JP5223218B2 - フェムト秒レーザ加工による針状体アレイの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、針状体(マイクロニードル)の製造方法に関し、特にモールドを用いた転写成形によりアレイ状に形成された多数の針状体およびその製造方法に関する。
マイクロニードルは微小な針構造体であり、主に医療、生物現象、創薬などの分野で微細な針として用いられ、特に経皮薬物送達システム(Trans-Dermal Drug-Delivery System:TDDS)と呼ばれる投薬方法に用いられる事例が多くなっている。
経皮薬物送達システムは経口剤と比べて胃腸障害などの副作用が少なく、患部に効果的に作用し、また皮膚から持続的に吸収されることで薬物の血中濃度が一定に保たれる。
この皮膚上から薬剤を浸透させ体内に薬剤を投与する方法である経皮吸収法は、人体に痛みを与えることなく簡便に薬剤を投与することが出来る方法として用いられているが、薬剤の種類によっては経皮吸収法で投与が困難な薬剤が存在する。これらの薬剤を効率よく体内に吸収させる方法として、ミクロンオーダーの微細な針状体(マイクロニードル)を用いて皮膚を穿孔し、皮膚内に直接薬剤を投与する方法が注目されている。この方法によれば、投薬用の特別な機器を用いることなく、簡便に薬剤を皮下投薬することが可能となる。
上記経皮投与の目的で微細な針状体を用いる場合、微細な針状体は、皮膚を穿孔するための十分な細さ、および先端角、皮膚の最外層である角質層を貫通し、かつ神経層へ到達しない長さ、を有していることが望ましく、具体的には、針状体の直径は数μmから100μm程度、針状体の先端角度は30°以下、針状体の長さは数十μmから数百μm程度、であることが望ましいとされている。
一方で、マイクロニードルを血液の採取を目的とした場合、求められる機能として、痛みを軽減するために外径が200μm以下、長さは毛細血管に到達する500μm以上、強度は構造の一部が使用後に体内に残らないことが要求されており、マイクロニードルを用いた検査チップ及び血液分析装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1によると、シリコンウェハに対してドライエッチング及びウェットエッチングによる加工を施すことで、複数のアレイ状に配置した中空のマイクロニードルを作製する。この中空マイクロニードルアレイを人体に穿刺したのち、血液を毛細管現象によって採取する検査チップとして用いる。またこの検査チップから採取した血液を分析するシステムを備えた装置を提案している。
また、上述したような医療用の微細な針状体を構成する材料としては、仮に破損した針状体が体内に残留した場合でも、人体に悪影響を及ぼさない材料であることが望ましく、材料としては医療用シリコン樹脂や、マルトース、ポリ乳酸、デキストラン等の生体適合性材料が有望視されている(特許文献2参照)。
また、上述した微細な針状体を製造する方法として、機械加工により針状体の原版を作成し、原版から複製版を作り、転写加工成形を行う製造方法が提案されている(特許文献3参照)。
またマイクロニードル製造技術は、非穿刺物に対して最適な硬度を有する材料、製造コスト、機能の信頼性が要求され、TDDS応用の場合、外皮の貫通が必須であり、マイクロニードルの最低限の強度および耐久性が必要である。
この針状体アレイの作製方法として、各種研究機関や企業より多数報告がなされている。例えば、微細加工方法の1つであるフォトリソグラフィー法によりシリコン基板に対して、針状凸部を形成したもの(例えば、特許文献4参照)や、ワイヤーカットにより針状凸部を形成したもの(例えば、特許文献5参照)が挙げられる。
特許文献4によると、半導体プロセスで用いられるシリコンウェハに対し、まずエッチングマスクを設置した後、等方性エッチングまたは結晶異方性エッチングさらに異方性エッチングを行った後、加工側面に堆積層を除去し、ウェットエッチングを併用することにより、所望する任意の先端形状を有するマイクロニードル形状を形成する。
また特許文献5によると、まず平行6面体の機械加工鋼板の一面を高精度にワイヤカッティングでX方向とY方向の2方向で機械加工し、機械加工鋼板の所定位置に四角錐台形のニードル形状を備えたマスターモールドを作製する。
しかし、特許文献4に記載の方法はリソグラフィー法であるため、レジスト塗布、乾燥、露光、現像、エッチング、レジスト剥離など製造プロセスが多くかつ複雑になってしまい、製造するまでに要するコストと時間が増大するといった問題がある。
また、特許文献5に記載の作製方法では、ワイヤーカットを含めた精密機械加工全般の欠点として、加工の微細性に関してはエッチングを用いる方法に比べて劣っている。特に針状構造においては鋭利な先端形状が必要となるため、この先端部のみが欠けてしまうといった問題がある。
上記の特許文献のように、多くの企業や研究機関からマイクロニードルの作製方法が提案されているが、今のところ品質とコストの両方を同時に満たすものは得られていない。ここでマイクロニードルに要求される品質は、ニードルの高さ、根元幅、先端角度や表面荒さなどの形状に関するもの、ニードルを穿刺した時に破損に至る限界圧力に代表される機械強度に関するものが挙げられる。
特開2002−369816号公報 特開2005−21677号公報 特表2006−513811号公報 特開2005−199392号公報 特表2006−513811号公報
そこで本発明では、マイクロニードルに代表される微細な針状体の製造にあたり、要求されるニードルの高さ、根元幅、先端角度や表面荒さなどの形状を満たす針状体を、容易に形成できる針状体の製造方法を提供することを課題とした。
本発明は、上記の課題を解決するために、被加工基材にフェムト秒レーザのような超短パルスレーザを照射することで、レーザアブレーションにより被加工基材表面に未貫通の順テーパ穴を形成する。この順テーパ穴をアレイ状に複数個形成し、マイクロニードル用マスターモールドを作製する。
請求項1に係る発明は、フェムト秒レーザを用いた微細な針状体の製造方法であって、フェムト秒レーザのレーザ光をガラス基材からなる加工基材に照射し、針状凹部を複数形成したマスターモールドを作製する工程と、前記マスターモールドに対して熱硬化性樹脂を充填し、加熱処理をおこない、前記熱硬化性樹脂を硬化させ、その後、前記マスターモールドから前記熱硬化性樹脂を剥離する転写成形加工により凸部針状体が複数個形成された熱硬化性樹脂からなる2次モールドを形成する工程と、前記2次モールドに対して熱硬化性樹脂を充填し、加熱処理をおこない、前記熱硬化性樹脂を硬化させ、その後、前記2次モールドから前記熱硬化性樹脂を剥離する転写成形加工により凹形状の針状体が複数個形成された熱硬化性樹脂からなる3次モールドを形成する工程と、前記3次モールドに対して、転写成形加工により生体適合樹脂からなる針状体を製造する工程と、を有することを特徴とする針状体の製造方法である。
次に請求項2に係る発明は、前記マスターモールドを作製する工程において、前記レーザ光を加工基材に照射し、未貫通穴を形成する工程を、多段階の照射を施して行うことを特徴とする請求項1に記載の針状体の製造方法である。
また請求項3に係る発明は、前記マスターモールドを作製する工程において、前記被加工基材の表面にフェムト秒レーザの焦点位置を一致させた状態で前記レーザ光を照射する第一の照射工程と、次に前記集光位置を前記第1の順テーパ形状を持つ未貫通穴の底部に一致させた状態で前記レーザ光を照射し、第2の順テーパ形状の未貫通穴を形成する第二の照射工程と、を有することを特徴とする請求項2に記載の針状体の製造方法である。
また請求項4に係る発明は、前記マスターモールドを作製する工程において、未貫通穴形成後に、該未貫通穴及び前記被加工基材表面に付着したドロスを洗浄、除去することを特徴とする針状体の製造方法である。
本発明のマイクロニードルの作製方法によれば、作製工程がリソグラフィー法を用いないため、レジストの塗布、乾燥、露光、現像といったプロセスを省略することができ、単純なプロセスでニードルを作製することができる。このため、作製に要するコストや時間を低減することができる。
また、超短パルスレーザを用いた加工を用いることで、マイクロニードルの先端部のような非常に微細な形状を形成することができ、加工に用いるレーザである超短パルスレーザの特長の1つである、多光子(マルチフォトン)吸収によるアブレーション加工であることが挙げられる。
上記のように超短パルスレーザの特徴である多光子吸収によるアブレーション加工でマイクロニードル形状を作製することで、加工面のなめらかな形状を得ることができる。このレーザ加工時に被加工基材表面に付着する加工くずはドロスと呼ばれるもので、レーザの熱により被加工基材が溶融、飛散したのち、加工基材の表面に固着する。このドロスはレーザの種類、加工条件を最適化することにより、その発生量を抑えることができる。連続発振レーザよりもパルスレーザを用い、さらにパルス幅の小さいレーザを用いた方が、ドロスの発生量が小さくすることができる。
さらに、多段階でレーザ光を照射することにより、一度の工程では、限られていた未貫通穴の深さをより掘り下げることが可能となった。特に、照射するレーザ光の焦点位置を被加工基材表面として照射する第一の照射工程と、焦点位置を第一の照射工程によって形成された未貫通穴の底部としてレーザ光を照射する第二の照射工程とによって、針状体用マスターモールドを形成することにより、高アスペクト比で、針状体の製造に適した形状のマスターモールドを形成することができる。
また、未貫通穴形成後、転写工程の前に、被加工基材表面に付着したドロスを洗浄、除去することにより、転写不良を抑制し、表面の粗さを低減することができる。
以下に本発明を実施するための最良の形態について述べる。図1は針状体アレイを作製するまでの製造プロセスを示した断面図である。本発明におけるレーザ加工は、レーザ加工の中でも超短パルスレーザに分類されるフェムト秒レーザを用いた加工を行うことで、針状体アレイ用モールド(マスターモールド)1を作製するものである。
フェムト秒レーザは、時間的エネルギー密度がきわめて大きく、またレーザ光の照射時間が非常に短いため、レーザ光が熱エネルギーとして被加工基材内を拡散する前に昇華アブレーション加工プロセスを終了させることが可能となるため、加工形状は融解による変形が発生しないため高精度に加工ができるといった特徴がある(例えば、特表2001−211797号公報参照)。このため微細な形状を加工する際には、フェムト秒レーザが好適に用いることができる。
従来の炭酸ガスレーザのような連続発振レーザでは、レーザの出力は大きいものの、加工の精度は粗いが、フェムト秒レーザでは、パルス幅の非常に短いレーザが断続的に照射されるため、照射したレーザのエネルギーのほとんどが熱にならず加工に用いられる。このため、非常に高精度な加工が可能であること、ドロスのないきれいな加工面が得られることが挙げられる。
また照射するレーザの種類と加工精度の間には密接に関係しており、レーザのスペック、特にレーザの出力、波長、パルスレーザの場合はそのパルス幅が加工形状に及ぼす影響を把握することが極めて重要である。一般にレーザの波長と加工精度の関係は波長が小さくなるほど、微細な加工が可能となる事が知られており、出力と加工形状の関係は、出力が大きくなるほど単位時間あたりの加工量は大きくなるが、加工表面の粗さなどの精度は低くなってしまう。また微細な加工形状を望む場合、波長のみならず、そのときの出力やパルス幅、繰返し周波数をいったレーザエネルギー密度に関するパラメータを考慮する必要がある上、それらを最適化する必要がある。
被加工基材である平板上の基板に対して、フェムト秒レーザを照射し、レーザの照射時間、広がり角度を適切に制御することで、被加工基材表面に順テーパ形状の未貫通穴を形成する。この順テーパ状の未貫通穴を複数個形成し、マスターモールドとする。このとき、被加工基材の表面に対してニードル部が凹んだ形状になっている。被加工基材としては、例えばガラス基板、特に石英ガラス基板を好適に用いることができる。
実際にマスターモールドを作製する手順を図2に示す。まず第1の工程として、集光レンズあるいは被加工基材を移動させることで、被加工基材表面にレーザの焦点を合わせた状態で、レーザを照射しベースとなる穴の加工を行うことで、順テーパ形状の未貫通穴を作製することができる(工程(a))。さらに、第1の工程のみでは、レーザ光の照射によって加工できる被加工基材表面の深さは限られているので、アスペクト比の高い針状体を作製する場合には、工夫する必要がある。
そこで第2の工程として、第1の工程で作製したベース穴の底部にレーザの焦点位置が一致するように、集光レンズと被加工基材表面との位置を相対的に移動させ、あるいは焦点距離の異なる集光レンズを用いて、未貫通穴の底部に固定し、再度レーザを照射し加工を行う(工程(b))。このように、焦点位置を変更し、2段階の加工を行うことで、より穴の深さと径とのアスペクト比が高い順テーパ形状の未貫通穴を作製することができる。
以上の工程により、マスターモールドの形状は、このような未貫通穴が複数個作製された凹部の針状体アレイとなる。ただし、前述のようにフェムト秒レーザは他のレーザ加工に比べて加工時に熱の影響の少ない加工方法であるが、被加工形状の深さが100μm以上の場合、レーザを長時間同一箇所に照射することになり、被加工基材にレーザを照射した際に被加工基材の表面にドロスが付着してしまうおそれがある。このドロスがこの後の転写工程に悪影響を与えるため、次の転写工程の前にドロスを洗浄により除去する工程が必要となる。そこで、第3の工程として、レーザ加工時に発生したドロスを除去するために、洗浄処理を行う。ドロスの除去方法には主にウェット処理が用いられる。これら3つの工程により、被加工基材の表面に順テーパ形状の未貫通穴を複数形成したものをマスターモールドとする。
上記工程で作製したマスターモールドに対して、キャスティング法や熱プレス法などの転写成形工を経る事で2次モールド、3次モールドを作製することができる。この転写成形工程の条件を最適にすることで、マスターモールドの形状を忠実に再現することが可能である。フェムト秒レーザ加工の場合、マスターモールドのニードル部分が加工材料表面に対して雌型となるため、マイクロニードルを得るには、奇数回の転写成形工程が必要である。
転写成形工程を行う際には、転写を行う度に、形状の劣化及び破損を引き起こしてしまう可能性があるため、適切な転写成形工程の条件を選択する必要がある。例えば、マスターモールドからの1次の転写段階では、被加工基材の硬度が高いため、直接に目的とする針状体を形成しようとすると、ニードル部分に損傷が生じてしまう。このため、複数の転写工程を設けることが望ましい。また、各モールドの材料についても、強度、硬度・柔軟性、剥離性等から各転写工程に適した材料を選択する必要がある。
上記転写成形工程の具体例を以下に述べる。
前述のマスターモールドに対して、シリコーンやアクリルなどの熱硬化性樹脂2を充填した後、加熱処理を行うことで、樹脂を硬化させる。この硬化処理の後、樹脂をマスターモールドより剥離させ、2次モールド3を作製する。この2次モールドの形状は、マスターモールドを反転したもので、凸部針状体が複数個形成されている。
次に、上記手順にて作製された2次モールドに対して、同様に熱硬化性樹脂2を充填した後、加熱処理を行い、硬化させる。その後、硬化した樹脂を2次モールドから剥離させ、3次モールド4を作製する。この3次モールドは、2次モールドの反転したもの、つまりマスターモールドと同一であり、凹形状の針状体が複数個形成されている。3次モールドを構成する材料としては、2次モールドから形状の劣化及び損傷なく転写でき、また最終的に形成する針状体を適切に形成することができる材料であることが好ましい。
最後に、上記手順にて作製された3次モールドに対して、シリコーン樹脂、マルトース、ポリ乳酸、デキストランなどの生体適合樹脂5へ転写することで、医療用、特に経皮投与に適した針状体アレイ6を作製することができる。
以上のように、本発明に係る針状体アレイは、被加工材料にレーザを照射して加工を行うため、マスクを必要とすることなく、また製造工程が大幅に簡略化される事で製造コストを抑えることができる。
以下に、本発明の具体的な内容を、図を用いて説明する。
(1)マスターモールドの作製
まず、合成石英基板に対しフェムト秒レーザを照射し、先端が鋭利な針状凹部を形成し、マスターモールドを作製する。針状凹部に求められる性能は、先端が鋭利であるほかに、マスターモールドとして用いられるため、表面の滑らかで熱硬化性樹脂が剥離しやすい形状であることが望ましい。
次に、マスターモールドの作製に用いたフェムト秒レーザは、発振波長775nm、パルス幅150fs、繰返し周波数1kHz、平均出力800mW、エネルギー800μJ/パルスの性能のものを使用した。このようなレーザ光の特徴として、発振波長こそ長いものの、パルス幅が短いため、微細加工に有利なレーザであることが挙げられる。
上記のフェムト秒レーザを被加工基材上に照射し、また被加工基材を移動させながら断続的にレーザを照射、加工を行うことで、順テーパ形状の断面を持つ未貫通穴をアレイ状に作製することができる。
図3は、マスターモールドに形成される順テーパ形状の未貫通穴の作製方法を図示したものである。図3(a)に示すように集光レンズ11もしくは被加工基材13を移動させることにより、被加工基材13の表面にレーザ光の焦点位置12が一致するようにする。この状態でレーザ光を照射し、ベースとなる穴を作製する。
次に集光レンズ11もしくは被加工基材13を移動させることで、先ほど作製したベース穴の底部に焦点位置12を一致させる。図3(b)は集光レンズ11を移動させて焦点位置を変化させた例を示す。この状態で再度レーザ光を照射することで開口部の幅90μm、深さ270μmの円錐形状の未貫通穴を作製することができた。
次に、このようなパターンを上記に示すフェムト秒レーザを用いて作製した場合、加工する体積(穴を形成する体積)が大きい場合は、いくら非熱加工といえどもレーザの照射時間が長くなってしまうため、被加工基材表面にドロスが付着してしまう。このドロスの除去には弗化水素酸(HF)を用いた。弗化水素酸によるドロス除去条件は、弗化水素酸を純水で5%の濃度に希釈した水溶液中に1分間浸漬した。この処理を行うことで、加工中に付着したドロスは、きれいに除去することができた。
(2)2次モールドの作製
作製したマスターモールドに対して、シリコーン樹脂を充填した後、加熱処理を行い、樹脂を硬化させた。樹脂を硬化させる加熱処理条件は、温度130℃、時間30分とした。このように作製された2次モールドはマスターモールドから転写されて作製されるため、2次モールドが有するニードルパターンは凸形状の針が多数形成された剣山状となっている。
(3)3次モールドの作製
上記の手順で作製した2次モールドに対して、同様に熱硬化性樹脂を流し込んだ後、熱処理による硬化を行う。その後、樹脂を2次モールドから剥離させ、3次モールドを作製した。このように作製された3次モールドの形状はマスターモールドと同一形状である。
(4)針状体アレイの作製
上記の手順で作製した3次モールドに対して、生体適合樹脂であるポリ乳酸へ転写を行い、針状体アレイを作製した。このように作製された針状体アレイの形状は2次モールドと同一形状である。
針状体を作製するまでの製造プロセスを示した断面図である。 マスターモールドを作製するまでの手順を示したフローチャート図である。 マスターモールド作製時のパターン形成方法を示した概略図である。(a)第一のレーザ光照射工程(b)第二のレーザ光照射工程(c)ドロス除去工程後のマスターモールドの断面図 本発明のマスターモールドの概略図である。
符号の説明
1……マスターモールド
2……熱硬化性樹脂
3……2次モールド
4……3次モールド
5……生体適合樹脂
6……針状体アレイ
11……集光レンズ
12……焦点位置
13……被加工基材
14……被加工基材表面
15……2段階の照射工程により形成された未貫通穴

Claims (4)

  1. フェムト秒レーザを用いた微細な針状体の製造方法であって、
    フェムト秒レーザのレーザ光をガラス基材からなる加工基材に照射し、針状凹部を複数形成したマスターモールドを作製する工程と、
    前記マスターモールドに対して熱硬化性樹脂を充填し、加熱処理をおこない、前記熱硬化性樹脂を硬化させ、その後、前記マスターモールドから前記熱硬化性樹脂を剥離する転写成形加工により凸部針状体が複数個形成された熱硬化性樹脂からなる2次モールドを形成する工程と、
    前記2次モールドに対して熱硬化性樹脂を充填し、加熱処理をおこない、前記熱硬化性樹脂を硬化させ、その後、前記2次モールドから前記熱硬化性樹脂を剥離する転写成形加工により凹形状の針状体が複数個形成された熱硬化性樹脂からなる3次モールドを形成する工程と、
    前記3次モールドに対して、転写成形加工により生体適合樹脂からなる針状体を製造する工程と、
    を有することを特徴とする針状体の製造方法。
  2. 前記マスターモールドを作製する工程において、前記レーザ光を加工基材に照射し、未貫通穴を形成する工程を、多段階の照射を施して行うことを特徴とする請求項1に記載の針状体の製造方法。
  3. 前記マスターモールドを作製する工程において、
    前記被加工基材の表面にフェムト秒レーザの焦点位置を一致させた状態で前記レーザ光を照射する第一の照射工程と、
    次に前記集光位置を前記第一の照射工程によって形成された未貫通穴の底部に一致させた状態で前記レーザ光を照射し、第2の順テーパ形状の未貫通穴を形成する第二の照射工程と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載の針状体の製造方法。
  4. 前記マスターモールドを作製する工程において、未貫通穴形成後に、該未貫通穴及び前記被加工基材表面に付着したドロスを洗浄、除去することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の針状体の製造方法。
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