JP5227696B2 - 立体縫製きもの - Google Patents

立体縫製きもの Download PDF

Info

Publication number
JP5227696B2
JP5227696B2 JP2008209397A JP2008209397A JP5227696B2 JP 5227696 B2 JP5227696 B2 JP 5227696B2 JP 2008209397 A JP2008209397 A JP 2008209397A JP 2008209397 A JP2008209397 A JP 2008209397A JP 5227696 B2 JP5227696 B2 JP 5227696B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
kimono
belt
long
bands
eaves
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008209397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010043389A (ja
Inventor
悦子 小川
松男 岡元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KIMONOBRAIN CORPORATION
Original Assignee
KIMONOBRAIN CORPORATION
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KIMONOBRAIN CORPORATION filed Critical KIMONOBRAIN CORPORATION
Priority to JP2008209397A priority Critical patent/JP5227696B2/ja
Publication of JP2010043389A publication Critical patent/JP2010043389A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5227696B2 publication Critical patent/JP5227696B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Outerwear In General, And Traditional Japanese Garments (AREA)
  • Undergarments, Swaddling Clothes, Handkerchiefs Or Underwear Materials (AREA)

Description

本発明は、洋服のような感覚で誰にでも容易に着用できる立体縫製きものに関する。さらに詳述すると、本発明は、長襦袢を含めて容易な着用を可能とする立体縫製きものに関する。
近年、誰にでも簡単かつ迅速に装うことができるように、縫製した際に着用者の身体に適合するように予め立体裁断された上衣部、お端折り部、下衣部を曲線縫製して立体的に構成されたきもの(立体縫製きもの)が提案されされている(特許文献1)。
この立体縫製きものは、近年のきもの離れの大きな原因となっている着付けの難しさを解消するために、可能なかぎり簡略化された構成・構造となっており、本格的なきものの装いには不可欠の肌襦袢、裾よけ、長襦絆などを可能な限り省いて、尚かつ着崩れが少なく見栄えの良いものとする様々の工夫が提案されている。
例えば、着物を機会の少ない人にとっては長襦絆の着用は容易なことではないことから、長襦袢を着ないで済むように、スナップ釦とそれを介挿させるためのループを用いることにより半衿の着脱を容易にした立体縫製きものが知られている(特許文献2)。また、半衿を着物の衿の内側に粘着テープを利用して着脱自在に取り付けるようにする簡易きものも提案されている(特許文献3)。
一方、正式な長襦袢を着用する場合には、長襦袢を羽織り、左右の衿先を合わせて前身頃の合わせ位置を手で押さえながら後衿を引き下ろして後衿の深さを決め、その後伊達締めなどを用いて、長襦袢の外側から巻き締めなければならない。このため、伊達締めで締め付ける前に長襦袢の下前を合わせる際に抜いた衿が前にきてしまうなど、後衿の形状が安定せず着崩れが生じ易いという問題がある。
そこで、長襦袢の着付けを簡易にするため、衿抜き(通常衣紋を抜くと言われ、後衿の深さを調整すること)を容易にする工夫が提案されている。例えば、長襦袢の表側の背中に上段、中段、下段と異なる高さのバチ形状の衿抜き用紐通し布を設け、衿抜き用紐通し布のいずれかの段に通された長襦袢用紐の両端を身八つ口から身体の前方に出して結ぶことにより、後ろ手を要する事なく簡単に後衿を形成し和服姿を美しく着こなせるようにしたものが提案されている(特許文献4)。
また、長襦袢の背面内側に衿抜き用紐通し布を設け、その布に予め衿抜き用紐の一端に面ファスナー(マジックファスナー:登録商標)を付した面を交互になるように揃えて二本の紐を通し、その両端をそれぞれ身八ッ口を通して外側に出された長襦袢において、着付けの際、左右衿先に設けられた平面ファスナーにそれぞれ衿抜き用紐の平面ファスナーを接着して、長襦袢衿元を整えつつ紐の他端を前身で結び着付けてなる長襦袢がある(特許文献5)。
特公平5−65601 実公昭63−2404 特開2006−70366 実用新案登録第3105289 特開2002−285402
しかしながら、従来から知られる立体縫製きものは上記のように改良されて来たにも拘らず、着易さや着崩れにくさ、着装した際の美麗さにおいて、未だ改良の余地があるものである。
即ち、きものそのものを簡易に着やすい構造としても、その下に長襦絆などを着崩れのないように衿の形を整えて見栄え良く着ることは、熟練のないものには一人で手早くかつ容易に簡単にはできない。特に、長襦袢の着用は、伊達締めで締め付ける前に長襦袢の下前を合わせる際に抜いた衿が前にきてしまうなど、後衿の形状が安定せず着崩れが生じ易いという問題がある。長襦袢は、下着としてきものの良し悪しを左右すると共にコーディネートのポイントともなる重要な存在であり、衿の合わせ加減や衿の抜き具合など、長襦袢の着方で着姿がかなり決まってしまうものであることから、熟練のないものには一人で手早くかつ簡単には着ることはできない。
また、特許文献4および5に記載の長襦袢においても、短時間で着るためにきものと長襦袢を同時に羽織って長襦袢の外側から長襦袢用紐を体に巻くには、きものと長襦袢の間に手を通して長襦袢用紐などを探さなければならず、簡単には着付けができない問題がある。このため、長襦袢を着てからきものを着るのが通常であり、その分だけ着付けに時間がかかってしまう問題がある。つまり、従来、きものと長襦袢を組み合わせて同時に着用でき、かつきものと長襦袢とを同時に着用した状態で衿抜きが容易にでき、かつ簡易に長襦袢を着ることができる構造の立体縫製きものはない。
また、長襦袢の代わりに着脱自在な半衿をきものの衿の内側に取り付ける簡易きものでは、あまりにも簡略化し過ぎるためにきものの装いを楽しむという趣を無くしてしまう不満が生ずる。つまり、衿抜きをして後衿の深さを着物の特徴などに適したものとするなどの、細部にわたっての調整が出来ず、単に着物の衿に固着するといった内容に過ぎない。いかにも、簡易版といった印象を拭い去れない。
また、従来の立体縫製きものにおいては、衿先に縫い付けたバンドで締め付けることにより止め付けるため、衿先を肩側へ引き上げる力が働くため、長時間装着した際などに衿元にだぶつきを生じることがある。
そこで本発明は、長襦袢ときものとを同時に洋服感覚で簡易に着ることを可能としながらも、着崩れせずに長襦袢の後衿を簡単に抜く事ができ、着物の特徴に適した後衿の深さを簡単に造りだせて本格的着物と比べても遜色のない美しい装いが可能な立体縫製きものを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の立体縫製きものは、長襦袢のだて袖を予め縫いつけた立体縫製のきものと袖無しの立体縫製の長襦袢とを、きものの衿の内側面並びに長襦袢の衿の外側面にそれぞれ設けられた面ファスナーで後衿部分において着付け前に予め止め付けられて一体となって羽織れるように組み合わせ、かつ長襦袢の背の内側には衿抜きのための力布と該力布に通されて当該長襦袢の内側で着用者の体に巻き付けられる衿抜き用通しベルトとを備える一方、長襦袢の前身頃の衿の下部分には身八口を通して長襦袢の内側から外へ抜けて前見頃側へ回される長襦袢用第1のバンドと、長襦袢の外から背側へ回って反対側の前見頃側へ回される長襦袢用第2のバンドと、これら長襦袢用第1及び第2のバンドを係合させる長襦袢用係合部材とを備え、きものには身八口を通してきものの内側から外へ抜けて前見頃側へ回されるきもの用第1のバンドと、きものの外から背側へ回って反対側の前見頃側へ回されるきもの用第2のバンドと、これらきもの用第1及び第2のバンドを係合させるきもの用係合部材とを備え、長襦袢の衿抜きの深さを衿抜き用通しベルトを着用者の体の前へ回して固定することにより決定してから、長襦袢用第1及び第2のバンド及びきもの用第1及び第2のバンドを用いて長襦袢及びきものを順に着用するようにしている。
したがって、本発明の立体縫製きものによると、予め後衿部分が面ファスナー(商品名:マジックテープ)で止め付けられて一体となって着られるように組み合わせられた着物と長襦袢とを重ねて羽織っただけの状態で、力布に通した衿抜き用通しベルトを長襦袢の内側で体の前に回して体に巻き付けながら後衿の深さを決めて固定し、その後長襦袢用第1及び第2のバンド並びにきもの用第1及び第2のバンドを使って長襦袢ときものとを順次着用して着付けを完了することができる。
また、本発明の立体縫製きものは、きものの袵の上端縁部分を着用状態で水平となるように形成すると共に該上端縁付近にきもの用第1及び第2のバンドの一端を取付け、きもの用第1及び第2のバンドを締め付けたときに水平方向に両端の衿先部分を締め付けるようにしている。
さらに、本発明の立体縫製きものの衿抜きのための力布は、衿抜き用通しベルトを通過させるベルト通し筒部を互いに高さの異なる複数段備え、衿抜き用通しベルトを通すベルト通し筒部を選択することで衿抜きの深さを調整可能とするようにしている。
請求項1記載の立体縫製きものによれば、予め後衿部分が面ファスナーで止め付けられて一体となって着られるように組み合わせられた着物と長襦袢とを重ねて羽織っただけの状態で、力布に通した衿抜き用通しベルトを長襦袢の内側で体の前に回して体に巻き付けるだけで後衿の深さを決めて固定することができる。つまり、長襦袢を羽織って前身頃の合わせ位置を手で押さえながら後衿を下方向に引き下ろし、背面側から前身頃へと長襦袢用紐で結び留めることで後衿の深さを決めていた従来の長襦袢の着付けに比べて、両手を自由に動かせる状態で背中側に在る衿抜き用通しベルトを掴んで前に回して任意の衿の深さをつくることができるので、熟練していなくとも一人で手早くかつ容易に衿抜きができる。しかも、長襦袢の内側で衿抜き用通しベルトを体の前に回して体に巻き付けるだけで後衿の深さを決めて固定するようにしているので、後衿部分で面ファスナーにより一体化されたきものと長襦袢とを羽織った状態でも、簡単に長襦袢の内側の背側にある衿抜き用通しベルトを探し出して前方へ回し、所望の衿深さに衿を抜いた状態で長襦袢の背側を体に固定することができる。このため、その後の長襦袢用第1及び第2のバンドを利用した長襦袢の前側の固定の際に、衿の形や深さが変わって着崩れを惹起することがない。依って、熟練していなくとも一人で手早くかつ容易に衿抜きができる。
また、衿抜き深さが決まった後に長襦袢ときものとを順次着付けして行くので、熟練していなくとも一人で手早く(3分程度)かつ容易にきものを着ることができる。しかも、衿抜き深さが決まった状態で後衿部分で予め取り付けられ一体となって着られるように組み合わせられた長襦袢ときものとをバンドで順次固定することから、着崩れを起こし難い。
したがって、長襦袢ときものとを重ねて同時に洋服感覚で一人で手早くかつ容易に着ることを可能としながらも、着崩れせずに長襦袢の後衿を簡単に抜くことができ、本格的着物と比べても遜色のない美しい装いが可能となる。
さらに請求項2記載の立体縫製きものによれば、衿先の重なった部分が互いに逆向きに水平に引っ張られた状態で固定されるため、衿先を肩側へ引き上げる力が働かないため、長時間着用しても衿元にだぶつきを生じることが少ない。つまり、着崩れを起こしやすい襟元においてより一層着崩れし難いものとなる。
さらに、請求項3記載の立体縫製きものによれば、衿抜き用通しベルトを通す力布のベルト通し筒部を選択することで衿抜きの深さを簡単に調整可能とすることができる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1から図4に本発明の立体縫製きものの実施の一形態を示す。この立体縫製きものは、長襦袢のだて袖2を予め縫いつけた立体縫製のきもの1と、袖無しの立体縫製の長襦袢(以下、本明細書ではインナーと呼ぶ)3とを、きもの1の衿の内側面並びにインナー3の衿5の外側面にそれぞれ設けられた面ファスナー6で後衿4,5部分において着付け前に予め止め付けられて一体となって着られるように組み合わせられている。
ここで、インナー3は、きもの1と同様に、縫製した際に着用者の身体に適合するように予め立体裁断されたパーツを曲線縫製して立体的に構成されたものであり、袖を設けずにきもの側に伊達袖2として予め縫い付けられている。このインナー3の後衿5の外側面には面ファスナ6ーが縫製あるいは接着などで取付けられており、きもの1の後衿4の内側面に縫い付けられた対となる面ファスナー7との間で着脱自在に設けられている。即ち、立体縫製のきもの1とインナー3とは、予め後衿4,5の面ファスナー6,7で互いに止め付けられて一体となって着られるように組み合わせられている。
また、インナー3には、背の内側に衿抜きのための力布9が設けられている。この力布9は、下に引っ張ることで衿抜きを可能とするものであり、例えば後身頃8の背中心において上端が後身頃8と衿5との縫い合わせ部分に、下端が身八ッ口10と同程度の高さの位置でインナーの後身頃の背中心に対して左右対称になるよう配置されて縫い付けられている。したがって、力布9に通された衿抜き用通しベルト11をインナー3の内側で着用者の体に巻き付けながら着用者の体の前へ回して固定することにより、インナー3の衿抜きの深さを決定して固定することができる。
さらに、本実施例の場合、力布9には、衿抜き用通しベルト11を通すための筒状の複数のベルト通し、例えば上段12a、中段12b、下段12cの三通りのベルト通しが背丈方向に備えられ、いずれかのベルト通し12a,12b,12cを選択して衿抜き用通しベルト11を通すことで衿抜きの深さを調整可能としている。即ち、上段12a、中段12b、下段12cの三通りのベルト通しは、ほぼ同じ高さで体に固定される衿抜き用通しベルト11が通されることにより力布9を下に引っ張る力を与えたり、あるいは引っ張る力を解放したりすることにより、着物の個性及び特徴に応じた後衿の深さを簡単に造りだせる。例えば、最下段12cは普段着等での衿抜き、中段12bは訪問着等での衿抜き、最上段12aはより深い衿姿が必要となる着物等、夫々の個性に適したベルト通し高さを設定することができる。しかも、衿抜き用通しベルト11を締め付けて固定した時には後衿を下げた状態で固定されるため衿5の抜きが安定する。
また、衿抜き用通しベルト11は、本実施形態の場合、その両端に面ファスナー13a,13bを備えたゴムベルトを用いるようにしている。本実施形態の場合、衿抜き用通しベルト11は調整が容易なゴムベルトを使用しているがこれに特に限定されるものではなく、長さが調整可能な布ベルトや紐を用いるようにしても良い。
インナー3にはさらに、前身頃の衿の下部分に身八口10を通してインナー3の内側から外へ抜けて前見頃18側へ回されるインナー用第1のバンド15と、インナー3の外から背側へ回って反対側の前見頃18側へ回されるインナー用第2のバンド14とがそれぞれ設けられている。これらインナー用第1及び第2のバンド15,14はインナー3の周りを巻き締めるようにして体の前で互いの端部を係合させるインナー用係合部材16,17を備える。本実施形態の場合、インナー用第1及び第2のバンド15,14としては、ゴムバンドが使用されており、少なくとも一方のバンドの端部にはインナー用係合部材としてフック形の連結金具(一般に「かね」と呼ばれる)16を備えると共に他方のバンドの端部にはフック形連結金具を引っ掛ける輪17が形成されており、一方のバンドのフック形連結金具16を他方のバンドの輪17に引っ掛けることによって、着脱自在に固定可能とされている。このインナー用第1及び第2のバンド15,14は、特に限定されるものではないが、インナー3の前身頃の衿の下部分に直接縫い付けるようにして固着するようにしている。
他方、立体縫製きもの1は、例えば主に上部身頃19と下部身頃20とおはし折り21とを別々に縫って仮仕上をしたものを、腰部接続の曲線部分のサイズを合わせ、それを所定のきもの掛に掛け、身頃がつれない様に止めを入れ、一体化の仕上げ縫いをすることにより仕上げられるものである。因みに、立体縫製きものの構造並びに縫製方法についての詳細は例えば特公平5−65601等において良く知られているので、その説明を割愛する。
ここで、本実施形態の立体縫製きもの1は、下部見頃20のおはし折り21で隠れる部分において縫い上げ部22を設け、必要に応じて縫い上げ部22を降ろすことにより下部見頃20の長さを変更可能として身長に応じて着物の長さを調整可能としている。例えば、下部見頃20のおはし折り21で隠れる部分を折り返して平行に3箇所で縫い付けることにより縫い上げ部22を設けると、任意の縫い付け糸23を抜糸することで、最大4段階の長さ調整を可能としている。尚、立体縫製きもの1には予め長襦袢の伊達袖2が縫い付けられており、袖を通すのを容易にして短時間で羽織れるようにされている。
また、本実施形態の立体縫製きもの1は、きもの1の袵24の上端縁25部分を着用状態で水平となるように形成し、この上端縁25の近傍に上端縁25と平行にきもの用第1及び第2のバンド26,27をそれぞれ取付け、各バンド26,27を締め付けたときに水平方向に両袵24の上端縁25と衿先部分を締め付け得るように構成されている。したがって、衿先を肩側へ引き上げる力が働かないため、長時間着用しても衿元にだぶつきを生じることが少ない。
立体縫製きもの1の下前側のきもの用第1のバンド26の固定部のやや下には、きもの用第1のバンド26を巻き付けるためのループ34が設けられている。このループ34きもの用第1のバンド26を巻き付けるように通してからきもの用第2のバンド27と係合させることにより、本来のきもの用第1のバンド26が固定されるフック掛け32の位置(バンド固定位置)近くまでループ34の位置を持ち上げることにより、下前を持ち上げることができるので、きものの裾が広がらずに着ることができ、装いが一層美しいものとなる。
ここで、立体縫製きもの1の下袵側に取り付けられるきもの用第1のバンド26は、身八口30を通してきもの1の内側から外へ抜けて前見頃31側へ回され、上袵側に取り付けられるきもの用第2のバンド27は、きもの1の外から背側へ回って反対側の前見頃31側へ回される。そして、これらきもの用第1及び第2のバンド26,27の両端を体の前で係合させるきもの用係合部材28,29を備える。本実施形態の場合、きもの用第1及び第2のバンド26,27としては、ゴムバンドが使用されており、少なくとも一方のバンドの端部にはきもの用係合部材として一般に「かね」と呼ばれるフック形連結金具28を備えると共に他方のバンドの端部にはフック形連結金具28を引っ掛ける輪29が形成されており、一方のバンドのフック形連結金具28を他方のバンドの輪29に引っ掛けることによって、着脱自在に固定可能とされている。さらに本実施形態の場合、きもの用第1及び第2のバンド26,27は、きもの1の袵24の上端縁25部分にフック形連結金具33のフック部分を引っ掛ける筒型のフック掛け32を備え、きもの1に対して当該バンド26,27を着脱自在に取り付けるようにしている。この場合、きもの1を折り畳むときに、バンド26,27をきもの1から取り外すことができるので、きもの1の折り畳みが容易となる。尚、フック掛け32は、各バンド26,27に応じてそれぞれ1箇所づつでも良いが、場合によってはバンド巻回方向に位置をずらして複数箇所設け、フック形連結金具33を引っ掛ける位置をずらすことにより着用者の胴回りのサイズ変動に応じてバンド取付位置の調整を可能とすることが好ましい。勿論、各バンド26,27の端部をきものの袵24部分に直接縫い付けるようにして固着するようにしても良い。
以上のように構成された立体縫製のきもの1とインナー3は、次のようにして簡単に着用できる。まず、所望とするインナー3の衿抜きの深さに応じて衿抜き用通しベルト11を通す力布9のベルト通し12a,12b,12cの位置・段を決め、該当する段のベルト通しベルト通し12a,12bあるいは12cに衿抜き用通しベルト11を通す。
また、インナー3の後衿5の外側の面ファスナー6ときもの1の後衿4の内側の対となる面ファスナー7とを貼り合わせてインナー3と立体縫製きもの1とを後衿4,5部分で一体化し、互いの関係を固定してきもの1とインナー3を同時に羽織れるようにする。
次に、後衿4,5部分で背中の一体化され組み合わせられたインナー3ときもの1とに袖を通して同時に羽織る。そして、インナー3の内側から手を背中に回して衿抜き用通しベルト11の両端を探し出して体の前へ回し、衿抜き用通しベルト11の両端の面ファスナー13a,13bを貼り合わせることで固定する。これにより、衿抜き用通しベルト11が力布9の通されたベルト通しの段12a,12b,12cの位置に応じて、力布9が下に引っ張られて固定されるので、インナー3の衿抜きの深さが決められると同時に固定され、その後のインナー3、きもの1の着付けにおいて着崩れを起こすことがない。
その後、インナー用第1及び第2のバンド14,15及びきもの用第1及び第2のバンド26,27を用いてインナー3及びきもの1を順に着用することにより着付けは完了する。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
本発明の立体縫製きものを構成するインナーの一実施形態を示す正面図である。 本発明の立体縫製きものを構成するきものの一実施形態を示す正面図である。 インナーときものとを一体化した状態を示す正面図である。 インナーの力布の一実施形態を示す縦断面図である。
符号の説明
1 立体縫製きもの
2 長襦袢の伊達袖
3 立体縫製インナー
4 きものの後衿
5 インナーの後衿
6 インナーの後衿の外側の面に設けられている面ファスナー
7 きものの後衿の内側の面に設けられている面ファスナー
9 力布
10 身八ッ口
11 衿抜き用通しベルト
12a,12b,12c 筒状のベルト通し
13a,13b 衿抜き用通しベルトの両端の面ファスナー
14 インナー用第のバンド
15 インナー用第1のバンド
16,17 インナー用係合部材を構成するフック形連結金具とそれが引っ掛けられる輪
22 縫い上げ部
24 袵
25 袵の上端縁
26 きもの用第1のバンド
27 きもの用第2のバンド
28,29 きもの用係合部材を構成するフック形連結金具とそれが引っ掛けられる輪
30 身八ッ口
32 筒状のフック掛け
33 フック形連結金具

Claims (3)

  1. 長襦袢のだて袖を予め縫いつけた立体縫製のきものと袖無しの立体縫製の長襦袢とを、前記きものの衿の内側面並びに前記長襦袢の衿の外側面にそれぞれ設けられた面ファスナーで後衿部分において着付け前に予め止め付けられて一体となって羽織れるように組み合わせ、かつ前記長襦袢の背の内側には衿抜きのための力布と該力布に通されて当該長襦袢の内側で着用者の体に巻き付けられる衿抜き用通しベルトとを備える一方、長襦袢の前身頃の衿の下部分には身八口を通して長襦袢の内側から外へ抜けて前見頃側へ回される長襦袢用第1のバンドと、長襦袢の外から背側へ回って反対側の前見頃側へ回される長襦袢用第2のバンドと、これら長襦袢用第1及び第2のバンドを係合させる長襦袢用係合部材とを備え、前記きものには身八口を通してきものの内側から外へ抜けて前見頃側へ回されるきもの用第1のバンドと、きものの外から背側へ回って反対側の前見頃側へ回されるきもの用第2のバンドと、これらきもの用第1及び第2のバンドを係合させるきもの用係合部材とを備え、前記長襦袢の衿抜きの深さを前記衿抜き用通しベルトを着用者の体の前へ回して固定することにより決定してから、前記長襦袢用第1及び第2のバンド及び前記きもの用第1及び第2のバンドを用いて前記長襦袢及び前記きものを順に着用することを特徴とする立体縫製きもの。
  2. 前記きものの袵の上端縁部分を着用状態で水平となるように形成すると共に該上端縁付近に前記きもの用第1及び第2のバンドの一端を取付け、前記きもの用第1及び第2のバンドを締め付けたときに水平方向に両端の衿先部分を締め付けるものである請求項1記載の立体縫製きもの。
  3. 前記衿抜きのための力布は前記衿抜き用通しベルトを通過させるベルト通し筒部を互いに高さの異なる複数段備え、前記衿抜き用通しベルトを通す前記ベルト通し筒部を選択することで衿抜きの深さを調整可能としたものである請求項1または2記載の立体縫製きもの。
JP2008209397A 2008-08-17 2008-08-17 立体縫製きもの Expired - Fee Related JP5227696B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008209397A JP5227696B2 (ja) 2008-08-17 2008-08-17 立体縫製きもの

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008209397A JP5227696B2 (ja) 2008-08-17 2008-08-17 立体縫製きもの

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010043389A JP2010043389A (ja) 2010-02-25
JP5227696B2 true JP5227696B2 (ja) 2013-07-03

Family

ID=42014975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008209397A Expired - Fee Related JP5227696B2 (ja) 2008-08-17 2008-08-17 立体縫製きもの

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5227696B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015038256A (ja) * 2010-03-25 2015-02-26 井上 智子 ロングジャケットとベルトとバックル
JP5630755B2 (ja) * 2012-08-27 2014-11-26 井上 智子 着物

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0457906A (ja) * 1990-06-27 1992-02-25 Kowa:Kk きもの
JPH08325803A (ja) * 1995-05-29 1996-12-10 Dorudoru Dorani:Kk 女性用長じゅばん、女性用長着及び女性長着用帯
JP2000234207A (ja) * 1999-02-16 2000-08-29 Ito Kinu:Kk 高機能着衣
JP2000265310A (ja) * 1999-03-16 2000-09-26 Setsu Isoda 長じゅばん・ゆかた・着付用具
JP2002004110A (ja) * 2000-06-20 2002-01-09 Shiroe Sawadaishi 簡易式着物
JP2002285402A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Asa Hanawa 簡易着付け長襦袢
JP3089771U (ja) * 2002-05-07 2002-11-08 玲子 岩田 着付け用ベルト
JP3092521U (ja) * 2002-09-02 2003-03-20 道子 石田 着物、及びその着物と一緒に着る襦袢
JP3105289U (ja) * 2004-05-17 2004-10-28 靖代 友納 着付け補助具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010043389A (ja) 2010-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5630755B2 (ja) 着物
US20150007377A1 (en) Multi-Purpose Wrap
JP5227696B2 (ja) 立体縫製きもの
JP2013002021A (ja) きもの及びきものセット並びにゆかた
JP3185385U (ja) セパレート式着物の上衣、及びセパレート式着物
JP2011168939A (ja) リバーシブル構造の一部式立体縫製きもの及びきものセット
JP2013127143A (ja) 簡単袴
JP3221724U (ja)
JP6832546B2 (ja) 上衣の身八つ口の下方において前身頃と後身頃とが離れた二部式着物及び着付け方法
JP3134243U (ja) 着付け用紐セット及び着付けセット
JP2010222719A (ja) 一部式立体縫製きもの並びに一部式立体縫製きものセット
JP3206851U (ja) 仕立衿および該仕立衿付きの対丈着物
JP3109965U (ja) 着付補助衣
JP4077502B1 (ja) 着物
JP3134756U (ja) 和服帯
JP6606857B2 (ja) ネクタイ
JP2007077553A (ja) 着物
JP4977187B2 (ja) 襦袢用の伊達締め及びこれを用いた襦袢の着付け方法
JP3138384U (ja) 簡単かつ綺麗に着付けのできる着物
JP3115547U (ja) 二部式着物
US20070151001A1 (en) Gift wrap lingerie
JP3143201U (ja) 和服用帯
JP3168870U (ja) スカーフ
JP3168790U (ja) 着物風エプロン
JP2002173807A (ja) 和 服

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5227696

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees