JP5223392B2 - 真空脱ガス処理装置における排気開始方法 - Google Patents

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Description

本発明は、真空脱ガス処理装置における真空脱ガス槽内エアの排気開始方法に関し、特にプレ排気に伴う真空脱ガス槽内エアの排気開始方法に関する。
転炉において一次精錬が終了した溶鋼は、脱炭のため、又は水素や窒素などの溶存ガスの除去目的として、真空脱ガス処理装置を用いた脱ガス処理が行われる。脱ガス処理では、真空脱ガス槽の下部(浸漬管)を取鍋内の溶鋼に浸漬させた後、真空脱ガス槽内が真空状態となるように真空脱ガス槽内のエアを吸引することにより、溶鋼が真空脱ガス槽内に吸い上げられ、溶鋼中のガス成分が真空脱ガス槽内に放出される。その際、真空脱ガス槽外の溶鋼湯面の高さが低下し、真空脱ガス槽の下端より低くなると、真空脱ガス槽内にエアが流入して事故につながる場合がある。
このため、例えば特許文献1では、真空脱ガス槽内のエアを真空排気装置で吸引すると同時に、真空脱ガス槽内の真空度(圧力)に応じて取鍋を上昇させるようにしている。この方法によれば、真空脱ガス槽外の溶鋼湯面が下降する速さと同等な速度で取鍋を上昇させることが可能であるため、真空脱ガス槽内へのエアの流入を防止することができる。しかし、真空脱ガス槽内を所定の圧力に減圧するまでに長い時間を必要とする。
そこで、特許文献2では、真空脱ガス槽内を所定の圧力に減圧するのに要する時間を短縮するため、プレ排気(プレ真空ともいう。)を行うことにより、真空脱ガス槽内の圧力を760Torrから380Torrへ一気に減圧する例が示されている。ここで、プレ排気とは、真空脱ガス槽と真空排気装置とをつなぐ排気経路にバルブを設け、バルブを閉じた状態で、バルブから真空排気装置へつながる排気経路内を予め排気して減圧しておき、真空脱ガス槽の下部が取鍋内溶鋼に浸漬している状態でバルブを開放し、予め減圧した排気経路内に真空脱ガス槽内のエアを流入せしめ、真空脱ガス槽内の圧力を大気圧から一気に減圧する排気方法である。
特開平8−104917号公報 特開2000−204412号公報
しかしながら、特許文献2に記載された真空脱ガス処理方法では、真空脱ガス槽内が一気に減圧されるため、真空脱ガス槽外の溶鋼湯面が急激に低下する。このため、取鍋の上昇速度が真空脱ガス槽外の溶鋼湯面の低下に追いつかず、真空脱ガス槽内にエアが流入するおそれがある。なお、特許文献2では、取鍋の昇降装置が図1に示されているものの、具体的な使用方法については記載されていない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、真空脱ガス槽内を所定の圧力に減圧する時間を短縮するためプレ排気を用いる場合に、真空脱ガス槽内へのエアの流入を確実に防止することができる真空脱ガス処理装置における排気開始方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、溶鋼が貯留される取鍋の上方に設置され、前記溶鋼に下部が浸漬した真空脱ガス槽と、該真空脱ガス槽内のエアを吸引する真空排気装置と、前記真空脱ガス槽と前記真空排気装置とをつなぐ排気経路と、該排気経路上に設けられたバルブと、前記取鍋を昇降する昇降装置とを備える真空脱ガス処理装置における排気開始方法であって、
前記真空脱ガス槽の溶鋼浸漬部の面積S1と前記取鍋内の溶鋼湯面の面積S0との比S1/S0を0.2以上0.7以下とし、
閉にしている前記バルブと前記真空排気装置との間の排気経路内を減圧した後、前記バルブを開とすることで、前記溶鋼に200mm〜500mm浸漬した前記真空脱ガス槽内を減圧代0.04MPa以上減圧させるに際し、前記バルブを開にする時点又は開にする以前の時点から前記取鍋を上昇させることを特徴としている。
ここで、「真空脱ガス槽内を減圧代0.04MPa以上減圧させる」とは、真空脱ガス槽内を、プレ排気開始時の圧力が例えば大気圧である0.1MPaならば0.06MPa以下の圧力にまで減圧することを意味する。また、「溶鋼浸漬部の面積」とは、真空脱ガス槽の下部の浸漬管の内側の面積を指し、具体的には、図4のAA’、BB’、CC’矢視断面で表される浸漬管内側の面積を指す。
また、本発明は、溶鋼が貯留される取鍋の上方に設置され、前記溶鋼に下部が浸漬した真空脱ガス槽と、該真空脱ガス槽内のエアを吸引する真空排気装置と、前記真空脱ガス槽と前記真空排気装置とをつなぐ排気経路と、該排気経路上に設けられたバルブと、該バルブをバイパスするために前記排気経路に設けられたバイパス経路と、該バイパス経路上に設けられたバイパスバルブと、前記取鍋を昇降する昇降装置とを備える真空脱ガス処理装置における排気開始方法であって、
前記真空脱ガス槽の溶鋼浸漬部の面積S1と前記取鍋内の溶鋼湯面の面積S0との比S1/S0を0.2以上0.7以下とし、
前記バルブ及び前記バイパスバルブを閉にし、前記バルブと前記真空排気装置との間の排気経路内を減圧した後、前記バイパスバルブを開とすることで、前記溶鋼に200mm〜500mm浸漬した前記真空脱ガス槽内を減圧代0.04MPa以上減圧させるに際し、前記バイパスバルブを開にする時点又は開にする以前の時点から前記取鍋を上昇させることを特徴としている。
また、本発明に係る真空脱ガス処理装置における排気開始方法では、前記真空脱ガス槽内の減圧に際し、前記バイパスバルブの流路面積は、前記バルブと前記真空脱ガス槽との間の排気経路の流路面積の0.1倍〜0.5倍であることを好適とする。
従来は、真空排気装置による排気開始と共に取鍋の昇降制御を開始していた。これに対して、本発明では、バルブ(又は、バイパスバルブ)を開にする時点又は開にする以前の時点、即ち真空排気装置による排気開始以前のプレ排気開始以前から取鍋を上昇させる。真空脱ガス槽外の溶鋼湯面が急激に低下する前あるいは同時に取鍋を上昇させることで、エアリークの確実な防止と、プレ排気後に真空脱ガス槽内エアの吸引を行う真空引き時間の短縮を図るものである。この際、排気経路にバイパス経路を設け、バイパス経路を介してプレ排気を行えば、排気が緩やかになり、急速な排気に伴う真空脱ガス槽外の溶鋼湯面の乱れが、より抑制される。
ここで、エアリークとは、真空脱ガス槽外の溶鋼湯面の高さが低下して真空脱ガス槽の下端より低くなることにより、真空脱ガス槽内にエアが流入してくる現象に加えて、溶鋼湯面の乱れ(揺れ)に伴って一時的にでも真空脱ガス槽の下端より溶鋼湯面が低くなる状態が発生したときに、真空脱ガス槽内にエアが流入してくる現象も含むものとする。
また、図2に示すように、プレ排気開始時の真空脱ガス槽内の圧力、例えば大気圧P1とプレ排気終了後の真空脱ガス槽内の圧力P2との差を減圧代PEとし、プレ排気開始から終了までの時間をプレ排気時間TPとすると共に、プレ排気終了後に真空排気装置を用いて、真空脱ガス槽内の圧力をP2から所定の圧力まで徐々に低下させるのに要する時間を真空引き時間TEと呼ぶことにする。なお、プレ排気適用時に真空排気装置による排気を併用した場合でも、プレ排気による圧力低下が大きいため、上記定義で実質的に問題はない。
プレ排気を行うと、真空脱ガス槽内の圧力が急速に低下するため、真空脱ガス槽内に溶鋼が急激に流入する。このため、真空脱ガス槽外の溶鋼湯面が乱れ、乱れた溶鋼湯面が一部分でも真空脱ガス槽の最下端より下に位置すると、該部分からエアリークが起きる。真空脱ガス槽内の圧力が、例えば大気圧である0.1MPaから0.06MPa以下に低下すると、真空脱ガス槽外の溶鋼湯面の乱れが目立つようになり、エアリークの発生が懸念される。本発明では、この溶鋼湯面の乱れによるエアリークに着目し、減圧代を0.04MPa以上とすることで、溶鋼湯面の揺れに起因するエアリークの抑制を主眼としている。なお、減圧代が0.08MPaを超えると、溶鋼湯面の揺れが500mmを超える場合があるので好ましくない。
また、本発明では、バイパスバルブの流路面積と排気経路の流路面積との比、及び真空脱ガス槽の溶鋼浸漬部の面積と取鍋内の溶鋼湯面の面積との比を規定することで、本発明の効果が顕著に現れる条件を明確にしている。
本発明では、プレ排気の際、真空脱ガス槽と真空排気装置とをつなぐ排気経路上に設けられたバルブ(又は、バイパスバルブ)を開にする時点又は開にする以前の時点から取鍋を上昇させるので、真空脱ガス槽外の溶鋼湯面が急激に低下することがない。これにより、溶鋼湯面の揺れに起因するエアリークが確実に防止され、真空引き時間の短縮を図ることができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に、本発明の一実施の形態に係る排気開始方法に使用する真空脱ガス処理装置の構成を示す。
真空脱ガス処理装置10は、溶鋼12が貯留される取鍋13の上方に設置され、溶鋼12に下部14aが浸漬した真空脱ガス槽14と、真空脱ガス槽14内のエアを吸引する真空排気装置(図示省略)と、取鍋13を昇降する昇降装置11とを概略備えている。
真空脱ガス槽14と真空排気装置とは、連接する排気配管16(排気経路)及び排気配管20(排気経路)で接続されており、排気配管16と排気配管20との接合部には、排気主弁17(バルブ)が設置されている。また、排気配管16と排気配管20とは、これら配管より小径の均圧配管18(バイパス経路)で連通しており、均圧配管18上には、均圧弁19(バイパスバルブ)が設置されている。
さらに、排気配管16の真空脱ガス槽14側には、真空脱ガス槽14から吸引されるエアを冷却するためのガスクーラー15が設置されている。
なお、本実施の形態では、取鍋13内の溶鋼湯面が観察できるように、取鍋13の斜め上方に監視カメラ21を配置している。
真空脱ガス槽14は、下部14aに浸漬槽を備えている。真空脱ガス槽と浸漬槽を区別する場合があるが、本明細書では特に断らない限り、真空脱ガス槽は浸漬槽を含む全体を指すものとする。
なお、図3に示すように、取鍋13内の溶鋼12の上部には、20mm〜50mm程度の厚さを有するスラグ22が浮いており、浸漬深さDは、スラグ22の底面から真空脱ガス槽14の下端までの長さとする。
真空脱ガス槽14の溶鋼浸漬部の面積S1と取鍋13内の溶鋼湯面の面積S0とは、0.2≦S1/S0≦0.7の関係にある。
S1/S0が0.2以上の場合、プレ排気を適用した際に、真空脱ガス槽14内へ流入する溶鋼量が増加し、真空脱ガス槽14外の溶鋼湯面の低下が顕著になる。このため、溶鋼湯面の乱れと溶鋼湯面の低下の双方がエアリークの原因となるため、本発明の効果が顕著に現れる。一方、S1/S0を0.2未満にすると、真空引き時間が長くなる。因みに、通常のDH式やRH式真空脱ガス槽の場合、S1/S0は0.1程度である。
S1/S0が0.7を超えると、取鍋13の開口部の内径と真空脱ガス槽14の下部14aの内径がほぼ同じになるため、真空脱ガス槽14の下部14aを取鍋13内の溶鋼12に浸漬させる際、真空脱ガス槽14の下部14aが取鍋13に衝突する懸念があり、浸漬作業が困難となる。このため、S1/S0は0.7以下にすると良い。また、真空脱ガス槽14の浸漬深さDによっては、真空脱ガス槽14外の溶鋼湯面の急激な低下に取鍋13の上昇速度が追いつかず、エアリークの原因になりやすい場合がある。
ここで、溶鋼浸漬部の面積S1は、DH式真空脱ガス槽24(図4(A)参照)及びREDA式真空脱ガス槽44(図4(C)参照)では、下部24a、44aを構成する壁で囲まれた部分の面積であり、RH式真空脱ガス槽34(図4(B)参照)の場合は、吸上管34aを構成する壁で囲まれた部分の面積と排出管34bを構成する壁で囲まれた部分の面積の和となる。
一方、取鍋13内の溶鋼湯面の面積S0は、真空脱ガス槽を取鍋13の溶鋼中に浸漬させる前の面積であり、7m≦S0≦20mであることが好ましい。S0が7m未満であると、1チャージ当たりに処理できる溶鋼量が低下し、生産性を低下させてしまう。一方、S0が20mを超えると、1チャージ当たりに処理できる溶鋼量が多くなり過ぎ、処理時間が長くなって生産性が低下する。
プレ排気開始と共に、真空脱ガス槽14内のエアは真空排気装置側へ排気される。この排気は急激であるため、真空脱ガス槽14の内圧を所定の圧力まで減圧する時間を短縮することができる。しかし、急激な排気に伴って真空脱ガス槽14外の溶鋼湯面が乱れるため、排気を緩やかにして溶鋼湯面の乱れを抑制しつつ、減圧時間の短縮を図る必要がある。そこで、均圧弁19の流路面積Sv(均圧配管18の流路面積)を、排気配管16の流路面積Svdの0.1倍〜0.5倍として、排気経路に圧損をもたせて溶鋼湯面の乱れを抑制している。
Sv/Svdが0.1未満の場合、均圧配管18(バイパス経路)の圧損が大きいためプレ排気時間が長くなり、プレ排気適用による減圧時間の短縮効果が減殺される。
一方、Sv/Svdが0.5を超えると、減圧時間の短縮効果が実質的に飽和するだけでなく、真空脱ガス槽14外の溶鋼湯面の乱れにもつながり、エアリーク防止の観点からも好ましくない。
図5(A)は、溶鋼湯面の揺れと減圧速度との関係を示したグラフである。同図より、減圧速度が0.004MPa/s以上になると、減圧速度と溶鋼湯面の揺れとは、ほぼ正比例の関係にあることがわかる。また、溶鋼湯面の揺れを500mm以下に抑えようとした場合、減圧速度を0.01MPa/s以下にすればよいことがわかる。
図5(B)は、減圧代が0.04MPa、0.06MPa、0.08MPaの3ケースについて、減圧速度と均圧配管面積/排気配管面積との関係を示したグラフである。同図において、減圧代が0.08MPaの場合、減圧速度が0.01MPa/sのとき、均圧配管面積/排気配管面積は0.5であることがわかる。従って、均圧配管面積/排気配管面積を0.5以下とすれば、減圧代が0.08MPa以下であれば、溶鋼湯面の揺れを500mm以下に抑えることができることになる。
次に、上記構成を有する真空脱ガス処理装置10における排気開始方法について説明する。
先ず、昇降装置11を作動させて取鍋13を上昇させ、浸漬深さDが200mm〜500mmとなるように、真空脱ガス槽14の下部14aを溶鋼12中に浸漬させる。浸漬深さDが200mm未満であると、エアリークが防止できず、500mmを超えると、下部14aを構成する耐火物の損耗面積が増加するため、下部14aの寿命低下につながる。また、浸漬深さDを過度にとると、取鍋13内に貯留できる溶鋼量が減少するため、処理量の低下を招き生産性向上の点からも好ましくない。
次いで、排気主弁17と均圧弁19を閉じた状態で真空排気装置を作動させ、排気配管20内を減圧した後、均圧弁19を開き、予め減圧した排気配管20内に均圧配管18を介して真空脱ガス槽14内のエアを流入させ、真空脱ガス槽14内を急速に減圧する。この際、真空脱ガス槽14内の減圧代が0.04MPa以上となるように、排気配管20内を予め減圧しておく必要がある。
また、均圧弁19を開くと同時、若しくは均圧弁19を開く5秒前から均圧弁19を開く時点までの間に、昇降装置11を作動させて取鍋13を上昇させるようにする。これにより、0.04MPa以上の減圧による真空脱ガス槽14外の溶鋼湯面の乱れが生じた場合でも、エアリークを防止することができる。取鍋13の上昇は、例えば120〜350tonもの溶鋼12が貯留された取鍋13を上昇させるもので、昇降速度は、3m/min以下、好ましくは2m/min以下とするのが良い。なお、昇降速度の下限値は、昇降装置11として制御可能な最低速度、例えば0.1m/minとする。
プレ排気が完了した時点で、排気主弁17を開き、排気配管16、20及び均圧配管18を介して、真空脱ガス槽14内の圧力を真空排気装置により所定の圧力まで徐々に低下させる。
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、上記実施の形態では、排気主弁と均圧弁の二つのバルブを用いて排気制御を行ったが、均圧配管を設けず排気主弁のみで排気制御を行うことも可能である。
図1に示した真空脱ガス処理装置を用いて本発明を実施した。この際、真空脱ガス槽の下部が所定の深さまで浸漬するように、真空脱ガス処理前に取鍋を上昇させ、その後、脱ガス処理を実施した。また、溶鋼湯面の揺れ(乱れ)は、監視カメラの画像により目視観察した。
表1に試験条件及び試験結果を示す。実施例1を基本タイプとし、浸漬深さ、減圧代、鍋昇降制御タイミング、配管面積比(均圧配管流路面積/排気配管流路面積)、及びS1/S0をパラメータとして試験を実施した。ここで、鍋昇降制御タイミングが同時とは、均圧弁を開くと同時に、取鍋の上昇制御を行ったということである。なお、比較例1のみプレ排気無しとした。
湯面揺れは、湯面揺れが100mm以下の場合を○、100mmより大きく200mm以下の場合を△、200mmを超えた場合を×とし、△と○の判断がつかない場合を△〜○とした。なお、表中の溶鋼量は、実施例1の溶鋼量を1.0としたときの比である。
Figure 0005223392
実施例1〜3と比較例2、3の対比により、浸漬深さが溶鋼湯面の揺れに及ぼす影響は小さいことがわかる。但し、比較例2では、溶鋼湯面の揺れが小さいが、浸漬深さが浅く、定常的に100mm程度の揺れがあることを考慮すると、余裕代が少なくエアリークの危険がある。また、比較例3の場合、浸漬深さが深いため、溶鋼量が他の例に比べて少なく、生産性の点で問題がある。
実施例1と比較例4の対比により、減圧代が小さくなると、真空引き時間が長くなることがわかる。また、実施例1、4と比較例1、5の対比により、鍋昇降制御タイミングが同時の場合とプレ排気5秒前の場合は、真空引き時間が20分であるが、プレ排気をしない場合は、真空引き時間が30分となり、真空引き時間が長くなることがわかる。一方、鍋昇降制御タイミングをプレ排気完了後とした場合は、真空引き時間は20分であるが、溶鋼湯面の揺れが大きくなり、エアリークの危険性があることがわかる。
実施例1と実施例5〜8の対比により、配管面積比が小さいと、真空引き時間が長くなり、配管面積比が大きいと、真空引き時間は短くなるが、溶鋼湯面の揺れが大きくなることがわかる。
また、実施例1と実施例9、10、参考例1、2の対比により、配管面積比の場合と同様、S1/S0が小さいと、真空引き時間が長くなり、S1/S0が大きいと、溶鋼の還流量を多くすることができるため真空引き時間は短くなるが、溶鋼湯面の揺れが大きくなることがわかる。
本発明の一実施の形態に係る排気開始方法に使用する真空脱ガス処理装置の構成を示す模式図である。 真空脱ガス槽内の圧力の時刻歴変化を示したグラフである。 取鍋内の溶鋼中に真空脱ガス槽の下部が浸漬した状態を示した模式図である。 (A)はDH式真空脱ガス槽、(B)はRH式真空脱ガス槽、(C)はREDA式真空脱ガス槽それぞれの縦断面及び浸漬部の横断面を示した説明図である。 (A)は、溶鋼湯面の揺れと減圧速度との関係を示したグラフであり、(B)は、減圧代が0.04MPa、0.06MPa、0.08MPaの3ケースについて、減圧速度と均圧配管面積/排気配管面積との関係を示したグラフである。
符号の説明
10:真空脱ガス処理装置、11:昇降装置、12:溶鋼、13:取鍋、14:真空脱ガス槽、14a:下部、15:ガスクーラー、16:排気配管(排気経路)、17:排気主弁(バルブ)、18:均圧配管(バイパス経路)、19:均圧弁(バイパスバルブ)、20:排気配管(排気経路)、21:監視カメラ、22:スラグ、24:DH式真空脱ガス槽、24a:下部、34:RH式真空脱ガス槽、34a:吸上管、34b:排出管、44:REDA式真空脱ガス槽、44a:下部

Claims (3)

  1. 溶鋼が貯留される取鍋の上方に設置され、前記溶鋼に下部が浸漬した真空脱ガス槽と、該真空脱ガス槽内のエアを吸引する真空排気装置と、前記真空脱ガス槽と前記真空排気装置とをつなぐ排気経路と、該排気経路上に設けられたバルブと、前記取鍋を昇降する昇降装置とを備える真空脱ガス処理装置における排気開始方法であって、
    前記真空脱ガス槽の溶鋼浸漬部の面積S1と前記取鍋内の溶鋼湯面の面積S0との比S1/S0を0.2以上0.7以下とし、
    閉にしている前記バルブと前記真空排気装置との間の排気経路内を減圧した後、前記バルブを開とすることで、前記溶鋼に200mm〜500mm浸漬した前記真空脱ガス槽内を減圧代0.04MPa以上減圧させるに際し、前記バルブを開にする時点又は開にする以前の時点から前記取鍋を上昇させることを特徴とする真空脱ガス処理装置における排気開始方法。
  2. 溶鋼が貯留される取鍋の上方に設置され、前記溶鋼に下部が浸漬した真空脱ガス槽と、該真空脱ガス槽内のエアを吸引する真空排気装置と、前記真空脱ガス槽と前記真空排気装置とをつなぐ排気経路と、該排気経路上に設けられたバルブと、該バルブをバイパスするために前記排気経路に設けられたバイパス経路と、該バイパス経路上に設けられたバイパスバルブと、前記取鍋を昇降する昇降装置とを備える真空脱ガス処理装置における排気開始方法であって、
    前記真空脱ガス槽の溶鋼浸漬部の面積S1と前記取鍋内の溶鋼湯面の面積S0との比S1/S0を0.2以上0.7以下とし、
    前記バルブ及び前記バイパスバルブを閉にし、前記バルブと前記真空排気装置との間の排気経路内を減圧した後、前記バイパスバルブを開とすることで、前記溶鋼に200mm〜500mm浸漬した前記真空脱ガス槽内を減圧代0.04MPa以上減圧させるに際し、前記バイパスバルブを開にする時点又は開にする以前の時点から前記取鍋を上昇させることを特徴とする真空脱ガス処理装置における排気開始方法。
  3. 請求項2記載の真空脱ガス処理装置における排気開始方法において、前記真空脱ガス槽内の減圧に際し、前記バイパスバルブの流路面積は、前記バルブと前記真空脱ガス槽との間の排気経路の流路面積の0.1倍〜0.5倍であることを特徴とする真空脱ガス処理装置における排気開始方法。
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