JP5228289B2 - プリプレグおよび繊維強化複合材料 - Google Patents

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Description

本発明は、軽量であり、強度や弾性率などの機械特性および制振性が優れた繊維強化複合材料、およびそれを得るためプリプレグに関するものである。
ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維およびボロン繊維などの強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化複合材料は、軽量であり、強度や剛性等の機械特性が優れているため、航空宇宙用途、スポーツ用品用途および自動車用途などに広く用いられている。
中でも、特定方向に配向した連続強化繊維を含むプリプレグを積層し成形してなる連続繊維強化複合材料は、軽量性と機械特性のバランスに特に優れているため、上記用途等に好適に使用されている。
また、マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のいずれも用いることができるが、比較的低温での成形が可能でありながら、高い耐熱性を得られるという利点を有することから、熱硬化性樹脂を主成分とするマトリックス樹脂が多く用いられている。
一方、繊維強化複合材料は、軽量であるが故に吸音性を含めた振動吸収特性が不足しがちであり、近年の繊維強化複合材料の用途拡大につれて、制振性が重要な課題として顕在化してきている。
繊維強化複合材料に制振性を付与する場合、マトリックス樹脂に制振性樹脂のみを使用することは少なく、制振性と機械特性を両立させるため、通常は、制振機能は持たないものの機械特性に優れた樹脂を制振性樹脂と組み合わせてマトリックス樹脂として使用している。特に、連続繊維強化複合材料の場合は、マトリックス樹脂の異なる複数種のプリプレグを用いることにより、各層毎に異なったマトリックス樹脂設計が可能であるが、この場合、制振性と機械特性を両立させるために、成形過程において各層の間で樹脂の拡散や混合を起こすことなく、制振性樹脂を所定の層内もしくは層間に確実に配置することが重要である。
しかしながら現実には、プリプレグ製造時の強化繊維への樹脂含浸性を確保するため、樹脂粘度が低くなりがちであり、成形過程の層外への樹脂の拡散や混合を免れず、設計通りの制振性を得ることが極めて困難であった。例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂および/またはポリプロピレンポリエチレングリコールジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を強化繊維に含浸させたプリプレグが提案されている(特許文献1参照)。また、粘度が0.01〜100Pa・sの液状ゴムを強化繊維に含浸させたプリプレグが提案されている(特許文献2参照)。これら特許文献1または特許文献2のプリプレグのみを積層し成形した場合は、制振性が得られるが、そのプリプレグを制振機能はもたないものの機械特性に優れたマトリックス樹脂を含むプリプレグと組み合わせて積層し成形した場合には、各層間の樹脂拡散と混合が顕著に起こり、制振性と機械特性が共に不十分なものとなった。これに対して、制振層を事前に硬化させたものを、別のプリプレグと積層し成形することにより各層間の樹脂拡散と混合を回避することが提案されているが(特許文献3参照。)、この提案の場合、工程数が増える上に、制振層の柔軟性が失われ積層作業性が悪化し、さらに繊維強化複合材料として使用した場合に層間の剥離が起こることがあった。
加えて、制振性樹脂の強化繊維への含浸性を確保するために、室温での樹脂粘度が低くなりすぎ、プリプレグの形状保持性が悪化したり、タック過多になる等、取扱い性についての課題が多かった。
また、強化繊維を含まない制振樹脂層を繊維強化層の間に導入することによっても、制振性を付与することができるが、この場合も上記の場合と同様に、各層間の樹脂拡散と混合が問題となる。これに対し、ポリノルボルネンなどを含む熱可塑性樹脂組成物を振動減衰層として強化繊維層間に導入することにより、十分な制振性が得られているが(特許文献4参照。)、この場合、振動減衰層となるシートに粘着性がないため、プリプレグとの積層作業性が悪く、また、プリプレグ中の熱硬化性樹脂と共有結合を形成する官能基を持たないため、繊維強化複合材料として使用した場合に層間の剥離を起こることがあった。
このように、機械特性と制振性を高いレベルで兼ね備えた繊維強化複合材料、およびそれを得るための熱硬化性樹脂組成物、および品位と取扱い性に優れたプリプレグはこれまで存在しなかった。
特開平9−268221号公報 特開2000−309655号公報 特開平5−123428号公報 特開2002−78834号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の背景に鑑み、繊維強化複合材料の軽量性を犠牲にすることなく、制振性を向上させることができる熱硬化性樹脂組成物を用いたプリプレグを提供せんとするものである。
本発明者らは、マトリックス樹脂として、特定の熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を所定配合量で組み合わせることにより、制振性、機械特性、プリプレグ品位および取扱い性の課題を一挙に解決できることを見出し本発明に想到した。
本発明は、上記課題を解決するため、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明のプリプレグは、熱硬化性樹脂、硬化剤、および該熱硬化性樹脂に可溶なガラス転移温度が−80〜10℃の範囲内にある、該エポキシ樹脂100重量部に対し20〜400重量部のウレタン系エラストマーを含んでなり、その樹脂硬化物の理論架橋点間分子量αが400〜3000g/molの範囲内である熱硬化性樹脂組成物と強化繊維を含んでなるプリプレグである。なお、本発明では熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる(すなわち、本発明の熱硬化性樹脂組成物はエポキシ樹脂組成物である)ことを特徴とする
本発明の熱硬化性樹脂組成物の好ましい態様によれば、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、100℃の温度における粘度が70℃の温度における粘度の2〜7倍の範囲内であり、25℃の温度における粘度は10〜2x10Pa・sの囲内であり、かつ70℃の温度における粘度は0.1〜2x10Pa・sの範囲内である。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物の好ましい態様によれば、前記の熱硬化性樹脂の官能基当量は400〜1000の範囲内にある。
また、本発明の繊維強化複合材料は、エポキシ樹脂、硬化剤、および該エポキシ樹脂に可溶なガラス転移温度が−80〜10℃の範囲内にある、該エポキシ樹脂100重量部に対し20〜400重量部のウレタン系エラストマーを含んでなり、その樹脂硬化物の理論架橋点間分子量αが400〜3000g/molの範囲内であるエポキシ樹脂組成物を硬化して得られた樹脂硬化物と強化繊維を含んでなるものである。
本発明によれば、繊維強化複合材料の軽量性を犠牲にすることなく、制振性を向上させることができる熱硬化性樹脂組成物が得られ、この熱硬化性樹脂組成物をマトリックス樹脂として用いることにより、軽量であり、強度や弾性率などの機械特性が優れ、かつ、制振性を有しており、航空宇宙用途、スポーツ用品用途および自動車用途などに有用な繊維強化複合材料が得られる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、基本的成分として、熱硬化性樹脂とその熱硬化性樹脂に可溶な熱可塑性樹脂を含んで構成されている。
本発明で用いられる熱硬化性樹脂は、反応により架橋構造を形成し、硬化する樹脂のことを指す。このような熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂などが挙げられるが、中でも、耐熱性、機械特性および強化繊維との接着性の観点から、本発明では熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂主成分として用いられることが好ましい。ここで、主成分とは、エポキシ樹脂組成物における全樹脂成分中の60重量%以上を占めることを指し、80重量%以上占めることが好ましい。
本発明で好適に用いられるエポキシ樹脂としては、例えば、ポリオールから誘導されるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、複数活性水素を有するアミンから誘導されるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸から誘導されるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、および分子内に複数の2重結合を有する化合物を酸化して得られるエポキシ樹脂などが挙げられる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサヒドロビスフェノールA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、レゾルシノール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、1,6−ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンおよびひまし油などのポリオールとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエーテルが好適に用いられる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、アニリン、トルイジンおよび9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンなどをエピクロロヒドリンと反応させて得られるグリシジルアミンが好適に用いられる。
さらに、m−アミノフェノール、p−アミノフェノールおよび4−アミノ−3−メチルフェノールなどのアミノフェノール類の水酸基とアミノ基の両方をエピクロロヒドリンと反応させて得られるエポキシ樹脂も好適に用いられる。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸およびダイマー酸などをエピクロロヒドリンと反応させて得られるグリシジルエステルが好適に用いられる。
分子内に複数の2重結合を有する化合物を酸化して得られるエポキシ樹脂としては、例えば、分子内にエポキシシクロヘキサン環を有するエポキシ樹脂が挙げられる。さらにこのエポキシ樹脂としては、エポキシ化大豆油等も挙げられる。
これらのエポキシ樹脂以外にも、トリグリシジルイソシアヌレートのようなエポキシ樹脂などが好適に用いられる。
さらに上記のエポキシ樹脂を原料として合成されるエポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリレンジイソシアネートからオキサゾリドン環生成反応により合成されるエポキシ樹脂なども好適に用いられる。
本発明で用いられるマトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂は硬化剤と組み合わせて用いられる。硬化剤としては、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応する活性基を有する化合物であれば良く、具体的には、ポリアミン、酸無水物、フェノール類およびメルカプタンなどが挙げられる。また、エポキシ樹脂の単独重合の開始剤である、3級アミンやイミダゾール類などの塩基性化合物、あるいは3フッ化ホウ素のアミン錯体などの酸性化合物などを用いることもできる。
発明における熱可塑性樹脂は、前記の熱硬化性樹脂に可溶であることが必要である。さもないと、強化繊維への樹脂含浸性能の低下に加え、樹脂硬化物のtanδが低下することにより繊維強化複合材料の制振性悪化を招くことになる。ここでいう可溶であるとは、加熱等により相溶し、少なくとも目視で分離のない均一な状態が得られることを指す。tanδとは、詳細については後述するが、負荷応力が熱エネルギーとして散逸、損失される度合いを表し、制振性の指標となるものである。
また、本発明における熱可塑性樹脂は、前記の熱硬化性樹脂100重量部に対し、20〜400重量部配合する必要があり、好ましくは30〜300重量部、さらに好ましくは40〜200重量部配合する。熱可塑性樹脂の配合量が20重量部に満たない場合、プリプレグの取り扱い性が悪くなるとともに、繊維強化複合材料の成形時、所定の層外への樹脂拡散が起こり、制振性と機械特性のバランスが悪いものとなる。一方、熱可塑性樹脂の配合量が400重量部を超える場合、強化繊維への樹脂含浸性が悪くなるとともに、得られる繊維強化複合材料の熱変形やクリープ変形が問題となる。
また、熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、2千〜50万の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは5千〜30万の範囲内であり、さらに好ましくは1万〜20万の範囲内にあることが望ましい。重量平均分子量が2千に満たない場合、繊維強化複合材料の成形時、所定の層外への樹脂拡散が起こり、制振性と機械特性のバランスが悪いものとなる場合がある一方で、重量平均分子量が50万を超える場合、強化繊維への樹脂含浸性が悪化する場合がある。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー等の従来公知の方法で求めることができる。
本発明における熱可塑性樹脂、ガラス転移温度が−80〜10℃の範囲内にある熱可塑性エラストマーが用いられ、ガラス転移温度が−50〜0℃の範囲内にある熱可塑性エラストマーがより好適に用いられる。ガラス転移温度が−80℃に満たない場合、熱硬化性樹脂との相溶性が不十分となる場合がある一方で、ガラス転移温度が10℃を超える場合、制振性が不十分となる場合がある。ここで、ガラス転移温度の測定方法は、動的粘弾性測定装置を使用したDMAに基づくものとする。詳細には、サンプル厚み2.0mm、幅10.0mm、スパン長40mmとし、ねじり振動周波数1.0Hz、発生トルク3〜200gf・cm、昇温速度5.0℃/分の条件下でDMA測定を行い、貯蔵弾性率(G’)−温度のグラフにおいてガラス領域の接線とガラス転移領域の接線との交点における温度をガラス転移温度として算出するものとする。
熱可塑性エラストマーの化学構造は、一般的にはゴム状の柔軟性をもたらすソフトセグメントと疑似架橋構造を形成するハードセグメントとを有する共重合体である。本発明では、熱可塑性エラストマーとして、相溶性と接着性の点に優れるウレタン系エラストマーを用いる
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、それを硬化させ樹脂硬化物にしたときの理論架橋点間分子量αが、400〜3000g/molの範囲内であることが必要であり、500〜3000g/molの範囲内であることが好ましく、さらには、600〜1600g/molの範囲内であることが好ましい。上記の理論架橋点間分子量αは、機械特性や耐熱性が重視される一般的なマトリックス樹脂と比べると、かなり低架橋密度な領域である。これにより、樹脂硬化物のtanδが十分に大きくなり、得られた繊維強化複合材料において十分な制振性が得られるようになる。理論架橋点間分子量αが400g/molより小さい場合、熱硬化性樹脂組成物を硬化させた樹脂硬化物の架橋密度が大きくなりすぎるため、熱硬化性樹脂組成物を硬化させた樹脂硬化物のtanδが小さくなり、得られる繊維強化複合材料の制振性が不十分となる。一方、理論架橋点間分子量αが3000g/molを超える場合、得られる繊維強化複合材料の熱変形やクリープ変形が問題となる。
ここで、理論架橋点間分子量αとは、全樹脂硬化物の重量を全樹脂硬化物が持つ架橋点の数cで除した値であり、樹脂硬化物の架橋密度と反比例の関係にある。樹脂のゴム状態弾性率、すなわちゴム状態における貯蔵弾性率は、架橋密度と概ね比例関係があることから、理論架橋点間分子量αは、樹脂概ね負の相関があり、また、tanδピーク値と概ね正の相関があることが判った。
次に、理論架橋点間分子量αの求め方を、エポキシ樹脂組成物を例にして説明する。
まず、エポキシ樹脂組成物中に、k種(kは整数)のエポキシ樹脂成分が含まれる場合、このうちi番目(iは1〜kの整数)のエポキシ樹脂成分の配合量をa(単位:g)とする。また、エポキシ樹脂組成物中に、l種(lは整数)の硬化剤成分が含まれる場合、このうちj番目(jは1〜lの整数)の硬化剤の配合量をb(単位:g)とすると、全樹脂硬化物の重量W(単位:g)は、次式(1)で求められる。
Figure 0005228289
i番目のエポキシ樹脂成分のエポキシ当量をE(単位:g/mol)とし、i番目のエポキシ樹脂成分1分子が持つエポキシ基の数をxとする。また、j番目の硬化剤成分の活性水素当量をH(単位:g/mol)とし、j番目の硬化剤成分1分子が持つ活性水素の数をyとする。全樹脂硬化物に含まれる架橋点の数c(単位:mol)は、エポキシ樹脂と硬化剤との配合比が、化学量論量の場合、硬化剤が過剰の場合、および、エポキシ樹脂が過剰の場合で求め方が異なる。どの求め方を採用するかは、次式(2)により求められる、エポキシ樹脂と硬化剤との配合比を表す配合比指数βにより決定する。
Figure 0005228289
ここで、β=1の場合は、エポキシ樹脂と硬化剤との配合比が化学量論量であり、架橋点の数cは次式(3)により求められる。この架橋点の数cは、反応し得る全てのエポキシ基と全ての硬化剤の活性水素とが反応することによって生じる架橋点の数を表す。
Figure 0005228289
また、β>1の場合は、硬化剤が化学量論量よりも過剰であり、架橋点の数cは次式(4)により求められる。
Figure 0005228289
また、β<1の場合は、エポキシ樹脂が化学量論量よりも過剰であり、架橋点の数cは次式(5)により求められる。
Figure 0005228289
ここで、E×xおよびH×yは、それぞれi番目のエポキシ樹脂成分の平均分子量およびj番目の硬化剤成分の平均分子量を表す。また、(x−2)は、i番目のエポキシ樹脂成分1分子中の全てのエポキシ基が硬化剤の活性水素と反応し、架橋構造に取り込まれることによって生じる架橋点の数を表す。また、(y−2)は、j番目の硬化剤1分子中の全ての活性水素がエポキシ基と反応し、架橋構造に取り込まれることによって生じる架橋点の数を表す。例えば、i番目のエポキシ樹脂成分が4官能エポキシ樹脂の場合、1分子は4個のエポキシ基を持ち、生じる架橋点の数は4−2の2個となる。また、j番目の硬化剤成分が1分子当たり2個の活性水素を持つ場合、生じる架橋点の数は2−2の0個となる。なお、ジシアンジアミドは7官能とし、生じる架橋点の数は7−2の5個であるとして扱う。
上述した式により求められた全樹脂硬化物の重量Wと架橋点の数cを用い、架橋点間分子量αは次式(6)により求められる。
Figure 0005228289
ここで、例として、エポキシ樹脂1(エポキシ基:3個、エポキシ当量:98g/eq)90g、エポキシ樹脂2(エポキシ基:2個、エポキシ当量:135g/eq)10g、および硬化剤1(活性水素:4個、活性水素当量:45g/eq)44.7gからなるエポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物について、理論架橋点間分子量αを求めてみる。まず、全樹脂硬化物の重量Wは、上記の式(1)から144.7gである。また、上記の式(2)から求められるβは1なので、全樹脂硬化物が有する架橋点の数cは上記の式(3)により、0.803molと求められる。したがって、樹脂硬化物の理論架橋点間分子量αは上記の式(6)により、180g/molと求められる。
本発明において、熱硬化性樹脂の官能基当量は、400〜1000g/molの範囲内であることが好ましく、より好ましくは500〜800g/molの範囲内である。官能基当量が300g/molより小さい場合、例え熱可塑性樹脂を多く配合したとしても、局所的には架橋点間分子量の小さい部位が生じるため、熱硬化性樹脂組成物の硬化物のtanδピーク値が不足する場合がある。一方、官能基当量が1000g/molよりも大きい場合、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の架橋密度が小さくなりすぎるため、得られる繊維強化複合材料の熱変形やクリープ変形が問題となる場合がある。
ここで、熱硬化性樹脂の官能基当量とは、硬化可能な官能基1molあたりの当量であり、熱硬化性樹脂の平均分子量を1分子中の硬化可能な官能基の数で除して求められる。エポキシ樹脂における官能基当量は、エポキシ当量に相当し、エポキシ樹脂の平均分子量を1分子中のエポキシ基の数で除して求められる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、後述する昇温粘度カーブ測定にて、70℃の温度での粘度が100℃の温度における粘度の2〜7倍の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは3〜6倍の範囲内にあり、さらに好ましくは、3〜5.5倍の範囲内にあることが望ましい。上記の粘度の倍率が2倍に満たない場合、樹脂の含浸性が悪化する場合がある一方で、上記の粘度の倍率が7倍を超える場合、繊維強化複合材料の成形時、所定の層外への樹脂拡散が起こり、制振性と機械特性のバランスが悪いものとなる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、後述する昇温粘度カーブ測定にて、25℃の温度における粘度が10〜2×10Pa・sで、かつ70℃の温度における粘度が0.1〜2×10Pa・sであることが好ましく、より好ましくは25℃の温度における粘度が10〜2×10Pa・sで、かつ70℃の温度における粘度が0.1〜2×10Pa・sである。25℃の温度における粘度が10Pa・sに満たない場合、プリプレグがタック過多となり取扱い性が悪化する場合がある一方で、25℃の温度における粘度が2×10Pa・sを超える場合、プリプレグの柔軟性が不足しやはり取扱い性が悪化する場合がある。また、70℃の温度における粘度が0.1Pa・sに満たない場合、繊維強化複合材料の成形時、所定の層外への樹脂拡散が起こり、制振性と機械特性のバランスが悪いものとなる場合がある一方で、70℃の温度における粘度が2×10Pa・sを超える場合、樹脂含浸性が悪化する場合がある。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、トルエンおよびキシレン等の溶媒を実質的に含まないことが好ましい。これらの溶媒が熱硬化性樹脂組成物に含まれると、繊維強化複合材料にボイドが生じ、繊維強化複合材料の強度が大幅に低下する場合がある。ここで、溶媒を実質的に含まないとは、全熱硬化性樹脂組成物中における溶媒が占める割合が1wt%以下、好ましくは0.5wt%以下であることを指す。また、全熱硬化性樹脂組成物中における溶媒が占める割合は、次に示す方法で測定することができる。すなわち、直径が5cmのアルミニウム製カップに、厚みが1mmになるように熱硬化性樹脂組成物を流し込む。次に、100℃の温度にセットしたオーブン中に30分間放置する。オーブンに放置前の熱硬化性樹脂組成物の重量に対する、オーブン中に放置したときの重量の減少量との比から、熱硬化性樹脂組成物中における溶媒が占める割合を算出する。
本発明の熱硬化性樹脂硬化物に、充填剤、顔料および染料等の各種添加剤を配合しても構わない。また、樹脂硬化物のtanδピーク値を増大するために、特許第3318593号公報に記載のベンゾトリアゾール基をもつ化合物やジフェニルアクリレート基をもつ化合物等、従来公知の極性成分を配合することができる。
本発明の樹脂硬化物は、本発明の熱硬化性樹脂組成物を加熱により硬化させてなるものである。加熱硬化条件は特に限定されず、硬化反応性に合わせて設定するものであるが、例えば、エポキシ樹脂に、硬化剤としてジシアンジアミドを、硬化促進剤としてジクロロフェニルジメチルウレアを組み合わせた熱硬化性樹脂組成物の場合、硬化温度は130℃程度に、硬化時間は2時間程度に設定すべきである。
かかる樹脂硬化物のtanδは、温度−50℃〜100℃の間でピーク値が1〜5の範囲内にある大きさのピークを有することが好ましく、さらにはピーク値が1.5〜4の範囲内にある大きさのピークを有することが好ましい。樹脂硬化物のtanδは、次のような条件によるDMA試験より算出することができる。サンプル幅10mm、厚み2mm、スパン間長さ30mmとし、ねじり負荷モードにて、測定周波数1Hz、初期歪み量0.1%、昇温速度5℃/分にて温度−60℃から150℃まで昇温測定を行う。温度−50℃〜100℃の範囲内にピークを有することで、材料が曝される環境温度と振動周波数において制振性を発揮できる。上記のピーク値が1に満たない場合、得られた繊維強化複合材料の制振性が不十分となる場合がある一方で、ピーク値が5を超える場合、得られた繊維強化複合材料の熱変形やクリープ変形が問題となる場合がある。
本発明の樹脂硬化物のゴム状態弾性率は、0.1〜10MPaの範囲にあることが好ましく、さらには0.2〜5MPaの範囲にあることが好ましい。ゴム状態弾性率は、tanδ同様の条件によるDMA試験より測定する。ゴム状態弾性率が0.1MPaに満たない場合、得られた繊維強化複合材料の圧縮強度等の機械特性が不十分となる場合がある一方で、ゴム状態弾性率が10MPaを超える場合、熱硬化性樹脂硬化物のtanδが小さくなり、得られた繊維強化複合材料の制振性が不十分となる場合がある。
本発明における強化繊維としては、種々の繊維を用いることができるが、高強度の繊維強化複合材料が得られることから、強化繊維の引張強度が1500MPa以上であることが好ましく、3500MPa以上であることがより好ましく、さらには4500MPa以上であることが好ましい。また、高弾性率の繊維強化複合材料が得られることから、強化繊維の引張弾性率が100GPa以上であることが好ましく、200GPa以上であることがより好ましく、さらには250GPa以上であることが好ましい。強化繊維の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維およびボロン繊維などが挙げられる。中でも、軽量でありながら、高強度かつ高弾性率であるという優れた特性を有することから、炭素繊維が好ましく用いられる。
本発明における強化繊維としては、短繊維および長繊維のいずれも用いることができる。機械特性を重視する場合には、強度と弾性率が優れた繊維強化複合材料が得られることから、10cm以上の長さの強化繊維を用いることが好ましい。一方、成形性を重視する場合には、10cm以下の長さの強化繊維を用いることが好ましい。
また、本発明において強化繊維の含有率は、繊維体積含有率が30〜80%の範囲内であることが好ましく、繊維体積含有率はより好ましくは40〜80%の範囲内である。強化繊維として、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維およびボロン繊維などの高弾性率繊維を用いる場合、繊維強化複合材料の繊維方向の弾性率は、強化繊維自体の弾性率と強化繊維の含有率との積に概ね比例することが知られている。そのため、繊維体積含有率が40%未満であると、得られる繊維強化複合材料の弾性率が不足する場合がある。一方、繊維体積含有率が80%より大きいと、強化繊維同士が接触し擦過することにより強度が低下する場合がある。ここでの繊維体積含有率は、ASTM D 3171−99に準拠して求める。
本発明におけるプリプレグとは、熱硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸したシート状の中間基材のことを意味する。本発明のプリプレグに用いられる強化繊維の形態としては、強化繊維を一方向に並べた形態、織物形態、編物形態であっても良いし、不織布やマットなどの強化繊維がランダムに配置された形態でも良い。なかでも、高強度で高弾性率の繊維強化複合材料が得られることから、強化繊維を一方向に並べた形態を有することが好ましい。
本発明のプリプレグにおける単位面積当たりの繊維重量は、40〜250g/mであることが好ましく、より好ましくは50〜200g/mである。単位面積あたりの繊維重量が40g/mより小さいと、プリプレグの形状保持性が低下し取り扱いにくくなる場合がある。また、単位面積あたりの繊維重量が250g/mより大きいと、プリプレグ内部の繊維アライメントが乱れやすく、高性能な繊維強化複合材料が得られない場合がある。
次に、本発明の繊維強化複合材料の製造法について説明する。本発明のプリプレグを用いて繊維強化複合材料を製造する場合、例えば、下記の要領で行われる。
プリプレグを裁断して得られたパターンを積層後、積層物に圧力を付与しながら、熱硬化性樹脂を加熱硬化することにより、繊維強化複合材料を得る。熱と圧力を付与する方法としては、プレス成形、オートクレーブ成形、真空圧成形、シートワインディング法および内圧成形法が好ましく用いられる。
また、プリプレグを用いずに繊維強化複合材料を製造する場合、従来知られている繊維強化複合材料のいずれの製造法をも用いることができる。例えば、シート・モールディング・コンパウンド(SMC)を用いる場合、次のような手順で製造することができる。まず、プレス装置にSMCを積層する。次に、加熱および加圧しながら硬化させ、繊維強化複合材料を製造する。
例えば、レジン・トランスファー・モールディング(RTM)法を用いる場合、次のような手順で製造することができる。まず、型内に織物形態、編み物形態などの強化繊維を配置する。型を閉じ、液状の熱硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸させた後、硬化させ、繊維強化複合材料を製造する。
本発明の繊維強化複合材料は、マトリックス樹脂の一部もしくは全部が、エポキシ樹脂、硬化剤、および該エポキシ樹脂に可溶なガラス転移温度が−80〜10℃の範囲内にある、該エポキシ樹脂100重量部に対し20〜400重量部のウレタン系エラストマーを含んでなり、その樹脂硬化物の理論架橋点間分子量αが400〜3000g/molの範囲内であるエポキシ樹脂組成物を硬化して得られた樹脂硬化物からなる、該樹脂硬化物と強化繊維を含んでなる繊維強化複合材料である。ここで、一部もしくは全部とは、全マトリックス樹脂中の5重量%以上をかかる熱硬化性樹脂組成物が占めることを指す。また、全マトリックス樹脂中の15重量%以上をかかる熱硬化性樹脂組成物が占めることが好ましい。また、繊維強化複合材料において、かかる熱硬化性樹脂組成物の配置の仕方に特に制限はないが、繊維強複合材料の厚さ方向の特定箇所に集中して配置する方法、あるいは、面方向の特定箇所に集中して配置する方法が可能である。
本発明の繊維強化複合材料は、部材の軽量化が可能であるために、繊維方向の圧縮強度、すなわち、0°圧縮強度が、強化繊維の体積含有率60%において800MPa以上であることが好ましく、1000MPa以上であることがより好ましく、さらには1200MPa以上であることが好ましい。ここで、0°圧縮強度は、JISK 7076(1999年)に従い測定するものとし、詳細は後述する。
本発明の繊維強化複合材料は、軽量であり、強度や弾性率などの機械特性が優れ、かつ、制振性が優れるため、航空機宇宙用途、スポーツ用品用途および自動車用途などに広く用いることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。実施例および比較例で用いた材料は下記のとおりである。なお、実施例5、10はそれぞれ参考例1、2としている。
[強化繊維]
本発明の強化繊維には、下記の炭素繊維を用いた。
・炭素繊維“トレカ”T800H:
登録商標、東レ(株)製、フィラメント数12,000本、引張強度5490MPa、 引張弾性率294GPa。
[熱硬化性樹脂組成物]
本発明の熱硬化性樹脂組成物の成分として、下記の樹脂成分、硬化剤、硬化促進剤および熱可塑性樹脂を用いた。
(樹脂成分)
・“デナコール”EX−841:
登録商標、ナガセケムテックス(株)製、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量372g/mol
・“エピコート”828:
登録商標、ジャパンエポキシレジン(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量189g/mol
・“エピコート”4004P:
登録商標、ジャパンエポキシレジン(株)製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量800g/mol
(硬化剤)
・Dicy7 :
品番、ジャパンエポキシレジン(株)製、ジシアンジアミド
(硬化促進剤)
・DCMU99:
品番、保土谷化学(株)製、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア
(熱可塑性樹脂)
・“パンデックス”T5205:
登録商標、大日本インキ工業(株)製、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ガラス転移温度−30℃、重量平均分子量2万〜5万
・“パンデックス”T5220L:
登録商標、大日本インキ工業(株)製、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ガラス転移温度−25℃、重量平均分子量5千〜2万
・“パンデックス”T5102S:
登録商標、大日本インキ工業(株)製、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ガラス転移温度0℃、重量平均分子量1万〜3万
・“フェノトート”YD−70:
登録商標、東都化成(株)製、ビスフェノール型フェノキシ樹脂、ガラス転移温度70℃、重量平均分子量5万〜6万。
次に、熱硬化性樹脂組成物の調製、熱硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物(硬化板)の作製、繊維強化複合材料の製造、および各種物性の測定法を示す。
1.熱硬化性樹脂組成物の調製
表1と表2に示す配合比で、プリプレグ用樹脂組成物を、次の手順で調製した。各成分の混合にはニーダーを用いた。表中の数値は、重量部を示す。
(1)熱硬化性樹脂をニーダーに投入し、100℃の温度で30分間混合した。
(2)熱可塑性樹脂をニーダーに投入し、170℃の温度まで昇温後、170℃の温度で60分間混合した。
(3)60℃の温度まで降温後、硬化剤と硬化促進剤をニーダーに投入し、60℃の温度で30分間混合した。
2.熱硬化性樹脂組成物の粘度測定
動的粘弾性測定装置を使用し、半径20mmの平行平板を用い、平行平板間の距離1.0mm、測定周波数0.5Hz、発生トルク3〜200gf・cm、昇温速度3℃/分の条件下で、25〜100℃の温度範囲で熱硬化性樹脂組成物の粘弾性測定を行い、25℃、70℃および100℃の各温度における複素粘性率を読み取り、各温度での粘度とした。動的粘弾性測定装置として、ティー・エイ・インスツルメント社製動的粘弾性測定装置ARESを用いた。
3.熱硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物の作製
次の手順で熱硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物(硬化板)を作製した。
(1)熱硬化性樹脂組成物を80℃の温度に加熱し、真空ポンプを直結したセパラブルフラスコ内で約20分間脱泡した。
(2)12cm×20cm×2mm(厚み)のキャビティーを有するモールドに熱硬化性樹脂組成物を流し込んだ。
(3)モールドをオーブン内にセットし、135℃の温度で2時間加熱して硬化させた。
(4)冷却後、モールドから取り外し熱硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物を得た。
4.熱硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物のtanδおよびゴム状態弾性率の測定
動的粘弾性測定装置を使用し、サンプル厚み2.0mm、幅10.0mm、スパン長40mmとし、ねじり振動周波数1.0Hz、発生トルク3〜200gf・cm、昇温速度5.0℃/分の条件下で、−60〜150℃の温度範囲でDMA測定を行い、温度−50〜100℃のtanδ、ガラス転移温度およびゴム状態弾性率を読み取った。ここで、ガラス転移温度とは、貯蔵弾性率(G’)−温度のグラフにおいてガラス領域の接線とガラス転移領域の接線との交点における温度と定義する。また、ゴム状態弾性率とは、ガラス転移温度を50℃上回る温度での貯蔵弾性率と定義する。動的粘弾性測定装置として、ティー・エイ・インスツルメント社製動的粘弾性測定装置ARESを用いた。
5.プリプレグと繊維強化複合材料の作製
熱硬化性樹脂組成物を、リバースロールコーターを用いて離型紙上に塗布して樹脂フィルムを作製した。一方向に引き揃えた強化繊維の両側面に樹脂フィルムを重ね、加熱加圧(温度130℃、圧力0.4MPa)することにより、熱硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸させ、プリプレグを作製した。プリプレグの単位面積当たりの繊維重量を125g/mとし、繊維体積含有率を65%とした。
次に、一辺30cmの正方形となるようにカットしたプリプレグを、繊維長さ方向、すなわち0°方向に10ply積層し、ステンレス製ツール板上でナイロンフィルムを用いてバギングした後、オートクレーブを用いて加熱加圧(温度135℃、圧力0.6MPa、2時間)することにより、熱硬化性樹脂組成物を硬化させ、0°圧縮試験および制振性試験用の繊維強化複合材料を作製した。
6.繊維強化複合材料の0°圧縮試験
上記5.の方法で得られた繊維強化複合材料から、幅12.7mm、長さ90mm、タブ間距離5mmの試験片を、0°方向と長さ方向が同じになるように作製し、クロスヘッドスピードを1.0mm/分、測定温度を25℃または70℃として、JISK 7076(1999年)に準拠して0°圧縮強度を測定した。試験片の厚み、繊維目付、繊維密度および積層プライ数から繊維体積含有率(Vf)を算出し、得られた0°圧縮強度を強化繊維の体積含有率60%のときの値に換算した。測定装置には、インストロン社製の4208型万能試験機を用いた。
7.繊維強化複合材料の制振性試験
上記5.の方法で得られた繊維強化複合材料から、幅10mm、長さ180mmの試験片を、0°方向と長さ方向が同じになるように作製し、JIS G0602(2001年)に従い、中央支持定常加振法により評価した。測定周波数を230Hz、測定温度を25℃または70℃として、損失係数を測定した。ここで用いた装置の構成については、エミック(株)製512−D電磁型加振器に小野測器(株)製CF−5200FFTアナライザーで加振信号を供給し、B&K8001型高感度インピーダンスヘッドで加速度ピックアップを行うものとした。
(実施例1)
表1に示すように、熱硬化性樹脂の主剤成分として、架橋点間分子量の大きなエポキシ樹脂である“デナコール”EX−841と“エピコート”4004Pをそれぞれ38重量部と57重量部配合し、熱可塑性樹脂として“パンデックス”T5205を40重量部配合し、それに硬化剤と硬化促進剤を配合した熱硬化性樹脂組成物を調製し、各種測定を行った。理論架橋点間分子量は1130g/molであり、適度に大きいものであったため、熱硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物のtanδのピーク値は1.7と十分に大きく、コンポジットとした際に優れた制振性が得られると予想される。また、25℃の温度での粘度は40000Pa・sと適度に大きな粘度が得られた結果、取扱い性良好なプリプレグが得られた。70℃の温度での粘度は10Pa・sと十分に小さい粘度となった結果、含浸性の優れた品位良好なプリプレグが得られた。結果を表1に示す。
(実施例2)
表1に示すように、熱可塑性樹脂を40重量部から20重量部に減量したこと以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。25℃の温度での粘度および70℃の温度の粘度とも好ましい範囲内であり、プリプレグ品位と取扱い性に問題はなかった。結果を表1に示す。
(実施例3)
表1に示すように、熱可塑性樹脂として“パンデックス”T5205に代えて“パンデックス”T5102Sを用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。熱硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物のtanδのピーク値は1.4とやや低下したが、問題ないレベルであった。また、25℃の温度での粘度および70℃の温度の粘度とも好ましい範囲内であり、プリプレグ品位と取扱い性に問題はなかった。結果を表1に示す。
(実施例4)
表1に示すように、熱硬化性樹脂の主剤成分として、エポキシ基間が短いエポキシ樹脂である“エピコート”828を91重量部含み、熱可塑性樹脂として“パンデックス”T5220Lを150重量部含むこと以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。理論架橋点間分子量は723g/molと好ましい範囲内であるが、平均エポキシ当量が189と好ましい範囲を大きく下回るため、tanδピーク値は1.1とやや小さいものとなった。また、25℃の温度での粘度は好ましい範囲内であり、プリプレグの取扱い性は良好であったが、70℃の温度での粘度が好ましい範囲を上回るため、含浸性がやや悪化した。結果を表1に示す。
参考例1
表1に示すように、“エピコート”828を28重量部含み、“デナコール”EX−841と“エピコート”4004Pをそれぞれ28重量部と38重量部含み、熱可塑性樹脂として“フェノトート”YD−70を30重量部含むこと以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。理論架橋点間分子量は670g/molと好ましい範囲内であり、tanδピーク値は1.3と問題ないレベルであった。また、tanδピーク温度が55℃と高く、実施例1〜3との対比では、より高温あるいは低周波数領域で制振性を発現すると予想される。また、25℃の温度での粘度は好ましい範囲を下回った結果、プリプレグのタックが過多となったが、取扱い性は許容レベルと言える。また、70℃の温度での粘度が好ましい範囲を上回るため、含浸性がやや悪化した。結果を表1に示す。
(比較例1)
表1に示すように、熱硬化性樹脂の主剤成分として“デナコール”EX−841と“エピコート”4004Pをそれぞれ57重量部と38重量部配合し、熱可塑性樹脂を含まない熱硬化性樹脂組成物を調製し、各種測定を行った。理論架橋点間分子量は699g/molであり適度に大きいものであるため、熱硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物のtanδのピーク値は1.4と比較的大きかった。ただし、熱可塑性樹脂を含まないことから、25℃の温度での粘度は70Pa・sと適正範囲を大きく下回っており、形状保持性が極めて悪いプリプレグが得られた。結果を表1に示す。
(比較例2)
表1に示すように、熱硬化性樹脂の主剤成分として“デナコール”EX−841を47重量部と“エピコート”4004Pを47重量部配合し、熱可塑性樹脂として“パンデックス”T5205を10重量部含む熱硬化性樹脂組成物を調製し、各種測定を行った。熱可塑性樹脂の配合量が少ないため、25℃の温度での粘度は230Pa・sと適正範囲を大きく下回っており、形状保持性が悪いプリプレグが得られた。結果を表1に示す。
(比較例3)
表1に示すように、“フェノトート”YD−70を5重量部に減量したこと以外は、参考例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。tanδピーク値は0.9と低下し、また25℃の温度での粘度は870Pa・sと好ましい範囲を下回った結果、形状保持性が悪いプリプレグとなった。また、70℃と100℃の温度の粘度比が9.5と好ましい範囲より大きいため、繊維強化複合材料の成形時、層外への樹脂拡散が起こることが懸念される。結果を表1に示す。
(比較例4)
表1に示すように、熱硬化性樹脂の主剤成分として“エピコート”828を56重量部と“エピコート”4004Pを37重量部配合し、熱可塑性樹脂として“パンデックス”T5205を5重量部含む熱硬化性樹脂組成物を調製した。温度−50℃〜100℃の範囲内にtanδピークを有さないため、繊維強化複合材料の制振性が不足すると予想される。結果を表1に示す。
Figure 0005228289
(実施例6)
表2に示すように、実施例1のプリプレグと比較例3のプリプレグとの2種類のプリプレグを用い、繊維強化複合材料を作製し、環境温度25℃にて、0°圧縮試験および制振性試験を行った。比較例3のプリプレグを0°方向に4ply、実施例1のプリプレグを0°方向に2ply、比較例3のプリプレグを0°方向に4ply積層したものを用いた。すなわち、積層体の厚み方向に対し、制振性を担当する層を中央の2plyに配置し、機械特性を担当する層を外側の合計8plyに配置する形としている。測定の結果、0°圧縮強度が1310MPaと十分に大きく、さらには、制振性にも優れていることがわかった。結果を表2に示す。
(比較例5)
表2に示すように、実施例1のプリプレグを比較例1のプリプレグに変更したこと以外は、実施例6と同様の方法で各種測定を行った。測定の結果、0°圧縮強度が930MPaと実施例6対比大きく低下しており、さらには、制振性も実施例6対比大きく低下していた。結果を表2に示す。
(実施例7)
表2に示すように、実施例1のプリプレグを実施例2のプリプレグに変更したこと以外は、実施例6と同様の方法で各種測定を行った。測定の結果、0°圧縮強度が1240MPaと十分に大きく、さらには、制振性も良好であることがわかった。結果を表2に示す。
(比較例6)
表2に示すように、実施例2のプリプレグを比較例2のプリプレグに変更したこと以外は、実施例7と同様の方法で各種測定を行った。測定の結果、0°圧縮強度が990MPaと実施例7対比大きく低下しており、さらには、制振性も実施例6対比大きく低下していた。結果を表2に示す。
(実施例8)
表2に示すように、実施例1のプリプレグを実施例3のプリプレグに変更したこと以外は、実施例6と同様の方法で各種測定を行った。測定の結果、0°圧縮強度が1270MPaと十分に大きく、制振性は実施例6にはやや劣るものの良好であることがわかった。結果を表2に示す。
(実施例9)
表2に示すように、実施例1のプリプレグを実施例4のプリプレグに変更したこと以外は、実施例6と同様の方法で各種測定を行った。測定の結果、0°圧縮強度が1280MPaと十分に大きく、制振性は実施例6にはやや劣るものの良好であることがわかった。結果を表2に示す。
(比較例7)
表2に示すように、実施例1のプリプレグを比較例3のプリプレグに変更したこと以外は、実施例6と同様の方法で各種測定を行った。測定の結果、0°圧縮強度が1490MPaと十分に高いものの、制振性は極めて悪いものであった。結果を表2に示す。
Figure 0005228289
参考例2
表3に示すように、実施例1のプリプレグを参考例1のプリプレグに変更し、測定環境温度を70℃としたこと以外は、実施例6と同様の方法で各種測定を行った。測定の結果、0°圧縮強度が860MPaと問題ないレベルであり、さらには、制振性も良好であることがわかった。結果を表3に示す。
(比較例8)
表3に示すように、参考例1のプリプレグを比較例3のプリプレグに変更したこと以外は、参考例2と同様の方法で各種測定を行った。測定の結果、0°圧縮強度が690MPaと参考例2対比大きく低下しており、さらには、制振性も参考例2対比大きく低下していた。結果を表3に示す。
(比較例9)
表3に示すように、参考例1のプリプレグを比較例4のプリプレグに変更したこと以外は、参考例2と同様の方法で各種測定を行った。測定の結果、0°圧縮強度が980MPaと問題なかったが、制振性は極めて悪いものであった。結果を表3に示す。
Figure 0005228289
本発明の繊維強化複合材料は、軽量であり、強度や弾性率などの機械特性が優れ、かつ、制振性を有しており、航空宇宙用途、スポーツ用品用途および自動車用途などに用いることができ有用である。

Claims (8)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、および該エポキシ樹脂に可溶なガラス転移温度が−80〜10℃の範囲内にある該エポキシ樹脂100重量部に対し20〜400重量部のウレタン系エラストマーを含んでなり、その樹脂硬化物の理論架橋点間分子量αが400〜3000g/molの範囲内であるエポキシ樹脂組成物と強化繊維を含んでなるプリプレグ
  2. 前記エポキシ樹脂組成物の100℃の温度における粘度が70℃の温度における粘度の2〜7倍の範囲内である、請求項1に記載のプリプレグ
  3. 前記エポキシ樹脂組成物の25℃の温度における粘度が10〜2×10Pa・sの範囲内であり、かつ70℃の温度における粘度が0.1〜2×10Pa・sの範囲内である、請求項1または2に記載のプリプレグ
  4. 前記エポキシ樹脂の官能基当量が400〜1000の範囲内にある、請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグを硬化してなる繊維強化複合材料。
  6. エポキシ樹脂、硬化剤、および該エポキシ樹脂に可溶なガラス転移温度が−80〜10℃の範囲内にある、該エポキシ樹脂100重量部に対し20〜400重量部のウレタン系エラストマーを含んでなり、その樹脂硬化物の理論架橋点間分子量αが400〜3000g/molの範囲内であるエポキシ樹脂組成物を硬化して得られた樹脂硬化物と強化繊維を含んでなる繊維強化複合材料。
  7. 前記エポキシ樹脂組成物を硬化して得られた樹脂硬化物のtanδが温度−50〜100℃の範囲内に1〜5の範囲の大きさのピークを有する、請求項に記載の繊維強化複合材料
  8. 前記エポキシ樹脂組成物を硬化して得られた樹脂硬化物のゴム状態弾性率が0.1〜10MPaの範囲内にある、請求項6または7に記載の繊維強化複合材料
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