JP2015003861A - (r)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールの製造法 - Google Patents

(r)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールの製造法 Download PDF

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文 吉田
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Abstract

【課題】煩雑な操作を行うことなく、簡便且つ効率的に医薬品中間体として有用な(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールを製造する。【解決手段】N−ベンジリデン−2−アミノエステル誘導体に、光学活性な相間移動触媒を用いて不斉アルキル化を行い、続いて脱ベンジリデン化、還元などを行うことにより(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールを製造する。更に、光学活性な酸と塩を形成させて固体を析出させることにより、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール塩の固体を取得して光学純度を向上させる。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品中間体として有用な(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールの製造法に関する。
(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールの製造法としては、例えば、以下の方法が知られている。
(1)N−ベンジリデン−2−アミノブタン酸エチルに水素化ナトリウムを作用させた後、n−ブチルヨージドと反応させることにより、ラセミN−ベンジリデン−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸エチルを製造する。これを塩酸で処理して脱ベンジリデン化を行うことにより、2−アミノ−2−エチルヘキサン酸エチルを製造し、続いてブタ肝臓由来のエステラーゼ(PLE)を用いて不斉水解することにより、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸を製造する。最後に、水素化アルミニウムリチウムで還元を行うことにより、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールを得る方法(特許文献1)。
また、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールの前駆体として使用される(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸誘導体の製造法として、以下の方法が知られている。
(2)2−アセチルブタン酸エチルと(S,S)−1,2−ヘキサンジオールからアセタール誘導体を形成し、リチウムジイソプロプルアミドとn−ブチルヨージドを反応させ、続いて酸処理することにより、(S)−2−アセチル−2−エチルヘキサン酸エチルを製造する。次に、これとアジ化水素を反応させることにより、(R)−2−アセチルアミノ−2−エチルヘキサン酸エチルを取得する方法(非特許文献1)。
WO93/16055
J.Org.Chem.,2001,66,2667−2673.
先行技術(1)は、ブタ肝臓由来のエステラーゼ(PLE)を用い、ラセミ化合物の光学分割を行うことにより目的化合物を得ている。この製法の課題として、PLEの工業的入手が困難な点、また最終工程に近い段階で、所望の立体配置を有する化合物の収量が半分になってしまうという生産性の低さの点が挙げられる。実際に先行技術(1)に記載の実施例に従い、光学分割を行ったところ、所望の立体を有する目的化合物の収率は39%であり、その光学純度は31%eeという結果であった。これを実用可能なレベルまで光学純度を高めるには、多大な労力やコストが見込まれる。さらに目的化合物は、水層中にアミノ酸の形として得られるが、次工程で用いる水素化アルミニウムリチウムは水分に敏感であるため、晶析等の操作により水分を厳密に取り除く必要があり、操作が煩雑となる。先行技術(2)は、−78℃という超低温が必要であり、更には各工程収率が決して高くない点に課題を有している。
上記に鑑み、本発明者らは鋭意検討の結果、簡便且つ効率よく(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールを製造する方法を見出した。更には、得られた(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールの光学純度を、医薬品中間体として十分に満足できるレベルに向上させうる方法を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(S)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールを不純物として含む下記式(1):
Figure 2015003861
で表される(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールと下記式(2):
Figure 2015003861
(式中、Aはカウンター陰イオンを表す。)で表される光学活性な酸から塩を形成させて固体を析出させることにより、前記不純物を除去することを特徴とする、下記式(3):
Figure 2015003861
(式中、Aは前記に同じである。)
で表される(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール塩の固体の製造法に関する。
また本発明は、下記式(11):
Figure 2015003861
で表される(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール/(R)−マンデル酸塩にも関する。
本発明にかかる方法によれば、工業的実施に適した方法で、簡便且つ効率よく(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール塩の固体を製造することができる。
続いて、本発明を具体的に述べる。本発明における(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールの製造法を図で表すと、以下の通りである。各工程を順に追って説明する。本願においては、特に記載のない限り、各工程を別個独立に実施することが可能である。
Figure 2015003861
工程1
本工程では、光学活性な相間移動触媒および塩基の存在下、下記式(4):
Figure 2015003861
で表されるN−ベンジリデン−2−アミノヘキサン酸エステル誘導体とエチルハライドを反応させることにより、下記式(5):
Figure 2015003861
で表される(R)−N−ベンジリデン−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸エステル誘導体を製造する。
ここで、ArはC6〜C12のアリール基を表す。アリール基は、1以上の置換基を有していてもよい。Arとしては、具体的には例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、1−ナフチル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基、又はp−クロロフェニル基である。
Rは水素原子、又はC1〜C5のアルキル基を表す。アルキル基は、1以上の置換基を有していてもよい。アルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、又はtert−ブチル基であり、更に好ましくはエチル基、イソプロピル基、又はtert−ブチル基である。
前記化合物(4)は、特許文献1に記載の方法を参考に製造することができる。具体的には例えば、エタノール中、2−アミノヘキサン酸と塩化チオニルを反応させることにより、2−アミノヘキサン酸エチル塩酸塩を製造し、続いて無水硫酸ナトリウムの存在下、ベンズアルデヒドとトリエチルアミンを反応させることにより製造することができる。
前記エチルハライドとして好ましくは、エチルクロリド、エチルブロミド、エチルヨージドであり、更に好ましくはエチルヨージドである。
前記エチルハライドの使用量としては、多すぎるとコスト面で好ましくないため、上限としては化合物(4)に対して、好ましくは10倍モル量であり、更に好ましくは5倍モル量であり、特に好ましくは2倍モル量である。下限としては化合物(4)に対して、好ましくは0.5倍モル量であり、更に好ましくは0.8倍モル量であり、特に好ましくは1倍モル量である。
前記光学活性な相間移動触媒としては、光学活性な4級アンモニウム塩系相間移動触媒、ビフェニル骨格および/又はビナフチル骨格を有する光学活性な4級ホスホニウム塩系相間移動触媒、光学活性な金属原子で錯形成された相間移動触媒が挙げられる。好ましくは、ビフェニル骨格および/又はビナフチル骨格を有する光学活性な4級アンモニウム塩、光学活性な酒石酸型4級アンモニウム塩、又は光学活性なシンコナアルカロイド型4級アンモニウム塩、ビフェニル骨格および/又はビナフチル骨格を有する光学活性な4級ホスホニウム塩系相間移動触媒、N,N’−ビス(サリシリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミン誘導体(Jacobsen配位子)と錯形成されたニッケル、又は銅触媒が挙げられる。更に好ましくは、
(11bS)−(+)−4,4−ジブチル−4,5−ジヒドロ−2,6−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−3H−ジナフト[2,1−c:1’,2’−e]アゼピニウムブロミド、(11bR)−(−)−4,4−ジブチル−4,5−ジヒドロ−2,6−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−3H−ジナフト[2,1−c:1’,2’−e]アゼピニウムブロミド、(S,S)−3,4,5−トリフルオロフェニル−NASブロミド、(R,R)−3,4,5−トリフルオロフェニル−NASブロミド、(S,S)−β−ナフチル−NASブロミド、(R,R)−β−ナフチル−NASブロミド、(15bR)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド、(15bS)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド;N−ベンジルシンコニジニウムクロリド;N−ベンジルシンコニウムクロリド;N−アントラセニルシンコニジニウムクロリド;N−アントラセニルシンコニウムクロリド;N−アントラセニルキニジニウムクロリド;N−アントラセニルキニウムクロリド;N−(1−ナフチル)シンコニジニウムクロリド;N−(1−ナフチル)シンコニウムクロリド;N−(2−ナフチル)シンコニジニウムクロリド;N−(2−ナフチル)シンコニウムクロリド;N−(2,5−ジフルオロベンジル)シンコニジニウムクロリド;N−(2,5−ジフルオロベンジル)シンコニウムクロリド;N−(2,5−トリフルオロメチルベンジル)シンコニジニウムクロリド;N−(2,5−トリフルオロメチルベンジル)シンコニウムクロリド;N−(2,5−ジクロロベンジル)シンコニジニウムクロリド;N−(2,5−ジクロロベンジル)シンコニウムクロリド;6,10−ジベンジル−N,N’−ジメチル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルベンジル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−(2R,3R)−ジイルビス(メチルアンモニウム)テトラフルオロボラート((R,R)-TaDiAS);6,10−ジベンジル−N,N’−ジメチル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルベンジル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−(2S,3S)−ジイルビス(メチルアンモニウム)テトラフルオロボラート((S,S)-TaDiAS)であり、特に好ましくは(11bS)−(+)−4,4−ジブチル−4,5−ジヒドロ−2,6−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−3H−ジナフト[2,1−c:1’,2’−e]アゼピニウムブロミド、(11bR)−(−)−4,4−ジブチル−4,5−ジヒドロ−2,6−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−3H−ジナフト[2,1−c:1’,2’−e]アゼピニウムブロミド、(S,S)−3,4,5−トリフルオロフェニル−NASブロミド、(R,R)−3,4,5−トリフルオロフェニル−NASブロミド、(S,S)−β−ナフチル−NASブロミド、(R,R)−β−ナフチル−NASブロミド、(15bR)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド、(15bS)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド;N−アントラセニルシンコニジニウムクロリド;N−アントラセニルシンコニウムクロリド;N−(1−ナフチル)シンコニジニウムクロリドである。
前記光学活性な相間移動触媒の使用量としては、多すぎるとコスト面で好ましくないため、上限としては化合物(4)に対して、好ましくは1倍モル量であり、更に好ましくは0.5倍モル量であり、特に好ましくは0.1倍モル量である。下限としては化合物(4)に対して、好ましくは0.000001倍モル量であり、更に好ましくは0.00001倍モル量であり、特に好ましくは0.0001倍モル量である。
前記塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等のアルカリ炭酸水素塩;n−ブチルリチウム、フェニルリチウム等の有機リチウム試薬;ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等のアルカリ金属アミド;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルキル金属アルコキシド等が挙げられる。好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルキル金属アルコキシド等であり、更に好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物である。
前記塩基の使用量として、上限としては化合物(4)に対して、好ましくは20倍モル量であり、更に好ましくは10倍モル量であり、特に好ましくは5倍モル量である。下限としては化合物(4)に対して、好ましくは0.1倍モル量であり、更に好ましくは0.5倍モル量であり、特に好ましくは1倍モル量である。
本反応の溶媒としては、反応に影響を与えない限りにおいては特に制限はなく、具体的には例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチルtert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド系溶媒;ジメチルプロピレンウレア等のウレア系溶媒;ヘキサメチルホスホン酸トリアミド等のホスホン酸トリアミド系溶媒等を用いることができる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その混合比は特に制限されない。好ましくは、水;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチルtert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒であり、更に好ましくは水、テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、ヘキサン、トルエン、塩化メチレン、又は1,2−ジクロロエタンである。特に好ましくは水、トルエン、又はメチルtert−ブチルエーテルである。
前記溶媒の使用量は、多すぎるとコストや後処理の点で好ましくないため、上限としては、化合物(4)に対して好ましくは100倍重量であり、更に好ましくは50倍重量であり、特に好ましくは20倍重量である。下限としては、化合物(4)に対して好ましくは0.1倍重量であり、更に好ましくは0.5倍重量であり、特に好ましくは1倍重量である。
本反応における反応温度には特に制限はなく、適宜設定すればよいが、副生成物の生成を少なくするため、上限としては好ましくは120℃であり、更に好ましくは50℃であり、特に好ましくは30℃である。下限としては好ましくは−80℃であり、更に好ましくは−50℃であり、特に好ましくは−20℃である。
本反応における反応時間には特に制限はなく、適宜設定すればよいが、上限としては好ましくは120時間であり、更に好ましくは100時間であり、特に好ましくは80時間である。下限として好ましくは0.1時間であり、更に好ましくは0.5時間であり、特に好ましくは1時間である。
本工程の化合物(4)、エチルハライド、光学活性な相間移動触媒、塩基、溶媒の混合順序について特に制限はない。
反応後の処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行えばよい。例えば、反応終了後の反応液に水、一般的な抽出溶媒、例えば酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から減圧加熱等の操作により、反応溶媒及び抽出溶媒を留去すると目的物が得られる。
このようにして得られた目的物は、後続工程に使用できる十分な純度を有しているが、純度をさらに高める目的で、晶析、分別蒸留、転溶洗浄、カラムクロマトグラフィー等の一般的な精製手法により、さらに純度を高めてもよい。
工程2
本工程では、前記化合物(5)を、酸水溶液で処理して脱ベンジリデン化を行うことにより、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸エステル誘導体(化合物(9))を製造する。
前記酸水溶液として好ましくは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、蟻酸、トリフルオロ酢酸の水溶液であり、更に好ましくは塩酸水溶液である。
前記酸の使用量は、反応液のpHを基準にして決定する。pHとして、好ましくは3以下であり、更に好ましくは1以下である。なお、前記pHが維持されるように、酸を逐次添加するとよい。
本反応の溶媒としては、反応に影響を与えない限りにおいては特に制限はなく、具体的には例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチルtert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド系溶媒;ジメチルプロピレンウレア等のウレア系溶媒;ヘキサメチルホスホン酸トリアミド等のホスホン酸トリアミド系溶媒等を用いることができる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その混合比は特に制限されない。好ましくは水と、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒との二層系混合溶媒であり、更に好ましくは水と酢酸エチル、ヘキサン、トルエン、塩化メチレン、又は1,2−ジクロロエタンである。
前記溶媒の使用量は、多すぎるとコストや後処理の点で好ましくないため、上限としては、化合物(5)に対して好ましくは100倍重量であり、更に好ましくは50倍重量であり、特に好ましくは20倍重量である。下限としては、化合物(5)に対して好ましくは0.1倍重量であり、更に好ましくは0.5倍重量であり、特に好ましくは1倍重量である。
本反応における反応温度には特に制限はなく、適宜設定すればよいが、副生成物の生成を少なくするため、上限としては好ましくは100℃であり、更に好ましくは70℃であり、特に好ましくは50℃である。下限としては好ましくは−50℃であり、更に好ましくは−30℃であり、特に好ましくは0℃である。
本反応における反応時間には特に制限はなく、適宜設定すればよいが、上限としては好ましくは24時間であり、更に好ましくは12時間であり、特に好ましくは6時間である。下限として好ましくは0.1時間であり、更に好ましくは0.5時間であり、特に好ましくは1時間である。
本工程の化合物(5)、酸水溶液、溶媒の混合順序について特に制限はない。
反応後の処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行えばよい。例えば、反応終了後の反応液から有機層を分離し、残った水層に水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ水溶液を加えて中和する。続いて、一般的な抽出溶媒、例えば酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から減圧加熱等の操作により、反応溶媒及び抽出溶媒を留去すると目的物が得られる。
このようにして得られた目的物は、後続工程に使用できる十分な純度を有しているが、純度をさらに高める目的で、晶析、分別蒸留、転溶洗浄、カラムクロマトグラフィー等の一般的な精製手法により、さらに純度を高めてもよい。
工程3
本工程では、前記化合物(9)を還元することにより、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール(化合物(1))を製造する。
前記還元に用いる還元剤として具体的には例えば、ジボラン、ボラン・ジエチルエーテル、ボラン・テトラヒドロフラン、ボラン・ジメチルスルフィド、ボラン・ピリジン、ボラン・ピコリン等の水素化ホウ素化合物;水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化トリエチルホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素カリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素金属化合物;水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、ナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム等の水素化アルミニウム金属化合物等が挙げられる。好ましくは水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムナトリウム、又はナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムであり、更に好ましくは、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、又は水素化アルミニウムリチウムであり、特に好ましくは水素化ホウ素ナトリウム、又は水素化アルミニウムリチウムである。
前記水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として使用する際は、メタノール、ヨウ素、硫酸、トリフルオロボランなどの活性化剤を共存させるとよい。
前記活性化剤の使用量としては、上限としては水素化ホウ素ナトリウムに対して、好ましくは5倍モル量であり、更に好ましくは3倍モル量であり、特に好ましくは1倍モル量である。また、下限としては水素化ホウ素ナトリウムに対して、好ましくは0.01倍モル量であり、更に好ましくは0.1倍モル量であり、特に好ましくは0.5倍モル量である。
前記還元剤の使用量としては、多すぎるとコストや後処理の点で好ましくないため、上限としては化合物(9)に対して、好ましくは15倍モル量であり、更に好ましくは10倍モル量であり、特に好ましくは5倍モル量である。また、下限としては化合物(9)に対して、好ましくは0.01倍モル量であり、更に好ましくは0.05倍モル量であり、特に好ましくは0.1倍モル量である。
本反応の溶媒としては、反応に影響を与えない限りにおいては特に制限はなく、具体的に例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチルtert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒を用いることができる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その混合比は特に制限されない。好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチルtert−ブチルエーテル、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、又はメチルシクロヘキサンであり、更に好ましくはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、トルエン、ヘキサンであり、特に好ましくはテトラヒドロフランである。
前記溶媒の使用量は、多すぎるとコストや後処理の点で好ましくないため、上限としては、化合物(9)に対して好ましくは100倍重量であり、更に好ましくは50倍重量であり、特に好ましくは20倍重量である。下限としては、化合物(9)に対して好ましくは0.1倍重量であり、更に好ましくは0.5倍重量であり、特に好ましくは1倍重量である。
本反応における反応温度には特に制限はなく、適宜設定すればよいが、副生成物の生成を少なくするため、上限としては好ましくは150℃であり、更に好ましくは100℃であり、特に好ましくは70℃である。下限としては好ましくは−50℃であり、更に好ましくは−20℃であり、特に好ましくは0℃である。
本反応における反応時間には特に制限はなく、適宜設定すればよいが、上限としては好ましくは48時間であり、更に好ましくは24時間であり、特に好ましくは12時間である。下限として好ましくは0.1時間であり、更に好ましくは0.5時間であり、特に好ましくは1時間である。
本工程の化合物(9)、溶媒、還元剤の混合順序について特に制限はない。
反応後の処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行えばよい。例えば、反応終了後の反応液に水を加えるか、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液、若しくは塩酸、硫酸等の酸水溶液を加えて加水分解した後、必要に応じて中和し、一般的な抽出溶媒、例えば酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から減圧加熱等の操作により、反応溶媒及び抽出溶媒を留去すると目的物が得られる。
このようにして得られた目的物は、後続工程に使用できる十分な純度を有しているが、純度をさらに高める目的で、分別蒸留、転溶洗浄、カラムクロマトグラフィー等の一般的な精製手法により、さらに純度を高めてもよい。
工程4
本工程では、光学活性な相間移動触媒および塩基の存在下、下記式(6):
Figure 2015003861
で表されるN−ベンジリデン−2−アミノブタン酸エステル誘導体とn−ブチルハライドを反応させることにより、下記式(5):
Figure 2015003861
で表される(R)−N−ベンジリデン−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸エステル誘導体を製造する。
ここで、ArはC6〜C12のアリール基を表す。アリール基は、1以上の置換基を有していてもよい。Arとしては、具体的には例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、1−ナフチル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基、又はp−クロロフェニル基である。
RはC1〜C5のアルキル基を表す。アルキル基は、1以上の置換基を有していてもよい。アルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、又はtert−ブチル基であり、更に好ましくはエチル基、イソプロピル基、又はtert−ブチル基である。
前記化合物(6)は特許文献1に記載の方法を参考に製造することができる。具体的には例えば、エタノール中、2−アミノブタン酸と塩化チオニルを反応させることにより2−アミノブタン酸エチル塩酸塩を製造し、続いて無水硫酸ナトリウムの存在下、ベンズアルデヒドとトリエチルアミンを反応させることにより製造することができる。
前記n−ブチルハライドとして好ましくは、n−ブチルクロリド、n−ブチルブロミド、n−ブチルヨージドであり、更に好ましくはn−ブチルヨージドである。
前記n−ブチルハライドの使用量としては、多すぎるとコスト面で好ましくないため、上限としては化合物(6)に対して、好ましくは10倍モル量であり、更に好ましくは5倍モル量であり、特に好ましくは2倍モル量である。下限としては化合物(6)に対して、好ましくは0.5倍モル量であり、更に好ましくは0.8倍モル量であり、特に好ましくは1倍モル量である。
前記光学活性な相間移動触媒、前記塩基、溶媒、反応温度、反応時間、試剤の混合順序、反応後の処理などについては、工程1と同様である。
工程5
本工程では、光学活性な相間移動触媒および塩基の存在下、下記式(6):
Figure 2015003861
で表されるN−ベンジリデン−2−アミノブタン酸エステル誘導体とクロチルハライドを反応させることにより、下記式(7):
Figure 2015003861
で表される(R)−N−ベンジリデン−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸エステル誘導体を製造する。
前記クロチルハライドとして好ましくは、クロチルクロリド、クロチルブロミド、クロチルヨージドであり、更に好ましくはクロチルブロミドである。
なお、n−ブチルハライドをクロチルハライドに変えた点以外は、工程4と同様にして、反応を行うことができる。
工程6
本工程では、前記化合物(7)を、酸水溶液で処理して脱ベンジリデン化を行うことにより、(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸エステル誘導体(化合物(8))を製造する。本工程は、工程2と同様にして行うことが可能であって、本工程の詳細な条件は、工程2と同様である。
工程7
本工程では、前記化合物(8)のオレフィンを水素化することにより、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸エステル誘導体(化合物(9))を製造する。
前記オレフィンを水素化する方法としては、遷移金属触媒存在下に水素化する方法が挙げられる。
前記遷移金属触媒としては、具体的には例えば、白金、ロジウム、パラジウム、ニッケル、コバルト、ルテニウム、イリジウム、又はレニウム等の金属、合金、もしくはその塩化物等が挙げられる。これらの触媒は、触媒活性、再現性、保存安定性、操作性、リサイクルの観点から、粉末担体に分散させた触媒を用いる方が好ましい。粉末担体としては、具体的に例えば、炭素、アルミナ、シリカーアルミナ、シリカ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、又はゼオライト等が挙げられ、好ましくは、これら粉末担体に担持された白金、ロジウム、又はパラジウムの金属等である。具体的には例えば、白金−炭素、白金(II)スルフィド−炭素、白金−アルミナ、白金−シリカーアルミナ、白金−シリカ、白金−炭酸バリウム、白金−硫酸バリウム、白金−炭酸カルシウム、白金−酸化チタン、白金−酸化ジルコニウム、白金−ゼオライト、白金−アスベスト、白金ロジウム合金−炭素、白金パラジウム合金−炭素、ロジウム−炭素、ロジウム−アルミナ、ロジウム−シリカ、ロジウム−炭酸カルシウム、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム(II)−炭素、パラジウム(II)スルフィド−炭素、パラジウム−アルミナ、パラジウム−シリカーアルミナ、パラジウム−シリカ、パラジウム−炭酸バリウム、パラジウム−硫酸バリウム、パラジウム−炭酸カルシウム、パラジウム−酸化チタン、パラジウム−酸化ジルコニウム、パラジウム−ゼオライト、パラジウム−アスベスト、ルテニウム−炭素、ルテニウム−アルミナ、ルテニウム−シリカ、ルテニウム−炭酸カルシウム、イリジウム−炭素、イリジウム−アルミナ、イリジウム−シリカ、イリジウム−炭酸カルシウム、ラネーニッケル等が挙げられる。
これら遷移金属触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
遷移金属触媒として好ましくは、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム(II)−炭素、ロジウム−炭素、白金−炭素、ルテニウム−炭素、又はラネーニッケルであり、更に好ましくはパラジウム−炭素、又はラネーニッケルである。
前記遷移金属触媒の使用量は、多すぎるとコスト面で好ましくないため、上限としては化合物(8)に対して、好ましくは10倍重量であり、更に好ましくは5倍重量であり、特に好ましくは1倍重量である。下限としては化合物(8)に対して、好ましくは0.0001倍重量であり、更に好ましくは0.001倍重量であり、特に好ましくは0.01倍重量である。
また、本反応における水素圧には特に制限はなく、適宜設定すればよいが、上限として好ましくは10MPaであり、更に好ましくは0.9MPaであり、特に好ましくは0.5MPaである。
本反応の溶媒としては、反応に影響を与えない限りにおいては特に制限はなく、具体的に例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチルtert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒を用いることができる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その混合比は特に制限されない。好ましくは、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチルtert−ブチルエーテル、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、又はメチルシクロヘキサンであり、更に好ましくは水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、トルエン、ヘキサンであり、特に好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノールである。
前記溶媒の使用量は、多すぎるとコストや後処理の点で好ましくないため、上限としては、化合物(8)に対して好ましくは100倍重量であり、更に好ましくは50倍重量であり、特に好ましくは20倍重量である。下限としては、化合物(8)に対して好ましくは0.1倍重量であり、更に好ましくは0.5倍重量であり、特に好ましくは1倍重量である。
本反応における反応温度には特に制限はなく、適宜設定すればよいが、副生成物の生成を少なくするため、上限としては好ましくは100℃であり、更に好ましくは70℃であり、特に好ましくは50℃である。下限としては好ましくは−20℃であり、更に好ましくは0℃であり、特に好ましくは20℃である。
本反応における反応時間には特に制限はなく、適宜設定すればよいが、上限としては好ましくは48時間であり、更に好ましくは24時間であり、特に好ましくは12時間である。下限として好ましくは0.1時間であり、更に好ましくは0.5時間であり、特に好ましくは1時間である。
本工程の化合物(8)、遷移金属触媒、溶媒の混合順序について特に制限はないが、水素は最後に添加するとよい。
反応後の処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行えばよい。遷移金属触媒を濾別した後、濾過液から減圧加熱等の操作により、反応溶媒を留去すると目的物が得られる。
このようにして得られた目的物は、後続工程に使用できる十分な純度を有しているが、純度をさらに高める目的で、分別蒸留、転溶洗浄、カラムクロマトグラフィー等の一般的な精製手法により、さらに純度を高めてもよい。
工程8
本工程では、前記化合物(8)を還元することにより、(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセノール(化合物(10))を製造する。本工程は、工程3と同様にして行うことが可能であって、本工程の詳細な条件は、工程3で行った説明と同様である。
工程9
本工程では、前記化合物(10)のオレフィンを水素化することにより、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール(化合物(9))を製造する。本工程は、工程7と同様にして行うことが可能であって、本工程の詳細な条件は、工程7で行った説明と同じである。
工程10
前記式(1)で表される(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールは、場合により、高い光学純度を求められる医薬品中間体として使用するには光学純度が十分高いとは言えない場合がある。本発明者らは鋭意検討の結果、好ましくは95%ee以上(ここで%eeはエナンチオマー過剰率を表す。)、更に好ましくは98%ee以上、特に好ましくは99%ee以上まで(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールの光学純度を向上させる方法を見出した。
即ち、本工程では、(S)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールを不純物として含む前記化合物(1)と下記式(2):
Figure 2015003861
で表される光学活性な酸から塩を形成させて固体を析出させることにより、光学純度が向上した下記式(3):
Figure 2015003861
(式中、Aはカウンター陰イオンを表す。)で表される(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール塩の固体を製造する。
前記光学活性な酸としては、L−酒石酸、D−酒石酸、L−乳酸、D−乳酸、L−リンゴ酸、D−リンゴ酸、(R)−マンデル酸、(S)−マンデル酸、ジベンゾイル−L−酒石酸、ジ−(p−トルオイル)−L−酒石酸、ジベンゾイル−D−酒石酸、ジ−(p−トルオイル)−D−酒石酸、(S,S)−タルトラニル酸、(S,S)−4’−クロロタルトラニル酸、(R,R)−タルトラニル酸、(R,R)−4’−クロロタルトラニル酸、ベンソイル−L−乳酸、p−トルオイル−L−乳酸、p−クロロベンゾイル−L−乳酸、p−ニトロベンソイル−L−乳酸、3,5−ジクロロベンゾイル−L−乳酸、ベンソイル−D−乳酸、p−トルオイル−D−乳酸、p−クロロベンゾイル−D−乳酸、p−ニトロベンソイル−D−乳酸、3,5−ジクロロベンゾイル−D−乳酸、O−フェニル−L−乳酸、O−フェニル−D−乳酸、N−アセチル−L−アラニン、N−アセチル−L−ロイシン、N−トシル−L−アラニン、N−トシル−D−ロイシン、N−アセチル−D−ロイシン、N−トシル−D−アラニン、N−トシル−D−ロイシン、(+)−10−カンファースルホン酸、(−)−10−カンファースルホン酸、(+)−カンファー酸、(−)−カンファー酸等が挙げられる。好ましくは、(R)−マンデル酸、又はジ−(p−トルオイル)−D−酒石酸、又は(+)−カンファー酸であり、更に好ましくは(R)−マンデル酸である。
前記光学活性な酸の使用量として、上限としては化合物(1)に対して、好ましくは5倍モル量であり、更に好ましくは3倍モル量であり、特に好ましくは1.5倍モル量である。下限としては化合物(1)に対して、好ましくは0.1倍モル量であり、更に好ましくは0.3倍モル量であり、特に好ましくは0.5倍モル量である。
本工程の固体の析出に用いる溶媒としては、特に制限は無いが、具体的には例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチルtert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルプロピレンウレア等のウレア系溶媒;ヘキサメチルホスホン酸トリアミド等のホスホン酸トリアミド系溶媒を用いることができる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その混合比は特に制限されない。
好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、アセトン、アセトニトリル、トルエン、クロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、又はメチルシクロヘキサンであり、更に好ましくはメチルtert−ブチルエーテル、酢酸エチル、アセトニトリル、又はトルエンであり、特に好ましくはアセトニトリル、又は酢酸エチルである。
前記溶媒の使用量は、多すぎるとコストや後処理の点で好ましくないため、上限としては、化合物(1)に対して好ましくは100倍重量であり、更に好ましくは50倍重量であり、特に好ましくは20倍重量である。下限としては、化合物(1)に対して好ましくは0.1倍重量であり、更に好ましくは0.5倍重量であり、特に好ましくは1倍重量である。
本工程の固体を析出させる方法としては特に限定されないが、例えば以下のような方法が挙げられる。
(a)化合物(1)と光学活性な酸を溶媒中で混合することにより固体を析出させる方法。
(b)化合物(1)と光学活性な酸を溶媒中で混合後、冷却して固体を析出させる方法。
(c)化合物(1)と光学活性な酸を溶媒中で混合後、濃縮する事により固体を析出させる方法。
(d)化合物(1)と光学活性な酸を溶媒中で混合後、貧溶媒を添加する事により固体を析出させる方法。
(e)化合物(1)と光学活性な酸を溶媒中で混合後、貧溶媒に濃縮置換する事により固体を析出させる方法。
(a)〜(e)の方法を適宜組み合わせて固体を析出させても良い。また、固体を析出させる際には種となる固体を添加しても良い。
上記固体を析出させる方法で用いる溶媒としては、前述の溶媒と同じものが挙げられ、(e)の方法で用いる貧溶媒としては例えば、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン等が挙げられる。
(a)〜(e)の固体を析出させる方法における実施温度は、特に限定されないが、生じる塩の種類と使用する溶媒の種類により適宜選択すればよく、好ましくは使用する溶媒種又は混合溶媒種に、化合物(3)が溶解する温度未満で、目標とする析出量と固体の品質に応じて設定すればよい。
(a)〜(e)の固体を析出させる方法により析出した化合物(3)は、減圧濾過、加圧濾過、又は遠心分離等の方法により分離、取得することができる。また、取得固体中に母液が残存して固体の光学純度(%ee)が低下する場合は必要に応じて、更に溶媒で洗浄することにより、品質を高めることもできる。
固体の乾燥方法としては、特に制限は無いが、熱分解や溶融を避けて約60℃以下で、減圧乾燥(真空乾燥)するのが望ましい。
また、充分に光学純度(%ee)が向上しなかった場合は再度、前記(a)〜(e)のいずれかの固体を析出させる方法に付すか、又は化合物(3)を溶媒で洗浄するか、又は前記(a)〜(e)のいずれかに準じた方法で再度固体を析出させれば良い。
前記方法によって取得した化合物(3)は、必要に応じて解塩することにより、光学純度(%ee)の向上した化合物(1)として取得することができる。前記解塩する方法としては例えば、化合物(3)に、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等のアルカリ水溶液を添加することにより化合物(1)を遊離させ、酢酸エチル、トルエン、メチルtert−ブチルエーテル等の有機溶媒を用いて抽出し、抽出溶媒を減圧加熱等で留去することにより行うとよい。
なお、本工程で得られる化合物(3)は文献に未記載の新規化合物であり、当然ながら固体になることは知られていない。なお、本発明の固体とは、結晶、アモルファス、又はそれらの混合物を表し、その混合比は任意である。
また、回収率と光学純度の向上のしやすさの観点から化合物(3)として好ましくは、下記式(11):
Figure 2015003861
で表される(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール/(R)−マンデル酸塩である。
言うまでもないが、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールを不純物として含む(S)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールと光学活性な酸から塩を形成させて固体を析出させることにより、光学純度の向上した(S)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールを取得することも可能である。この場合、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールの光学純度を向上させる場合とは逆の立体化学の光学活性な酸を用いればよく、これについても本発明の範囲に含まれる。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、これら実施例は本発明を何ら限定するものではない。
[光学純度分析法(イソクラテックHPLC法)]
取得した(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール(15mg)に炭酸水素ナトリウム(30mg)、水(0.5mL)、酢酸エチル(0.2mL)、クロロ蟻酸ベンジル(20mg)を添加し、数分間撹拌させた。酢酸エチル層を分離して薄層クロマトグラフで精製後、HPLCで分析した。
(HPLC分析条件)
カラム :ダイセルキラルセルOD−H 4.6×250mm
移動相 :ヘキサン/イソプロパノール=95/5
カラム温度 :35℃
流速 :1.0mL/分
検出波長 :UV254nm
保持時間 :(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−エチルヘキサノール=24.9分、(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−エチルヘキサノール=31.4分
(実施例1)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール/(R)−マンデル酸塩の製造法
(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール(89%ee)28.7g(0.198mol)に酢酸エチル(276g)、(R)−マンデル酸33.4g(0.220mol)を添加し、40℃で保持した。種晶を添加し1時間撹拌後、1時間かけて25℃まで冷却した。30分熟成させた後に、固体を減圧濾別した。固体を酢酸エチル(130mL)で洗浄後、40℃で減圧乾燥することにより表題化合物(41.3g、97%ee、R体の回収率78%)を得た。
H−NMR(DMSO−d6):δ(ppm)7.34(d、J=7.5Hz、2H)、7.21(t、J=7.5Hz、2H)、7.13(t、J=7.5Hz、1H)、4.46(s、1H)、3.33(s、2H)1.37−1.51(m、4H)、1.17−1.27(m、4H)、0.86(t、J=7.0Hz、3H)、0.80(t、J=7.0Hz、3H)
(実施例2)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール/(R)−マンデル酸塩の製造法
(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール/(R)−マンデル酸塩(97%ee)40.1g(0.135mol)に酢酸エチル(526g)を添加後、50℃まで昇温し、1時間撹拌した。2時間で室温まで冷却し、固体を減圧濾別した。固体を酢酸エチル(127mL)で洗浄後、減圧乾燥することにより表題化合物(37.0g、99%ee、R体の回収率93%)を得た。
(実施例3)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール/(R)−マンデル酸塩の製造法
(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール/(R)−マンデル酸塩(97%ee)37.9gに酢酸エチル(301g)、アセトニトリル(38.0g)を添加し、内温55℃まで昇温すると均一溶液となった。48℃まで冷却した時点で固体の析出が観測され、その後2時間かけて28℃まで冷却し、固体を減圧濾別した。固体を酢酸エチル(125mL)で洗浄し、減圧乾燥することで表題化合物(38.9g、99%ee、R体の回収率93%)を得た。
(実施例4)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール/(1R、3S)−(+)−カンファー酸塩の製造法
(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール(89%ee)0.508g(3.50mmol)に酢酸エチル(5mL)、アセトニトリル(5mL)、(1R、3S)−(+)−カンファー酸0.705g(3.52mmol)を添加し、50℃で1時間保持した。25℃まで冷却し、1時間熟成させた後に、固体を減圧濾別した。固体を酢酸エチル(5mL)で2回洗浄後、40℃で減圧乾燥することにより表題化合物(0.549g、97%ee、R体の回収率67%)を得た。NMRから(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールと(1R、3S)−(+)−カンファー酸は2:1(モル比)で塩を形成していることを確認した。
H−NMR(DMSO−d6):δ(ppm)3.20(s、2H)、2.53−2.57(m、0.5H)、2.19−2.24(m、0.5H)、1.94−2.01(m、0.5H)、1.64−1.72(m、0.5H)、1.14−1.37(m、8.5H)、1.09(s、1.5H)、1.03(s、1.5H)、0.86(t、J=7.5Hz、3H)、0.79(s、1.5H)、0.77(t、J=7.5Hz、3H)
(実施例5)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール/ジ−(p−トルオイル)−D−酒石酸塩の製造法
(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール(89%ee)0.460g(3.17mmol)に、酢酸エチル(10mL)、ジ−(p−トルオイル)−D−酒石酸0.611g(1.58mmol)を添加し、50℃で1時間保持した。25℃まで冷却し、1時間熟成させた後に、固体を減圧濾別した。固体を酢酸エチル(5mL)で2回洗浄後、40℃で減圧乾燥することにより表題化合物(0.905g、96%ee、R体の回収率85%)を得た。NMRから(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールとジ−(p−トルオイル)−D−酒石酸は2:1(モル比)で塩を形成していることを確認した。
H−NMR(DMSO−d6):δ(ppm)7.81(d、J=6.4Hz、2H)、7.27(d、J=6.4Hz、2H)、7.51(s、1H)、3.27(s、2H)、2.35(s、3H)、1.34−1.44(m、4H)、1.14−1.24(m、4H)、0.84(t、J=6Hz、3H)、0.76(t、J=6Hz、3H)
(実施例6)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸エチルの製造法
N−ベンジリデン−2−アミノブタン酸エチル0.438g(2.00mmol)、n−ブチルヨージド0.552g(3.00mmol)、(S,S)−3,4,5−トリフルオロフェニル−NASブロミド18.8mg(0.02mmol)、トルエン(1mL)の混合物に25℃で水酸化セシウム0.600g(4.00mmol)、水(0.072g)を加えた。反応液を25℃で20時間撹拌後、水(2mL)を加えた。トルエン(5mL)で抽出し、有機層に水(2mL)を加えた。濃塩酸でpHを0.5とした後、25℃で18時間撹拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(2mL)で洗浄した。水層に30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを12.5とし、酢酸エチル(2mL)で3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮することにより表題化合物(69.1mg、収率18%)を得た。実施例7に記載の方法に従って、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールに誘導した後、光学純度を測定すると85.2%eeであった。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)4.20(q、J=3.6、1.9Hz、2H)、1.70−1.83(m、2H)、1.65(s(br)、2H)、1.48−1.59(m、2H)、1.26−1.16(m、3H)、1.27(t、J=7.5Hz、3H)、1.07−1.12(m、1H)、0.89(t、J=7.5Hz、3H)、0.85(t、J=7.5Hz、3H)
(実施例7)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールの製造法
水素化アルミニウムリチウム1.90g(50mmol)、テトラヒドロフラン(50mL)からなる溶液中に、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸エチル9.35g(50mmol)のテトラヒドロフラン(25mL)溶液を25℃、30分で滴下した。25℃、30分撹拌後、60℃に加温して3時間撹拌した。室温まで冷却後、水(1.5g)をゆっくり加え、続いて30重量%水酸化ナトリウム水溶液(0.15g)、水(1.5g)を加えた。25℃、30分撹拌後、析出物をセライトで濾別し、テトラヒドロフラン(50mL)で洗浄した。濾液を減圧乾燥し、残渣にtert−ブチルメチルエーテル(30mL)、30重量%水酸化ナトリウム水溶液(2mL)、飽和食塩水(3mL)を加えて撹拌し、分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮することにより表題化合物(6.05g、収率83%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)3.30(s、2H)、1.23−1.48(m、6H)、0.92(t、J=7.5Hz、3H)、0.85(t、J=7.5Hz、3H)
(実施例8)(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸イソプロピルの製造法
N−ベンジリデン−2−アミノブタン酸イソプロピル0.263g(1.01mmol)、クロチルブロミド0.188g(1.40mmol、アルドリッチ社製、立体異性体混合物)、(15bS)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド(商品名:(S)−ジオキセアゼピン、関東化学社製、製品番号10531−68)3.7mg(0.005mmol)、トルエン(1mL)に85重量%水酸化カリウム0.340g(5.15mmol)を加えて、25℃、19時間撹拌した。反応液にトルエン(1mL)を加え、水(2mL)で洗浄した。有機層に水(2mL)を加え、濃塩酸でpHを0.4とし、1時間撹拌後、分液した。水層をトルエン(2mL)で洗浄後、30重量%水酸化ナトリウム水溶液でpHを12.8とした。酢酸エチル(5mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(1mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮することにより表題化合物(0.126g、収率63%、トランス体/シス体=81/19)を得た。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)5.52−5.66(m、1H)、5.27−5.33(m、1H)、5.00−5.07(m、1H)、2.45−2.50(m、1H)、2.35(dd、J=16.2、6.8Hz、0.19H)、2.14(dd、J=16.2、6.8Hz、0.81H)、1.50−1.93(m、5H)、1.25(dd、J=5.2、2.0Hz、6H)、0.85(t、J=6.0Hz、3H)
(実施例9)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸イソプロピルの製造法
実施例8で得た(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸イソプロピル0.120g(0.600mmol)、10重量%パラジウム炭素12.0mg(50重量%含水)、酢酸エチル(1mL)からなる溶液を、常圧水素雰囲気下、25℃、1.5時間撹拌した。パラジウム炭素を減圧濾別し、酢酸エチル(5mL)で洗いこんだ。濾液を減圧濃縮することにより表題化合物(0.112g、収率93%)を得た。実施例10に記載の方法に従って、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールに誘導した後、光学純度を測定すると68.5%eeであった。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)5.03(h、J=5.3Hz、1H)、1.70−1.82(m、2H)、1.47−1.58(m、2H)、1.26−1.39(m、3H)、1.25(dd、J=5.2、0.8Hz、6H)、1.05−1.13(m、1H)、0.89(t、J=6.0Hz、3H)、0.85(t、J=6.0Hz、3H)
(実施例10)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールの製造法
水素化アルミニウムリチウム69.9mg(1.84mmol)、テトラヒドロフラン(4mL)に(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸イソプロピル0.247g(1.23mmol)を添加し、25℃で1日間撹拌した。反応液に水(0.1mL)、30重量%水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)、水(0.1mL)を添加し、1時間撹拌した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、固体を濾別し、濾液を減圧濃縮することで、表題化合物(0.152g、収率85%)を得た。
(実施例11)(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸tert−ブチルの製造法
N−(p−クロロベンジリデン)−2−アミノブタン酸tert−ブチル0.284g(1.00mmol)、クロチルブロミド0.203g(1.23mmol、アルドリッチ社製、立体異性体混合物)、(15bS)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド(商品名:(S)−ジオキセアゼピン、関東化学社製、製品番号10531−68)3.7mg(0.005mmol)、トルエン(0.5mL)に85重量%水酸化カリウム0.330g(5.00mmol)を加えて、25℃、15時間撹拌した。反応液にトルエン(2.5mL)を加え、水層を分離し、有機層を水(1mL)で洗浄した。有機層に水(2mL)を加え、濃塩酸でpHを0.4とし、24℃、3時間撹拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(1mL)で洗浄後、30重量%水酸化ナトリウム水溶液でpHを11.5とした。酢酸エチル(1mL)で3回抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮することにより表題化合物(0.109g、収率51%、トランス体/シス体=80/20)を得た。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)5.66−5.63(m、0.2H)、5.59−5.52(m、0.8H)、5.35−5.29(m、1H)、2.47−2.43(m、1H)、2.36−2.30(m、0.2H)、2.12(dd、J=14.0、6.8Hz、0.8H)、1.84−1.72(m、1H)、1.67−1.65(m、5H)、1.46(s、9H)、0.86(t、J=7.5Hz、3H)
(実施例12)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸tert−ブチルの製造法
実施例11で得た(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸tert−ブチル0.109g(0.511mmol)、10重量%パラジウム炭素10.9mg(50重量%含水)、酢酸エチル(2.5mL)からなる溶液を、常圧水素雰囲気下、25℃、3日間撹拌した。パラジウム炭素を減圧濾別し、酢酸エチル(5mL)で洗いこんだ。濾液を減圧濃縮することにより表題化合物(0.108g、収率98%)を得た。実施例7に記載の方法に従って、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールに誘導した後、光学純度を測定すると86.3%eeであった。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)1.78(brs、2H)、1.80−1.68(m、2H)、1.59−1.47(m、1H)、1.46(s、9H)、1.26−1.36(m、4H)、1.05−1.13(m、1H)、0.90(t、J=7.5Hz、3H)、0.86(t、J=7.5Hz、3H)
(実施例13)(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸tert−ブチルの製造法
N−(p−クロロベンジリデン)−2−アミノブタン酸tert−ブチル0.284g(1.00mmol)、クロチルブロミド0.203g(1.23mmol、アルドリッチ社製、立体異性体混合物)、(11bS)−(+)−4,4−ジブチル−4,5−ジヒドロ−2,6−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−3H−ジナフト[2,1−c:1’,2’−e]アゼピニウムブロミド(関東化学社製、製品番号11348−68)3.7mg(0.005mmol)、トルエン(0.5mL)に85重量%水酸化カリウム0.330g(5.00mmol)を加えて、25℃、15時間撹拌した。反応液にトルエン(2.5mL)を加え、水層を分離し、有機層を水(1mL)で洗浄した。有機層に水(2mL)を加え、濃塩酸でpHを0.4とし、24℃、3時間撹拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(1mL)で洗浄後、30重量%水酸化ナトリウム水溶液でpHを11.5とした。酢酸エチル(1mL)で3回抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮することにより表題化合物(0.109g、収率51%、トランス体/シス体=80/20)を得た。
(実施例14)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸tert−ブチルの製造法
実施例13で得た(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸tert−ブチルを実施例12に記載の方法に従って、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールに誘導した後、光学純度を測定すると79.0%eeであった。
(実施例15)(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸tert−ブチルの製造法
N−(p−クロロベンジリデン)−2−アミノブタン酸tert−ブチル0.284g(1.00mmol)、クロチルブロミド0.208g(1.31mmol、アルドリッチ社製、立体異性体混合物)、(15bS)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド(商品名:(S)−ジオキセアゼピン、関東化学社製、製品番号10531−68)3.6mg(0.005mmol)、水42.4mg(2.36mmol)、トルエン(0.5mL)に85重量%水酸化カリウム0.332g(5.03mmol)を加えて、0℃、18時間撹拌した。反応液にトルエン(2.5mL)を加え、水層を分離し、有機層を水(1mL)で洗浄した。有機層に水(2mL)を加え、濃塩酸でpHを0.4とし、24℃、3時間撹拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(1mL)で洗浄後、30重量%水酸化ナトリウム水溶液でpHを11.9とした。酢酸エチル(1mL)で3回抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮することにより表題化合物(0.101g、収率47%、トランス体/シス体=82/18)を得た。
(実施例16)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸tert−ブチルの製造法
実施例15で得た(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸tert−ブチルを実施例12に記載の方法に従って、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールに誘導した後、光学純度を測定すると93.4%eeであった。
(実施例17)(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸tert−ブチルの製造法
N−(p−クロロベンジリデン)−2−アミノブタン酸tert−ブチル0.284g(1.00mmol)、クロチルブロミド0.210g(1.32mmol、アルドリッチ社製、立体異性体混合物)、(15bS)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド(商品名:(S)−ジオキセアゼピン、関東化学社製、製品番号10531−68)3.6mg(0.005mmol)、トルエン(1mL)に85重量%水酸化カリウム0.132g(2.00mmol)を加えて、0℃で18時間、25℃で7時間撹拌した。反応液にトルエン(2.5mL)を加え、水層を分離し、有機層を水(1mL)で洗浄した。有機層に水(2mL)を加え、濃塩酸でpHを0.4とし、24℃、3時間撹拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(1mL)で洗浄後、30重量%水酸化ナトリウム水溶液でpHを11.9とした。酢酸エチル(1mL)で3回抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮することにより表題化合物(0.123g、収率58%)を得た。
(実施例18)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸tert−ブチルの製造法
実施例17で得た(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸tert−ブチルを実施例12に記載の方法に従って、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールに誘導した後、光学純度を測定すると93.7%eeであった。
(実施例19)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸tert−ブチルの製造法
N−(p−クロロベンジリデン)−2−アミノブタン酸tert−ブチル0.284g(1.01mmol)、n−ブチルヨージド0.278g(1.51mmol)、(15bS)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド(商品名:(S)−ジオキセアゼピン、関東化学社製、製品番号10531−68)3.7mg(0.005mmol)、トルエン(1mL)に85重量%水酸化カリウム0.331g(5.02mmol)を加えて、25℃、5時間撹拌した。反応液にトルエン(1mL)を加え、水(2mL)で洗浄した。有機層に水(2mL)を加え、濃塩酸でpHを0.4とし、1時間撹拌後、分液した。水層をトルエン(2mL)で洗浄後、30重量%水酸化ナトリウム水溶液でpHを12.8とした。酢酸エチル(5mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(1mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮することにより表題化合物(39.8mg、収率18%)を得た。実施例7に記載の方法に従って、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールに誘導した後、光学純度を測定すると78.6%eeであった。
(実施例20)(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸tert−ブチルの製造法
N−(p−クロロベンジリデン)−2−アミノブタン酸tert−ブチル0.285g(1.01mmol)、クロチルブロミド0.188g(1.28mmol、アルドリッチ社製、立体異性体混合物)、(15bS)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド(商品名:(S)−ジオキセアゼピン、関東化学社製、製品番号10531−68)3.7mg(0.005mmol)、メチルtert−ブチルエーテル(1mL)に85重量%水酸化カリウム0.327g(4.96mmol)を加えて、25℃、17.5時間撹拌した。反応液にトルエン(1mL)を加え、水(2mL)で洗浄した。有機層に水(2mL)を加え、濃塩酸でpHを0.4とし、1時間撹拌後、分液した。水層をトルエン(2mL)で洗浄後、30重量%水酸化ナトリウム水溶液でpHを12.8とした。酢酸エチル(5mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(1mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮することにより表題化合物(167.7mg、収率77%、トランス体/シス体=80/20)を得た。
(実施例21)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸tert−ブチルの製造法
実施例20で得た(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸tert−ブチルを実施例12に記載の方法に従って、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールに誘導した後に、光学純度を測定すると85.9%eeであった。
(実施例21)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸エチルの製造法
N−ベンジリデン−2−アミノヘキサン酸エチル0.277g(1.00mmol)、エチルヨージド0.231g(1.48mmol)、(15bR)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド(商品名:(R)−ジオキセアゼピン、関東化学社製、製品番号10530−68)3.8mg(0.005mmol)、トルエン(1mL)の混合物に25℃で85重量%水酸化カリウム0.338g(5.12mmol)を加えた。反応液を25℃で48時間撹拌後、水(2mL)を加えた。トルエン(5mL)で抽出し、有機層に水(2mL)を加えた。濃塩酸でpHを0.5とした後、25℃で1時間撹拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(2mL)で洗浄した。水層に30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを12.5とし、酢酸エチル(2mL)で3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮することにより表題化合物(36.8mg、収率18%)を得た。実施例7に記載の方法に従って、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールに誘導した後、光学純度を測定すると38.7%eeであった。
(実施例22)(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸tert−ブチルの製造法
(15bS)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド(商品名:(S)−ジオキセアゼピン、関東化学社製、製品番号10531−68)3.7mg(0.005mmol)の代わりにN−アントラセニルシンコニウムクロリド52.1mg(0.10mmol)を用いた以外は、実施例20と同様に実施した。その結果、表題化合物134mg(収率61%)を得た。
(実施例23)(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸tert−ブチルの製造法
実施例22で得た(R)−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸tert−ブチルを実施例12に記載の方法に従って、(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールに誘導した後に、光学純度を測定すると58.3%eeであった。

Claims (8)

  1. (S)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールを不純物として含む下記式(1):
    Figure 2015003861
    で表される(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノールと下記式(2):
    Figure 2015003861
    (式中、Aはカウンター陰イオンを表す。)で表される光学活性な酸から塩を形成させて固体を析出させることにより、前記不純物を除去することを特徴とする、下記式(3):
    Figure 2015003861
    (式中、Aは前記に同じである。)
    で表される(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール塩の固体の製造法。
  2. 前記光学活性な酸が(R)−マンデル酸、ジ−(p−トルオイル)−D−酒石酸、又は(+)−カンファー酸である、請求項1に記載の製造法。
  3. 前記化合物(1)の製造法であって、光学活性な相間移動触媒および塩基の存在下、下記式(4):
    Figure 2015003861
    (式中、ArはC6〜C12のアリール基を表し、Rは水素原子、又はC1〜C5のアルキル基を表す。)で表されるN−ベンジリデン−2−アミノヘキサン酸エステル誘導体とエチルハライドを反応させることにより、下記式(5):
    Figure 2015003861
    (式中、Ar、Rは前記に同じである。)で表される(R)−N−ベンジリデン−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸エステル誘導体を製造した後、脱ベンジリデン化と還元を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造法。
  4. 前記化合物(1)の製造法であって、光学活性な相間移動触媒および塩基の存在下、下記式(6):
    Figure 2015003861
    (式中、ArはC6〜C12のアリール基を表し、Rは水素原子又はC1〜C5のアルキル基を表す。)で表されるN−ベンジリデン−2−アミノブタン酸エステル誘導体とn−ブチルハライドを反応させることにより、下記式(5):
    Figure 2015003861
    (式中、Ar、Rは前記に同じである。)で表される(R)または(S)−N−ベンジリデン−2−アミノ−2−エチルヘキサン酸エステル誘導体を製造した後、脱ベンジリデン化と還元を行うことを特徴とする(R)または(S)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール、請求項1又は2に記載の製造法。
  5. 前記化合物(1)の製造法であって、光学活性な相間移動触媒および塩基の存在下、下記式(6):
    Figure 2015003861
    (式中、ArはC6〜C12のアリール基を表し、Rは水素原子、又はC1〜C5のアルキル基を表す。)で表されるN−ベンジリデン−2−アミノブタン酸エステル誘導体とクロチルハライドを反応させることにより、下記式(7):
    Figure 2015003861
    (式中、Ar、Rは前記に同じである。)で表される(R)−N−ベンジリデン−2−アミノ−2−エチル−3−ヘキセン酸エステル誘導体を製造した後、脱ベンジリデン化とオレフィンの水素化と還元を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造法。
  6. 前記Arがフェニル基、又はp−クロロフェニル基であり、Rがエチル基、イソプロピル基、又はtert−ブチル基である、請求項3〜5のいずれかに記載の製造法。
  7. 前記光学活性な相間移動触媒が、(11bS)−(+)−4,4−ジブチル−4,5−ジヒドロ−2,6−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−3H−ジナフト[2,1−c:1’,2’−e]アゼピニウムブロミド、(11bR)−(−)−4,4−ジブチル−4,5−ジヒドロ−2,6−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−3H−ジナフト[2,1−c:1’,2’−e]アゼピニウムブロミド、(S,S)−3,4,5−トリフルオロフェニル−NASブロミド、(R,R)−3,4,5−トリフルオロフェニル−NASブロミド、(S,S)−β−ナフチル−NASブロミド、(R,R)−β−ナフチル−NASブロミド、(15bR)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド、(15bS)−14,14−ジブチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1,12−ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)−13H−[1,6]ベンゾジオキセチノ[9.8,7−デフ][2]ベンザゼピニウムブロミド;N−アントラセニルシンコニジニウムクロリド;N−アントラセニルシンコニウムクロリド;N−(1−ナフチル)シンコニジニウムクロリドである、請求項3〜6のいずれかに記載の製造法。
  8. 下記式(11):
    Figure 2015003861
    で表される(R)−2−アミノ−2−エチルヘキサノール/(R)−マンデル酸塩
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