JP5225373B2 - 光学活性ジベンゾアゼピン誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、光学活性ジベンゾアゼピン誘導体に関し、詳しくは医・農薬を中心とする光学活性を有する原体や中間体・出発原料等の製造に関わる分野で、不斉相間移動触媒として高い利用価値を有する新規な光学活性4級アンモニウム塩に関するものである。
不斉相間移動触媒として利用価値を有する様々な光学活性4級アンモニウム塩が提案されているが、とりわけ、光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン骨格を有する化合物が有用である。該化合物としては、特許文献1に記載された下記式(L−1a)
(式中、*は光学活性、すなわち本化合物のビフェニル構造を構成する結合軸に関して一方の軸不斉異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰であることを示す。)で表される化合物、特許文献2に記載された下記式(L−1b)
(式中、*は前記と同じ意味を示す。)で表される化合物、非特許文献1に記載された下記式(L−1c)
(式中、*は前記と同じ意味を示す。)で表される化合物、及び下記式(L−1d)
(式中、*は前記と同じ意味を示す。)で表される化合物等が存在する。そして、これらの触媒はいずれもグリシン誘導体のモノアルキル化に極めて有用である。即ち、例えば、下式(M−1)
(式中、**は光学活性、すなわち**の炭素原子において存在する2種類の鏡像異性体に関して一方の異性体が他方の異性体よりも過剰に存在することを示す。)で表される不斉モノアルキル化反応において、式(L−1b)で表される化合物を触媒に使用した場合、安価な水酸化カリウムを塩基に用いても、僅かな触媒量(S/C=10,000(S:基質mol、C:触媒mol))で反応は完結し、生成物の光学純度は96%eeであった。
一方、同じ触媒で前記反応に類似した反応である下式(M−2)
(式中、**は前記と同じ意味を示す。)で表される不斉ジアルキル化反応を行った場合には、光学収率は良好であるものの、極めて高価な水酸化セシウムを塩基に用いて、多くの触媒量(S/C=100)を要している。(特許文献2)。特許文献3では下記式(L−2)
(式中、*は前記と同じ意味を示す。)で表されるアゼピン骨格を有する化合物を触媒に用いて、上記式M−2の反応を実施しているが、類似の結果である。
すなわち、従来のいずれの光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン骨格化合物も、不斉ジアルキル化反応の触媒として用いるためには、課題を有していた。
国際公開WO2006054366号パンフレット 国際公開WO2006104226号パンフレット 米国特許6441231号公報
Organic Process Research & Development 2007,11,628.
本発明の目的は、新規な光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン骨格を有する化合物と、該化合物を触媒として微量用いることによって、高い光学純度の生成物を高収率で与える不斉ジアルキル化反応を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体の1位と11位炭素を架橋することによって得られる新規な化合物が、不斉ジアルキル化反応において極めて高い触媒活性を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
[1]下記式(1’)
(式中、Rは1位と11位を架橋するための2価の有機基を示す。
及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基を示し、
或いはRとRは一緒になって、2価の有機基を示す。
3’及びR4’は、同一又は相異なって、1価の有機基を示し、
或いはR3’とR4’は一緒になって、オニウム窒素原子を含む環状構造を為す有機基を示す。
Arは、1価の有機基を示す。
*は光学活性、すなわち本化合物のビフェニル構造を構成する結合軸に関して一方の軸不斉異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰であることを示す。
は、カウンターアニオンを示す。)
で表される光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体、
[2]式(1’)が、式(1)
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素原子及び、必要に応じて、置換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子及び−SO−基からなる群から選ばれる原子又は基によって構成され、それらの原子或いはそれらの原子と基の合計数が3〜10の鎖状の2価の基を示す。
及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C8アルケニル基、置換基を有していてもよいC2〜C8アルキニル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基、置換基を有していてもよいC1〜C8アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいC1〜C8アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリールカルボニル基、又は置換基を有していてもよいC6〜C14アリールスルホニル基を示し、或いは、RとRは一緒になって、Rと同じ定義の2価の基を示す。
及びRは、同一又は相異なって、置換基を有していてもよい炭素原子、及び、必要に応じて、置換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子及び−SO−基からなる群から選ばれる原子又は基によって構成され、それらの原子或いはそれらの原子と基の合計数が1から30の1価の基を示し、
或いは、RとRは一緒になって、−CH−N−CH−と共に合計員数が5から63の環を形成する。
Arは、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、又は、置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基を示す。
、*は、前記と同じ意味を示す。)で表されることを特徴とする、上記[1]記載の光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体、
[3]前記式(1’)又は式(1)中の、Rが、下記式(2)
−O−R’−O− (2)
(式中R’は、置換基を有していてもよい炭素原子、及び、必要に応じて酸素原子又は−SO−基からなり、それらの原子或いはそれらの原子と基の合計数が1から8の鎖状の2価の基を示す。)で表される基であることを特徴とする、上記[1]又は[2]記載の光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体、
[4]前記式(1’)又は(1)中の、R及びRが、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、又は分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基であることを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体、
[5]前記式(1)中の、R及びRは、同一又は相異なって、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C30アルキル基又は置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、或いは、RとRは一緒になって、置換基を有してもよい炭素数2から60の2価の基であることを特徴とする、上記[2]〜[4]のいずれかに記載の光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体、及び、
[6]前記式(1’)中の、Arは、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、又は置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基である、上記[1]記載の光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体に関する。
本発明は、また、
[7]
下記式(3)
(式中、R’は、置換基を有していてもよい炭素原子、及び、必要に応じて酸素原子又は−SO−基からなり、それらの原子或いはそれらの原子と基の合計数が1から8の鎖状の2価の基を示す。
及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C8アルケニル基、置換基を有していてもよいC2〜C8アルキニル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基、置換基を有していてもよいC1〜C8アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいC1〜C8アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリールカルボニル基、又は置換基を有していてもよいC6〜C14アリールスルホニル基を示し、或いは、RとRは一緒になって、2価の有機基を示す。
*は光学活性、すなわち本化合物のビフェニル構造を構成する結合軸に関して一方の軸不斉異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰であることを示す。
Yはスルホネート基又はハロゲン原子を示す。)で表される光学活性ビフェニル誘導体に関する。
本発明は、さらに、
[8]下記式(A)
(式中、Rαは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基、又は置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基を示す。
βは、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、又は置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基を示す。
は、有機基を示す。
Ar’は、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基を示す。
波線の結合軸は、この結合軸が置換した炭素原子上の置換基の立体配置に制限がないことを示す。)で表されるα−置換グリシン誘導体と、下記式(C)
Z (C)
(式中、RはRと異なる有機基を示し、Zは脱離基を示す。)の化合物を、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体の存在下に反応させることを特徴とする、下記式(B)
(式中、Rα、Rβ、R、R、Ar’、波線の結合軸は、前記と同じ意味を示し、**は光学活性、すなわち**の炭素原子において存在する2種類の鏡像異性体に関して一方の異性体が他方の異性体よりも過剰に存在することを示す。)で表される光学活性α、α−ジ置換グリシン誘導体の製造方法、及び、
[9]下記式(A’)
(式中、Rαは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基、又は置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基を示す。
βは、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、又は置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基を示す。
Ar’は、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基を示す。
波線の結合軸は、この結合軸が置換した炭素原子上の置換基の立体配置に制限がないことを示す。)で表されるグリシン誘導体と、下記式(C)
Z (C)
(式中、Rは有機基を示し、Zは脱離基を示す。)の化合物を、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体の存在下に反応させることを特徴とする、下記式(B’)
(式中、Rα、Rβ、R、Ar’、波線の結合軸は、前記と同じ意味を示し、**は光学活性、すなわち**の炭素原子において存在する2種類の鏡像異性体に関して一方の異性体が他方の異性体よりも過剰に存在することを示す。)で表される光学活性α−モノ置換グリシン誘導体の製造方法に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
1−1.光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体
下記式(1’)
で表される光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体の置換基は以下のとおりである。
(R)
Rは1位と11位を架橋するための2価の有機基を示し、より具体的には、置換基を有していてもよい炭素原子、及び、必要に応じて、置換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子及び−SO−基からなる群から選ばれる原子又は基によって構成され、それらの原子或いはそれらの原子と基の合計数が3〜10の鎖状の2価の基等を示す。
ここで、「必要に応じて」とは、置換基を有してもよい炭素原子を有し、化学的に可能であればそれらの炭素原子の一部を、適宜に、置換基を有してもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子及び−SO−基からなる群より選ばれる原子又は基により交換できるということを意味する。後記するR’(又はR)及びR’(又はR)においても同様の意味を有する。
「置換基を有していてもよい炭素原子」とは、置換基を有していてもよい−CH−基を意味し、置換基としては、ハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基、オキソ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基が包含される。
ここで、「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を包含する。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等を包含する。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2−メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ基等を包含する。
「置換基を有してもよいアリール基」は、単環又は多環のアリール基を意味する。ここで、多環アリール基の場合は、完全不飽和に加え、部分飽和の基も包含する。アリール基としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル、10−フェナントリルフェニル、アズレニル、インデニル、インダニル、テトラリニル等を包含する。好ましくは、C6〜C10アリール基である。
「置換基を有していてもよいアリールカルボニル基」及び「置換基を有していてもよいアリールスルホニル基」の「アリール基」は、上記「アリール基」と同様のものを包含する。
「置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基」及び「置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基」の「アルキル基」は、上記C1〜C8アルキル基と同様のものを包含する。
「置換基を有していてもよい窒素原子」とは、置換基を有していてもよい−NH−基を意味し、置換基としては、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基を包含する。
ここで、アルキル基、アリール基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基は、置換基を有していてもよい炭素原子における各定義と同様である。
上記「置換基を有していてもよいアリール基」、「置換基を有していてもよいアリールカルボニル基」、「置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基」、「置換基を有していてもよいアリールスルホニル基」、「置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基」における「置換基」としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基であり、より好ましいアルキル基としては、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、tert−ペンチル、tert−ヘキシル、tert−ヘプチル、tert−オクチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のα位が2或いは3級炭素であるC1〜C8アルキル基;
フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル、10−フェナントリル等のC6〜C14アリール基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2−メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基が挙げられる。
化合物(1’)の1位と11位を架橋する2価の鎖状有機基を構成する原子に窒素原子が含まれる場合には、
(1)窒素原子が、前記のアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基のいずれかで置換されているときには、該窒素原子に隣接する炭素原子はオキソ基で置換されていてもいなくても良い。
(2)窒素原子が、前記のアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基以外で置換されているときには、該窒素原子に隣接する炭素原子はオキソ基で置換される。
Rとしては、好ましくは、以下の基を挙げることができる。
[式中、2価有機基の構成要素である二箇のrは、互いに同一又は相異なったヘテロ原子(以下、“ヘテロ原子”は、置換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子の各原子、又は、−SO−基のいずれかを意味する。)であるか、又は、一方がヘテロ原子で他方が炭素原子であることを示し、2価有機基の構成要素である一箇のrはヘテロ原子であることを示し、2価有機基の構成要素である二箇のrは、いずれかがヘテロ原子で他方が炭素原子であることを示し、2価有機基の構成要素である二箇のr2’は、rと独立に、互いに同一又は相異なったヘテロ原子であるか、又は一方がヘテロ原子で他方が炭素原子であることを示す。]
これらのうち、特に、(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−4)、(4−6)、(4−7)、(4−9)、(4−12)、(4−13)、(4−16)及び(4−20)の基が好ましい。
また、Rとしては、置換基を有していてもよい下記式(5−1)、(5−2)、(5−3)、(5−4)

[式中、R,R,R,R’,R’,R’は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C8アルケニル基、置換基を有していてもよいC2〜C8アルキニル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基、又は置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基を、
或いは、RとR、RとR又は二個のR同士、或いはR’とR’は一緒になって、前記のRで定義された基から適宜に選ばれる2価基であることを示し、rは、前記と同じ意味を示し、
*は光学活性、すなわち該置換基のビフェニル構造を構成する結合軸に関して一方の軸不斉異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰であることを示し、
(*)は、前記の*と同じ意味を示すがRが水素の場合には光学活性ではないことを示す。]が挙げられ、これらのうち、特に、(5−1)及び(5−2)の基が好ましい。
上記式(1’)又は式(1)中、Rは、式(2)
−O−R’−O− (2)
[式中R’は、置換基を有していてもよい炭素原子、及び、必要に応じて酸素原子又は−SO−基からなり、それらの原子或いはそれらの原子と基の合計数が1から11の鎖状の2価の基を示す。ここで、「置換基を有していてもよい炭素原子」は、上記定義と同様である。]で表される基であることが好ましい。
たとえば、式(4−1)〜(4−22)及び式(5−1)〜(5−4)においては、rが酸素原子の場合が好適である。
(R、R
及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基であるか、或いはRとRは一緒になって、前記のRと同様の2価の有機基を示す。
有機基は、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C8アルケニル基、置換基を有していてもよいC2〜C8アルキニル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基、置換基を有していてもよいC1〜C8アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいC1〜C8アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリールカルボニル基、又は置換基を有していてもよいC6〜C14アリールスルホニル基を包含する。
ここで、「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を包含する。
「置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」の「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基を包含し、より好ましくは、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、tert−ペンチル、tert−ヘキシル、tert−ヘプチル、tert−オクチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のα位が2あるいは3級炭素であるC1〜C8アルキル基である。
「置換基を有していてもよいC2〜C8アルケニル基」の「C2〜C8アルケニル基」は、ビニル、1−プロペニル、アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、6−ヘプテニル、1−オクテニル、7−オクテニル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC2〜C8アルキニル基」の「C2〜C8アルキニル基」は、エチニル、1−プロピニル、プロパルギル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、2−メチル−3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル基、4−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、2−メチル−3−ペンチニル、1−ヘキシニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル等を包含する。
「置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基」の「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2−メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ等を包含する。
「置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基」の「C6〜C14アリール基」は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル、10−フェナントリル、アズレニル、インデニル、インダニル、テトラリニル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基」の「C3〜C8ヘテロアリ−ル基」は、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を1〜3個有する単環又は多環のC3〜C8アリール基を意味し、たとえば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、8−キノリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロリジル、3−ピロリジル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC1〜C8アルキルカルボニル基」および置換基を有していてもよい「C1〜C8アルキルスルホニル基」の「アルキル基」は、上記「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」の定義と同様である。
「置換基を有していてもよいC6〜C14アリールカルボニル基」および「置換基を有していてもよいC6〜C14アリールスルホニル基」の「C6〜C14アリール基」は、上記「C6〜C14アリール基」の定義と同様である。
前記「置換基を有していてもよい」の「置換基」としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基であり、より好ましいアルキル基としては、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、tert−ペンチル、tert−ヘキシル、tert−ヘプチル、tert−オクチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のα位が2あるいは3級炭素であるC1〜C8アルキル基;
フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル、10−フェナントリル等のC6〜C14アリール基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2−メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基を包含する。
(R、R’、R、R’)
’及びR’は、式(1’)で表される光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン骨格中の窒素原子をオニウムとすることができる置換基であれば良く、R’とR’は、同一又は相異なる1価の有機基であるか、又は、該アゼピン骨格中の窒素原子とR’及びR’が一緒になって環状構造を為す有機基である。
具体的には、1価の有機基は、置換基を有してもよい炭素原子、及び、必要に応じて、置換基を有してもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子及び−SO−基からなる群より選ばれる原子又は基によって構成され、それらの原子或いはそれらの原子と基の合計数が1から31であるものを示し、
アゼピン骨格中の窒素原子とR’とR’が一緒になって環状構造を為す有機基(以下、「環状構造を為す有機基」と呼称する場合がある。)は、アゼピン骨格の窒素原子以外に、置換基を有してもよい炭素原子、及び、必要に応じて、置換基を有してもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及び−SO−基からなる群より選ばれる原子又は基によって構成され、アゼピン骨格中の窒素原子と、それらの原子或いはそれらの原子と基の合計数は5〜63である。
ここで、「置換基を有してもよい炭素原子」及び「置換基を有してもよい窒素原子」は、前記Rにおける「置換基を有してもよい炭素原子」及び「置換基を有してもよい窒素原子」の定義と同様である。
これらの1価の有機基及び環状構造を為す有機基は、式(1)で表される化合物が示すように、無置換炭素原子を介してアゼピン骨格中の窒素原子と結合しているものが好ましい。すなわち、R’は−CH−Rであることが好ましく、R’も同様に−CH−Rであることが好ましい。
及びRは、同一又は相異なって、置換基を有してもよい炭素原子、及び、必要に応じて、置換基を有してもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子及び−SO−基からなる群より選ばれる原子又は基によって構成され、それらの原子或いはそれらの原子と基の合計数が1から30であるものを示し、
アゼピン骨格中の窒素原子と2つのメチレンとRとRとが一緒になって環状構造を為す有機基(以下、「環状構造を為す有機基」と呼称する場合がある。)は、アゼピン骨格の窒素原子以外に、置換基を有してもよい炭素原子、及び、必要に応じて、置換基を有してもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及び−SO−基からなる群より選ばれる原子又は基によって構成され、アゼピン骨格中の窒素原子と2つのメチレンとそれらの原子或いはそれらの原子と基との合計数は5〜63である。
ここで、「置換基を有してもよい炭素原子」及び「置換基を有してもよい窒素原子」は、前記Rにおける「置換基を有してもよい炭素原子」及び「置換基を有してもよい窒素原子」の定義と同様である。
「置換基を有していてもよい炭素原子」の「置換基」としては、ハロゲン原子、オキソ基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基が包含される。
ここで、「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を包含する。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等を包含する。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2−メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ等を包含する。
「置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基」の「C6〜C14アリール基」は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル、10−フェナントリル、アズレニル、インデニル、インダニル、テトラリニル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基」の「C7〜C16アラルキル基」は、べンジル、2−フェニルエチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等のC7〜C16アラルキル基を包含する。
これらの置換基は同一炭素原子に、0から2個まで置換可能であり、置換基が2個の場合、相異なる置換基を置換させることもできる。
「置換基を有してもよい窒素原子」の「置換基」としては、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキルカルボニル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリールカルボニル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリールスルホニル基、置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基、置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキルスルホニル基が包含される。
ここで、「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」、「置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基」及び「置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基」は、上記「置換基を有してもよい炭素原子」におけるそれらの定義と同様である。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキルカルボニル基」は、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基とカルボニル基が結合した基であり、「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、デシル、ドデシル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチルを包含する。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキルスルホニル基」は、C1〜C8アルキル基とスルホニル基が結合した基であり、「C1〜C8アルキル基」は上記「C1〜C8アルキルカルボニル基」における定義と同様である。
「置換基を有していてもよいC6〜C14アリールスルホニル基」の「C6〜C14アリールスルホニル基」は、C6〜C14アリール基とスルホニル基が結合した基であり、「C6〜C14アリール基」は上記「置換基を有してもよい炭素原子」における定義と同様である。
「置換基を有していてもよいC6〜C14アリールカルボニル基」の「C6〜C14アリールカルボニル基」は、C6〜C14アリール基とカルボニル基が結合した基であり、「C6〜C14アリール基」は上記「置換基を有してもよい炭素原子」における定義と同様である。
「置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキルカルボニル基」の「C7〜C16アラルキルカルボニル基」は、C7〜C16アラルキル基とカルボニル基が結合した基であり、「C7〜C16アラルキル基」は上記「置換基を有してもよい炭素原子」における定義と同様である。
「置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキルスルホニル基」の「C7〜C16アラルキルスルホニル基」は、C7〜C16アラルキル基とスルホニル基が結合した基であり、「C7〜C16アラルキル基」は上記「置換基を有してもよい炭素原子」における定義と同様である。
前記「置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基」「置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基」等における「置換基」としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2−メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基が包含される。
前記の1価の有機基或いは前記の環状構造を為す有機基を構成する原子に窒素原子が含まれる場合には、
(1)その窒素原子が、前記のアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はアラルキルスルホニル基のいずれかで置換されているときには、該窒素原子に隣接する炭素原子はオキソ基で置換されていてもいなくても良い。
(2)その窒素原子が、前記のアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はアラルキルスルホニル基以外で置換されているときには、該窒素原子に隣接する炭素原子はオキソ基で置換される。
式(1)において、好適なR及びRとしては、同一又は相異なって、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C30アルキル基、好ましくは、直鎖又は分岐C1〜C8アルキル基、又は、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基であるか、或いはRとRは一緒になって、置換基を有してもよい炭素数2から60の2価基である。前記の置換基を有してもよい炭素数2から60の2価基としては、下記式(6−1)〜(6−20)のものを包含する。
但し、式(6−1)〜(6−20)はR及びRに隣接する炭素原子も含めて表示されており、すなわち、次式(6)の具体例を表したものである。

(式中、RとR、及び、RとRは、それぞれ、RとRで定義した置換基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はハロゲン原子を示し、rは、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキルカルボニル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキルスルホニル基、置換基を有してもよいC6〜C14アリール基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリールカルボニル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリールスルホニル基、置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキルカルボニル基、又は、置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキルスルホニル基を示す。)
,R及びrにおける各基の定義は、上記「置換基を有していてもよい炭素原子」及び「置換基を有していてもよい窒素原子」におけるそれらの基の定義と同様である。
(Ar)
Arは、1価の有機基を示し、好ましくは、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基を示す。
さらに好ましくは、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基又は置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基であり、特に好ましくは、C6〜C14アリール基である。
ここで、「C6〜C14アリール基」及び「C3〜C8ヘテロアリ−ル基」の各定義は、R及びRにおけるそれらの定義と同様である。
「置換基を有していてもよい」の「置換基」としては、ハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキルカルボニル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリールカルボニル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリールスルホニル基を包含する。
ここで、各基の定義は、上記R、R3’、R、R4’におけるそれらの定義と同様である。
(その他)
*は光学活性、すなわち本願化合物(1’)又は(1)のビフェニル骨格構造を構成する結合軸に関して一方の軸不斉異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰であることを示す。
は、アンモニウムのカウンターアニオンであれば特に制限は無いが、
水酸化物イオン、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子イオン、
HSO 、rSO 等のスルホン酸系イオン、
PO 、PO 等のリン酸イオン、
CO 等のカルボン酸系イオン等のアニオンを包含する。
ここで、rは、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有してもよいC6〜C14アリール基を包含する。
「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等を包含する。
「置換基を有してもよいC6〜C14アリール基」の「C6〜C14アリール基」は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル、10−フェナントリル、アズレニル、インデニル、インダニル、テトラリニル等を包含する。
「置換基を有していてもよい」の「置換基」としては、ハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基を包含する。
ここで、「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」及び「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基」各基の定義は、上記R及びR、或いは、R’(又はR)及びR’(又はR)におけるそれらの定義と同様である。
1−2.光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体の製造方法
本発明の光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体のうち例えば、式(1a)で表される化合物は、下記反応式(D)
[式中、R、R、R、R’、R’、Ar、*は、前記と同じ意味を示し、x1は、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子を示す。]で表される方法で製造できる。
すなわち、出発原料の化合物(3’)で表される光学活性ビフェニル誘導体をアリール化して化合物(3”)
[式中、R、R、R、Ar、*は、前記と同じ意味を示す。]で表される光学活性ジアリールビフェニル誘導体を得る工程1、
化合物(3”)をハロゲン化して化合物(3''')
[式中、R、R、R、Ar、*、x1は、前記と同じ意味を示す。]で表される光学活性ビスベンジルハロゲン化物を得る工程2、
化合物(3''')をアミノ化して式(1a)
[式中、R、R、R、R’、R’、Ar、*、x1は、前記と同じ意味を示す。]で表される光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体を得る工程3、の各工程を経て製造する。
各工程について説明する。
工程1は、化合物(3’)に対して式(8)
ArB(Or2 (8)
[式中、Arは前記と同じ意味を、rは、水素原子又はC1〜C8アルキルを示し、或いはr同士が一緒になって、ピナコール基等の環状ジアルコキシ基を示す。]で表されるホウ素化合物を、パラジウム触媒と塩基の存在下、適宜な溶媒中において作用させて、化合物(3”)を得る工程である。
式(8)で表されるホウ素化合物は、化合物(3’)に対して、2.0倍モル〜10.0倍モル、好ましくは2.1倍モル〜5.0倍モル、より好ましくは2.5倍モル〜3.5倍モルである。
パラジウム触媒は、ビス[1,2−(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、Pd(PPh34等の0価のパラジウム錯体が好適に使用でき、化合物(3’)に対して、0.005当量〜0.2当量、好ましくは0.001当量〜0.1当量、より好ましくは0.01当量〜0.05当量である。
また、パラジウム触媒は、2価パラジウム化合物にホスフィンを作用させることによって、反応系中で調製し使用することもできる。2価パラジウムは、塩化パラジウム、臭化パラジウム等のハロゲン化パラジウム、酢酸パラジウム、アセト酢酸パラジウム等が挙げられ、好ましくは、酢酸パラジウムである。ホスフィンには特に制限は無いが、入手容易なトリアリールホスフィン類が好ましく使用でき、トリフェニルホスフィンがより好ましい。2価パラジウム化合物とホスフィンのモル比率は、1:1〜1:10、好ましくは1:2〜1:5である。
塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化カリウム、炭酸カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化セシウム、炭酸セシウム、水酸化タリウム、リン酸塩類すなわち、第二、第三リン酸ナトリウム、それらの水和物、第二、第三リン酸カリウム、それらの水和物、ピロリン酸ナトリウム、その水和物、ピロリン酸カリウム、その水和物等が適宜に使用でき、好ましくは、第三リン酸カリウム又はその水和物であり、化合物(3’)に対して、2.0倍モル〜10.0倍モル、好ましくは2.1倍モル〜5.0倍モル、より好ましくは2.5倍モル〜3.5倍モルである。
溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、エーテル、イソプロピルエーテル、THF、tert−ブチルメチルエーテル、CPME等のエーテル系溶媒、DMF、N−メチルピロリジン−2−オン(NMP)、N,N’−ジメチルイミダゾリジン−2−オン(DMI)等のアミド系溶媒が好ましく使用できる。溶媒量(L)は化合物(3’)(kg)に対して、容積(L)/重量(kg)で好ましくは1.0倍〜100倍、より好ましくは3倍〜30倍である。
反応は、溶媒の融点から沸点までの適宜な温度で、好ましくは0℃〜120℃で、より好ましくは室温〜100℃である。
反応は攪拌することにより行われ、反応時間は反応速度に応じて適宜に設定できるが、好ましくは3〜50時間、より好ましくは6〜24時間である。
工程2は、化合物(3”)にハロゲン化剤と、必要に応じて、反応開始剤を作用させ、適宜な溶媒中において化合物(3''')に誘導する工程である。
ハロゲン化剤は、塩素、N−クロロコハク酸イミド、臭素、N−ブロムコハク酸イミド(NBS)等、ヨウ素等が使用でき、NBSが好適であり、化合物(3”)に対して、好ましくは2.0倍モル〜5.0倍モル、より好ましくは2.1倍モル〜3.0倍モルである。
反応開始剤として、AIBN、BPO(過酸化ベンゾイル)等のラジカル反応開始剤を使用することが好ましく、化合物(3”)に対して、0.05倍モル〜1.0倍モル、より好ましくは0.1倍モル〜0.5倍モルである。
溶媒は、反応を阻害しなければ特に制限はないが、ヘキサン、シクロへキサン、ベンゼン等の炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等塩素系溶媒、DMF、N−メチルピロリジン−2−オン(NMP)、N,N’−ジメチルイミダゾリジン−2−オン(DMI)等のアミド系溶媒が使用できる。溶媒量(L)は化合物(3’)(kg)に対して、容積(L)/重量(kg)で好ましくは1.0倍〜100倍、より好ましくは3倍〜30倍である。
反応は、溶媒の融点から沸点までの適宜な温度で、好ましくは0℃〜100℃である。
反応は攪拌することにより行われ、反応時間は反応速度に応じて適宜に設定できるが、好ましくは3〜50時間、より好ましくは6〜24時間である。
工程3は、化合物(3''')に対して式(9)
HNR’R’ (9)
(式中、R’、R’は、前記と同じ意味を示す。)で表されるアミン化合物を、塩基の存在下、適宜な溶媒中において作用させて化合物(1a)を得る工程である。
式(9)で表されるアミン化合物は、化合物(3''')に対して、0.5倍モル〜5.0倍モル、好ましくは0.75倍モル〜2.0倍モルである。
塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化カリウム、炭酸カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化セシウム、炭酸セシウム等の無機塩基が、好ましく使用でき、化合物(3’)に対して、2倍モル〜30倍モル、好ましくは3倍モル〜20倍モルである。
溶媒は、反応を阻害しなければ特に制限はないが、ヘキサン、シクロへキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等塩素系溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、DMF、N−メチルピロリジン−2−オン(NMP)、N,N’−ジメチルイミダゾリジン−2−オン(DMI)等のアミド系溶媒が使用できる。溶媒量(L)は化合物(3’)(kg)に対して、容積(L)/重量(kg)で好ましくは1.0倍〜100倍、より好ましくは3倍〜30倍である。
本反応を相間移動反応条件下に行うことも可能であり、この場合にはテトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、18−クラウン−6−エーテル、15−クラウン−4−エーテル等の一般的な相間移動触媒を化合物(3''')に対して0.005倍モル〜0.2倍モル、好ましくは0.01〜0.05倍モル共存させることによる。この場合には前記の塩基を、水溶液或いは固体のままできる。
反応は攪拌することにより行われ、溶媒の融点から沸点までの適宜な温度で、好ましくは室温〜100℃である。反応時間は反応速度に応じて適宜に設定できるが、好ましくは3〜50時間、より好ましくは6〜24時間である。
2−1.光学活性ビフェニル誘導体
前記のアゼピン誘導体を製造するために、下記式(3)
で表される光学活性ビフェニル誘導体が用いられる。
当該光学活性ビフェニル誘導体において、R’、R及びRは前記と同じ意味を示す(ただし、ハロゲン原子は、塩素、臭素、ヨウ素が好ましい)。
*は前記と同じ意味を示し、Yは、スルホネート基又はハロゲン原子を示す。
ここで、−O−R’−O−は、好ましくは、Rにおいて例示された式(4−1)〜(4―22)及び(5−1)並びに(5−2)において、rが酸素原子の2価置換基であり、さらに、より好ましいは、前記の群より選ばれる、rが酸素原子である以下の2価基である。
(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−4)、(4−6)、(4−7)、(4−9)、(4−12)、(4−13)、(4−17)、(4−20)、(5−1)及び(5−2)
Yのスルホネート基は式(7)
SO− (7)
で表される基であり、式中、rは、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有してもよいC6〜C14アリール基が好ましい。
ここで、「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等を包含する。
「置換基を有してもよいC6〜C14アリール基」の「C6〜C14アリール基」は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル、10−フェナントリル、アズレニル、インデニル、インダニル、テトラリニル等を包含する。
「置換基を有してもよい」の「置換基」としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基であり、より好ましいアルキル基としては、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、tert−ペンチル、tert−ヘキシル、tert−ヘプチル、tert−オクチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のα位が2或いは3級炭素であるC1〜C8アルキル基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2−メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基;
であり、また前記の置換基群における各基の水素原子が適宜にフッ素原子に置換されても良い。
2−2.光学活性ビフェニル誘導体の製造方法
前記の式(3)で表される光学活性ビフェニル誘導体は、下記反応式(E)
(式中、−O−R’−O−、R、R、Ar、*は、前記と同じ意味を示す。)で表される方法で製造できる。
すなわち、式(10)で表される光学活性ビフェニル誘導体に対して式(11)
x2−R’−x2 (11)
(式中、R’は、前記と同じ意味を示す2価基であり、x2は脱離基を示す。)で表される2官能性化合物を、塩基の存在下、適宜な溶媒中において作用させて化合物(3)を得る工程である。
式(11)で表される2官能性化合物中のR’は、Rにおいて例示された式(4−1)〜(4―22)及び(5−1)〜(5−4)において、rを除く部分が好ましく、これ等のうち、(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−4)、(4−6)、(4−7)、(4−9)、(4−12)、(4−13)、(4−16)、(4−17)、(5−1)、(5−2)、(5−3)及び(5−4)に相当するものが特に好ましい。
式(11)で表される2官能性化合物の二つのx2は、脱離基であり、二つが同一でも、異なっていても良く、化学反応において一般的に脱離基として用いることが可能な置換基であれば特に制限はないが、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子と、式(C’)
(式中、Rは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基又は置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基が好ましい。)で表されるスルホニルオキシ基が好ましく、より好ましくは、ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素であり、式(C’)で表されるスルホニルオキシ基としては、入手の容易さから、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシが挙げられる。
ここで、「置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」の「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基」の「C6〜C14アリール基」は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル、10−フェナントリル、アズレニル、インデニル、インダニル、テトラリニル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基」の「C3〜C8ヘテロアリ−ル基」は、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、8−キノリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロリジル、3−ピロリジル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、テトラヒドロ−2−フラニル、テトラヒドロ−2−ピラニル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基」の「C7〜C16アラルキル基」は、べンジル、2−フェニルエチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等を包含する。
「置換基を有していてもよい」の「置換基」としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基であり、より好ましいアルキル基としては、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、tert−ペンチル、tert−ヘキシル、tert−ヘプチル、tert−オクチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のα位が2或いは3級炭素であるC1〜C8アルキル基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2−メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基;
が挙げられる。
式(3)で表される光学活性ビフェニル誘導体は、式(10)で表される光学活性ビフェニル誘導体に式(11)で表される2官能性化合物を、塩基の存在下、適宜な溶媒中において作用させることにより得られる。
式(11)で表される2官能性化合物は、式(10)で表される光学活性ビフェニル誘導体に対して、1.0倍モル〜5.0倍モル、好ましくは1.05倍モル〜2.0倍モルである。
塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化カリウム、炭酸カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化セシウム、炭酸セシウム等の無機塩基が、好ましく使用でき、化合物(10)に対して、2倍モル〜30倍モル、好ましくは3倍モル〜20倍モルである。
溶媒は、反応を阻害しなければ特に制限はないが、ヘキサン、シクロへキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等塩素系溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、アセトン、エチルメチルケトン、tert−ブチルメチルケトン等のケトン系溶媒、DMF、N−メチルピロリジン−2−オン(NMP)、N,N’−ジメチルイミダゾリジン−2−オン(DMI)等のアミド系溶媒、DMSO等が使用できる。溶媒量(L)は式(10)で表される光学活性ビフェニル誘導体(kg)に対して、容積(L)/重量(kg)で好ましくは1.0倍〜100倍、より好ましくは5倍〜30倍である。
本反応を相間移動反応条件下に行うことも可能であり、この場合にはテトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、18−クラウン−6−エーテル、15−クラウン−4−エーテル等の一般的な相間移動触媒を式(10)で表される光学活性ビフェニル誘導体に対して0.005倍モル〜0.2倍モル、好ましくは0.01〜0.05倍モル共存させることによる。この場合には前記の塩基を、水溶液或いは固体のままできる。
反応は攪拌することにより行われ、溶媒の融点から沸点までの適宜な温度で、好ましくは0℃〜80℃である。反応時間は反応速度に応じて適宜に設定できるが、好ましくは3〜50時間、より好ましくは6〜24時間である。
3.光学活性α、α−ジ置換グリシン誘導体又は光学活性α−モノ置換グリシン誘導体の製造方法
本発明の光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体の存在下に、以下の反応を行うことができる。
下記式(A)
(式中、Rαは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基又は置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基、Rβは、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、又は置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基、
は、有機基、
Ar’は、置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基、
波線の結合軸は、この結合軸が置換している炭素原子上の置換基の立体配置に制限がないことを示す。)で表されるα−置換グリシン誘導体と、下記式(C)
Z (C)
(式中、RはRと異なる有機基、Zは脱離基を示す。)の化合物を反応させることにより、式(B)
(式中、Rα、Rβ、R、R、Ar’、**、波線の結合軸は、前記と同じ意味を示す。)で表される光学活性α、α−ジ置換グリシン誘導体を製造する。
すなわち下記反応式(X)

で表されるα−置換グリシン誘導体からの光学活性α、α−ジ置換グリシン誘導体の製造方法である。
また、本発明の光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体の存在下に、以下の反応も行うことができる。
下記式(A’)
(式中、Rα、Rβ、Ar’は、上記定義と同じ。)で表されるグリシン誘導体と、下記式(C)
Z (C)
(式中、R、Zは、上記定義と同じ。)の化合物を反応させることにより、下記式(B’)
(式中、Rα、Rβ、R、Ar’、**、波線の結合軸は、前記と同じ意味を示す。)で表される光学活性α−モノ置換グリシン誘導体を製造する。
即ち、下記反応式(X’)
で表されるグリシン誘導体からの光学活性α−モノ置換グリシン誘導体の製造方法である。
上記反応式において、各置換基の定義は以下のとおりである。
αにおける、「置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」の「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル基等を包含する。
「置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基」の「C6〜C14アリール基」は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル、10−フェナントリル、アズレニル、インデニル、インダニル、テトラリニル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基」の「C3〜C8ヘテロアリ−ル基」は、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、8−キノリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロリジル、3−ピロリジル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、テトラヒドロ−2−フラニル、テトラヒドロ−2−ピラニル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基」の「C7〜C16アラルキル基」は、べンジル、2−フェニルエチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等を包含する。
「置換基を有していてもよい」の「置換基」としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基であり、より好ましいアルキル基としては、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、tert−ペンチル、tert−ヘキシル、tert−ヘプチル、tert−オクチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のα位が2或いは3級炭素であるC1〜C8アルキル基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2−メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基;が挙げられる。
βにおける、「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」、「置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基」、及び「置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基」の定義は、Rにおけるそれらの定義と同様であり、Rとしては、水素原子、又は、C1からC6の直鎖低級アルキル基が好ましい。
Ar’における「置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基」の「C6〜C14アリール基」は、上記定義と同様である。
また、「置換基を有していてもよいC6〜C14アリール基」の「置換基」としては、ベンゼン環上の置換基であり、その数は単数でも複数でもよく、その種類も単一でも複数でもよく、その置換位置にも特に制限は無いが、原料の入手し易さから、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2−メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基;
シアノ基、
ニトロ基、
等が、好ましい置換基として挙げられる。
、Rは相異なる有機基であり、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、又は置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基が好適に適用でき、特に制限無く使用できる。
ここで、「置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」の「直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等を包含する。
「置換基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基」の「C7〜C16アラルキル基」は、べンジル、2−フェニルエチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等を包含する。
前記「置換基を有していてもよい」の置換基としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基又は置換基を有するそれらの基;
ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、4−メチルー1−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、2−エチル−1−ブテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、1−オクテニル、2−オクテニル、3−オクテニル、4−オクテニル等のC2〜8アルケニル基又は置換基を有するそれらの基;
エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、4−メチル−1−ペンテニル、1−ヘキシニル、1−オクチニル等のC2〜C8アルキニル基又は置換基を有するそれらの基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2−メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1〜C8アルコキシ基又は置換基を有するそれらの基;
フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル、10−フェナントリル等のC6〜C14アリール基又は置換基を有するそれらの基;
2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、8−キノリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロリジル、3−ピロリジル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、テトラヒドロ−2−フラニル、テトラヒドロ−2−ピラニル等のC3〜C8ヘテロアリ−ル基又は置換基を有するそれらの基;
オキソ基、ニトロ基、シアノ基を包含する。
前記の「置換基を有する」の置換基としては、前記の置換基と同様の置換基を定義することができる。
Zは脱離基であり、化学反応において脱離基として用いることが可能な置換基であれば特に制限はないが、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子と、前記の式(C’)で表されるスルホニルオキシ基が一般的に好ましく、より好ましいハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、式(C’)で表されるスルホニルオキシ基としては、入手の容易さから、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシである。
本反応は、有機溶媒と塩基水溶液の2溶液二相系或いは有機溶媒に単体の塩基を分散・スラリー化させた1溶液二相系での相間移動反応条件下に行われ、式(1’)で表される光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体(以下、式(1’)で表されるアゼピン誘導体という)を相間移動触媒として用いる。
式(A)で表されるα−置換グリシン誘導体又は式(A’)で表されるグリシン誘導体と式(1’)で表されるアゼピン誘導体のモル比は、20,000/1から10/1、好ましくは10,000/1から100/1、より好ましくは5,000/1から500/1である。
式(A)で表されるα−置換グリシン誘導体又は式(A’)で表されるグリシン誘導体と式(C)の化合物のモル比は、1/0.75から1/10、好ましくは1/1から1/5、より好ましくは1/1.1から1/2である。
式(A)で表されるα−置換グリシン誘導体又は式(A’)で表されるグリシン誘導体と塩基のモル比は、1/1から1/100、好ましくは1/1から1/10、より好ましくは1/1.1から1/3であり、塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化カリウム、炭酸カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化セシウム、炭酸セシウム等の無機塩基を、単独或いは混合して使用できる。塩基を水溶液として使用する場合には、その濃度(w/w)は、5%から過飽和まで適宜に行われるが、好ましくは、10%から飽和濃度である。
溶媒は、2溶液二相系で反応を行う場合には、ヘキサン、シクロへキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等塩素系溶媒等の非水溶性溶媒を単独或いは混合して用いることが好ましく、より好ましくはヘキサン、シクロへキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒を単独或いは混合溶媒として用いることができる。1溶液二相系で反応を行う場合には、前記の溶媒に加えて、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、DMF、N−メチルピロリジン−2−オン(NMP)、N,N’−ジメチルイミダゾリジン−2−オン(DMI)等のアミド系溶媒等が使用できる。溶媒量(L)は式(A)で表されるα−置換グリシン誘導体又は式(A’)で表されるグリシン誘導体(kg)に対して、容積(L)/重量(kg)で好ましくは1.0倍〜100倍、より好ましくは5倍〜30倍である。なお、前記のいずれかの有機溶媒を使用することが一般的であるが、有機溶媒を使用せずに塩基水溶液だけで反応を行うことも可能である。
反応は攪拌することにより行われ、溶媒の融点から沸点までの適宜な温度で、好ましくは−10℃〜60℃である。反応時間は反応速度に応じて適宜に設定できるが、好ましくは3〜60時間、より好ましくは6〜24時間である。
以下に、本発明の実施例を掲げより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体の合成
実施例1−1
工程1 (S)−1の合成
キラルビスフェノール(0.5mmol)と炭酸カリウム塩基(1.5〜2mmol)をアセトニトリル(50mL)溶媒に溶かした。還流させながら、1,4−ジブロモブタンをゆっくり滴下した。3時間後、アセトニトリルを減圧留去した後、抽出・乾燥をおこなった。減圧濃縮後、シリカゲルショートカラムにて簡単な精製を行い、次工程に用いた(収率87%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.51 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 6.84 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 4.30-4.38 (2H, m, ArOCH2), 3.90-3.99 (2H, m, ArOCH2), 2.07 (6H, s, ArCH3), 1.61-1.79 (4H, m, CH2); [α]D 29 +118.2° (c 1.0, CHCl3).
工程2 (S)−2の合成
アリールブロマイド体(S)−1をアルゴン雰囲気にて、酢酸パラジウム(5mol%)p−トリルトリフェニルホスフィン(20mol%)触媒存在下、リン酸カリウム(5e.q.)を塩基として用い、DMF(5mL)溶媒中、アリールボロン酸(1.5mmol)と鈴木カップリングさせた。反応混合物を90℃にて12時間攪拌した。反応終了後、セライトにて触媒をろ過した後、抽出し乾燥を行なった。減圧濃縮の後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し次工程に用いた(収率94%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.15 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 6.90-7.03 (6H, m, ArH), 4.40-4.48 (2H, m, ArOCH2), 3.95-4.07 (2H, m, ArOCH2), 1.94 (6H, s, ArCH3), 1.74-2.02 (4H, m, CH2); [α]D 26+169.20° (c 1.0, CHCl3).
工程3 (S)−3の合成
得られた(S)−2に、NBS(2.2e.q.)、AIBN(10mol%)を加え、ベンゼン溶媒中(20mL)、還流下3時間攪拌を行なった。反応終了後、抽出・乾燥・減圧濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)にて精製を行った(収率83%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.12-7.28 (8H, m, ArH), 4.48 (2H, d, J = 12.0 Hz, ArOCH2), 4.09-4.20 (4H, m, ArCH2Br), 3. 90-4.01 (2H, m, ArOCH2), 1.60-1.90 (4H, m,CH2); [α]D 25+73.4° (c 1.0, CHCl3).
工程4 (S)−4の合成
触媒前駆体であるビスブロマイド(S)−3に対してn−ジブチルアミンを過剰量(2〜3倍モル量)加え、炭酸カリウム(2〜3倍モル量)存在下、アセトニトリル溶媒中、40℃にて3時間攪拌を行なった。TLCにて反応終了を確認した後、抽出・乾燥・濃縮を行なった。カラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=10:1)にて精製した(収率63%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 6.90-7.53 (4H, m, ArH), 7.40 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 7.32 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 4.76 (2H, d, J = 13.8 Hz, ArCH2N), 4.54-4.59 (2H, m, ArOCH2), 4.20-4.35 (2H, m, ArOCH2), 3.66 (2H, d, J = 13.8 Hz, ArCH2N), 3.22 (2H, t, J = 12.9 Hz, NCH2), 2.70-2.85 (2H, m, NCH2), 0.87-2.15 (10H, m, CH2),0.75 (6H, t, J = 6.9 Hz, CH3), 0.20-0.31 (2H, m, CH2); [α]D 27-124.40° (c 1.0,MeOH).
実施例1−2
実施例1−1と同様にして実施例1−2の化合物を合成した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.62-8.30 (6H, br, ArH), 7.47 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 7.39 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 4.45-4.66 (2H, m, ArOCH2), 4.55 (2H, d, J = 13.8 Hz, ArCH2N), 4.33 (2H, t, J = 9.3 Hz, ArOCH2), 3.94 (2H, d, J = 13.8 Hz, ArCH2N), 3.20-3.38 (2H, m, NCH2), 2.62-2.80 (2H, m, NCH2), 1.82-2.15 (4H, m, CH2), 0.55-1.65 (12H, m, CH2, CH3), 0.16-0.35 (2H, m, CH2); [α]D 26-72.9° (c 1.0, MeOH).
実施例1−3
実施例1−1と同様にして実施例1−3の化合物を合成した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.72-8.25 (6H, br, ArH), 7.45 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 7.30 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 4.45-4.62 (4H, m, ArOCH2, ArCH2N), 4.18-4.30 (2H, m, ArOCH2), 3.91 (2H, d, J = 13.8 Hz, ArCH2N), 3.21 (2H, t, J = 12.0 Hz, NCH2), 2.60-2.78 (2H, m, NCH2), 1.66-1.99 (6H, m, CH2), 0.52-1.15 (12H, m, CH2 ,CH3), 0.15-0.29 (2H, m, CH2); [α]D 29-50.8° (c 1.0, CHCl3).
実施例1−4
実施例1−1と同様にして実施例1−4の化合物を合成した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.79-8.41 (6H, br, ArH), 7.58 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 7.53 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 5.75 (2H, s, ArOCH2O), 4.59 (2H, d, J = 14.1 Hz, ArCH2N), 4.11 (2H, d, J = 14.1 Hz, ArNCH2), 3.28-3.44 (2H, m, NCH2), 2.72-2.88 (2H, m, NCH2), 0.20-1.45 (14H, m, CH2, CH3); [α]D 29+4.4° (c 0.5, MeOH).
実施例1−5
実施例1−1と同様にして実施例1−5の化合物を合成した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.50 (2H, d, J = 8.4 Hz, ArH), 7.45 (2H, d, J = 8.4 Hz, ArH), 7.08-7.44 (4H, br, ArH), 5.73 (2H, s, ArOCH2O), 4.88 (2H, d, J = 14.1 Hz, ArCH2N), 3.68 (2H, d, J = 14.1 Hz, ArNCH2), 3.42-3.60 (2H, m, NCH2), 2.92-3.09 (2H, m, NCH2), 0.62 (6H, t, J = 7.2 Hz, CH3); [α]D 22-8.4° (c 0.5, MeOH).
実施例1−6
実施例1−1と同様にして実施例1−6の化合物を合成した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.19 (2H, s, ArH), 7.81 (2H, d, J = 8.1 Hz, ArH), 7.68 (2H, d, J = 9.0 Hz, ArH), 7.42-7.55 (4H, m, ArH), 7.15-7.33 (8H, m, ArH), 7.05 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 6.07 (2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 4.62 (2H, d, J = 13.5Hz, ArCH2N), 4.59 (2H, d, J = 13.5 Hz, ArCH2N), 4.48 (2H, d, J = 13.8 Hz, ArCH2N), 4.36-4.56 (4H, m, ArOCH2), 3.65 (2H, d, J = 13.8 Hz, ArCH2N), 1.57-2.11 (4H,m, CH2); [α]D 29+112.32° (c 0.43, CHCl3).
実施例1−7
実施例1−1と同様に、実施例1−7の化合物を合成した。
1H NMR (300 MHz, acetone-d6) δ 8.17-8.36(6H, m, ArH), 7.70 (2H, d, J = 8.4 Hz,ArH), 7.64 (2H, d, J = 8.4 Hz, ArH), 4.73 (2H, d, J = 14.1 Hz, ArCH2N), 4.52-4.70 (2H, m, ArOCH2), 3.97 (2H, d, J = 14.1 Hz, ArCH2N), 3.14-3.26 (2H, m, NCH2), 2.10-2.25 (2H, m, NCH2), 0.75-1.45 (8H, m, CH2), 0.60 (6H, t, J = 7.5 Hz, CH3); [α]D 26-37.0° (c 1.0, MeOH).
(実施例2)光学活性α、α−ジ置換グリシン誘導体の製造
実施例2−1
反応式に示されるアラニンシッフ塩基(0.25mmol)、ピペラニルブロマイド(0.3mmol)、相間移動触媒PTC(0.02mol%)をトルエン溶媒(2mL)に溶かした。混合溶液を激しく攪拌しながら、飽和KOH水溶液(0.5mL)を滴下した。アルゴン雰囲気下、25℃(恒温槽)にて反応が終了するまで激しく攪拌を行なった。反応終了後、内部標準物質として安息香酸メチルを0.25mmol加え、反応混合物をそのままHNMR分析し収率を求めた(定量的)。
反応混合物を抽出・濃縮・乾燥後、カラムクロマトグラフィーにて精製を行った。このときイミン部位が脱保護されたアミン体として目的物を得た。このアミン体を塩化メチレン溶液に溶かし、塩化ベンゾイル(0.25mmol)を滴下した。1時間後、アンモニア水によって反応を終了させた後、抽出・カラム精製(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)を行い、ベンゾイル化体を得た。光学純度は、このベンゾイル化体をHPLC分析(キラルセルAD−H、ヘキサン:イソプロパノール:エタノール=90:5:5)することにより決定した(95%ee)。
注)相間移動触媒PTC:実施例1−1において合成した光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体
実施例2−2
実施例2−1と同じアラニンシッフ塩基 (0.25mmol)、ベンジルブロマイド(0.3mmol)、実施例2−1と同じ相間移動触媒PTC(0.02mol%)をトルエン溶媒(2mL)に溶かした。混合溶液を激しく攪拌しながら、飽和KOH水溶液(0.5mL)を滴下した。アルゴン雰囲気下、25℃(恒温槽)にて反応が終了するまで激しく攪拌を行なった。反応終了後、有機相に1Nの塩酸を加え、室温にて3時間攪拌を行なった。反応終了後、水相を回収し、炭酸ナトリウムを加えて溶液をアルカリ性にした後、酢酸エチルで抽出し、脱保護されたアミン体を得た。このアミン体を塩化メチレン溶液に溶かし、塩化ベンゾイル(0.25mmol)を滴下した。1時間後、アンモニア水によって反応を終了させた後、抽出・カラム精製(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)を行い、ベンゾイル化体を得た。光学純度は、このベンゾイル化体をHPLC分析(キラルセルAD−H、ヘキサン:イソプロパノール:エタノール=90:5:5)することにより決定した(97%ee)。
本発明の化合物を触媒として使用すれば、高い光学純度をもつ光学活性ジ置換グリシン誘導体を簡便に効率よく入手可能である。

Claims (4)

  1. 式(1)
    (式中、
    Rは、下記式(2)
    −O−R’−O− (2)
    (式中R’は、置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基;オキソ基;アリール基;アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールスルホニル基、及び、アルキルスルホニル基からなる群より選ばれる基を有していてもよい−(CH−基を示し、nは1から8である。)で表される基を示す。
    及びRは、同一又は相異なって、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    置換基としてハロゲン原子、C6〜C14アリール基、及び、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基からなる群より選ばれる基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、又は
    置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、及び、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC6〜C14アリール基を示す。
    及びRは、同一又は相異なって、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C30アルキル基を、又は、一緒になって、次式

    (式中、*は光学活性、すなわち本化合物のビフェニル構造を構成する結合軸に関して一方の軸不斉異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰であることを示す)
    を示す。
    Arは、置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキルカルボニル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキルスルホニル基、C6〜C14アリールカルボニル基、及び、C6〜C14アリールスルホニル基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC6〜C14アリール基、又は、
    置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキルカルボニル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキルスルホニル基、C6〜C14アリールカルボニル基、及び、C6〜C14アリールスルホニル基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基を示す。
    はカウンターアニオンを示す。
    *は光学活性、すなわち本化合物のビフェニル構造を構成する結合軸に関して一方の軸不斉異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰であることを示す。)
    で表される光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体。
  2. 下記式(3)

    (式中、R’は、置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基;オキソ基;アリール基;アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールスルホニル基、及び、アルキルスルホニル基からなる群より選ばれる基を有していてもよい−(CH−基を示し、nは1から8である。
    及びRは、同一又は相異なって、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    置換基としてハロゲン原子、C6〜C14アリール基、及び、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基からなる群より選ばれる基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、又は
    置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、及び、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC6〜C14アリール基を示す。
    *は光学活性、すなわち本化合物のビフェニル構造を構成する結合軸に関して一方の軸不斉異性体が他方の軸不斉異性体よりも過剰であることを示す。
    Yはスルホネート基又はハロゲン原子を示す。)
    で表される光学活性ビフェニル誘導体。
  3. 下記式(A)

    (式中、
    αは、
    置換基としてハロゲン原子、及び、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基からなる群より選ばれる基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、
    置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、及び、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC6〜C14アリール基、
    置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、及び、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基、又は
    置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、及び、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基を示す。
    βは、
    水素原子、
    直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、
    C6〜C14アリール基、又は
    C7〜C16アラルキル基を示す。
    は、置換基としてハロゲン原子、C2〜8アルケニル基、C2〜C8アルキニル基、C1〜C8アルコキシ基、C6〜C14アリール基、C3〜C8ヘテロアリ−ル基、オキソ基、ニトロ基、及び、シアノ基からなる群より選ばれる基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、又は
    置換基として、ハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜C8アルキニル基、C1〜C8アルコキシ基 C6〜C14アリール基、C3〜C8ヘテロアリ−ル基、オキソ基、ニトロ基、及び、シアノ基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基を示す。
    Ar’は、置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基、シアノ基及びニトロ基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC6〜C14アリール基を示す。
    波線の結合軸は、この結合軸が置換した炭素原子上の置換基の立体配置に制限がないことを示す。)で表されるα−置換グリシン誘導体と、
    下記式(C)
    Z (C)
    (式中、Rは、上記Rと同じ定義で示される基のうち、Rと異なる基を示し、Zは脱離基を示す。)の化合物を、請求項1に記載の光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体の存在下に反応させることを特徴とする、下記式(B)

    (式中、Rα、Rβ、R、R、Ar’、波線の結合軸は、前記と同じ意味を示し、**は光学活性、すなわち**の炭素原子において存在する2種類の鏡像異性体に関して一方の異性体が他方の異性体よりも過剰に存在することを示す。)で表される光学活性α、α−ジ置換グリシン誘導体の製造方法。
  4. 下記式(A’)

    (式中、
    αは、
    置換基としてハロゲン原子、及び、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基からなる群より選ばれる基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、
    置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、及び、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC6〜C14アリール基、
    置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、及び、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC3〜C8ヘテロアリ−ル基、又は
    置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、及び、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基を示す。
    βは、
    水素原子、
    直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、
    C6〜C14アリール基、又は
    C7〜C16アラルキル基を示す。
    Ar’は、
    置換基としてハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルコキシ基、シアノ基及びニトロ基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC6〜C14アリール基を示す。
    波線の結合軸は、この結合軸が置換した炭素原子上の置換基の立体配置に制限がないことを示す。)で表されるグリシン誘導体と、
    下記式(C)
    Z (C)
    (式中、

    置換基としてハロゲン原子、C2〜8アルケニル基、C2〜C8アルキニル基、C1〜C8アルコキシ基 C6〜C14アリール基、C3〜C8ヘテロアリ−ル基、オキソ基、ニトロ基、及び、シアノ基からなる群より選ばれる基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、又は
    置換基として、ハロゲン原子、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜C8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜C8アルキニル基、C1〜C8アルコキシ基、C6〜C14アリール基、C3〜C8ヘテロアリ−ル基、オキソ基、ニトロ基、及び、シアノ基からなる群より選ばれる基を有していてもよいC7〜C16アラルキル基を示し、
    Zは脱離基を示す。)の化合物を、請求項1に記載の光学活性6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン誘導体の存在下に反応させることを特徴とする、下記式(B')

    (式中、Rα、Rβ、R、Ar’、波線の結合軸は、前記と同じ意味を示し、**は光学活性、すなわち**の炭素原子において存在する2種類の鏡像異性体に関して一方の異性体が他方の異性体よりも過剰に存在することを示す。)で表される光学活性α−モノ置換グリシン誘導体の製造方法。
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