JP5227088B2 - 車両のサスペンション構造 - Google Patents
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Description
特許文献1及び2では、サスペンションバネ (特許文献1の第1図の2)及びショックアブソーバ (特許文献1の第1図の1)の上部に取り付けられた内側部材 (特許文献1の第1図の20)、内側部材の外側に配置された外側部材 (特許文献1の第1図の21)が備えられ、内側及び外側部材に亘ってインシュレータ(弾性体に相当) (特許文献1の第1図の5)が取り付けられている。外側部材の外周部が車体の固定部 (特許文献1の第1図の6)に接触しており、この外周部において外側部材がボルト(特許文献1の第1図の16)によって連結されている。
これによって、サスペンションバネ及びショックアブソーバの上部が、内側及び外側部材、インシュレータを介して、車体の固定部に支持される。
しかしながら、このように構成した場合、外側部材においてゴムシートが存在する部分の厚みが大きく、外側部材の外周部(ゴムシートが存在しない部分)の厚みが小さくなる点、並びに、ボルトを締め付けていくのに伴ってゴムシートが弾性変形する点等により、ボルトの締め付けトルクが安定せず、ボルトの締め付けトルクの管理が困難なものになってしまう。
本発明の第1特徴は、車両のサスペンション構造において次のように構成することにある。
サスペンションバネ及びショックアブソーバの上部に取り付けられた内側部材と、内側部材の外側に配置された外側部材と、内側及び外側部材に亘って取り付けられた弾性体とを備える。外側部材は、円筒部と当該円筒部の下端外周に設けられたフランジ状の外周部とを有する。外側部材の外周部を車体の固定部に接触させた状態でボルトにより連結して、サスペンションバネ及びショックアブソーバの上部を車体の固定部に支持するように構成する。前記外側部材において弾性体が取り付けられる円筒部と車体の固定部に連結される外周部との接続部分の全周にわたって、前記外側部材の他の部分よりも剛性の低い部分を備え、前記剛性の低い部分は、平面視において前記固定部の径内方向側端部に重なるように、前記固定部側の面の板厚を薄くした薄肉部により形成されている。
内側部材、外側部材、内側及び外側部材に亘って取り付けられた弾性体を備えて、外側部材の外周部を車体の固定部に接触させた状態でボルトにより連結した場合、ボルトの付近において外側部材の外周部と車体の固定部との間に、僅かな隙間が部分的に生じていたとする。
これにより、外側部材の外周部と車体の固定部との間の隙間が消失(隙間の部分において外側部材の外周部と車体の固定部とが密着する状態)したり、再び隙間が発生(隙間の部分において外側部材の外周部と車体の固定部とが離間する状態)したりするような状態が抑えられるのであり、外側部材の外周部と車体の固定部との間からの異音(キシミ音)の発生が抑えられる。
これにより、外側部材の外周部を車体の固定部に接触させた状態でボルトにより連結する場合、ボルトの締め付けトルクが安定しないと言うような状態が生じることはない。
本発明の第1特徴によると、乗用車等の車両のフロントサスペンション、又はリヤサスペンションにおいて、サスペンションバネ及びショックアブソーバの上部を車体の固定部に支持する場合、外側部材の外周部と車体の固定部との間からの異音(キシミ音)の発生が抑えられるようになって、車両の乗員にとっての不快感を少なくすることができた。
この場合、外側部材8の円筒部8aから外方にサスペンション支持部10の縦壁部10bが離れており、サスペンション支持部10の縦壁部10bの下端部 (角部)が、外側部材8の薄肉部分8cの外面(上面)に位置している。
この場合、外側部材8の薄肉部分8c (特に外側部材8の薄肉部分8cにおける外周部8bにつながる部分)が僅かに弾性変更することによって、走行時の振動(入力)が外側部材8の薄肉部分8cにおいて吸収又は減衰される。
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図1及び図2の外側部材8に代えて、図3に示すように、外側部材8を構成してもよい。
図3に示すように、外側部材8の円筒部8aと外周部8bとがつながる部分(角部)の外面(上面)ではなく、外側部材8の外周部8bの外面(上面)に、薄肉部分8cを外側部材8の外周部8bの全周囲に亘って形成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]の外側部材8において、外側部材8の外面 (上面)を少し下側に凹んだ状態として薄肉部分8cを形成するのではなく、外側部材8の内面(下面)を少し上側に凹んだ状態として薄肉部分8cを形成するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]の外側部材8に代えて図4に示すように外側部材8を構成してもよい。
図4に示すように、外側部材8の薄肉部分8cを廃止し、外側部材8の円筒部8aと外周部8bとがつながる部分(角部)の全周囲に亘って、所定間隔(所定ピッチ)を置いて開口部8dを形成し、隣接する開口部8dの間の部分8eは外側部材8の他の部分と同じ厚みとする。これにより、外側部材8の開口部8d及び隣接する開口部8dの間の部分8eにより、外側部材8の他の部分よりも剛性の低い部分が構成される。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]は、フロントサスペンションばかりではなく、リヤサスペンションにも適用できる。
2 ショックアブソーバ
5 内側部材
8 外側部材
8b 外側部材の外周部
8c,8d,8e 外側部材の他の部分よりも剛性の低い部分
9 ボルト
10 車体の固定部
11 弾性体
Claims (1)
- サスペンションバネ及びショックアブソーバの上部に取り付けられた内側部材と、前記内側部材の外側に配置された外側部材と、前記内側及び外側部材に亘って取り付けられた弾性体とを備え、
前記外側部材は、円筒部と当該円筒部の下端外周に設けられたフランジ状の外周部とを有し、
前記外側部材の外周部を車体の固定部に接触させた状態でボルトにより連結して、前記サスペンションバネ及びショックアブソーバの上部を車体の固定部に支持するように構成し、
前記外側部材において弾性体が取り付けられる円筒部と車体の固定部に連結される外周部との接続部分の全周にわたって、前記外側部材の他の部分よりも剛性の低い部分を備え、
前記剛性の低い部分は、平面視において前記固定部の径内方向側端部に重なるように、前記固定部側の面の板厚を薄くした薄肉部により形成されている車両のサスペンション構造。
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