JP5224846B2 - Pid制御機器および不揮発性メモリ保護方法 - Google Patents

Pid制御機器および不揮発性メモリ保護方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば温調計などのPID制御機器に係り、特にPID制御機器に搭載されたEEPROM等の不揮発性メモリが寿命に到達する確率を低く抑えることができるPID制御機器および不揮発性メモリ保護方法に関するものである。
温調計などのループレベルのPID制御機器には、予め数値などが設定され記憶される必要があるパラメータがあり、記憶のためのデバイスとしてEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)が利用される。例えば特許文献1や特許文献2に開示された制御機器では、ステップ応答中やハンチング発生時というような制御のオンライン動作中にPIDパラメータ値を自動修正するようにしている。コンパクトなループレベルの制御機器では、これらのパラメータ値はEEPROMに記憶されている。このように制御機器では、オンラインでの動作中にEEPROMへの書込みが通常的に行なわれる。
ただし、EEPROMは、ハードウエアの特性として寿命があり、書込み回数が多くなると寿命に達し正常に動作しなくなる。PID制御機器では、EEPROMに書込むパラメータの性質として実用中に書込み更新を行なう必要性は避けられない。一方でPID制御機器として装置に組み込まれ、継続的に使用されるので、EEPROMの交換は容易ではないと同時に、EEPROMが寿命に到達し正常に動作しなくなる事態は好ましくない。
特開平9−160604号公報 特開平10−105201号公報
以上のように、従来の制御機器では、オンラインでの動作中にEEPROMへの書込みが通常的に行われている。しかしながら、特許文献1や特許文献2では、EEPROMの寿命は考慮されておらず、EEPROMの寿命を考慮した制御機器の利用方法について明確な改善策は開示されていなかった。なお、以上の問題点は、EEPROMに限らず、書込み回数に制限がある不揮発性メモリであれば同様に発生する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、EEPROM等の不揮発性メモリが寿命に到達する確率を低く抑えることが可能なPID制御機器および不揮発性メモリ保護方法を提供することを目的とする。
本発明のPID制御機器は、PIDパラメータの最新値を記憶する揮発性メモリと、PIDパラメータの確定値を記憶する不揮発性メモリと、前記揮発性メモリに記憶されているPIDパラメータが確定したかどうかを判定するパラメータ確定判定手段と、PIDパラメータが確定したと前記パラメータ確定判定手段が判定したときに、前記揮発性メモリに記憶されているPIDパラメータの最新値を確定値として前記不揮発性メモリに書き込む書込処理手段と、リミットサイクル方式のオートチューニングの機能によりPIDパラメータを調整するPIDパラメータ調整装置からの入力に応じて前記PIDパラメータの最新値を変更する設定変更手段とを備え、前記パラメータ確定判定手段は、前記オートチューニングが終了した直後の制御量の振動状態を対象とし、制御量の直前の上下動の振れ幅に対する最新の上下動の振れ幅の割合を算出し、この割合を所定の閾値と比較することにより、制御の振動状態が減衰したかどうかを判定し、制御の振動状態の減衰を検出したときに、前記PIDパラメータが確定したと判定するものである
また、本発明は、PIDパラメータの確定値を記憶する不揮発性メモリを保護する不揮発性メモリ保護方法において、揮発性メモリに記憶されているPIDパラメータの最新値が確定したかどうかを判定するパラメータ確定判定手順と、PIDパラメータが確定したと前記パラメータ確定判定手順で判定したときに、前記揮発性メモリに記憶されているPIDパラメータの最新値を確定値として不揮発性メモリに書き込む書込処理手順と、リミットサイクル方式のオートチューニングの機能によりPIDパラメータを調整するPIDパラメータ調整装置からの入力に応じて前記PIDパラメータの最新値を変更する設定変更手順とを備え、前記パラメータ確定判定手順は、前記オートチューニングが終了した直後の制御量の振動状態を対象とし、制御量の直前の上下動の振れ幅に対する最新の上下動の振れ幅の割合を算出し、この割合を所定の閾値と比較することにより、制御の振動状態が減衰したかどうかを判定し、制御の振動状態の減衰を検出したときに、前記PIDパラメータが確定したと判定するものである。
本発明によれば、揮発性メモリに記憶されているPIDパラメータが確定したかどうかを判定し、PIDパラメータが確定したと判定したときに、揮発性メモリに記憶されているPIDパラメータの最新値を確定値として不揮発性メモリに書き込むようにしたので、EEPROM等の不揮発性メモリへの書込み回数を削減することができ、不揮発性メモリが寿命に到達する確率を低く抑えることができる。
[発明の原理1]
PID制御機器においてEEPROMへ書き込むパラメータとしては、言うまでもなくPIDパラメータがある。頻繁にPIDパラメータの再調整を行なったり変更したりする必要がある場合は、PIDパラメータの数値書込みがEEPROMの寿命に大きな影響を与える。すなわち、PIDパラメータの書込み回数を削減することがEEPROMの寿命に重要であり、PIDパラメータの書込みについては、直接EEPROMに書込む必要性はなく、PIDパラメータの変更の過程においてEEPROMに記憶するべきPIDパラメータは限られていることに、発明者は着眼した。そして、PIDパラメータのP,I,Dの個々の変更書込みを一旦RAM領域に行ない、PIDパラメータの変更が確定した後にEEPROMに書込めば、課題解決のために有効であることに、発明者は想到した。PIDパラメータの確定時点は、特開2005−215730号公報のPIDパラメータ前回値復帰方法で開示されたように「PIDパラメータの設定変更操作以外の操作を検出したとき」とする。
[発明の原理2]
また、正常に制御が可能なPIDパラメータのみが記憶しておくべき必要なPIDパラメータであり、確定したと認められるPIDパラメータは正常に制御が可能なPIDパラメータであることに、発明者は着眼した。そして、PIDパラメータの変更書込みを一旦RAM領域に行ない、制御の整定状態を検出した後にPIDパラメータをEEPROMに書込めば、課題解決のために有効であることに、発明者は想到した。正常に制御が可能なPIDパラメータとは、多くの場合に制御を安定させ整定状態が得られるPIDパラメータである。
[発明の原理3]
さらに、正常に制御が可能なPIDパラメータであることをPIDパラメータの確定の判断基準とする場合において、制御の整定状態の検出を待たなくても、過渡状態から振動的に収束する減衰状態を検出できれば、整定状態の確定と見なしてもよいことに、発明者は想到した。この場合、整定状態を検出するよりも早く、EEPROMへの書込みが行なえることになるので、停電などの予期せぬトラブルの発生時などに、設定されていた数値が失われる確率を低減できる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るPID制御機器の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、上記発明の原理1に対応するものである。PID制御機器は、制御対象に対する制御を行うPID制御部1と、PID制御機器のオペレータ(ユーザ)がパラメータなどを入力したり変更したりするための例えば操作パネル等の入力部2と、パラメータの最新値を記憶する揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)3と、パラメータの確定値を記憶する不揮発性メモリであるEEPROM4と、必要に応じてRAM3またはEEPROM4への書込み/読出しを行う書込/読出部5とを有する。
書込/読出部5は、PIDパラメータの設定変更操作以外の操作を検出する操作検出部50と、操作検出部50がPIDパラメータの設定変更操作以外の操作を検出したときに、RAM3に記憶されているPIDパラメータの最新値を確定値としてEEPROM4に書き込む書込処理部51と、RAM3またはEEPROM4からパラメータを読み出す読出処理部52とを備えている。操作検出部50は、PIDパラメータが確定したかどうかを判定するパラメータ確定判定手段を構成している。また、書込処理部51は、オペレータからの入力、またはオートチューニング機能によりPIDパラメータを調整する図示しないPIDパラメータ調整装置からの入力に応じてPIDパラメータの最新値を変更する設定変更手段を構成している。
図2は本実施の形態のPID制御機器を適用する温度制御系の1例を示す図である。図2の例では、加熱処理炉111の内部にヒータ112と温度センサ113とが設置されている。温度センサ113は、ヒータ112によって加熱される空気の温度PVを測定する。温調計100は、温度PVが目標値SPと一致するように操作量MVを算出する。電力調整器114は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路115を通じてヒータ112に供給する。こうして、温調計100は、加熱処理炉111内の温度を制御する。PID制御機器は、この温調計100の内部に設けられるものである。
以下、PID制御機器の動作について説明する。EEPROM4には、目標値SP、PIDパラメータ(比例帯P、積分時間I、微分時間D)などのパラメータが予め設定され記憶されている。
書込/読出部5の読出処理部52は、PID制御機器の起動時にEEPROM4から目標値SPとPIDパラメータを読み出し、これらをパラメータの最新値としてRAM3上に展開する。
PID制御部1は、書込/読出部5を通じてRAM3から読み出した目標値SPおよびPIDパラメータの最新値と、センサから入力される制御量PV(図2の例では温度)に基づいて、周知のPID制御演算アルゴリズムにより、目標値SPと制御量PVが一致するように操作量MVを算出する。図2の例では、この操作量MVは電力調整器14に出力される。
書込/読出部5は、入力部2またはPIDパラメータ調整装置等の外部装置からの入力に応じて、RAM3またはEEPROM4へのデータ書込みを行う。また、書込/読出部5は、必要に応じてRAM3またはEEPROM4からデータを読み出す。図3は書込/読出部5の書込処理に関する動作を示すフローチャートである。以下、書込/読出部5の書込処理について図3を用いて説明する。
まず、書込/読出部5の書込処理部51は、オペレータによって入力部2が操作され、PIDパラメータの設定変更操作が行われた場合(図3ステップS100においてYES)、入力部2から入力されたPIDパラメータをRAM3に書き込む(ステップS101)。これにより、RAM3に格納されていた当該パラメータの最新値が変更される。なお、比例帯P、積分時間I、微分時間Dの全てを変更する必要はなく、これらのパラメータのうち少なくとも1つについて設定変更操作が行われた場合には、この設定変更操作が行われたパラメータを最新値に変更すればよい。また、PIDパラメータの設定変更操作は、入力部2からだけではなく、PIDパラメータ調整装置等の外部装置から行われることもある。
次に、書込/読出部5の操作検出部50は、オペレータによるPIDパラメータの設定変更操作以外の他の操作を検出する判定処理を行う(ステップS102)。PIDパラメータの設定変更操作以外の操作としては、例えば目標値SPを変更する操作や、PIDパラメータの設定変更操作画面から制御状態モニタリング画面へ切り換える操作などがある。
書込処理部51は、PIDパラメータの設定変更操作以外の操作を操作検出部50が検出したときに(ステップS102においてYES)、RAM3に記憶されているPIDパラメータの最新値とEEPROM4に記憶されているPIDパラメータの確定値とを比較する(ステップS103)。そして、書込処理部51は、比例帯P、積分時間I、微分時間Dのうち少なくとも1つのパラメータの最新値と確定値が異なっている場合(ステップS103においてYES)、この異なっているパラメータについてのみ、EEPROM4に記憶されている当該パラメータの確定値をRAM3に記憶されている当該パラメータの最新値に更新する(ステップS104)。
以上のようなステップS100〜S104の処理が例えばオペレータによってPID制御の終了が指示されるまで、一定の動作周期毎に繰り返し実行される。この動作周期は、通常、PID制御部1の制御周期と同じでよい。
以上のように、本実施の形態では、PIDパラメータの書込みを一旦RAM3に行ない、PIDパラメータの設定変更操作以外の操作が行なわれた時点で、オペレータがPIDパラメータを確定したものと見なし、変更されたPIDパラメータの最新値を確定値としてEEPROM4に書き込むようにしたので、EEPROM4への書込み回数を削減することができ、EEPROM4が寿命に到達する確率を低く抑えることができる。
なお、本実施の形態では、目標値SPについては変更された最新値を直ちに確定値としてEEPROM4に書き込むが、PIDパラメータと同様に、目標値SPに発明の原理1を適用してもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は本発明の第2の実施の形態に係るPID制御機器の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、上記発明の原理2に対応するものである。本実施の形態のPID制御機器は、PID制御部1と、入力部2と、RAM3と、EEPROM4と、書込/読出部5aとを有する。
書込/読出部5aは、後述する整定検出部が制御の整定状態を検出したときに、RAM3に記憶されているPIDパラメータの最新値を確定値としてEEPROM4に書き込む書込処理部51aと、読出処理部52と、制御の整定状態を検出する整定検出部53とを備えている。整定検出部53はパラメータ確定判定手段を構成し、書込処理部51aは設定変更手段を構成している。
図5は書込/読出部5aの書込処理に関する動作を示すフローチャートである。以下、書込/読出部5aの書込処理について図5を用いて説明する。
ステップS200,S201の処理は、図3のステップS100,S101と同様なので、説明を省略する。
次に、書込/読出部5aの整定検出部53は、PID制御部1による制御が開始された後に、制御が整定したかどうかを判定する(ステップS202)。図6は整定検出部53の動作を説明するための波形図である。図6は、PIDパラメータ調整装置によりPIDパラメータのオートチューニング(AT)が開始され、PIDパラメータの最新値が設定されたときの制御応答波形を示している。つまり、ATが終了した時点で、ステップS200,S201の処理が行われ、PIDパラメータの最新値が更新されたことになる。ATの代表的な手法としては、制御対象に出力する操作量MVに上限値と下限値を予め設定し、操作量振幅が一定のリミットサイクルを発生させて、PIDパラメータを調整するリミットサイクル方式がある。リミットサイクル式のATについては、例えば特開2003−330504号公報に開示されている。
整定検出部53は、目標値SPと制御量PVとの偏差の絶対値|SP−PV|を予め規定された基準偏差Erxと比較し、偏差の絶対値|SP−PV|が基準偏差Erxよりも小さい状態が、予め規定された基準継続時間Txだけ継続したときに、制御が整定したものと判定する。整定検出部53は、このような制御が整定したかどうかの判定を一定の動作周期毎に行う。なお、継続時間の計測は、PIDパラメータの変更がない状態で制御が継続実行されていることが前提条件である。したがって、整定検出部53は、PIDパラメータが変更された場合、継続時間を0にリセットし、偏差の絶対値|SP−PV|が基準偏差Erxよりも小さくなってから継続時間の計測を再び開始し、この継続時間が基準継続時間Txに達したかどうかを判定する。
書込処理部51aは、整定検出部53が制御の整定状態を検出したときに(ステップS202においてYES)、RAM3に記憶されているPIDパラメータの最新値とEEPROM4に記憶されているPIDパラメータの確定値とを比較する(ステップS203)。そして、書込処理部51aは、比例帯P、積分時間I、微分時間Dのうち少なくとも1つのパラメータの最新値と確定値が異なっている場合(ステップS203においてYES)、この異なっているパラメータについてのみ、EEPROM4に記憶されている当該パラメータの確定値をRAM3に記憶されている当該パラメータの最新値に更新する(ステップS204)。
以上のようなステップS200〜S204の処理が例えばオペレータによってPID制御の終了が指示されるまで、一定の動作周期毎に繰り返し実行される。この動作周期は、通常、PID制御部1の制御周期と同じでよい。
本実施の形態では、制御が整定した時点でPIDパラメータが確定したものと見なし、PIDパラメータの最新値を確定値としてEEPROM4に書き込むようにしたので、EEPROM4への書込み回数を削減することができ、EEPROM4が寿命に到達する確率を低く抑えることができる。本実施の形態は、図6で説明したようにPIDパラメータ調整装置のAT機能によりPIDパラメータが変更される場合に特に有効である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図7は本発明の第3の実施の形態に係るPID制御機器の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、上記発明の原理3に対応するものである。本実施の形態のPID制御機器は、PID制御部1と、入力部2と、RAM3と、EEPROM4と、書込/読出部5bとを有する。
書込/読出部5bは、後述する減衰検出部が制御の振動状態の減衰を検出したときに、RAM3に記憶されているPIDパラメータの最新値を確定値としてEEPROM4に書き込む書込処理部51bと、読出処理部52と、制御量PVが上下動するときの振れ幅を算出する振れ幅算出部54と、振れ幅算出部54が算出した振れ幅に基づいて制御の振動状態の減衰を検出する減衰検出部55とを備えている。振れ幅算出部54と減衰検出部55とはパラメータ確定判定手段を構成し、書込処理部51bは設定変更手段を構成している。
図8は書込/読出部5bの書込処理に関する動作を示すフローチャートである。以下、書込/読出部5bの書込処理について図8を用いて説明する。
ステップS300,S301の処理は、図3のステップS100,S101と同様なので、説明を省略する。
次に、書込/読出部5bの振れ幅算出部54は、制御量PVの振れ幅を算出する(ステップS302)。図9は振れ幅算出部54および減衰検出部55の動作を説明するための波形図である。図9は、PIDパラメータ調整装置によりPIDパラメータのATが開始され、PIDパラメータの最新値が設定されたときの制御応答波形を示している。つまり、ATが終了した時点で、ステップS300,S301の処理が行われ、PIDパラメータの最新値が更新されたことになる。
振れ幅算出部54は、目標値SPと制御量PVとの偏差(SP−PV)が正の値になるとき(制御量PVが目標値SPより小さいとき)に検出される最大の偏差絶対値であるEr1=|SP−PV|を検出し、また偏差(SP−PV)が負の値になるとき(制御量PVが目標値SPより大きいとき)に検出される最大の偏差絶対値であるEr2=|SP−PV|を検出する。そして、振れ幅算出部54は、次式により制御量PVの振れ幅Aを算出する。
A=Er1+Er2 ・・・(1)
なお、振れ幅Aの算出は、PIDパラメータの変更がない状態で制御が継続実行されていることが前提条件である。したがって、振れ幅算出部54は、PIDパラメータが変更された場合、最大偏差絶対値Er1,Er2の検出をやり直す。また、振れ幅算出部54は一定の動作周期毎に動作するが、振れ幅Aの算出は動作周期毎とは限らない。振れ幅Aが算出されるのは、図9に示すように最大偏差絶対値Er2が検出された後に最大偏差絶対値Er1が検出されたとき、あるいは最大偏差絶対値Er1が検出された後に最大偏差絶対値Er2が検出されたときのいずれかである。
減衰検出部55は、振れ幅算出部54が算出した最新の振れ幅A1と直前の振れ幅A2を比較して、次式により制御の振動状態が減衰したかどうかを判定する(ステップS303)。
A1/A2<α ・・・(2)
αは1より小さな値の閾値であり、例えば0.7である。この場合、減衰検出部55は、直前の振れ幅A2に対する最新の振れ幅A1の割合A1/A2がα=0.7より小さい場合、制御の振動状態が減衰したと判定することになる。減衰検出部55は一定の動作周期毎に動作するが、式(2)の判定は動作周期毎とは限らない。式(2)の判定が行われるのは、振れ幅A2が算出された後に振れ幅A1が算出されたときである。
書込処理部51bは、減衰検出部55が制御の振動状態の減衰を検出したときに(ステップS303においてYES)、RAM3に記憶されているPIDパラメータの最新値とEEPROM4に記憶されているPIDパラメータの確定値とを比較する(ステップS304)。そして、書込処理部51bは、比例帯P、積分時間I、微分時間Dのうち少なくとも1つのパラメータの最新値と確定値が異なっている場合(ステップS304においてYES)、この異なっているパラメータについてのみ、EEPROM4に記憶されている当該パラメータの確定値をRAM3に記憶されている当該パラメータの最新値に更新する(ステップS305)。
以上のようなステップS300〜S305の処理が例えばオペレータによってPID制御の終了が指示されるまで、一定の動作周期毎に繰り返し実行される。この動作周期は、通常、PID制御部1の制御周期と同じでよい。
本実施の形態では、制御応答の振動が減衰した時点でPIDパラメータが確定したものと見なし、PIDパラメータの最新値を確定値としてEEPROM4に書き込むようにしたので、EEPROM4への書込み回数を削減することができ、EEPROM4が寿命に到達する確率を低く抑えることができる。本実施の形態は、図9で説明したようにPIDパラメータ調整装置のAT機能によりPIDパラメータが変更される場合に特に有効である。
なお、第1〜第3の実施の形態で説明したPID制御機器は、CPU、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第3の実施の形態で説明した処理を実行する。
また、本実施の形態では、EEPROMを例に挙げて説明しているが、EEPROMに限らず、書込み回数に制限がある記憶素子であれば本発明は有効である。
本発明は、EEPROMなどの書込み回数に制限がある記憶素子を搭載したPID制御機器に適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るPID制御機器の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るPID制御機器を適用する温度制御系の1例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るPID制御機器の書込/読出部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るPID制御機器の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るPID制御機器の書込/読出部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る書込/読出部の整定検出部の動作を説明するための波形図である。 本発明の第3の実施の形態に係るPID制御機器の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係るPID制御機器の書込/読出部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る書込/読出部の振れ幅算出部および減衰検出部の動作を説明するための波形図である。
符号の説明
1…PID制御部、2…入力部、3…RAM、4…EEPROM、5,5a,5b…書込/読出部、50…操作検出部、51,51a,51b…書込処理部、52…読出処理部、53…整定検出部、54…振れ幅算出部、55…減衰検出部。

Claims (2)

  1. PIDパラメータの最新値を記憶する揮発性メモリと、
    PIDパラメータの確定値を記憶する不揮発性メモリと、
    前記揮発性メモリに記憶されているPIDパラメータが確定したかどうかを判定するパラメータ確定判定手段と、
    PIDパラメータが確定したと前記パラメータ確定判定手段が判定したときに、前記揮発性メモリに記憶されているPIDパラメータの最新値を確定値として前記不揮発性メモリに書き込む書込処理手段と
    リミットサイクル方式のオートチューニングの機能によりPIDパラメータを調整するPIDパラメータ調整装置からの入力に応じて前記PIDパラメータの最新値を変更する設定変更手段とを備え、
    前記パラメータ確定判定手段は、前記オートチューニングが終了した直後の制御量の振動状態を対象とし、制御量の直前の上下動の振れ幅に対する最新の上下動の振れ幅の割合を算出し、この割合を所定の閾値と比較することにより、制御の振動状態が減衰したかどうかを判定し、制御の振動状態の減衰を検出したときに、前記PIDパラメータが確定したと判定することを特徴とするPID制御機器。
  2. PIDパラメータの確定値を記憶する不揮発性メモリを保護する不揮発性メモリ保護方法において、
    揮発性メモリに記憶されているPIDパラメータの最新値が確定したかどうかを判定するパラメータ確定判定手順と、
    PIDパラメータが確定したと前記パラメータ確定判定手順で判定したときに、前記揮発性メモリに記憶されているPIDパラメータの最新値を確定値として不揮発性メモリに書き込む書込処理手順と
    リミットサイクル方式のオートチューニングの機能によりPIDパラメータを調整するPIDパラメータ調整装置からの入力に応じて前記PIDパラメータの最新値を変更する設定変更手順とを備え、
    前記パラメータ確定判定手順は、前記オートチューニングが終了した直後の制御量の振動状態を対象とし、制御量の直前の上下動の振れ幅に対する最新の上下動の振れ幅の割合を算出し、この割合を所定の閾値と比較することにより、制御の振動状態が減衰したかどうかを判定し、制御の振動状態の減衰を検出したときに、前記PIDパラメータが確定したと判定することを特徴とする不揮発性メモリ保護方法。
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