JP3109965U - 着付補助衣 - Google Patents

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Abstract

【課題】 暑苦しさ等の不快感のない快適な着用感を得ることができる上、着付け後に着崩れを生じ難く美観にも優れた着付補助衣を提供する。
【解決手段】 装用者Aの背中にならって形取られた本体部10に、衿20と胴補正用の胴補正締め30とを一体的に具備してなる着付補助衣であって、前記衿20は、その両前衿20a,20aを交差させて下方へ垂れ下げるように形成され、前記胴補正締め30は、垂れ下がった前記衿20の両前衿20a,20aに重なり合うように設けられるとともに、その一端側と他端側とを着脱可能にする第一係止手段32を備え、前記本体部10は、その裾10aを前記胴補正締め30よりも下方へ突出させている。
【選択図】 図1

Description

本考案は、肌襦袢等の肌着と着物との間など、着物の内側に着用される着付補助衣に関するものである。
周知のように着付けの際、肌襦袢等の肌着と着物との間には、長襦袢や半襦袢等の襦袢が着用される。この襦袢は、装飾された衿を着物の衿の内側に重ねるようにして露出させることで、着付け後の美観を良好にしており、この襦袢の着かたには、抜き衣紋を大きくして装用者の襟足を広く出すものや、抜き衣紋を小さくして装用者の襟足を隠すものなどがある(特許文献1参照)。
しかしながら、前記従来技術によれば、着物着用時には肌襦袢(肌着)や着物等と共に重ね着されるものであるため、暑苦しさ等の不快感を装用者に与えてしまう場合があった。
また、装用者が背中を屈伸等すると、襦袢の衿が着物の衿よりも外側へはみ出し、着付け後の美観を損ねてしまうこともある。
更に、着用された状態で、前衿の交差部分がずれたり、前衿が浮いたり等の見苦しさを生じる場合もある。
実用新案登録公報 第2507772号
本考案は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、暑苦しさ等の不快感のない快適な着用感を得ることができる上、着付け後に着崩れを生じ難く美観にも優れた着付補助衣を提供することにある。
上記課題を解決するために第一の考案では、装用者の背中にならって形取られた本体部に、衿と胴補正用の胴補正締めとを一体的に具備してなる着付補助衣であって、前記衿は、その両前衿を交差させて下方へ垂れ下げるように形成され、前記胴補正締めは、垂れ下がった前記衿の両前衿に重なり合うように設けられるとともに、その一端側と他端側とを着脱可能にする係止手段を備え、前記本体部は、その裾を前記胴補正締めよりも下方へ突出させていることを特徴とする。
また、第二の考案では、上記本体部を、上記衿と上記胴補正締めとの間で弾性的に伸縮するように構成したことを特徴とする。
また、第三の考案では、上記本体部には、上記胴補正締めの長手方向に沿う衿固定用ベルトが設けられ、この衿固定用ベルトは、弾性的に伸縮可能な材料から形成されるとともに、その両端部の各々に、上記衿の各前衿に対し着脱可能な係止手段を備えていることを特徴とする。
本考案は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
第一の考案によれば、本体部を装用者の背中にあてて、衿を装用者の首回りに掛けて前衿を交差させ、胴補正締めを装用者の胴回りに巻いて係止手段によって固定すると、装用者の胸側で交差した状態の両前衿が、浮きや撓み等のない整った状態で固定され、それと同時に胴補正締めによる胴補正も行われる。
したがって、着物の下に着用される従来の襦袢を不要にし、暑苦しさ等の不快感のない快適な着用感を得ることができる上、着付け後に着崩れを生じ難く美観にも優れた着付補助衣を提供することができる。
しかも、装着中や装着後の装用者の動き等により、前衿が撓んだり等し崩れた場合には、衿先を下方へ引くことで、容易に衿を整えることができる。
更に、第二の考案によれば、本体部が弾性的に伸縮するため、装用者の動きに起因して、抜き衣紋の大きさが変わってしまったり、当該着付補助衣の衿が着物の衿からはみ出したり等、着付け後の着崩れを、より確実に防止することができる。
更に、第三の考案によれば、衿固定用ベルトの両端部を、交差状態の前衿の衿先側に係止することて、両前衿をより確りと固定することができる。
しかも、衿固定用ベルトが弾性的に伸縮するため、前衿の浮きや撓み等、着付け後の着崩れを、いっそう確実に防止することができる。
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この着付補助衣1は、装用者Aの背中面にならって形取られた本体部10と、該本体部10の上端に縫い付けられた衿20と、該本体部10における裾10a側に縫い付けられた胴補正用の胴補正締め30と、該本体部10の背面に設けられた衿固定用ベルト40とを一体的に具備し、装用者Aが着付けする際に、肌襦袢等の肌着と着物との間に着用される。
本体部10は、その上半部側が上下方向へ弾性的に伸縮するように構成された本体布11と、該本体布11における伸縮可能部分の下側に縫付けられて衿固定用ベルト40を挿通可能にする被挿通片12とからなる。
本体布11は、薄手の布を、半襦袢から前身頃、袖、及び衿等を除いた略台形状に構成したものであり、単一の布からなる態様であってもよいし、複数の布を縫い付けてなる態様であってもよい。
この本体布11上端の衿付け部分は、着用された状態で通常の襦袢着用時と略同じ後衿の曲線ができるように、適宜なカーブに形成され、後述する衿20に縫付けられる。
また、前記本体布11の上半部は、所謂シャーリング加工が施されることで弾性的に伸縮するように構成されている。このシャーリング加工は、より具体的に説明すれば、本体布11の上半部に、その上下方向へわたって、伸ばされた状態のゴム紐13を縫い付けるようにした加工である。
前記構成によれば、本体布11の上半部は、ゴム紐13の収縮力により収縮した状態に維持され、上下方向への引張り力が加わることで弾性的に伸長する。
なお、本体部10を弾性的に伸縮可能にする構造は、前記態様に限定されるものでなく、例えば、前記構成からゴム紐13を省き、本体布11自体を弾性的に伸縮する材料によって構成した態様とすることも可能である。
そして、上記構成の本体部10の上下方向長さは、当該着付補助衣1が装用者Aに着用された状態において、裾10aを下方へ引いて容易に抜き衣紋の大きさが調整できるように、適宜寸法に設定されている(図4参照)。
また、被挿通片12は、比較的幅広のゴム紐を所定長さに切断し、その一端部と他端部との双方を、本体布11の幅方向の略中央部分に縫い付けることで、衿固定用ベルト40を挿通可能な環状に構成されている。
なお、図示例によれば、被挿通片12の一端部と他端部とを、本体布11における同一水平線上に縫い付けることで、その縫い付け作業性を良好にしているが、被挿通片12の一端部と他端部とを上下方向へずらして縫い付けるようにすることも可能である。
また、衿20は、略長尺帯状の衿布本体21と、着付け後に着物の衿の内側に露出される半襟22と、衿布本体21及び半襟22の型崩れを防ぐ衿芯23とから一体的に構成されている。
衿布本体21は、その長さ方向の中央近傍が装用者Aの首周りに掛けられた状態で、両前衿20a,20aを装用者Aの胸側で交差させて下方へ垂れ下げるように、所定形状の布を折り重ねて縫い合わせることで構成されている。
この衿布本体21の長さは、当該着付補助衣1の着用状態(図3参照)において、両衿先20b,20bを下方へ引いて衿20が整えられるように、適宜な寸法に確保されている。
また、半襟22は、所望とする絵柄等の装飾が施された布であり、その長さ方向の一端部または両端部と衿布本体21との間に衿芯23を抜き差しするための開口部22aを確保した状態で、衿布本体21に対し、その長さ方向の中央側を包むようにして縫い付けられている。
そして、衿芯23は、軟質合成樹脂材料から略帯板状に形成され、前記開口部22aから衿布本体21と半襟22との隙間に挿入され、必要に応じて同開口部22aから抜けるようになっている。この衿芯23の端部は、衿布本体21と半襟22との隙間への挿入を容易にするために先細状に形成されている。
また、胴補正締め30は、装用者Aの胴に略一巻きされる長さの補正締め本体31と、該補正締め本体31の長さ方向の両端側に止着された第一係止手段32とからなり、本体部10の裾10aを下方へ突出させるとともに着用時に垂れ下がった状態の衿20の両前衿20a,20aに重なり合うように配置されて、本体部10の下半部側に配置され縫い付けられている。
この胴補正締め30の縫い付け箇所について、より詳細に説明すれば、該胴補正締め30における上辺の中央側部分が、本体部10の上下寸法の略中央の部分に対し、部分的に縫い付けられている。この構成によれば、本体部10の裾10aを下方へ引っ張って衣紋を抜く際、裾10aの下方への引張力が効果的に衿20の後衿部分に伝達するため、その衣紋抜きを容易に行うことができる。
補正締め本体31は、吸湿性及び通気性の良好な所定形状の布を折り重ね縫い合わせることで、比較的厚手に構成された補正締めである。
そして、第一係止手段32は、所謂ベルベットファスナー若しくは面ファスナーであり、その一片部を補正締め本体31の一端側に縫付けるとともに、他片部を同補正締め本体31の他端側に縫付けることで構成されている。
この第一係止手段32は、補正締め本体31の一端側と他端側とを着脱可能に係止する構造であれば他の構成であってもよく、例えば、ボタンとボタン孔による構成や、フック状金具を用いた構成等に置換することも可能である。
また、衿固定用ベルト40は、弾性的に伸縮可能なベルト本体41と、該ベルト本体41の両端部の各々に止着されて衿20の各前衿20aに対し着脱可能な第二係止手段42とを具備し、本体部10の被挿通片12に挿通されている。
ベルト本体41は、略長尺帯状のゴム紐であり、装用者Aの胴を後ろから周って交差状態の両前衿20a,20aに届く長さに形成されている。
第二係止手段42は、その基端部側の操作により先端側が開閉されるようにしたクリップ状の機構であり、前衿20aに対し容易に着脱できる構成であれば、例えば、ベルベットファスナーや面ファスナー、ボタン、フック状金具等、他の周知の着脱機構に置換することも可能である。
なお、前記構成において、衿固定用ベルト40を二部材から構成し、各部材の一端側を本体部10に止着するとともに、その他端側に、第二係止手段42を止着した構成とすることも可能である。
次に、上記構成の着付補助衣1について、その作用効果を詳細に述べる。
先ず、上記着付補助衣1は、その本体部10が肌着等を着た装用者Aの背中にあてられ、衿20が装用者Aの首回りに掛けられ、衿20の両前衿20a,20aが装用者Aの胸側で交差される。そして、衿固定用ベルト40が、装用者Aの胴に対し後側から前側へまわせられ、その各先端側の第二係止手段42が、交差した状態の各前衿20aに係止される(図2参照)。
次に、胴補正締め30が、装用者Aの胴に対し後側から前側へまわされ、衿固定用ベルト40の両第二係止手段42を隠すようにして、両第二係止手段42の外側に重ね合わせられ、その状態で、該胴補正締め30両端部が、第一係止手段32によって接続される(図3参照)。
そして、胴補正締め30よりも下方へ突出した両衿先20b,20bが下方へ引かれることで、衿20の装着状態が整えられ(図3参照)、更に、本体部10の裾10aが下方へ引かれることで、抜き衣紋の大きさが適宜に調整される(図4参照)。
そして、前記のようにして着付補助衣1が着用された後に、該着付補助衣1の上側には、着物が着付けされる。
上記着付補助衣1を用いた着付けによれば、装用者Aの胸側で交差した状態の両前衿20a,20aが、衿固定用ベルト40による係止と胴補正締め30による押圧とによって、浮きや撓み等のない整った状態で固定され、それと同時に胴補正締め30による胴補正も行われる。しかも、装着中や装着後の装用者の動き等により、前衿20aが撓んだ場合には、衿先20bを下方へ引くことで、容易に衿20を整えることができる。
更に、本体部10の本体布11及び被挿通片12が弾性的に伸縮するため、抜き衣紋の形状が崩れてしまったり、衿20が着物の衿からはみ出したり等、着付け後の着崩れを防止することができ、仮にこのような着崩れを生じた場合であっても、本体部10の裾10aを下方へ引くことで容易に修正することができる。
本発明に係わる着付補助衣の一例を示す背面図である。 同着付補助衣を装用者に装着している状態であって、胴補正締めを係止する前の状態を示す正面図である。 同着付補助衣を装用者に装着した状態を示す正面図である。 同着付補助衣を装用者に装着した状態を示す背面図である。
符号の説明
10:本体部
10a:裾
20:衿
20a:前衿
20b:衿先
30:胴補正締め
32:第一係止手段
40:衿固定用ベルト
42:第二係止手段
A:装用者

Claims (3)

  1. 装用者の背中にならって形取られた本体部に、衿と胴補正用の胴補正締めとを一体的に具備してなる着付補助衣であって、
    前記衿は、その両前衿を交差させて下方へ垂れ下げるように形成され、
    前記胴補正締めは、垂れ下がった前記衿の両前衿に重なり合うように設けられるとともに、その一端側と他端側とを着脱可能にする係止手段を備え、
    前記本体部は、その裾を前記胴補正締めよりも下方へ突出させていることを特徴とする着付補助衣。
  2. 上記本体部を、上記衿と上記胴補正締めとの間で弾性的に伸縮するように構成したことを特徴とする請求項1記載の着付補助衣。
  3. 上記本体部には、上記胴補正締めの長手方向に沿う衿固定用ベルトが設けられ、
    この衿固定用ベルトは、弾性的に伸縮可能な材料から形成されるとともに、その両端部の各々に、上記衿の各前衿に対し着脱可能な係止手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の着付補助衣。
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JPH061040U (ja) * 1992-06-19 1994-01-11 日本精工株式会社 シートベルト引締め装置
WO2014034325A1 (ja) * 2012-08-27 2014-03-06 Inoue Tomoko 着物

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