JP5625451B2 - 液浸用上層膜形成用組成物 - Google Patents
液浸用上層膜形成用組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5625451B2 JP5625451B2 JP2010084101A JP2010084101A JP5625451B2 JP 5625451 B2 JP5625451 B2 JP 5625451B2 JP 2010084101 A JP2010084101 A JP 2010084101A JP 2010084101 A JP2010084101 A JP 2010084101A JP 5625451 B2 JP5625451 B2 JP 5625451B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- polymer
- upper layer
- carbon atoms
- repeating unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
Description
R=k1・λ/NA (i)
δ=k2・λ/NA2 (ii)
(尚、λ:露光波長、NA:投影光学系の開口数、k1、k2:プロセス係数である。)
このとき、ウェハと投影露光装置のレンズとの空間が屈折率nの媒体で満たされると、前記解像度R及び焦点深度δは、それぞれ以下の数式で表される。
R=k1・(λ/n)/NA (iii)
δ=k2・nλ/NA2 (iv)
このため、フォトレジスト膜と水等の媒体とを遮断する目的で、フォトレジスト膜上に上層膜を形成する方法がある(特許文献1〜3等参照)。
本発明の液浸上層膜形成用組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、重合体成分として重合体(A1)を含む。
[重合体(A1)]
本発明の重合体(A1)は、(a1)カルボキシル基を有する繰り返し単位、(a2)スルホ基を有する繰り返し単位、および(a3)下記式(3−1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(3)」ともいう。)を有する
カルボキシル基を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(a1)」ともいう。)としては、下記式(C−1)〜(C−3)で表される繰り返し単位の内いずれかを挙げることができる。
前記単環式炭化水素基としては、1,3−シクロブチレン基等のシクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基等のシクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基等のシクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基等のシクロオクチレン基等の炭素数4〜12のシクロアルキレン基等が挙げられる。
架橋環式炭化水素基としては、例えば、1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基等のノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等のアダマンチレン基等の炭素数4〜12の2〜4環式炭化水素基等が挙げられる。
また、前記Rc1及びRc2の炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基等のアリーレン基等が挙げられる。
(a2)スルホ基を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(a2)」ともいう。)としては下記一般式(S−1)または(S−2)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
繰り返し単位(3)としては、上記式(3−1)中、R7が炭素数1〜20のアルキル基または炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基であるもの(以下、「繰り返し単位(3a)」ともいう。)や、上記式(3−1)中、R7が少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基であるもの(以下、「繰り返し単位(3b)」ともいう。)を用いることができる。
また、本発明においては、前記重合体成分として、下記一般式(4−1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(4−1)」という。)、下記一般式(4−2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(4−2)」という。)、のうちの少なくとも1種と、上記一般式(S−1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(5−1)」という。)と、を含有する重合体(A2)を、更に含んでいることが好ましい。
また、本発明においては、前記重合体成分として、上記式(4−1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(6)」ともいう。)または上記式(3−1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(7)」ともいう。)を含み、上記式(S−1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(8)」ともいう。)を含まない重合体(以下、「重合体(A3)」ともいう。)を含むことができる。
また、前記重合体(A2)の含有割合は、重合体成分全体を100質量%とした場合に、10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜70質量%である。重合体(A2)の含有割合が上記範囲内である場合、形成される上層膜に対して高い撥水性と現像液除去性とを付与できる点で好ましい。
更に、前記他の重合体(A3)の含有割合は、重合体成分全体を100質量%とした場合に、3〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜20質量%である。重合体(A3)の含有割合が上記範囲内である場合、高い撥水性を有すると共にBlob欠陥の少ない上層膜が得られる点で好ましい。
また、各重合体のMwと数平均分子量(以下、「Mn」ともいう)との比(Mw/Mn)は、1〜5であることが好ましく、更に好ましくは1〜3である。尚、本明細書における「重量平均分子量」及び「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したポリスチレン換算による値である。
更に、重合体(A1)等の重合体を精製する方法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。
本発明の上層膜形成用組成物は、エーテル系溶剤に上記の重合体が溶解されたものである。このような溶剤としては、下記式(B1−1)〜(B1−3)で表される化合物を挙げることができる。
この溶剤は、フォトレジスト膜上に塗布する際に、フォトレジスト膜とインターミキシングを発生する等の、リソグラフィ性能を劣化させることが殆どないものを好適に使用することができる。
前記多価アルコールのアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
前記多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類としては、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
前記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
前記エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル等が挙げられる。
この界面活性剤の配合量は、重合体の合計量100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましい。
(1)分子量(Mw、Mn)測定方法
重合体(A1)〜(A3)のMw及びMnは、東ソー社製の高速GPC装置(型式「HLC−8120」)に東ソー社製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」;2本、「G3000HXL」;1本、「G4000HXL」;1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
メタクリル酸5.0g(42.5モル%)、トリシクロデシルメタクリレート(下記式M−3で表される化合物)12.8g(42.5モル%)、ビニルスルホン酸2.2g(15モル%)と開始剤(2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル))2.5gをイソプロパノール40gに溶解させた単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた200mlの三つ口フラスコにイソプロパノール20gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱し、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を続けた。30℃以下になるまで冷却することにより重合液を得た。
メタクリル酸14.7g(42.5モル%)、メタクリル酸(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル28.8g(42.5モル%)、ビニルスルホン酸6.5g(15モル%)と開始剤(2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル))7.4gをイソプロパノール50gに溶解させた単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた200mlの三つ口フラスコにイソプロパノール50gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱し、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を続けた。30℃以下になるまで冷却することにより重合液を得た。
ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル14g(59.5モル%)、トリシクロデシルメタクリレート4.7g(25.5モル%)、ビニルスルホン酸1.3g(15モル%)と開始剤(2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル))1.5gをイソプロパノール40gに溶解させた単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた200mlの三つ口フラスコにイソプロパノール20gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱し、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を続けた。30℃以下になるまで冷却することにより重合液を得た。
メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル46.95g(85モル%)、及び開始剤(2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル))6.91gをイソプロパノール100gに溶解させた単量体溶液を準備した。
一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコにイソプロパノール50gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱した。
そして、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を行い、ビニルスルホン酸3.05g(15モル%)のイソプロパノール溶液10gを30分かけて滴下した。その後、更に1時間反応を行った後、30℃以下に冷却して、共重合液を得た。
得られた重合体溶液に含有されている共重合体のMwは9760、Mw/Mnは1.51であり、収率は65%であった。また、この共重合体に含有される、メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステルに由来する繰り返し単位、及びビニルスルホン酸に由来する繰り返し単位の含有率は、95:5(モル%)であった。この共重合体を重合体(A2)とする。
尚、重合体(A2−1)を用いて膜成形した際における水との後退接触角は69°であった。
2,2−アゾビス(2−メチルイソプロピオン酸メチル)25.0gをメチルエチルケトン25.0gに溶解させた混合溶液を準備した。
一方、温度計及び滴下漏斗を備えた2000mlの三つ口フラスコに、メタクリル酸(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)エステル104.6g、メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル195.4g、及びメチルエチルケトン575.0gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージ後、フラスコ内をマグネティックスターラーで撹拌しながら80℃になるように加熱した。
そして、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた混合体溶液を5分かけて滴下し、360分間熟成させた。その後、30℃以下に冷却して共重合液を得た。
次いで、得られた共重合液を600gに濃縮し後、分液漏斗に移した。この分液漏斗にメタノール193g、及びn−ヘキサン1542gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。回収した下層液にメチルエチルケトン117g、及びn−ヘキサン1870gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。更に回収した下層液にメタノール93g、メチルエチルケトン77g、及びn−ヘキサン1238gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。回収した下層液を4−メチル−2−ペンタノールに置換し、この溶液を蒸留水にて洗浄して再度4−メチル−2−ペンタノールに置換して重合体溶液とした。尚、前記4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料(重合体溶液)の固形分濃度は、前記重合体溶液0.3gをアルミ皿に計量し、ホットプレート上で140℃×1時間加熱した後、前記重合体溶液の加熱前の質量と残渣(加熱後)の質量により算出した。この固形分濃度は、上層膜形成用組成物溶液の調製と収率計算に利用した。
得られた重合体溶液に含有されている共重合体の、Mwは10200、Mw/Mnは1.65であり、収率は65%であった。また、この共重合体に含有されるメタクリル酸(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)エステルに由来する繰り返し単位、及びメタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステルに由来する繰り返し単位の含有率は、39.5:60.5(モル%)であった。この共重合体を重合体(A3−1)とする。
尚、重合体(A3−1)を用いて膜成形した際における水との後退接触角は82°であった。
ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル]46.95g(85モル%)、及び開始剤[2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル)]6.91gをイソプロパノール100gに溶解させた単量体溶液を準備した。
一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコにイソプロパノール50gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱した。
そして、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を行い、ビニルスルホン酸3.05g(15モル%)のイソプロパノール溶液10gを30分かけて滴下した。その後、更に1時間反応を行った後、30℃以下に冷却して、共重合液を得た。
次いで、得られた前記共重合液を150gに濃縮した後、分液漏斗に移した。この分液漏斗にメタノール50gとn−ヘキサン600gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。この下層液をイソプロパノールで希釈して100gとし、再度、分液漏斗に移した。その後、メタノール50gとn−ヘキサン600gを前記分液漏斗に投入して、分離精製を実施し、分離後、下層液を回収した。回収した下層液を4−メチル−2−ペンタノールに置換し、全量を250gに調整した。調整後、水250gを加えて分離精製を実施し、分離後、上層液を回収した。回収した上層液は、4−メチル−2−ペンタノールに置換して重合体溶液とした。尚、前記4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料(重合体溶液)の固形分濃度は、前記重合体溶液0.3gをアルミ皿に計量し、ホットプレート上で155℃×1時間加熱した後、前記重合体溶液の加熱前の質量と残渣(加熱後)の質量により算出した。この固形分濃度は、上層膜形成用組成物溶液の調製と収率計算に利用した。
得られた重合体溶液に含有されている共重合体の、Mwは5600、Mw/Mnは1.55であり、収率は80%であった。また、この共重合体に含有される、ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチルに由来する繰り返し単位、及びビニルスルホン酸に由来する繰り返し単位の含有率は、95:5(モル%)であった。この共重合体を重合体(A−2)とする。
尚、重合体(A’−4)を用いて膜成形した際における水との後退接触角は40°であった。
[合成例7]重合体(A’−5)の合成
メタクリル酸5.0g(50モル%)、トリシクロデシルメタクリレート12.8g(50モル%)、開始剤(2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル))2.2gをイソプロパノール40gに溶解させた単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた200mlの三つ口フラスコにイソプロパノール20gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱し、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を続けた。30℃以下になるまで冷却することにより重合液を得た。
[合成例8]重合体(A’−6)の合成
トリシクロデシルメタクリレート46.95g(85モル%)、ビニルスルホン酸3.15g(15モル%)開始剤(2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル))6.9gをイソプロパノール40gに溶解させた単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた200mlの三つ口フラスコにイソプロパノール20gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱し、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を続けた。30℃以下になるまで冷却することにより重合液を得た。
(A1)成分として上記重合体(A1−1)20部、(A2)成分として上記重合体(A2−1)65部、(A3)成分として上記重合体(A3)15部、溶剤(G)として4−メチル−2−ペンタノール(以下、「G−1」)1680部およびジイソアミルエーテル(以下、「G−2」)1120部を混合し、2時間撹拌した後、孔径200nmのフィルターでろ過することにより、上層膜形成組成物(参考例1)を得た。
表1に示す成分を用いる以外は、参考例1と同様の手法にて、参考例2、実施例3、参考例4、5、実施例6の上層膜形成組成物を得た。
表1に示す成分を用いる以外は実施例1と同様の手法にて、比較例1〜5の上層膜形成組成物を得た。
下記化合物(M−1)53.93g(50モル%)、化合物(M−2)35.38g(40モル%)、化合物(M−5)10.69g(10モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、更にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)5.58gを投入した単量体溶液を準備し、100gの2−ブタノンを投入した500mlの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、2000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(74g、収率74%)。この重合体はMwが6900、Mw/Mn=1.70、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−3)に由来する各繰り返し単位の含有率が53.0:37.2:9.8(モル%)の共重合体であった。この重合体をアクリル系重合体(A−1)とする。尚、この重合体中の各単量体由来の低分子量成分の含有量は、この重合体100質量%に対して、0.03質量%であった。これを重合体(M)とする。
[フォトレジスト組成物(α)の調製]:
フォトレジスト膜を形成するためのフォトレジスト組成物(α)は、フォトレジスト組成物用重合体(M)、酸発生剤(C)、酸拡散制御剤(D)及び溶剤(E)を表1に示す配合量で混合して、その全固形分濃度を0.2〜20質量%に調整し、孔径30nmのフィルターでろ過することにより調製した。以下に、フォトレジスト組成物用重合体(α)の合成方法について説明する。
C−1:トリフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
C−2:1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
C−3:トリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート
C−4:1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート
D−1:R−(+)−(tert−ブトキシカルボニル)−2−ピペリジンメタノール
E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
E−2:シクロヘキサノン
E−3:γ−ブチロラクトン
参考例1、2、実施例3、参考例4、5、実施例6および比較例1〜5の上層膜形成組成物について以下に示す各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
得られた上層膜形成用組成物を30分間撹拌した。その後、目視で白濁している場合を「×」とし、白濁せずに溶解している場合を「○」と評価した。なお、溶解性試験の評価結果が×となったものについてはその他の評価を行わなかった。
CLEAN TRACK ACT8(東京エレクトロン(株)製)にて8インチシリコンウエハ上に上記上層膜をスピンコート、90℃、60秒ベークを行ない、膜厚90nmの塗膜を形成した。膜厚はラムダエースVM90(大日本スクリーン(株))を用いて測定した。本塗膜をCLEAN TRACK ACT8で60秒間パドル現像(現像液2.38%TMAH水溶液)を行ない、振り切りによりスピンドライした後、ウエハ表面を観察した。このとき、残渣がなく現像されていれば、除去性「○」、残渣が観察されれば「×」とした。
まず、8インチシリコンウエハ上に、上層膜形成用組成物をスピンコートし、ホットプレート上で90℃、60秒PBを行い、膜厚30nmの塗膜(上層膜)を形成した。その後、商品名「DSA−10」(KRUS社製)を使用して、速やかに、室温:23℃、湿度:45%、常圧の環境下で、次の手順により後退接触角を測定した。
予めCLEAN TRACK ACT8(東京エレクトロン株式会社製)にてHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理(100℃、60秒)を行った8インチシリコンウェハ上の中心部に、中央部が直径11.3cmの円形状にくり抜かれたシリコンゴムシート(クレハエラストマー社製、厚み;1.0mm、形状;1辺30cmの正方形)を載せた。次いで、シリコンゴム中央部のくり抜き部に10mLホールピペットを用いて超純水10mlを満たした。
使用カラム;「CAPCELL PAK MG」、資生堂株式会社製、1本
流量;0.2ml/分
流出溶剤:水/メタノール(3/7)に0.1質量%のギ酸を添加したもの
測定温度;35℃
パーティクルカウンター(RION製:KE−40)にて0.15μm以下の個数が100個/10mL以下であることを確認した上層膜溶液を5℃で2週間保管した後、再びパーティクルカウンター(RION製:KE−40)で液中異物数を確認し、0.15μm以下の個数が100個/10mL以下である場合は「○」、それ以上である場合は「×」とした。
「CLEAN TRACK ACT12」(東京エレクトロン社製)を用いて、100℃×60秒の処理条件でHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行った12インチシリコンウエハを用意した。この12インチシリコンウエハ上に、「CLEAN TRACK ACT12」のスモールディスペンスユニットを用いて、定量の前記上層膜形成用組成物をウエハーを回転させながらスピンコートし、PB(90℃×60秒の条件)を行って膜厚30nmの塗膜を形成した。その後、3枚の塗布後のウェハを目視により確認し、ストリエーションがない場合の最低塗布量を評価した。
予め「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン社製)を用いて、100℃×60秒の処理条件でHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行った8インチシリコンウェハを用意した。この8インチシリコンウェハ上に、前記感放射線性樹脂組成物(α)をスピンコートし、ホットプレート上で90℃×60秒の条件でPBを行い、膜厚120nmの塗膜を形成した。この塗膜上に、前記上層膜形成用組成物をスピンコートし、PB(90℃×60秒の条件、又は110℃×60秒の条件)を行って膜厚30nmの塗膜(上層膜)を形成した。その後、パターンが形成されていない擦りガラスを介して露光を行った。この8インチシリコンウェハをBlob欠陥(BloB欠陥)の評価に用いた。
まず、前記8インチシリコンウェハの上層膜上に「CLEAN TRACK ACT8」のリンスノズルから超純水を60秒間吐出させ、4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライを行った。次に、前記「CLEAN TRACK ACT8」のLDノズルによってパドル現像を30秒間行い、前記上層膜を除去した。尚、このパドル現像では、現像液として2.38%TMAH水溶液を使用した。
現像後、上層膜の溶け残りの程度を、「KLA2351」(KLAテンコール社製)で測定して、Blob欠陥の測定とした。検出されたBlob欠陥が200個以下の場合を「○」とし、200個を超えた場合を「×」と評価した。
また、参考例4、5、実施例6のようにエーテル系溶剤の割合を増加させても溶解性が良好で、経時における異物数の増加も見られなかった。これに対して、繰り返し単位(3)を含まない重合体を用いて比較例1よりもエーテル系溶剤の割合を増加させた比較例2、3や、重合体(A1)に替えて繰り返し単位(C)を含まない重合体を用いた比較例5では溶解性が失われてしまった。さらに、重合体(A1)に替えて繰り返し単位(S)を含まない重合体を用いた比較例4ではBlob欠陥を生じてしまった。以上のことから本発明の上層膜形成用組成物によって塗布量が軽減でき、経時での異物上昇が抑えられ、かつBlob欠陥を生じにくい上層膜が得られることがわかった。
Claims (6)
- 重合体(A)として、
(a1)カルボキシル基を有する繰り返し単位、
(a2)スルホ基を有する繰り返し単位、および
(a3)下記式(3−1)で表される繰り返し単位を有する重合体(A1)と、
溶剤(B)としてエーテル系溶剤(B1)と、を含み、
前記重合体(A1)が、前記(a1)繰り返し単位として、下記一般式(C−1)で表される繰り返し単位、下記一般式(C−2)で表される繰り返し単位からなる群のうち少なくとも1種を含有する液浸上層膜形成用組成物。
- 前記(B1)エーテル系溶剤を溶剤全量中20〜90質量%含む請求項1から3のいずれか一項に記載の液浸上層膜形成用組成物。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の液浸上層膜形成用組成物を用いて形成された液浸上層膜。
- 基板上にフォトレジスト組成物を塗布してフォトレジスト膜を形成する工程(1)と、
請求項1から4のいずれか一項に記載の上層膜形成用組成物を前記フォトレジスト膜上に塗布して前記フォトレジスト膜上に上層膜を形成する工程(2)と、
前記上層膜上に液浸媒体を配し、所定のパターンを有するマスクおよび液浸液体を通過させた露光光を、前記上層膜及び前記フォトレジスト膜に照射することによって、前記上層膜及び前記フォトレジスト膜を露光する工程(3)と、
露光された前記上層膜及び前記フォトレジスト膜を現像液で現像する工程(4)と、を備えるレジストパターン形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010084101A JP5625451B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | 液浸用上層膜形成用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010084101A JP5625451B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | 液浸用上層膜形成用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011215405A JP2011215405A (ja) | 2011-10-27 |
JP5625451B2 true JP5625451B2 (ja) | 2014-11-19 |
Family
ID=44945179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010084101A Active JP5625451B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | 液浸用上層膜形成用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5625451B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5742391B2 (ja) * | 2011-03-31 | 2015-07-01 | Jsr株式会社 | 液浸用上層膜形成用組成物 |
WO2013069750A1 (ja) | 2011-11-11 | 2013-05-16 | Jsr株式会社 | レジスト上層膜形成用組成物、レジストパターン形成方法、化合物、化合物の製造方法及び重合体 |
JP6134367B2 (ja) * | 2014-10-31 | 2017-05-24 | ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシーRohm and Haas Electronic Materials LLC | フォトレジスト保護膜組成物 |
WO2018084084A1 (ja) * | 2016-11-01 | 2018-05-11 | Jsr株式会社 | 樹脂組成物及びその用途 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006047351A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-16 | Asahi Glass Co Ltd | フォトレジスト保護膜用組成物、フォトレジスト保護膜およびフォトレジストパターン形成方法 |
EP2468780B1 (en) * | 2004-09-30 | 2013-11-13 | JSR Corporation | Copolymer and top coating composition |
US8431332B2 (en) * | 2007-09-26 | 2013-04-30 | Jsr Corporation | Composition for forming upper layer film for immersion exposure, upper layer film for immersion exposure, and method of forming photoresist pattern |
JP2010039260A (ja) * | 2008-08-06 | 2010-02-18 | Az Electronic Materials Kk | レジスト層上に積層させるのに適当なコーティング組成物 |
-
2010
- 2010-03-31 JP JP2010084101A patent/JP5625451B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011215405A (ja) | 2011-10-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5229228B2 (ja) | 液浸用上層膜形成用組成物及び液浸用上層膜並びにフォトレジストパターン形成方法 | |
JP5088326B2 (ja) | 上層膜形成用組成物及びフォトレジストパターン形成方法 | |
JP5034950B2 (ja) | 化合物の製造方法および重合体、ならびに樹脂組成物 | |
TWI498342B (zh) | 光阻保護膜材料及圖案形成方法 | |
JP5104535B2 (ja) | 上層膜用組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP5234221B2 (ja) | 上層膜形成用組成物及びレジストパターン形成方法 | |
US20160109801A1 (en) | Upper layer-forming composition and resist patterning method | |
JP5625451B2 (ja) | 液浸用上層膜形成用組成物 | |
JP5672120B2 (ja) | 液浸用上層膜形成用組成物 | |
JP2006243309A (ja) | 液浸上層膜用重合体および液浸上層膜用樹脂組成物 | |
JP4552697B2 (ja) | 液浸上層膜用重合体および液浸上層膜用樹脂組成物 | |
JP4848888B2 (ja) | 上層膜形成組成物、及びフォトレジストパターン形成方法 | |
JP5742391B2 (ja) | 液浸用上層膜形成用組成物 | |
US20130084524A1 (en) | Composition for forming liquid immersion upper layer film and method for forming resist pattern | |
JP2008209799A (ja) | フォトレジストパターン形成方法 | |
JP2007324385A (ja) | レジストパターン形成方法 | |
JP5565042B2 (ja) | 上層膜形成組成物及びフォトレジストパターン形成方法 | |
JP5245700B2 (ja) | 上層膜形成組成物及び上層膜 | |
TW200821758A (en) | Upper layer film forming composition and process for forming photoresist pattern | |
JP5049513B2 (ja) | 保護膜形成用樹脂組成物 | |
JP2010006863A (ja) | 共重合体の製造方法 | |
JP2008209798A (ja) | フォトレジストパターン形成方法 | |
JP2009020248A (ja) | 感放射線性樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120816 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131203 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140122 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20140122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140520 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140623 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140902 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140915 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5625451 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |