JP5224201B2 - 縦長の繊維供試品の特性表示方法及び装置 - Google Patents

縦長の繊維供試品の特性表示方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は繊維の品質管理の分野にある。本発明は、独立請求項の上位概念に記載の縦長の繊維供試品の特性表示方法及び装置に関する。このような方法及び装置は、典型的に紡糸機及び巻取り機において使用される。縦長の繊維供試品はなるべく糸であるが、スライバ又はロービング等であってもよい。
糸品質を保証するため、紡糸機及び巻取り機にいわゆるヤーンクリヤラが使用される。このような装置は例えば欧州特許出願公開第1249422号明細書から公知である。この装置は、動かされる糸を走査する少なくとも1つのセンサを持つ測定ヘッドを含んでいる。しばしば使用されるセンサ原理は、容量原理(例えば欧州特許出願公開第924513号明細書参照)又は光学原理(例えば国際公開第93/13407号参照)である。走査の目的は、糸にある太い個所、細い個所又は異物のような欠陥個所を検出することである。センサの出力信号は所定の評価基準により連続的に評価される。評価基準は、通常二次元分類の場又は事象の場における浄化曲線の形で規定され、この場は事象の長さ、及び事象の振幅例えば糸質量の目標値からの偏差によって区画される。浄化限界以下の事象は許され、浄化限界以上の事象は糸から除去されるか又は少なくとも欠陥個所として記録される。
米国特許第6374152号明細書から糸の浄化方法が公知であり、糸欠陥の密度に基いて浄化限界が自動的に計算され、こうして光学的に設定される。この目的のため糸の十分長い部分が前もって測定される。測定される事象は、既知の二次元分類の場において点又は十字として表示される。測定結果から糸欠陥密度が計算され、分類の場にレリーフとして表示される。浄化限界は、所定の許容糸欠陥密度に基いて自動的に規定される。この浄化限界は監視過程中に連続的に再制御可能である。測定はヤーンクリヤラ測定ヘッドにおいて個々の紡糸個所又は巻取り個所で行われ、計算及び制御は多数のヤーンクリヤラ測定ヘッドに接続されている中央計算装置で行われる。
米国特許第6374152号明細書から公知の方法の欠点は、分類の場におけるすべての事象及び糸欠陥密度レリーフの図式表示が多くの情報のため概観できないことである。更にヤーンクリヤラ測定ヘッドから中央計算装置へ多量のデータが伝送される。従って伝送容量及びデータ処理の技術的限界に突き当たる可能性がある。
本発明の課題は、糸のような縦長の繊維供試品について概観できる重要なデータを供給する供試品の特性表示方法及び装置を提示することである。それにより操作者が、繊維供試品の特性を速やかに検出して最適な浄化限界を規定できるようにする。別の課題は、ヤーンクリヤラ測定ヘッドから中央計算装置へ伝送すべきデータ量を減少することである。
更に最適な浄化限界を速やかにかつ合理的に規定できる、糸のような縦長の繊維供試品の浄化方法が提示されるようにする。
この課題及び他の課題は、独立請求項に記載の本発明による方法及び本発明による装置によって解決される。有利な実施形態は従属請求項に示されている。
以下に本発明が、一般性を限定することなく、糸の例により説明される。しかし本発明は、スライバまたはロービングのような他の縦長の繊維供試品にも同様によく適用される。
本発明によれば、糸の一部が測定される。測定される糸データは適当に処理特にまとめられ、簡単にされかつ圧縮される。このように処理される糸データの図式表示は、一般に糸浄化及び特に検査される糸の特性の直観的理解のために操作者を援助する。従ってそれは、糸の特性を速やかに検出して浄化限界を合理的に規定するのを可能にする。これにより、品質、費用及び時間に関して最適化される糸浄化が行われる。
本発明は、糸において測定されるすべての事象が糸の判断又は浄化限界の規定のために同じように重要ではない、という認識に基いている。以下事象の場と称される分類の場は、これに関して非常に大まかに次の3つの範囲に区分される。
(a)両方の軸の近くで、即ち比較的小さい事象振幅及び/又は比較的小さい事象長さに 対して、多くの糸事象が高い密度で現れるけれども、個々に見ると小さい“強度” (例えば事象長x事象振幅)を持ち、従って有害でない。これらの事象は“雑音” とみなすことができる。これらは糸から除去する必要がない。従ってこれらは、操 作者にとっても関心がなく、中央計算装置へ伝送する必要がなく、事象の場に表示 する必要もない。この内部範囲はいわば“本来の糸”に属し、従って“糸本体”と 称される。
糸本体は、次の意味において検査される糸を特徴づける。
事象の場において糸本体の大きさ、形状及び/又は位置から、糸の品質及び/又は それから生じる繊維面(織物、編物)の繊維現象像が推論される。
個々の事象又は1つの群れに現れる事象を糸本体から除去することによって、糸の 品質は改善されない。
(b)糸本体に、多分有害な糸欠陥の存在する中央の帯状範囲が隣接している。この範囲 における事象密度は、糸本体におけるより小さいが、まだ相当のものである。この 中央範囲に通常浄化限界が置かれて、許容糸欠陥を許容できない糸欠陥から分離す る。従ってここでは事象の位置及び/又は密度が重要である。
(c)糸本体からの大きい距離では、即ち比較的大きい事象振幅及び/又は比較的大きい 欠陥長に対して、欠陥強度は大きいが、その密度は小さい。従ってこの外側範囲は 、データ伝送及びデータ処理に対して二次的な役割しか果たさない。
従って本発明による方法では、長手方向に動かされる縦長の繊維供試品を特徴づけるため、繊維供試品の長手方向に沿う繊維供試品の特性の測定値が検出される。測定値から繊維供試品のパラメータの値が求められる。二次元直角座標系の象限又は象限の一部を含む事象の場が与えられ、この座標系の横軸が縦方向におけるパラメータ値の範囲を示し、その縦軸が、目標値からのパラメータの偏差を示す。長手方向におけるパラメータの値及びその範囲から、事象の場における事象の密度が求められる。事象の場において供試品本体が面として表示される。この面は、横軸又はそれに対して平行に延びる直線により、また他方では縦軸又はそれに対して平行に延びる直線により、更に実質的に一定の事象密度に従う事象の場内の線により区画される。
供試品本体はなるべくつながっている。ここで“つながっている”という概念は、数学的な位相幾何学の意味において理解される。定義のために一般的なつながりが使用されるか、特別な行程つながりが使用されるかは重要でない。しかし面は単純につながっている必要はなく、即ち全周を包囲される切欠きを持っていてもよい。
測定されるパラメータは、供試品の単位長さ当たりの質量、直径、反射率又は吸収率、供試品中の異物又は供試品の他の特性に関していてもよい。
供試品本体を区画する線に相当する限界事象密度は、次の基準を満たすようにする。
供試品からこの事象密度又はこれにより小さい事象密度で生じるすべての事象を除去することが生産性を著しく低下させるほど、限界事象密度が大きい。
同時に、供試品から除去するのが有意義であると思われる欠陥密度のまだ十分近くにあるほど、限界事象密度が小さい。
特に適した限界事象密度が100kmの供試品長さ当たり500〜2000の事象なるべく100kmの供試品長さ当たり1000の事象である。
供試品本体を表す面に1つ又はそれ以上の別の面が続き、この面又はこれらの面が同様に、事象の場にあってそれぞれ実質的に一定の事象密度に従う1つ又は複数の別の線により区画される。供試品本体を区画する線及び別の線が従う事象密度が、実質的に幾何学的系列を形成するのがよい。
特に供試品本体を表す面及び/又は別の面が、そのそれぞれの周囲とは異なる色、灰色調及び/又はパターンを持つことによって、供試品本体を表す面及び/又は別の面を、そのそれぞれの周囲から図式的に区別することができる。
糸パラメータの値が、長手方向におけるその範囲と共に、事象として事象の場に表示される。その際供試品本体又は少なくとも横軸又はそれに対して平行に延びる直線に隣接する供試品本体の部分に、事象が表示されないのがよい。このため事象の場が分類限界により2つの分類範囲に分割され、第1の分類範囲に事象が表示されず、第2の分類範囲に事象が表示される。分類限界が実質的に一定の事象密度に従う。
本発明により長手方向に動かされる縦長の繊維供試品から欠陥を除去する方法において、繊維供試品の特性表示のため、繊維供試品の特性の測定値が繊維供試品の長手方向に沿って検出される。測定値から繊維供試品のパラメータの値が求められる。長手方向におけるパラメータ値の範囲を示す横軸及び目標値からのパラメータの偏差を示す縦軸を持つ二次元直角座標系の象限又はその一部を含む事象の場が与えられる。パラメータの値及び長手方向におけるその範囲から、事象の場における事象の密度が求められる。事象の場において横軸又はそれに対して平行に延びる直線により、また他方では縦軸又はそれに対して平行に延びる直線により、更に実質的に一定の事象密度に従う事象の場内の線により区画される面として、供試品本体が表示される。事象の場が少なくとも1つの浄化限界又は浄化曲線により2つの浄化範囲に分割され、第1の浄化範囲が許容事象を規定し、第2の浄化範囲が許容できない事象を規定する。繊維供試品の前述したように行われる特性表示が、浄化限界の規定に影響を及ぼす。
特に第1の浄化範囲と第2の浄化範囲が異なる色、異なる灰色調及び/又は異なるパターンを持つことにより、これらの浄化範囲が図式的に互いに区別される。糸パラメータの測定値及び浄化曲線に基いて、許容できない事象の数及び/又は繊維供試品の単位長さ当たりの許容できない事象の数が計算されかつ出力される。これは、操作者に対する重要な指図である。なぜならば、供試品の単位長さ当たりの切断の数は、供試品の品質や生産性に影響を及ぼすからである。供試品の単位長さ当たりの切断数は、浄化限界の変化によって減少又は増大できる。浄化限界の試料毎の変化によって操作者は、品質、費用及び時間に関して操業の必要性に最適に応じる浄化限界を見出すことができる。その際試験のために供試品は使用されない。なぜならば、試験は、測定されるパラメータ値に基く計算により、表示される供試品本体から出発して仮想的に行われるからである。
第1の浄化範囲において、許容できない事象を規定する少なくとも1つの第1の除去範囲が規定される。このような第1の除去範囲は、例えば個々には許容されるかも知れないが蓄積されると有害になって望ましくない事象の蓄積(クラスタ)のために規定される。同様に第2の浄化範囲において、許容事象を規定する第2の除外範囲が規定される。このような第2の除外範囲は、例えばファンシーヤーンの浄化の際糸欠陥と誤解されて除去されることがない効果のために規定される。
事象の場はただ1つの象限に限られない。事象の場が更に少なくとも1つの別の象限又は別の象限の一部を含んでいることもできる。
供試品本体を表示する面の区画及び/又は別の面のために必要とされる密度曲線の数値処理のため、それぞれの密度曲線の複数の特定の補助値を記憶することができる。記憶されるこられの補助値の間で、それぞれ適当な内挿を行うか、又は縁で外挿を行うことができる。
供試品本体、第2の面、分類範囲及び/又は浄化範囲が、測定値の連続的な検出及びその結果事象の場に生じる事象の密度の変化に合わされるようにすることができる。
長手方向に動かされる縦長の繊維供試品の特性表示装置は、繊維供試品の縦方向に沿う繊維供試品の特性の測定値を検出しかつ測定値から繊維供試品のパラメータの値を求める測定ヘッドを含んでいる。更に装置は、測定ヘッドが接続される制御装置を含んでいる。制御装置は、長手方向におけるパラメータ値の範囲を示す横軸及び目標値からのパラメータの偏差を示す縦軸を持つ二次元直角座標系の象限又は象限の一部を含む事象の場を記憶しかつ出力する記憶装置及び出力装置と、パラメータの値及び長手方向におけるその範囲から事象の場における事象の密度を求める計算装置とを持っている。制御装置は、供試品本体を事象の場における面として出力するようになっている。面は横軸又はそれに対して平行に延びる直線と縦軸又はそれに対して平行に延びる直線と更に事象の場において実質的に一定の事象密度に従う線とにより区画される。
本発明による装置は、繊維処理機械例えば紡糸機又は糸用巻取り機において使用される。このような繊維処理機械は典型的に多数の作業個所を持っている。従って本発明による装置は、各作業個所にある多数の測定ヘッドを含んでいる。測定ヘッドは、例えばRS−485のような直列バスを介して中央制御装置に接続されている。それぞれの測定ヘッドと制御装置との間には、インタフェース変換器を組込むことができる。制御装置はなるべく繊維処理機械に組込まれている。これは、繊維処理機械を操作する人間がその作業場所で浄化限界の設定を行うことができ、付加的な計算機を必要としない、という利点を持っている。本発明による装置は各作業個所において各測定ヘッドの近くに、許容できない事象を糸から除去する切断装置を含むことができる。
図面を使用して、本発明が糸用巻取り機の例により以下に詳細に説明される。
ヤーンクリヤラシステムを持つ巻取り機を概略的に示す。 本発明による方法から生じるように、糸本体及び浄化曲線を持つ事象の場を示す。 本発明による方法から生じるように、糸事象、糸本体及び浄化限界を持つ事象の場を示す。 本発明による方法から生じるように、糸本体及び浄化曲線を持つ別の事象の場を示す。
図1には、複数の巻取り個所21.1,21.2・・・,21.nを持つ巻取り機2が非常に概略的に示されている。本発明による装置は巻取り機2に組込まれている。各巻取り個所21.1において、巻返し過程中に、糸9が本発明による装置1の測定ヘッド11により監視される。測定ヘッド11は、糸9の特性を測定するセンサ、例えば糸9の誘電特性を測定する容量性センサを含んでいる。更に測定ヘッド11は、測定値から糸パラメータ例えば単位長さ当たりの糸質量を求めるために設けられる評価装置を含んでいる。測定ヘッド11は、インタフェース変換器12を介して、本発明による装置1の中央制御装置14に接続されている。接続部を介して測定ヘッド11は制御装置14により設定されかつ制御され、測定ヘッド11は求められた糸パラメータを制御装置14へ伝送する。すべてのインタフェース変換器12と制御装置14との間の接続導線13は、例えばRS−485のような直列バスとして構成可能である。インタフェース変換器12は、更にそれぞれの巻取り個所21.1の巻取り個所計算機22にも接続可能である。制御装置14は操作者のための出力装置及び入力装置を持っている。出力装置及び入力装置は、一緒にセンサ画面(タッチスクリーン)15として構成されている。制御装置14は巻取り機2の制御計算機23に接続されている。巻取り機2にある出力及び/又は入力装置は、制御装置14の代わりに制御計算機23に組込まれていてもよい。
図2は、制御装置14の出力装置15に表示可能であるように、糸本体及び浄化限界6を持つ可能な事象の場3を示す。事象の場3は、横軸31と縦軸32により張られる二次元直角座標の象限である。縦軸32は、目標値からの糸パラメータの偏差ΔM例えば単位長さ当たり糸質量の偏差を示す。目標値は、多数の測定について連続する平均値形成によって求めるのがよい。横軸31は、糸長手方向に沿って偏差ΔMがどんな長さLにわたって延びているかを示す。求められる偏差ΔMとその長さLは共に、事象の場3における点を規定しかつそこに適当なやり方で表示可能な(図3参照)糸事象の座標を形成する。
測定過程において、十分長い糸部分が測定される。少なくとも約1kmの測定長さが“十分”とみなされる。しかし例えば10km又は100kmの長さの一層大きい測定長さが好ましい。なぜならば、それが統計的に説得力のある結果を与えるからである。糸パラメータΔMの値とそれに属する長さLは、測定ヘッド11から制御装置14へ伝送される。制御装置14の計算装置において、例えば米国特許第6374152号明細書に記載されているように、それから事象の場3における事象の密度が求められる。こうして事象の場3の各点に、事象密度を一義的に対応させることができる。内挿、外挿,平滑化及び/又は他の数値処置により、こうして求められる事象密度関数の多分測定誤差又はその他の原因により生じる突然すぎる局部的変化を回避することができる。
本発明によれば、事象密度関数から糸本体が計算され、面4として事象の場3に表示される。100kmの糸長当たり例えば1000の事象の十分大きい限界事象密度が選ばれる。事象の場3において限界事象密度が対応するすべての点の結合が、そのほかの事象の場3の糸本体を限定する密度曲線41を生じる。両方の座標軸31,32に対して、糸本体は座標軸31,32自体により限定される。この限定により、測定される糸9に特有のつながる面4が生じる。糸本体を表す面4は、例えばそのほかの事象の場3とは別の色、別の灰色調及び/又は別のパターンを持つことによって、そのほかの事象の場3から図式的に区別される。
糸本体の本発明による計算及び表示は、操作者が検査される糸9の特性を速やかにかつ直観的に検出するのを可能にする。これは、操作者が糸9から欠陥を除去するための浄化曲線6を速やかにかつ経済的に規定するのを可能にする。浄化曲線6は、事象の場3を2つの浄化範囲61,62に分割する線であり、これらの浄化範囲のうち第1の浄化範囲61は許容事象を規定し、第2の浄化範囲62は許容できない事象を規定する。浄化曲線6は、浄化限界即ち糸品質を判断するための基準の図式表示である。浄化限界又は浄化曲線6の規定は、なるべく制御装置14の入力装置15を介して行われる。制御装置14は、例えば糸本体4のための限界事象密度41より著しく低い事象密度を持つ別の密度曲線として、標準浄化曲線を提案する。浄化曲線6は糸本体4の上にあるようにする。なぜならば、事象を糸本体4から除去することは無意味だろうからである。操作者は、入力装置15への入力により標準浄化曲線を変えることができる。その代りに操作者は、入力装置15への入力により、制御装置14の提案から出発することなく、自己の経験により浄化曲線を規定することができる。
図3は、制御装置14の出力装置15で出力できるような事象の場3の拡張された図を示す。ここで事象の場3は、第1象限だけでなく更に第4象限も含んでいる。第1象限には局部的な質量増加により生じる太い個所が、第4象限には局部的な質量減少により生じる細い個所が、それぞれの長さに対して記入されている。両方の象限の縦軸31が一致することによって、太い個所のための糸本体4と細い個所のための糸本体4が、視覚的にただ1つの全糸本体にまとまる。この全糸本体は、横軸31に関して、必ずしも対称でない。長さ及び質量増加又は質量減少に対する軸31,32,32′は、なるべく対数的、殆んど対数的又は一部対数的に区分されている。
図3の例では、糸本体を表示する面4に、別の面5が続いている。別の面5は、糸本体を区画する密度曲線41により、また小さい方の事象密度に相当する別の密度曲線51により区画される。大きい方の事象密度は例えば100kmの糸長当たり1000の事象であり、小さい方の事象密度は例えば100kmの糸長当たり100の事象である。従ってこれら両方の事象密度は、100kmの糸長当たり幾何学的系列1,10,100,1000、・・・の事象の一部である。糸本体を表す面4と別の面5は図式的に互いに区別され、そのそれぞれの周囲から区別される。こうして例えば糸本体を表す面4は暗い緑に着色し、別の面5は明るい緑に着色することができる。ただ1つの別の面5の代わりに、複数の別の面も表すことができる。このような別の面5は、操作者が糸9の特徴を一層よく検出し、浄化限界6を最適に規定するのを助けることができる。
図3の事象の場3には浄化曲線6も記入されている。この浄化曲線6は、許容事象を規定する第1の浄化範囲61と許容できない事象を規定する第2の浄化範囲62とを互いに分離する。両方の浄化範囲61,62はなるべく異なるように着色され、例えば第1の浄化範囲61は白色、第2の浄化範囲62は灰色である。浄化曲線6はその大体の推移において密度曲線41,51に寄りかかっているけれども、これらの密度曲線とは基本的に無関係である。図3では、浄化曲線6は一部で別の密度曲線51と重なり、一部では重なっていない。
更に図3の事象の場3では、事象71,72が象限の形で記入されている。浄化曲線6のこちら側の第1の浄化範囲61にある許容事象71の記号は、浄化曲線6の向こう側の第2の浄化範囲62にある許容できない事象72の記号とは、例えばその大きさ及び/又はその色によって相違している。これらの事象は共にいわゆる点群を形成している。
測定されるすべての事象が事象の場3に記入されるのではない。糸本体の大部分は事象なしである。その理由は、糸本体にある事象は操作者にとって関心がないからである。事象は“糸に属する”。横軸31の近くにある事象を表示しないことは、少なくとも次の2つの利点を持っている。
これらの事象は、測定ヘッド11から制御装置14へ伝送される必要がない。それにより、伝送して処理すべきデータの量が著しく減少され、データ導線及び制御装置14が負荷を軽減される。それにより余裕のある容量をもっと重要なことのために利用することができる。
図式表示は一層少ない事象点を含み、それにより一層よくわかるようになる。操作者は不必要な事象点により気を散らされず、重要なことに集中できる。
事象の場3は、2つの分類範囲81,82、即ち事象が表示されない第1の範囲81と事象が表示される第2の範囲82とに分割される。両方の分類範囲81,82は、分類限界により互いに区切られる。この分類限界は、図3の例には記入されていない。その推移は図示された事象71によってのみ感じ取られる。それは、糸本体4を区画する密度曲線41より大きいか小さいか又はこれと同じ事象密度に相当する密度曲線にも従う。
第2の分類範囲82は、水平な分類限界83及び垂直な分類限界84により、糸事象71,72用の長方形の等級85に区分される。このような等級85は、まず類似した事象71,72の一層良好な検出に役立つ。こうして例えば検出される事象71,72は各等級85において数えられ、結果が等級ごとに出力される。有意義なように等級85は、事象を更に表示する第2の分類範囲82にのみ示される。しかし事象の場3の全体をこのような等級85に区分することも可能であろう。
図3の事象の場3に第1象限について上述したことは、第4象限についても同じように当てはまる。第4象限において一致する要素は、第1象限におけるのと同じ符号にダッシュを付けて示されている。
図3の説明区域33には、次の例示記載が見られる。
糸長が19.8kmで、この糸長に基いて糸本体4の密度曲線14,42及び別の面5が求められた。
事象72の数は9で、この数は両方の第2の浄化範囲62にあり、従って19.8kmの長さの糸部分から欠陥として除去される。従って100kmの糸長当たり45の切断が生じ、この切断数は必要な場合同様に表示することができる。
事象の場3において記入された事象71,72の総数は、396である。
図4は、事象の場3の別の図を示す。多くの要素は既に図2及び/又は3からわかっており、図4において同じ符号で示され、ここで再び説明する必要がなく、従って細い個所に対する第4象限、糸本体4、別の面5及び浄化曲線6が説明される。先の図2及び3とは異なり、図4の事象の場3では、除外範囲63,63′,64,1,64,2が規定されている。このような除外範囲63,63′,64,1,64,2において、糸事象71,72の許容基準がその周囲に対して反転される。即ち
第1の浄化範囲61にある第1の除外範囲63,63′にある事象は許容できない。このような第1の除外範囲63,63′は、例えば個々にはそれ自体許容されるが集積されると有害になって望ましくない事象71の蓄積に対して規定可能である。第1の除外範囲63,63′は、完全に又は部分的に糸本体4内又は糸本体4外にあるが、いずれにせよ第1の浄化範囲61にある。第4象限にある糸本体4′は、その前面で包囲される第1の除外範囲63′と共に、位相幾何学の意味において2つのつながる面の例を形成する。これに反し前述した糸本体4は、簡単につながり、また離れる。
第2の浄化範囲62にある第2の除外範囲64,1,64,2にある事象は許容される。このような第2の除外範囲64,1,64,2は、例えばファンシーヤーンの浄化の際誤って糸欠陥と思われて除去されてはならない効果のために規定される。
本発明が上述した実施例に限定されないことは自明である。本発明を知れば、当業者は本発明の対象に属する別の変形例を推論することができるであろう。
1 装置
11 測定ヘッド
12 インタフェース変換器
13 接続導線
14 制御装置
15 入力装置及び出力装置としてのセンサ画面
2 巻取り機
4 整合手段
21.1,21.2 巻取り個所
22 巻取り個所計算機
23 制御計算機
3 事象の場
31 横軸
32 縦軸
4 糸本体、糸本体を表す面
41 事象の場を区画する密度曲線
5 別の面
51 別の面を区画する密度曲線
6 浄化範囲又は浄化曲線
61 第1の浄化範囲
62 第2の浄化範囲
63 第1の除外範囲
64.1,64.2 第2の除外範囲
71 許容事象
72 許容できない事象
81 第1の分類範囲
82 第2の分類範囲
83 水平な分類限界
84 垂直な分類限界
85 等級
9 糸

Claims (21)

  1. 長手方向に動かされる縦長の繊維供試品(9)の特性表示方法であって、
    繊維供試品(9)の長手方向に沿う繊維供試品(9)の特性の測定値が検出され、
    測定値から繊維供試品のパラメータの値が求められ、
    二次元直角座標系の象限又は象限の一部を含む事象の場(3)が与えられ、
    この座標系の横軸(31)が縦方向におけるパラメータ値の範囲(L)を示し、その縦軸(32)が、目標値からのパラメータの偏差(ΔM)を示し、
    長手方向におけるパラメータの値及びその範囲(L)から、事象の場(3)における事象(71,72)の密度が求められるものにおいて、
    事象の場(3)において供試品本体が、横軸(31)又はそれに対して平行に延びる直線により、また他方では縦軸(32)又はそれに対して平行に延びる直線により、更に実質的に一定の事象密度に従う事象の場(3)内の線(41)により区画される面(4)として表示される
    ことを特徴とする、方法。
  2. 一定の事象密度が100kmの供試品長さ当たり500〜2000の事象なるべく100kmの供試品長さ当たり1000の事象である、請求項1に記載の方法。
  3. 供試品本体を表す面(4)に1つ又はそれ以上の別の面(5)が続き、この面又はこれらの面が同様に、事象の場(3)にあってそれぞれ実質的に一定の事象密度に従う1つ又は複数の別の線(51)により区画される、先行する請求項の1つに記載の方法。
  4. 供試品本体(4)を区画する線(41)及び別の線(51)が従う事象密度が、実質的に幾何学的系列を形成する、請求項3に記載の方法。
  5. 特に供試品本体を表す面(4)及び/又は別の面(5)が、そのそれぞれの周囲とは異なる色、灰色調及び/又はパターンを持つことによって、供試品本体を表す面(4)及び/又は別の面(5)を、そのそれぞれの周囲から図式的に区別する、先行する請求項の1つに記載の方法。
  6. パラメータの値が、長手方向におけるその範囲(L)と共に、事象(71,72)として事象の場(3)に表示される、先行する請求項の1つに記載の方法。
  7. 供試品本体(4)又は少なくとも横軸(31)又はそれに対して平行に延びる直線に隣接する供試品本体(4)の部分に、事象が表示されない、先行する請求項の1つに記載の方法。
  8. 事象の場(3)が分類限界により2つの分類範囲(81,82)に分割され、第1の分類範囲(81)に事象が表示されず、第2の分類範囲(82)に事象(71,72)が表示される、請求項7に記載の方法。
  9. 分類限界が実質的に一定の事象密度に従う、請求項8に記載の方法。
  10. 長手方向に動かされる縦長の繊維供試品(9)から欠陥(72)を除去する方法であって、繊維供試品(9)の特性の測定値が繊維供試品(9)の長手方向に沿って検出され、
    測定値から繊維供試品のパラメータの値が求められ、
    長手方向におけるパラメータ値の範囲(L)を示す横軸(31)及び目標値からのパラメータの偏差(ΔM)を示す縦軸(32)を持つ二次元直角座標系の象限又はその一部を含む事象の場(3)が与えられ、
    事象の場(3)が少なくとも1つの浄化曲線(6)により2つの浄化範囲(61,62)に分割され、第1の浄化範囲(61)が許容事象(71)を規定し、第2の浄化範囲(62)が許容できない事象(72)を規定し、
    パラメータの値及び長手方向におけるその範囲(L)から、事象の場(3)における事象の密度が求められるものにおいて、
    繊維供試品(9)が先行する請求項の1つにより特徴づけられ、
    特徴づけが浄化曲線(6)の規定に影響を及ぼす
    ことを特徴とする、方法。
  11. 特に第1の浄化範囲(61)と第2の浄化範囲(62)が異なる色、異なる灰色調及び/又は異なるパターンを持つことにより、これらの浄化範囲が図式的に互いに区別される、請求項10に記載の方法。
  12. 糸パラメータの測定値及び浄化曲線(6)に基いて、許容できない事象(72)の数及び/又は繊維供試品(9)の単位長さ当たりの許容できない事象(72)の数が計算されかつ出力される、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 第1の浄化範囲(61)において、許容できない事象を規定する少なくとも1つの第1の除外範囲(63)が規定され、かつ/又は第2の浄化範囲において、許容事象を規定する第2の除外範囲(64.1,64.2)が規定される、請求項10〜12の1つに記載の方法。
  14. 事象の場(3)が更に少なくとも1つの別の象限又は別の象限の一部を含んでいる、先行する請求項の1つに記載の方法。
  15. 供試品本体(4)、第2の面(5)、分類範囲(81,82)及び/又は浄化範囲(61,62)が、測定値の連続的な検出及びその結果事象の場(3)に生じる事象の密度の変化に合わされる、先行する請求項の1つに記載の方法。
  16. 長手方向に動かされる縦長の繊維供試品(9)の特性表示装置(1)であって、
    繊維供試品(9)の縦方向に沿う繊維供試品(9)の特性の測定値を検出しかつ測定値から繊維供試品のパラメータの値を求める測定ヘッド(11)、及び測定ヘッド(11)に接続される制御装置(14)を含み、
    制御装置(14)が、長手方向におけるパラメータ値の範囲(L)を示す横軸(31)及び目標値からのパラメータの偏差(ΔM)を示す縦軸(32)を持つ二次元直角座標系の象限又は象限の一部を含む事象の場(3)を記憶しかつ出力する記憶装置及び出力装置(15)と、パラメータの値及び長手方向におけるその範囲(L)から事象の場(3)における事象(71,72)の密度を求める計算装置とを持っているものにおいて、
    制御装置(14)が、事象の場(3)において、横軸(31)又はそれに対して平行に延びる直線と縦軸(32)又はそれに対して平行に延びる直線と更に事象の場(3)において実質的に一定の事象密度に従う線(41)とにより区画される面(4)として、供試品本体を出力するようになっている
    ことを特徴とする、装置。
  17. 出力装置(15)が画面として構成されている、請求項16に記載の装置。
  18. 制御装置(14)が、操作者により情報を入力しかつ特に少なくとも1つの浄化限界(6)を規定する入力装置(15)を含んでいる、請求項16又は17に記載の装置。
  19. 出力装置と入力装置がセンサ画面(15)として構成されている、請求項17又は18に記載の装置。
  20. 制御装置(14)が繊維処理機械(2)例えば紡糸機又は巻取り機に組込まれている、請求項16〜19の1つに記載の装置。
  21. 装置(1)が、繊維供試品(9)から許容できない事象(72)を除去する切断装置を含んでいる、請求項16〜20の1つに記載の装置。
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