50重量%、アルミニウムが1〜20重量%であることが好ましく、銅が40〜70重量%、亜鉛が20〜40重量%、アルミニウムが2〜10重量%であることがより好ましい。なお、各重量の合計は100重量%を超えないものとする。
アルミニウムを含む金属酸化物粒子は、例えば、銅および亜鉛の沈殿物を含有するスラリーとアルミニウムの沈殿物を含有するスラリーを別途作製し、これらのスラリーを混合して作製することができる。このようにして金属酸化物粒子を作製することで、触媒成分が緊密に混合され、優れた触媒性能が発揮される。
上記の場合、銅および亜鉛の沈殿物を含有するスラリーは、共沈法で調製されたものが好ましく、例えば、硼素の存在下で、銅の無機酸塩水溶液とアルカリ沈殿剤、および酸化亜鉛と炭酸ガスを用いて調製されたものが好ましい。また、銅および亜鉛を含む水溶液と炭酸アルカリのような沈殿剤で沈殿させる方法、銅の沈殿に酸化亜鉛を分散させ、炭酸ガスにより炭酸化する方法等でも調製することができる。
このようにして得られた沈殿物は純水等で洗浄することが好ましいが、原料に硫酸塩を使用した場合には、希薄アルカリ水溶液等で洗浄することが好ましい。
以上のようにして得られたスラリーに対し、乾燥や焼成が行われる。乾燥温度は50〜150℃とすることが好ましい。焼成温度は空気中180〜500℃とすることが好ましく、200〜400℃とすることがより好ましい。
金属酸化物粒子がクロムを含む場合、銅、亜鉛、クロムのそれぞれの組成は、銅が10〜50重量%、亜鉛が10〜50重量%、クロムが1〜30重量%であることが好ましく、銅が20〜40重量%、亜鉛が20〜40重量%、クロムが5〜20重量%であることがより好ましい。なお、各重量の合計は100重量%を超えないものとする。
クロムを含む金属酸化物粒子は、アルミニウムを含む場合と同様にしてスラリーを生成した後、乾燥、焼成したものを用いることができる。また、一般に市販されている触媒でも特に問題はないが、成型体としての形態で販売されていることが多く、成型前の焼成粉体を用いることが好ましい。
このようにして得られた金属酸化物粒子を電子顕微鏡で観察すると、10μm以下の微細粒子が1次粒子となり、これらが凝集して塊状の2次粒子となっている場合が多い。そのため、これを粉砕し、篩別することで、粒子径0.5mm以下の金属酸化物粒子とする。
なお、乾燥後の金属酸化物粒子を用いて、顆粒状の活性アルミナ粒子と混合し成型を行う場合は、成型後に焼成を行うことが好ましい。
(活性アルミナ粒子)
活性アルミナ粒子としては、アルミニウムの水酸化物の一種であるベーマイト[boehmite、α−AlO(OH)]を形成した後に焼成して得られる「ベーマイトとγ−アルミナとを共存させたアルミナ成分」または「γ−アルミナを形成させたアルミナ成分」を用いることができる。焼成温度は、調製方法および焼成装置により多少差があるが、概ね350〜700℃の範囲であることが好ましく、400〜600℃の範囲であることがより好ましい。ベーマイトは、水酸化アルミニウムの水中または弱塩基性水溶液中、150〜300℃での水熱処理や、アルミニウムアマルガムの沸騰水による酸化などで得られる。また、市販のアルミナゾルなどを乾燥させて形成することもできる。
触媒中の活性アルミナ粒子は20〜90重量%であることが好ましく、25〜80重量%であることがより好ましい。なお、残部は、金属酸化物粒子である。
ベーマイトおよびγ−アルミナは、例えばX線回折装置により同定することができる。具体的には、X線回折ピークを測定し、既存の結晶構造データベースとの照合により同定することができる。最も一般的なデータベースは、JCPDS Powder Difraction File(PDF:通称ASTMカード)であり、本発明において用いられるデータカードは、ベーマイトが21−1307、γ−アルミナが10−0425である。回折ピークは、ASTMカードに記載されたd値(Å:オングストローム)と相対強度I/I1、面指数(逆格子空間の帰属)を参考に、測定に用いたX線源の波長λ(例えばCuKα1ではλ=1.54056Å)と回折の条件式(ブラッグの式)2dsinθ=nλの関係より、回折角θからdを算出する。そして、ASTMカードのdとI/I1の関係が一致すれば、測定物質とASTMカードに記載されている化合物とが同じであると判断できる。
なお、場合によっては相対強度が完全に一致せず順番が変わることもあるが、記載されているピークの相対強度が大きい方(約30%以上)のd値が一致し、その他の測定ピークのd値が確認できれば、同一成分が存在するとみなすことができる。また、X線回折法の性質上、目的物質の存在量を定量的に計測することは難しいが、単結晶などの例においては、0.1〜1重量%程度存在すれば検出されるものが多いとされており、ベーマイトとγ−アルミナについてもほぼ同様の検出感度にあるものと思われる。
活性アルミナ粒子は、径が大きいものは粉砕し、微粉末であるものは成型や造粒などを行って顆粒状に成形をすることが好ましい。成形法としては、物理的な圧縮による成型法、有機バインダーまたは無機バインダーなどによる接着剤を用いた造粒法などがあるが、特に限定されるものではない。但し、金属酸化物粒子との混合時にその形状が崩壊するような強度ではなく、その形状を保持する程度の強度が必要である。
粉砕または成形された活性アルミナ粒子は、篩い分け法により、0.5mm〜2mmの粒子径に分級する。例えば0.5mmと1mmの2種の目開きの大きさの篩で挟み込めばこの範囲の粒子径が容易に得られる。
(金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子の混合)
以上のような金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子とを混合することで、本発明のジメチルエーテル改質触媒が製造される。
金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子の混合では、両者が均一に混ざる必要があるが、顆粒状の活性アルミナを用いる場合は、その形状が保持される程度の混合であればよい。混合法としては撹拌翼を用いる方法;容器に入れ回転させることによる方法;重力を利用した落下にて混合させる方法;などがあるが、混合により崩壊することなく、均一に混合されれば、特に限定されるものではない。
(成型処理)
本発明のジメチルエーテル改質触媒は、金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子とが混合された状態で使用することができるが、両成分の触媒性能および複合効果を効率よく発揮させる観点から、混合後に一体の成型体とする成型処理を施すことが好ましい。
成型処理の方法としては、打錠成型、押出成型、転動造粒など回転機器による球状成型などが挙げられる。ただし、簡単に手で触って壊れる程度の強度ではなく、反応器へ充填し、使用する際、粉化しない程度の強度を有する必要がある。
[3]水素含有ガスの製造方法
本発明の水素含有ガスの製造方法は、本発明のジメチルエーテル改質触媒の存在下で、ジメチルエーテルと水蒸気とを反応させて、水素含有ガスを製造する方法である。
当該触媒の使用にあたっては、水蒸気改質反応を行う前に、水素や一酸化炭素を含有するガスによって還元処理を行うことが好ましい。
ジメチルエーテルおよび水蒸気を原料混合ガスとして反応させる水蒸気改質反応では、水蒸気(S)とジメチルエーテル(D)との流量のモル比(S/D)は3〜10であることが好ましく、3〜6であることがより好ましい。また、反応圧力は常圧が好ましい。
ジメチルエーテルの水蒸気改質反応における単位触媒あたりの原料混合ガスの供給量(GHSV)は、300〜20000(1/h)の範囲が好ましく、500〜10000(1/h)の範囲がより好ましい。GHSVが300(1/h)以上である場合には、ジメチルエーテル改質触媒の改質能力が発揮されることで、水素生成量を十分なものとすることが可能となり、実用上好ましい。また、20000(1/h)以下である場合には、過剰負荷による触媒層の温度上昇を防ぐことができるので、触媒寿命の低下や、原料ガスが未反応のまま排出される現象を防止することができる。
反応温度は、混合ガスの供給量によっても異なるので一概には言えないが、上記の好ましいGHSVの範囲である300〜20000(1/h)では200〜450℃、より好ましい範囲である500〜10000(1/h)では250〜350℃の温度範囲とすれば良好な改質反応収率を得ることができる。
反応器の形状としては、単管式、多管式、プレート式等が挙げられるが、これらの形状に限定されるものではない。
原料として用いるジメチルエーテルと水蒸気は、これらを混合した後、反応器に供給する方法やいずれかの成分を反応器に分割して供給する方法がある。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
<各触媒原料の調製>
(触媒A〜Gに使用される金属酸化物粒子)
炭酸ナトリウム121.6gを1500mLのイオン交換水と共に5Lの丸底フラスコに入れ溶解し、40℃に保持した。また、硼酸17.8gおよび硝酸銅(5水塩)219.6gをイオン交換水1000mLに溶解し、40℃とした溶液を前述の炭酸ナトリウム溶液へ注加した。続いて、同溶液に、酸化亜鉛47.4gをイオン交換水500mLに分散した分散液を加え、直ちに炭酸ガスを6(L/h)の流速で吹き込んだ。1時間後、80℃へ昇温し、30分保持した。炭酸ガスは2時間で停止し、60℃まで冷却した。濾過、洗浄後、スラリーを得た。
このスラリーを80℃で乾燥し、乾燥粉を得た。乾燥粉はさらに380℃で焼成し、焼成粉を得た。焼成粉を乳鉢でよくすりつぶし、0.5mmの目開きの篩を通し、目的粒径の金属酸化物粒子を得た。
(触媒H、Iに使用される金属酸化物粒子)
上記調製方法にて得られた濾過、洗浄後の沈殿物にアルミナゾル(日産化学工業 品番520)60gとイオン交換水60mlの混合スラリーを加え、混練した。この沈殿物を80℃で乾燥し、乾燥粉を得た。乾燥粉はさらに380℃で焼成し、焼成粉を得た。焼成粉は乳鉢でよくすりつぶし、0.5mmの目開きの篩を通し、目的粒径の金属酸化物粒子を得た。
(触媒JおよびKに使用される金属酸化物粒子)
市販されている銅−亜鉛−クロム触媒(日揮化学製 N211B)の焼成粉を0.5mmの目開きの篩を通し、目的粒径の金属酸化物粒子を得た。
(触媒A〜Kに使用される顆粒状または粉末状の活性アルミナ粒子)
X線回折装置((株)マック・サイエンス製 M18XHF22−SRA)で成分形態を確認することにより、ベーマイトとγ−アルミナとの両成分が検出される市販のアルミナ粉末(岩谷産業(株)社製RK−40、平均粒径1μm以下、比表面積230m2/g)100重量部に対し、グラファイトを2重量部添加し、よく混合した。この混合粉末をローラーコンパクター(フロイント産業(株)製 MODEL−MINI)にて圧縮
させ、1.2mmの目開きの金網を通し、一次整粒粉を得た。続いて、0.5mmと1.2mmの目開きの篩で挟み込み、目的粒径(0.5〜1.2mm)の顆粒状の活性アルミナ粒子を得た。当該顆粒状の活性アルミナ粒子を触媒B〜D、F〜Kに採用した。
また、触媒AおよびEに使用される活性アルミナ粒子は、顆粒状にせず、粉末状のもの(上記市販品で平均粒径1〜5μm程度)を採用した。
<各触媒の調製>
(比較例1:触媒A)
下記表1に示す配合で金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子と混合し、回転機器にてよく撹拌し、触媒Aを得た。触媒A100重量部に対し、グラファイトを3重量部添加し、よく混合し、打錠し、直径3mmで厚さ3.3mmの円柱状ペレットに成型した。
当該円柱状ペレットの軸方向断面を顕微鏡により観察したところ、図1に示すように、金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子とが混在していることが確認できた。
(実施例1〜3:触媒B、C、D)
下記表1に示す配合で金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子と混合し、回転機器にてよく撹拌し、触媒B、C、Dを得た。それぞれの触媒100重量部に対し、グラファイトを3重量部添加してよく混合した後、打錠し、直径3mmで厚さ3.3mmの円柱状ペレットに成型した。
触媒Bからなる円柱状ペレットの軸方向断面を顕微鏡により観察したところ、図2に示すように、金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子(白色部分)とが混在し、活性アルミナ粒子が変形していることが確認できた。
(比較例2:触媒E)
下記表1に示す配合で金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子と混合し、回転機器にてよく撹拌し、触媒Eを得た。「触媒E」100重量部に対し、水を50重量部添加し、ニーダーにてよく混合し、ハイスピードミキサーにて造粒し、篩別により0.5から0.85mmφの球状成型物とした。
(実施例4:触媒F)
下記表1に示す配合で金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子と混合し、回転機器にてよく撹拌し、触媒Fを得た。「触媒F」100重量部に対し、水を50重量部添加し、ニーダーにてよく混合し、ハイスピードミキサーにて造粒し、篩別により0.5から0.85mmφの球状成型物とした。
(実施例5:触媒G)
下記表1に示す配合で金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子と混合し、回転機器にてよく撹拌し、触媒Gを得た。「触媒G」100重量部に対し、グラファイトを3重量部添加し、よく混合し、打錠し、直径3mmで厚さ3.3mmの円柱状ペレットに成型した。このペレットを380℃にて焼成した。
(実施例6:触媒H)
下記表1に示す配合で金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子と混合し、回転機器にてよく撹拌し、触媒Hを得た。「触媒H」100重量部に対し、グラファイトを3重量部添加し、よく混合し、打錠し、直径3mmで厚さ3.3mmの円柱状ペレットに成型した。
(実施例7:触媒I)
下記表1に示す配合で金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子と混合し、回転機器にてよく撹拌し、触媒Iを得た。「触媒I」100重量部に対し、水を50重量部添加し、ニーダーにてよく混合し、ハイスピードミキサーにて造粒し、0.5から0.85mmφの球状成型物とした。
(実施例8:触媒J)
下記表1に示す配合で金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子と混合し、回転機器にてよく撹拌し、触媒Jを得た。「触媒J」100重量部に対し、グラファイトを3重量部添加し、よく混合し、打錠し、直径3mmで厚さ3.3mmの円柱状ペレットに成型した。
Figure 2008296076
<水素含有ガスの製造評価>
以下、実施例および比較例の触媒において、水素含有ガスの製造評価を次のように行った。
(触媒の一次評価(スクリーニング))
各触媒の反応劣化を評価するため、通常の反応条件に比べて高温度、高空間速度(GHSV)条件でDME反応率を測定した。
具体的な評価方法としては、まず、固定床流通反応装置を用い、有効径9.4mmφのチューブ型反応管に各触媒を2mL充填し、窒素および水素ガスにて水素還元を行った。還元条件はGHSV1000(1/h)、反応温度220℃にて水素濃度を徐々に増加させ、15vol%に到達したところで、9.5時間流通させた。
その後、還元温度250℃、水素濃度を最終的に100vol%とし、還元を終了させた。
触媒活性は、上記のようにして還元した触媒層に、水蒸気/ジメチルエーテル比(S/D)4/1、GHSV52,000(1/h)で原料を供給し、常圧で反応を行った。反応開始温度は450℃に設定し、反応後のガスはガスクロマトグラフィーにより分析し、ジメチルエーテル(DME)の反応率を求めた。また、反応率から活性の維持率も求めた。評価結果を下記表2に示す。
なお、ジメチルエーテルの反応率は出口ガス組成より以下の式にて算出した。
DME反応率=DME以外の炭素含有ガス量/全炭素含有ガス量×100(%)
また、活性の維持率は、反応開始144時間後の反応率(A)と反応開始1時間後の反応率(B)との比(A/B×100)で評価した。当該維持率が高いほど、触媒の経時低下が少ないことを示す。

Figure 2008296076
活性アルミナを顆粒状で打錠成型した実施例1、2、3、5、6、8で示す触媒B、C、D、G、H、Jは、活性アルミナ粒子を粉末で混合し、打錠成型した比較例1に比べ、DME反応率の経時低下が著しく改善されている。
また、球状成型した実施例4,7で示す触媒F、Iも、活性アルミナを粉末で混合し球状成型した比較例2に比べ、DME反応率の経時低下が著しく改善されている結果となった。
(触媒の耐久試験)
各触媒の耐久性を評価するため、通常の反応条件に近い条件で評価を行った。評価に用いた装置は触媒一次評価(スクリーニング)を行ったものと同一のものを使用した。具体的な評価方法は固定床流通反応装置を用い、有効径9.4mmφのチューブ型反応管に各触媒を5mL充填し、一次評価と同条件で還元を行った。
触媒活性は、上記のようにして還元した触媒層に、水蒸気/ジメチルエーテル比(S/D)5/1、GHSV4,000(1/h)で供給し、DME反応率100%となる温度で制御して反応を行った。反応は、連続運転で実施し、DME反応率が95%を下回る温度で制御温度を10℃上昇させ、反応を維持した。触媒Eを用いたものを比較例3、触媒D、F〜Jを用いたものを実施例9〜14とした。
(比較例3)
表1記載の触媒Eを用い、上記の反応条件にて耐久試験を実施した。反応温度は反応開始時に徐々に上昇させ、DME反応率100%となる時点の触媒入り口部より5mm前段の温度を測定し、これを制御温度として設定した。本反応では反応開始時の触媒層入り口温度は400℃であった。144時間でDME反応率が95%以下となったため、制御温度を10℃上昇させた。DME反応率が96%へ回復し、再度反応温度を維持したが、336時間後にさらにDME反応率が95%を下回ったため、2度目の昇温をさせた。しかしながら、活性の低下が著しかったため、評価を終了した。
(実施例9)
表1記載の触媒Dを用い、上記反応条件にて耐久試験を実施した。反応方法は比較例3と同等である。本反応では反応開始時の触媒層入り口温度は415℃であった。反応開始後2016時間でDME反応率は95%以下となったため、反応温度を10℃上昇させ、反応を維持した。その後、3000時間までDME反応率95%以上を維持したまま、終了した。
(実施例10)
表1記載の触媒Fを用い、上記反応条件にて耐久試験を実施した。反応方法は比較例3と同等である。本反応では反応開始時の触媒層入り口温度は400℃であった。反応開始後1743時間でDME反応率95%を下回ったため、反応温度を10℃上昇させ、反応を継続させた。その後、同様の操作を2度繰り返した後、2500時間でDME反応率95%以上を維持したまま、終了した。
(実施例11)
表1記載の触媒Gを用い、上記反応条件にて耐久試験を実施した。反応方法は比較例3と同等である。本反応では反応開始時の触媒層入り口温度は430℃であった。反応開始後1250時間でDME反応率95%を下回ったため、反応温度を10℃上昇させ、反応を継続させた。その後、同様の操作を3度繰り返した後、2200時間でDME反応率95%以上を維持したまま、終了した。
(実施例12)
表1記載の触媒Hを用い、上記反応条件にて耐久試験を実施した。反応方法は比較例3と同等である。本反応では反応開始時の触媒層入り口温度は410℃であった。反応開始後1000時間でDME反応率95%以上を維持したまま、終了した。
(実施例13)
表1記載の触媒Iを用い、上記反応条件にて耐久試験を実施した。反応方法は比較例3と同等である。本反応では反応開始時の触媒層入り口温度は400℃であった。反応開始後5310時間でDME反応率95%を下回ったため、反応温度を10℃上昇させ、反応を継続させた。その後、同様の操作を2度繰り返した後、8000時間でDME反応率95%以上を維持したまま、終了した。
(実施例14)
表1記載の触媒Jを用い、上記反応条件にて耐久試験を実施した。反応方法は比較例3と同等である。本反応では反応開始時の触媒層入り口温度は395℃であった。反応開始後2607時間でDME反応率95%を下回ったため、反応温度を10℃上昇させ、反応を継続させた。その後、同様の操作を3度繰り返した後、2871時間でDME反応率95%以上を維持したまま、終了した。
このように、所定の粒子径で顆粒状の活性アルミナを用いた実施例9〜14に示す触媒は、比較例3の触媒と比較し、著しくその耐久性が向上していた。これは同一組成である実施例10の触媒との比較においても明らかである。本発明における触媒は、400℃という比較的高い温度においても高い反応率を維持し、ジメチルエーテルの改質反応を安定かつ効率的に進行させることができる。
比較例1の円柱状ペレットの軸方向断面の顕微鏡写真を示す図である。 実施例1の円柱状ペレットの軸方向断面の顕微鏡写真を示す図である。

Claims (10)

  1. 銅および亜鉛を主たる金属成分として含み、篩別により0.5mm以下の粒子径とされた金属酸化物粒子と、篩別により0.5mm〜2mmの粒子径とされた活性アルミナ粒子とが配合されてなるジメチルエーテル改質触媒。
  2. 成型処理が施されてなる請求項1に記載のジメチルエーテル改質触媒。
  3. 前記活性アルミナ粒子が造粒されてなる請求項1または2に記載のジメチルエーテル改質触媒。
  4. 前記金属酸化物粒子が、アルミニウムまたはクロムを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のジメチルエーテル改質触媒。
  5. 前記活性アルミナ粒子が、ベーマイトおよびγ−アルミナを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のジメチルエーテル改質触媒。
  6. 篩別により、銅および亜鉛を主成分として含む金属酸化物粒子の粒子径を0.5mm以下、および、活性アルミナ粒子を粒子径0.5mm〜2mmとし、
    前記篩別後の金属酸化物粒子と活性アルミナ粒子とを混合するジメチルエーテル改質触媒の製造方法。
  7. 前記混合後に、成型処理を施す請求項6に記載のジメチルエーテル改質触媒の製造方法。
  8. 前記篩別前の前記金属酸化物粒子を硼素化合物の共存下で調製する請求項6または7に記載のジメチルエーテル改質触媒の製造方法。
  9. 前記金属酸化物粒子がアルミニウムを含み、当該金属酸化物粒子を硼素化合物の共存下で調製する請求項8に記載のジメチルエーテル改質触媒の製造方法。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のジメチルエーテル改質触媒の存在下で、ジメチルエーテルと水蒸気とを反応させる水素含有ガスの製造方法。
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