JP2008209798A - フォトレジストパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】露光波長、特に248nm(KrF)および193nm(ArF)で十分な透過性を持つ、感放射線性樹脂組成物と上層膜形成組成物を用いたフォトレジストパターン形成方法を提供すること。
【解決手段】酸の作用によりアルカリ可溶性となる単量体を60モル%を超えて含有する樹脂と感放射線性酸発生剤を含有する感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布してフォトレジスト膜を形成する工程と、単量体を含有するアルカリ可溶樹脂を含有する上層膜形成組成物を前記フォトレジスト膜に塗布して上層膜を形成する工程と、前記上層膜とレンズとの間に液浸媒体を配置し、前記液浸媒体と所定のパターンを有するマスクとを介してフォトレジスト膜及び上層膜に露光光を照射し、次いで現像することでレジストパターンを得ることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、リソグラフィ微細化のために使用される液浸露光時に、フォトレジスト膜を保護するとともに、フォトレジスト膜の成分の溶出を抑えて投影露光装置のレンズを保護する上層膜を形成するのに有用な上層膜形成組成物を用いたフォトレジストパターン形成方法に関する。
半導体素子等を製造するに際しては、フォトマスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介してフォトレジスト膜(以下、「フォトレジスト」と記す場合がある)が塗布されたウェハ上の各ショット領域に転写する、ステッパー型、又はステップアンドスキャン方式の投影露光装置が使用されている。投影露光装置に備えられている投影光学系の解像度は、使用する露光波長が短く、投影光学系の開口数が大きいほど高くなる。そのため、集積回路の微細化に伴い投影露光装置で使用される放射線の波長である露光波長は年々短波長化しており、投影光学系の開口数も増大してきている。
また、露光を行う際には、解像度と同様に焦点深度も重要となる。解像度R及び焦点深度δは、それぞれ以下の数式で表される。同じ解像度Rを得るには、短い波長を有する放射線を用いた方が大きな焦点深度δを得ることができる。
R=k1・λ/NA (i)
δ=k2・λ/NA2 (ii)
(但し、λは露光波長、NAは投影光学系の開口数、k1及びk2はいずれもプロセス係数である)
露光されるウェハ表面にはフォトレジスト膜が形成されており、このフォトレジスト膜にパターンが転写される。従来の投影露光装置では、ウェハが配置される空間は、空気又は窒素で満たされている。このとき、ウェハと投影露光装置のレンズとの空間が屈折率nの媒体で満たされると、上記の解像度R、焦点深度δは以下の数式にて表される。
R=k1・(λ/n)/NA (iii)
δ=k2・nλ/NA2 (iv)
例えば、ArFプロセスで、前記媒体として水を使用する場合、波長193nmの光の水中での屈折率n=1.44を用いると、空気又は窒素を媒体とする露光時と比較し、解像度Rは69.4%(R=k1・(λ/1.44)/NA)、焦点深度は144%(δ=k2・1.44λ/NA2)となる。
このように、露光するための放射線の波長を短波長化し、より微細なパターンを転写できる投影露光する方法を液浸露光といい、リソグラフィの微細化、特に数10nm単位のリソグラフィには、必須の技術と考えられ、その投影露光装置も知られている(特許文献1を参照)。
水を液浸露光時の媒体とする液浸露光方法においては、ウェハ上に塗布形成されたフォトレジスト膜と投影露光装置のレンズは、それぞれ水と接触する。そのため、フォトレジスト膜に水が浸透し、フォトレジストの解像度が低下することがある。また、投影露光装置のレンズはフォトレジストを構成する成分が水へ溶出することによりレンズ表面を汚染することもある。
このため、フォトレジスト膜と水等の媒体とを遮断する目的で、フォトレジスト膜上に上層膜(保護膜)を形成する方法がある。但し、この上層膜に対しては、(1)放射線の波長に対して十分な透過性を有すること、(2)フォトレジスト膜と殆どインターミキシングを起こすことなくフォトレジスト膜上に形成可能であること、(3)液浸露光時に際して水等の媒体に溶出することなく安定な被膜を維持可能であること、(4)現像液であるアルカリ液等に容易に溶解すること等の特性を有することが要求される。なお、関連する従来技術文献としては、特許文献2及び特許文献3等が開示されている。
特開平11−176727号公報 特開2005−264131号公報 特開2006−64711号公報
特許文献2及び3で開示されたレジストパターン形成方法によれば、レジスト膜の構成成分によっては上層膜を塗布する工程において必要以上にインターミキシング層が発生してしまい、結果として、現像液による剥離後に所望のレジスト膜厚を維持できず、その後のドライエッチング工程においてエッチング不良が発生する恐れがある。その為、上層膜で保護するレジスト膜の構成成分と適用される上層膜成分との非相溶性に関して考慮する必要がある。
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、露光波長、特に248nm(KrF)および193nm(ArF)での十分な透過性と、フォトレジスト膜とそれ上に塗布される上層膜との間で殆どインターミキシングを起こさない感放射線性樹脂組成物と上層膜形成組成物とを用いたフォトレジストパターン形成方法の提供を目的とする。
本発明者らは、樹脂(A)を含有する感放射線性樹脂組成物と、樹脂(a)によって、上層膜形成組成物を得る工程と、次いでフォトレジスト膜に塗布して上層膜を形成する工程と、前記フォトレジスト膜及び前記上層膜に露光光を照射し、次に現像することによってレジストパターンを得ることで、上記課題を達成することが可能であることを見出した。すなわち本発明によれば、以下に示すフォトレジストパターン形成方法が提供される。
[1]酸解離性基を含む繰返し単位を樹脂全体に対し60モル%を超えて含有する樹脂(A)と感放射線性酸発生剤(B)を含有する、感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布してフォトレジスト膜を形成する工程と、下記一般式(1−1)及び(1−2)で表される繰り返し単位を必須成分とし、さらに下記一般式(2−1)及び下記一般式(2−2)で表される繰り返し単位の少なくとも1種を含有するアルカリ可溶樹脂(a)を含有する上層膜形成組成物を前記フォトレジスト膜に塗布して上層膜を形成する工程と、前記上層膜とレンズとの間に液浸媒体を配置し、前記液浸媒体と所定のパターンを有する前記マスクとを介して前記フォトレジスト膜及び前記上層膜に露光光を照射し、次いで現像することによってレジストパターンを得る工程と、を備えるフォトレジストパターン形成方法。
Figure 2008209798
(前記式(1−1)及び(1−2)における、R1は水素原子、メチル基、または炭素数1から4のヒドロキシアルキル基を示す。R2及びR4は単結合、メチレン基、炭素数2から5の直鎖状または分枝状のアルキレン基を示す。R3は水素原子、または炭素数1から15のアルキル基を示し、当該アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい)
Figure 2008209798
(前記式(2−1)及び(2−2)における、R1は水素原子またはメチル基であり、R5は炭素数4から15の脂環式炭化水素基、R6は炭素数2から6の鎖式炭化水素基を表す)
[2]前記上層膜形成組成物が、炭素数4〜10のアルコール、及び/又は炭素数4〜10のアルキル鎖を有するアルキルエーテルを含有する前記[1]に記載のフォトレジストパターン形成方法。
[3]前記感放射線性樹脂組成物に含まれる前記樹脂(A)がラクトン構造を含有する繰り返し単位を含有する前記[1]又は[2]に記載のフォトレジストパターン形成方法。
本発明の感放射線性組成物と上層膜形成組成物にて形成されたフォトレジスト膜と上層膜は、露光波長、特に248nm(KrF)および193nm(ArF)での十分な透過性を有し、それぞれの膜間で殆どインターミキシングを起こすことなくフォトレジストパターンを形成することができる。
以下、本発明の最良の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
[1]感放射線性組成物
本発明の感放射線性樹脂組成物は、酸の作用によってアルカリ可溶性となる繰り返し単位を60モル%を超えて含有する樹脂(A)と感放射線性酸発生剤(B)を含有する組成物である。
[1−1]樹脂(A)
樹脂(A)は下記一般式(1)で表される酸の作用よってアルカリ可溶性となる繰り返し単位(1)を含有する。
Figure 2008209798
(前記一般式(1)中、Rは相互に独立に、炭素数4〜20の一価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体、又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表し、かつ、Rの少なくとも1つが上記脂環式炭化水素基若しくはその誘導体であり、3つのRのうち何れか2つのRが相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成し、残りのRが炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の一価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を表す)
上記繰り返し単位(1)を構成するための単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシルエステルが好ましい。なお、本発明の感放射線性樹脂組成物用重合体は、2種以上の上記繰り返し単位(1)を含有してもよい。
また、本発明の感放射線性樹脂組成物は、その他の繰り返し単位としてラクトン骨格を有する繰り返し単位(2)を含有しても良い。繰り返し単位(2)を構成するための単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]デカ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル等を挙げることができる。
また、その他の繰り返し単位として、メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[4.4.0]デカニルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.2]オクチルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルエステル、(メタ)アクリル酸−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカニルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニルエステル等。
メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸2−{[5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル}エステル、(メタ)アクリル酸3−{[8−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル}エステル等。
メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5−メチルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシ−7−メチルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタン−1−イルメチルエステル等。
(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル、(メタ)アクリル酸カルボキシノルボルニル、(メタ)アクリル酸カルボキシトリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−メトキシシクロヘキシル等。
1,2−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルジメチロールジ(メタ)アクリレート等、メチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンジ(メタ)アクリレート、1,3−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
樹脂(A)が繰り返し単位(1)を含有する場合、その含有率は、上記重合体の全繰り返し単位に対して、60モル%を超えて含有することが好ましい。繰り返し単位(1)の含有率が60モル%以下であると、レジストとしての解像性能が低下する恐れがある。
樹脂(A)は、例えば、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下で、適当な溶媒中において各繰り返し単位を構成するための重合性不飽和単量体を重合させることにより製造することができる。
上記重合に用いられる溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類、クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類等を挙げることができる。なお、これらの溶媒は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。また、上記重合における反応温度は、通常、40〜150℃、好ましくは50〜120℃であり、反応時間は、通常、1〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
本発明の感放射線性樹脂組成物用重合体は、その分子量に特に制限はないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という場合がある)が、1,000〜100,000であることが良く、好ましくは1,000〜30,000、さらに好ましくは1,000〜20,000である。上記重合体のMwが1,000未満であると、レジスト膜を形成した場合に、その耐熱性が低下する恐れがある。一方、100,000を越えると、レジスト膜を形成した場合に、その現像性が低下する恐れがある。また、上記重合体のMwと、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という場合がある)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜3である。
また、本発明の感放射線性樹脂組成物用重合体は、ハロゲン、金属等の不純物の含有量が少ないことが好ましく、不純物を少なくすると、形成するレジスト膜の感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等を更に改善することができる。上記重合体の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組合せ等を挙げることができる。なお、本発明の感放射線性樹脂組成物用重合体は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
[1−2]感放射線性酸発生剤(B)
本発明に係る感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(B)」ともいう。)は、放射線をフォトレジスト被膜に照射すること(露光)により、該被膜において酸を発生する化合物である。酸の作用によりアルカリ可溶性を発現する構造を有する繰り返し単位(1)を含む樹脂(A)に対し、露光により酸発生剤(B)から発生した酸が作用し、上記繰り返し単位(1)中の酸解離性基が解離(保護基が脱離)し、その結果、フォトレジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、ポジ型のレジストパターンが形成される。酸発生剤(B)としては、以下の物質が挙げられる。
例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート等。
トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等。
トリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等。
トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、パーフルオロ−n−オクタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等。更に、下記式(B1−1)〜(B1−8)が挙げられる。
Figure 2008209798
酸発生剤(B)は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、酸発生剤(B)の合計使用量は、レジストとしての感度、現像性並びに組成物からの液浸液への溶出を抑制する観点から、樹脂(A)100質量部に対して、通常、0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。この場合、使用量が0.1質量部未満では、感度および現像性が低下する傾向があり、一方20質量部を超えると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンを得られ難くなり、溶出抑制効果が見られなくなる傾向がある。
[1−3]その他添加剤
本発明の感放射線性樹脂組成物は、樹脂(A)と酸発生剤(B)以外に、一種以上の添加剤を含有することが好ましい。
窒素含有化合物としては、例えば、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン等の芳香族アミン類、トリエタノールアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリンなどのアルカノールアミン類、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンテトラメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等。
N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン等。
N−t−ブトキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物等。
2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン酸アミド等のピリジン類、ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、プリン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等を挙げることができる。なお、上記窒素含有化合物は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
上記窒素含有化合物の配合量は、樹脂(A)100質量部に対して、10質量部未満であることが好ましく、5質量部未満であることが更に好ましい。窒素含有化合物の配合量が10質量部を超えると、レジスト膜としての感度が著しく低下する恐れがある。
上記窒素含有化合物以外のその他の添加剤としては、酸解離性基を有する脂環族添加剤、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤を使用することができる。
上記酸解離性基を有する脂環族添加剤は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を更に改善する作用を示す成分である。このような脂環族添加剤としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−アダマンタンカルボン酸α−ブチロラクトンエステル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(アダマンチルカルボニルオキシ)ヘキサン等のアダマンタン誘導体類等。
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類、リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジt−ブチル等のアルキルカルボン酸エステル類や、3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン等を挙げることができる。なお、これらの脂環族添加剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
上記界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下全て商品名で、KP341(信越化学工業社製)、ポリフローNo.75、同No.95(共栄社化学社製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックスF171、同F173(大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子社製)等を挙げることができる。なお、これらの界面活性剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
上記増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(B)に伝達し、それにより酸の生成量を増加させる作用を示すものであり、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させる効果を有する成分である。このような増感剤としては、例えば、カルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。なお、これらの増感剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
なお、上記その他の添加剤として上述したもの以外に、染料又は顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和することができる。また、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。更に、アルカリ可溶性樹脂、酸解離性の保護基を有する低分子のアルカリ溶解性制御剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等を配合することができる。
[1−4]溶剤
溶剤としては、例えば、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類、シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類等。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
これらのなかでも、直鎖状もしくは分岐状のケトン類、環状のケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等が好ましい。これらの溶剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
[2]上層膜形成組成物
本発明の上層膜形成組成物は、フォトレジスト膜の表面上に上層膜を形成するために用いられる上層膜形成組成物であって、アルカリ可溶樹脂(a)、酸解離性基を含む繰返し単位を樹脂全体に対し60モル%を超えて含有する樹脂(A)と感放射線性酸発生剤(B)を含有することを特徴とする。
[2−1]樹脂(a)
上記樹脂(a)は、下記一般式(1−1)及び(1−2)で表される繰り返し単位を必須成分とし、さらに下記一般式(2−1)及び下記一般式(2−2)で表される繰り返し単位の少なくとも1種を含有するアルカリ可溶樹脂(a)を含有することができる
Figure 2008209798
(前記式(1−1)及び(1−2)における、R1は水素原子、メチル基、または炭素数1から4のヒドロキシアルキル基を示す。R2及びR4は単結合、メチレン基、炭素数2から5の直鎖状または分枝状のアルキレン基を示す。R3は水素原子、または炭素数1から15のアルキル基を示し、当該アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい)
上記一般式(1−1)におけるR2としては例えば、メチレン基、n−エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基のような直鎖状のアルキレン基、1−メチルエチレン基、1−メチルプロピレン基、2−メチルプロピレン基などのような分枝状のアルキレン基を挙げることができる。この中でも、メチレン基、n−エチレン基が好ましい。
上記一般式(1−1)におけるR3としては例えば、低級アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたものが挙げられる。具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロプロピル基、ヘプタデカフルオロオクチル基などが挙げられる。この中でも、水との接触性を高める点から、ヘプタデカフルオロオクチル基が好ましい。
Figure 2008209798
(前記式(2−1)及び(2−2)における、R1は水素原子またはメチル基であり、R5は炭素数4から15の脂環式炭化水素基、R6は炭素数2から6の鎖式炭化水素基を表す)
上記一般式(2−1)におけるR5としては、例えば、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、及びシクロヘプチル基の中から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基であることが好ましい。
上記一般式(2−2)におけるR6としては、n−ブチル基、n−ペンチル基、2−エチルヘキシル基、及びn−ヘキシル基の中から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基であることが好ましい。
上記樹脂(a)は、その製造方法に特に制限はないが、例えば、適当な開始剤や連鎖移動剤の存在下、重合溶媒中で、対応する一以上のラジカル重合性単量体をラジカル重合することによって製造することができる。
上記樹脂(a)を製造する際に用いられる重合溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類等。
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類等を挙げることができる。これらのうち、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類などが好ましい。
上記樹脂(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」と記す場合がある)は、それぞれ、2,000〜100,000であることが良く、好ましく2,500〜50,000であり、更に好ましくは、3,000〜20,000である。樹脂(a)のMwが2,000未満であると、上層膜としての耐水性及び機械的特性が著しく低くなる恐れがある。一方、100,000を越えると、上記溶媒に対する溶解性が著しく悪くなる恐れがある。また、上記樹脂(a)のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」と記す場合がある)との比(Mw/Mn)は、1〜5であることが好ましく、1〜3であることが更に好ましい。
なお、樹脂(a)は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないほど好ましく、不純物を少なくすることにより、上層膜としての塗布性とアルカリ現像液への均一な溶解性を更に改善することができる。樹脂(a)の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。
[2−2]溶剤
本発明の上層膜形成組成物には、上記樹脂(a)を溶解することを目的として溶剤を添加することが好ましい。この溶剤は、フォトレジスト膜上に塗布する際に、フォトレジスト膜とインターミキシングを発生する等の、リソグラフィ性能を劣化させることが殆どないものを好適に使用することができる。
上記溶剤としては、例えば、1価アルコール類、多価アルコール類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、エーテル類、環状エーテル類、高級炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類、水等を挙げることができる。
上記1価アルコール類としては、例えば、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−ジエチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノール等の炭素数4〜10の1価アルコールを好適に挙げることができる。
上記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等、多価アルコールのアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類としては、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
上記エーテル類としては、例えば、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、tert−ブチル−メチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、tert−ブチルプロピルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロペンチルプロピルエーテル、シクロペンチル−2−プロピルエーテル、シクロヘキシルプロピルエーテル、シクロヘキシル−2−プロピルエーテル、シクロペンチルブチルエーテル、シクロペンチル−tert−ブチルエーテル、シクロヘキシルブチルエーテル、シクロヘキシル−tert−ブチルエーテル等を挙げることができる。
上記環状エーテル類としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を挙げることができる。
上記高級炭化水素類としては、デカン、ドデカン、ウンデカン等を挙げることができる。
上記芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
上記ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコール等を挙げることができる。
上記エステル類としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルを挙げることができる。
これらのうち、1価アルコール類、エーテル類、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、高級炭化水素類が好ましい。特に好ましくは、上記炭素数4〜10のアルコール、及び/又は炭素数4〜10のアルキル鎖を有するアルキルエーテルを含有するものである。
[2−3]添加剤
本発明の上層膜形成組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させる目的で界面活性剤などを配合することもできる。
上記界面活性剤としては、例えば、全て商品名で、BM−1000、BM−1100(BMケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム社製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(旭硝子社製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(東レダウコーニングシリコーン社製)、エマルゲンA−60、104P、306P(花王社製)などの市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。これらの界面活性剤の配合量は、樹脂(A)及び樹脂(B)の合計量100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましい。
本発明の上層膜形成組成物は、さらに架橋剤および酸性化合物を含有することができる。
本発明の保護膜の架橋剤としては、前記溶剤に可溶な架橋剤であれば、使用可能である。それらの中でも、ヒドロキシアルキル基及び/又はアルコキシアルキル基で置換されたアミノ基及び/又はイミノ基を有する含窒素化合物を好適に使用することができる。
前記含窒素化合物としては、メラミン誘導体、グアナミン誘導体、グリコールウリル誘導体、スクシニルアミド誘導体、および尿素誘導体の中から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
具体的には、これらの含窒素化合物は、例えば、上記メラミン系化合物、尿素系化合物、グアナミン系化合物、アセトグアナミン系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物、スクシニルアミド系化合物、エチレン尿素系化合物等を、沸騰水中においてホルマリンと反応させてメチロール化することにより、あるいはこれにさらに低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等と反応させてアルコキシル化することにより、得ることができる。
このような架橋剤としては、さらに好ましくは、テトラブトキシメチル化グリコールウリルが用いられる。
さらに、前記架橋剤としては、少なくとも1種の水酸基及び/又はアルキルオキシ基で置換された炭化水素化合物とモノヒドロキシモノカルボン酸化合物との縮合反応物も好適に用いることができる。
前記モノヒドロキシモノカルボン酸としては、水酸基とカルボキシル基が、同一の炭素原子、または隣接する二つの炭素原子のそれぞれに結合しているものが好ましい。
本発明の上層膜形成組成物には、さらに酸性成分(望ましくは、炭化フッ素化合物)を添加することができる。このような酸性成分は引き置き安定化作用を有することが好ましい。前記作用をもたらす炭化フッ素化合物を以下に示すが、これら炭化フッ素化合物は、重要新規利用規則(SNUR)の対象となっておらず、使用可能な化学物質である。
これら炭化フッ素化合物としては、例えば、(CSONH、(CSONH、C1021COOH、及び下記式(3−1)、(3−2)が好ましい。
Figure 2008209798
本発明の上層膜形成組成物は、上記樹脂(a)を含み、上層膜形成組成物をフォトレジスト膜の表面上に塗工した後、50〜150℃で1〜360秒の条件で予備焼成を行って上層膜を形成した場合に、前記上層膜の、水に対する、下記の条件に従って測定される後退接触角θが70°以上である(後退接触角θ:前記上層膜上に配置した25μLの水滴を、10μL/minの速度で吸引して測定される)。このように十分に高い後退接触角を有することにより、高速度のスキャンスピードによるレジストパターン形成においても、フォトレジスト膜上に液滴が残り難く、ウォーターマーク欠陥等の欠陥の発生を効果的に抑制することができる。
[3]フォトレジストパターン形成方法
次に、本発明のフォトレジストパターン形成方法の一実施形態について説明する。本発明のフォトレジストパターン形成方法は、基板上にフォトレジスト組成物を塗布してフォトレジスト膜を形成する工程(工程(1))と、上記フォトレジスト膜に、上述した上層膜形成組成物を塗布して上層膜を形成する工程(工程(2))と、この上層膜とレンズとの間に液浸媒体を配置し、上記液浸媒体と所定のパターンを有するマスクとを介して上記フォトレジスト膜及び上記上層膜に露光光を照射し、次いで現像することによってレジストパターンを得る工程(工程(3))と、を備えるものである。
工程(1)
工程(1)は、基板上にフォトレジスト組成物を塗布してフォトレジスト膜を形成する工程である。上記基板としては、通常、シリコンウェハ、アルミニウムで被覆したシリコンウェハ等が用いられる。フォトレジスト膜の特性を最大限に引き出すため、予め、基板の表面に有機系ないし無機系の反射防止膜を形成しておくことも好ましい形態の一つである(例えば、特公平6−12452号公報等を参照)。
フォトレジスト膜を形成する物質の種類は、特に制限されるものではなく、従来、フォトレジスト膜を形成するために用いられていた物質の中から、レジストの使用目的に応じて適宜選択して使用すればよい。但し、酸発生剤を含有する化学増幅型のレジスト材料、特に、ポジ型レジスト材料を用いることが好ましい。化学増幅型のポジ型レジスト材料としては、例えば、酸解離性基修飾アルカリ可溶性樹脂と、感放射線性酸発生剤とを必須成分として含有する感放射線性の樹脂組成物等を挙げることができる。このような樹脂組成物は、放射線照射(露光)により酸発生剤から酸が発生し、その発生した酸の作用によって、樹脂の酸性基(例えば、カルボキシル基)を保護していた酸解離性基が解離して、酸性基が露出する。従って、レジストの露光部のアルカリ溶解性が高くなり、その露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンを形成することができる。
フォトレジスト膜は、フォトレジスト膜を形成するための樹脂成分に溶剤を加えて、その全固形分濃度を0.2〜20質量%に調整した溶液を得る。得られた溶液を、孔径30nm程度のフィルターでろ過することにより塗工液を調製し、この塗工液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の従来公知の塗布方法を用いて基板上に塗布することによって形成することができる。このフォトレジスト膜は、溶媒を揮発させるために予備焼成(以下「PB」と記す場合がある)を行ってもよい。なお、フォトレジスト膜の形成に際しては、塗工液は自ら調製してもよいし、市販のレジスト溶液を塗工液として使用してもよい。
工程(2)
工程(2)は、フォトレジスト膜に、既に上述した上層膜形成組成物を塗布して上層膜を形成する工程である。この工程は、工程(1)で形成されたフォトレジスト膜の表面上に、上述した上層膜形成組成物を塗布し、好ましくは再度焼成することにより上層膜を形成する工程である。上層膜を形成することによって、液浸露光の際に液浸液がフォトレジスト膜と直接接触することが防止され、液浸液の浸透によってフォトレジスト膜のリソグラフィ性能が低下したり、フォトレジスト膜から溶出する成分により投影露光装置のレンズが汚染されたりする事態を効果的に防止することが可能となる。
上層膜の厚さは、λ/4m(但し、λ:放射線の波長、m:保護膜の屈折率)の奇数倍にできる限り近づけることが好ましい。これは、フォトレジスト膜の上側界面における反射抑制効果が大きくなるためである。
工程(3)
工程(3)は、上記上層膜とレンズとの間に液浸媒体を配置し、更にレンズの上にマスクを配置し、この液浸媒体と所定のパターンを有するマスクとを介して上記フォトレジスト膜及び上記上層膜に露光光を照射し、次いで現像することによってレジストパターンを得る工程である。
上記液浸媒体としては、通常、空気より屈折率の高い液体を使用する。具体的には、水を用いることが好ましく、純水を用いることが更に好ましい。なお、必要に応じて液浸液のpHを調整してもよい。この液浸媒体を介在させた状態で(即ち、露光装置のレンズとフォトレジスト膜との間に液浸媒体を満たした状態で)、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射し、フォトレジスト膜を露光させる。
液浸露光の際に使用することができる放射線は、使用されるフォトレジスト膜や上層膜の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、可視光線、波長436nmのg線、波長365nmのi線等の紫外線、エキシマレーザ等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線等の各種放射線を用いることができる。中でも、KrFエキシマレーザ(波長248nm))又はArFエキシマレーザ(波長193nmを用いることが好ましい。また、放射線量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜設定すればよい。
フォトレジスト膜の解像度、パターン形状、及び現像性等を向上させるために、露光後に焼成(PEB)を行うことが好ましい。その焼成温度は、使用される感放射線性樹脂組成物の種類等によって適宜調節されるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
露光後又はPEB後に現像を行い、必要に応じて洗浄すれば、所望のフォトレジストパターンを形成することができる。上層膜は、本発明の一実施形態である上層膜形成組成物によって形成されている。従って、この上層膜は、別途の剥離工程によって除去する必要はなく、現像中又は現像後の洗浄中に容易に除去することができる。なお、現像に際しては、通常、アルカリ性の現像液を使用する。
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノナン等のアルカリ性化合物を少なくとも一種溶解したアルカリ性水溶液を使用することが好ましい。中でも、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類の水溶液を好適に用いることができる。
現像液には、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類をはじめとする水溶性有機溶媒や、界面活性剤を適量添加することもできる。なお、上記のアルカリ性水溶液を用いて現像した場合は、通常、現像後に水洗する。なお、現像、又は必要に応じた水洗後に適宜乾燥すれば、目的とするフォトレジストパターンを形成することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
感放射線性樹脂組成物の調製
本発明の感放射線性組成物が含有する樹脂(A−1)を以下に示す方法により合成した。
分子量(Mw、Mn)測定方法
樹脂(A−1)〜(A−3)のMw及びMnは、東ソー社製の高速GPC装置(型式「HLC−8120」)に東ソー社製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」:2本、「G3000HXL」:1本、「G4000HXL」:1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
合成例1
まず、下記化合物(M−1)31.30g(30モル%)、化合物(M−2)29.09g(34モル%)、化合物(M−4)39.61g(36モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、更に2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)3.85gを投入した単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた1000mlの三つ口フラスコに100gの2−ブタノンを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら80℃になるように加熱した。滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始時を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷により30℃以下に冷却した。冷却後、2000gのメタノールに投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を、400gのメタノールにてスラリー状で2度洗浄した。その後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(73g、回収率73%)。
得られた共重合体は、Mwが5300、Mw/Mnが1.67であり、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)に由来する繰り返し単位、化合物(M−2)に由来する繰り返し単位、及び化合物(M−4)に由来する繰り返し単位の含有率が、30.6:34.1:35.3(モル%)の共重合体であった。これを樹脂(A−1)とした。
Figure 2008209798
酸発生剤(C)
C−1:トリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート
窒素含有化合物(D)
D−1:N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン
溶剤(E)
E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、E−2:シクロヘキサノン、E−3:γ−ブチロラクトン
Figure 2008209798
上層膜形成組成物の調製
本発明の上層膜形成組成物が含有する樹脂(a−1)〜(a−3)を以下に示す方法により合成した。
合成例2
還流冷却器および攪拌機を備えた容量2リットルの4つ口フラスコに、750gのイソブチルアルコールを仕込み、窒素の吹き込みを開始した。攪拌しながら80℃まで昇温した後、メタクリル酸系単量体として、アクリル酸60g、ジシクロペンタニルメタクリレート40g、n−ブチルアクリレート40g、シクロヘキシルメタクリレート20g、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート40gの混合液と、溶剤として、イソブチルアルコール50g、および重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド1.7gからなる混合液を、別々の滴下ノズルより、それぞれ4時間かけて滴下した。滴下は連続的に行ない、滴下を通じて、各成分の滴下速度は一定とした。
滴下終了後、さらにそのまま4時間、重合反応液を80℃で熟成した後、溶剤の還流が認められるまで重合反応液を昇温して1時間熟成し、重合を完結させた。その後、大量のn−ヘキサンに重合溶液を投入することにより白色粉末の共重合体ポリマーを得た(回収率:90%)。この重合体はMwが20,000、13C-NMR分析の結果、アクリル酸、ジシクロペンタニルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレートに由来する各繰り返し単位の含有率が52:12:9:21:6(モル%)の共重合体であった。この重合体を樹脂(a−1)とする。
合成例3
まず、メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル46.95g(85モル%)、と開始剤(2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル))6.91gをイソプロパノール100gに溶解させた単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコにイソプロパノール50gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱した。滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を行い、一般式(1−1)で表される繰り返し単位を製造するために用いられる単量体としてビニルスルホン酸3.05g(15モル%)のイソプロパノール溶液10gを30分かけて滴下し、その後、更に1時間反応を行った。30℃以下に冷却して、共重合液を得た。
得られた上記共重合液を150gに濃縮した後、分液漏斗に移した。この分液漏斗にメタノール50gとn−ヘキサン600gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。この下層液をイソプロパノールで希釈して100gとし、再度、分液漏斗に移した。メタノール50gとn−ヘキサン600gを上記分液漏斗に投入して、分離精製を実施し、分離後、下層液を回収した。回収した下層液を4−メチル−2−ペンタノールに置換し、全量を250gに調整した。調整後、水250gを加えて分離精製を実施し、分離後、上層液を回収した。回収した上層液は、4−メチル−2−ペンタノールに置換して樹脂溶液とした。なお、上記4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料(樹脂溶液)の固形分濃度は、上記樹脂溶液0.3gをアルミ皿に計量し、ホットプレート上で140℃×1時間加熱した後、上記樹脂溶液の加熱前の質量と残渣(加熱後)の質量により算出した。この固形分濃度は、上層膜形成組成物溶液の調製と回収率計算に利用した。
得られた樹脂溶液に含有されている共重合体の、Mwは9,760、Mw/Mnは1.51であり、回収率は65%であった。また、この共重合体に含有される、メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステルに由来する繰り返し単位、及びビニルスルホン酸に由来する繰り返し単位の含有率は、95:5(モル%)であった。この共重合体を樹脂(a−2)とする。
合成例4
まず、メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル50gと、2,2−アゾビス(2−メチルイソプロピオン酸メチル)1.95gを、メチルエチルケトン50gに予め溶解させた単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三口フラスコにメチルエチルケトン50gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージ後、フラスコ内をマグネティックスターラーで撹拌しながら80℃になるように加熱した。滴下漏斗を使用し、予め準備しておいた上記単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応を行い、2,2−アゾビス(2−メチルイソプロピオン酸メチル)1.17gを更に添加した。その後、更に2時間反応を行い、30℃以下に冷却して共重合液を得た。
得られた共重合液150gを分液漏斗に移しメタノール50g、及びn−ヘキサン600gを上記分液漏斗に投入して分離精製を行った。分離後、下層液を回収した。回収した下層液をメチルエチルケトンで希釈して100gとし再度、分液漏斗に移した。メタノール50g、及びn−ヘキサン600gを分液漏斗に投入して、分離精製を実施し、分離後、下層液を回収した。回収した下層液を4−メチル−2−ペンタノールに置換し、全量を250gに調整した。調整後、水250gを加えて分液精製を実施し、分離後、上層液を回収した。回収した上層液は、4−メチル−2−ペンタノールに置換して樹脂溶液とした。この樹脂溶液の固形分濃度は、上記合成例3と同様にして算出した。得られた樹脂溶液に含有されている共重合体の、Mwは11,090、Mw/Mnは1.52であり、回収率は70%であった。この共重合体を樹脂(a−3)とした。
添加剤(F)
F−1:(CF(SONH
溶剤(G)
G−1:4−メチル−2−ペンタノール、G−2:ジイソアミルエーテル
Figure 2008209798
この上層膜形成組成物について以下に示す各種評価を行った。
評価方法
後退接触角の測定方法
まず8インチシリコンウエハ上に上層膜形成組成物をスピンコートし、90℃で60秒間加熱を行い膜厚90nmの塗膜(上層膜)を形成した。その後、商品名「DSA−10」(KRUS社製)を使用して、速やかに室温:23℃、湿度:45%、常圧の環境下で、次の手順により後退接触角を測定した。
商品名「DSA−10」(KRUS社製)のウェハステージ位置を調整し、この調整したステージ上に上記ウェハをセットする。次に、針に水を注入し、上記セットしたウェハ上に水滴を形成可能な初期位置に上記針の位置を微調整する。その後、この針から水を排出させて上記ウェハ上に25μLの水滴を形成し、一旦、この水滴から針を引き抜き、再び上記初期位置に針を引き下げて水滴内に配置する。続いて、10μL/minの速度で90秒間、針によって水滴を吸引すると同時に接触角を毎秒1回測定する(合計90回)。このうち、接触角の測定値が安定した時点から20秒間の接触角についての平均値を算出して後退接触角(°)とした。評価結果を表3に示す。なお、表3の中の、「後退接触角」は、本評価を示す。
インターミキシングの評価方法(インターミキシング)
フォトレジスト膜とのインターミキシングが防止されることを評価するため本評価を行った。まず、商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用して予めHMDS処理(100℃、60秒)を行った8インチシリコンウエハ上に、感放射線性樹脂組成物をスピンコートした。表1に示すPBを行い、膜厚120nmの塗膜(フォトレジスト膜)を形成した。形成した塗膜上に、上層膜形成組成物をスピンコートし、PB(90℃、60秒)を行うことにより膜厚90nmの塗膜を形成した。その後、表1に示すPEBを行い、次いで、商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用し、LDノズルにてパドル現像(現像液:2.38%TMAH水溶液)を60秒間行って、上層膜を除去した。なお、上記の現像によって上層膜は除去されるが、フォトレジスト膜は未露光であるためにそのまま残存する。現像の前後に、商品名「ラムダエースVM90」(大日本スクリーン社製)を使用してフォトレジスト膜の膜厚測定を行い、膜厚の変化率が5%以内である場合は、フォトレジスト膜と上層膜間でのインターミキシングがないと判断して「○」、膜厚の変化率が5%を超えた場合は「×」と評価した。評価結果を表3に示す。なお、表3の中の、「インターミキシング」は本評価を示す。
パターンニング評価
高解像度のレジストパターンが形成されることを評価するため本評価を行った。まず、8インチシリコンウエハ上に、商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用して、下層反射防止膜用組成物(商品名「ARC29A」、(ブルワー・サイエンス社製))をスピンコートし、PB(205℃、60秒)を行うことにより膜厚77nmの塗膜(下層反射防止膜)を形成した。形成した下層反射防止膜上に、感放射線性樹脂組成物をスピンコートし、表1に示すPBを行うことにより膜厚120nmの塗膜(フォトレジスト膜)を形成した。
形成したフォトレジスト膜上に、上層膜形成組成物をスピンコートし、PB(90℃、60秒)を行うことにより膜厚90nmの塗膜(上層膜)を形成した。次いで、ArF投影露光装置(型番「S306C」、ニコン社製)を使用し、NA:0.78、シグマ:0.85、2/3Annの光学条件にて露光を行い、商品名「CLEAN TRACK ACT8」のリンスノズルから、ウェハ上に超純水を60秒間吐出させ、4000rpmで15秒間振り切りのスピンドライを行った。その後、商品名「CLEAN TRACK ACT8」のホットプレートを使用して表1に示すPEBを行った後、LDノズルにてパドル現像(現像液:2.38%TMAH水溶液)を30秒間行った。超純水にてリンスした後、4000rpmで15秒間振り切ることによってスピンドライした。
溶出量の測定(溶出量)
図1、図2に示すように、予め「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン社製)を用いて、処理条件100℃、60秒でHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理層8を行った8インチシリコンウエハ2を用意した。この8インチシリコンウエハ2のHMDS処理層側の面に、中央部が直径11.3cmの円形状にくり抜かれたシリコンゴムシート(クレハエラストマー社製、厚み:1.0mm、形状:1辺30cmの正方形)4を載せた。このとき、8インチシリコンウエハ2の中心部のシリコンゴムシート4のくり抜かれた中央部(くり抜き部5)が位置するようにした。次いで、シリコンゴムシート4のくり抜き部5に10mLホールピペットを用いて10mLの超純水6を満たした。
一方、予め、下層反射防止膜10、レジスト被膜13及び上層膜12を形成した。上記8インチシリコンウエハ2とは別の8インチシリコンウエハ15を用意し、この8インチシリコンウエハ15を、上記上層膜12が上記シリコンゴムシート4側に位置するように、即ち、上層膜12と上記超純水6とを接触しつつ、超純水6が漏れないように載せた。
なお、上記別の8インチシリコンウエハ15上の下層反射防止膜10、レジスト被膜13及び上層膜12は、次のように形成した。まず、下層反射防止膜用組成物(「ARC29A」、ブルワー・サイエンス社製)を上記「CLEAN TRACK ACT8」を用いて膜厚77nmの下層反射防止膜を形成するように塗布した。次いで、上記感放射線性樹脂組成物(α)を、上記「CLEAN TRACK ACT8」を用いて上記下層反射防止膜上にスピンコートし、条件115℃、60秒でベークすることにより膜厚205nmのレジスト被膜13を形成した。その後、レジスト被膜13上に、上記上層膜形成組成物を塗布して上層膜12を形成した。
上記上層膜12が上記シリコンゴムシート4側に位置するように載せた後、その状態のまま10秒間保った。その後、上記別の8インチシリコンウエハ15を取り除き、上層膜12と接触していた超純水6をガラス注射器にて回収した。この超純水6を分析用サンプルとした。なお、シリコンゴムシート4のくり抜き部5に満たした超純水6の回収率は95%以上であった。
形成されたレジストパターンについて、線幅90nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とした。なお、測定には走査型電子顕微鏡(商品名「S−9380」(日立計測器社製))を使用した。また、線幅90nmライン・アンド・スペースパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡(型番「S−4200」、日立計測器社製)にて観察した。図3は、ライン・アンド・スペースパターンの形状を模式的に示す断面図である。基板1上に形成されたパターン2の膜の中間での線幅Lbと、膜の上部での線幅Laを測定し、0.9≦(La−Lb)/Lb≦1.1であった場合を「○」、(La−Lb)/Lb<0.9、又は(La−Lb)/Lb>1.1であった場合を「×」と評価した。評価結果を表3に示す。なお、表3の中の、「パターンニング」は本評価を示す。
Figure 2008209798
表3から明らかなように、実施例1〜2は、比較例1〜2に比べて、インターミキシング発生しにくいことがわかり、実際のエッチング工程に大きな不具合が発生しないことが想定される。
本発明のレジストパターンの形成方法は、酸の作用によってアルカリ可溶性となる繰り返し単位を60モル%を超えて含有する樹脂(A)と感放射線性酸発生剤(B)を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物により形成されたレジスト膜上に本発明の上層膜組成物にて上層膜を形成することで、現像剥離後の未露光部の膜厚が塗布時の厚さに維持される。従って、本発明のレジストパターン形成方法は、液浸露光・現像後においてもドライエッチングに耐えうる膜厚を維持することが可能で、今後、更に微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造工程において極めて好適に用いることができる。
本発明の上層膜形成組成物により形成した上層膜の溶出量の測定において、超純水が漏れないようにシリコンゴムシート上に8インチシリコンウエハを載せる状態を模式的に示す図である。 本発明の上層膜形成組成物により形成した上層膜の溶出量の測定状態における断面図である。 ライン・アンド・スペースパターンの形状を模式的に示す断面図である。
符号の説明
2:8インチシリコンウエハ、4:シリコンゴムシート、5:くり抜き部、6:超純水、8:ヘキサメチルジシラザン処理層、10:下層反射防止膜、12:上層膜、13:レジスト被膜、15:8インチシリコンウエハ、16:基板、18:パターン、La:膜の上部での線幅、Lb:膜の中間での線幅。

Claims (3)

  1. 酸解離性基を含む繰返し単位を樹脂全体に対し60モル%を超えて含有する樹脂(A)と感放射線性酸発生剤(B)を含有する、感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布してフォトレジスト膜を形成する工程と、
    下記一般式(1−1)及び(1−2)で表される繰り返し単位を必須成分とし、さらに下記一般式(2−1)及び下記一般式(2−2)で表される繰り返し単位の少なくとも1種を含有するアルカリ可溶樹脂(a)を含有する上層膜形成組成物を前記フォトレジスト膜に塗布して上層膜を形成する工程と、
    前記上層膜とレンズとの間に液浸媒体を配置し、前記液浸媒体と所定のパターンを有するマスクとを介して前記フォトレジスト膜及び前記上層膜に露光光を照射し、次いで現像することによってレジストパターンを得る工程と、を含むフォトレジストパターン形成方法。
    Figure 2008209798
    (前記式(1−1)及び(1−2)における、R1は水素原子、メチル基、または炭素数1から4のヒドロキシアルキル基を示す。R2及びR4は単結合、メチレン基、炭素数2から5の直鎖状または分枝状のアルキレン基を示す。R3は水素原子、または炭素数1から15のアルキル基を示し、当該アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい)
    Figure 2008209798
    (前記式(2−1)及び(2−2)における、R1は水素原子またはメチル基であり、R5は炭素数4から15の脂環式炭化水素基、R6は炭素数2から6の鎖式炭化水素基を表す)
  2. 前記上層膜形成組成物が、炭素数4〜10のアルコール、及び/又は炭素数4〜10のアルキル鎖を有するアルキルエーテルを含有する請求項1に記載のフォトレジストパターン形成方法。
  3. 前記感放射線性樹脂組成物に含まれる前記樹脂(A)がラクトン構造を含有する繰り返し単位を含有する請求項1又は2に記載のフォトレジストパターン形成方法。
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