JP5229856B2 - 電子写真現像剤用キャリアおよび電子写真現像剤 - Google Patents
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Description
例えば、コアまたは硬磁性コアと、コアの細孔に含まれるポリマーと、コアを覆うコーティングとを含むキャリアが記載されている。これらの樹脂充填型キャリアによれば、衝撃を少なくすることができる、所望の流動性を持たせることができる、摩擦帯電値の範囲を広くすることができる、所望の伝導率を持たせることができる、体積平均粒径を一定の範囲内に収めることができる、等の効果が得られるとされている。
特許文献2に記載されたような、微細な磁性粉を樹脂中に分散させた磁性粉分散型キャリアは、微細な磁性粉を使用するため、残留磁化および保磁力が高くなり、現像剤の流動性が悪くなるという欠点がある。
一方、特許文献3に記載された多孔性キャリア芯材の空隙部に樹脂を充填した樹脂分散型キャリアは、BET比表面積1600cm2/g程度の多孔度では、樹脂を充填させても充分な低比重化が図れず、近年ますます高まる現像剤の長寿命化への要求には応えられるものではなかった。
また、特許文献4に記載されているような硬磁性のコアを用いた場合は、残留磁化および保磁力が高いために、現像剤の流動性が悪くなるという欠点がある。
さらに、特許文献5の実施例に記載のように、芯材に過剰の樹脂量を充填しようとすると、充填しきれなかった樹脂が芯材と密着せずに単独で存在し、キャリア中で浮遊したり、粒子間の凝集が多量に発生し、流動性が悪くなったりする。
キャリア芯材へ樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用キャリアの重量を100%と規格化し、このときの前記樹脂の固形分重量をy%と表記し、前記キャリア芯材のBET比表面積の値をxm2/mlと表記したとき、
0.6m2/ml≦xm2/ml≦2.5m2/ml、且つ、0.7%≦y%≦11.5%、且つ、y=3x+b(但し、−1.1≦b≦4)の範囲にあって、前記キャリア芯材は、前記樹脂により露出なく被覆されており、
前記キャリア芯材が、一般式(MnO)a(Fe2O3)b、(但し、0<a≦50mol%、bmol%=100−amol%)にSiO 2 を20outwt%以上、40outwt%以下を添加して焼成したソフトフェライトであり、且つ、前記キャリア芯材粒子内に存在するクローズドポアをも含む当該粒子の見掛け密度である粒子密度が3.2g/cm3以上、4.2g/cm3以下であることを特徴とする電子写真現像剤用キャリアである。
キャリア芯材へ樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用キャリアの重量を100%と規格化し、このときの前記樹脂の固形分重量をy%と表記し、前記キャリア芯材のBET比表面積の値をxm2/mlと表記したとき、
0.6m2/ml≦xm2/ml≦2.0m2/ml、且つ、0.7%≦y%≦10.0%、且つ、y=3x+b(但し、−1.1≦b≦4)の範囲にあって、前記キャリア芯材は、前記樹脂により露出なく被覆されており、
前記キャリア芯材が、一般式(MnO)a(Fe2O3)b、(但し、0<a≦50mol%、bmol%=100−amol%)にSiO 2 を20outwt%以上、40outwt%以下を添加して焼成したソフトフェライトであり、且つ、前記キャリア芯材粒子内に存在するクローズドポアをも含む当該粒子の見掛け密度である粒子密度が3.2g/cm3以上、4.2g/cm3以下であることを特徴とする電子写真現像剤用キャリアである。
前記電子写真現像剤用キャリア100gを、サンプルミルに投入し、回転数16000rpmの条件で120秒間粉砕を行ったとき、当該粉砕の前後における、前記電子写真現像剤用キャリアの体積平均粒径D50の変化率が1.6%以下であることを特徴とする第1または第2の手段のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアである。
前記キャリア芯材の粒子密度を1と規格化したとき、前記電子写真現像剤用キャリアの粒子密度が0.82以上、0.93以下の範囲にあることを特徴とする第1〜第3の手段のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアである。
平均粒径が15〜70μmであり、
小粒径側から、10%の累積体積平均粒径をD10、90%の累積体積平均粒径をD90としたとき、(D90−D10)≦21.7μmであることを特徴とする第1〜第4の手段のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアである。
電気抵抗値が、9.1×10 4 Ω・cm以上、9.1×10 13 Ω・cm以下であることを特徴とする第1〜第5の手段のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアである。
安息角が32°以下であることを特徴とする第1〜第6の手段のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアである。
第1〜第7の手段のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアと、トナーとを含むことを特徴とする電子写真現像剤である。
[本発明に係るキャリアの強度]
本発明者らは、キャリアが電子写真現像機内での撹拌ストレスにより、微粉を発生する問題について検討した。その結果、キャリアを破砕試験機に投入して破砕したとき、当該破砕前後におけるキャリアの体積平均粒子径D50の値の変化率を測定すれば、当該キャリアの電子写真現像機内での撹拌ストレスによる微粉の発生、その微粉による画像への影響を評価出来ることに想到した。
本発明者らは、本発明に係るキャリア芯材に樹脂被覆をおこなった樹脂充填型のキャリアについて、研究を行っているなかで、当該キャリア芯材のBET比表面積と、被覆樹脂の固形分重量とが所定の関係を満たすとき、当該キャリアの強度が高まることを見出した。
そこで、本発明者らは、当該キャリア芯材のBET比表面積と被覆樹脂の固形分重量との関係について鋭意研究を進め、BET法で測定した前記キャリア芯材のBET比表面積の値をxm2/mlと表記し、前記電子写真現像剤用キャリアの重量を100%と規格化し、前記電子写真現像剤用キャリアに被覆された前記樹脂の重量をy%と表記したとき、y=3x+b(但し、−1.1≦b≦4)の関係を満たすと当該キャリアの強度が高まることを見出した。
尤も、キャリア芯材のBET比表面積が、0.6m2/ml未満となると樹脂を充填しても所望の粒子密度を得ることができず、3.5m2/mlを超えるとキャリア芯材が形状を維持できなくなる。また、−1.1≦bであれば、当該樹脂被覆後にキャリア芯材が露出する事態が回避でき、樹脂膜の剥れが発生しない為、b≦4.0であれば、キャリア同士の会合や樹脂の偏析を回避出来る為であると考えられる。
さらに、キャリア芯材粒子を被覆する樹脂量は、キャリアの全重量に対する割合で0.7%以上、14.5%以下であることが好ましい。即ち、前記電子写真現像剤用キャリアの重量を100%と規格化し、前記電子写真現像剤用キャリアに被覆された前記樹脂の固形分重量をy%と表記したとき、0.7%≦y%≦14.5%であることが好ましい。詳細は、実施例にて説明する。
発明者らの検討の結果、キャリア芯材を1と規格化したときの、キャリアの粒子密度の比は、0.79以上、0.91以下であることが好ましい。当該キャリアの粒子密度の比が0.79以上であれば、キャリア芯材に対して樹脂が過剰ということはなく、キャリア同士の会合粒子生成や樹脂の偏析を回避出来る。また、内部の樹脂の過剰含浸に起因するキャリアの電気抵抗値の過剰な上昇も回避出来る。0.91以下であれば、樹脂量の不足に起因するキャリア芯材の露出が回避出来、被覆後の樹脂膜の剥れ発生を回避することが出来る。
また、キャリア芯材のBET比表面積を制御し、キャリア芯材中へ含浸させる樹脂の量を制御することで、キャリアの粒子密度を制御することができる。さらに、キャリア芯材中へ低比重物質を添加してキャリアの粒子密度を制御しても良い。
尚、当該粒子密度は、例えば、ウルトラピクノメーター(カンタクロム社製)により測定することが出来る。尚、本発明において粒子密度とは、粒子内に存在するクローズドポアをも含む当該粒子の見掛け密度のことをいう。
本発明において、キャリア芯材は、ソフトフェライトであればよく、一般式(MO)a(Fe2O3)b、(但し、0<a≦50mol%、bmol%=100−amol%)で表されるものが好ましい。このとき、MはFe、Mg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr、Ni等の2価の金属から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。さらに近年の環境問題を考慮すると、重金属を含まないものが好ましく、特にFe3O4で表されるマグネタイトやMnO・Fe2O3で表されるマンガンフェライト、MnO・MgO・Fe2O3で表されるマンガンマグネシウムフェライト、MgO・Fe2O3で表されるマグネシウムフェライトが最も好ましい。また、ヘマタイト層(Fe2O3)があることにより、当該フェライトの磁気的特性、電気的特性の制御可能範囲を拡大することができ、好ましい構成である。
そして、キャリア芯材がソフトフェライトであるとき、上述したキャリア芯材とキャリアの粒子密度との関係、および、当該キャリアを含む電子写真現像剤において、撹拌トルクを低減させる観点、キャリア芯材の磁力を確保する観点から、キャリアの粒子密度を3.2g/cm3以上、4.2g/cm3以下、さらに好ましくは3.5g/cm3以上、4.0g/cm3以下とすることが肝要であることが判明した。
本発明に係るキャリア芯材は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製マイクロトラック、Model9320−X100)により測定した累積体積平均粒径D50が、概ね15μm以上、70μm以下程度であることが好ましく、25μm以上、50μm以下のものがより好適である。D50が15μm以上あれば、キャリア付着の発生が抑制され、70μm以下であれば所望の画像を得る事ができ好ましい。
本発明のキャリアは、印加電圧250Vにおける電気抵抗値が103〜1016Ω・cmであることが好ましく、105〜1015Ω・cmがより好ましい。103Ω・cm以上であれば電荷のリークが抑制され、画像劣化を回避出来る。1016Ω・cm以下であれば所望の画像濃度を得る事ができる。そして、当該キャリアの電気抵抗値は、キャリア芯材へ含浸させる樹脂種、樹脂量により制御することができる。
キャリアの安息角はJISR9301−2−2;1999に基づいて測定を行った。
キャリアの安息角は45°以下であることが好ましい。安息角が45°以下であれば、トナーとの混合性が良好で、現像剤中で偏析を生じることを回避出来るからである。そして、当該キャリアの安息角は、キャリア芯材製造の際における焼成の温度制御により制御することができ、また、キャリア芯材へ含浸させる樹脂種、樹脂量によっても制御することができる。
〔原料〕
Fe供給源としてはFe2O3が好適に使用できる。Mの原料としては、MはFe、Mg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr、Ni等の2価の金属から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。例えば、MnであればMnCO3、Mn3O4等が使用でき、MgであればMgO、Mg(OH)2、MgCO3が好適に使用できる。そして、これらの原料の配合比を、該ソフトフェライトの目的組成と一致させて秤量し混合して、金属原料混合物を得る。
上記の原料を秤量した後、これらを媒体液中で混合撹拌することによってスラリー化する(スラリー化工程)。スラリー化する前に、原料の混合物に対して必要に応じて乾式で粉砕処理を加えてもよい。原料粉と媒体液の混合比は、スラリーの固形分濃度が50〜90質量%になるようにすることが望ましい。媒体液は、水にバインダー、分散剤等を添加したものを用意する。バインダーとしては、例えばポリビニルアルコールが好適に使用でき、その媒体液中濃度は0.5〜2質量%程度とすればよい。分散剤としては、例えばポリカルボン酸アンモニウム系のものが好適に使用でき、その媒体液中濃度も0.5〜2質量%程度とすればよい。その他、潤滑剤や、焼結促進剤として、リンやホウ酸等を添加することができる。混合攪拌して得られたスラリーに対し、さらに湿式粉砕を施すことが好ましい。
造粒は、上記スラリーを噴霧乾燥機に導入することによって好適に実施できる。噴霧乾燥時の雰囲気温度は100〜300℃程度とすればよい。これにより、概ね、粒子径が10〜200μmの造粒粉を得ることができる(造粒工程)。得られた造粒粉は製品最終粒径を考慮し、振動ふるい等を用いて、粗大粒子や微粉を除去することにより粒度調整することが望ましい。
次に、造粒粉を700〜1500℃に加熱した炉に投入して、ソフトフェライトを合成するための一般的な手法で焼成することにより、フェライトを生成させる(焼成工程)。焼成温度が700℃以上であれば、焼結がある程度進み、形状を維持でき、また、生成したフェライトの磁気特性が保たれるので、キャリア飛散が抑制される。1500℃以下であれば、粒子同士の過剰焼結が起こらず、異形粒子が生じることがない。当該観点からは、700〜1500℃程度で焼成することが、さらに好ましい。焼成温度の制御により、キャリア芯材へ所望のBET比表面積を付与することができる。具体的には、焼成温度を上げることでBET比表面積の値は低下し、焼成温度を下げることでBET比表面積の値を増加させることが出来る。
上記焼成物を酸化性雰囲気中にて加熱することにより、高抵抗層を形成し、高抵抗化してもよい(高抵抗化処理工程)。加熱雰囲気は、大気、または、酸素と窒素の混合雰囲気とすればよい。加熱温度は200〜800℃、好ましくは250〜600℃とし、処理時間は30min〜5h程度とすればよい。
このようにして本発明に係るキャリア芯材を得ることが出来る。
得られたキャリア芯材に、樹脂被覆を施す。被覆の方式としては乾式法、流動床、浸漬法等により被覆することができる。より好ましくはキャリア内部に樹脂を充填することから浸漬法や乾式法がより好ましい。ここでは浸漬法を例に挙げ説明する。被覆樹脂としては、シリコーン系樹脂やアクリル樹脂が好ましい。被覆樹脂を溶剤(トルエン等)に20〜40質量%程度溶解させ、樹脂溶液を調製する。被覆操作は、キャリア芯材に対して固形分で0.7〜14.5%の範囲となるように容器中で混合した後、150〜250℃にて加熱撹拌することにより実施できる。上記の樹脂溶液の濃度、および、樹脂溶液とキャリア芯材との混合比によって、樹脂の被覆量をコントロールすることができる。被覆後に、さらに加熱処理を施して樹脂被覆層を硬化させることによって、本発明に係るキャリアが得られる。
得られた本発明に係るキャリアを、適切な粒径を有するトナーと混合することによって、電子写真現像剤を得ることができる。
原料として、平均粒子径D50が約1μmに微粉砕されたFe2O3粉、Mn3O4粉を用意した。これらの原料粉を秤量して、Fe2O355mol%、MnO45mol%となるように配合した。
一方、水に、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を1.5質量%、湿潤剤としてサンノプコ(株)製「SNウェット980」を0.05質量%、バインダーとしてポリビニルアルコールを0.02質量%、添加した液(媒体液)を準備した。この媒体液に前記秤量された原料粉を投入し、攪拌することにより、これら投入した物質の濃度が75質量%のスラリーを得た。
このスラリーを湿式ボールミルにて湿式粉砕し、しばらく攪拌した後、スプレードライヤーにて該スラリーを約180℃の熱風中に噴霧し、粒径10〜200μmの乾燥造粒物を得た。
参考例1に係る電子写真現像剤を、温度20±2℃、湿度60±5%RH環境下で1日放置した。そして当該放置した電子写真現像剤100gを内蓋付きポリ瓶(100cc)へ入れ、シェイキングマシーン(レッドデビル社製)にセットして撹拌した。この攪拌操作を受けた後のキャリアを走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。トナースペントが観察されないものを◎(極めて良好)、トナースペントがわずかで許容範囲内(使用可能)のものを○(良好)、トナースペントが観察され、許容範囲外のものを△(やや不良)、トナースペントが多くて使用できないものを×(不良)と評価し、○評価以上を合格と判定した。
すると参考例1に係る電子写真現像剤の耐スペント性は、◎(極めて良好)であった。
すると参考例1に係る電子写真現像剤の画像特性は、全ての項目において◎(非常に良好なレベル)であった。
これらの結果を表1に示す。
参考例1と同様の原料粉を用い、焼成を行ってフェライト化した。その後、37μmの篩で粗大粒子をカットし粒度調整を行うことで、体積平均粒子径D50が27.3μmである参考例2に係るキャリア芯材を得た。
そして参考例2に係るキャリア芯材の10%の累積体積平均粒径D10、50%の累積体積平均粒径D50、90%の累積体積平均粒径D90、単位重量当たりのBET値、粒子密度を測定し、(D90−D10)値、単位容量当たりのBET比表面積(BET値(m2/g)×粒子密度(g/ml))を算出した。これらの値を表1に記載した。
得られた参考例2に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
参考例1と同様の原料粉を用い、焼成を行ってフェライト化した。その後、80μmと45μmの篩で粒子をカットし粒度調整を行うことで、体積平均粒子径D50が56.3μmである参考例3に係るキャリア芯材を得た。
そして参考例3に係るキャリア芯材の10%の累積体積平均粒径D10、50%の累積体積平均粒径D50、90%の累積体積平均粒径D90、単位重量当たりのBET値、粒子密度を測定し、(D90−D10)値、単位容量当たりのBET比表面積(BET(m2/g)×粒子密度(g/ml))を算出した。これらの値を表1に記載した。
得られた参考例3に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
参考例1と同様にFe2O355mol%、MnO45mol%となるように配合し、さらに、原料粉(Fe2O3とMn3O4)の総重量に対してSiO2を外添で20outwt%になるように添加し、造粒を行った。その後、窒素雰囲気下1120℃で5hr焼成し、フェライト化させた。このフェライト化した焼成物をハンマーミルで解粒し、風力分級機を用いて微粉を除去し、網目54μmの振動ふるいで粒度調整し、実施例1に係るキャリア芯材を得た。そして実施例1に係るキャリア芯材の10%の累積体積平均粒径D10、50%の累積体積平均粒径D50、90%の累積体積平均粒径D90、単位重量当たりのBET値、粒子密度を測定し、(D90−D10)値、単位容量当たりのBET比表面積(BET値(m2/g)×粒子密度(g/ml))を算出した。これらの値を表1に記載した。
次に、得られたキャリア芯材に対し、固形分で1%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って実施例1に係るキャリアを得た。
得られた実施例1に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
実施例1に使用したキャリア芯材を用い、このキャリア芯材に対し、固形分で2.5%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って実施例2に係るキャリアを得た。
得られた実施例2に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
原料粉(Fe2O3とMn3O4)の総重量に対してSiO2を外添で40outwt%になるように添加し、造粒を行った。その後、窒素雰囲気下1240℃で5hr焼成し、フェライト化させた。このフェライト化した焼成物をハンマーミルで解粒し、風力分級機を用いて微粉を除去し、網目54μmの振動ふるいで粒度調整し、実施例3に係るキャリア芯材を得た。そして実施例3に係るキャリア芯材の10%の累積体積平均粒径D10、50%の累積体積平均粒径D50、90%の累積体積平均粒径D90、単位重量当たりのBET値、粒子密度を測定し、(D90−D10)値、単位容量当たりのBET比表面積(BET値(m2/g)×粒子密度(g/ml))を算出した。これらの値を表1に記載した。
次に、得られたキャリア芯材に対し、固形分で6%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って実施例3に係るキャリアを得た。
得られた実施例3に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
実施例3に使用したキャリア芯材を用い、このキャリア芯材に対し、固形分で7.5%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って実施例7に係るキャリアを得た。
得られた実施例4に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
実施例1と同様にFe2O355mol%、MnO45mol%となるように配合し、さらに、原料粉(Fe2O3とMn3O4)の総重量に対してSiO2を外添で20outwt%になるように添加し、造粒を行った。その後、窒素雰囲気下1240℃で5hr焼成し、フェライト化させた。このフェライト化した焼成物をハンマーミルで解粒し、風力分級機を用いて微粉を除去し、網目54μmの振動ふるいで粒度調整し、参考例4に係るキャリア芯材を得た。そして参考例4に係るキャリア芯材の10%の累積体積平均粒径D10、50%の累積体積平均粒径D50、90%の累積体積平均粒径D90、単位重量当たりのBET値、粒子密度を測定し、(D90−D10)値、単位容量当たりのBET比表面積(BET値(m2/g)×粒子密度(g/ml))を算出した。これらの値を表1に記載した。
次に、得られたキャリア芯材に対し、固形分で6.5%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って参考例4に係るキャリアを得た。
得られた参考例4に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
参考例4に使用したキャリア芯材を用い、このキャリア芯材に対し、固形分で9%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って参考例5に係るキャリアを得た。
得られた参考例5に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
原料粉(Fe2O3とMn3O4)の総重量に対してSiO2を外添で40outwt%になるように添加し、造粒を行った。その後、窒素雰囲気下1120℃で5hr焼成し、フェライト化させた。このフェライト化した焼成物をハンマーミルで解粒し、風力分級機を用いて微粉を除去し、網目54μmの振動ふるいで粒度調整し、実施例5に係るキャリア芯材を得た。そして実施例5に係るキャリア芯材の10%の累積体積平均粒径D10、50%の累積体積平均粒径D50、90%の累積体積平均粒径D90、単位重量当たりのBET値、粒子密度を測定し、(D90−D10)値、単位容量当たりのBET比表面積(BET値(m2/g)×粒子密度(g/ml))を算出した。これらの値を表1に記載した。
次に、得られたキャリア芯材に対し、固形分で10%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って実施例5に係るキャリアを得た。
得られた実施例5に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
実施例5に使用したキャリア芯材を用い、このキャリア芯材に対し、固形分で13.5%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って実施例6に係るキャリアを得た。
得られた実施例6に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
参考例1と同様のキャリア芯材を準備した。
次に、キャリア芯材に対して固形分で10%となる割合をもって、被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って比較例1に係るキャリアを得た。
得られた比較例1に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
焼成温度を1150℃とした以外は、参考例1と同様の操作を行うことで比較例2に係るキャリア芯材を得た。
そして比較例2に係るキャリア芯材の10%の累積体積平均粒径D10、50%の累積体積平均粒径D50、90%の累積体積平均粒径D90、単位重量当たりのBET値、粒子密度を測定し、(D90−D10)値、単位容量当たりのBET比表面積(BET値(m2/g)×粒子密度(g/ml))を算出した。これらの値を表1に記載した。
得られた比較例2に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
焼成温度を700℃とした以外は、参考例1と同様の操作を行うことで比較例3に係るキャリア芯材を得た。
そして比較例3に係るキャリア芯材の10%の累積体積平均粒径D10、50%の累積体積平均粒径D50、90%の累積体積平均粒径D90、単位重量当たりのBET値、粒子密度を測定し、(D90−D10)値、単位容量当たりのBET比表面積(BET値(m2/g)×粒子密度(g/ml))を算出した。これらの値を表1に記載した。
しかし、比較例3に係るキャリア芯材は、樹脂の被覆時にワレカケが生じた為、ここで試験を終了した。これは、BET比表面積が高く、形状を維持することができないためであると考えられる。
実施例3で得られたキャリア芯材に対し、固形分で2%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って比較例4に係るキャリアを得た。
得られた比較例4に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
参考例4で得られたキャリア芯材に対し、固形分で4%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って比較例5に係るキャリアを得た。
得られた比較例5に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
参考例4で得られたキャリア芯材に対し、固形分で12%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って比較例6に係るキャリアを得た。
得られた比較例6に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
実施例5で得られたキャリア芯材に対し、固形分で7%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って比較例7に係るキャリアを得た。
得られた比較例7に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
実施例5で得られたキャリア芯材に対し、固形分で16%となる割合をもって被覆樹脂溶液を撹拌機に導入する以外は、参考例1の操作を行って比較例8に係るキャリアを得た。
得られた比較例8に係るキャリアに対し、参考例1と同様にキャリア強度、画像特性を評価した。これらの値を表1に記載した。
表1に示すデータから、上述した知見に基づき、キャリア芯材のBET比表面積と被覆樹脂量とが、キャリアの電子写真現像機内での撹拌ストレスに対する抵抗性へ与える影響について評価した。
まず、キャリア芯材のBET比表面積を横軸、被覆樹脂量を縦軸にとったグラフを作成し、そこへ実施例1〜6、参考例1〜5、比較例1、2、4〜8のデータをプロットし図1とした。
即ち、下記(式1)の範囲にあることが判明した。
y=3x+b(但し、−1.1≦b≦4.0)……(式1)
一方、上述したようにキャリア芯材のBET比表面積が、0.6m2/ml未満となると樹脂を充填しても所望の粒子密度を得ることができず、3.5m2/mlを超えるとキャリア芯材が形状を維持できなくなる。
従って、キャリア芯材のBET比表面積の値(xm2/ml)と、当該キャリア芯材に被覆された前記樹脂の重量(y%)との値が、y=3x+4、y=3x−1.1、x=0.6、x=3.5の4直線で囲まれる平行四辺形内の範囲にあれば良いことが判明した。さらに当該平行四辺形は、y=0.7およびy=14.5の範囲にある。
そこで、図1において実施例1〜4、参考例1、3の占める位置を検討したところ、キャリア芯材のBET比表面積の値(xm2/ml)と、当該キャリア芯材に被覆された前記樹脂の重量(y%)との値がy=3x+4.0、y=3x−1.1、x=0.6、x=2.0の4直線で囲まれる平行四辺形内の範囲にあれば良いことが判明した。さらに当該平行四辺形内は、y=0.7およびy=10.0の範囲にあることが判明した。
Claims (8)
- キャリア芯材へ樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用キャリアの重量を100%と規格化し、このときの前記樹脂の固形分重量をy%と表記し、前記キャリア芯材のBET比表面積の値をxm2/mlと表記したとき、
0.6m2/ml≦xm2/ml≦2.5m2/ml、且つ、0.7%≦y%≦11.5%、且つ、y=3x+b(但し、−1.1≦b≦4)の範囲にあって、前記キャリア芯材は、前記樹脂により露出なく被覆されており、
前記キャリア芯材が、一般式(MnO)a(Fe2O3)b、(但し、0<a≦50mol%、bmol%=100−amol%)にSiO 2 を20outwt%以上、40outwt%以下を添加して焼成したソフトフェライトであり、且つ、前記キャリア芯材粒子内に存在するクローズドポアをも含む当該粒子の見掛け密度である粒子密度が3.2g/cm3以上、4.2g/cm3以下であることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。 - キャリア芯材へ樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用キャリアの重量を100%と規格化し、このときの前記樹脂の固形分重量をy%と表記し、前記キャリア芯材のBET比表面積の値をxm2/mlと表記したとき、
0.6m2/ml≦xm2/ml≦2.0m2/ml、且つ、0.7%≦y%≦10.0%、且つ、y=3x+b(但し、−1.1≦b≦4)の範囲にあって、前記キャリア芯材は、前記樹脂により露出なく被覆されており、
前記キャリア芯材が、一般式(MnO)a(Fe2O3)b、(但し、0<a≦50mol%、bmol%=100−amol%)にSiO 2 を20outwt%以上、40outwt%以下を添加して焼成したソフトフェライトであり、且つ、前記キャリア芯材粒子内に存在するクローズドポアをも含む当該粒子の見掛け密度である粒子密度が3.2g/cm3以上、4.2g/cm3以下であることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。 - 前記電子写真現像剤用キャリア100gを、サンプルミルに投入し、回転数16000rpmの条件で120秒間粉砕を行ったとき、当該粉砕の前後における、前記電子写真現像剤用キャリアの体積平均粒径D50の変化率が1.6%以下であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 前記キャリア芯材の粒子密度を1と規格化したとき、前記電子写真現像剤用キャリアの粒子密度が0.82以上、0.93以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 平均粒径が15〜70μmであり、
小粒径側から、10%の累積体積平均粒径をD10、90%の累積体積平均粒径をD90としたとき、(D90−D10)≦21.7μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真現像剤用キャリア。 - 電気抵抗値が、9.1×10 4 Ω・cm以上、9.1×10 13 Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 安息角が32°以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真現像剤用キャリア。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真現像剤用キャリアとトナーとを含むことを特徴とする電子写真現像剤。
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