JP2020052065A - 電子写真現像剤用キャリア、電子写真現像剤及び電子写真現像剤の製造方法 - Google Patents

電子写真現像剤用キャリア、電子写真現像剤及び電子写真現像剤の製造方法 Download PDF

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謙 山▲さき▼
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隆男 杉浦
哲也 植村
Tetsuya Uemura
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【課題】本件発明の課題は、耐スペント性が高く、帯電量の経時変化が少なく、高画質な電子写真印刷を長期間に亘って行うことのできる電子写真現像剤用キャリア、電子写真現像剤及び電子写真現像剤の製造方法を提供することにある。【解決手段】上記課題を解決するため、芯材粒子の表面が樹脂で被覆されたキャリア粒子から構成される電子写真現像剤用キャリアであって、走査電子顕微鏡を用いて、加速電圧1kVで観察したときに得られる反射電子の投影像において、所定の範囲内で設定される閾値(X)に基づき二値化したときの高輝度部分の総面積が、前記反射電子の投影像における前記キャリア粒子の全投影面積に占める割合を高輝度面積率(Y)とし、前記閾値(X)を独立変数として前記所定の範囲内で変化させたときの前記高輝度面積率(Y)の変化について回帰分析を行い、得られた回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が所定の範囲内となるようにする。【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、プリンター等に用いられるキャリアとトナーとを含む二成分系の電子写真現像剤用キャリア、電子写真現像剤及び電子写真現像剤の製造方法に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナーを感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法をいう。この方法で使用される現像剤としては、トナーとキャリアからなる二成分系現像剤が広く使用されている。二成分系現像剤において、キャリアはトナーと撹拌混合されることで、トナーを帯電させる帯電付与剤として機能すると共に、帯電したトナーを感光体上の静電潜像位置まで搬送する担持体として機能する。担持体としての機能を果たしたキャリアは回収され、繰り返し再利用される。
キャリアとトナーとが撹拌混合される際に、粒子同士は互いに衝突するため、トナーがキャリアの表面に融着することがある。これをトナースペントという。トナースペントが生じると、表面に融着したトナーによって摩擦帯電に寄与する有効表面積が減少するため、耐刷中に使用時間の経過と共にキャリアの摩擦帯電能力が低下する。キャリアの摩擦帯電能力の低下に伴い、カブリやトナー飛散等の画質劣化が生じると、現像剤全体を取り替えなければならない。そのため、現像剤の長寿命化を図る上で、耐スペント性が高く、耐刷時における帯電量変動が少なく、高画質な電子写真印刷を長期間に亘って行うことのできるキャリアが求められている。
そのようなキャリアとして、例えば、フェライト粒子等を芯材とし、芯材の表面を樹脂で部分的に被覆した樹脂被覆型のキャリアが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。これらの樹脂被覆型のキャリアでは、走査型電子顕微鏡により撮影したキャリアの反射電子像に基づき、所定の閾値よりも輝度の高い部分を芯材露出部とし、所定の閾値よりも輝度の低い部分を樹脂被覆部とし、芯材露出部又は樹脂被覆部の面積が所定の範囲になるように、芯材を樹脂で被覆するものとしている。
特開2003−167390号公報 特許第5595273号公報
ところで、反射電子像は、電子線を試料に照射し、電子線の入射に伴い試料から放出される反射電子の発生量を、その試料の二次元位置に対応付けて検出することにより、生成される。反射電子の発生量は試料の構成原子に依存する。試料の構成原子の原子番号が大きいほど、反射電子の発生量は多くなる。従って、キャリアの場合、芯材の構成原子の方が樹脂の構成原子よりも原子番号が大きいため、芯材露出部の方が反射電子の発生量が多く、反射電子像では高い輝度で表示される。
また、電子線照射時の加速電圧が高ければ高いほど、電子線は試料の深部にまで浸透する。そのため、加速電圧が5kVのとき(例えば、特許文献1参照)と、加速電圧が2kVのとき(例えば、特許文献2参照)とでは、電子線の浸透深さが相違する。上記従来のキャリアは芯材の表面を樹脂で部分的に被覆したものであるため、芯材の表面における樹脂の被覆厚は均一ではない。従って、電子線照射時の加速電圧が高いと、樹脂被覆部であっても電子線が芯材まで到達し、芯材の構成元素に応じた発生量の反射電子が検出される場合がある。そのため、反射電子像を所定の閾値に基づき二値化した画像から、芯材露出部と樹脂被覆部とを判定する方法では、芯材の表面に樹脂が存在する部分についても、芯材露出部であると判定される場合があり、芯材表面における樹脂の存在の有無の実態を正確に判定することは困難である。
また、所定の方法で測定したときに芯材露出率が同じキャリア粒子であっても、芯材表面における樹脂被覆の態様が相違すれば、耐スペント性等が相違し、高画質な電子写真印刷を長期間に亘って安定に行うことができない場合があった。
本件発明の課題は、耐スペント性が高く、耐刷時における帯電量変動が少なく、高画質な電子写真印刷を長期間に亘って行うことのできる電子写真現像剤用キャリア、電子写真現像剤及び電子写真現像剤の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本件発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、芯材粒子の表面が樹脂で被覆されたキャリア粒子から構成される電子写真現像剤用キャリアであって、走査電子顕微鏡を用いて、加速電圧1kVで観察したときに得られる反射電子の投影像において、所定の範囲内で設定される閾値(X)に基づき二値化したときの高輝度部分の総面積が、前記反射電子の投影像における前記キャリア粒子の全投影面積に占める割合を高輝度面積率(Y)とし、前記閾値(X)を独立変数として前記所定の範囲内で変化させたときの前記高輝度面積率(Y)の変化について回帰分析を行い、得られた回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が以下の条件を満足することを特徴とする。
0.08 ≦ |a| ≦ 1.40
但し、
Xは、前記反射電子の投影像から二値化画像を得るための閾値であり、
Yは、前記閾値(X)で二値化したときの前記高輝度部分の総面積をS1とし、前記反射電子の投影像における前記キャリア粒子の全投影面積をSとしたときに、「S1/S×100」で表される値である。
本件発明に係る電子写真現像剤用キャリアにおいて、前記反射電子の投影像がn段階の輝度で表されるとき、前記所定の範囲の下限値(Xmin)と上限値(Xmax)とが、以下の条件を満足することが好ましい。
Xmin ≦ X ≦ Xmax
n×0.38 < Xmin < n×0.40
n×0.50 < Xmax < n×0.53
本件発明に係る電子写真現像剤用キャリアにおいて、前記芯材粒子のBET比表面積が0.05m/g以上0.60m/g以下であることが好ましい。
本件発明に係る電子写真現像剤用キャリアにおいて、前記キャリア粒子によるトナーの帯電量と、前記芯材粒子によるトナーの帯電量との比が0.3以上10.0以下であることが好ましい。
本件発明に係る電子写真現像剤用キャリアの体積平均粒径が20μm以上80μm以下であることが好ましい。
本件発明に係る電子写真現像剤用キャリアの3K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのB−H測定による磁化が40Am/kg以上95Am/kg以下であることが好ましい。
本件発明に係る電子写真現像剤用キャリアの見掛密度が1.6g/cm以上2.5g/cm以下であることが好ましい。
本件発明に係る電子写真現像剤用キャリアにおいて、体積粒径が16μm未満の粒子の含有割合が4.5%以下であることが好ましい。
本件発明に係る電子写真現像剤は、上記電子写真現像剤用キャリアとトナーとを含むことを特徴とする。
本件発明に係る電子写真現像剤は、補給用現像剤として用いられることも好ましい。
本件発明に係る電子写真現像剤の製造方法は、芯材粒子の表面を樹脂で被覆したキャリア粒子と、トナーとを含む電子写真現像剤の製造方法であって、走査電子顕微鏡を用いて、加速電圧1kVで観察したときに得られる反射電子の投影像において、所定の範囲内で設定される閾値(X)に基づき二値化したときの高輝度部分の総面積が、前記反射電子の投影像における前記キャリア粒子の全投影面積に占める割合を高輝度面積率(Y)とし、前記閾値(X)を独立変数として前記所定の範囲内で変化させたときの前記高輝度面積率(Y)の変化について回帰分析を行い、得られた回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が以下の条件を満足するキャリア粒子を用いることを特徴とする。
0.08 ≦ |a| ≦ 1.40
但し、
Xは、前記反射電子の投影像から二値化画像を得るための閾値であり、
Yは、前記閾値(X)で二値化したときの前記高輝度部分の総面積をS1とし、前記反射電子の投影像における前記キャリア粒子の全投影面積をSとしたときに、「S1/S×100」で表される値である。
本件発明によれば、耐スペント性が高く、耐刷時における帯電量変動が少なく、高画質な電子写真印刷を長期間に亘って行うことのできる電子写真現像剤用キャリア、電子写真現像剤及び電子写真現像剤の製造方法を提供することができる。
芯材粒子表面における樹脂の被覆状態を説明するための概念図である。
以下、本件発明に係る電子写真現像剤用キャリア及び電子写真現像剤の実施の形態を説明する。なお、本明細書において、電子写真現像剤用キャリアは、特記しない限り個々のキャリア粒子の集合体、つまり粉体を意味するものとし、以下においては単に「キャリア」と称する場合がある。また、「キャリア」と「キャリア粒子」が同義である場合もある。「芯材」、「トナー」についても同様である。
1.電子写真現像剤用キャリア
まず、本件発明に係る電子写真現像剤用キャリアの実施の形態を説明する。当該キャリアは、芯材粒子の表面が樹脂で被覆されたキャリア粒子から構成される。以下、当該電子写真現像剤用キャリアを単に「キャリア」と称する。走査電子顕微鏡を用いて、当該キャリアを加速電圧1kVで観察したときに得られる反射電子の投影像(反射電子像)において、所定の範囲内で設定される閾値(X)に基づき判定した高輝度部分の総面積が、反射電子像におけるキャリア粒子の全投影面積に占める割合を高輝度面積率(Y)とし、閾値(X)を独立変数として上記所定の範囲内で変化させたときの高輝度面積率(Y)の変化について回帰分析を行い、得られた回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が以下の条件を満足することを特徴とする。
0.08 ≦ |a| ≦ 1.40 ・・・(1)
但し、
Xは、反射電子像から二値化画像を得るための閾値であり、
Yは、上記閾値(X)で二値化したときの高輝度部分の総面積をS1とし、反射電子像におけるキャリア粒子の全投影面積をSとしたときに、「S1/S×100」で表される値である。
また、上記回帰直線はY=aX+bで表され、「a」は傾きであり、「b」は切片である。本件発明では、回帰分析によって得られた回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)をパラメータとして用いる。
1−1.樹脂被覆状態
当該キャリアは芯材粒子の表面が樹脂で被覆されたキャリア粒子から構成される。芯材粒子の表面における樹脂被覆状態がキャリア粒子の耐スペント性等に影響を及ぼす。本件発明では、芯材粒子の表面における樹脂被覆状態、より具体的には芯材粒子が露出している部分(芯材露出部)と、樹脂により被覆されている部分(樹脂被覆部)との境界部分における樹脂被覆状態を表すパラメータとして上記のようにして得た回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)を用いる。以下では、まず、回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)によって規定される樹脂被覆状態について説明した後、芯材粒子及び樹脂(被覆樹脂)について説明する。
(1)反射電子像の撮影条件
上記回帰直線の傾き(a)を求めるには、走査電子顕微鏡を用いてキャリアの反射電子像を撮影する。反射電子像の撮影条件として、本件発明では、電子線照射時の加速電圧を1kVとする。反射電子像は、試料に電子線を照射し、試料から放出された反射電子の発生量を検出し、試料の二次元位置とその位置における反射電子の検出量とを対応付けし、反射電子の検出量に応じた輝度分布として表される。試料から放出される反射電子の発生量は、電子線が入射した位置における試料の構成原子の種類に依拠する。構成原子の原子番号が大きい程、試料から放出される反射電子の発生量は多くなる。キャリアの場合、芯材としてフェライト粒子等の磁性粒子が用いられる。キャリアについて反射電子像を撮影すると、芯材露出部が樹脂被覆部と比較すると高い輝度で表示される。
ここで、試料から放出される反射電子の発生量は、電子線照射時における加速電圧にも依拠する。電子線照射時における加速電圧の値が高いほど、試料から放出される反射電子の発生量は多くなる。しかしながら、電子線照射時における加速電圧の値が高いと、試料表面における電子線の浸透深さが深くなる。例えば、電子線の浸透深さが、電子線入射位置における樹脂厚よりも深い場合、当該位置における反射電子の発生量は芯材露出部と同等の値になる。そこで、本件発明では、試料に対する電子線の浸透深さが深くなりすぎないようにしつつ、芯材露出部と樹脂被覆部とを判別するために十分な輝度差を確保するため、電子線照射時の加速電圧を1kVとした。当該撮影条件は従来よりも低い加速電圧で電子線を照射するため、キャリア粒子表面における樹脂被覆状態を従来と比してより実態に近い状態で検出することが可能になる。
(2)回帰直線の傾き(a)
しかしながら、電子線照射時の加速電圧を1kVとしても、芯材露出部と樹脂被覆部の境界部分では、電子線の浸透深さが、その位置における樹脂厚よりも深い場合がある。そのため、反射電子像から、直接、芯材露出部と樹脂被覆部との境界位置や、芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における樹脂被覆状態を精確に検出することはできなかった。そこで、本件発明者等の鋭意研究の結果、上記閾値(X)を独立変数として所定の範囲内で変化させたときの上記高輝度面積率(Y)の変化について回帰分析を行えば、得られた回帰直線の傾き(a)が芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における樹脂被覆状態を反映し、当該回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が式(1)の条件を満足する場合に、耐スペント性が高く、帯電量の経時変化の少ないキャリアを得ることができることを見出し、本件発明に想到した。なお、上記回帰分析を行う際に、閾値(X)の値を所定の範囲において下限値(Xmin)から上限値(Xmax)まで変化させると、回帰直線の傾き(a)は負の値を示す。そのため、本件発明では回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)を芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における樹脂被覆状態を反映するパラメータとして用いるものとした。
反射電子像を二値化するための閾値(X)を所定の範囲内で変化させたときに得られる回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が大きいと、上記境界部分における樹脂厚の変化が緩やかであり、芯材粒子の表面と、樹脂被覆部の境界部分が気相と接する面(以下、「境界面」)と称する)とが成す角度が小さいことを示す(例えば、図1(a)参照)。回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が小さいと、上記境界部分における樹脂厚の変化が大きく、芯材粒子の表面と、樹脂被覆部の境界面とが成す角度が大きくなることを示す(例えば、図1(b)参照)。
なお、図1(a)、(b)は、回帰直線の傾き(a)が互いに相違するキャリア粒子100の断面の一部を模式的に示した図である。図1(a)、(b)では、説明を簡略化するため、芯材粒子100の表面を平面で表している。また、図1(a),(b)では、樹脂被覆部20は、芯材露出部10との境界部分20aを除いて所定の厚み(d)を有し、当該境界部分20aでは樹脂厚が一定の割合で変化するものとしている。当明細書において、芯材露出部10と樹脂被覆部20との境界部分20aとは、主として、芯材粒子100の表面において、樹脂被覆部20の樹脂厚が所定の厚み(d)から「0」になるまでの領域を意味するものとする。但し、実際のキャリア粒子においては、樹脂被覆部における樹脂厚(境界部分を除く部分の樹脂厚)にはバラツキがあり、樹脂被覆部では上記所定の厚み(d)以上の厚みを有する部分も存在する。また、芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における樹脂厚の変化の割合も一定ではない。また、芯材粒子の表面は平面ではなく、凹凸も存在する。
回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が上記式(1)のとおり、0.08以上1.40以下であると、樹脂被覆部の芯材露出部との境界部分における樹脂厚の変化が緩やかであり、芯材粒子の表面と境界面とが成す角度が緩やかであるため、当該箇所にトナー粒子が衝突したときの衝撃を緩和することができ、耐スペント性の高いキャリアを得ることができる。また、回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が当該範囲内であると、樹脂被覆部の芯材露出部との境界部分において適度な樹脂厚を確保することができるため、樹脂剥離を抑制し、白粉の発生を抑制することができる。そのため、本件発明に係るキャリアを用いれば、トナースペントや樹脂剥離による帯電量の経時変化が少ない、高画質な電子写真印刷を長期間に亘って行うことのできる電子写真現像剤を得ることができる。
一方、回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が上記下限値未満になると、樹脂被覆部の芯材露出部との境界部分における樹脂厚の変化が大きくなり、芯材露出部の表面と、樹脂被覆部の境界面とが成す角度が大きくなる。この場合、当該箇所にトナー粒子が衝突したときにトナー粒子に対して衝撃が伝わりやすくなり、耐スペント性の高いキャリアを得ることが困難になる。
回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が上記下限値未満である要因の一つとして芯材粒子に対する樹脂被覆量が多く、樹脂被覆部の厚み(d)(但し、境界部分を除く)が厚いことが挙げられる。例えば、芯材粒子の表面を樹脂で被覆する際に浸漬法を採用した場合、樹脂被覆量を制御しなければ、樹脂被覆部の厚み(d)が厚くなり、回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が上記下限値未満になる場合がある。また、芯材粒子の表面に対する濡れ性の低い樹脂により、芯材粒子の表面を被覆する場合も、当該回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が上記下限値未満にある場合がある。
これに対して、回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が上記式(1)の上限値を超えると、芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分の端部における樹脂厚が薄くなる。この場合、トナーとの撹拌混合時における機械的ストレスによって樹脂剥離が生じやすく、キャリア粒子の帯電特性が耐刷中に低下してしまう。それに伴い、カブリやトナー飛散等の画質劣化が生じる。回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が上記上限値を超える要因の一つに、芯材粒子に対する樹脂被覆量が少なく、樹脂被覆部の厚み(d)が(境界部分以外)が薄い場合が挙げられる。また、回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が上記上限値を超える他の要因として、芯材粒子のBET比表面積が大きいことが挙げられる。芯材粒子のBET比表面積が大きくなると、芯材粒子に対する樹脂被覆量に比して、BET比表面積が小さい場合よりも芯材粒子の表面における樹脂厚が薄くなる。
樹脂剥離を抑制するという観点から、上記式(1)の上限値は、1.2であることが好ましく、1.0であることがより好ましい。また、耐スペント性が高く、キャリア飛散が生じにくいキャリアを得るという観点から、上記式(1)の下限値は0.09であることが好ましく、0.10であることがより好ましい。なお、上記式(1)の好ましい範囲に関して、等号付不等号(≦)を不等号(<)に置換してもよい。後述する他の式においても同様である。
(3)所定の範囲
上記回帰直線は、閾値(X)を独立変数として所定の範囲内で変化させたときの高輝度面積率(Y)の変化について回帰分析を行うことにより得られる。閾値(X)は、反射電子像から、芯材露出部と、樹脂被覆部とを輝度値により判別するために用いられる。反射電子像において、芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分は樹脂厚の勾配に応じた輝度分布を有する。当該所定の範囲は、芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分であると判別し得る領域で、反射電子像において検出可能な最小輝度値と最大輝度値とに基づいて定めることができる。
反射電子像がn階調のグレースケールで表される場合、芯材露出部が「n×0.585」より高い輝度で表示され、キャリア粒子の背景部分(例えば、カーボン両面テープ部分)が「n×0.117」より低い輝度で表示されるように調整したとき、後述する芯材粒子及び被覆樹脂を採用した場合、芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における輝度分布は、概ね下記式(2)〜(4)を満足する範囲内となる。そこで、本実施の形態では、下記式(2)〜(4)を満足する範囲内で閾値(X)を変化させることにより、芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における樹脂被覆状態を表すパラメータとして有効な回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)を得ることができる。
Xmin ≦ X ≦ Xmax ・・・(2)
n×0.38 < Xmin < n×0.40 ・・・(3)
n×0.50 < Xmax < n×0.53 ・・・(4)
但し、
Xminは、上記所定の範囲の下限値であり、
Xmaxは、上記所定の範囲の上限値である。
例えば、反射電子像が8ビットグレースケール画像である場合、階調数「n」は「256」であり、反射電子像において輝度値は0〜255の値を示す。このとき、芯材露出部の輝度が150以上であり、且つ、キャリア粒子の背景部分の輝度が30以下で表示されるように調整した上で、上記所定の範囲の下限値(Xmin)を98以上102以下の範囲で設定し、上限値(Xmax)を129以上135以下の範囲で設定することにより、芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における樹脂被覆状態に関する情報を取得することができる。後述する実施例では、Xmin=100、Xmax=135とし、閾値(X)を100以上135以下の範囲で変化させたときの、高輝度部分面積率(Y)の変化について回帰分析を行うことにより回帰直線を得ている。なお、反射電子像を二値化したとき、二値化画像において芯材粒子に起因する高輝度部分は白色で表示され、樹脂に起因する低輝度部分は黒色で表示される。
1−2.芯材粒子
当該キャリアにおいて、芯材粒子は磁性粒子であることが好ましく、電子写真現像剤用キャリアに要求される磁性等を満足するものであれば、特に限定されるものではなく、従来公知の磁性粒子を用いることができる。特に、フェライト粒子を芯材粒子とすることが好ましく、球状のフェライト粒子を芯材粒子として用いることが好ましい。以下、フェライト粒子を芯材粒子として用いる場合について説明する。
(1)組成
フェライト粒子の組成は特に限定されるものではないが、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Zn及びZrから選ばれるいずれか1種以上を含むことが好ましい。但し、環境負荷低減の観点から、Cu、Zn及びNiは不可避不純物(随伴不純物)の範囲を超えて含まないことが好ましい。
(2)BET比表面積
芯材粒子のBET比表面積は0.05m/g以上0.60m/g以下であることが好ましい。芯材粒子のBET比表面積が上記範囲内であると、耐スペント性が高く、耐久性の高いキャリアを得ることができるため好ましい。
一方、芯材粒子のBET比表面積が上記下限値未満であると、芯材粒子の表面における凹凸が少なく、密実であるため、一粒子の比重が大きくなりトナースペントが生じやすくなる。耐スペント性の高いキャリアを得る上で、芯材粒子のBET比表面積は0.09m/g以上であることがより好ましく、0.27m/g以上であることがさらに好ましい。これに対して、芯材粒子のBET比表面積は芯材粒子のBET比表面積が上記上限値を超えると、芯材粒子の表面における凹凸が大きくなり、トナーとの撹拌・混合時に受ける機械的ストレスにより芯材粒子の割れ・欠けが生じ易くなる。耐久性の高いキャリアを得る上で、芯材粒子のBET比表面積は0.50m/g以下であることがより好ましく、0.31m/g以下であることがさらに好ましい。
1−3.被覆樹脂
芯材粒子の表面を被覆する樹脂(被覆樹脂)は、組み合わせるトナー、使用される環境等によって適宜選択できる。その種類は特に限定されないが、例えば、フッ素樹脂(例えば ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリ フッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン)、アクリル樹脂(例えば ポリメチルメタクリレート)、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂(例えばポ リエチレンテレフタレート)、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂のようなシリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。本発明では、フッ素樹脂、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂が最も好ましく用いられる。
芯材粒子の表面を被覆する樹脂量(樹脂被覆量)は、芯材粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部であることが好ましい。樹脂被覆量が芯材粒子100質量部に対して0.1質量部未満であると芯材粒子の表面を樹脂で被覆することが困難になり、所望の帯電特性が得られない。一方、樹脂被覆量が芯材粒子100質量部に対して5.0質量部を超えると、耐スペント性の高いキャリアを得ることが困難になる。また、この場合、製造時にキャリア粒子同士の凝集が発生してしまい、歩留まり低下等の生産性の低下を招く。これと共に、電子写真現像剤として用いたときに実機内での流動性や帯電量等が変動するなど、現像剤特性の変動の原因となるため好ましくない。
被覆樹脂には、導電剤や帯電制御剤等が含まれていてもよい。導電剤としては、例えば、導電性カーボン、酸化チタンや酸化スズ等の酸化物、又は、各種の有機系導電剤を挙げることができる。導電剤の含有量は、被覆樹脂の固形分に対して0.25質量%以上20.0質量%であることが好ましく、0.5質量%以上15.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
帯電制御剤としては、トナー用に一般的に用いられる各種の帯電制御剤や、シランカップリング剤が挙げられる。これらの帯電制御剤やカップリング剤の種類は特に限定されないが、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制御剤や、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等を好ましく用いることができる。帯電制御剤の含有量は、被覆樹脂の固形分に対して好ましくは0.25質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
1−4.物性
(1)体積平均粒径(D50
当該キャリアの体積平均粒径(D50)が20μm以上80μm以下であることが好ましい。キャリアの体積平均粒径(D50)が20μm未満であると、キャリアが凝集しやすく、キャリア飛散が生じやすくなるため好ましくない。一方、キャリアの体積平均粒径が(D50)が80μmを超えると、画質劣化が生じやすくなるため好ましくない。
これらの観点から、当該キャリアの体積平均粒径(D50)は、25μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。また、当該キャリアの体積平均粒径(D50)は、70μm以下であることがより好ましく、60μm以下であることがさらに好ましい。
さらに、キャリア飛散をより良好に抑制する上で、当該キャリアの粒度分布を測定したときに、体積粒径が16μm未満の粒子の含有割合が4.5%以下であることが好ましい。
(2)見掛密度
当該キャリアの見掛密度は1.6g/cm以上2.5g/cm以下であることが好ましい。当該キャリアの見掛密度が1.6g/cm未満になると、キャリア一粒子当たりの磁化が低下し、キャリア飛散が生じやすくなるため好ましくない。一方、当該キャリアの見掛密度が2.5g/cmを超えると、トナーとの撹拌混合時に受ける機械的ストレスが大きくなり、樹脂剥離やトナースペントが生じやすくなる。それに伴い、耐刷中にキャリアの摩擦帯電能力が低下すると、カブリやトナー飛散等の画質劣化が生じるため好ましくない。
これらの観点から、当該キャリアの見掛密度は1.7g/cm以上であることがより好ましく、1.8g/cm以上であることがさらに好ましい。また、当該キャリアの見掛密度は2.4g/cm以下であることがより好ましい。
(3)磁化
当該キャリアは、3K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのB−H測定による磁化が40Am/kg以上95Am/kgであることが好ましい。当該キャリアの磁化が40Am/kg未満であると、磁化が低く、キャリア飛散が生じやすくなるため好ましくない。一方、当該キャリアの磁化が95Am/kgを超えると磁気ブラシの穂立ちが強くなり過ぎて、現像斑が生じる場合があるため好ましくない。
これらの観点から、当該キャリアの上記B−H測定による磁化は45Am/kg以上であることがより好ましく、50Am/kg以上であることがさらに好ましい。また、当該キャリアの上記B−H測定による磁化は90Am/kg以下であることがより好ましく、85Am/kg以下であることがさらに好ましいく、80Am/kg以下であることが一層好ましい。
(4)帯電量
当該キャリア粒子によるトナーの帯電量と、当該キャリア粒子の芯材粒子によるトナーの帯電量との比が0.3以上10.0以下であることが好ましい。当該キャリア粒子又は芯材粒子とトナーとを所定の混合比で混合し、常温常湿下で24時間暴露した後に測定したときに、キャリア粒子によるトナーの帯電量と、芯材粒子によるトナーの帯電量との比が上記範囲内であると、耐刷中の当該キャリアによるトナーの帯電量の経時変化が少なく、高画質な電子写真印刷を長期間に亘って行うことができる電子写真現像剤を得ることができる。
これに対して、当該キャリア粒子によるトナーの帯電量と、当該キャリア粒子の芯材粒子によるトナーの帯電量との比が0.3未満になると、耐刷中に樹脂剥離によって芯材粒子が露出する結果、トナー帯電量が増加する。一方、当該キャリア粒子によるトナーの帯電量と、当該キャリア粒子の芯材粒子によるトナーの帯電量との比が10.0を超えると、耐刷中に樹脂剥離によって芯材粒子が露出する結果トナー帯電量が低くなる。
これらの観点から、当該キャリア粒子によるトナーの帯電量と、当該キャリア粒子の芯材粒子によるトナーの帯電量との比は0.4以上であることがより好ましく、0.5以上であることがさらに好ましい。また、当該キャリア粒子によるトナーの帯電量と、当該キャリア粒子の芯材粒子によるトナーの帯電量との比は5.0以下であることがより好ましく、3.2以下であることがさらに好ましい。
なお、キャリア粒子によるトナーの帯電量は、その被覆樹脂の種類、被覆樹脂に含まれる導電剤や帯電制御剤等の各種添加剤の有無や添加量、被覆樹脂量により調整することができる。また、芯材粒子によるトナーの帯電量は、芯材粒子の組成や、芯材粒子を製造する際の焼成条件等により調整することができる。例えば、芯材粒子においてMn含有量が増加すると帯電量は低くなり、Mg含有量が増加すると帯電量が高くなる傾向にある。また、焼成温度が高くなると帯電量が高くなり、焼成時の雰囲気酸素濃度が高くなると帯電量が高くなる傾向にある。
2.電子写真現像剤
本件発明に係る電子写真現像剤は、本件発明に係るキャリアとトナーとを含む。キャリアは上記のとおりであるため、ここでは説明を省略する。
当該電子写真現像剤を構成するトナーとして、例えば、重合法により製造される重合トナー又は粉砕法によって製造される粉砕トナーを用いることができる。
トナーの体積平均粒径(D50)は2μm以上15μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下であることがより好ましい。トナーの体積平均粒径(D50)が当該範囲内であると、帯電能力が高く、カブリやトナー飛散を抑制し、高画質な電子写真印刷を行うことができる電子写真現像剤を得ることができる。
キャリアとトナーとの混合比、すなわちトナー濃度は、3質量%以上15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。トナーを当該濃度で含む電子写真現像剤は、所望の画像濃度が得られやすく、カブリやトナー飛散をより良好に抑制することができる。なお、トナー濃度はトナー質量/(キャリア質量+トナー質量)×100をいう。
一方、当該電子写真現像剤を補給用現像剤として用いる場合には、キャリア1質量部に対してトナー2質量部以上50質量部以下の割合でキャリアとトナーとが混合されていることが好ましい。
当該電子写真現像剤は、磁気ドラム等にキャリアを磁力により吸引付着させてブラシ状にしてトナーを搬送し、バイアス電界を付与しながら、感光体上等に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視像を形成する磁気ブラシ現像法を適用した各種電子写真現像装置に好適に用いることができる。特に、当該電子写真現像剤は高画質な画像を高速に印刷することができるため、バイアス電界を付与する際に、直流バイアス電界に交流バイアス電界を重畳した交番バイアス電界を用いるフルカラー印刷用の電子写真現像装置に特に好適に用いることができる。
3.電子写真現像剤用キャリア及び電子写真現像剤の製造方法
3−1.電子写真現像剤用キャリアの製造方法
本件発明では、走査電子顕微鏡を用いて、加速電圧1kVで観察したときに得られる反射電子の投影像において、所定の範囲内で設定される閾値(X)に基づき判定した高輝度部分の総面積が、前記反射電子の投影像における前記キャリア粒子の全投影面積に占める割合を高輝度面積率(Y)とし、前記閾値(X)を独立変数として前記所定の範囲内で変化させたときの前記高輝度面積率(Y)の変化について回帰分析を行い、得られた回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が以下の条件を満足するキャリア粒子からなるキャリアを製造する。
0.08 ≦ |a| ≦ 1.40 ・・・(1)
但し、
Xは、反射電子像から二値化画像を得るための閾値であり、
Yは、上記閾値(X)で二値化したときの高輝度部分の総面積をS1とし、反射電子像におけるキャリア粒子の全投影面積をSとしたときに、「S1/S×100」で表される値である。
(1)芯材粒子の製造方法
まず、芯材粒子の製造方法について説明する。芯材粒子としてフェライト粒子を用いる場合、所望のフェライト組成となるように原材料を適量秤量した後、ボールミル又は振動ミル等で0.5時間以上、好ましくは1時間以上20時間以下粉砕混合する。原料は特に制限されない。このようにして得られた粉砕物は加圧成型機等を用いてペレット化した後、700℃以上1200℃以下の温度で仮焼成する。また、加圧成型機等を用いてペレット化する代わりに、粉砕物に水を加えてスラリー化し、スプレードライヤーを用いて粒状化したものを仮焼成しても良い。
次に、仮焼成物をボールミル又は振動ミル等で粉砕する。その際、乾式粉砕に限らず、仮焼成物に水を加えてスラリー化する湿式粉砕を行なってもよく、必要に応じて分散剤、バインダー等を添加して、このスラリーの粘度調整を行なってもよい。上記の粉砕機は特に限定されないが、原料を効果的かつ均一に分散させるためには、使用するメディアに1mm以下の粒径を持つ微粒なビーズを使用することが好ましい。また使用するビーズの径、組成、粉砕時間を調整することによって、粉砕度合いをコントロールすることができる。粉砕粒径は、好ましくは1.1μm〜3.5μm、より好ましくは2.0μm〜2.5μmである。その後、粉砕した仮焼成物をスプレードライヤーにて粒状化して、造粒を行なう。回収した造粒物は必要に応じて粒度調整を行ってもよい。
次いで、得られた造粒物を400℃〜1200℃で加熱し、添加した分散剤やバインダーといった有機成分の除去を行った後、酸素濃度の制御された雰囲気下で800℃〜1500℃の温度で1時間〜24時間保持して本焼成を行う。この本焼成時の温度により、芯材表面の凹凸度合いであるBET比表面積を調整する事が出来る。本焼成時の温度は、好ましくは1000℃〜1300℃、より好ましくは1100℃〜1270℃である。本焼成は、ロータリー式電気炉、バッチ式電気炉または連続式電気炉等を用いて行うことができる。また、酸素濃度の制御は、窒素等の不活性ガス或いは水素や一酸化炭素等の還元性ガスを炉内に導入することにより行ってもよいし、所定の酸素濃度になるように窒素と酸素を予め調整したガスを炉内に導入してもよい。
本焼成後、焼成物を解砕及び分級する。解砕方法としてはハンマーミル、ジェットミル等を単独若しくは組み合わせにより行う。既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法などを用いて単独若しくは組み合わせて用いることで所望の粒径に粒度調整すればよい。
その後、必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化皮膜処理を施し、電気抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉やバッチ式電気炉等を用い、例えば300〜700℃で熱処理することで行うことができる。この処理によって形成された酸化被膜の厚さは0.1nm〜5μmであることが好ましい。0.1nm以上とすることで、酸化被膜層の効果が十分なものとなる一方、5μm以下とすることで、磁化の低下や過度な高抵抗となるのをより一層効果的に抑制することができる。また、必要に応じて、酸化被膜処理の前に還元処理を行ってもよい。このようにして、芯材粒子が作製される。
このとき、芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における樹脂厚の変化を上記回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が上記式(1)の範囲を満たすようにするため、芯材粒子のBET比表面積が上記範囲内である芯材粒子に対して、次に説明する樹脂被覆工程を行うことが好ましい。なお、芯材粒子のBET比表面積は、本焼成時の焼成温度や保持時間を調整することなどにより調整することができる。
(2)樹脂被覆方法
上述のようにして作製された芯材粒子の表面を樹脂で被覆する。芯材粒子の表面を被覆する樹脂は上述のとおりである。ここで、シリコーン樹脂は芯材粒子の表面に対する濡れ性が高いが、アクリル樹脂等を含む樹脂溶液はシリコーン樹脂と比較すると芯材粒子の表面に対する濡れ性が低い。芯材粒子の表面に対する濡れ性の良好な樹脂溶液を用いて、芯材粒子の表面を被覆した方が上記回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が大きくなる傾向にある。また、上述のとおり、芯材粒子に対する樹脂被覆量が多くなると、上記回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が小さくなる傾向にある。これらを考慮して、芯材粒子の表面を被覆する樹脂の種類及び樹脂被覆量を決定することが好ましい。
樹脂で被覆する方法として、公知の方法、例えば刷毛塗り法、乾式法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリードライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等を採用することができる。特に、芯材露出部と樹脂被覆部との境界付近における樹脂被覆状態を所望の状態に制御し易いという観点から、万能攪拌機による液浸乾燥法により芯材粒子の表面を樹脂で被覆することが好ましい。
万能攪拌機は撹拌羽と、撹拌槽とを有し、撹拌羽を回転させながら撹拌槽内に収容された芯材粒子と樹脂溶液とを混合し、芯材粒子の表面を樹脂溶液で被覆する。撹拌槽内を加温しつつ、芯材粒子と樹脂溶液との撹拌を継続することで、樹脂溶液の溶媒を除去し、芯材粒子の表面が樹脂で被覆されたキャリアを得ることができる。当該方法では、撹拌羽の回転数、撹拌槽内の温度や減圧度等を調整することで、芯材露出部と樹脂被覆部との境界付近における樹脂被覆状態を所望の状態に制御することが容易である。
例えば、撹拌羽の回転数が高いと、芯材粒子と樹脂被覆時とを撹拌混合する際に、芯材粒子同士の衝突回数が多くなり、或いは、芯材粒子同士が激しく衝突する結果、芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における樹脂厚の変化が緩やかになる。そのため、その他の条件が同じであれば、撹拌羽の回転数が高くなるほど回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)は大きくなる傾向にあると考えられる。
また、撹拌槽内の温度が低いと、すなわち、乾燥温度が低いと、芯材粒子の表面に塗布された樹脂溶液が乾燥するまでに時間を要する。乾燥時間が長くなると、撹拌時間が長くなるため、芯材粒子同士が互いに衝突する時間も長くなる。その結果、芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における樹脂厚の変化が緩やかになる。そのため、その他の条件が同じであれば、乾燥温度が低くなるほど回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)は大きくなる傾向にあると考えられる。
樹脂被覆後に焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。UV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度とすることが望ましく、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げることが望ましい。
3−2.電子写真現像剤
本発明の現像剤は、上記本件発明に係る電子写真現像剤用キャリアとトナーとを含むことを特徴とする。電子写真現像剤用キャリアの製造方法は上述したとおりである。トナーには、粉砕法によって製造される粉砕トナーと、重合法により製造される重合トナーとがある。本発明ではいずれの方法により得られたトナーを使用することができる。
粉砕トナーは、例えば、結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得ることができる。
粉砕トナーを構成する結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、更にはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いられる。
荷電制御剤としては、任意のものを用いることができる。例えば正荷電性トナー用としては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩等を挙げることができ、また、負荷電性トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を挙げることができる。
着色剤(色剤)としては、従来より知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。その他、トナーの流動性、耐凝集性向上のためのシリカ粉体、チタニア等のような外添剤をトナーに応じて加えることができる。
重合トナーは、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相転乳化法といった公知の方法で製造されるトナーである。このような重合法トナーは、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を水中に分散させた着色分散液と、重合性単量体、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中で混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に乳化分散させて、攪拌、混合しながら重合させた後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析させる。塩析によって得られた粒子を、濾過、洗浄、乾燥させることにより、重合トナーを得ることができる。その後、必要により乾燥されたトナーに外添剤を添加する。
更に、この重合トナーを製造するに際しては、重合性単量体、界面活性剤、重合開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯電制御剤を配合することができ、これらにより得られた重合トナーの諸特性を制御、改善することができる。また、水性媒体への重合性単量体の分散性を改善するとともに、得られる重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いることができる。
上記重合トナーの製造に使用される重合性単量体に特に限定はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエステル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類等を挙げることができる。
上記重合トナーの調製の際に使用される着色剤(色材)としては、従来から知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー及びフタロシアニングリーン等を使用することができる。また、これらの着色剤はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を用いてその表面が改質されていてもよい。
上記重合トナーの製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を使用することができる。
ここで、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン、脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。更に、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
上記のような界面活性剤は、重合性単量体に対して、通常は0.01質量%〜10質量%の範囲内の量で使用することができる。このような界面活性剤の使用量は、単量体の分散安定性に影響を与えるとともに、得られた重合トナーの環境依存性にも影響を及ぼすことから、単量体の分散安定性が確保され、かつ重合トナーの環境依存性に過度の影響を及ぼしにくい上記範囲内の量で使用することが好ましい。
重合トナーの製造には、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本発明ではいずれも使用することができる。本発明で使用することができる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パーオキサイド化合物を挙げることができ、また、油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、油溶性パーオキサイド化合物を挙げることができる。
また、連鎖移動剤を使用する場合には、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四臭化炭素等を用いることができる。
更に、本発明で使用する重合トナーが、定着性改善剤を含む場合、この定着性改良剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス等を使用することができる。
また、本発明で使用する重合トナーが、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯電制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等を使用することができる。
また、重合トナーの流動性向上等のために使用される外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
更に、水性媒体から重合粒子を分離するために使用される塩析剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の金属塩を挙げることができる。
上記のように製造されたキャリアとトナーとを混合し、本件発明に係る電子写真現像剤を得ることができる。キャリアとトナーの混合比は上述したとおりである。
次に、実施例および比較例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下のようにして芯材粒子1を作製し、その表面に樹脂を被覆して実施例1のキャリアを製造した。
(1)芯材粒子1の作製
まず、焼成後のフェライト組成が、MnO:38mol%、MgO:11.0mol%、Fe:50.3mol%及びSrO:0.7mol%になるように原料を秤量した。ここで、MnO原料として四酸化三マンガン、MgO原料として水酸化マグネシウム、SrO原料としては、炭酸ストロンチウムを用いた。
次に、秤量した原料を乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)で4.5時間粉砕した。次いで、得られた粉砕物をローラーコンパクターで、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、ロータリー式電気炉で、1050℃で3時間加熱し、仮焼成を行った。
次に、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)を用いて仮焼成物を粉砕した。さらに、その粉砕物に水を加え、湿式のメディアミル(縦型ビーズミル、1/16インチ径のステンレスビーズ)を用いて10時間粉砕し、スラリーを調製した。そして、このスラリーに分散剤を適量添加し、バインダーとしてPVA(20%溶液)を固形分に対して0.2質量%添加した上で、スプレードライヤーにより造粒、乾燥した。得られた粒子(造粒物)の粒度調整を行い、その後、ロータリー式電気炉で、造粒物を700℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーといった有機成分の除去を行った。
その後、トンネル式電気炉で、焼成温度1100℃、酸素ガス濃度0%雰囲気下で、5時間保持して、造粒物を焼成し、フェライト化した。この時、昇温速度を150℃/時、降温速度を110℃/時とした。その後、焼成物を解砕し、さらに分級して粒度調整を行い、磁力選鉱により低磁力品を分別した。その後、酸素含有雰囲気下、ロータリー式電気炉を用い、500℃で熱処理を行うことにより表面酸化被膜処理を施した。以上の工程により、芯材粒子1を得た。
当該芯材粒子1の製造条件を後述する他の芯材粒子の製造条件と共に表1に示す。また、当該芯材粒子1のBET比表面積は0.31m/gであり、芯材粒子1の飽和磁化は75emu/gである。なお、BET比表面積及び飽和磁化の測定方法については後述する。
(2)樹脂被覆
上記のようにして作製した芯材粒子1の表面を次に述べる方法で樹脂で被覆し、実施例1のキャリアを得た。
メチルシリコーン樹脂溶液(樹脂溶液濃度20質量%、溶媒トルエン)に触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)を、樹脂固形分に対して25質量%(Ti原子換算で3質量%)加えた。さらに、当該メチルシリコーン樹脂溶液に、アミノシランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシシランを、樹脂固形分に対して5質量%添加し、導電性制御剤としてカーボンブラック(Cabot社製、Mogul L)を樹脂固形分に対して10.0質量%添加して樹脂溶液を調製した。万能攪拌機の撹拌槽内に芯材粒子1と、当該樹脂溶液とを収容した。このとき、樹脂溶液は芯材粒子100質量部に対して固形分で2.2質量部となるようにした。撹拌槽内の温度を90℃に加温し、撹拌羽の回転数を100rpmとして、芯材粒子1と樹脂溶液とを攪拌しながら混合し、溶媒を蒸発させて芯材粒子1の表面に樹脂を被覆した。当該樹脂被覆方法は、上記実施の形態の欄で説明した万能攪拌機による液浸乾燥法に相当する。また、ここでは、撹拌羽と、当該撹拌羽が収容される撹拌槽とを有し、撹拌羽の回転数は任意に調整可能であり、撹拌槽内を大気圧から真空(1.3kPa)まで減圧可能であり、且つ、撹拌槽内の温度を40℃から150℃まで調整可能な万能撹拌機を用いた。
その後、バッチ式オーブンに樹脂が被覆された芯材粒子1を投入し、250℃の温度で2時間保持していわゆる焼き付けを行い、樹脂を芯材粒子1の表面に固着した。そして、165Mの目開きの振動篩で粒子同士の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除き、芯材粒子1の表面が樹脂で被覆された実施例1のキャリアを得た。実施例1のキャリアを得る際に採用した樹脂被覆条件等については、後述する他のキャリアの樹脂被覆条件等と共に表2に示す。
[実施例2]
実施例2では、次のようにして芯材粒子2を作製し、その表面に以下のようにして樹脂を被覆して実施例2のキャリアを製造した。
(1)芯材粒子2の作製
焼成温度を1050℃、本焼成後に表面酸化被膜処理を行わなかったこと以外は、実施例1で作製した芯材粒子1と同様にして、芯材粒子2を作製した。
芯材粒子2のBET比表面積は0.42m/gであり、芯材粒子2の飽和磁化は78emu/gである。
(2)樹脂被覆
芯材粒子2の表面に樹脂を被覆する際に、実施例1で調製した樹脂溶液を芯材粒子100質量部に対して固形分で1.2質量部用い、撹拌槽内を60℃に加温し、撹拌羽の回転数を150rpmとした以外は実施例1と同様にして実施例2のキャリアを得た。
[実施例3]
実施例3では、次のようにして芯材粒子3を作製し、その表面に以下のようにして樹脂を被覆して実施例3のキャリアを製造した。
(1)芯材粒子3の作製
焼成温度を1200℃、本焼成後に表面酸化被膜処理を行わなかったこと以外は、実施例1で作製した芯材粒子1と同様にして、芯材粒子3を作製した。
芯材粒子3のBET比表面積は0.08m/gであり、芯材粒子3の飽和磁化は73emu/gである。
(2)樹脂被覆
芯材粒子3の表面に樹脂を被覆する際に、実施例1で調製した樹脂溶液を芯材粒子100質量部に対して固形分として2.2質量部用い、撹拌槽内を120℃に加温し、撹拌羽の回転数を50rpmにした以外は実施例1と同様にして実施例3のキャリアを得た。
[実施例4]
実施例4では、次のようにして芯材粒子4を作製し、その表面に以下のようにして樹脂を被覆して実施例4のキャリアを製造した。
(1)芯材粒子4の作製
焼成後のフェライト組成が、MnO:47.2mol%、MgO:2.5mol%、Fe:49.8mol%及びZrO:0.5mol%になるように原料を秤量し、焼成温度を1200℃、焼成時の雰囲気中の酸素ガス濃度を1.0%とし、本焼成後に表面酸化被膜処理を行わなかったこと以外は、実施例1で作製した芯材粒子1と同様にして、芯材粒子4を作製した。なお、ZrO原料として、酸化ジルコニウムを用いた。
芯材粒子4のBET比表面積は0.11m/gであり、芯材粒子4の飽和磁化は78emu/gである。
(2)樹脂被覆
実施例4では、次のようにして樹脂溶液を調製した。固形のアクリル樹脂(三菱レーヨン社製BR−73)を準備し、当該アクリル樹脂100質量部をトルエン500質量部に混合して、アクリル樹脂をトルエンに溶解させた。これに、導電性制御剤としてカーボンブラック(Cabot社製、Mogul L)を樹脂固形分に対して5.0質量%添加して、実施例4で用いるアクリル樹脂溶液を調製した。
そして、芯材粒子4の表面に樹脂を被覆する際に上記アクリル樹脂溶液を芯材粒子100質量部に対して固形分として1.0質量部用い、撹拌槽内を90℃に加温し、撹拌羽の回転数を130rpmにした以外は、実施例1と同様にして芯材粒子4の表面に樹脂を被覆した。その後、バッチ式オーブンに樹脂が被覆された芯材粒子4を投入し、145℃で2時間保持して焼き付けを行い、樹脂を芯材粒子4の表面に固着した。そして、200Mの目開きの振動篩で粒子同士の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除き、芯材粒子4の表面が樹脂で被覆された実施例4のキャリアを得た。
[実施例5]
実施例5では、次のようにして芯材粒子5を作製し、その表面に以下のようにして樹脂を被覆して実施例5のキャリアを製造した。
(1)芯材粒子5の作製
焼成温度を1180℃、焼成時の雰囲気中の酸素ガス濃度を1.0%とし、本焼成後に表面酸化被膜処理を行わなかったこと以外は、実施例1で作製した芯材粒子1と同様にして、芯材粒子5を作製した。
芯材粒子5のBET比表面積は0.09m/gであり、芯材粒子5の飽和磁化は69emu/gである。
(2)樹脂被覆
芯材粒子5の表面に樹脂を被覆する際に、実施例1で調製した樹脂溶液を芯材粒子100質量部に対して固形分として0.35質量部用い、撹拌槽内を90℃に加温し、撹拌羽の回転数を100rpmとした以外は実施例1と同様にして実施例5のキャリアを得た。
比較例
[比較例1]
比較例1では、次のようにして芯材粒子6を作製し、その表面に以下のようにして樹脂を被覆して比較例1のキャリアを製造した。
(1)芯材粒子6の作製
焼成温度を1000℃とした以外は、実施例1で作製した芯材粒子1と同様にして、芯材粒子6を調製した。
芯材粒子6のBET比表面積は0.62m/gであり、芯材粒子6の飽和磁化は65emu/gである。
(2)樹脂被覆
芯材粒子6の表面に樹脂を被覆する際に、実施例1で調製した樹脂溶液を芯材粒子100質量部に対して1.2質量部用い、撹拌槽内を50℃に加温し、撹拌羽の回転数を160rpmとした以外は実施例1と同様にして比較例1のキャリアを得た。
[比較例2]
比較例2では、次のようにして芯材粒子7を作製し、その表面に以下のようにして樹脂を被覆して比較例2のキャリアを製造した。
(1)芯材粒子7の作製
焼成温度を1300℃、焼成時の雰囲気中の酸素ガス濃度を10%とし、本焼成後に表面酸化被膜処理を行わなかったこと以外は、実施例1で作製した芯材粒子1と同様にして、芯材粒子7を作製した。
芯材粒子7のBET比表面積は0.04m/gであり、芯材粒子7の飽和磁化は49emu/gである。
(2)樹脂被覆
芯材粒子7の表面に樹脂を被覆する際に、実施例1で調製した樹脂溶液を芯材粒子100質量部に対して固形分として3.6質量部用いて、撹拌槽内を130℃に加温し、撹拌羽の回転数を40rpmとした以外は実施例1と同様にして比較例2のキャリアを得た。
[比較例3]
比較例3では、次のようにして芯材粒子8を作製し、芯材粒子8に以下のようにして樹脂を充填して比較例3のキャリアを製造した。
(1)芯材粒子8の作製
焼成温度を1020℃、焼成時の雰囲気中の酸素ガス濃度を1.5%とし、本焼成後に表面酸化被膜処理を行わなかったこと以外は、実施例1で作製した芯材粒子1と同様にして、芯材粒子8を作製した。
芯材粒子8のBET比表面積は0.41m/gであり、芯材粒子8の飽和磁化は66emu/gである。
芯材粒子8に樹脂を充填する際に、実施例1で調製した樹脂溶液を芯材粒子100質量部に対して固形分として7.0質量部用い、撹拌槽内を6.7kPaに減圧し、撹拌槽内を60℃に加温し、撹拌羽の回転数を50rpmとした以外は、実施例1と同様に芯材粒子と樹脂溶液とを撹拌した。撹拌槽内を減圧しながら、芯材粒子8と樹脂溶液とを撹拌混合することで、芯材粒子8の細孔内に樹脂溶液が充填され、いわゆる樹脂充填型のキャリアが得られる。
以下、各実施例及び比較例で作製した芯材粒子1〜芯材粒子8の組成及び焼成条件等を示す。
Figure 2020052065
各実施例及び比較例で製造したキャリアの樹脂被覆条件等を表2に示す。表2の被覆樹脂の欄において、「Si」はメチルシリコーン樹脂を示し、「AC」がアクリル樹脂を示す。また、樹脂被覆量は、「樹脂固形分質量/芯材質量×100」を示す。
Figure 2020052065
〈評価〉
1.評価方法
1−1.樹脂被覆状態
本件発明では、キャリアの反射電子像を撮影し、上記回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)により樹脂被覆状態を評価する。以下では、当該実施例で採用した回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)を求めるための手順を説明する。
(1)試料調製方法
試料を乾式分散法により次のようにして調製した。走査電子顕微鏡の観察試料台に日新EM株式会社製のSEM用カーボン両面テープ(アルミ基材)を貼着し、このカーボン両面テープ上にミクロスパーテルで採取したキャリア粒子を振りかけてキャリア粒子をカーボン両面テープ上に分散させた。その後、エアーブローし、余分なキャリア粒子を除去した。
(2)撮影条件
以下の条件で、試料の反射電子像を撮影した。
装置名:SEM(日立ハイテクノロジーズ社製SU8020)
加速電圧:1kV
エミッション電流:20μA
倍率:450倍
信号の種類:反射電子像
ワーキングディスタンス(作動距離)7.0mm〜8.0mm
観察試料台の傾斜角:±0°
対物レンズ絞りの孔径:50μm
プローブ電流:High
走査時間:40秒
撮影した反射電子像は以下の形式で保存した。
画像サイズ(解像度):1280×960ピクセル
画像記録形式:bmp形式
保存した反射電子像(画像ファイル)を画像解析ソフト(米国国立衛生研究所 NIHにて公開ImageJ(1.47v))で8bit形式256階調で開き、SEM用カーボン両面テープ部分の輝度値が30以下、芯材露出部の輝度値が150以上であるか否かを確認し、両輝度値がそれぞれ当該条件を満足する場合、それを回帰分析用の反射電子像とした。両輝度値のいずれか一方でも所定の輝度値条件を満足していない場合は、走査型電子顕微鏡の操作パネルで、Brightness/Contrastを調整し、両輝度値が上記条件を満足するまで繰り返し撮影し、上記の手順を繰り返した。なお、SEM用カーボン両面テープ部分の輝度値は、撮影した画像を4分割した各領域の中心付近におけるSEM用カーボン両面テープ部分の輝度値の平均値とした。また、芯材露出部の輝度値は、画像内のキャリア粒子の中から任意の3粒子を選択し、各粒子における芯材露出部の輝度値の平均値とした。
(3)二値化処理
以上のようにして、取得した回帰分析用の反射電子像を上記画像解析ソフト(ImageJ(1.47v))を用いて二値化処理を行った。
まず、当該画像解析ソフトで、二値化する画像ファイルを開き、メニューから[Image]を選択し、開いたサブメニューから[Type]を選択し、8−bitを選択する。8−bitを選択することにより、輝度の最大値〜最小値が0〜255に比例配分されるように変換される。
次に、メニューから[Image]を選択し、サブメニューから[Ajust]を選択し、明るさ/コントラスト調整ウィンドウ([Brightness/Contrast])を開き、[contrast]のゲージを最右側に移動する。
そして、[minimum]および[maximum]のゲージを調整して、反射電子像を二値化するための閾値(輝度値)を設定し、[apply]を選択してその閾値を適用すると、反射電子像が二値化される。
(4)回帰分析
i)高輝度面積率(Y)
まず、上記閾値(X)を所定の範囲内で変化させ、各閾値における高輝度面積率(Y)を求めた。ここで、閾値(X)を変化させる所定の範囲は、下限値(Xmin)を100、上限値(Xmax)を135とし、100〜135の範囲で閾値(X)を5刻みで変化させた。すなわち、閾値(X)が100、105、110、・・・135であるときの高輝度面積率(Y)をそれぞれ求めた。なお、ここでは5刻みで閾値(X)を変化させたが、閾値(X)を変化させる間隔は5に限るものではない。但し、8bitグレースケール画像に対して二値化処理を施す場合、閾値(X)を変化させる間隔は5以下であることが好ましい。
各閾値(X)における高輝度面積率(Y)は、次のようにして求めた。
高輝度面積率(Y)は上述したとおり下記式により表される値である。
Y=S1/S×100
「S1」は所定の閾値(X)に基づき判定された高輝度部分の総面積であり、ここでは各閾値(X)により二値化された二値化画像における高輝度部分の総ピクセル数とした。
「S」は反射電子像に投影されたキャリア粒子の総面積であり、ここでは、反射電子像においてキャリア粒子部分の輝度値が「255」、背景部分となるSEM用カーボン両面テープ部分の輝度値が「0」となるように設定した閾値に基づき二値化した二値化画像におけるキャリア粒子部分(高輝度部分)の総ピクセル数とした。
二値化画像における高輝度部分の総ピクセル数(S1)及びキャリア粒子部分の総ピクセル数(S)は、画像解析ソフトのメニューから[Analyze]を選択し、[Histogram]で表示されるヒストグラム画面内の[LIST]ボタンを押し、画面において左側側に表示される高輝度部分の輝度値に対応するピクセル数を取得した。
ii)回帰直線
上記所定の範囲(100〜135)において、閾値(X)を横軸にとり、各閾値における高輝度面積率(Y)を縦軸にとって最小二乗法により回帰分析を行い、回帰直線(Y=aX+b)を得た。
1−2.物性
(1)BET比表面積
BET比表面積は、比表面積測定装置(型式:Macsorb HM model−1208(マウンテック社製))を用いて測定した。試料を比表面積測定装置専用の標準サンプルセルに約5g〜7g入れ、精密天秤で正確に秤量し、測定ポートに試料をセットし、測定を開始した。測定は1点法で行った。当該比表面積測定装置では、測定終了時に試料の質量(重量)を入力すると、BET比表面積が自動的に算出される。なお、測定前に前処理として、測定試料を薬包紙に20g程度を取り分けた後、真空乾燥機で−0.1MPaまで脱気し、真空度が−0.1MPa以下に到達していることを確認した後、200℃で2時間加熱した。測定は、10℃〜30℃、相対湿度20%〜80%、結露なしの環境下で行った。
(2)帯電量
各実施例及び比較例で製造したキャリア芯材によるトナーの帯電量と、各実施例及び比較例で製造したキャリアによるトナーの帯電量とをそれぞれ以下の手順に従って測定し、キャリア粒子によるトナーの帯電量と、前記芯材粒子によるトナーの帯電量との比、及び、帯電量の経時変化を評価した。
キャリア芯材又はキャリアとトナーとをトナー濃度が7.0質量%(トナー質量=1.4g、キャリア質量=18.6g)になるようにそれぞれ秤量した。トナーは、フルカラープリンターに使用されている市販の平均体積粒径(D50)が5.8μmである負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製DocuPrintC3530用)を用いた。秤量したキャリア芯材又はキャリアとトナーとを常温常湿下で12時間以上暴露した。その後、キャリア芯材又はキャリアとトナーとを容量が50mlのガラス瓶に入れ、浅田鉄工株式会社製のペイントシェーカーを用いて150rpmの回転数で10分間撹拌し、現像剤を調製した。
帯電量測定装置として、直径31mm、長さ76mmの円筒形のアルミ素管(以下、スリーブ)の内側に、N極とS極を交互に合計8極の磁石(磁束密度0.1T)を配置したマグネットロールと、該スリーブと5.0mmのGapをもった円筒状の電極を、該スリーブの外周に配置した。このスリーブ上に、現像剤0.5gを均一に付着させた後、外側のアルミ素管は固定したまま、内側のマグネットロールを100rpmで回転させながら、外側の電極とスリーブ間に、直流電圧2500Vを60秒間印加し、トナーを外側の電極に移行させた。このとき、円筒状の電極にはエレクトロメーター(KEITHLEY社製 絶縁抵抗計model6517A)を接続し、外側の電極に移行したトナーの電荷量を測定した。測定された電荷量と移行したトナー質量とから、帯電量を算出した。
i)キャリアによるトナーの帯電量と、芯材によるトナーの帯電量との比
各実施例及び比較例で得たキャリアを用いて上記手順で調製した現像剤を試料として測定した帯電量をキャリアによるトナーの帯電量とした。また、各実施例及び比較例のキャリアを得るために用いた芯材粒子を試料として、上記手順で測定した帯電量を芯材粒子によるトナーの帯電量とした。そして、キャリアによるトナーの帯電量を芯材によるトナーの帯電量で除すことにより、キャリアによるトナーの帯電量と、芯材によるトナーの帯電量との比を求めた。
ii)帯電量の経時変化
上記手順で調製した現像剤を上記手順で測定した帯電量と、上記手順で調製した現像剤を容量が50mlのガラス瓶に入れて浅田鉄工株式会社製のペイントシェーカーを用いて150rpmの回転数で10時間撹拌した後、現像剤を取り出し、635Mの網を用いて、トナーを吸引し、キャリアのみを取り出した。得られたキャリアを上述した帯電量の測定方法にて、帯電量を測定し、強制攪拌後の帯電量とした。
そして、下記式により、帯電量の経時変化率を算出した。
帯電量の経時変化率=(攪拌後の帯電量)/(攪拌前の帯電量)×100
上記計算式により求めた経時変化率により帯電量の経時変化を以下のように評価した。
経時変化率 0.5%未満又は1.3%超 :×
経時変化率 0.5%以上0.6%未満/1.2%超1.3%以下 :△
経時変化率 0.6%以上0.7%未満/1.1%超1.2%以下 :○
経時変化率 0.7%以上1.1%以下 :◎
(3)平均体積粒径
平均体積粒径の測定は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いて測定した。分散媒には水を用いた。試料10gと水80mlを100mlのビーカーにいれ、分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)を2滴〜3滴添加する。次いで超音波ホモジナイザー(SMT.Co.LTD.製UH−150型)を用い、出力レベル4に設定し、20秒間分散を行った。その後、ビーカー表面にできた泡を取り除き、試料を装置へ投入した。16μm未満の粒子の体積%も同様に測定して算出した。
(4)磁化
磁化の測定は、積分型B−HトレーサーBHU−60型(株式会社理研電子製)を用いて測定した。試料を4πIコイルに入れ、当該装置の電磁石間に磁場測定用Hコイル及び磁化測定用4πIコイルを入れた。電磁石の電流を変化させ磁場Hを変化させたHコイル及び4πIコイルの出力をそれぞれ積分し、H出力をX軸に、4πIコイルの出力をY軸に、ヒステリシスループを記録紙に描いた。このヒステリシスカーブにおいて、印加磁場が3K・1000/4π・A/mであるときの磁化を求め、飽和磁化とした。なお、測定条件は以下のとおりである。
試料充填量 :約1g
試料充填セル:内径7mmφ±0.02mm、高さ10mm±0.1mm
4πIコイル:巻数30回
(5)見掛密度
見掛密度は、漏斗、コップ、漏斗支持器、支持棒及び支持台から構成された粉末見掛密度計を用い、JIS Z 2504:1979に準拠して測定した。天秤は、秤量200gで感量50mgのものを用いた。
具体的な手順は次のとおりである。まず、少なくとも150gの試料を用い、試料を孔径2.5+0.2/−0mmのオリフィスを有する漏斗に注ぎ、漏斗から流れ出た試料がコップ一杯になってあふれ出るまで流し込んだ。試料があふれ始めたら直ちに試料の流入をやめ、振動を与えないようにコップの上に盛り上がった試料をへらでコップの上端に沿って平らにかきとった。そして、コップの側面を軽く叩いて、試料を沈ませコップの外側に付着した試料を除去して、コップ内の試料の質量を0.05gの精度で秤量した。
秤量したコップ内の試料の質量に、0.04を乗じた数値をJIS Z 8401(数値の丸め方)によって小数点以下第2位に丸め見掛け密度(単位:g/cm)とした。
(6)耐スペント性
帯電量を測定する際に用いたトナーと同じ市販の負極性トナーを用い、キャリアとトナーとの混合物(電子写真現像剤)においてトナー濃度が7質量%、現像剤量が20gになるように、キャリアとトナーとをそれぞれ秤量した。このように調製した現像剤を容量が50mlのガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を浅田鉄工株式会社製のペイントシェーカーを用いて10時間攪拌した。攪拌終了後、ガラス瓶から電子写真現像剤を取り出し、635Mの網を用いてトナーを吸引し、トナーとキャリアとを分離した。得られたキャリアを上述した帯電量の測定方法と同じ方法で帯電量を測定し、強制攪拌後の帯電量とした。
撹拌前後のキャリアの炭素量を炭素分析装置(C−200、LECO社製、酸素ガス圧:2.5kg/cm、窒素ガス圧:2.8kg/cm)により、JIS Z 2615:2009(金属材料の炭素定量方法通則)に準拠して測定し、下記式に基づき得られる値により耐スペント性を評価した。
耐スペント性=撹拌後のキャリアの炭素量/撹拌前のキャリアの炭素量
上記計算式により求めた値に基づき、耐スペント性を以下のように評価した。
耐スペント性 1.3以上 : ×
耐スペント性 1.2以上1.3未満 : △
耐スペント性 1.1以上1.2未満 : ○
耐スペント性:1.0以上1.1未満 : ◎
(7)剥離試験
キャリアを20g秤量し、それを容量が50mlのガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を浅田鉄工株式会社製のペイントシェーカーを用いて10時間攪拌した。攪拌終了後、現像剤を取り出し、635Mの網を用いて吸引し、キャリアのみを取り出し、上記LECO社製炭素分析装置C−200型(酸素ガス圧:2.5kg/cm、窒素ガス圧:2.8kg/cm)を用いて、攪拌前後のキャリアの炭素量を測定した。すなわち、トナーを含まないことを除いて、耐スペント性の評価と同様の手順で撹拌前後のキャリアの炭素量を測定した。そして、下記式に基づき得られる値により樹脂剥離性を評価した。
樹脂剥離性=撹拌後のキャリアの炭素量/撹拌前のキャリアの炭素量
上記計算式により求めた値に基づき、樹脂剥離性を以下のように評価した。
樹脂剥離性 0.7未満 : ×
樹脂剥離性:0.7以上0.8未満 : △
樹脂剥離性:0.8以上0.9未満 : ○
樹脂剥離性:0.9以上1.0未満 : ◎
2.評価結果
表3に、各実施例及び比較例で得たキャリアについて、上記回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)、キャリア粒子によるトナーの帯電量と、芯材粒子によるトナーの帯電量との比(キャリア帯電量/芯材帯電量)、帯電量の経時変化、耐スペント性、樹脂剥離性(樹脂剥離試験)についての測定結果/評価結果を示す。また、表4に、各実施例及び比較例で得たキャリアの物性(飽和磁化(emu/g)、見掛密度(g/cm)、平均体積粒径(D50)(μm)、16μm未満粒子率(体積%))を示す。
本件発明に係る実施例1〜実施例5のキャリアは、いずれも上記回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が0.08以上1.40以下であるのに対して、比較例1〜比較例3のキャリアの上記回帰直線の傾きの絶対値(|a|)は当該範囲外である。上述したとおり、回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が大きい程、キャリア表面において芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における樹脂厚の変化が緩やかであり、当該値(|a|)が小さくなる程、キャリア表面において芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における樹脂厚の変化が大きくなることを示す。実施例1〜実施例5のキャリアはいずれも耐スペント性及び樹脂剥離性が良好であることが確認された。また、実施例1〜実施例5のキャリアは帯電量の経時変化が小さいことも確認された。従って、実施例1〜実施例5のキャリアによれば、トナースペントや樹脂剥離等に起因する帯電量の経時変化を抑制し、高画質な電子写真印刷を長期間に亘って行うことが可能な電子写真現像剤を得ることができる。
これに対して、比較例1〜比較例3のキャリアは、上記回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が上記式(1)の範囲外である。比較例1のキャリアは、当該回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が上記式(1)の上限値を超えている。比較例1のキャリアは、実施例2のキャリアと同じ樹脂被覆量である(表2参照)。しかしながら、比較例1のキャリアは、実施例2のキャリアの芯材粒子1と比較するとBET比表面積が約2倍の芯材粒子6を用いている。そのため、樹脂被覆量が同じであっても、芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分における樹脂被覆状態が異なり、その結果、上記回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が大きくなったものと考えられる。比較例1のキャリアは芯材粒子6の表面における被覆樹脂量が少ないため、上記境界部分における樹脂厚も薄く、樹脂剥離性が低いと考えられる。また、比較例1のキャリアでは、樹脂被覆量自体が少ないため耐スペント性も低く、帯電量の経時変化も大きくなったと考えられる。
比較例2のキャリアはBET比表面積の小さい芯材粒子7の表面に樹脂を被覆したものである。芯材粒子7のBET比表面積は、0.04m/gである。実施例3のキャリアを製造する際に用いた芯材粒子3のBET比表面積は0.08m/gである。芯材粒子3の方が幾分BET比表面積が大きいが、両芯材粒子のBET比表面積は同等であるといえる。一方、比較例2のキャリアでは実施例3のキャリアの約1.6倍の樹脂被覆量である。そのため、比較例2のキャリアは、実施例3のキャリアと比較すると、上記回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が小さくなったものと考えられる。比較例2のキャリアは、当該境界部分における樹脂厚の変化が大きく、樹脂剥離性については良好であるものの、帯電量の経時変化も大きく、耐スペント性が低くなったと考える。
比較例3のキャリアは、撹拌槽内を減圧して、芯材粒子8の細孔内に樹脂を充填した樹脂充填型キャリアである。比較例3のキャリアでは芯材粒子8に対する樹脂被覆量(樹脂充填量)が7.00であり、他のキャリアと比較すると樹脂被覆量が多い。しかしながら、芯材粒子8の細孔内に樹脂が充填されるため、芯材粒子8の表面における芯材露出部と樹脂被覆部との境界における樹脂厚の変化が緩やかになるものと考えられる。比較例3のキャリアは帯電量の経時変化が大きく、耐スペント性も良好ではない。
Figure 2020052065
Figure 2020052065
本件発明によれば、耐スペント性が高く、耐刷時における帯電量変動が少なく、高画質な電子写真印刷を長期間に亘って行うことのできる電子写真現像剤用キャリア、電子写真現像剤及び電子写真現像剤の製造方法を提供することができる。
10・・・芯材露出部
20・・・樹脂被覆部
20a・・・芯材露出部と樹脂被覆部との境界部分
100・・・キャリア粒子

Claims (10)

  1. 芯材粒子の表面が樹脂で被覆されたキャリア粒子から構成される電子写真現像剤用キャリアであって、
    走査電子顕微鏡を用いて、加速電圧1kVで観察したときに得られる反射電子の投影像において、所定の範囲内で設定される閾値(X)に基づき二値化したときの高輝度部分の総面積が、前記反射電子の投影像における前記キャリア粒子の全投影面積に占める割合を高輝度面積率(Y)とし、前記閾値(X)を独立変数として前記所定の範囲内で変化させたときの前記高輝度面積率(Y)の変化について回帰分析を行い、得られた回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が以下の条件を満足することを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
    0.08 ≦ |a| ≦ 1.40
    但し、
    Xは、前記反射電子の投影像から二値化画像を得るための閾値であり、
    Yは、前記閾値(X)で二値化したときの前記高輝度部分の総面積をS1とし、前記反射電子の投影像における前記キャリア粒子の全投影面積をSとしたときに、「S1/S×100」で表される値である。
  2. 前記芯材粒子のBET比表面積が0.05m/g以上0.60m/g以下である請求項1に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  3. 前記キャリア粒子によるトナーの帯電量と、前記芯材粒子によるトナーの帯電量との比が0.3以上10.0以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  4. 体積平均粒径が20μm以上80μm以下である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  5. 3K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのB−H測定による磁化が40Am/kg以上95Am/kg以下である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  6. 見掛密度が1.6g/cm以上2.5g/cm以下である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  7. 体積粒径が16μm未満の粒子の含有割合が4.5%以下である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電子写真現像剤用キャリアとトナーとを含むことを特徴とする電子写真現像剤。
  9. 補給用現像剤として用いられる請求項8に記載の電子写真現像剤。
  10. 芯材粒子の表面を樹脂で被覆したキャリア粒子と、トナーとを含む電子写真現像剤の製造方法であって、
    走査電子顕微鏡を用いて、加速電圧1kVで観察したときに得られる反射電子の投影像において、所定の範囲内で設定される閾値(X)に基づき二値化したときの高輝度部分の総面積が、前記反射電子の投影像における前記キャリア粒子の全投影面積に占める割合を高輝度面積率(Y)とし、前記閾値(X)を独立変数として前記所定の範囲内で変化させたときの前記高輝度面積率(Y)の変化について回帰分析を行い、得られた回帰直線の傾き(a)の絶対値(|a|)が以下の条件を満足するキャリア粒子を用いることを特徴とする電子写真現像剤の製造方法。
    0.08 ≦ |a| ≦ 1.40
    但し、
    Xは、前記反射電子の投影像から二値化画像を得るための閾値であり、
    Yは、前記閾値(X)で二値化したときの前記高輝度部分の総面積をS1とし、前記反射電子の投影像における前記キャリア粒子の全投影面積をSとしたときに、「S1/S×100」で表される値である。
JP2018177804A 2018-09-21 2018-09-21 電子写真現像剤用キャリア、電子写真現像剤及び電子写真現像剤の製造方法 Pending JP2020052065A (ja)

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