JP5229228B2 - 液浸用上層膜形成用組成物及び液浸用上層膜並びにフォトレジストパターン形成方法 - Google Patents

液浸用上層膜形成用組成物及び液浸用上層膜並びにフォトレジストパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、液浸用上層膜形成用組成物及び液浸用上層膜並びにフォトレジストパターン形成方法に関する。更に詳しくは、液浸露光プロセスにおいて、フォトレジストを十分に保護することができ、且つフォトレジスト成分の溶出を抑えて投影露光装置のレンズを保護する上層膜を形成するのに有用な液浸用上層膜形成用組成物及び液浸用上層膜並びにフォトレジストパターン形成方法に関する。
半導体素子等を製造するのに際し、フォトマスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介して、フォトレジストが塗布されたウェハ上の各ショット領域に転写するステッパー型、又はステップアンドスキャン方式の投影露光装置が使用されている。
投影露光装置に備えられている投影光学系の解像度は、使用する露光波長が短く、投影光学系の開口数が大きいほど高くなる。そのため、集積回路の微細化に伴い投影露光装置で使用される放射線の波長である露光波長は年々短波長化しており、投影光学系の開口数も増大してきている。
また、露光を行う際には、解像度と同様に焦点深度も重要となる。解像度R、及び焦点深度δは、それぞれ以下の数式で表され、同じ解像度Rを得る場合には、短い波長を有する放射線を用いた方が大きな焦点深度δを得ることができる。
R=k・λ/NA (i)
δ=k・λ/NA (ii)
(尚、λ:露光波長、NA:投影光学系の開口数、k、k:プロセス係数である。)
そして、上述の露光技術においては、露光されるウェハ表面にはフォトレジスト膜が形成されており、このフォトレジスト膜にパターンが転写される。従来の投影露光装置では、ウェハが配置される空間は空気又は窒素で満たされている。
このとき、ウェハと投影露光装置のレンズとの空間が屈折率nの媒体で満たされると、前記解像度R及び焦点深度δは、それぞれ以下の数式で表される。
R=k・(λ/n)/NA (iii)
δ=k・nλ/NA (iv)
例えば、ArFプロセスで、前記媒体として水を使用する場合、波長193nmの光の水中での屈折率n=1.44を用いると、空気又は窒素を前記媒体として使用した場合と比較し、解像度Rは69.4%[R=k・(λ/1.44)/NA]となり、焦点深度は144%(δ=k・1.44λ/NA)となる。
このように、露光するための放射線の波長を短波長化し、より微細なパターンを転写できる投影露光する方法を液浸露光といい、リソグラフィの微細化、特に数十nm単位のリソグラフィには、必須の技術と考えられており、その投影露光装置も知られている。
水を液浸露光時の媒体とする液浸露光方法においては、ウェハ上に塗布・形成されたフォトレジスト膜と投影露光装置のレンズは、それぞれ水と接触する。そのため、フォトレジスト膜に水が浸透し、フォトレジストの解像度が低下することがある。また、フォトレジストを構成する成分が水へ溶出することにより、投影露光装置のレンズ表面が汚染されることもある。
このため、フォトレジスト膜と水等の媒体とを遮断する目的で、フォトレジスト膜上に上層膜を形成する方法がある(特許文献1等参照)。
特開2007−24959号公報
前記上層膜としては、放射線の波長に対して十分な透過性を有し、フォトレジスト膜と殆どインターミキシングを起こすことなくフォトレジスト膜上に保護膜を形成でき、更に液浸露光時に際して水等の媒体に溶出することなく安定な被膜を維持し、且つ現像液であるアルカリ液等に容易に溶解する上層膜が形成される必要がある。
従来の液浸用上層膜は、撥水性を上げ液浸露光時に介在する水が保護膜上に残留するのを防止することで、レジストパターン上に液滴痕が残る欠陥(ウォーターマーク欠陥:欠陥サイズ1μm以上)は抑制できるが、より微小な欠陥(溶け残り欠陥:欠陥サイズ0.2μm以下)が発生するという課題があった。この溶け残り欠陥は、保護膜上の水残留が抑えられても微量の水が保護膜中に浸透することで発生している。即ち、水浸透によりフォトレジスト膜の溶解性低下を引き起こし、本来解像するはずのパターン形状が局所的に十分な解像性を実現できずパターン形状不良となり、溶け残り欠陥として検出される。そのため、従来の液浸用上層膜ではウォーターマーク欠陥の発生を効果的に抑制することが期待できるものの、より微小な溶け残り欠陥が発生する場合があるという点において、未だ十分に満足できるものではなく、更なる改良が求められているのが現状である。
本発明は、このような問題に対処するためになされたものであって、短い露光波長[特に248nm(KrF)及び193nm(ArF)]において、十分な透過性を有しており、フォトレジスト膜と殆どインターミキシングを起こすことなくフォトレジスト上に被膜を形成することができ、液浸露光時の水等の媒体に溶出することなく安定な被膜を維持することができ、ウォーターマーク欠陥等の液浸露光プロセス由来の欠陥発生を効果的に抑制しつつ高解像度のレジストパターンを形成することができ、より微小な欠陥の発生も抑制することができる上層膜を形成できる液浸用上層膜形成用組成物、及び液浸用上層膜、並びにフォトレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
[1]樹脂成分と、溶剤と、を含む液浸用上層膜形成用組成物であって、
該樹脂成分として、
下記一般式(1−1)で表される繰り返し単位、下記一般式(1−2)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(1−3)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種と、下記一般式(2−1)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(2−2)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも一方と、を含有する樹脂(A)、及び、
下記一般式(3−1)で表される繰り返し単位、下記一般式(3−2)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(3−3)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種と、下記一般式(4)で表される繰り返し単位と、を含有しており、且つ、膜成形した際における水との後退接触角が65°以上である樹脂(B)を含むことを特徴とする液浸用上層膜形成用組成物。
Figure 0005229228
[一般式(1−1)〜(1−3)において、Rは、それぞれ、水素原子又はメチル基を示し、R及びRは、それぞれ、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基を示す。]
Figure 0005229228
[一般式(2−1)及び(2−2)において、Rは、それぞれ、水素原子又はメチル基を示し、Rは、それぞれ、単結合、メチレン基、又は炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を示す。]
Figure 0005229228

[一般式(3−1)〜(3−3)において、R は、それぞれ、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、R 6’ は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示し、R は、それぞれ、単結合、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基を示し、R は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数3〜10の脂環式のアルキル基を示し、Aは、単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を示す。]
Figure 0005229228

[一般式(4)において、R は、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R 10 は、単結合、メチレン基、又は炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を示す。]
[2]前記樹脂(A)が、膜成形した際における水との後退接触角が60°未満となるものである前記[1]に記載の液浸用上層膜形成用組成物。
]前記樹脂(A)が、前記一般式(1−1)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(2−1)で表される繰り返し単位を含有するものであり、
前記樹脂(B)が、前記一般式(3−1)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(4)で表される繰り返し単位を含有するものである前記[1]又は]に記載の液浸用上層膜形成用組成物。
]前記樹脂(A)の含有割合が、前記樹脂成分全体を100質量%とした場合に、5〜70質量%である前記[1]乃至[]のいずれかに記載の液浸用上層膜形成用組成物。
]前記[1]乃至[]のいずれかに記載の液浸用上層膜形成用組成物を用いてなることを特徴とする液浸用上層膜。
](1)基板上にフォトレジスト組成物を塗布してフォトレジスト膜を形成する工程と、
(2)前記フォトレジスト膜に、前記[1]乃至[]のいずれかに記載の液浸用上層膜形成用組成物を塗布して上層膜を形成する工程と、
(3)前記上層膜とレンズとの間に液浸媒体を配置し、前記液浸媒体と所定のパターンを有するマスクとを介して前記フォトレジスト膜及び前記上層膜に露光光を照射し、次いで、現像することによってフォトレジストパターンを得る工程と、を備えることを特徴とするフォトレジストパターン形成方法。
本発明の液浸用上層膜形成用組成物(以下、単に「上層膜形成用組成物」ともいう。)によれば、優れたアルカリ現像液溶解性を有する樹脂(A)を含有しており、その樹脂(A)がフォトレジスト膜及び上層膜界面に局在化することで、水浸透に伴うフォトレジスト膜の現像液溶解性低下を抑制し溶け残り欠陥を防止する。一方、撥水性の高い樹脂(B)が保護膜表面に局在化するため、ウォーターマーク欠陥を防止できる。更には、短い露光波長[特に248nm(KrF)及び193nm(ArF)]において、十分な透過性を有し、フォトレジスト膜と殆どインターミキシングを起こすことなくフォトレジスト上に被膜を形成でき、液浸露光時の水等の媒体に溶出することなく安定な被膜を維持でき、ウォーターマーク欠陥等の液浸露光プロセス由来の欠陥発生を効果的に抑制しつつ高解像度のレジストパターンを形成でき、より微小な欠陥の発生も抑制できる上層膜を形成することができる。
ライン・アンド・スペースパターンの形状を模式的に示す断面図である。 本発明の上層膜形成用組成物により形成した上層膜の溶出量の測定において、超純水が漏れないようにシリコンゴムシート状に8インチシリコンウェハを載せる状態を模式的に示す説明図である。 本発明の上層膜形成用組成物により形成した上層膜の溶出量の測定状態における断面図である。
符号の説明
1:基板、2:パターン、3:8インチシリコンウェハ、4:ヘキサメチルジシラザン処理層、5:シリコンゴムシート、6:くり抜き部、7:超純水、8:下層反射防止膜、9:上層膜、10:8インチシリコンウェハ、11:レジスト膜、La:膜の上部での線幅、Lb:膜の中間での線幅。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味する。
[1]液浸用上層膜形成用組成物
[樹脂(A)]
本発明の上層膜形成用組成物は、樹脂成分として、下記一般式(1−1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1−1)」という。)、下記一般式(1−2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1−2)」という。)、及び下記一般式(1−3)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1−3)」という。)のうちの少なくとも1種を含有する樹脂(A)を含んでいる。
Figure 0005229228
[一般式(1−1)〜(1−3)において、Rは、それぞれ、水素原子又はメチル基を示し、R及びRは、それぞれ、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基を示す。]
前記一般式(1−1)及び(1−2)における、R及びRの炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基としては、例えば、エチレン基;1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基等のプロピレン基;テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等を挙げることができる。
また、前記R及びRの炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基としては、例えば、単環式炭化水素環基、架橋環式炭化水素環基等が挙げられる。
前記単環式炭化水素環基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基等のアリーレン基、1,3−シクロブチレン基等のシクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基等のシクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基等のシクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基等のシクロオクチレン基等の炭素数4〜12のシクロアルキレン基等が挙げられる。
また、架橋環式炭化水素環基としては、例えば、1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基等のノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等のアダマンチレン基等の炭素数4〜12の2〜4環式炭化水素環基等が挙げられる。
前記繰り返し単位(1−1)を得るための単量体としては、例えば、ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸3−メタクリロイルオキシプロピル、ヘキサヒドロフタル酸4−メタクリロイルオキシブチル等が挙げられる。
また、前記繰り返し単位(1−2)を得るための単量体としては、例えば、シクロヘキサカルボン酸2−メタクリロイルオキシ、プロピルカルボン酸3−メタクリロイルオキシ等が挙げられる。
更に、前記繰り返し単位(1−3)を得るための単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
また、前記樹脂(A)は、下記一般式(2−1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(2−1)」という。)、及び下記一般式(2−2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(2−2)」という。)のうちの少なくとも一方を更に含有するものである。未露光のフォトレジスト膜/保護膜界面では現像時、保護膜が現像液に溶解しながら拡散する一方、フォトレジスト膜は現像液に溶解せずに拡散する。その結果、現像後のリンス洗浄プロセスにて現像液に拡散したフォトレジスト膜の成分である樹脂がフォトレジスト膜上に再付着する問題があった。しかし、強酸性基を有する下記一般式(2−1)、(2−2)を用いた場合、フォトレジスト膜中の樹脂が脱保護し現像液に溶解するため、リンス洗浄後の樹脂の再付着(BLOB欠陥:欠陥サイズ0.2μm以上)を防止できる。
Figure 0005229228
[一般式(2−1)及び(2−2)において、Rは、それぞれ、水素原子又はメチル基を示し、Rは、それぞれ、単結合、メチレン基、又は炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を示す。]
前記一般式(2−1)及び(2−2)における、Rの炭素数2〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基については、前記一般式(1−1)のRにおける説明をそのまま適用することができる。
また、前記繰り返し単位(2−1)又は(2−2)を得るための単量体としては、例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、4−ビニル−1−ベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
前記樹脂(A)において、前記繰り返し単位(1−1)〜(1−3)のうちの少なくとも1種と、前記繰り返し単位(2−1)及び(2−2)のうちの少なくとも一方と、の組み合わせは特に限定されない。
特に、この組み合わせとしては、繰り返し単位(1−1)及び繰り返し単位(2−1)の組み合わせであることが好ましい。この組み合わせの場合、フォトレジスト膜中の樹脂が脱保護し現像液に溶解するため、リンス洗浄後の樹脂の再付着を防止することができる。
また、前記樹脂(A)は、膜成形した際における水との後退接触角が60°未満であることが好ましく、より好ましくは40℃未満である。尚、ここでいう、「膜成形した際における水との後退接触角」とは、樹脂(A)の4−メチル−2−ペンタノール溶液を8インチシリコンウェハ上にスピンコートし、ホットプレート上にて、90℃×60秒の条件でPBを行い、膜厚90nmの塗膜を形成した際における、水との後退接触角である。また、この「後退接触角」は、前記塗膜が形成されたウェハ上に、水を25μL滴下し、その後、ウェハ上の水を10μL/minの速度で吸引した際の液面とウェハとの接触角を意味するものである。具体的には、後述の実施例に示すように、KRUS社製「DSA−10」を用いて測定することができる。
[樹脂(B)]
また、本発明においては、前記樹脂成分として、下記一般式(3−1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(3−1)」という。)、下記一般式(3−2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(3−2)」という。)、及び下記一般式(3−3)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(3−3)」という。)のうちの少なくとも1種と、下記一般式(4)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(4)」という。)と、を含有しており、且つ、膜成形した際における水との後退接触角が65°以上である樹脂(B)を、更に含んでいる。
Figure 0005229228
[一般式(3−1)〜(3−3)において、Rは、それぞれ、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、R6’は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐上のアルキル基を示し、Rは、それぞれ、単結合、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基を示し、Rは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数3〜10の脂環式のアルキル基を示し、Aは、単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を示す。]
Figure 0005229228
[一般式(4)において、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R10は、単結合、メチレン基、又は炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を示す。]
前記一般式(3−2)におけるR6’の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐上のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基における少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたもの等が挙げられる。
また、一般式(3−1)〜(3−3)における、Rの炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、及び炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基については、それぞれ、前記一般式(1−1)のRにおける各説明をそのまま適用することができる。
更に、一般式(3−3)における、Rの少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基における少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたもの等が挙げられる。
また、前記Rの少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数3〜10の脂環式のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の脂環式アルキル基における少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたもの等が挙げられる。
前記繰り返し単位(3−1)を得るための単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ブチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸2−[〔5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプチル]エステル、(メタ)アクリル酸3−[〔8−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル〕テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル]エステル等が挙げられる。
また、前記繰り返し単位(3−2)を得るための単量体としては、例えば、(モノフルオロメチル)アクリル酸、(ジフルオロメチル)アクリル酸、(トリフルオロメチル)アクリル酸、(モノフルオロエチル)アクリル酸、(ジフルオロエチル)アクリル酸、(トリフルオロエチル)アクリル酸、(テトラフルオロエチル)アクリル酸、(ペンタフルオロエチル)アクリル酸等が挙げられる。
更に、前記繰り返し単位(3−3)を得るための単量体としては、例えば、[〔(トリフルオロメチル)スルホニル〕アミノ]エチル−1−メタクリレート、2−[〔(トリフルオロメチル)スルホニル〕アミノ]エチル−1−アクリレート、及び下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0005229228
また、前記一般式(4)における、R10の炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基については、前記一般式(1−1)におけるRの説明をそのまま適用することができる。
前記繰り返し単位(4)を得るための単量体としては、例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、4−ビニル−1−ベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
前記樹脂(B)において、前記繰り返し単位(3−1)〜(3−3)のうちの少なくとも1種と、前記繰り返し単位(4)と、の組み合わせは特に限定されない。
特に、この組み合わせとしては、繰り返し単位(3−1)及び繰り返し単位(4)の組み合わせであることが好ましい。この組み合わせの場合、高撥水性を有することで液滴残りに伴うウォーターマーク欠陥を防止することができる。
また、前記樹脂(B)は、膜成形した際における水との後退接触角が65°以上の樹脂であり、この後退接触角は69°以上であることがより好ましい。尚、ここでいう、「膜成形した際における水との後退接触角」とは、樹脂(B)の4−メチル−2−ペンタノール溶液を8インチシリコンウェハ上にスピンコートし、ホットプレート上にて、90℃×60秒の条件でPBを行い、膜厚90nmの塗膜を形成した際における、水との後退接触角である。
このような樹脂(B)を含有する場合、樹脂(A)の後退接触角が、水に対する後退接触角が65°以上である高撥水性を有する樹脂(B)に比べ低いため、樹脂(A)と樹脂(B)とをブレンドした場合、樹脂(B)を樹脂(A)の上に偏在化させることができ、その偏在化により機能を分担することができる。即ち、上層膜上部に偏在する高撥水性を有する樹脂(B)は、樹脂(A)とのブレンドに伴い後退接触角が低下せず液滴残りに伴うウォーターマーク欠陥を防止できる。また、樹脂(A)は優れたアルカリ現像液溶解性を有しており、樹脂(A)が樹脂(B)の下部(レジスト膜と液浸上層膜界面)に偏在することでインターミキシング層の溶解性低下を抑制して、溶け残り欠陥を低減させることができる。そのため従来のウォーターマーク欠陥に加え溶け残り欠陥も防止することができる。
[他の樹脂]
また、本発明においては、前記樹脂成分として、前述の樹脂(A)及び樹脂(B)以外にも、他の樹脂(以下、「他の樹脂(C)」ともいう。)を含んでいてもよい。
前記他の樹脂(C)としては、例えば、メタクリル酸(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)エステル・メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル共重合物、メタクリル酸(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル・メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル共重合物等が挙げられる。これらの他の樹脂(C)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記他の樹脂(C)を樹脂成分として更に含んでいる場合、Blob欠陥をより低減化することができると共に、後退接触角72°以上の高撥水性が実現可能となる。
前記樹脂(A)の含有割合は、樹脂成分全体を100質量%とした場合に、5〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50質量%である。この含有割合が5質量%未満である場合、溶け残り欠陥に対する十分な効果が得られないおそれがある。一方、この含有割合が70質量%を超える場合、高撥水性を有する樹脂(B)の高い後退接触角を維持できなくなるおそれがある。
また、前記樹脂(B)の含有割合は、樹脂成分全体を100質量%とした場合に、20〜95質量%であることが好ましく、より好ましくは50〜95質量%である。この含有割合が20質量%未満である場合、高後退接触角69°を維持することができない。一方、この含有割合が95質量%を超える場合、Blob欠陥を軽減することができない。
更に、前記他の樹脂(C)の含有割合は、樹脂成分全体を100質量%とした場合に、3〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜10質量%である。この含有割合が3〜50質量%である場合、後退接触角72°以上を維持することができる。
前記樹脂成分として含まれる各樹脂を製造する方法は特に限定されないが、例えば、適宜選択された開始剤や連鎖移動剤の存在下、重合溶媒中で、対応する一以上のラジカル重合性単量体をラジカル重合することによって製造することができる。
前記重合溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル等のエステル類を挙げることができる。これらのなかでも、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類等が好ましい。尚、これらの溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂成分として含まれる各樹脂の重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう。)は、それぞれ、2000〜100000であることが好ましく、より好ましくは2500〜50000、更に好ましくは3000〜20000である。このMwが2000未満である場合、上層膜としての耐水性及び機械的特性が著しく低くなるおそれがある。一方、100000を超える場合、前記溶媒に対する溶解性が著しく悪くなるおそれがある。
また、各樹脂のMwと数平均分子量(以下、「Mn」ともいう)との比(Mw/Mn)は、1〜5であることが好ましく、更に好ましくは1〜3である。尚、本明細書における「重量平均分子量」及び「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したポリスチレン換算による値である。
また、樹脂(A)及び樹脂(B)等の樹脂は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないほど好ましく、不純物を少なくすることにより、上層膜としての塗布性とアルカリ現像液への均一な溶解性を更に改善することができる。
更に、樹脂(A)及び樹脂(B)等の樹脂を精製する方法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。
また、樹脂(A)及び樹脂(B)等の樹脂は、放射線照射時に水等の液浸媒体(液浸液)に対して安定な上層膜(保護膜)を形成することが可能であるとともに、レジストパターンを形成するための現像液に溶解し得る樹脂である。ここで、「液浸液に対して安定」とは、以下に示す「安定性評価試験」の結果測定される膜厚の変化率が、初期膜厚の3%以内であることを意味するものとする。
<安定性評価試験>
(i)コータ/デベロッパ(1)(商品名:CLEAN TRACK ACT8、東京エレクトロン社製)を用い、8インチシリコンウェハ上に、上層膜形成用組成物(樹脂成分を溶剤に溶解させたもの)をスピンコートし、90℃×60秒の条件で予備焼成(PB)を行うことにより、膜厚90nmの上層膜を形成する。この上層膜の膜厚(初期膜厚)を、光干渉式膜厚測定装置(商品名「ラムダエースVM−2010」、大日本スクリーン製造社製)を用いて測定する。
(ii)次いで、その上層膜が形成されたウェハの表面に、前記コータ/デベロッパ(1)のリンスノズルから超純水を60秒間吐出させた後、回転数4000rpmで15秒間振り切り、スピンドライする。このときの上層膜の膜厚を再度測定し、上層膜の膜厚変化(減少した膜厚)を算出する。初期膜厚に対する、減少した膜厚の比率が3%以内であれば「液浸液に対して安定」と評価する。
また、レジストパターン形成後の現像液に溶解するとは、アルカリ性水溶液を用いた現像後のレジストパターン上に目視で残渣がなく上層膜が除去されていることをいう。即ち、本発明の上層膜形成用組成物に含有される樹脂(A)及び樹脂(B)等の樹脂成分は、水等の媒体に対して殆ど溶解することなく、且つ放射線照射後のアルカリ性水溶液を用いる現像時に、前記アルカリ性水溶液に溶解するアルカリ可溶性の樹脂である。
このような樹脂成分を含有する上層膜形成用組成物により形成される上層膜は、液浸露光時にフォトレジスト膜と水等の媒体とが直接接触することを防ぎ、その媒体の浸透によるフォトレジスト膜のリソグラフィ性能を劣化させることがなく、且つフォトレジスト膜から溶出する成分による投影露光装置のレンズの汚染を防止する作用がある。
前記樹脂(A)と樹脂(B)の質量比(樹脂(A)/樹脂(B))は、0.05以上(質量比)であることが好ましく、より好ましくは0.05〜2.33、更に好ましくは0.10〜1.00である。前記質量比が0.05未満の場合、溶け残り欠陥に対する十分な効果が得られないおそれがある。一方、2.33を超える場合、高撥水性を有する樹脂(B)の後退角が維持できなくなり、高速度のスキャンスピードに対応できなくなるおそれがある。
また、本発明の上層膜形成用組成物には、前記樹脂(A)及び樹脂(B)等の樹脂を溶解することを目的として溶剤が含まれる。
この溶剤は、フォトレジスト膜上に塗布する際に、フォトレジスト膜とインターミキシングを発生する等の、リソグラフィ性能を劣化させることが殆どないものを好適に使用することができる。
前記溶剤としては、例えば、1価アルコール類、多価アルコール類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、エーテル類、環状エーテル類、高級炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類、水等を挙げることができる。
前記1価アルコール類としては、例えば、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−ジエチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノール等の炭素数4〜10の1価アルコールが挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
前記多価アルコールのアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
前記多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類としては、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
前記エーテル類としては、例えば、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、tert−ブチル−メチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、tert−ブチルプロピルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロペンチルプロピルエーテル、シクロペンチル−2−プロピルエーテル、シクロヘキシルプロピルエーテル、シクロヘキシル−2−プロピルエーテル、シクロペンチルブチルエーテル、シクロペンチル−tert−ブチルエーテル、シクロヘキシルブチルエーテル、シクロヘキシル−tert−ブチルエーテル等が挙げられる。
前記環状エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
前記高級炭化水素類としては、例えば、デカン、ドデカン、ウンデカン等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
前記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
前記エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル等が挙げられる。
これらの溶剤のなかでも、1価アルコール類、エーテル類、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、高級炭化水素類が好ましい。特に、前記炭素数4〜10のアルコール、及び/又は炭素数4〜10のアルキル鎖を有するアルキルエーテルを含有するものが好ましい。
また、本発明の上層膜形成用組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性等を向上させる目的で界面活性剤等の添加剤を更に配合することもできる。
前記界面活性剤としては、例えば、全て商品名で、BM−1000、BM−1100(以上、BMケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム社製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子社製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レダウコーニングシリコーン社製)、エマルゲンA−60、104P、306P(以上、花王社製)等の市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この界面活性剤の配合量は、樹脂(A)及び樹脂(B)の合計量100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましい。
また、前記上層膜形成用組成物は、その全固形分濃度が所望の値となるように調整された溶液を、孔径200nm程度のフィルターでろ過することにより調製することができる。尚、前記固形分濃度は特に限定されず適宜調整することができるが、上層膜形成用組成物を塗工する際の固形分濃度は、通常、0.1〜20質量%である。
[2]液浸用上層膜
本発明における液浸用上層膜(以下、単に「上層膜」ともいう。)は、液浸用上層膜形成用組成物を用いてなることを特徴とする。この上層膜は、ウォーターマーク欠陥や溶け残り欠陥等の液浸露光プロセス由来の欠陥発生を効果的に抑制できるため、液浸露光プロセスにおいて好適に用いることができる。尚、「液浸用上層膜形成用組成物」については、前述の説明をそのまま適用することができる。
前記液浸用上層膜は、前記液浸用上層膜形成用組成物を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の従来公知の塗布方法を用いて、レジスト膜等の対象物上に塗布することによって形成することができる。尚、上層膜を形成する際、溶媒を揮発させるために予備焼成(以下、「PB」ともいう)を行ってもよい。
また、上層膜の厚さは特に限定されず、必要に応じて適宜調整することができる。
[3]フォトレジストパターン形成方法
本発明の上層膜形成用組成物を用いたフォトレジストパターンの具体的な形成方法としては、例えば、(1)基板上にフォトレジスト組成物を塗布してフォトレジスト膜を形成する工程[工程(1)]と、(2)このフォトレジスト膜に、液浸用上層膜形成用組成物を塗布して上層膜を形成する工程[工程(2)]と、(3)この上層膜とレンズとの間に液浸媒体を配置し、前記液浸媒体と所定のパターンを有するマスクとを介して前記フォトレジスト膜及び上層膜に露光光を照射し、次いで、現像することによってフォトレジストパターンを得る工程[工程(3)]と、を備えるものを挙げることができる。
このような方法によれば、短い露光波長、特に248nm(KrF)及び193nm(ArF)に対する十分な透過性を有し、フォトレジスト膜と殆どインターミキシングを起こすことのない上層膜をフォトレジスト膜上に形成することができる。更には、液浸露光の際に、水等の液浸媒体に極めて溶出し難く安定な被膜を維持することができ、高解像度のレジストパターンを形成することができる。
前記工程(1)は、基板上にフォトレジスト組成物を塗布してフォトレジスト膜を形成する工程である。
前記基板としては、通常、シリコンウェハ、アルミニウムで被覆したシリコンウェハ等が用いられる。この基板の表面には、フォトレジスト膜の特性を最大限に引き出すため、予め、有機系又は無機系の反射防止膜を形成しておくことも好ましい形態の一つである(例えば、特公平6−12452号公報等を参照)。
前記フォトレジスト膜を形成する物質の種類は、特に制限されるものではなく、従来、フォトレジスト膜を形成するために用いられていた物質のなかから、レジストの使用目的に応じて適宜選択して使用すればよい。但し、酸発生剤を含有する化学増幅型のレジスト材料、特に、ポジ型レジスト材料を用いることが好ましい。
前記化学増幅型のポジ型レジスト材料としては、例えば、酸解離性基修飾アルカリ可溶性樹脂と、感放射線性酸発生剤とを必須成分として含有する感放射線性の樹脂組成物等を挙げることができる。このような樹脂組成物は、放射線照射(露光)により酸発生剤から酸が発生し、その発生した酸の作用によって、樹脂の酸性基(例えば、カルボキシル基)を保護していた酸解離性基が解離して、酸性基が露出する。尚、酸性基が露出することにより、レジストの露光部のアルカリ溶解性が高くなり、その露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンを形成することができる。
また、フォトレジスト膜を形成するためのフォトレジスト組成物が、酸解離性基を含有する樹脂と酸発生剤とを含むものである場合、前記樹脂は、酸解離性基を含む繰り返し単位を含有し、この繰り返し単位が、前記樹脂の全繰り返し単位に対して、40〜60モル%含まれるものであることが好ましい。この繰り返し単位が40モル%未満である場合、レジストとしての解像度が劣化するおそれがある。一方、この繰り返し単位が60モル%を超える場合、上層膜剥離後のレジスト膜厚が極度に減少するおそれがある。
前記樹脂としては、例えば、(i)下記繰り返し単位(M−1)、下記繰り返し単位(M−2)、及び下記繰り返し単位(M−3)を含有する樹脂、(ii)下記繰り返し単位(M−1)、下記繰り返し単位(M−2)、及び下記繰り返し単位(M−4)を含有する樹脂、(iii)下記繰り返し単位(M−1)、下記繰り返し単位(M−3)、及び下記繰り返し単位(M−5)を含有する樹脂等を挙げることができる。
Figure 0005229228
また、前記酸発生剤は、放射線照射(露光)により酸発生剤から酸が発生し、その発生した酸の作用によって、樹脂の酸性基(例えば、カルボキシル基)を保護していた酸解離性基が解離して、酸性基が露出するものである。
このような酸発生剤としては、例えば、トリフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル・ジフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート等を挙げることができる。
尚、これらの酸発生剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記フォトレジスト組成物溶液(塗工液)は、フォトレジスト膜を形成するための樹脂成分に溶剤を加えて、その全固形分濃度が0.2〜20質量%となるように調整された溶液を、孔径30nm程度のフィルターでろ過することにより調製することができる。尚、この塗工液は、自ら調製してもよいし、市販のレジスト溶液を塗工液として使用してもよい。
更に、前記フォトレジスト膜は、前記塗工液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の従来公知の塗布方法を用いて基板上に塗布することによって形成することができる。尚、フォトレジスト膜を形成する際、溶媒を揮発させるために予備焼成(以下、「PB」ともいう)を行ってもよい。
前記工程(2)は、工程(1)で形成されたフォトレジスト膜の表面上に、上層膜形成用組成物を塗布し、好ましくは再度焼成することにより上層膜を形成する工程である。尚、上層膜形成用組成物については、前述の説明をそのまま適用することができる。
このように、上層膜を形成することによって、液浸露光の際に液浸液がフォトレジスト膜と直接接触することが防止され、液浸液の浸透によってフォトレジスト膜のリソグラフィ性能が低下したり、フォトレジスト膜から溶出する成分により投影露光装置のレンズが汚染されたりする事態を効果的に防止することができる。
また、前記上層膜の厚さは、フォトレジスト膜の上側界面における反射抑制効果が大きくなるため、λ/4m(但し、λ:放射線の波長、m:保護膜の屈折率)の奇数倍にできる限り近づけることが好ましい。
前記工程(3)は、前記上層膜とレンズとの間に液浸媒体を配置し、この液浸媒体と所定のパターンを有するマスクとを介して前記フォトレジスト膜及び前記上層膜に露光光を照射し、次いで現像することによってレジストパターンを得る工程である。
前記液浸媒体としては、通常、空気より屈折率の高い液体が使用される。具体的には、水を用いることが好ましく、純水を用いることが更に好ましい。尚、必要に応じて液浸液のpHを調整してもよい。
前記液浸露光の際には、液浸媒体を介在させた状態で(即ち、露光装置のレンズとフォトレジスト膜との間に液浸媒体を満たした状態で)、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射し、フォトレジスト膜を露光させる。
液浸露光の際に使用することができる放射線は、使用されるフォトレジスト膜や上層膜の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、可視光線;g線、i線等の紫外線;エキシマレーザ等の遠紫外線;シンクロトロン放射線等のX線;電子線等の荷電粒子線等の各種放射線を用いることができる。これらのなかでも、ArFエキシマレーザ(波長193nm)又はKrFエキシマレーザ(波長248nm)を用いることが好ましい。
尚、放射線量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜設定すればよい。
また、フォトレジスト膜の解像度、パターン形状、及び現像性等を向上させるために、露光後に焼成(PEB)を行うことが好ましい。その焼成温度は、使用される感放射線性樹脂組成物の種類等によって適宜調節されるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
そして、露光後又はPEB後に現像を行い、必要に応じて洗浄すれば、所望のフォトレジストパターンを形成することができる。
前記上層膜は、本発明の一実施形態である上層膜形成用組成物によって形成されている。従って、この上層膜は、別途の剥離工程によって除去する必要はなく、現像中又は現像後の洗浄中に容易に除去することができる。尚、現像に際しては、通常、アルカリ性の現像液が使用される。
前記現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類;ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノナン等のアルカリ性化合物を少なくとも1種溶解したアルカリ性水溶液を使用することが好ましい。これらのなかでも、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類の水溶液を好適に用いることができる。
また、前記現像液には、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類をはじめとする水溶性有機溶媒や、界面活性剤を適量添加することもできる。
尚、前記アルカリ性水溶液を用いて現像した場合には、通常、現像後に水洗する。また、現像又は必要に応じた水洗後に適宜乾燥すれば、目的とするフォトレジストパターンを形成することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。尚、実施例の記載における「部」及び「%」は、特記しない限り質量基準である。
[1]感放射線性樹脂組成物(α)〜(γ)の調製
(1−1)感放射線性樹脂組成物用樹脂(α−1)〜(α−3)
フォトレジスト膜を形成するための感放射線性樹脂組成物を調製するために用いられる感放射線性樹脂組成物用樹脂(α−1)〜(α−3)を以下のように合成した。
(合成例1)
下記繰り返し単位(M−1)を構成するための化合物53.93g(50モル%)、下記繰り返し単位(M−2)を構成するための化合物35.38g(40モル%)、下記繰り返し単位(M−3)を構成するための化合物10.69g(10モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、更にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)5.58gを投入した単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコに100gの2−ブタノンを投入し、30分窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら80℃になるように加熱した。滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始時を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷により30℃以下に冷却した。冷却後、2000gのメタノールに投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を、400gのメタノールにてスラリー状で2度洗浄した。その後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(74g、収率74%)。
得られた共重合体は、Mwが6900、Mw/Mnが1.70であり、13C−NMR分析の結果、繰り返し単位(M−1)、(M−2)及び(M−3)の含有率は、それぞれ、53.0:37.2:9.8(モル%)の共重合体であり、酸解離性基を含む繰り返し単位の含有量は37.2モル%であった。これを感放射線性樹脂組成物用樹脂(α−1)とした。
Figure 0005229228
尚、前記合成例における測定及び評価は、下記の要領で行った。尚、後段の各合成例においても同様である。
<Mw及びMn>
東ソー社製の高速GPC装置(型式「HLC−8120」)に東ソー社製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」;2本、「G3000HXL」;1本、「G4000HXL」;1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。また、分散度Mw/Mnは測定結果より算出した。
<13C−NMR分析>
各重合体の13C−NMR分析は、日本電子(株)製「JNM−EX270」を用い、測定した。
(合成例2)
下記繰り返し単位(M−1)を構成するための化合物47.54g(46モル%)、下記繰り返し単位(M−2)を構成するための化合物12.53g(15モル%)、下記繰り返し単位(M−4)を構成するための化合物39.93g(39モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、更に2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)4.08gを投入した単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた1000mlの三つ口フラスコに100gの2−ブタノンを投入し、30分窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら80℃になるように加熱した。滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始時を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷により30℃以下に冷却した。冷却後、2000gのメタノールに投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を、400gのメタノールにてスラリー状で2度洗浄した。その後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(73g、収率73%)。
得られた共重合体は、Mwが5700、Mw/Mnが1.70であり、13C−NMR分析の結果、繰り返し単位(M−1)、(M−2)及び(M−4)の含有率は、それぞれ、51.4:14.6:34.0(モル%)の共重合体であり、酸解離性基を含む繰り返し単位の含有量は48.6モル%であった。これを感放射線性樹脂組成物用樹脂(α−2)とした。
Figure 0005229228
(合成例3)
下記繰り返し単位(M−1)を構成するための化合物55.44g(50モル%)、繰り返し単位(M−5)を構成するための化合物33.57g(40モル%)、及び繰り返し単位(M−3)を構成するための化合物10.99g(10モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、更にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)5.74gを投入した単量体溶液を準備し、100gの2−ブタノンを投入した500mlの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した前記単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、2000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を、400gのメタノールにてスラリー状で2度洗浄した。その後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(72g、収率72%)。
この共重合体はMwが6400、Mw/Mn=1.67、13C−NMR分析の結果、繰り返し単位(M−1)、(M−5)及び(M−3)の含有率は、それぞれ、52.2:38.1:9.7(モル%)の共重合体であり、酸解離性基を含む繰り返し単位の含有量は38.1モル%であった。これを感放射線性樹脂組成物用樹脂(α−3)とした。
Figure 0005229228
(1−2)感放射線性樹脂組成物(α)〜(γ)の調製
前述のように合成された感放射線性樹脂組成物用樹脂(α−1)〜(α−3)、酸発生剤(D)、酸拡散制御剤(E)及び溶剤(F)を表1に示す配合量で混合して、その全固形分濃度を0.2〜20質量%に調整した。その後、得られた溶液を、孔径30nm程度のフィルターでろ過することにより、感放射線性樹脂組成物(α)〜(γ)を調製した。
Figure 0005229228
尚、表1に示す組成の感放射線性樹脂組成物(α)〜(γ)に含有される前記感放射線性樹脂組成物用樹脂(α−1)〜(α−3)以外の成分の詳細を以下に示す。
[酸発生剤(D)]
(D−1):トリフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(D−2):1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(D−3):トリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート
(D−4):1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート
[酸拡散制御剤(E)]
(E−1):R−(+)−(tert−ブトキシカルボニル)−2−ピペリジンメタノール
[溶剤(F)]
(F−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(F−2):シクロヘキサノン
(F−3):γ−ブチロラクトン
[2]液浸用上層膜形成用組成物の調製
前記樹脂(A)、樹脂(B)及び樹脂(C)として、放射線照射時の水に安定な膜を形成でき、レジストパターン形成後の現像液に溶解する樹脂(A−1)〜(A−3)、(B−1)及び樹脂(C−1)を以下に示す方法により合成した。
(2−1)樹脂(A)の合成
(合成例4)
一般式(1−1)で表される繰り返し単位を製造するために用いられる単量体としてヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル50.0g、及び開始剤(2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル))3.24gをイソプロパノール50gに溶解させた単量体溶液を準備した。
一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコにイソプロパノール100gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱した。
そして、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を行い、その後、30℃以下に冷却して、重合液を得た。得られた前記重合液を水2400gに投入後、その析出物を回収し室温・減圧条件下にて24時間乾燥後に樹脂粉末を得た。その樹脂粉末をメタノール1000gに溶解させ分液漏斗に移し、n−ヘキサン2000gと水400gを加えて精製を行い、下層を回収した。その後、下層を濃縮して100gとして4−メチル−2−ペンタノールに置換して樹脂溶液とした。尚、前記4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料(樹脂溶液)の固形分濃度は、前記樹脂溶液0.3gをアルミ皿に計量し、ホットプレート上で140℃×1時間加熱した後、前記樹脂溶液の加熱前の質量と残渣(加熱後)の質量により算出した。この固形分濃度は、上層膜形成用組成物溶液の調製と収率計算に利用した。
得られた樹脂溶液に含有されている樹脂の、Mwは9760、Mw/Mnは1.31であり、収率は50%であった。これを樹脂(A−1)とする。
尚、樹脂(A−1)を用いて膜成形した際における水との後退接触角は40°未満であった。
(合成例5)
前述の一般式(1−1)で表される繰り返し単位を製造するために用いられる単量体[ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル]46.95g(85モル%)、及び開始剤[2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル)]6.91gをイソプロパノール100gに溶解させた単量体溶液を準備した。
一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコにイソプロパノール50gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱した。
そして、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を行い、前述の一般式(2−1)で表される繰り返し単位を製造するために用いられる単量体[ビニルスルホン酸]3.05g(15モル%)のイソプロパノール溶液10gを30分かけて滴下した。その後、更に1時間反応を行った後、30℃以下に冷却して、共重合液を得た。
次いで、得られた前記共重合液を150gに濃縮した後、分液漏斗に移した。この分液漏斗にメタノール50gとn−ヘキサン600gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。この下層液をイソプロパノールで希釈して100gとし、再度、分液漏斗に移した。その後、メタノール50gとn−ヘキサン600gを前記分液漏斗に投入して、分離精製を実施し、分離後、下層液を回収した。回収した下層液を4−メチル−2−ペンタノールに置換し、全量を250gに調整した。調整後、水250gを加えて分離精製を実施し、分離後、上層液を回収した。回収した上層液は、4−メチル−2−ペンタノールに置換して樹脂溶液とした。尚、前記4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料(樹脂溶液)の固形分濃度は、前記樹脂溶液0.3gをアルミ皿に計量し、ホットプレート上で140℃×1時間加熱した後、前記樹脂溶液の加熱前の質量と残渣(加熱後)の質量により算出した。この固形分濃度は、上層膜形成用組成物溶液の調製と収率計算に利用した。
得られた樹脂溶液に含有されている共重合体の、Mwは11060、Mw/Mnは1.55であり、収率は75%であった。また、この共重合体に含有される、ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチルに由来する繰り返し単位、及びビニルスルホン酸に由来する繰り返し単位の含有率は、95:5(モル%)であった。この共重合体を樹脂(A−2)とする。
尚、樹脂(A−2)を用いて膜成形した際における水との後退接触角は40°未満であった。
(合成例6)
前述の一般式(1−1)及び(2−2)で表される繰り返し単位を製造するために用いられる単量体[ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル]48.15g(95モル%)、及び[2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸]1.85g(5モル%)と、開始剤[2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル)]3.28gとをイソプロパノール50gに溶解させた単量体溶液を準備した。
一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコにイソプロパノール100gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱した。
そして、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を行い、その後、30℃以下に冷却して、重合液を得た。
次いで、得られた前記重合液を水2400gに投入後、その析出物を回収し室温・減圧条件下にて24時間乾燥後に樹脂粉末を得た。その樹脂粉末をメタノール1000gに溶解させ分液漏斗に移し、n−ヘキサン2000gと水400gを加えて精製を行い、下層を回収した。その後、下層を濃縮して100gとして4−メチル−2−ペンタノールに置換して樹脂溶液とした。尚、前記4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料(樹脂溶液)の固形分濃度は、前記樹脂溶液0.3gをアルミ皿に計量し、ホットプレート上で140℃×1時間加熱した後、前記樹脂溶液の加熱前の質量と残渣(加熱後)の質量により算出した。この固形分濃度は、上層膜形成用組成物溶液の調製と収率計算に利用した。
得られた樹脂溶液に含有されている共重合体のMwは9260、Mw/Mnは1.35であり、収率は30%であった。また、この共重合体に含有される、ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチルに由来する繰り返し単位、及び2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸に由来する繰り返し単位の含有率は、97:3(モル%)であった。この共重合体を樹脂(A−3)とする。
尚、樹脂(A−3)を用いて膜成形した際における水との後退接触角は40°未満であった。
(2−2)樹脂(B)の合成
(合成例7)
前述の一般式(3−1)で表される繰り返し単位を製造するために用いられる単量体[メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル]46.95g(85モル%)、及び開始剤(2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル))6.91gをイソプロパノール100gに溶解させた単量体溶液を準備した。
一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコにイソプロパノール50gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱した。
そして、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を行い、前述の一般式(4)で表される繰り返し単位を製造するために用いられる単量体[ビニルスルホン酸]3.05g(15モル%)のイソプロパノール溶液10gを30分かけて滴下した。その後、更に1時間反応を行った後、30℃以下に冷却して、共重合液を得た。
次いで、得られた共重合液を150gに濃縮した後、分液漏斗に移した。この分液漏斗にメタノール50gとn−ヘキサン600gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。この下層液をイソプロパノールで希釈して100gとし、再度、分液漏斗に移した。その後、メタノール50gとn−ヘキサン600gを前記分液漏斗に投入して、分離精製を実施し、分離後、下層液を回収した。回収した下層液を4−メチル−2−ペンタノールに置換し、全量を250gに調整した。調整後、水250gを加えて分離精製を実施し、分離後、上層液を回収した。次いで、回収した上層液は、4−メチル−2−ペンタノールに置換して樹脂溶液とした。尚、前記4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料(樹脂溶液)の固形分濃度は、前記樹脂溶液0.3gをアルミ皿に計量し、ホットプレート上で140℃×1時間加熱した後、前記樹脂溶液の加熱前の質量と残渣(加熱後)の質量により算出した。この固形分濃度は、上層膜形成用組成物溶液の調製と収率計算に利用した。
得られた樹脂溶液に含有されている共重合体のMwは9760、Mw/Mnは1.51であり、収率は65%であった。また、この共重合体に含有される、メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステルに由来する繰り返し単位、及びビニルスルホン酸に由来する繰り返し単位の含有率は、95:5(モル%)であった。この共重合体を樹脂(B−1)とする。
尚、樹脂(B−1)を用いて膜成形した際における水との後退接触角は69.0°であった。
(2−3)樹脂(C)の合成
(合成例8)
2,2−アゾビス(2−メチルイソプロピオン酸メチル)25.0gをメチルエチルケトン25.0gに溶解させた混合溶液を準備した。
一方、温度計及び滴下漏斗を備えた2000mlの三つ口フラスコに、メタクリル酸(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)エステル104.6g、メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル195.4g、及びメチルエチルケトン575.0gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージ後、フラスコ内をマグネティックスターラーで撹拌しながら80℃になるように加熱した。
そして、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた混合体溶液を5分かけて滴下し、360分間熟成させた。その後、30℃以下に冷却して共重合液を得た。
次いで、得られた共重合液を600gに濃縮し後、分液漏斗に移した。この分液漏斗にメタノール193g、及びn−ヘキサン1542gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。回収した下層液にメチルエチルケトン117g、及びn−ヘキサン1870gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。更に回収した下層液にメタノール93g、メチルエチルケトン77g、及びn−ヘキサン1238gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。回収した下層液を4−メチル−2−ペンタノールに置換し、この溶液を蒸留水にて洗浄して再度4−メチル−2−ペンタノールに置換して樹脂溶液とした。尚、前記4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料(樹脂溶液)の固形分濃度は、前記樹脂溶液0.3gをアルミ皿に計量し、ホットプレート上で140℃×1時間加熱した後、前記樹脂溶液の加熱前の質量と残渣(加熱後)の質量により算出した。この固形分濃度は、上層膜形成用組成物溶液の調製と収率計算に利用した。
得られた樹脂溶液に含有されている共重合体の、Mwは10200、Mw/Mnは1.65であり、収率は65%であった。また、この共重合体に含有されるメタクリル酸(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)エステルに由来する繰り返し単位、及びメタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステルに由来する繰り返し単位の含有率は、39.5:60.5(モル%)であった。この共重合体を樹脂(C−1)とする。
尚、樹脂(C−1)を用いて膜成形した際における水との後退接触角は82.0°であった。
(2−4)液浸用上層膜形成用組成物の調製
<実例1>
樹脂(A)として前記樹脂(A−2)20部、樹脂(B)として前記樹脂(B−1)80部、溶剤(炭素数4〜10のアルコール)として4−メチル−2−ペンタノール(表2における「溶剤(G−1)」)2800部を混合し、2時間撹拌した後、孔径200nmのフィルターでろ過することにより、固形分濃度4%の実例1の上層膜形成用組成物溶液を調製した。
<実例2〜11及び比較例1〜4>
感放射線性樹脂組成物、樹脂(A)、樹脂(B)、樹脂(C)及び溶剤(G)の配合を、表2に示す配合とした以外は、実例1と同様にして、実例2〜11及び比較例1〜4の各上層膜形成用組成物溶液を調製した。
尚、上記実験例1〜11のうち、実験例1〜6、8及び9は実施例であり、実験例7、10及び11は参考例である。
Figure 0005229228
[溶剤(G)]
(G−1):4−メチル−2−ペンタノール
(G−2):ジイソアミルエーテル
[3]実施例の性能評価
前述のように調製された各上層膜形成用組成物溶液を用いて得られる上層膜について、以下の各種測定及び評価を行った。尚、これらの結果を表3に示す。
(3−1)上層膜除去性
8インチシリコンウェハ上に、商品名「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン社製)を使用して、上層膜形成用組成物をスピンコートし、90℃×60秒の条件でベークを行って、膜厚90nmの塗膜(上層膜)を形成した。尚、塗膜の厚み(膜厚)は、商品名「ラムダエースVM90」(大日本スクリーン社製)により測定した。
その後、商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用して60秒間パドル現像(現像液:2.38%TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)水溶液)を行い、振り切りによりスピンドライした後、ウェハ表面を観察した。この際、ウェハ表面に残渣がなく現像されていれば「○」とし、ウェハ表面に残渣が観察されれば「×」と評価した。
(3−2)後退接触角の測定
8インチシリコンウェハ上に、上層膜形成用組成物をスピンコートし、ホットプレート上で、90℃×60秒の条件でPBを行い、膜厚90nmの塗膜(上層膜)を形成した。その後、商品名「DSA−10」(KRUS社製)を使用して、速やかに、室温23℃、湿度45%、常圧の環境下で、次の手順により後退接触角を測定した。
まず、商品名「DSA−10」(KRUS社製)のウェハステージ位置を調整し、この調整したステージ上に前記ウェハをセットする。次いで、針に水を注入し、前記セットしたウェハ上に水滴を形成可能な初期位置に前記針の位置を微調整する。その後、この針から水を排出させて前記ウェハ上に25μLの水滴を形成し、一旦、この水滴から針を引き抜き、再び前記初期位置に針を引き下げて水滴内に配置する。続いて、10μL/minの速度で90秒間、針によって水滴を吸引すると同時に接触角を毎秒1回測定する(合計90回)。このうち、接触角の測定値が安定した時点から20秒間の接触角についての平均値を算出して後退接触角(°)とした。
(3−3)インターミキシング
フォトレジスト膜とのインターミキシングが防止されることを評価するため本評価を行った。
まず、商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用して、予めHMDS処理(100℃、60秒)を行った8インチシリコンウェハ上に、感放射線性樹脂組成物(α)をスピンコートした。その後、ホットプレート上で90℃×60秒の条件でPBを行い、膜厚120nmの塗膜(フォトレジスト膜)を形成した。次いで、形成された塗膜上に、上層膜形成用組成物をスピンコートし、90℃×60秒の条件でPBを行うことにより膜厚90nmの塗膜(上層膜)を形成した。その後、商品名「CLEAN TRACK ACT8」のリンスノズルから、ウェハ上に超純水を60秒間吐出させ、4000rpmで15秒間振り切りのスピンドライを行った。
次いで、商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用し、LDノズルにてパドル現像(現像液:2.38%TMAH水溶液)を60秒間行って、上層膜を除去した。尚、前記現像によって上層膜は除去されるが、フォトレジスト膜は未露光であるためにそのまま残存する。
そして、前記現像の前後に、商品名「ラムダエースVM90」(大日本スクリーン社製)を使用してフォトレジスト膜の膜厚測定を行い、この膜厚の変化率が5%以内である場合は、フォトレジスト膜と上層膜間でのインターミキシングがないと判断して「○」とし、膜厚の変化率が5%を超えた場合は「×」と評価した。
(3−4)溶出量
図2及び図3に示すように、予め「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン社製)を用いて、100℃×60秒の処理条件でHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行ったHMDS処理層4を備える8インチシリコンウェハ3を用意した。この8インチシリコンウェハ3のHMDS処理層4側の面に、中央部が直径11.3cmの円形状にくり抜かれたシリコンゴムシート5(クレハエラストマー社製、厚み;1.0mm、形状;1辺30cmの正方形)を載せた。この際、8インチシリコンウェハ3の中心部にシリコンゴムシート5のくり抜かれた中央部(くり抜き部6)が位置するようにした。次いで、シリコンゴムシート5のくり抜き部6に、10mLホールピペットを用いて10mLの超純水7を満たした。
一方、前記8インチシリコンウェハ3とは別に、予め、下層反射防止膜8、レジスト膜11及び上層膜9を形成した8インチシリコンウェハ10を用意し、この8インチシリコンウェハ10を、前記上層膜9が前記シリコンゴムシート5側に位置するように、即ち、上層膜9と前記超純水7とを接触しつつ、超純水7が漏れないように載せた。
尚、前記別の8インチシリコンウェハ10上の下層反射防止膜8、レジスト膜11及び上層膜9は、次のように形成した。
まず、下層反射防止膜用組成物(「ARC29A」、ブルワー・サイエンス社製)を前記「CLEAN TRACK ACT8」を用いて膜厚77nmの下層反射防止膜を形成するように塗布した。次いで、前記感放射線性樹脂組成物(α)を、前記「CLEAN TRACK ACT8」を用いて前記下層反射防止膜上にスピンコートし、115℃×60秒の条件でベークすることにより膜厚205nmのレジスト膜11を形成した。その後、レジスト膜11上に、前記上層膜形成用組成物を塗布して上層膜9を形成した。
前記上層膜9が前記シリコンゴムシート5側に位置するように載せた後、その状態のまま10秒間保った。その後、前記別の8インチシリコンウェハ10を取り除き、上層膜9と接触していた超純水7をガラス注射器にて回収し、この超純水7を分析用サンプルとした。尚、シリコンゴムシート5のくり抜き部6に満たした超純水7の回収率は95%以上であった。
続いて、得られた分析用サンプル(超純水)中の光酸発生剤のアニオン部のピーク強度を、LC−MS(液体クロマトグラフ質量分析計)(LC部:AGILENT社製 「SERIES1100」、MS部:Perseptive Biosystems,Inc.社製 「Mariner」)を用いて下記の測定条件により測定した。その際、感放射線性樹脂組成物(α)に用いた光酸発生剤について、1ppb、10ppb、及び100ppb水溶液の各ピーク強度を、分析用サンプルの測定条件と同様の条件で測定して検量線を作成した。この検量線を用いて、水に対する光酸発生剤の(アニオン部の)溶出量を算出した。
また、同様にして、酸拡散制御剤について、1ppb、10ppb、及び100ppb水溶液の各ピーク強度を分析用サンプルの測定条件と同様の条件で測定して検量線を作成した。この検量線を用いて、水に対する酸拡散制御剤の溶出量を算出した。
溶出量の評価は、前記算出された光酸発生剤のアニオン部の溶出量と前記酸拡散制御剤の溶出量の和が、5.0×10−12mol/cm以上であった場合を「×」とし、5.0×10−12mol/cm未満であった場合を「○」と評価した。
<測定条件>
使用カラム;「CAPCELL PAK MG」(資生堂社製)、1本
流量;0.2ml/分
流出溶剤:水/メタノール(3/7)に0.1%のギ酸を添加したもの
測定温度;35℃
(3−5)ブロッブ(BloB)欠陥
予め「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン社製)を用いて、100℃×60秒の処理条件でHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行った8インチシリコンウェハを用意した。この8インチシリコンウェハ上に、前記感放射線性樹脂組成物(α)をスピンコートし、ホットプレート上で90℃×60秒の条件でPBを行い、膜厚120nmの塗膜を形成した。この塗膜上に、前記上層膜形成用組成物をスピンコートし、PB(90℃×60秒の条件、又は110℃×60秒の条件)を行って膜厚90nmの塗膜(上層膜)を形成した。その後、パターンが形成されていない擦りガラスを介して露光を行った。この8インチシリコンウェハをブロッブ欠陥(BloB欠陥)の評価に用いた。
まず、前記8インチシリコンウェハの上層膜上に「CLEAN TRACK ACT8」のリンスノズルから超純水を60秒間吐出させ、4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライを行った。次に、前記「CLEAN TRACK ACT8」のLDノズルによってパドル現像を60秒間行い、前記上層膜を除去した。尚、このパドル現像では、現像液として2.38%TMAH水溶液を使用した。
現像後、上層膜の溶け残りの程度を、「KLA2351」(KLAテンコール社製)で測定して、ブロッブ欠陥の測定とした。ブロッブ欠陥の評価は、検出された現像剥離欠陥(ブロッブ欠陥)が200個以下の場合を「○」とし、200個を超えた場合を「×」と評価した。
(3−6)パターンニング
高解像度のレジストパターンが形成されることを評価するため本評価を行った。
まず、8インチシリコンウェハ上に、商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用して、下層反射防止膜用組成物(商品名「ARC29A」、ブルワー・サイエンス社製)をスピンコートし、205℃×60秒の条件でPBを行うことにより、膜厚77nmの塗膜(下層反射防止膜)を形成した。形成した下層反射防止膜上に、感放射線性樹脂組成物(α)をスピンコートし、90℃×60秒の条件でPBを行うことにより膜厚120nmの塗膜(フォトレジスト膜)を形成した。
その後、形成したフォトレジスト膜上に、上層膜形成用組成物をスピンコートし、PB(90℃×60秒の条件、又は110℃×60秒の条件)を行うことにより膜厚90nmの塗膜(上層膜)を形成した。次いで、ArF投影露光装置(型番「S306C」、ニコン社製)を使用し、NA:0.78、シグマ:0.85、2/3Annの光学条件にて露光を行い、商品名「CLEAN TRACK ACT8」のリンスノズルから、ウェハ上に超純水を60秒間吐出させ、4000rpmで15秒間振り切りのスピンドライを行った。その後、商品名「CLEAN TRACK ACT8」のホットプレートを使用して105℃×60秒の条件でPEBを行った後、LDノズルにてパドル現像(現像液:2.38%TMAH水溶液)を30秒間行った。次いで、超純水にてリンスした後、4000rpmで15秒間振り切ることによってスピンドライした。このとき、形成されたレジストパターンについて、線幅90nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とした。尚、測定には走査型電子顕微鏡(商品名「S−9380」、日立計測器社製)を使用した。
その後、線幅90nmライン・アンド・スペースパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡(型番「S−4200」、日立計測器社製)にて観察した。尚、図1は、ライン・アンド・スペースパターンの形状を模式的に示す断面図である。
そして、基板1上に形成されたパターン2の膜の中間での線幅Lbと、膜の上部での線幅Laを測定し、0.9≦La/Lb≦1.1であった場合を「○」、La/Lb<0.9、又はLa/Lb>1.1であった場合を「×」と評価した。
(3−7)溶け残り欠陥
予め「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン社製)を用いて、100℃×60秒の処理条件でHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行った8インチシリコンウェハを用意した。この8インチシリコンウェハ上に、前記感放射線性樹脂組成物(α)をスピンコートし、ホットプレート上で100℃、60秒PBを行い、膜厚120nmの塗膜を形成した。この塗膜上に、前記上層膜形成用組成物をスピンコートし、PB(90℃×60秒の条件、又は110℃×60秒の条件)を行って膜厚90nmの塗膜を形成した。その後、ArF投影露光装置(型番「S306C」、ニコン社製)を使用し、NA:0.75、シグマ:0.85、1/2Annの光学条件にて露光を行い、商品名「CLEAN TRACK ACT8」のリンスノズルから、ウェハ上に超純水を60秒間吐出させ、4000rpmで15秒間振り切りのスピンドライを行った。その後、商品名「CLEAN TRACK ACT8」のホットプレートを使用して、105℃×60秒の条件でPEBを行った後、LDノズルにてパドル現像(現像液:2.38%TMAH水溶液)を15秒間行った。次いで、超純水にてリンスした後、4000rpmで15秒間振り切ることによってスピンドライした。このようにして8インチシリコンウェハ上に160nmSpace/3600nmPitchのトレンチパターンを形成し、溶け残り欠陥の評価に用いた。
そして、溶け残り欠陥を、「KLA2351」(KLAテンコール社製)で測定して、検出された溶け残り欠陥数が10個以下の場合を「○」とし、10個を超えた場合を「×」と評価した。
(3−8)ウォーターマーク欠陥
基板として、表面に膜厚77nmの下層反射防止膜(「ARC29A」、ブルワー・サイエンス社製)を形成した12インチシリコンウェハを用いた。尚、この下層反射防止膜の形成には、「CLEAN TRACK ACT12」(東京エレクトロン社製)を用いた。
前記基板上に、感放射線性樹脂組成物を前記CLEAN TRACK ACT12にて、スピンコートした後に115℃×60秒の条件でPBを行い、膜厚120nmのフォトレジスト膜を得た。その後、フォトレジスト膜上に上層膜形成用組成物溶液をスピンコートした後、90℃×60秒の条件でのPBにより膜厚90nmの塗膜(上層膜)を得た。次いで、ArFエキシマレーザ液浸露光装置(「ASML AT1250i」、ASML社製)にてNA=0.85、σ0/σ1=0.96/0.76、Annularの条件で、マスクパターンを介して露光を行った。この際、レジスト(フォトレジスト膜)上面と液浸露光機レンズとの間には液浸溶媒として純水を配置した。その後、115℃×60秒の条件でPBを行った後、2.38%のTMAH水溶液により、23℃で60秒間現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、線幅100nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。尚、この測長には走査型電子顕微鏡(「S−9380」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。
その後、線幅100nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)上の欠陥性能を、KLA−Tencor社製の「KLA2351」を用いて測定した。具体的には、「KLA2351」にて測定された欠陥を、走査型電子顕微鏡(「S−9380」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いてウォーターマーク欠陥(water−mark欠陥)を確認した。そして、ウォーターマーク欠陥数が5個以下の場合を「○」とし、5個を超えた場合を「×」と評価した。
Figure 0005229228
表3から明らかなように、本実例1〜11の各上層膜形成用組成物により形成された上層膜は、除去性が「○」であり、後退接触角が69〜74°であり、インターミキシングが「○」であり、溶出が「○」であり、BloB欠陥が「○」であり、パターンニングが「○」であり、溶け残り欠陥が「○」であり、ウォーターマーク欠陥が「○」であった。
そして、これらの実例1〜11の各上層膜形成用組成物は、比較例1〜4の上層膜形成用組成物に比べ、溶け残り欠陥が改良されていることが確認できた。
尚、本発明においては、前述の具体的な実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した形態とすることができる。
また、本発明では、参考発明として以下の液浸用上層膜形成用組成物及び液浸用上層膜を挙げることができる。
[1]樹脂成分と、溶剤と、を含む液浸用上層膜形成用組成物であって、該樹脂成分として、下記一般式(1−1)で表される繰り返し単位、下記一般式(1−2)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(1−3)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種を含有しており、且つ膜成形した際における水との後退接触角が60°未満である樹脂(A)を含むことを特徴とする液浸用上層膜形成用組成物。
Figure 0005229228
[一般式(1−1)〜(1−3)において、Rは、それぞれ、水素原子又はメチル基を示し、R及びRは、それぞれ、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基を示す。]
[2]前記樹脂(A)が、下記一般式(2−1)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(2−2)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも一方を更に含有する前記[1]に記載の液浸用上層膜形成用組成物。
Figure 0005229228
[一般式(2−1)及び(2−2)において、Rは、それぞれ、水素原子又はメチル基を示し、Rは、それぞれ、単結合、メチレン基、又は炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を示す。]
[3]前記樹脂成分として、下記一般式(3−1)で表される繰り返し単位、下記一般式(3−2)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(3−3)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種と、下記一般式(4)で表される繰り返し単位と、を含有しており、且つ、膜成形した際における水との後退接触角が65°以上である樹脂(B)を更に含む前記[1]又は[2]に記載の液浸用上層膜形成用組成物。
Figure 0005229228
[一般式(3−1)〜(3−3)において、Rは、それぞれ、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、R6’は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐上のアルキル基を示し、Rは、それぞれ、単結合、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基を示し、Rは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数3〜10の脂環式のアルキル基を示し、Aは、単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を示す。]
Figure 0005229228
[一般式(4)において、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R10は、単結合、メチレン基、又は炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を示す。]
[4]前記樹脂(A)の含有割合が、前記樹脂成分全体を100質量%とした場合に、5〜70質量%である前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の液浸用上層膜形成用組成物。
本発明の上層膜形成用組成物は、樹脂成分として前記樹脂(A)を含有するものであるため、液浸露光時にフォトレジスト膜を保護し、水等の媒体に溶出することなく安定な被膜を維持し、ウォーターマーク欠陥やパターン不良欠陥等の欠陥の発生を効果的に抑制し、高解像度のレジストパターンを形成可能であり、かつ、十分に高い後退接触角を有する上層膜を形成することができる。そのため、今後、高速度のスキャンスピードによるレジストパターン形成においても、ウォーターマーク欠陥等の欠陥の発生を効果的に抑制することができる。従って、本発明の上層膜形成用組成物は、液浸露光に好適に使用可能な上層膜を形成することができ、今後、更に微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造工程において極めて好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 樹脂成分と、溶剤と、を含む液浸用上層膜形成用組成物であって、
    該樹脂成分として、
    下記一般式(1−1)で表される繰り返し単位、下記一般式(1−2)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(1−3)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種と、下記一般式(2−1)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(2−2)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも一方と、を含有する樹脂(A)、及び、
    下記一般式(3−1)で表される繰り返し単位、下記一般式(3−2)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(3−3)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種と、下記一般式(4)で表される繰り返し単位と、を含有しており、且つ、膜成形した際における水との後退接触角が65°以上である樹脂(B)を含むことを特徴とする液浸用上層膜形成用組成物。
    Figure 0005229228
    [一般式(1−1)〜(1−3)において、Rは、それぞれ、水素原子又はメチル基を示し、R及びRは、それぞれ、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基を示す。]
    Figure 0005229228
    [一般式(2−1)及び(2−2)において、Rは、それぞれ、水素原子又はメチル基を示し、Rは、それぞれ、単結合、メチレン基、又は炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を示す。]
    Figure 0005229228

    [一般式(3−1)〜(3−3)において、R は、それぞれ、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、R 6’ は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示し、R は、それぞれ、単結合、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基を示し、R は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数3〜10の脂環式のアルキル基を示し、Aは、単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を示す。]
    Figure 0005229228

    [一般式(4)において、R は、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R 10 は、単結合、メチレン基、又は炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を示す。]
  2. 前記樹脂(A)が、膜成形した際における水との後退接触角が60°未満となるものである請求項1に記載の液浸用上層膜形成用組成物。
  3. 前記樹脂(A)が、前記一般式(1−1)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(2−1)で表される繰り返し単位を含有するものであり、
    前記樹脂(B)が、前記一般式(3−1)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(4)で表される繰り返し単位を含有するものである請求項1又は2に記載の液浸用上層膜形成用組成物。
  4. 前記樹脂(A)の含有割合が、前記樹脂成分全体を100質量%とした場合に、5〜70質量%である請求項1乃至のいずれかに記載の液浸用上層膜形成用組成物。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の液浸用上層膜形成用組成物を用いてなることを特徴とする液浸用上層膜。
  6. (1)基板上にフォトレジスト組成物を塗布してフォトレジスト膜を形成する工程と、
    (2)前記フォトレジスト膜に、請求項1乃至のいずれかに記載の液浸用上層膜形成用組成物を塗布して上層膜を形成する工程と、
    (3)前記上層膜とレンズとの間に液浸媒体を配置し、前記液浸媒体と所定のパターンを有するマスクとを介して前記フォトレジスト膜及び前記上層膜に露光光を照射し、次いで、現像することによってフォトレジストパターンを得る工程と、を備えることを特徴とするフォトレジストパターン形成方法。
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