JP2010276624A - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2010276624A
JP2010276624A JP2009115613A JP2009115613A JP2010276624A JP 2010276624 A JP2010276624 A JP 2010276624A JP 2009115613 A JP2009115613 A JP 2009115613A JP 2009115613 A JP2009115613 A JP 2009115613A JP 2010276624 A JP2010276624 A JP 2010276624A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
general formula
carbon atoms
polymer
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009115613A
Other languages
English (en)
Inventor
Saki Harada
早紀 原田
Norihiko Ikeda
憲彦 池田
Tomohiro Uko
友広 宇高
Hiromitsu Nakajima
浩光 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2009115613A priority Critical patent/JP2010276624A/ja
Publication of JP2010276624A publication Critical patent/JP2010276624A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】焦点深度が広く、パターン剥がれ耐性に優れる感放射線性樹脂組成物の提供。
【解決手段】(A)少なくとも下記一般式(1)で表される繰り返し単位および下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含み、全繰り返し単位中の下記一般式(2)で表される繰り返し単位の割合が、1モル%〜10モル%である重合体成分と、(B)感放射線性酸発生剤とを含有する感放射線性樹脂組成物。
Figure 2010276624

【選択図】なし

Description

本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、その他のフォトリソグラフィー工程に使用される感放射線性樹脂組成物に関するものである。より具体的には、KrFエキシマレーザー・ArFエキシマレーザー等の波長250nm以下の遠紫外線や電子線を露光光源とするフォトリソグラフィー工程に好適に用いることができる、化学増幅型の感放射線性樹脂組成物に関するものである。
化学増幅型の感放射線性樹脂組成物は、KrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザーに代表される遠紫外線や電子線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする化学反応により、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度に差を生じさせ、基板上にレジストパターンを形成させる組成物である。
例えば、KrFエキシマレーザー(波長248nm)を光源として用いる場合には、248nm領域での吸収が小さい、ポリ(ヒドロキシスチレン)(以下、「PHS」と記す場合がある。)を基本骨格とする重合体を構成成分とする化学増幅型感放射線性樹脂組成物が用いられている。この組成物によれば、高感度、高解像度、且つ良好なパターン形成を実現することが可能である。
しかし、更なる微細加工を目的として、より短波長の光源、例えば、ArFエキシマレーザー(波長193nm)を光源として用いる場合には、193nm領域に大きな吸収を示すPHS等の芳香族化合物を使用することが困難であるという問題があった。
そこで、ArFエキシマレーザーを光源とするリソグラフィー材料としては、193nm領域に大きな吸収を有しない脂環式炭化水素を骨格中に有する重合体、特に、その繰り返し単位中にラクトン骨格を有する重合体を構成成分とする樹脂組成物が用いられている。
上記のような感放射線性樹脂組成物としては、例えば、その繰り返し単位中に、脂環式ラクトン骨格を有する重合体を構成成分とする樹脂組成物も開示されている(例えば、特許文献1〜11参照)。
特開2000−159758号公報 特開2001−109154号公報 特開2004−101642号公報 特開2003−113174号公報 特開2003−147023号公報 特開2002−308866号公報 特開2002−371114号公報 特開2003−64134号公報 特開2003−270787号公報 特開2000−26446号公報 特開2000−122294号公報
上記の組成物は、その繰り返し単位中にラクトン骨格を有することで、レジストとしての解像性能が飛躍的に向上することが見出されている。しかしながら、これらの組成物は、活性光線の基板上での乱反射や、入射光と反射光によって発生する定在波の影響によるレジストパターンの形状劣化を防ぐため、反射防止膜上に塗布して使用されることが多い。反射防止膜は、さらに、これらの組成物により形成されるレジスト膜と基板との間で両者の密着性を補助し、レジストパターンの基板からの剥がれを抑制する効果を有する。
一方で、反射防止膜を使用できないことの多いイオンインプランテーション用途においては、単に解像性能が高いのみならず、下地基板の膜種によらず適用可能で、密着性やパターン形状、焦点深度(DOF:Depth Of Focus)等の多様な要求特性を満足させる材料の開発が求められている。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、パターン形状が良好で、焦点深度が広く、パターン剥がれ耐性に優れる感放射線性樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、環状炭酸エステル構造を含む繰り返し単位を有する重合体を感放射線性樹脂組成物の構成成分とすることによって、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明により、以下の感放射線性樹脂組成物が提供される。
[1] (A)少なくとも下記一般式(1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1)」ともいう)および下記一般式(2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(2)」ともいう)を含み、全繰り返し単位中の繰り返し単位(2)の割合が、1モル%〜10モル%である重合体成分(以下、「重合体成分(A)」ともいう)と、(B)感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(B)」ともいう)とを含有する感放射線性樹脂組成物。
Figure 2010276624
(前記一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、Rは炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示す。Rは相互に独立して、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示すか、または2つのRが相互に結合して両者が結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成する。)
Figure 2010276624
(前記一般式(2)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、Aは単結合、炭素数が1〜30である2価の鎖状炭化水素基、炭素数が3〜30である2価の脂環式炭化水素基又は炭素数が6〜30である2価の芳香族炭化水素基を示し、Xは下記一般式(i)で表される構造(以下、「構造(i)」ともいう)を有する1価の基を示す。)
Figure 2010276624
(前記一般式(i)中、Rは相互に独立して、水素原子又は炭素数1〜5の鎖状炭化水素基を示し、mは1または2を示し、nは1または2を示す。)
[2] 重合体成分が、少なくとも繰り返し単位(1)を含む重合体(A−1)と、繰り返し単位(2)を含む重合体(A−2)とを含有する上記[1]に記載の感放射線性樹脂組成物。
[3] 重合体(A−2)が重合体(A−1)に対して1〜50質量%の割合で含まれている上記[2]に記載の感放射線性樹脂組成物。
[4] さらに、(C)酸拡散抑制剤(以下、「酸拡散抑制剤(C)」ともいう)を含有する上記[1]に記載の感放射線性樹脂組成物。
[5] イオンインプランテーション工程においてマスクとして用いるレジストパターンを形成するために用いられる上記[1]〜[4]のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、焦点深度が広く、パターン形状やパターン剥がれ耐性にも優れる。また、反射防止膜を形成することができない用途であっても、良好なパターン形状を得ることが可能である。従って、ArFエキシマレーザーを光源とするリソグラフィー材料、特にイオンインプランテーション工程においてマスクとして用いるためのリソグラフィー材料として好適に用いることができる。
以下、本発明の感放射線性樹脂組成物を実施するための最良の形態について具体的に説明する。但し、本発明は、その発明特定事項を備える全ての実施形態を包含するものであり、以下に示す実施形態に限定されるものではない。なお、以下の説明においては、同種の置換基には、同一の符号を付した上で、説明を省略する。
また、本明細書において、「・・・基」というときは、「置換されていてもよい・・・基」を意味するものとする。例えば、「アルキル基」と記載されている場合には、無置換のアルキル基のみならず、水素原子が他の官能基に置換されたアルキル基も含む。更に、「・・・基」というときは、「分岐を有していてもよい・・・基」を意味するものとする。例えば、「アルキルカルボニル基」と記載されている場合には、直鎖状のアルキルカルボニル基のみならず、分岐状のアルキルカルボニル基も含む。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、重合体成分(A)と酸発生剤(B)を必須成分とし、通常、酸拡散抑制剤(C)および溶剤(D)をさらに含み、目的に応じて、添加剤(E)を含むものとする。以下、成分ごとに説明する。
[1]重合体成分(A):
本発明に用いられる重合体成分(A)は、一種の重合体であっても二種以上の重合体の混合物であってもよい。当該重合体成分(A)は、アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性を示すが、酸の作用によりアルカリ可溶性を示すものであり、少なくとも繰り返し単位(1)および繰り返し単位(2)を含み、全繰り返し単位中の繰り返し単位(2)の割合が、1モル%〜10モル%である。該重合体成分(A)は、繰り返し単位(1)および繰り返し単位(2)が同一の重合体に含まれているものであっても良く、繰り返し単位の割合が異なる複数の重合体を混合することにより、上記割合の重合体成分が得られるものであってもよい。
本発明に用いられる重合体成分(A)は、上述した重合体(A−1)と重合体(A−2)を含有する混合物であることが好ましい。特に、重合体(A−2)が重合体(A−1)に対して1〜50質量%の割合で含まれているのが好ましい。重合体(A−2)がこの割合で重合体成分(A)に含まれていることにより、繰り返し単位(2)を適切な割合で重合体成分に含有させることが容易になる。
[1−1]繰り返し単位(1):
繰り返し単位(1)は、酸解離性保護基を有する繰り返し単位であり、感放射線性樹脂組成物の露光により酸発生剤(B)から発生した酸の作用により、酸解離性保護基が解離して重合体をアルカリ可溶性に変化させる役割を有する。
前記一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、好ましくは水素原子またはメチル基である。Rにおける炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基などが挙げられる。また、RおよびRにおける炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基;ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基などの有橋脂環骨格を有する基などを挙げることができる。さらに、2つのRが相互に結合して両者が結合している炭素原子と共に形成する炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、上述した1価の脂環式炭化水素基から水素原子を1つ除いた基を挙げることができる。
繰り返し単位(1)としては、例えば、下記式(1−a)〜(1−y)で示される繰り返し単位を好適例として挙げることができる。
Figure 2010276624
Figure 2010276624
[1−2]繰り返し単位(2):
繰り返し単位(2)は、環状エステル構造を有する単位であり、重合体成分(A)中に適量を含有することにより、得られるレジスト膜の基板密着性を高める効果を有する。
前記一般式(2)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。これらの中ではメチル基が好ましい。また、Aは単結合、炭素数が1〜30である2価の鎖状炭化水素基、炭素数が3〜30である2価の脂環式炭化水素基又は炭素数が6〜30である2価の芳香族炭化水素基を示す。Aが単結合の場合、繰り返し単位を構成する(メタ)アクリル酸の酸素原子と、構造(i)を有する1価の基を構成する炭素原子とが直接結合されることになる。
本明細書にいう「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基を意味するものとする。「炭素数が1〜30である2価の鎖状炭化水素基」としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、イコサレン基等の直鎖状アルキレン基;1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の分岐状アルキレン基;等を挙げることができる。
本明細書にいう「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては、脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。但し、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。
「2価の脂環式炭化水素基」としては、例えば、1,3−シクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基等、1,4−シクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基等の炭素数3〜10の単環型シクロアルキレン基;1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等の多環型シクロアルキレン基;等を挙げることができる。
本明細書にいう「芳香族炭化水素基」とは、環構造として、芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。
「2価の芳香族炭化水素基」としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、フェナントリレン基、アントリレン基等のアリーレン基等を挙げることができる。
構造(i)は環状エステル構造であり、一般式(i)中、Rは、相互に独立して、水素原子又は炭素数1〜5の鎖状炭化水素基を示す。「炭素数1〜5の鎖状炭化水素基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜5の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素数3〜5の分岐状アルキル基等を挙げることができる。mは1または2を示す。また、nは1または2の整数を示す。即ち、環状炭酸エステルは、n=1の場合は5員環構造、n=2の場合は6員環構造となる。
前記一般式(i)で表される構造を有する1価の基は、前記一般式(i)で表される環状エステル構造を少なくとも一部に有する1価の基である。前記一般式(i)で表される構造を有する1価の基としては、直接Aに結合している基の他、上記環状エステル構造を含む多環構造などを有する基が挙げられる。
前記一般式(i)で表される構造を有する1価の基は、3〜30個の炭素原子を有するのが好ましく、さらに好ましくは3〜15個、特に好ましくは3〜10個である。30個より多数の炭素原子を有する場合には、レジスト膜の密着性が低下し、パターン倒れやパターン剥れを起こすおそれがある。また、重合体成分の現像液への溶解性が低下し、現像欠陥発生の原因となるおそれがある。
繰り返し単位(2)としては、例えば、下記式(2−a)〜(2−u)で示される繰り返し単位を好適例として挙げることができる。
Figure 2010276624
重合体成分(A)には、例示された繰り返し単位(2)のうちの1種が単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
繰り返し単位(2)は、例えば、Tetrahedron Letters,Vol.27,No.32 p.3741(1986)、Organic Letters,Vol.4,No.15 p.2561(2002)等に記載された、従来公知の方法により、合成することができる。
[1−3]その他の繰り返し単位:
本発明に用いられる重合体成分(A)、並びに重合体成分(A)を構成する好ましい成分である重合体(A−1)および重合体(A−2)は、その他の繰返し単位を有していてもよい。
好ましい繰り返し単位としては、ラクトン構造を含む繰り返し単位が挙げられ、例えば、下記式(3−a)〜(3−p)で示される繰り返し単位を挙げることができる。なお、下記式(3−a)〜(3−p)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基である。
Figure 2010276624
上記繰り返し単位を与える単量体としては、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]デカ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−10−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシカルボニル−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシカルボニル−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−エチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−プロピル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2,2−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸−3,3−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル等を挙げることができる。
その他の繰り返し単位としては、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[4.4.0]デカニルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.2]オクチルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルエステル、(メタ)アクリル酸−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカニルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニルエステル等の炭素数7〜20の多環型シクロアルキル(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5−メチルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシ−7−メチルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタン−1−イルメチルエステル等がのヒドロキシアダマンタン構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル等の有橋式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸カルボキシノルボルニル、(メタ)アクリル酸カルボキシトリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸カルボキシテトラシクロウンデカニル等の不飽和カルボン酸の有橋式炭化水素骨格を有するカルボキシル基含有エステル類;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−メトキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−シクロペンチルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−(4−メトキシシクロヘキシル)オキシカルボニルエチル等の有橋式炭化水素骨格をもたない(メタ)アクリル酸エステル類;
α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸n−ブチル等のα−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル等の不飽和ニトリル化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド化合物;N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の他の含窒素ビニル化合物;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和カルボン酸(無水物)類;(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシシクロヘキシル等の不飽和カルボン酸の有橋式炭化水素骨格をもたないカルボキシル基含有エステル類;
(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ブチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸2−{[5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル}エステル、(メタ)アクリル酸3−{[8−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル}エステル等のフッ素およびヒドロキシル基含有エステル類;
メチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンジ(メタ)アクリレート、1,3−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンジ(メタ)アクリレート、1,2−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルジメチロールジ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体等の多官能性単量体の重合性不飽和結合が開裂した単位を挙げることができる。
[1−4]重合体(A−1):
重合体成分(A)に好適に用いられる重合体(A−1)は、繰り返し単位(1)を含み、好ましくは繰り返し単位(2)を含まない重合体である。
重合体(A−1)における繰り返し単位(1)の含有率は、重合体(A−1)を構成する全繰り返し単位に対して、5〜80モル%であることが好ましく、10〜80モル%であることが更に好ましく、20〜70%であることが特に好ましい。繰り返し単位(1)の含有率が5モル%未満であると、レジストとしてのパターン倒れ性能が低下するおそれがある。また、繰り返し単位(1)の含有率が80モル%を超えると、レジスト膜の密着性が低下し、パターン倒れやパターン剥れを起こすおそれがある。また、重合体(A−1)中に繰り返し単位(2)を含有すると、パターン形状や孤立ライン焦点深度の悪化を招くおそれがある。
重合体(A−1)はラクトン構造を含む繰り返し単位を含むことが好ましく、その含有率は、重合体(A−1)を構成する全繰り返し単位に対して、0〜90モル%であることが好ましく、10〜80モル%であることが更に好ましく、15〜70モル%であることが特に好ましい。該繰り返し単位の含有率が90モル%を超えると、レジストとしての解像性、LWR、PEB温度依存性が低下するおそれがある。
[2]重合体(A−2):
重合体成分(A)に好適に用いられる重合体(A−2)は、繰り返し単位(2)を含み、好ましくは繰り返し単位(1)と繰り返し単位(2)を含む重合体である。
重合体(A−2)において、繰り返し単位(1)の含有率は、重合体(A−2)を構成する全繰り返し単位に対して、5〜80モル%であることが好ましく、10〜80モル%であることが更に好ましく、20〜70%であることが特に好ましい。繰り返し単位(1)の含有率が5モル%未満であると、レジストとしてのパターン倒れが起こりやすくなるおそれがある。また、繰り返し単位(1)の含有率が80モル%を超えると、レジスト膜の密着性が低下し、パターン剥れを起こすおそれがある。
また、重合体(A−2)において、繰り返し単位(2)の含有率は、重合体(A−2)を構成する全繰り返し単位に対して、5〜80モル%であることが好ましく、10〜80モル%であることが更に好ましく、20〜70%であることが特に好ましい。繰り返し単位(2)の含有率が5モル%未満であると、レジスト膜の密着性が低下するおそれがある。また、繰り返し単位(2)の含有率が80モル%を超えると、溶解性が高くなりすぎてパターン性能が悪化したり解像性が悪くなったりするおそれがある。
製造方法:
次に、重合体成分(A)、特に重合体(A−1)および重合体(A−2)の製造方法について説明する。
重合体(A−1)および重合体(A−2)は、ラジカル重合等の常法に従って合成することができる。例えば、(1)単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;(2)単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;(3)各々の単量体を含有する、複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;等の方法で合成することが好ましい。
なお、単量体溶液に対して、単量体溶液を滴下して反応させる場合、滴下される単量体溶液中の単量体量は、重合に用いられる単量体総量に対して30mol%以上であることが好ましく、50mol%以上であることが更に好ましく、70mol%以上であることが特に好ましい。
これらの方法における反応温度は開始剤種によって適宜決定すればよい。通常、30〜180℃であり、40〜160℃が好ましく、50〜140℃が更に好ましい。滴下時間は、反応温度、開始剤の種類、反応させる単量体等の条件によって異なるが、通常、30分〜8時間であり、45分〜6時間が好ましく、1〜5時間が更に好ましい。また、滴下時間を含む全反応時間も、滴下時間と同様に条件により異なるが、通常、30分〜8時間であり、45分〜7時間が好ましく、1〜6時間が更に好ましい。
前記重合に使用されるラジカル開始剤としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−2−プロペニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1―ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス(2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル)等を挙げることができる。これらの開始剤は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
重合溶媒としては、重合を阻害する溶媒(重合禁止効果を有するニトロベンゼン、連鎖移動効果を有するメルカプト化合物等)以外の溶媒であって、その単量体を溶解可能な溶媒であれば使用することができる。例えば、アルコール類、エーテル類、ケトン類、アミド類、エステル・ラクトン類、ニトリル類及びその混合溶媒等を挙げることができる。
「アルコール類」としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール等を挙げることができる。「エーテル類」としては、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン等を挙げることができる。
「ケトン類」としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等を挙げることができる。「アミド類」としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を挙げることができる。「エステル・ラクトン類」としては、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソブチル、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。「ニトリル類」としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
重合反応により得られた樹脂は、再沈殿法により回収することが好ましい。即ち、重合反応終了後、重合液を再沈溶媒に投入することにより、目的の樹脂を粉体として回収する。再沈溶媒としては、前記重合溶媒として例示した溶媒を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
なお、重合体(A−1)および重合体(A−2)には、単量体由来の低分子量成分が含まれるが、その含有率は、重合体(A−1)または重合体(A−2)の総量(100質量%)に対して、0.1質量%以下であることが好ましく、0.07質量%以下であることが更に好ましく、0.05質量%以下であることが特に好ましい。
一方、重合体(A−1)および重合体(A−2)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」と記す。)は、特に限定されないが、1,000〜100,000であることが好ましく、1,000〜30,000であることが更に好ましく、1,000〜20,000であることが特に好ましい。重合体(A−1)および重合体(A−2)のMwが1,000未満であると、レジストとしたときの耐熱性が低下する傾向がある。一方、重合体(A−1)および重合体(A−2)のMwが100,000を超えると、レジストとしたときの現像性が低下する傾向がある。
また、重合体(A−1)および重合体(A−2)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」と記す。)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常、1.0〜5.0であり、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることが更に好ましい。
本発明の樹脂組成物においては、重合体(A−1)および重合体(A−2)のそれぞれについて、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。ただし、重合体(A−2)の全重量は重合体(A−1)の全重量に対して1〜30wt%の範囲が好ましい。
[3]酸発生剤(B):
酸発生剤(B)は、露光により酸を発生する、感放射線性の酸発生剤である。この酸発生剤は、露光により発生した酸によって、感放射線性樹脂組成物に含有される重合体成分(A)中に存在する酸解離性基を解離させて(保護基を脱離させて)、アルカリ可溶性とする。そして、その結果、レジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、これによりポジ型のレジストパターンが形成される。
本実施形態における酸発生剤(B)としては、下記一般式(B−1)で示される化合物を含むものが好ましい。
Figure 2010276624
(一般式(B−1)中、R10は水素原子、フッ素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基を示し、R11は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数1〜10のアルカンスルホニル基を示し、R12は相互に独立して炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜15の置換または非置換の芳香族炭化水素基を示す。但し、2個のR12が相互に結合して炭素数2〜10の2価の基を形成していてもよい。kは0〜2の整数を示し、rは0〜10の整数を示し、Anは下記一般式(b−1)〜(b−4)で表されるアニオンを示す。)
132ySO :(b−1)
13SO :(b−2)
(一般式(b−1)、(b−2)中、R13は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜12の炭化水素基を示し、yは1〜10の整数を示す。)
Figure 2010276624
(一般式(b−3)、(b−4)中、R14は相互に独立して炭素数1〜10のフッ素置換アルキル基を示す。但し、2個のR14が相互に結合して炭素数2〜10の2価のフッ素置換アルキレン基を形成していてもよい。)
一般式(B−1)中、R10、R11及びR12で示される「炭素数1〜10のアルキル基」としては、既に述べた「炭素数1〜4のアルキル基」の他、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状アルキル基;ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基;等を挙げることができる。これらの中では、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が好ましい。
また、R10及びR11で示される「炭素数1〜10のアルコキシル基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等の直鎖状アルコキシル基;i−プロポキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等の分岐状アルコキシル基;等を挙げることができる。これらの中では、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が好ましい。
また、R10で示される「炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基等の直鎖状アルコキシカルボニル基;i−プロポキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基等の分岐状アルコキシカルボニル基;等を挙げることができる。これらの中では、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等が好ましい。
また、R11で示される「炭素数1〜10のアルカンスルホニル基」としては、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基、n−ヘプタンスルホニル基、n−オクタンスルホニル基、n−ノナンスルホニル基、n−デカンスルホニル基等の直鎖状アルカンスルホニル基;t−ブタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基等の分岐状アルカンスルホニル基;シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等のシクロアルカンスルホニル基;等を挙げることができる。これらの中では、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等が好ましい。
また、一般式(B−1)においては、rが0〜2の整数であることが好ましい。
一般式(B−1)中、R12で示される「炭素数6〜15の置換または非置換の芳香族炭化水素基」としては、フェニル基、ナフチル基;o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基等のアルキル置換フェニル基;4−フルオロフェニル基等のハロゲン置換フェニル基;2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、2,3−ジメチル−1−ナフチル基、2,4−ジメチル−1−ナフチル基、2,5−ジメチル−1−ナフチル基、2,6−ジメチル−1−ナフチル基、2,7−ジメチル−1−ナフチル基、2,8−ジメチル−1−ナフチル基、3,4−ジメチル−1−ナフチル基、3,5−ジメチル−1−ナフチル基、3,6−ジメチル−1−ナフチル基、3,7−ジメチル−1−ナフチル基、3,8−ジメチル−1−ナフチル基、4,5−ジメチル−1−ナフチル基、5,8−ジメチル−1−ナフチル基、4−エチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基等のアルキル置換ナフチル基;これらの基の水素原子を、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシカルボニルオキシ基の群から選択される少なくとも一種の基で置換した基;等を挙げることができる。
上記「アルコキシル基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の直鎖状アルコキシル基;i−プロポキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等の分岐状アルコキシル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基等を挙げることができる。これらの基の炭素数は1〜20であることが好ましい。
「アルコキシアルキル基」としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の直鎖状アルコキシアルキル基;1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基等の分岐状アルコキシアルキル基;その他、シクロアルカン構造を有するアルコキシアルキル基;等を挙げることができる。これらの基の炭素数は1〜20であることが好ましい。
「アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等の直鎖状アルコキシカルボニル基;i−プロポキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等の分岐状アルコキシカルボニル基;シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等のシクロアルキルオキシカルボニル基;等を挙げることができる。これらの基の炭素数は2〜21であることが好ましい。
「アルコキシカルボニルオキシ基」としては、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基等の直鎖状アルコキシカルボニルオキシ基;i−プロポキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基等の分岐状アルコキシカルボニルオキシ基;シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等のシクロアルキルオキシカルボニル基;等を挙げることができる。これらの基の炭素数は2〜21であることが好ましい。
12で示される「炭素数6〜15の置換または非置換の芳香族炭化水素基」としては、フェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−t−ブトキシフェニル基、1−ナフチル基、1−(4−メトキシナフチル)基、1−(4−エトキシナフチル)基、1−(4−n−プロポキシナフチル)基、1−(4−n−ブトキシナフチル)基、2−(7−メトキシナフチル)基、2−(7−エトキシナフチル)基、2−(7−n−プロポキシナフチル)基、2−(7−n−ブトキシナフチル)基等が好ましい。
また、2個のR12が相互に結合して形成される「炭素数2〜10の2価の基」としては、2個のR12が相互に結合し、一般式(B−1)中の硫黄原子と共に5員又は6員の環を形成した構造、中でも、5員の環(テトラヒドロチオフェン環)を形成した構造が好ましい。
この「2価の基」は、その水素原子が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシカルボニルオキシ基の群から選択される少なくとも一種の基で置換されていてもよい。これらの基の水素原子の一部が置換されていてもよい。「アルコキシル基」、「アルコキシアルキル基」、「アルコキシカルボニル基」、「アルコキシカルボニルオキシ基」としては、フェニル基の項で例示した基を挙げることができる。
12としては、メチル基、エチル基、フェニル基、4−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、2個のR12が相互に結合し、一般式(B−1)中の硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環を形成した構造が好ましい。
一般式(B−1)のカチオンとしては、トリフェニルスルホニウムカチオン、トリ−1−ナフチルスルホニウムカチオン、トリ−t−ブチルフェニルスルホニウムカチオン、4−フルオロフェニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、ジ−4−フルオロフェニル−フェニルスルホニウムカチオン、トリ−4−フルオロフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキサンスルホニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、1−ナフチルジメチルスルホニウムカチオン、1−ナフチルジエチルスルホニウムカチオン、1−(4−ヒドロキシナフチル)ジメチルスルホニウムカチオン、1−(4−メチルナフチル)ジメチルスルホニウムカチオン、1−(4−メチルナフチル)ジエチルスルホニウムカチオン、1−(4−シアノナフチル)ジメチルスルホニウムカチオン、1−(4−シアノナフチル)ジエチルスルホニウムカチオン、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−メトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−エトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−n−プロポキシナフチル)
テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−メトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−エトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−n−プロポキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン等が好ましい。
一般式(b−1)中、「−C2y−」は、炭素数yのパーフルオロアルキレン基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよい。そして、yは1、2、4又は8であることが好ましい。
一般式(b−1)、(b−2)中、R13で示される「炭素数1〜12の炭化水素基」としては、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、有橋脂環式炭化水素基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、ノルボルニル基、ノルボニルメチル基、ヒドロキシノルボルニル基、アダマンチル基等を挙げることができる。
一般式(b−3)、(b−4)中、R14で示される「炭素数1〜10のフッ素置換アルキル基」としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ドデカフルオロペンチル基、パーフルオロオクチル基等を挙げることができる。
2個のR14が相互に結合して形成される「炭素数2〜10の2価のフッ素置換アルキレン基」としては、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロプロピレン基、オクタフルオロブチレン基、デカフルオロペンチレン基、ウンデカフルオロヘキシレン基等を挙げることができる。
一般式(B−1)のアニオン部位Anとしては、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、パーフルオロ−n−ブタンスルホネートアニオン、パーフルオロ−n−オクタンスルホネートアニオン、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートアニオン、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネートアニオン、1−アダマンチルスルホネートアニオンの他、下記式(b−3a)〜(b−3g)で示されるアニオン等が好ましい。
Figure 2010276624
酸発生剤(B)は、既に例示したカチオン及びアニオンの組合せで構成される。但し、その組合せは特に限定されるものでない。本発明の樹脂組成物においては、酸発生剤(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本発明の樹脂組成物においては、酸発生剤(B)以外の酸発生剤を併用してもよい。そのような酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等を挙げることができる。具体的には、以下のものを挙げることができる。
「オニウム塩化合物」としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。より具体的には、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)
ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等を挙げることができる。
「ハロゲン含有化合物」としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。より具体的には、フェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1−ナフチルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体;1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン;等を挙げることができる。
「ジアゾケトン化合物」としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。より具体的には、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等を挙げることができる。
「スルホン化合物」としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。より具体的には、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
「スルホン酸化合物」としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、アルキルスルホン酸イミド、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
より具体的には、ベンゾイントシレート、ピロガロールのトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、パーフルオロ−n−オクタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドパーフルオロ−n−オクタンスルホネート等を挙げることができる。
これらの酸発生剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の樹脂組成物において、酸発生剤(B)と他の酸発生剤の総使用量は、レジストとしての感度及び現像性を確保する観点から、重合体(A−1)100質量部に対して、通常、0.1〜30質量部であり、0.5〜20質量部であることが好ましい。この場合、総使用量が0.1質量部未満では、感度及び現像性が低下する傾向がある。一方、30質量部を超えると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンが得られ難くなる傾向がある。また、他の酸発生剤の使用割合は、酸発生剤(B)と他の酸発生剤との総量に対して、80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
[4]酸拡散抑制剤(C):
本発明の感放射線性樹脂組成物は、重合体成分(A)及び酸発生剤(B)に加えて、酸拡散抑制剤(C)を更に含有することが好ましい。この酸拡散抑制剤(C)は、露光により酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制するものである。このような酸拡散抑制剤(C)を配合することにより、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとしての解像度が更に向上するとともに、露光から露光後の加熱処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
酸拡散抑制剤(C)としては、下記一般式(C−1)で示される窒素含有化合物(以下、「窒素含有化合物(C−1)」ともいう)が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2010276624
〔一般式(C−1)中、R15,R16は相互に独立して、水素原子、炭素数が1〜20である1価の鎖状炭化水素基、炭素数が3〜20である1価の脂環式炭化水素基又は炭素数が6〜20である1価の芳香族炭化水素基を示す。2つのR15が結合されて、環構造が形成されていてもよい。〕
前記一般式(C−1)中、R16で示される基としては、t−ブチル基又はt−アミル基が好ましい。
前記一般式(C−1)において、2つのR15が結合されて、環構造が形成されていてもよい。例えば、C−1中の窒素原子が環状アミンの一部をなすものも窒素化合物(C−1)に含まれる(例えば、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等)。
窒素含有化合物(C−1)としては、例えば、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N、N’−ジ−t−ブトキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等のN−t−ブチル基含有アミノ化合物;
N−t−アミロキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−アミロキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−アミロキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−アミロキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミロキシカルボニルピロリジン、N、N’−ジ−t−アミロキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−アミロキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−アミロキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−アミロキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−アミロキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−アミロキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−アミロキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等のN−t−アミル基含有アミノ化合物;等を挙げることができる。
これらの化合物の中では、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−アミロキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−アミロキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−アミロキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−アミロキシカルボニルピロリジン、N−t−アミロキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミロキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾールが好ましく、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾールが更に好ましい。
窒素含有化合物(C−1)以外の酸拡散抑制剤(C)としては、例えば、3級アミン化合物、4級アンモニウムヒドロキシド化合物、含窒素複素環化合物等の窒素含有化合物を挙げることができる。
「3級アミン化合物」としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン等の芳香族アミン類;トリエタノールアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン等のアルカノールアミン類;N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンテトラメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等を挙げることができる。
「4級アンモニウムヒドロキシド化合物」としては、例えば、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。
「含窒素複素環化合物」としては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等を挙げることができる。
酸拡散抑制剤(C)は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の樹脂組成物において、酸拡散抑制剤(C)の総使用量は、レジストとしての高い感度を確保する観点から、重合体(A−1)100質量部に対して、10質量部未満が好ましく、5質量部未満が更に好ましい。合計使用量が10質量部を超えると、レジストとしての感度が著しく低下する傾向にある。なお、酸拡散抑制剤(C)の使用量が0.001質量部未満では、プロセス条件によってはレジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
[5]溶剤(D):
溶剤(D)としては、少なくとも重合体成分(A)、酸発生剤(B)、所望により酸拡散抑制剤(C)及び後述する添加剤(E)を溶解可能な溶剤であれば、特に限定されるものではない。
溶剤(D)としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類の他、
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、
トルエン、キシレン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等を挙げることができる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いることが好ましい。他には、ケトン類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等が好ましい。これらの溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
[6]添加剤(E):
本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、フッ素含有樹脂、脂環式骨格含有化合物、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤(E)を配合することができる。各添加剤の配合量は、その目的に応じて適宜決定することができる。
フッ素含有樹脂は、特に液浸露光においてレジスト膜表面に撥水性を発現させる作用を示す。そして、レジスト膜から液浸液への成分の溶出を抑制したり、高速スキャンにより液浸露光を行ったとしても液滴を残すことなく、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制する効果がある成分である。
フッ素含有樹脂の構造は特に限定されるものでなく、(1)それ自身は現像液に不溶で、酸の作用によりアルカリ可溶性となるフッ素含有樹脂、(2)それ自身が現像液に可溶であり、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大するフッ素含有樹脂、(3)それ自身は現像液に不溶で、アルカリの作用によりアルカリ可溶性となるフッ素含有樹脂、(4)それ自身が現像液に可溶であり、アルカリの作用によりアルカリ可溶性が増大するフッ素含有樹脂等を挙げることができる。
「フッ素含有樹脂」としては、以下に示すフッ素含有繰り返し単位から選択される少なくとも一種の繰り返し単位を有する重合体からなる樹脂を挙げることができ、更に、繰り返し単位(1)および(2)ならびに上記[1−3]に記載のその他の繰り返し単位からなる群から選択される少なくも一種の繰り返し単位を更に有する重合体が好ましい。
「フッ素含有繰り返し単位」としては、例えば、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ)プロピル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ)ペンチル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ)ヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ)プロピル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ)ペンタ(メタ)アクリレート、1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ)デシル(メタ)アクリレート、1−(5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6,6−オクタフルオロ)ヘキシル(メタ)アクリレート等の重合性不飽和結合が開裂した単位を挙げることができる。
フッ素含有樹脂としては、例えば、下記式(E−1a)〜(E−1f)で示される重合体等が好ましい。これらのフッ素含有樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
Figure 2010276624
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を更に改善する作用を示す成分である。
脂環式骨格含有化合物としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−アダマンタンカルボン酸α−ブチロラクトンエステル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(アダマンチルカルボニルオキシ)ヘキサン等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジt−ブチル等のアルキルカルボン酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等を挙げることができる。これらの脂環式骨格含有樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名で、KP341(信越化学工業社製)、ポリフローNo.75、同No.95(共栄社化学社製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックスF171、同F173(大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子社製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(B)に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すものであり、感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を有する。
増感剤としては、カルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。これらの増感剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
添加剤(E)としては、染料、顔料、接着助剤等を用いることもできる。例えば、染料或いは顔料を用いることによって、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和できる。また、接着助剤を配合することによって、基板との接着性を改善することができる。他の添加剤としては、アルカリ可溶性樹脂、酸解離性の保護基を有する低分子のアルカリ溶解性制御剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
なお、添加剤(E)は、以上説明した各種添加剤1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[7]フォトレジストパターンの形成方法:
本発明の感放射線性樹脂組成物は、化学増幅型レジストとして有用である。化学増幅型レジストにおいては、露光により酸発生剤から発生した酸の作用によって、重合体成分(A)中の酸解離性基が解離して、カルボキシル基を生じる。その結果、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、この露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のフォトレジストパターンが得られる。
当該フォトレジストパターン形成方法は、(1)本発明の感放射線性樹脂組成物を用いて、基板上にフォトレジスト膜を形成する工程(以下、「工程(1)」と記す場合がある。)と、(2)形成されたフォトレジスト膜に(必要に応じて液浸媒体を介し)、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射し、露光する工程(以下、「工程(2)」と記す場合がある。)と、(3)露光されたフォトレジスト膜を現像し、フォトレジストパターンを形成する工程(以下、「工程(3)」と記す場合がある。)と、を含むものである。
また、液浸露光を行う場合は、工程(2)の前に、液浸液とレジスト膜との直接の接触を保護するために、液浸液不溶性の液浸用保護膜をレジスト膜上に設けてもよい。液浸用保護膜としては、工程(3)の前に溶剤により剥離する、溶剤剥離型保護膜(例えば、特開2006−227632号公報参照)、工程(3)の現像と同時に剥離する、現像液剥離型保護膜(例えば、WO2005−069076号公報、WO2006−035790号公報参照)のいずれを用いてもよい。但し、スループットの観点からは、現像液剥離型液浸用保護膜を用いることが好ましい。
工程(1)では、本発明の樹脂組成物を溶剤に溶解させて得られた樹脂組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、基板(シリコンウェハ、二酸化シリコンで被覆されたウェハ等)上に塗布することにより、フォトレジスト膜を形成する。具体的には、得られるレジスト膜が所定の膜厚となるように樹脂組成物溶液を塗布した後、プレベーク(PB)することにより塗膜中の溶剤を揮発させ、レジスト膜を形成する。
レジスト膜の厚みは特に限定されないが、0.1〜5μmであることが好ましく、0.1〜2μmであることが更に好ましい。
また、プレベークの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって異なるが、30〜200℃であることが好ましく、50〜150℃であることが更に好ましい。
なお、本発明の感放射線性樹脂組成物を用いたフォトレジストパターン形成においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、使用される基板上に有機系又は無機系の反射防止膜を形成してもよい(特公平6−12452号公報参照)。また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、フォトレジスト膜上に保護膜を設けてもよい(特開平5−188598号公報参照)。更に、前記液浸用保護膜をフォトレジスト膜上に設けてもよい。なお、これらの技術は併用することができる。
工程(2)では、工程(1)で形成されたフォトレジスト膜に(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)、放射線を照射し、露光させる。なお、この際には、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射する。
放射線としては、酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等から適宜選択して照射する。ArFエキシマレーザー(波長193nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)に代表される遠紫外線が好ましく、中でも、ArFエキシマレーザーが好ましい。
また、露光量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜設定する。本発明においては、露光後加熱処理(PEB)を行うことが好ましい。PEBにより、樹脂成分中の酸解離性基の解離反応が円滑に進行する。このPEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって異なるが、30〜200℃であることが好ましく、50〜170℃であることが更に好ましい。
工程(3)では、露光されたフォトレジスト膜を、現像液で現像することにより、所定のフォトレジストパターンを形成する。現像後は、水で洗浄し、乾燥することが一般的である。
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液が好ましい。アルカリ水溶液の濃度は、通常、10質量%以下である。10質量%を超えると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
また、現像液は、アルカリ水溶液に有機溶媒を加えたものであってもよい。有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
この有機溶媒の使用量は、アルカリ水溶液100体積部に対して、100体積部以下とすることが好ましい。有機溶媒の量が100体積部を超えると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。なお、現像液には、界面活性剤等を適量添加してもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[Mw、Mn、及びMw/Mn]:
Mw及びMnは、GPCカラム(商品名「G2000HXL」2本、商品名「G3000HXL」1本、商品名「G4000HXL」1本、いずれも東ソー社製)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。また、分散度「Mw/Mn」は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
13C−NMR分析]:
それぞれの重合体の13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(商品名:JNM−ECX400、日本電子社製)を使用し、測定した。
(重合体(A−1、A−2)の合成)
重合体(A−1)に相当する(A−1−1)〜(A−1−6)、重合体(A−2)に相当する(A−2−1)〜(A−2−9)は、各合成例において、下記の単量体(M−1)〜(M−16)を用いて合成した。単量体(M−1)〜(M−12)は繰り返し単位(1)に相当する単量体、単量体(M−13)〜(M−16)は繰り返し単位(2)に相当する単量体である。
Figure 2010276624
(合成例1:重合体(A−1−1))
単量体(M−1)14.35g(35モル%)、単量体(M−4)8.57g(15モル%)、単量体(M−11)27.08g(50モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、更に開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)2.00g(5モル%)を投入した単量体溶液を準備した。
次に、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコに50gの2−ブタノンを投入し、30分窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら80℃になるように加熱した。滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始時を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷により30℃以下に冷却した。冷却後、1000gのメタノールに投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を、200gのメタノールにてスラリー状態とし、2度洗浄した。その後再度、白色粉末をろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(39g、収率78%)。この共重合体を重合体(A−1)とした。
この共重合体は、Mwが7139であり、Mw/Mnが1.50であり、13C−NMR分析の結果、単量体(M−1)、単量体(M−4)及び単量体(M−11)に由来する各繰り返し単位の含有率は、33.3:11.6:55.1(モル%)であった。この共重合体における低分子量成分の残存割合は、0.05質量%であった。この測定結果を表1に示す。
Figure 2010276624
(合成例2〜15:重合体(A−1−2)〜(A−1−6)、(A−2−1)〜(A−2−9))
表1及び表2に示す配合処方とした以外は、合成例1と同様にして重合体(A−1−2)〜(A−1−6)、(A−2−1)〜(A−2−9)を合成した。
また、得られた重合体(A−1−2)〜(A−1−6)、(A−2−1)〜(A−2−9)についての、13C−NMR分析による各繰り返し単位の割合(モル%)、収率(%)、Mw、及び分散度(Mw/Mn)の測定結果を表1及び表2に示す。
Figure 2010276624
(感放射線性樹脂組成物の調製)
表3に、各実施例及び比較例にて調製された感放射線性樹脂組成物の組成を示す。また、上記合成例にて合成した重合体(A−1−1)〜(A−1−6)、(A−2−1)〜(A−2−9)以外の感放射線性樹脂組成物を構成する各成分(酸発生剤(B)、酸拡散抑制剤(C)及び溶剤(D))について以下に示す。
<酸発生剤(B)>
(B−1):1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、
(B−2):4−シクロヘキシルフェニル・ジフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、
(B−3):トリフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(B−4):トリフェニルスルホニウム・2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、
(B−5):トリフェニルスルホニウム・2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート。
<酸拡散抑制剤(C)>
(C−1):N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、
(C−2):R−(+)−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピペリジンメタノール、
(C−3):N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、
<溶剤(D)>
(D−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
(D−2):シクロヘキサノン、
(D−3):γ−ブチロラクトン。
Figure 2010276624
(実施例1)
重合体(A−2)として、合成例10で得られた重合体(A−2−4)100質量部、酸発生剤(B)として、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート(B−1)8.7質量部、酸拡散抑制剤(C)として、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン(C−1)0.45質量部を混合し、この混合物に、溶剤(D)として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(D−1)910質量部、シクロヘキサノン(D−2)390質量部及びγ−ブチロラクトン(D−3)30質量部を添加し、上記混合物を溶解させて混合溶液を得、得られた混合溶液を孔径0.20μmのフィルターでろ過して感放射線性樹脂組成物を調製した。表3に感放射線性樹脂組成物の配合処方を示す。
(実施例2〜10、比較例1〜11)
感放射線性樹脂組成物を調製する各成分の組成を表3に示すように変更したことを除いては、実施例1と同様にして、感放射線性樹脂組成物(実施例2〜10、比較例1〜11)を得た。
[評価方法]
得られた実施例1〜10、比較例1〜11の感放射線性樹脂組成物について、ArFエキシマレーザーを光源として、感度、孤立ライン深度、ハガレマージンについて評価を行った。評価結果を表4に示す。
(1)感度(単位:mJ/cm):
150℃50秒間HDMS処理を行った100nmSiOシリコンウエハーを用いた。この基板の表面に、実施例及び比較例の感放射線性樹脂組成物をスピンコートにより塗布し、ホットプレート上にて、表4に示す温度で60秒間SB(SoftBake)を行い、膜厚200nmのレジスト被膜を形成した。
このレジスト被膜を、フルフィールド縮小投影露光装置(商品名:S306C、ニコン社製、開口数0.78)を用い、マスクパターンを介して露光した。その後、表4に示す温度で60秒間PEBを行った後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(以下、「TMAH水溶液」と記す。)により、25℃で30秒現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。
このとき、寸法150nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅150nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量(mJ/cm)を最適露光量とし、この最適露光量(mJ/cm)を「感度」とした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(商品名:S9380、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。
(2)パターン形状:
前記最適露光量にて150nmL/300nmPのマスクパターンで解像されるパターンの方形状断面の下辺の寸法Laと上辺の寸法Lbを、前記走査型電子顕微鏡を用いて測定し、下記の基準により評価した。
極めて良好:0.90≦Lb/La≦1の条件を満足するもの、
良好:0.85≦Lb/La<0.90の条件を満足するもの、
不良:0.85≦Lb/La≦1の条件を満足しないもの。
(3)孤立ライン焦点深度(単位:μm)
前記最適露光量にて130nmL/1300nmPのマスクパターンで解像される110nmL/1300nmPパターン寸法が、99〜121nmS/1300nmPの範囲内となる場合のフォーカスの振れ幅を孤立ライン焦点深度とした。具体的には、孤立ライン焦点深度が0.20μm以上の場合「極めて良好」、0.15μm以上、0.20μm未満の場合「良好」、0.15μm未満の場合「不良」と評価した。なお、パターン寸法の観測には前記走査型電子顕微鏡を用いた。
(4)ハガレマージン(単位:%)
150℃10秒間HMDS処理を行った100nmSiOシリコンウエハーを用いた。この基板に実施例及び比較例の感放射線性樹脂組成物をスピンコートにより塗布し、ホットプレート上にて、表4に示す温度で60秒間SB(SoftBake)を行い、膜厚250nmのレジスト被膜を形成した。このレジスト被膜を、前記露光装置を用い、マスクパターンを介して露光した。その後、表4に示す温度で60秒間PEBを行った後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(以下、「TMAH水溶液」と記す。)により、25℃で45秒現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。
このとき、寸法220nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅220nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量(mJ/cm)を最適露光量とし、この最適露光量(mJ/cm)を 「Ecd」とした。また、1μm角のパターンが剥がれる最低露光量(mJ/cm)を「Epeel」とした。EpeelをEcdで割り、さらに100を掛けた値(Epeel/Ecd*100)をハガレマージン(%)とした。具体的には200%以上を「極めて良好」、100%以上200%未満を「良好」、100%未満を「不良」と評価した。なお、パターン寸法及びEpeelの評価には前記走査型電子顕微鏡を用いた。
Figure 2010276624
表4の結果より、本発明の感放射線性樹脂組成物は形状、孤立ライン焦点深度、ハガレマージンのすべてにおいて優れた性能を示すことが分かる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、特にイオンインプランテーション用リソグラフィー材料として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. (A)少なくとも下記一般式(1)で表される繰り返し単位および下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含み、全繰り返し単位中の下記一般式(2)で表される繰り返し単位の割合が、1モル%〜10モル%である重合体成分と、
    (B)感放射線性酸発生剤
    とを含有する感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2010276624
    (前記一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、Rは炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示す。Rは相互に独立して、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示すか、または2つのRが相互に結合して両者が結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成する。)
    Figure 2010276624
    (前記一般式(2)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、Aは単結合、炭素数が1〜30である2価の鎖状炭化水素基、炭素数が3〜30である2価の脂環式炭化水素基又は炭素数が6〜30である2価の芳香族炭化水素基を示し、Xは下記一般式(i)で表される構造を有する1価の基を示す。)
    Figure 2010276624
    (前記一般式(i)中、Rは相互に独立して、水素原子又は炭素数1〜5の鎖状炭化水素基を示し、mは1または2を示し、nは1または2を示す。)
  2. 重合体成分が、少なくとも上記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A−1)と、上記一般式(2)で表される繰り返し単位を含む重合体(A−2)とを含有する請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 重合体(A−2)が重合体(A−1)に対して1〜50質量%の割合で含まれている請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. さらに、(C)酸拡散抑制剤を含有する請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  5. イオンインプランテーション工程においてマスクとして用いるレジストパターンを形成するために用いられる請求項1〜4のいずれか一項に記載の感放射線性樹脂組成物。
JP2009115613A 2009-04-28 2009-05-12 感放射線性樹脂組成物 Pending JP2010276624A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009115613A JP2010276624A (ja) 2009-04-28 2009-05-12 感放射線性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009108836 2009-04-28
JP2009115613A JP2010276624A (ja) 2009-04-28 2009-05-12 感放射線性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010276624A true JP2010276624A (ja) 2010-12-09

Family

ID=43423687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009115613A Pending JP2010276624A (ja) 2009-04-28 2009-05-12 感放射線性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010276624A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012141613A (ja) * 2010-12-30 2012-07-26 Rohm & Haas Electronic Materials Llc フォトレジストおよびその使用方法
JP2013256658A (ja) * 2012-05-18 2013-12-26 Sumitomo Chemical Co Ltd 樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP2015148693A (ja) * 2014-02-05 2015-08-20 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、感放射線性酸発生剤及び化合物
JP2017044875A (ja) * 2015-08-26 2017-03-02 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物
US10126650B2 (en) 2015-06-26 2018-11-13 Sumitomo Chemical Company, Limited Resist composition
US10571805B2 (en) 2015-06-26 2020-02-25 Sumitomo Chemical Company, Limited Resist composition

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000336121A (ja) * 1998-11-02 2000-12-05 Shin Etsu Chem Co Ltd 新規なエステル化合物、高分子化合物、レジスト材料、及びパターン形成方法
JP2001022073A (ja) * 1999-07-12 2001-01-26 Mitsubishi Rayon Co Ltd レジスト用樹脂および化学増幅型レジスト組成物
WO2008117693A1 (ja) * 2007-03-28 2008-10-02 Jsr Corporation ポジ型感放射線性組成物およびそれを用いたレジストパターン形成方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000336121A (ja) * 1998-11-02 2000-12-05 Shin Etsu Chem Co Ltd 新規なエステル化合物、高分子化合物、レジスト材料、及びパターン形成方法
JP2001022073A (ja) * 1999-07-12 2001-01-26 Mitsubishi Rayon Co Ltd レジスト用樹脂および化学増幅型レジスト組成物
WO2008117693A1 (ja) * 2007-03-28 2008-10-02 Jsr Corporation ポジ型感放射線性組成物およびそれを用いたレジストパターン形成方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012141613A (ja) * 2010-12-30 2012-07-26 Rohm & Haas Electronic Materials Llc フォトレジストおよびその使用方法
JP2013256658A (ja) * 2012-05-18 2013-12-26 Sumitomo Chemical Co Ltd 樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP2015148693A (ja) * 2014-02-05 2015-08-20 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、感放射線性酸発生剤及び化合物
US10126650B2 (en) 2015-06-26 2018-11-13 Sumitomo Chemical Company, Limited Resist composition
US10571805B2 (en) 2015-06-26 2020-02-25 Sumitomo Chemical Company, Limited Resist composition
JP2017044875A (ja) * 2015-08-26 2017-03-02 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5141459B2 (ja) 感放射線性樹脂組成物
WO2010029965A1 (ja) 感放射線性樹脂組成物
JP2009134088A (ja) 感放射線性樹脂組成物
WO2009142181A1 (ja) 液浸露光用感放射線性樹脂組成物、重合体及びレジストパターン形成方法
JP5077355B2 (ja) 感放射線性組成物
JP2010282189A (ja) 感放射線性樹脂組成物
JP5621275B2 (ja) イオンプランテーション用フォトレジストパターン形成方法。
JPWO2010029982A1 (ja) 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法
JP5716397B2 (ja) 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及びフォトレジスト膜
JP2010276624A (ja) 感放射線性樹脂組成物
WO2010061875A1 (ja) 感放射線性樹脂組成物
JP2008138073A (ja) 感放射線性樹脂組成物用重合体、感放射線性樹脂組成物、及びレジストパターン形成方法
JP5304204B2 (ja) 重合体および感放射線性樹脂組成物
JP5333227B2 (ja) 感放射線性組成物、及びフォトレジストパターンの形成方法
JP2010126581A (ja) 重合体および感放射線性樹脂組成物
JP5176910B2 (ja) 感放射線性樹脂組成物
JP5568963B2 (ja) 重合体および感放射線性樹脂組成物
JP5176909B2 (ja) 重合体および感放射線性樹脂組成物
JP5299031B2 (ja) 感放射線性樹脂組成物
JP5347465B2 (ja) 感放射線性樹脂組成物
JP5077353B2 (ja) 感放射線性組成物
JP4848910B2 (ja) 感放射線性樹脂組成物用重合体、及び感放射線性樹脂組成物
JP5077354B2 (ja) 感放射線性組成物
JP5157932B2 (ja) 感放射線性樹脂組成物
JP4752794B2 (ja) 感放射線性樹脂組成物及び感放射線性樹脂組成物用重合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130730

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131203