JP5223229B2 - サンドブラスト用マスクを形成するためのインクジェットインクとそれを用いた凹凸画像形成方法 - Google Patents

サンドブラスト用マスクを形成するためのインクジェットインクとそれを用いた凹凸画像形成方法 Download PDF

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本発明は、サンドブラスト法により対象基材を切削し、凹凸画像を形成する凹凸画像形成方法に関するものであり、詳しくは、インクジェット方式により対象基材上に直接マスク形成インクを任意のパターン状に付与することでマスクを形成するのに用いるサンドブラスト用インクジェットマスク形成インクと、それを用いた凹凸画像形成方法と、それにより得られる凹凸画像に関するものである。
従来より、様々な基材にパターンを形成する方法として、基材に感光性フォトレジスト材料を付与し、光学的マスクを介して露光、現像処理することで、レジストパターンを形成し、その後、種々のエッチング処理を行い、更に必要に応じてレジストを除去する方法が知られている。
また、基材を切削することで凹凸画像を形成する方法として、上記の方法で基材上にマスクを形成した後、サンドブラスト法を用いることが知られている。このサンドブラスト法は、強酸などを使うウエットエッチング方式に比較し、簡易で、かつ環境面において優れた特徴を備えている。
しかしながら、上述の様な従来方法では、一部分をマスク化するため、レジスト材料を基材全面に付与する必要があり、材料の経済性が悪く、製造コストを上げる要因となっている。また、専用のマスクを必要とし、加えて専用の露光装置やフォトレジスト現像装置が必要であり、これらも製造コストを上げる要因となっている。
上述の様な課題に対し、近年、インクジェットインクを用いてマスクを形成する方法が検討されている。例えば、フォトレジストは用いるものの、従来の露光マスクを使用せず、レジスト上にインクジェット法により、遮光性マスクインク材料をパターン状に付与する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、特許文献1に記載の方法はフォトレジスト材料を使用しており、そのフォトレジスト材料のコスト及び、露光及び現像装置を必要とする方法であり、十分な経済性を得るには至っていないのが現状である。また、この方法は露光により硬化し、現像後に像として残留した凹凸形状の硬化レジスト部を印刷刷版に使用する方法に限定されたものであり、ガラス、金属など種々の材料表面に所望の凹凸構造を形成することを目的とした方法には、利用できない。
一方、太陽電池の製造方法の1つとして、半導体基盤上に凸凹構造を形成するために、インクジェット方式によりマスキングした後、ウエットエッチング処理を行い、凸凹構造を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、確かに、専用の露光及び現像装置を必要としないものの、エッチング処理およびマスク除去工程での強酸の使用が必要条件であり、環境面あるいは安全性面から課題を抱えているのが現状である。
特開2005−134541号公報 特開2004−134494号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、従来のフォトリソ法を用いることなく、また、強酸などを用いたウエットエッチング処理を必要とせず、簡易な方法で様々な対象基材に、高精細で、かつエッチング耐性に優れたマスキングを形成することができるサンドブラスト用インクジェットマスク形成インクと、それを用いた凹凸画像形成方法及びそれにより得られる凹凸画像を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.アルカリ可溶性硬化型樹脂を固形分として5質量%以上含有する、アルカリで除去可能なサンドブラスト用マスクを形成するためのインクジェットインクであって、
前記アルカリ可溶性硬化型樹脂の重量平均分子量が10000以上、50000未満であり;前記アルカリ可溶性硬化型樹脂は、温度が25℃でpHが8〜12の水溶液中で、樹脂の95%以上が溶解する特性を備えた樹脂であり;前記アルカリ可溶性硬化型樹脂は、揮発性塩基で中和されているカルボキシル基を有するポリスチレン−アクリル系樹脂である、インクジェットインク。
2.インク不溶性樹脂分散物を、固形分として5質量%以上、30質量%未満含有することを特徴とする前記1に記載のインクジェットインク
3.対象基材にインクジェット法により前記1または2に記載のインクジェットインクを付与して、任意のマスク部を形成する工程1と、該マスク部を形成した後の対象基材にサンドブラスト処理を施し、非マスク部の少なくとも一部を切削する工程2とを含むことを特徴とする凹凸画像形成方法。
4.前記マスク部の乾燥膜厚が、5μm以上、50μm未満の膜厚になるように、前記インクジェットインクを付与することを特徴とする前記3に記載の凹凸画像形成方法。
5.前記マスク部を形成する工程1は、同一または異なる組成の前記インクジェットインクを、基材上の同一領域上に、複数回に分けて重ねて付与することを特徴とする前記3または4に記載の凹凸画像形成方法。
6.前記マスク部を形成する工程1と、前記非マスク部の少なくとも一部を切削する工程2との間に、マスク硬化処理工程3を有することを特徴とする前記3〜5のいずれか1項に記載の凹凸画像形成方法。
7.前記非マスク部の少なくとも一部を切削する工程2の後に、アルカリ溶液でマスク部を除去する工程4を有することを特徴とする前記3〜6のいずれか1項に記載の凹凸画像形成方法。
8.前記対象基材が、支持基材上にコーティング層を有していることを特徴とする前記3〜7のいずれか1項に記載の凹凸画像形成方法。
9.前記対象基材が、非平面であることを特徴とする前記3〜8のいずれか1項に記載の凹凸画像形成方法。
本発明により、従来のフォトリソ法を用いることなく、また、強酸などを用いたウエットエッチング処理を必要とせず、簡易な方法で様々な対象基材に、高精細で、かつエッチング耐性に優れたマスキングを形成することができるサンドブラスト用インクジェットマスク形成インクと、それを用いた凹凸画像形成方法及びそれにより得られる凹凸画像を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
《サンドブラスト用インクジェットマスク形成インク》
はじめに、本発明のサンドブラスト用インクジェットマスク形成インク(以下、単にマスク形成インクともいう)について説明する。
(アルカリ可溶性硬化型樹脂)
一般的に、マスク形成用に用いられるインクとしては、マスクを形成するための固形成分が必須要件であるが、この固形成分には、十分なエッチング耐性と、アルカリ除去性とを兼ね備えていることが求められる。更には、マスク形成用インクに添加した際、インクジェット記録装置より安定に射出できることが求められる。本発明者らは、種々のポリマーバインダーを検討した結果、重量平均分子量が10000以上、50000未満のアルカリ可溶性硬化型樹脂(以下、単に樹脂ともいう)を、固形分として5質量%以上含有したマスク形成インクにより、従来広く適用されてきたフォトリソ法を用いることなく、また、強酸などを用いたウエットエッチング処理を必要とせず、簡易な方法で様々な対象基材に、高精細で、かつエッチング耐性に優れたマスキングを形成することができるサンドブラスト用インクジェットマスク形成インクを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。本発明に係るアルカリ可溶性硬化型樹脂の含有量としては、更には5質量%以上、50質量%以下であることが好ましい。
後述するが、エッチング耐性は、形成するマスク部の乾燥膜厚に依存するので、同一領域に重ね打ちなどで所望の膜厚を得ることで、エッチング耐性は向上するものであり、アルカリ可溶性硬化型樹脂の重量平均分子量が10000以上であれば、十分なエッチング耐性を得ることができ、また、重量平均分子量が50000未満であれば、インクジェット記録装置から安定した射出をすることができる。
また、本発明に係るアルカリ可溶性硬化型樹脂は硬化性を有していることを特徴とする。本発明でいう硬化性とは、基材にマスク形成インクが付与された後に、加熱あるいは電子線照射、架橋剤の付与などにより硬化するものである。
例えば、以下に示す硬化性樹脂を用いることができる。
1)樹脂中に酸性基としてカルボキシル基または、スルホン酸基を有しており、かつ、この酸性基の一部もしくは全部が、揮発性塩基で中和されているもの。このタイプの樹脂は、基材上で加熱により乾燥されると塩基が揮発し、その結果、樹脂が硬化する。また、この樹脂は、カルボジイミド、オキサゾリン化合物などの縮合剤や、多価金属イオンを付与することで硬化することができる。
2)樹脂中に、重合性不飽和結合基を有する樹脂。このタイプの樹脂は、熱分解性のラジカル開始剤や、光重合性開始剤を共存させ、加熱、あるいは光照射によりラジカルを発生させ、樹脂の重合性不飽和結合基を重合することで硬化することができる。
本発明においては、特に、1)の樹脂中に酸性基としてカルボキシル基または、スルホン酸基を有しており、かつ、この酸性基の一部もしくは全部が、揮発性塩基で中和されているタイプは、加熱乾燥という簡易なプロセスだけで硬化が進行するので好ましい。
また、本発明でいうアルカリ可溶性樹脂とは、例えば、温度が25℃でpHが8〜12の水溶液中で、樹脂の95%以上が溶解する特性を備えた樹脂であると定義する。
本発明に係るアルカリ可溶性硬化型樹脂としては、特に、上記特性を備えた樹脂であれば特に制限はないが、アルカリ可溶部としてカルボキシル基、スルフォン酸基やフェノール性基などの塩生成基を含むポリアクリル樹脂、ポリスチレン−アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル−アクリル系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等から選択することが好ましい。その中でも、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン−アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル−アクリル系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系樹脂は、モノマーの選択幅が広く、種々の樹脂設計ができる点で好ましい。
また、本発明に係るアルカリ可溶性硬化型樹脂として、疎水性モノマーと親水性モノマーを含有する樹脂も用いることができる。疎水性モノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等)、メタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル等)、スチレン等が挙げられる。親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド等が挙げられ、アクリル酸のような酸性基を有するものは、重合後に塩基で中和したものを好ましく用いることができる。
本発明に係るアルカリ可溶性硬化型樹脂の分子量としては、重量平均分子量で10000以上、50000未満であることを特徴とするが、好ましくは10000以上、30000未満である。また、発明に係るアルカリ可溶性硬化型樹脂のガラス転移点(Tg)としては、−30℃〜100℃程度のものを用いることができ、好ましくは−10℃〜80℃程度のものである。また、酸価としては、90〜200程度のものを好ましく用いることができる。
本発明に係るアルカリ可溶性硬化型樹脂を調製するための重合方法としては、溶液重合を用いることが好ましく、重合後に樹脂の酸性モノマー由来の酸性基は部分的、あるいは完全に塩基成分で中和することが好ましい。この場合、中和塩基としては、アルカリ金属含有塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等や、アミン類(アンモニア、アルカノールアミン、アルキルアミン等を用いることができる)を用いることができる。特に、沸点が200℃未満のアミン類で中和することが、乾燥処理により本発明に係る樹脂を適切に硬化させることができ、耐エッチング性が向上する観点から好ましい。
本発明に係る重量平均分子量が10000以上、50000未満のアルカリ可溶性硬化型樹脂のインク中への添加量としては、前述の様に固形分として5質量%以上であることを特徴として、好ましくは5質量%以上、50質量%未満である。インク中への本発明に係る樹脂の含有量が5%以上であれば、十分な耐エッチング性を得ることができ、50%以下であれば、インクジェット記録ヘッドからの安定した射出性を確保することができる。
(インク不溶性樹脂)
本発明のサンドブラスト用インクジェットマスク形成インクには、本発明に係るアルカリ可溶性硬化型樹脂と共に、インク不溶性樹脂分散物を固形分として5質量%以上、30%未満含有することが、射出安定性を保ちつつ耐エッチング性を向上することができる観点から好ましい。
インク不溶性樹脂分散物は分散状態にあり、インク物性への影響がアルカリ可溶性硬化型樹脂に比べてはるかに低く、かつインクに可溶する必要がないので、高いエッチング耐性を備えたマスクを形成することができる樹脂を選択することができる。インク不溶性樹脂分散物は、マスク形成し、乾燥した後のアルカリ処理などで除去しにくいが、本発明に係るアルカリ可溶性硬化型樹脂と併用することで、除去が可能となる。耐エッチング性向上には、5質量%以上の添加が必要であり、また、30%未満であれば、十分な除去性を得ることができる。
本発明でいうインク不溶性樹脂とは、インクの構成材料、例えば、水や水溶性有機溶媒等の液状構成物に対する溶解度が、25℃で5質量%以下の樹脂をいう。
本発明に係るインク不溶性樹脂分散物としては、上記特性を備えた樹脂であれば特に制限はないが、例えば、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン−アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル−アクリル系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等から選択することができ、特に、エッチング耐性向上の観点から、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂を好ましく用いることができる。
本発明に係るインク不溶性樹脂の分子量としては、重量平均分子量で50000以上、300000未満のものが好ましく、インク不溶性樹脂のTgとしては50℃〜200℃程度のものを用いることができる。また、分散状態でのインク不溶性樹脂粒子の平均粒子径としては、20nm〜500nmのものを用いることができる。
本発明のサンドブラスト用インクジェットマスク形成インクには、上記アルカリ可溶性硬化型樹脂、インク不溶性樹脂の他に、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、色材等を、適宜添加することができる。
(水溶性有機溶剤)
本発明のマスク形成インクに適用可能な水溶性有機溶剤としては、比較的低表面張力の有機溶剤であるグリコールエーテル類や、1,2−アルカンジオール類を用いることが、樹脂基板などの低表面エネルギー材料にも高精細に印字ができる観点から好ましい。
具体的には、グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
また、1,2−アルカンジオール類としては、例えば、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール等が挙げられる。
本発明のマスク形成インクにおいては、グリコールエーテル類もしくは1,2−アルカンジオール類から選ばれる水溶性有機溶剤を、10質量%以上、30質量%未満含有することが好ましい。
本発明のインクには、グリコールエーテル類もしくは1,2−アルカンジオール類以外にも、各種水溶性有機溶剤を添加することができる。
好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
(界面活性剤)
本発明マスク形成インクには、シリコーン系界面活性剤もしくはフッ素系界面活性剤を好ましく用いることができる。シリコーン系界面活性剤もしくはフッ素系界面活性剤を含有させることにより、様々な記録材料に対する所望とする濡れ性を得ることができる点で好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、好ましくはポリエーテル変性ポリシロキサン化合物であり、例えば、信越化学工業製のKF−351A、KF−642やビッグケミー製のBYK347、BYK348などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、通常の界面活性剤の疎水性基の炭素に結合した水素原子の代わりに、その一部または全部をフッ素原子で置換したものを意味する。この中でも、分子内にパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、ある種のものは大日本インキ化学工業社からメガファック(Megafac)Fなる商品名で、旭硝子社からサーフロン(Surflon)なる商品名で、ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチュアリング・カンパニー社からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名で、インペリアル・ケミカル・インダストリー社からモンフロール(Monflor)なる商品名で、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社からゾニルス(Zonyls)なる商品名で、またファルベベルケ・ヘキスト社からリコベット(Licowet)VPFなる商品名で、それぞれ市販されている。
また、非イオン性フッ素系界面活性剤としては、例えば、大日本インキ社製のメガファックス144D、旭硝子社製のサーフロンS−141、同145等を挙げることができ、また、両性フッ素系界面活性剤としては、例えば、旭硝子社製のサーフロンS−131、同132等を挙げることができる。
(色剤)
本発明においては、形成したマスク部の仕上がりを目視で確認できる目的から、色剤を添加して着色することができる。この場合、インクに添加する色材としては、染料でも顔料でもよいが、インクへの溶解性がよい染料を用いることがより好ましい。染料としては、インクを構成する水、水溶性有機溶剤等の組成に応じて、酸性染料、直接染料から選択することができる。また、サンドブラスト後もマスクを残す用途において、マスク部を着色することが望ましい場合には、顔料を用いることが好ましい。
本発明のマスク形成インクは、インクジェット記録ヘッドから安定して射出できるように、インク物性を調整することが望ましい。インクジェット記録ヘッドの構造にもよるが、インクの粘度としては1〜50mPa・sの範囲であることが好ましく、また、表面張力としては、25〜50mN/mに調整することが好ましい。
《凹凸画像形成方法》
本発明の凹凸画像形成方法においては、少なくとも
1)対象基材にインクジェット法により、本発明のサンドブラスト用インクジェットマスク形成インクを付与して、任意のマスク部を形成する工程1と、
2)マスク部を形成した後の対象基材にサンドブラスト処理を施し、非マスク部の少なくとも一部を切削する工程2
とから構成されていることを特徴とする。
本発明のサンドブラスト用インクジェットマスク形成インクを対象基材に付与するインクジェット記録ヘッドとしては、ピエゾ型、サーマル型、コンティニュアス型から選ぶことが好ましい。特に、ピエゾ型を選択することが、本発明のインクを安定に射出することができ好ましい。ピエゾ型多ノズルタイプは、高速に所望のマスク厚を得るのに好ましく、この場合、インクジェット記録ヘッドの解像度は、作製する画像に応じて選択でき、90〜720dpiの範囲で選択することが好ましい。射出するインク液滴量も、作製する画像に応じて選択でき、1〜100plの範囲で選択することができる。各ノズルの射出周波数としては、1〜20kHzの範囲で選択することが、インクを安定に射出でき好ましい。
マスク形成では、インクジェット記録ヘッドが、対象基材上を往復スキャンして全領域に印字するスキャン方式印字でも、対象基材幅の固定されたインクジェット記録ヘッドを用いる1パス方式のいずれを用いてもよいが、高精彩なマスク形成をする場合には、スキャン方式が好ましい。
マスク形成に本発明の凹凸画像形成方法を適用することにより、マスク線幅として数μmから数十μmの細線を高精度に形成することができる。
更には、マスク形成時に、対象基材を加熱しながら行うことで、より狭い細線を精細に形成することができるため好ましい。この際の対象基材の加熱温度としては、インクの組成により異なるが、概ね40〜80℃になるよう加熱することが好ましい。
また、本発明の凹凸画像形成方法においては、形成するマスク部の耐エッチング性を向上させる観点から、マスク部の膜厚をなるべく厚くすることが好ましい。
所望の厚さを有するマスク部を形成する方法としては、例えば、インク中の各樹脂固形分を増やす手段、インク付与量を増やす手段、あるいは対象基材上でのインクの過度の広がりを抑制する手段等を適用することにより、厚くすることができる。本発明において最も効果的な手段は、同一領域範囲に、同一印字パターンで複数回重ねてマスク形成用インクを付与する方法である。同一領域内に2回から36回程度、マスク形成インクを付与することができる。この場合、線幅が広がらないように、インクの選択、加熱乾燥条件、印字速度等を最適に調整して行うことが必要である。
本発明の凹凸画像形成方法においては、形成するマスク部の厚みとしては、5μm以上、50μm未満の膜厚になるようにインクを付与することが好ましい。更には、耐エッチング性及びマスク形成速度の観点から、5μm以上、20μ未満の膜厚になるようにすることが好ましい。
また、複数のインクカートリッジを用意してマスク形成することは、マスク形成速度を高める点で好ましい。この場合、複数のインクカートリッジに装填するマスク形成インクは、同種でも異なる種類でもよい。
また、異なるインクカートリッジを用いる場合、樹脂濃度が異なる等、組成の異なるインクを用いたり、射出液滴量の異なるインクジェット記録ヘッドを用いてもよい。また、本発明のマスク形成インクの他に、マスク形成インク中の硬化性樹脂を硬化させる成分を含有するインクを用意し、マスク形成インク付与部に重ねて付与してもよい。
本発明の凹凸画像形成方法においては、マスク部を形成する工程1と、非マスク部の少なくとも一部を切削する工程2との間に、マスク硬化処理工程3を設けることが、耐エッジング性をより向上することができる点で好ましい。
マスク硬化処理工程3で適用しうる硬化手段としては、加熱手段、電子線照射手段、硬化剤付与手段等を、それぞれ単独あるいは併用して用いることができる。特に、加熱手段は、簡易な装置で対応できる点で好ましい、この場合、対象基材の耐熱特性によるが、50〜200℃の範囲で、数秒から数分の加熱処理を施すことが好ましい。
(対象基材)
次に、対象基材について説明する。本発明に適用可能な対象基材としては、ガラス(ソーダガラスなど加工性の良いもの)、金属(銅、アルミ、鉄など)、プラスチック(アクリル、ポリカーボネート等)、セラミック、陶器等を用いることができる。
また、対象基材に直接加工するのでなく、支持基材上にコーティング層を有したものを用いることも好ましい。支持基材上に設けるコーティング層としては、いわゆるディスプレイ作成用の隔壁形成用のガラスペースト、電極形成用ペースト等を用いることができる。隔壁形成用のガラスペーストとしては、低融点ガラス、骨剤等を有機バインダー樹脂中に分散したものを用いることができる。低融点ガラスとしては、融点が400〜600℃のものを用いることができる。骨材としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア等が用いられる。有機バインダー樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、ポリブタジエン等を用いることができる。熱硬化性のものも好ましく用いることもできる。電極形成用ぺーストには、電極材料として、銀、銅、亜鉛などを含有するものを用いることができる。
また、本発明に適用する対象基材の形状としては任意に選択でき、例えば、平面基材でもよいし、曲面基材、3次元構造体でもよい。従来のフォトリソ法は、フォトレジストの均一な付与が難しく、また、マスク露光も非常に困難であったが、本発明の凹凸画像形成方法は、曲面、3次元構造体にも適用できる点で非常に優れている。
(サンドブラスト処理)
本発明の凹凸画像形成方法においては、工程1にてマスク部を形成した後、対象基材にサンドブラスト処理を施して、非マスク部の少なくとも一部を切削することを特徴とする。
本発明でいうサンドブラスト処理とは、加工する対象基材表面に、ガラス、アルミナ、スチール、珪砂、マグネタイト等の微粉末を研磨材(これを、ブラスト材と称す)を、主にコンプレッサー等による形成した圧縮空気に上記研磨材を混ぜて吹き付け、対象基材の表面を削りとる加工方法である。
サンドブラストに用いるブラスト材としては、公知の上記の様な種々の材料を用い留ことができ、具体的には、SiC、SiO2、ガラス、Al23、ZrO等の2〜100μm程度の微粒子が用いられる。
サンドブラスト処理を行う際のブラスト圧としては、加工する対象基材および切削量に応じて調整することができるが、概ね、ブラスト圧としては、10kPa〜100kPaの範囲で選択するのが好ましい。
(マスク部の除去処理)
本発明の凹凸画像形成方法においては、上記の様な非マスク部の少なくとも一部を切削する工程2(サンドブラスト処理)の後に、アルカリ溶液でマスク部を除去する工程4を有することが好ましい。通常は、マスクは除去することが好ましいが、必要に応じてそのまま残してもよい。
本発明に係るアルカリ溶液でマスク部を除去する工程においては、アルカリ水溶液としては、pH8〜12程度の炭酸アルカリ金属塩水溶液や水酸化アルカリ金属塩水溶液を用いることができる。アルカリ水溶液は、シャワー状にしてアルカリ可溶性硬化型樹脂を含むマスク部が除去するまで付与してもよいし、基材をアルカリ水溶液中でリンスすることで、アルカリ可溶性硬化型樹脂を含むマスク部を除去してもよい。マスク部を除去した後は、中性水、純水等で洗浄することは好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《アルカリ可溶性硬化型樹脂の合成》
〔アルカリ可溶性硬化型樹脂R−1の合成〕
滴下ロート、窒素導入管、還流冷却管、温度計及び攪拌装置を備えたフラスコにメチルエチルケトン100gを加え、窒素バブリングしながら、75℃に加温した。そこへ、表1に記載の各モノマーと、メチルエチルケトン50g、開始剤AIBN(アゾビスイソブチルニトリル)500mgの混合物を滴下ロートより3時間かけ滴下した。滴下後、更に6時間、加熱還流した。放冷後、減圧下で加熱してメチルエチルケトンを留去し、重合物残渣を得た。次いで、上記重合物残渣にイオン交換水350mlと、モノマーとして添加したアクリル酸の1.05倍モル相当のアンモニアを添加して上記重合物残渣を溶解し、最後にイオン交換水で調整し、アルカリ可溶性硬化型樹脂R−1を固形分濃度で20%含有する水溶液を得た。
以上の様にして得られたアルカリ可溶性硬化型樹脂R−1の重量平均分子量を、下記のゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した結果、10000であった。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: テロラヒドロフラン
カラム: TSKgel Multipore(東ソー(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
〔アルカリ可溶性硬化型樹脂R−2〜R−5の合成〕
上記アルカリ可溶性硬化型樹脂R−1の合成において、モノマー組成を表1に記載の様に変更し、更にメチルエチルケトンの使用量、開始剤AIBNの添加量、反応温度を適宜変更した以外は同様にして、それぞれ重量平均分子量の異なるアルカリ可溶性硬化型樹脂R−2〜R−5を固形分濃度で20%含有する水溶液を得た。また、表1に、上記方法に従って測定した重量平均分子量を示す。
Figure 0005223229
《インク不溶性樹脂分散物Em−1の調製》
スチレンが58部、α−メチルスチレンが19部、2−エチルヘキシルアクリレートが11部及びアクリル酸が12部からなるモノマーを、従来公知の方法に従って合成し、平均重量分子量が95000のインク不溶性樹脂を20質量%含むインク不溶性樹脂分散物Em−1を調製した。
《マスク形成インクの調製》
表2に記載のマスク形成インクの各構成要素を混合、調製した後、5μmのフィルターでろ過して、マスク形成インク1〜15を調製した。なお、表2に記載のアルカリ可溶性硬化型樹脂、インク不溶性樹脂分散物、有機溶剤、界面活性剤のそれぞれの添加量は、マスク形成インク中における固形分比率(質量%)で表示し、総量が100質量%になるようにイオン交換水を添加して仕上げた。
Figure 0005223229
なお、表2に略称で記載されている各添加剤の詳細は以下の通りであり、表2に記載の添加量の数値は、固形分としての質量%である。
〔色材〕
AR52:C.I.アシッドレッド52
〔アルカリ可溶性硬化型樹脂〕
表1に記載のアルカリ可溶性硬化型樹脂R−1〜R5
〔有機溶剤〕
DEGBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
DEG:ジエチレングリコール
1,2−HD:1,2−ヘキサンジオール
〔界面活性剤〕
351A:KF−351A、シリコーン系界面活性剤(信越化学社製)
《凹凸画像の形成》
〔インクジェットプリント装置〕
ピエゾ型インクジェットヘッド(720dpi(dpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)、液適量16pl)4基を並列には位置した4色プリント可能なインクジェットプリント装置を用いてマスク画像を作成した。このインクジェットプリント装置には、基材を下方より接触式ヒーターにて任意に加温できる機構を備えており、また、インクジェットヘッド格納ポジションにインク空打ちポジションとブレードワイプ式のメンテナンスユニットを備え、任意の頻度でヘッドクリーニングができる。
〔マスクの形成〕
上記インクジェットプリント装置の1つのインクジェットヘッドに、上記調製した各マスク形成インクを各々装填し、下記の方法に従って、表3に記載の条件で、基材Aまたは基材B上にマスクを形成した。
〈共通条件〉
印字解像度:720dpi×720dpi
インクジェットヘッド搬送速度:50mm/sec(片方向印字)
マスク画像:線幅100μm、線間隔50μm(図1に記載の画像パターン)
印字時の加熱条件:印字面表面温度を65℃に加熱
印字後の乾燥条件:印字後、70℃の温風で乾燥
評価環境:20℃、相対湿度55%
また、表3に記載の各変化条件の詳細は以下の通りである。
〈基材〉
基材A:低融点ガラス80部、セルロース樹脂20部からなるガラスペーストをソーダガラス上に、乾燥膜厚30μmになるように塗布したものを用いた。
基材B:低融点ガラス90部、セルロース樹脂10部からなるガラスペーストをソーダガラス上に、乾燥膜厚50μmになるように塗布したものを用いた。
〈硬化処理条件〉
硬化処理1:印字後、80℃で5分間加熱
硬化処理2:印字後、150℃で1分間加熱
〈形成マスク厚〉
表3に記載の条件
〈マスク形成方法〉
方法1:同一箇所に5回重ね打ちをしてマスクを形成
方法2:同一箇所に3回重ね打ちをしてマスクを形成
〔サンドブラスト処理〕
各基材上に各マスクを形成した試料1〜25について、ガラスビーズ#600を用いて、ブラスト圧98kPaの条件で60秒間のサンドブラスト処理を行った。
〔マスク除去処理〕
上記サンドブラスト処理を行った後、各試料をpH11、液温30℃の炭酸ナトリウム水溶液に浸漬し、2分間激しく攪拌して、マスクを除去して、凹凸画像1〜25を作製した。
《評価》
上記各凹凸画像と、マスク形成後の試料、サンドブラスト処理後の試料について、下記の方法に従って、各評価を行った。
〔マスクの厚みの測定〕
マスク形成後の試料について、マスクの厚さをマイクロノギスで10点測定し、その平均値を求め、これをマスクの厚みとした。
〔マスク描写性の評価〕
マスク形成後の試料について、光学顕微鏡を用いて、マスク部が高精細に形成されているか否かを観察し、下記の基準に従ってマスク描写性を評価した。
5:エッジ部まで正確に描画されており、膜厚も均一であった
4:エッジ部まで正確に描画されているが、エッジ部と中央部の膜厚に不均一さが見られた
3:エッジ部にやや丸みや線のゆがみが認められるが、実用上許容される品質である
2:形成したマスクに、明らかな細り、太り、エッジの丸みが認められ、設計品質から外れている
1:ハジキやにじみの発生が激しく、全くマスクが形成されていない
〔サンドブラスト耐性の評価〕
サンドブラスト処理後の試料及び凹凸画像について、マスクの状態を目視観察し、下記の基準に従って、サンドブラスト耐性を評価した。
5:マスク部は完全に残っており、凹凸画像も設計通りにできている
4:マスク部の極一部は取れているが、凹凸画像はほぼ設計通りにできている
3:マスク部が部分的に取れており、凹凸画像のマスクした部分にわずかに傷の発生は認められるが、実用上許容される品質である
2:マスク部が部分的に取れてしまい、凹凸画像のマスクした周辺部分が傷があり、実用上問題となる品質である
1:マスクがほぼ取れてしまい、凹凸画像がほとんど形成されていない
〔マスク除去性の評価〕
上記マスク除去処理を施した後の各凹凸画像試料について、マスク部の除去の有無を目視観察し、下記の基準に従ってマスク除去性を評価した。
5:前記マスク除去処理において、1分以内にマスクは完全に基材から除去されている
4:前記マスク除去処理で、マスクは完全に基材から除去されている
3:前記マスク除去処理でマスクはほぼ除去できたが、液の撹拌の少ない部分でわずかにマスク部の残りが認められ、更に2分間の追加処理で除去される
2:前記マスク除去処理ではマスク部が部分的に残留し、更に2分間の追加処理でも完全には除去できない
1:前記マスク除去処理ではマスクの大半が残留し、更に2分間の追加処理でもほとんど除去できない
以上により得られた各評価結果を、表3に示す。
Figure 0005223229
表3に記載の結果より明らかな様に、本発明のサンドブラスト用インクジェットマスク形成用インクを用いた凹凸画像形成方法は、比較例に対し、マスク形成時のマスク描写性、サンドブラスト耐性及びマスク除去性に優れていることが分かる。
すなわち、凹凸画像1〜5において、重量平均分子量が10000以上、50000以下のアルカリ可溶性硬化型樹脂を含有する本発明のマスク形成用インクを用いて形成した凹凸画像1〜3は、比較例である凹凸画像4、5に対し、特に、サンドブラスト耐性に優れていることが分かる。
また、凹凸画像2、3、6〜11において、アルカリ可溶性硬化型樹脂の含有量が5質量%以上の条件を満たすマスク形成用インクを用いて形成した凹凸画像2、3、7〜9、10、11は、比較例である凹凸画像6、10に対し、サンドブラスト耐性に優れていることが分かる。
また、凹凸画像12〜16において、インク不溶性樹脂分散液Em1を添加したマスク形成用インクを用いて形成した凹凸画像13〜16は、凹凸画像12に比較して、サンドブラスト耐性がより向上していることが分かる。
また、凹凸画像17〜23において、マスクの厚さを5μm以上、50μm以下とすることにより、除去性を大きく損なうことなく、サンドブラスト耐性がより向上していることが分かる。
また、マスク形成後に硬化処理を施して形成した凹凸画像24、25は、凹凸画像19に比較して、サンドブラスト耐性がより向上していることが分かる。
実施例で、基材上に形成したマスクパターンを示す模式図である。
符号の説明
1 基材
2 マスク

Claims (9)

  1. アルカリ可溶性硬化型樹脂を固形分として5質量%以上含有する、アルカリで除去可能なサンドブラスト用マスクを形成するためのインクジェットインクであって、
    前記アルカリ可溶性硬化型樹脂の重量平均分子量が10000以上、50000未満であり、
    前記アルカリ可溶性硬化型樹脂は、温度が25℃でpHが8〜12の水溶液中で、樹脂の95%以上が溶解する特性を備えた樹脂であり、
    前記アルカリ可溶性硬化型樹脂は、揮発性塩基で中和されているカルボキシル基を有するポリスチレン−アクリル系樹脂である、
    インクジェットインク。
  2. インク不溶性樹脂分散物を、固形分として5質量%以上、30質量%未満含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 対象基材にインクジェット法により請求項1または2に記載のインクジェットインクを付与して、任意のマスク部を形成する工程1と、該マスク部を形成した後の対象基材にサンドブラスト処理を施し、非マスク部の少なくとも一部を切削する工程2とを含むことを特徴とする凹凸画像形成方法。
  4. 前記マスク部の乾燥膜厚が、5μm以上、50μm未満の膜厚になるように、前記インクジェットインクを付与することを特徴とする請求項3に記載の凹凸画像形成方法。
  5. 前記マスク部を形成する工程1は、同一または異なる組成の前記インクジェットインクを、基材上の同一領域上に、複数回に分けて重ねて付与することを特徴とする請求項3または4に記載の凹凸画像形成方法。
  6. 前記マスク部を形成する工程1と、前記非マスク部の少なくとも一部を切削する工程2との間に、マスク硬化処理工程3を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の凹凸画像形成方法。
  7. 前記非マスク部の少なくとも一部を切削する工程2の後に、アルカリ溶液でマスク部を除去する工程4を有することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の凹凸画像形成方法。
  8. 前記対象基材が、支持基材上にコーティング層を有していることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の凹凸画像形成方法。
  9. 前記対象基材が、非平面であることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の凹凸画像形成方法。
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