JPH09143543A - 真空脱ガス装置 - Google Patents

真空脱ガス装置

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JPH09143543A
JPH09143543A JP31110695A JP31110695A JPH09143543A JP H09143543 A JPH09143543 A JP H09143543A JP 31110695 A JP31110695 A JP 31110695A JP 31110695 A JP31110695 A JP 31110695A JP H09143543 A JPH09143543 A JP H09143543A
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pipe
gas
molten steel
seal space
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JP31110695A
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Hirohide Uehara
博英 上原
Junichi Hasunuma
純一 蓮沼
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造の装置によって確実に脱ガス処理中
の吸窒を抑えて低窒素鋼を製造可能な真空脱ガス装置を
提供することを課題としている。 【解決手段】下降用浸漬管5の外周に鉄管7が同心に配
置され、上記下降用浸漬管5と鉄管7との間にシール空
間Sが形成される。上記シール空間S内に不活性ガス供
給配管8の一端部が配設される。上記不活性ガス供給配
管8の他端部は、開閉バルブを介して不活性ガスを圧入
したガスタンクに接続している。そして、上記シール空
間Sの不活性性ガスが供給されて、当該シール空間Sの
ガス圧は大気圧よりも高くなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼内の脱ガス処
理を行う所謂RH法の真空脱ガス装置に係り、特に、浸
漬管を通過する溶鋼への吸窒を抑えて低窒素鋼の製造に
好適な真空脱ガス装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】RH法による真空脱ガス装置は、2本の
浸漬管を介して溶鋼を循環させつつ真空槽内で脱ガス処
理を行う装置である(図1参照)。即ち、真空槽内を排
気により減圧しながら上昇用浸漬管内にArガスを吹き
込むことで、上記真空槽内の減圧及び吹き込んだArガ
スのガスリフトポンプ作用により、鍋内の溶鋼を上記上
昇用浸漬管を介して上記真空槽内に吸い上げ、続けて、
その真空槽で溶鋼中の脱ガスが行われた後に、下降用浸
漬管を通って取鍋内に溶鋼が戻される。
【0003】このとき、上記浸漬管は耐火物で構成さ
れ、且つ、脱ガス処理中の真空槽内は、例えば0.3To
rrまで減圧されるために、そのままでは、上記浸漬管の
外周の空気が該壁部を通って浸漬管内に吸引され、当該
浸漬管内を流れる溶鋼中に空気中の窒素が取り込まれ
る。このことは、脱ガス処理をしているにも関わらず溶
鋼中の窒素濃度があまり低減しないおそれがある。
【0004】また、上記溶鋼への吸窒は鋼のじん性を低
下させるので、鋼種によっては窒素を極度に嫌うものが
ある。例えば、海洋構造物用の鋼材等では極めて低温じ
ん性が要求され、鋼中の窒素濃度を20ppm 以下とする
ことが望まれる。その他、自動車用鋼板となる極低炭素
鋼においてもプレス加工性改善のためにTiを添加するこ
とがあるが、高価なTiを削減するために鋼中の窒素を低
位に安定させて精錬することが必要である。これらは、
低窒化による材質改善効果の一例であり、鋼材の低窒化
のニーズは極めて高い。
【0005】そこで、従来から、上記浸漬管耐火物を通
って浸漬管内に空気が吸引されることを防止して鋼中の
窒素濃度を低下させるために、例えば、特開平6−20
26号に記載されている構造が提案されている。これ
は、真空槽の下部に配設された上昇用浸漬管及び下降用
浸漬管の両方に対し、図6に示すように、各浸漬管30
の耐火物30a中にリーク防止鉄板31を埋設すると共
にその埋設したリーク防止鉄板31の外側で且つ溶鋼3
2湯面よりも下方位置の上記耐火物30a中にポーラス
煉瓦33を周方向に沿って複数個,埋設し、そのポーラ
ス煉瓦33に大気圧以上のArガスを供給するガス供給
装置34を備えるものである。なお、32aは、スラグ
を示し、36は、真空槽の下部に設けられた連結管を示
している。
【0006】これによって、浸漬管30下部の耐火物3
0a部分を経由した空気の吸い込みの代わりにArガス
が吸い込まれるため、浸漬管30を介した溶鋼32中へ
の吸窒が防止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構造では、ポーラスレンガの多孔からの耐火物3
0a内へのArガスの吹出し量や該耐火物30aへのA
rガスの浸透等の不確定要因によって、浸漬管30の耐
火物30a中でのArガスの圧力が変動するために、ポ
ーラス煉瓦33へのArガスの供給量の調整が難しいと
いう問題がある。
【0008】このため、Arガスの供給量が適量よりも
少なくなるとガス圧が1気圧以下になり、ポーラス煉瓦
33の孔に溶鋼32が差し込まれ詰まるおそれがある。
ポーラス煉瓦33の多孔が詰まるとArガスの吹出し量
が変化して目的とする性能を発揮できなくなる。逆に、
Arガスの供給量が多すぎるとガス圧が高くなりすぎ、
鍋内の溶鋼32やスラグ32aに向けてArガスの吹出
しが生じ鍋内のスラグ32aを攪拌してしまう。この結
果、スラグ32a中のFeO などによる浸漬管30耐火物
30aの浸食を助長して浸漬管30の寿命が短くなる。
【0009】また、上記のように浸漬管耐火物30a内
にポーラス煉瓦33等を埋設する必要があるために、浸
漬管30及び該浸漬管30をシールドするためのポーラ
ス煉瓦33等の部材の施工や保守に手間が掛かり、コス
トの上昇を招くという問題もある。特に、上記のよう
に、従来にあっては上昇用浸漬管30及び下降用浸漬管
30の両方に上記構造を採用するため、この点からも上
記施工や保守を増大しコスト上昇の原因となっている。
【0010】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、簡単な構造の装置によって確実に脱ガ
ス処理中の吸窒を抑えて低窒素鋼を製造可能な真空脱ガ
ス装置を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の真空脱ガス装置は、鍋内の溶鋼を上昇用浸
漬管を介して真空槽内に吸い上げ該真空槽内の溶鋼を下
降用浸漬管を介して鍋内に戻し溶鋼を循環させつつ脱ガ
ス処理を行う真空脱ガス装置において、上記下降用浸漬
管の外周を所定のシール空間をあけて囲むシール部材
と、上記シール空間に不活性ガスを供給するガス供給装
置と、を備えると共に、上記ガス供給装置による上記シ
ール空間へのガス供給量は、シール空間のガス圧が大気
圧の1〜2倍の範囲の圧力となる供給量であることを特
徴としている。
【0012】この発明においては、下降用浸漬管の外周
は不活性ガスによってシールドされて大気と非接触状態
になるため、下降用浸漬管内を流れる溶鋼に対し、当該
浸漬管の耐火物を介した吸窒が抑えられる。ここで、上
昇用浸漬管の外周に上記不活性ガスによるシールドを行
わないのは、当該上昇用浸漬管内には、不活性ガスであ
るArガスが吹き込まれ当該上昇用浸漬管中を流れる溶
鋼中のAr濃度が高くなることで吸窒が小さく、且つ、
多少窒素が取り込まれたとしても真空槽での脱ガス処理
によって低減されると考えられるためである。
【0013】また、シール空間内のガス圧を1気圧以上
にすることで、下降用浸漬管の外周を覆うシール空間へ
の大気の入り込みが遮断され、該浸漬管内への大気の吸
込みが防止される。なお、従来のように不活性ガスを浸
漬管の耐火物内へ吸い込ませる必要はなく、上記浸漬管
の外周が大気から遮断できるだけのガス圧であればよ
い。
【0014】また、シール空間内のガス圧が2気圧より
大きくなると、溶鋼を覆うスラグへの負荷が大きいたた
めに、スラグを攪拌して浸漬管耐火物の浸食を助長して
しまうおそれがある。これを抑えるために、上記シール
空間内のガス圧を2気圧以下とした。ここで、上記シー
ル空間内のガス圧力の調整は、シール空間内の圧力を測
定しその測定値に基づいてガス供給量を調整してもよい
が、シール空間内のArガスを浸漬管内へ積極的に浸透
させる必要はないので、流量調整によって容易に上記ガ
ス圧力の調整は可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず装置の構成を説明すると、図
1に示すように、真空槽1の上部に排気口2が設けら
れ、その排気口2に排気ダクト15及び図示しない真空
ポンプが接続する。そして、上記真空ポンプを作動する
ことで、真空槽1内のガスを排出して該真空槽1内が減
圧される。
【0016】また、上記真空槽1の下部には、二つの浸
漬管4,5を連結するための連結管3が設けられてい
る。その各連結管3の下端部には、それぞれ接続用のフ
ランジ3aが設けられ、そのフランジ3aを介してそれ
ぞれ浸漬管4,5の上端部が同軸に連結されている。上
記二つの浸漬管4,5のうち上昇用浸漬管4にはArガ
ス吹出し管6が接続され、当該上昇用浸漬管4内へAr
ガスを吹き込み可能となっている。
【0017】また、上記二つの浸漬管4,5のうち下降
用浸漬管5の外周には、シール部材を構成する鉄管7が
同心に配置され、上記下降用浸漬管5と鉄管7との間に
シール空間Sが形成されている。上記鉄管7は、図2に
示すように、上部7aが小径となっていて、当該上部7
6aと下降用浸漬管5に接続する連結管3外周との間の
間隙が小さくなっている。さらに、上記鉄管7は、横断
面半円形の二つの部材から構成されると共に、その二つ
の部材は図示しないヒンジによって連結されて構成さ
れ、上記ヒンジを中心に左右に開閉可能になっている。
これによって、上記鉄管7は、容易に、上記下降用浸漬
管5の外周から取り外し可能となっている。
【0018】また、上記鉄管7は、図示しない昇降装置
に支持され、当該昇降装置を駆動することで上記下降用
浸漬管5に沿って昇降可能となっている。また、上記鉄
管7に設けた図示しない挿通部を介して、上記シール空
間S内に不活性ガス供給配管8の一端部が配設されてい
る。上記不活性ガス供給配管8の一端部9は、図3に示
すように、上記下降用浸漬管5の周方向に沿って配置可
能な略円環形状のチューブであって、その円環に沿って
複数のガス吹出し口9aが開設されている。さらに、そ
の円環状の不活性ガス供給配管8の一端部は、ヒンジ9
bを介して左右に開くことで、容易に、上記下降用浸漬
管5から取り外し可能となっている。
【0019】また、上記不活性ガス供給配管8の他端部
は、開閉バルブ10を介して不活性ガスを圧入したガス
タンク11に接続している。ここで、上記不活性ガス供
給配管8、開閉バルブ10、及びガスタンク11によっ
てガス供給装置が構成される。また、上記不活性ガスと
しては、例えばArガスが使用される。
【0020】次に、上記装置の使用や作用等について説
明する。図1に示すように、上記真空槽1に接続された
2本の浸漬管4,5の下部をそれぞれ鍋12内の溶鋼1
3内に浸漬する。ここで、図中、13aは、溶鋼13の
表面にあるスラグを示している。このとき、下降用浸漬
管5の外周に配設される鉄管7の下端は、上記スラグ1
3a上面に接触させておき、スラグ13a上面の上下変
動に応じて当該鉄管7を昇降させるようにする。この鉄
管7の昇降は、例えば、図示しない位置センサによって
スラグ13a上面の位置を検出し、その検出値に基づい
て昇降装置を駆動して行う。
【0021】上記のように設定した後に、真空ポンプを
作動し真空槽1内のガスを排気して当該真空槽1内を減
圧しながら、Arガス吹出し管6から上昇用浸漬管4内
にArガスを吹き出す。すると、鍋12内の溶鋼13
は、上記真空槽1内の減圧及びArガスによるガスリフ
トポンプの作用によって、上昇用浸漬管4から真空槽1
内に吸い上げられる。
【0022】真空槽1内は上記のように減圧されている
ため、吸い上げられた溶鋼13から窒素ガスや水蒸気等
のガスが抜け出し排気口2から排気される。続いて、上
記脱ガス処理された溶鋼13は、下降用浸漬管5を通っ
て下降し鍋12内に戻る。このように、鍋12内の溶鋼
13は、循環しながら真空槽1内で脱ガス処理が行われ
る。
【0023】上記脱ガス処理中は、真空槽1内が減圧さ
れることで、各浸漬管4,5を構成する耐火物を介して
浸漬管4,5内に大気が吸い込まれ、浸漬管内4,5を
通過中の溶鋼13に大気中の窒素が取り込まれるおそれ
がある。このとき、上記上昇用浸漬管4内においては、
Arガスの吹き込みで溶鋼13中にはArガスが大量に
含有しているので溶鋼13中の当該Arガスの分圧が高
い。このため、上昇用浸漬管4内を吸い上げられる溶鋼
13中への吸窒作用は低いと考えられる。さらに、たと
え上記上昇用浸漬管4内を上昇する溶鋼13に多少の吸
窒が生じても、真空槽1内で脱ガス処理が行われるので
問題はないと考えられる。
【0024】また、真空槽1内は、脱ガス反応が行われ
ているために、問題はない。これに対して、下降用浸漬
管5内は、負圧となっているために、そのままでは下降
用浸漬管5の壁部を介して、下降用浸漬管5を下降する
溶鋼13中に大気中の窒素が取り込まれてしまう。しか
し、本実施の形態では、その浸漬管5の外周を不活性ガ
スによってシールドして大気との接触を遮断しているた
め、下降用浸漬管5内への大気の吸引が抑えられ、上記
下降用浸漬管5内を下降する溶鋼13への窒素の取り込
みを抑えることが可能となる。
【0025】これによって、脱ガス処理を行っていると
きに、溶鋼13への吸窒が防止されて、窒素の含有率が
低い鋼材を製造可能となる。ここで、上記下降用浸漬管
5を囲む鉄管7の上端は、浸漬管5に接続された連結管
3との間に多少の隙間があいている。これは、シール空
間Sに供給された不活性ガスを漏らして、シール空間S
内のガス圧を制御し易くするためと、浸漬管5の膨張・
収縮を許容するためである。さらに、鉄管7自体の昇降
のためでもある。
【0026】次に、上記シール空間Sへのガス供給量
は、以下のようにして求められる。例えば、上記浸漬管
5に接続する連結管3の外周と鉄管7の上部7a内周と
の径方向の間隙を5mm以内にして、上記シール空間Sへ
の供給量Nvと当該シール空間Sのガス圧Pとの関係を
求めてみたところ、図4に示す結果が得られた。この図
4中、横軸は、上記シール空間Sの体積を単位としたも
のである。
【0027】このとき、上記シール空間Sのガス圧Pは
1〜2気圧の範囲に収めることが好ましい。理由は、シ
ール空間Sのガス圧Pが1気圧より低いと、シール空間
S内に大気が入り込み、下降用浸漬管5を通過する溶鋼
13への吸窒が生じるおそれがあるためである。また、
シール空間Sのガス圧Pが2気圧より大きくなると、鉄
管7の下部に位置するスラグ13aへの負荷が大きくな
り、当該スラグ13aを攪拌してスラグ13a中のFeO
等による浸漬管5耐火物の浸食を助長して浸漬管5の寿
命を短くするからである。
【0028】従って、図4から、上記シール空間Sへの
ガスの供給量は、1分間当たりの流量Nvを上記シール
空間Sの体積の1〜5倍程度になるように調整すれば良
いことが分かる。また、上述のように、下降用浸漬管5
と鉄管7との間に所定の間隙を設けているので、本実施
の形態の装置では、当該下降用浸漬管5の膨張・収縮を
拘束することがない。
【0029】また、上記鉄管7及び不活性ガス供給管
は、容易に下降用浸漬管5から取り外しが可能であるの
で、当該下降用浸漬管5の亀裂等を有無確認等の保守が
容易となる。さらに、本実施の形態では、下降用浸漬管
5側のみをガスシールドしているので、吸窒防止のため
の部材が従来よりも少なくて済む。特に、上昇用浸漬管
4には、Arガス吹出し管6等が配設されて、上記鉄管
7を昇降可能に設定するのは手間の掛かるものとなる
が、本発明では、下降用浸漬管5のみをガスシールドす
るので、そのようなこともない。
【0030】また、下降用浸漬管5の外周を大気から遮
断するので、該浸漬管5の耐火物中に従来のようなリー
ク防止鉄板を必ずしも埋設する必要はない。なお、上記
実施の形態では、予めシール空間Sへの不活性ガスを供
給する流量を求めておくことで、シール空間S内のガス
圧が所定の圧力となるように調整しているが、シール空
間S内のガス圧を測定し、その測定値に基づいて不活性
ガスの供給する流量を制御するようにしてもよい。
【0031】また、上記シール部材である鉄管7をスラ
グ13aの上側に配置しているが、例えば上記シール部
材を耐火物で構成しその下部を溶鋼13内に浸漬するよ
うにして、当該シール部材の昇降を不要にしてもよい。
また、上記実施の形態では、シール部材である鉄管7と
不活性ガス供給配管8の円環状の一端部9とを別体とし
ているが、一体的に連結しておいても構わない。
【0032】
【実施例】実際に、上記装置の溶鋼への吸窒抑制の効果
を確認するために、両浸漬管4,5をガスシールドしな
い場合、両浸漬管4,5ともガスシールドした場合、上
昇用浸漬管4のみをガスシールドした場合、及び、本願
発明に基づく下降用浸漬管5のみをガスシールドした場
合で、それぞれ鍋12の溶鋼13中の窒素濃度の挙動を
測定したみた。すると、図5に示すような結果を得た。
【0033】ここで、図5中、○は、両浸漬管4,5を
ガスシールドしない場合であり、×は、両浸漬管4,5
ともガスシールドした場合であり、△は、上昇用浸漬管
4のみをガスシールドした場合であり、□は、下降用浸
漬管5のみをガスシールドした場合である。この図5か
ら分かるように、上昇用浸漬管4のみをガスシールドし
た場合には、両浸漬管4,5をシールドしない場合と比
べて最終的な窒素濃度が同じであり効果がないことが分
かる。
【0034】これに対して、下降用浸漬管5のみをガス
シールドした場合には、両浸漬管4,5をシールドした
場合と最終的な窒素濃度は同じであり、両浸漬管4,5
の外周をシールドをしない場合に比べて溶鋼13中の窒
素濃度が低くなることが分かる。このように、本願発明
のように、下降用浸漬管5だけをガスシールドしても有
効に吸窒が抑えられることが分かる。
【0035】次に、Siが3.3%含有している方向性
珪素鋼に対し、上記実施の形態の真空脱ガス装置を使用
して脱ガス処理を行った場合について説明する。脱ガス
処理中の溶鋼13の温度を1550℃とし、真空槽1内
の圧力を0.3Torrとし、シール条件として、シール空
間Sの体積を0.4m3 、シール空間SへのArガスの
供給量を1.0Nm3 /分で実施したところ、脱ガス処
理前の溶鋼13中の窒素濃度は30ppm であったもの
が、脱ガス処理後の溶鋼13中の窒素濃度は18ppm と
なった。比較のために、浸漬管をシールしないで脱ガス
処理を行ってみたところ脱ガス処理後の窒素濃度は28
ppm と20ppm よりも高いものであった。
【0036】このように、本願発明の基づく真空脱ガス
装置を使用することで、脱ガス処理後の方向性珪素鋼の
鋼中の窒素濃度を低減可能となる。特に、この方向性珪
素鋼は、脱ガス処理前の転炉出鋼中に大量のFeSi合金鉄
を投入してキルド状態になるため、脱ガス処理前の窒素
濃度は上記のように高いものとなるが、本願発明に基づ
く装置で脱ガス処理を行うことで、窒素濃度を20ppm
以下にすることができることが分かる。
【0037】上記のように脱ガス処理をした溶鋼を使用
して製造した鋼材の曲げ特性を確認したところ、従来、
製品中に曲げ不良が4.0%あったものが、1.2%と
大幅に低減していることを確認した。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の真空
脱ガス装置では、簡単な構造による最小限のガスシール
ドによって確実に脱ガス処理中の吸窒を抑えることが可
能となり、低窒素鋼が製造可能になるという効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る真空脱ガス装置を示
す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシールド機構を示す
図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る不活性ガス供給管の
一端部を示す図である。
【図4】不活性ガスの供給量とシール空間内のガス圧と
の関係を示す図である。
【図5】溶鋼中の窒素濃度の挙動を示す図である。
【図6】従来の真空脱ガス装置におけるシールド構造を
示す図である。
【符号の説明】
S シール空間 1 真空槽 4 上昇用浸漬管 5 下降用浸漬管 7 鉄管(シール部材) 8 不活性ガス供給配管 10 開閉弁 11 ガスタンク 13 溶鋼 13a スラグ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍋内の溶鋼を上昇用浸漬管を介して真空
    槽内に吸い上げ該真空槽内の溶鋼を下降用浸漬管を介し
    て鍋内に戻し溶鋼を循環させつつ脱ガス処理を行う真空
    脱ガス装置において、 上記下降用浸漬管の外周を所定のシール空間をあけて囲
    むシール部材と、上記シール空間に不活性ガスを供給す
    るガス供給装置と、を備えると共に、上記ガス供給装置
    による上記シール空間へのガス供給量は、該シール空間
    のガス圧が大気圧の1〜2倍の範囲の圧力となる供給量
    であることを特徴とする真空脱ガス装置。
JP31110695A 1995-11-29 1995-11-29 真空脱ガス装置 Pending JPH09143543A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010242190A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Sumitomo Metal Ind Ltd 低窒素鋼の溶製方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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