JP5023851B2 - パターン形成方法及びそれに用いるパターンコーティング組成物 - Google Patents

パターン形成方法及びそれに用いるパターンコーティング組成物 Download PDF

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Description

本発明は、溶剤や現像液に不溶又は難溶なパターンを形成することが可能な特定のパターンコーティング組成物を用いる、微細なパターンを形成する方法、及びこの方法に用いるパターンコーティング組成物に関する。
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では0.10μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィ技術が必要とされている。しかし、従来のリソグラフィプロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難であると言われている。そこで、0.10μm以下のレベルでの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)、或いはArFエキシマレーザー(波長193nm)が注目されている。
このようなエキシマレーザーによる照射に適したレジストとして、酸解離性官能基を有する成分と、放射線の照射(以下、「露光」ともいう)により酸を発生する成分(以下、「酸発生剤」ともいう)による化学増幅効果を利用したレジスト(以下、「化学増幅型レジスト」ともいう)が数多く提案されている。化学増幅型レジストとしては、例えば、カルボン酸のtert−ブチルエステル基又はフェノールのtert−ブチルカーボナート基を有する樹脂と酸発生剤とを含有するレジストが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このレジストは、露光により発生した酸の作用により、樹脂中に存在するtert−ブチルエステル基或いはtert−ブチルカーボナート基が解離して、この樹脂がカルボキシル基或いはフェノール性水酸基からなる酸性基を有するようになり、その結果、レジスト膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
このようなリソグラフィプロセスにおいては、今後は更に微細なパターン形成(例えば、線幅が45nm程度の微細なレジストパターン)が要求される。このような45nmより微細なパターン形成を達成させるためには、前述のように露光装置の光源波長の短波長化や、レンズの開口数(NA)を増大させることが考えられる。しかしながら、光源波長の短波長化には新たな高額の露光装置が必要となる。また、レンズの高NA化では、解像度と焦点深度がトレードオフの関係にあるため、解像度を上げても焦点深度が低下するという問題がある。
最近、このような問題を解決可能とするリソグラフィ技術として、液浸露光(リキッドイマージョンリソグラフィ)法という方法が報告されている(例えば、特許文献2参照))。この方法は、露光時に、レンズと基板上のレジスト膜との間の少なくとも前記レジスト膜上に所定厚さの純水又はフッ素系不活性液体等の液状高屈折率媒体(液浸露光用液体)を介在させるというものである。この方法では、従来は空気や窒素等の不活性ガスであった露光光路空間を屈折率(n)のより大きい液体、例えば純水等で置換することにより、同じ露光波長の光源を用いてもより短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様に、高解像性が達成されると同時に焦点深度の低下もない。このような液浸露光を用いれば、現存の装置に実装されているレンズを用いて、低コストで、より高解像性に優れ、且つ焦点深度にも優れるレジストパターンの形成を実現できるため、大変注目されており、実用化が進められつつある。
しかしながら、前述の露光技術の延長も45nmhpまでが限界といわれており、更に微細な加工を必要とする32nmhp世代へ向けた技術開発が行われている。近年、そのようなデバイスの複雑化、高密度化要求に伴い、ダブルパターンニング、若しくはダブルエクスポージャーといった疎ラインパターン、又は孤立トレンチパターンの半周期ずらした重ね合わせによって32nmLSをパターンニングする技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
提案されている例の一つにおいては、1:3のピッチの32nmラインを形成したのち、エッチングにより加工し、更に一層目のレジストパターンと半周期ずらした位置で、同様に1:3のピッチの32nmラインを形成し、エッチングにより再度加工する。その結果、最終的に1:1のピッチの32nmラインが形成される。しかしながら、上述のような幾つかのプロセスの提案はあるものの、更なる具体的かつ実用的な方法や材料等の提案については、未だになされていないのが現状である。
特開平5−232704号公報 特開平10−303114号公報 SPIE2006 Vol.6153 61531K
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、より微細なパターンを簡便かつ効率的に形成することができるパターン形成方法、及びこのパターン形成方法の用いるパターンコーティング組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、イソシアネート基等を有する所定の化合物を含有する特定の組成物を用いて基礎となるパターンを被覆することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示すパターン形成方法、及びパターンコーティング組成物が提供される。
[1](1)酸の作用によりアルカリ可溶性となる(a)樹脂、及び(b)感放射線性酸発生剤を含有する第一の感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に形成された第一のパターンの表面上に、パターンコーティング組成物を塗布して被覆層を形成する工程と、(2)少なくとも前記被覆層をベーク処理して第二のパターンを形成する工程と、を有し、前記パターンコーティング組成物が、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する(A)化合物と、(B)溶剤と、を含有するものであり、前記(A)化合物が、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素、炭素数3〜20の脂環式炭化水素、又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素である(A1)低分子化合物であるか、或いは、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する繰り返し単位を含む(A2)重合体であるパターン形成方法。
[2]前記(A)化合物が、芳香族骨格を有するものである前記[1]に記載のパターン形成方法。
[3]前記工程(1)における前記被覆層の形成と、前記工程(2)における前記被覆層のベーク処理とを、複数回繰り返して前記第二のパターンを形成する前記[1]又は[2]に記載のパターン形成方法。
[4](3)前記第二のパターンの表面上に第二の感放射線性樹脂組成物を塗布してレジスト層を形成する工程と、(4)前記レジスト層を選択的に露光した後、ベーク処理及び現像して第三のパターンを形成する工程と、を更に有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載のパターン形成方法。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載のパターン形成方法の(2)工程で用いられる、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する(A)化合物と、(B)溶剤と、を含有し、前記(A)化合物が、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素、炭素数3〜20の脂環式炭化水素、又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素である(A1)低分子化合物であるか、或いは、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する繰り返し単位を含む(A2)重合体であるパターンコーティング組成物。
[6]前記(A)化合物が、芳香族骨格を有するものである前記[5]に記載のパターンコーティング組成物。
[7]前記(B)溶剤が、アルコール類、エーテル類、炭化水素、及び水からなる群より選択される少なくとも一種である前記[5]又は[6]に記載のパターンコーティング組成物。
本発明のパターン形成方法においては、特定のパターンコーティング組成物を、所定の第一のパターン表面上に塗布及びベーク処理することで、現像液や溶媒に不溶又は難溶な層が形成された第二のパターンを形成することができる。このため、本発明のパターン形成方法によれば、先述のダブルパターニングやダブルエクスポージャーといった技術を取り込むことも可能であり、微細なパターンを簡便かつ効率的に形成することができる。
本発明のパターンコーティング組成物は、所定の第一のパターン表面上に塗布され、ベーク処理されることで、現像液や溶媒に不溶又は難溶な層を有する第二のパターンを形成することができるものである。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
1.パターンコーティング組成物:
本発明のパターン形成方法に用いられるパターンコーティング組成物は、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する(A)化合物と、(B)溶剤と、を含有するものである。以下、その詳細について説明する。なお、本明細書における「パターンコーティング組成物」とは、露光、現像によりパターニングされたレジスト(パターン)をコーティングし、コーティングされたパターンを、現像液や有機溶剤等に対して不溶なものとすることが可能な組成物をいう。以下、「パターンコーティング組成物」を、「コーティング剤」ともいう。
((A)化合物)
本発明のコーティング剤に含有される(A)化合物は、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかをその分子構造中に有するものであり、例えば、炭化水素を母核とする化合物(以下、「(A1)低分子化合物」ともいう)等を挙げることができる。イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかは、一分子の(A)化合物中に少なくとも一つあればよいが、複数あってもよい。(A)化合物が、(A1)低分子化合物である場合における、母核となる炭化水素としては、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素、炭素数3〜20の脂環式炭化水素、及び炭素数6〜20の芳香族炭化水素が好ましく、炭素数6〜20の芳香族炭化水素が更に好ましい。なお、炭化水素は、置換基を有するものであってもよい。
炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素の好適例としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等を挙げることができる。炭素数3〜20の脂環式炭化水素の好適例としては、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等を挙げることができる。また、炭素数6〜20の芳香族炭化水素の好適例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ビフェニル等を挙げることができる。なお、これらの炭化水素が置換基を有するものである場合に、好適な置換基としては、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ケトン基、エステル基等を挙げることができる。
(A1)低分子化合物のうち、イソシアネート基を有するものの具体例としては、ブチルイソシアネート、1,4−ブチルジイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、フェニルイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、(A1)低分子化合物のうち、加熱によりイソシアネート基を生成する官能基を有するものの具体例としては、イソシアネートをフェノールでキャップした基を有する化合物や、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート等を挙げることができる。なお、この2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレートは、商品名「カレンズMOI−BP(登録商標)」として昭和電工社より市販されている化合物である。
また、(A)化合物は、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1)」ともいう)を含む重合体(以下、「(A2)重合体」ともいう)であってもよい。
イソシアネート基を有する繰り返し単位を構成し得る単量体の好適例としては、(メタ)アクリル酸(2−エチルイソシアネート)等を挙げることができる。また、加熱によりイソシアネート基を生成する官能基を有する繰り返し単位を構成し得る単量体の好適例としては、メタクリル酸2−([1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート等を挙げることができる。なお、メタクリル酸2−([1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチルは、商品名「カレンズMOI−BM(登録商標)」として昭和電工社より市販されている化合物である。また、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレートは、商品名「カレンズMOI−BP(登録商標)」として昭和電工社より市販されている化合物である。
(A2)重合体には、少なくとも一種の繰り返し単位(1)が含まれていればよいが、二種以上の繰り返し単位(1)が含まれていてもよい。また、(A2)重合体には、繰り返し単位(1)以外の繰り返し単位(以下、「その他の繰り返し単位」ともいう)が含まれていてもよい。
「その他の繰り返し単位」を構成し得る単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタクリレート、p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、α−メチル−p−アセトキシスチレン、p−ベンジロキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシカルボニロキシスチレン、p−tert−ブチルジメチルシロキシスチレン、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、t−ブチル(メタ)アクリレート、4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1−ブチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等を挙げることができる。
(A2)重合体に含まれる繰り返し単位(1)の割合は、全繰り返し単位中、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることが更に好ましく、30モル%以上であることが特に好ましい。(A2)重合体に含まれる繰り返し単位(1)の割合が10モル%未満であると、パターンに対するコーティングが不十分となる場合があり、形成される第二のパターンの耐溶剤性等が不足する傾向にある。なお、(A2)重合体に含まれる繰り返し単位(1)の割合の上限値については特に限定されないが、80モル%以下であればよい。
(A2)重合体は、例えば、単量体又は単量体の混合物を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合することにより製造することができる。重合に使用される溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の飽和カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン等のアルキルラクトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;2−ブタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類;シクロヘキサノン等のシクロアルキルケトン類;2−プロパノール、1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類等を挙げることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
重合における反応温度は、通常、40〜120℃、好ましくは50〜100℃であり、反応時間は、通常、1〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
(A2)重合体の純度は高いことが好ましく、ハロゲン、金属等の不純物の含有量が少ないだけでなく、残留する単量体やオリゴマー成分が既定値以下、例えばHPLCによる分析で0.1質量%以下であることが好ましい。純度の高い(A2)重合体を含有するコーティングを用いると、プロセス安定性の向上や、パターン形状の更なる精密化が可能となる。(A2)重合体の精製方法としては、以下に示す方法を挙げることができる。金属等の不純物を除去する方法としては、ゼータ電位フィルターを用いて重合溶液中の金属を吸着させる方法、蓚酸、スルホン酸等の酸性水溶液で重合溶液を洗浄することで金属をキレート状態にして除去する方法等を挙げることができる。また、単量体やオリゴマー成分の残留割合を規定値以下にする方法としては、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留する単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外濾過等の溶液状態での精製方法、重合溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留する単量体等を除去する再沈澱法、濾別した樹脂スラリー貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等を挙げることができる。なお、これらの方法を組み合わせてもよい。
(A2)重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、通常、1,000〜500,000、好ましくは1,000〜50,000、更に好ましくは1,000〜20,000である。(A2)重合体のMwが大き過ぎると、パターン表面への均一な塗布が難しくなる傾向にある。
((B)溶剤)
本発明のコーティング剤に含有される(B)溶剤の種類は特に限定されないが、レジストパターンを溶解し難い又は溶解しない溶剤であればよい。(B)溶剤の具体例としては、アルコール類、エーテル類、炭化水素、水等を挙げることができる。
アルコール類の具体例としては、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、2−メチル−2−ヘプタノール、2−メチル−3−ヘプタノール等を挙げることができる。
エーテル類の具体例としては、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、tert−ブチル−メチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、tert−ブチルプロピルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロペンチルプロピルエーテル、シクロペンチル−2−プロピルエーテル、シクロヘキシルプロピルエーテル、シクロヘキシル−2−プロピルエーテル、シクロペンチルブチルエーテル、シクロペンチル−tert−ブチルエーテル、シクロヘキシルブチルエーテル、シクロヘキシル−tert−ブチルエーテル等を挙げることができる。
また、炭化水素の具体例としては、ノナン、デカン、ウンデカン等を挙げることができる。これらの溶剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(パターンコーティング組成物)
本発明のパターン形成方法で用いるパターンコーティング組成物(コーティング剤)に(A1)化合物が含有される場合において、この(A1)化合物の含有割合は、(B)溶剤を含めたコーティング剤の全体に対して、0.5〜50質量%であることが好ましく、0.5〜25質量%であることが更に好ましく、1〜20質量%であることが特に好ましい。(A1)化合物の含有割合が0.5質量%未満であると、形成される第二のパターンの現像液耐性や溶剤耐性が十分に発現されなくなる傾向にある。一方、(A1)化合物の含有割合が50質量%超であると、パターン上に本コーティング剤を均一に塗布できない恐れがある。
一方、コーティング剤に(A2)重合体が含有される場合において、この(A2)重合体の含有割合は、(B)溶剤を含めたコーティング剤の全体に対して、0.5〜50質量%であることが好ましく、0.5〜25質量%であることが更に好ましく、1〜20質量%であることが特に好ましい。(A2)重合体の含有割合が0.5質量%未満であると、形成される第二のパターンの現像液耐性や溶剤耐性が十分に発現されなくなる傾向にある。一方、(A2)重合体の含有割合が50質量%超であると、パターン上に本コーティング剤を均一に塗布できない恐れがある。
また、コーティング剤に(A1)化合物と(A2)重合体のいずれもが含有される場合において、これら(A1)化合物と(A2)重合体の合計の含有割合は、(B)溶剤を含めたコーティング剤の全体に対して、0.5〜50質量%であることが好ましく、0.5〜25質量%であることが更に好ましく、1〜20質量%であることが特に好ましい。(A1)化合物と(A2)重合体の合計の含有割合が0.5質量%未満であると、形成される第二のパターンの現像液耐性や溶剤耐性が十分に発現されなくなる傾向にある。一方、(A1)化合物と(A2)重合体の合計の含有割合が50質量%超であると、パターン上に本コーティング剤を均一に塗布できない恐れがある。
(界面活性剤)
コーティング剤には、塗布性、消泡性、及びレベリング性等を向上させる目的で界面活性剤を配合することもできる。配合可能な界面活性剤の具体例としては、以下、商品名で、BM−1000、BM−1100(以上、BMケミー社製);メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業社);フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム社製);サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子社製);SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レダウコーニングシリコーン社製);エマルゲンA−60、同104P、同306P(以上、花王社製)等のフッ素系界面活性剤を挙げることができる。なお、これらの界面活性剤の配合量は、(A1)化合物又は(A2)重合体((A1)化合物と(A2)重合体のいずれもが含有される場合には、これらの合計)100質量部に対して、好ましくは5質量部以下である。
2.パターン形成方法:
((1)工程)
(1)工程では、基板上に形成された第一のパターンの表面上に、本発明に係る前述のパターンコーティング組成物(コーティング剤)を塗布して被覆層を形成する。第一のパターンを基板上に形成するには、先ず、シリコンウェハや、SiN又は有機反射防止膜等で被覆されたウェハ等の基板上に、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって第一の感放射線性樹脂組成物(第一レジスト剤)を塗布して、第一レジスト層を形成する。第一レジスト剤には、(a)酸の作用によりアルカリ可溶性となる樹脂、及び(b)感放射線性酸発生剤が含有されている。なお、第一レジスト剤を塗布した後、必要に応じてプレベーク(PB)することによって塗膜中の溶剤を揮発させてもよい。このプレベークの加熱条件は、第一レジスト剤の配合組成によって適宜選択されるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
なお、第一レジスト剤の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば、特公平6−12452号公報等に開示されているように、基板上に有機系又は無機系の反射防止膜を形成しておくことがこのましい。また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば、特開平5−188598号公報等に開示されているように、第一レジスト層上に保護膜を設けることも好ましい。なお、前記反射防止膜の形成と、前記保護膜の形成の両方を行うことも好ましい。
形成された第一レジスト層の所用領域に、所定パターンのマスクを介して放射線を照射すること等によって露光し、パターン潜像部(露光によりアルカリ不溶性となった部分)を形成する。使用される放射線としては、第一レジスト剤に含有される(b)感放射線性酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等から適宜選定されるが、ArFエキシマレーザー(波長193nm)やKrFエキシマレーザー(波長248nm)等に代表される遠紫外線が好ましく、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)が好ましい。なお、露光量等の露光条件は、第一レジスト剤の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選定される。更に、露光後に加熱処理(PEB)を行うことが好ましい。このPEBにより、(a)樹脂中の酸解離性基の解離反応を円滑に進行させることができる。PEBの加熱条件は、第一レジスト剤の配合組成によって適宜選択されるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
露光された第一レジスト層を現像することにより、パターン潜像部が露出し、所定のスペース部分を有するポジ型の第一のパターンが基板上に形成される。現像に使用可能な現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも一種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10質量%以下である。アルカリ性水溶液の濃度が10質量%を超えると、非露光部が現像液に溶解し易くなる傾向にある。なお、アルカリ性水溶液を用いて現像した後は、一般に、水で洗浄して乾燥する。
また、アルカリ性水溶液(現像液)には、有機溶媒を添加することもできる。添加することのできる有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
有機溶媒の添加量は、アルカリ性水溶液100体積部に対して100体積部以下とすることが好ましい。有機溶媒の添加量が、アルカリ性水溶液100体積部に対して100体積部超であると、現像性が低下し、露光部の現像残りが多くなる場合がある。なお、現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
基板上に形成された第一のパターンの表面上に、第一のレジストパターンを覆うように前述のコーティング剤を塗布して被覆層を形成する。コーティング剤を塗布する方法は特に限定されないが、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段を採用することができる。
((2)工程)
(2)工程では、少なくとも第一のパターンの表面上に形成された被覆層をベーク(加熱)処理する。このベーク処理により、第一のパターンの表面上に形成された被覆層により、現像液耐性及び溶剤耐性を有する第二のパターンを形成することができる。ベーク処理に際しての加熱条件は、コーティング剤の配合組成によって適宜選択されるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
上述のようにして形成される第二のパターンは、現像液や溶媒に不溶又は難溶なものである。このため、形成された第二のパターンに第二の感放射線性樹脂組成物(第二レジスト剤)を塗布、露光、及び現像しても、塗布されたコーティング剤の厚み等に応じてパターン幅が若干変化する場合も想定されるが、そのパターン形状が概ね残存する。
なお、(1)工程及び(2)工程を複数回繰り返すこと、即ち、コーティング剤の塗布による被覆層の形成と、ベーク処理とを複数回繰り返して、第二のパターンを形成することが好ましい。なお、繰り返す回数を増やし過ぎると工程が長くなって実用性が損なわれる場合もあるため、繰り返し回数は2〜10回とすることが好ましい。
ベーク処理された被覆層を、必要に応じて洗浄処理することが好ましい。洗浄に用いることのできる媒体としては、水、前述の現像液、前述のコーティング剤に含有される(B)溶剤等を挙げることができる。
なお、(2)工程で形成された第二のパターンの表面上に第二レジスト剤を塗布してレジスト層を形成し、次いで、このレジスト層を選択的に露光した後、ベーク処理及び現像する、いわゆるダブルパターニングを行うことにより、第三のパターンを第二のパターン上に追加形成することができる。このようにして形成された第三のパターンを用いれば、半導体を製造することができる。以下、ダブルパターニングの工程について説明する。
((3)工程)
(3)工程では、第二のパターンの表面上に、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって第二レジスト剤を塗布する。これにより、第二のパターン上に、第二レジスト剤からなる第二レジスト層を形成することができる。その後、(1)工程の場合と同様、必要に応じてプレベーク(PB)してもよい。
((4)工程)
(4)工程では、先ず、(1)工程の場合と同様にして、形成された第二レジスト層を選択的に露光する。より具体的には、第二のレジスト層、及び必要に応じて第二のパターンのスペース部分にマスクを介して選択的に露光する。次いで、ベーク処理(PEB)を行った後、(1)工程の場合と同様にして現像することにより、ポジ型の第三のパターンを形成することができる。
(ポジ型レジスト剤)
前述の第一レジスト剤及び第二レジスト剤は、いずれも、露光によって感放射線性酸発生剤から発生した酸の作用により、それぞれに含まれる酸解離性基が解離して、アルカリ現像液に対する溶解性が高くなったレジストの露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンを得ることができるものである。
第一レジスト剤及び第二レジスト剤のいずれか、又は両方は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂(以下、「レジスト剤用樹脂」ともいう)を含有するものであることが好ましい。
Figure 0005023851
前記一般式(1)中、Rは、水素又はメチル基を示し、複数のRは、相互に独立して、炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体、又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。また、(i)Rの少なくとも1つが、炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体であるか、或いは(ii)いずれか2つのRが、相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子を含む炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成するとともに、残りのRが、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体である。
前記一般式(1)中、Rで示される炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基、及びいずれか2つのRが相互に結合して形成された炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基の具体例としては、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類等に由来する脂環族環からなる基;これらの脂環族環からなる基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基の一種以上で置換した基等を挙げることができる。なかでも、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン、シクロペンタン、又はシクロヘキサンに由来する脂環族環からなる基や、これらを上記のアルキル基で置換した基が好ましい。
前記一般式(1)中、Rで示される炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基の誘導体の具体例としては、ヒドロキシル基;カルボキシル基;オキソ基(即ち、=O基);ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシル基;シアノ基;シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基等の炭素数2〜5のシアノアルキル基等の置換基を一種以上有する基を挙げることができる。なかでも、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、シアノメチル基が好ましい。
また、前記一般式(1)中、Rで示される炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。なかでも、メチル基、エチル基が好ましい。
前記一般式(1)中、「−C(R」で表される基の具体例としては、下記(一般)式(1a)〜(1f)で表される基を挙げることができる。
Figure 0005023851
前記一般式(1a)〜(1c)、(1e)及び(1f)中、Rは、相互に独立して、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、mは0又は1である。炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。なかでも、メチル基、エチル基が好ましい。
前記一般式(1)中、「−COOC(R」で表される部分は、酸の作用によって解離してカルボキシル基が形成され、アルカリ可溶性部位となる部分である。この「アルカリ可溶性部位」は、アルカリの作用によりアニオンとなる(アルカリ可溶性の)基である。一方、「酸解離性基」とは、アルカリ可溶性部位が保護基で保護された状態になっている基であり、酸で保護基が脱離されるまでは「アルカリ可溶性」ではない基である。
レジスト剤用樹脂は、それ自体はアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の樹脂であるが、酸の作用によってアルカリ可溶性となる樹脂である。ここで、「アルカリ不溶性又はアルカリ難溶性」とは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂を含有するレジスト剤からなるレジスト層を用いてレジストパターンを形成するための現像条件で、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む樹脂のみからなる膜を処理した場合(但し、露光はしない)に、膜の初期膜厚の50%以上が、前記処理後に残存する性質をいう。一方、「アルカリ可溶性」とは、同様の処理をした場合に、膜の初期膜厚の50%以上が前記処理後に失われる性質をいう。
レジスト剤用樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量Mwは、通常、1,000〜500,000、好ましくは1,000〜100,000、更に好ましくは1,000〜50,000である。Mwが1,000未満であると、形成されるレジストパターンの耐熱性が低下する傾向にある。一方、Mwが500,000超であると、現像性が低下する傾向にある。また、レジスト剤用樹脂のMwと、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1〜5であることが好ましく、1〜3であることが更に好ましい。なお、レジスト剤用樹脂に含有される、モノマーを主成分とする低分子量成分の割合は、樹脂の全体に対して、固形分換算で0.1質量%以下であることが好ましい。この低分子量成分の含有割合は、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することができる。
(レジスト剤用樹脂の製造方法)
レジスト剤用樹脂は、所望とする繰り返し単位に対応する重合性不飽和単量体を含む単量体成分を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合することにより製造することができる。
重合に使用される溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、o−クロロフェノール、2−(1−メチルプロピル)フェノール等のアルコール類;アセトン、2−ブタノン、3−メチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類等を挙げることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記の重合における反応温度は、通常40〜150℃、好ましくは50〜120℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは1〜24時間である。なお、得られるレジスト剤用樹脂は、ハロゲン、金属等の不純物等の含有量が少ないほど、感度、解像度、プロセス安定性、パターンプロファイル等をさらに改善することができるために好ましい。レジスト剤用樹脂の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法とを組み合わせた方法等を挙げることができる。
(感放射線性酸発生剤)
ポジ型レジスト剤には、露光により分解される感放射線性酸発生剤(以下、単に「酸発生剤」ともいう)が含有されている。この酸発生剤の具体例としては、以下に示す各種の物質(化合物)を挙げることができる。
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート等。
トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等。
トリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2’−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等。
トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、パーフルオロ−n−オクタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等。
下記式(B1−1)〜(B1−8)で表される化合物。
Figure 0005023851
Figure 0005023851
これらの酸発生剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ポジ型レジスト剤に含有される酸発生剤の割合は、レジストの感度及び現像性、並びに液浸露光を行う場合における、液浸液への溶出を抑制する観点から、レジスト剤用樹脂100質量部に対して、通常、0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。酸発生剤の含有割合が0.1質量部未満であると、感度及び現像性が低下する傾向にある。一方、20質量部超であると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンを得難くなり、溶出抑制効果が見られなくなる傾向にある。
(その他の添加剤)
ポジ型レジスト剤には、レジスト剤用樹脂と酸発生剤以外に、一種以上の添加剤(その他の添加剤)を含有させることが好ましい。含有させることのできるその他の添加剤の一例としては、窒素含有化合物を挙げることができる。
窒素含有化合物の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン等の芳香族アミン類;トリエタノールアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン等のアルカノールアミン類;N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンテトラメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等;
N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物;
2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン酸アミド等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類の他、プリン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等を挙げることができる。なお、上記窒素含有化合物は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記窒素含有化合物の含有量は、レジスト剤用樹脂100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることが更に好ましい。窒素含有化合物の配合量が10質量部超であると、形成されるレジスト層の感度が著しく低下する恐れがある。
上記窒素含有化合物以外のその他の添加剤としては、酸解離性基を有する脂環族添加剤、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤を挙げることができる。
上記酸解離性基を有する脂環族添加剤は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を更に改善する作用を示す成分である。このような脂環族添加剤としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−アダマンタンカルボン酸α−ブチロラクトンエステル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(アダマンチルカルボニルオキシ)ヘキサン等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジt−ブチル等のアルキルカルボン酸エステル類の他、3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン等を挙げることができる。これらの脂環族添加剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下全て商品名で、KP341(信越化学工業社製)、ポリフローNo.75、同No.95(共栄社化学社製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックスF171、同F173(大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子社製)等を挙げることができる。なお、これらの界面活性剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記増感剤は、放射線のエネルギーを吸収し、吸収したエネルギーを酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加させる作用を示すものであり、ポジ型レジスト剤のみかけの感度を向上させる効果を有する成分である。このような増感剤としては、例えば、カルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。なお、これらの増感剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、その他の添加剤として上述したもの以外に、染料又は顔料をポジ型レジスト剤に配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和することができる。また、接着助剤をポジ型レジスト剤に配合することにより、基板との接着性を改善することができる。更に、アルカリ可溶性樹脂、酸解離性の保護基を有する低分子のアルカリ溶解性制御剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等を配合することができる。
(溶剤)
ポジ型レジスト剤には、通常、溶剤が含有される。溶剤の具体例としては、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状又は分岐状のケトン類;シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類の他、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
これらのなかでも、直鎖状又は分岐状のケトン類、環状のケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等が好ましい。これらの溶剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
(参考例1:基板の作製)
ラジカル重合で合成した、メタクリル酸2−メチル−アダマンチル(60モル%)、及びメタクリル酸4−オキサ−5−オキソ−2−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イル(40モル%)の共重合体100部と、ノナフルオロ−n−ブタンスルホン酸0.43部を、650部のシクロヘキサノンと混合して溶解させた後、細孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過して樹脂溶液を調製した。調製した樹脂溶液を、商品名「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン社製)を使用してシリコンウェハ上にスピンコートした後、110℃で60秒間ベーク処理して基板(A)を作製した。
(参考例2:コーティング剤の調製)
m−キシリレンジイソシアネート10部とジn−ブチルエーテル90部を混合してコーティング剤を調製した。
(実施例1:コーティング処理(1))
調製したコーティング剤(参考例1)を、その全面を覆うように基板(A)の表面上に液盛り(塗布)して10秒間静置した。コーティング剤を窒素ガンで吹き飛ばすことで基板上から除去した後、ホットプレートを使用して150℃で60秒間ベーク処理して処理基板(1)を作製した。
(実施例2:コーティング処理(2))
前述の「コーティング処理(1)」で実施した処理を5回繰り返すことにより、処理基板(2)を作製した。
[現像液耐性]:パスツールピペットを使用して、それぞれの基板(基板(A)、処理基板(1)、及び処理基板(2))の表面上に、JSR社製のテトラn−ブチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%水溶液である現像液(商品名「PD523」)を一滴ずつ液盛り(スポッティング)し、30秒間静置した後、蒸留水で洗浄した。スポッティングした箇所の状態を目視観察し、以下の基準に従って「現像液耐性」を評価した。
×:シリコンウェハに到達するまで表層が溶解した。
○:表層の溶解が確認できたが、シリコンウェハまでは到達しなかった。
◎:表層の溶解が確認できなかった、又は容易に確認できなかった。
[溶剤耐性]:パスツールピペットを使用して、それぞれの基板(基板(A)、処理基板(1)、及び処理基板(2))の表面上に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを一滴ずつ液盛り(スポッティング)した。30秒間静置した後、スポッティングしたプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、窒素ガンで吹き飛ばすことで基板上から除去した。スポッティングした箇所の状態を目視観察し、以下の基準に従って「溶剤耐性」を評価した。
×:シリコンウェハに到達するまで表層が溶解した。
○:表層の溶解が確認できたが、シリコンウェハまでは到達しなかった。
◎:表層の溶解が確認できなかった、又は容易に確認できなかった。
Figure 0005023851
特定のパターンコーティング組成物をパターンに対して処理することで、耐現像液性及び耐溶剤性を付与することができるため、パターン上で再度パターン形成を実施することが可能になると期待される。従って、本発明のパターン形成方法は、今後ますます微細化が進行するとみられる集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野で実施されるダブルパターニング加工へ好適に採用することができる。

Claims (7)

  1. (1)酸の作用によりアルカリ可溶性となる(a)樹脂、及び(b)感放射線性酸発生剤を含有する第一の感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に形成された第一のパターンの表面上に、パターンコーティング組成物を塗布して被覆層を形成する工程と、
    (2)少なくとも前記被覆層をベーク処理して第二のパターンを形成する工程と、を有し、
    前記パターンコーティング組成物が、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する(A)化合物と、(B)溶剤と、を含有するものであり、
    前記(A)化合物が、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素、炭素数3〜20の脂環式炭化水素、又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素である(A1)低分子化合物であるか、或いは、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する繰り返し単位を含む(A2)重合体であるパターン形成方法。
  2. 前記(A)化合物が、芳香族骨格を有するものである請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記工程(1)における前記被覆層の形成と、前記工程(2)における前記被覆層のベーク処理とを、複数回繰り返して前記第二のパターンを形成する請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
  4. (3)前記第二のパターンの表面上に第二の感放射線性樹脂組成物を塗布してレジスト層を形成する工程と、
    (4)前記レジスト層を選択的に露光した後、ベーク処理及び現像して第三のパターンを形成する工程と、
    を更に有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のパターン形成方法の(2)工程で用いられる、
    イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する(A)化合物と、(B)溶剤と、を含有し、
    前記(A)化合物が、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素、炭素数3〜20の脂環式炭化水素、又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素である(A1)低分子化合物であるか、或いは、イソシアネート基、及び加熱によりイソシアネート基を生成する官能基の少なくともいずれかを有する繰り返し単位を含む(A2)重合体であるパターンコーティング組成物。
  6. 前記(A)化合物が、芳香族骨格を有するものである請求項5に記載のパターンコーティング組成物。
  7. 前記(B)溶剤が、アルコール類、エーテル類、炭化水素、及び水からなる群より選択される少なくとも一種である請求項5又は6に記載のパターンコーティング組成物。
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