JP5216312B2 - 医薬物運搬用器具の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬物運搬システムに使用する医薬物運搬用器具に係わり、特に無痛で皮膚下に穿刺可能とするとともに、効果的な医薬物供与を広範囲に渡って高効率に行うことができる医薬物運搬用器具の製造方法に関する。
近年、医薬物の過剰投与および副作用を抑制せしめて、より安全に、効果的に医薬物を投与するために、「必要最小限の医薬物を、必要な場所に、必要なときに供給する」ことを命題としたドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System:DDS)の研究が活発に行われている。そして、このDDSには、(1)医薬物を一定期間にわたって一定速度で放出する、いわゆる「医薬物の徐放化」、(2)医薬物を目的とする患部に選択的に輸送する、いわゆる「ターゲッティング」の大きな2つの目標命題を有している。
ところで、これらの目標命題を達成して実用化するには、医薬物の改良だけでは困難であり、医薬物を担持、搬送する運搬用器具の開発が不可欠である。
例えば、経皮吸収治療システム(Transdermal Therapeutic System:TTS)と総称される、皮膚から医薬物を投与し、体内の一部もしくは全身に前記医薬物の作用発現を実現させる技術がある。従来、このTTSに適用できる医薬物はニトログリセリン、硝酸イソソルビド、クロニジン等に代表される皮膚透過性の高いものに限られてきた。しかしながら近年、前記皮膚透過性の高い医薬物をより効果的に体内に吸収させたり、皮膚透過性が低い医薬物をTTSに適用させる要求が高まっており、これらを実現させるための医薬物運搬器具が提案されている。
非特許文献1および特許文献1には、基部となるSiの表面をSFとOの混合ガスによるドライエッチングプロセスにて加工し、高さ100μm程度のアレイ状針状体(非特許文献1では、「マイクロニードル」と記載されている)を形成して得られる医薬物運搬用器具が開示されている。さらに、特許文献1には、ドライエッチング時にクロム(Cr)からなるマスク(以下、Crマスクと記す)に対して適当量のサイドエッチング(特許文献1では、「わずかな横方向の予備エッチング」と記載されている)を進行させ、Crマスクが剥離するまでエッチング処理して略錐状のアレイ針状体(特許文献1では、「シリコンスパイクのアレイ」と記載されている)を製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、ドライエッチングプロセスにおいて、等方性エッチングと異方性エッチングを組み合わせて、基部となるSiの表面に、先端に向かって細径化したテーパ状をなす先端部と該先端部に連なる長手方向にわたって同一方向の基端部を有するアレイ状針状体(特許文献2では、「シリコン製の針状体」と記載されている)を製造する方法が開示されている。より具体的には、SFガスのみで等方性エッチングを行って先端部を形成し、次いでSFガスとCガスを交互に供給して異方性エッチングを行って基端部を形成し、最後に再びSFガスのみで等方性エッチングを行ってマスクを剥離させてアレイ状針状体を得ている。
Siを素材としたアレイ状針状体は、マスク設計やドライエッチングプロセスの条件などにより、種々の形状の針状体を比較的精度良く製造できる点で優れている。
一方、Siよりも生体に対してより安全なポリマ素材を用いてアレイ状針状体を製造する技術が、特許文献1および特許文献3に記載されている。特許文献3には、ピラミッド形状の構造体を備えたマスタ(特許文献3では、「ポジティブモールド」と記載されている)に対してニッケル(Ni)電鋳を行い、然る後にマスタのみを選択的に除去してNi金型(特許文献3では、「ネガティブモールド」と記載されている)を作製することで、該Ni金型を用いてインジェクションモールド法によりポリマ製のアレイ状針状体(特許文献3では、「マイクロニードル」と記載されている)を製造する方法が開示されてる。
以上説明した技術を組み合わせて、ドライエッチングプロセスにより作製したSi製のアレイ状針状体をマスタ(以下、Siマスタ)とし、該Siマスタに対してNi電鋳を行い、然る後にSiマスタのみを選択的に除去してNi金型を作製することと、該Ni金型を用いてインジェクションモールド法などのプレス加工によりポリマ製のアレイ状針状体を製造することは容易に考えうる。
この製造方法において、医薬物運搬用器具の形状を決定するのはSiマスタの形状である。つまり、Siマスタの形状精度(針状体の高さ、先端の先鋭性など)により、ポリマ製のアレイ状針状体からなる医薬物運搬用器具の性能が決まる。
D. V. McAllister et al., "MICROFABRICATED MICRONEEDLES: A NOVEL APPROACH TO TRANSDERMAL DRUG DELIVERY", Proceed. Int' 1. Symp. Control. Rel. Bioact. Mater., 25 (1998) Controlled Release Society, Inc. 特表2002−517300号公報 特許第3696513号公報 WO2005/082596号パンフレット
前記の観点より、高性能なポリマ製のアレイ状針状体を製造するためには、精度良くSiマスタを作製することが重要であるが、特許文献1および特許文献2に記載されているSi製のアレイ状針状体の製造方法では、いずれもドライエッチングプロセスによりマスクを剥離させて針状体を得るので、特に針状体の高さを制御性良く製造することが困難である。
針状体の高さの制御性を向上させる手段として、ドライエッチングプロセス時にマスクを剥離させることなく柱状もしくは錐台状の針状体を得る手段が考えられるが、この針状体の形状がそのまま金型に転写されるために、該金型より製造したポリマ素材の医薬物運搬用器具は、針状体先端が先鋭でなく、優れた医薬物運搬特性を示さない問題がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、無痛で皮膚下に穿刺可能とするとともに、効果的な医薬物供与を広範囲に渡って高効率に行うことができる医薬物運搬用器具の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、基部と、その表面に凸部を有し、前記凸部が、前記基部に対して略垂直な第1の角度で立設された柱部と、該柱部上に前記第1の角度よりも小さい第2の角度で連設された先端部とから形成され、前記基部及び凸部が、ポリ乳酸素材で構成されている医薬物運搬用器具の製造方法であって、前記凸部を形成するための凹部を有する金型と基材とを対向して配置し、前記金型と前記基材の少なくともいずれか一方を加熱した上で基材に圧力を加えて前記金型の形状を前記基材に転写させる工程と、冷却して前記基材を離型する工程とを有し、前記金型は、基部とその表面に立設された柱状の凸部とを備えたシリコンマスタを製造する工程と、次いで、このシリコンマスタの表面を導電化した後にニッケル電鋳する工程と、次いで、表面を導電化したシリコンマスタを選択的にエッチングし、柱部を形成するための凹部がニッケル中に形成され、且つ該凹部内に残存したシリコンによって、柱部上に連設される前記先端部を形成するための凹部が形成された時点でエッチングストップし、前記金型を得る工程と、を備える方法によって製造され、かつ、前記柱部を形成するための凹部がニッケルで構成され、前記柱部上に連設される前記先端部を形成するための凹部がシリコンで構成されていることを特徴とする医薬物運搬用器具の製造方法を提供する。
本発明に係る金型の製造方法は、Siマスタを製造する際、Crマスクを剥離することなく柱状の凸部を形成するために、Siマスタの製造歩留まりが非常に高い。
また、本発明の金型の製造方法を用いることにより、柱状のSiマスタから先端が先鋭な(医薬物運搬特性が優れた)凸部を備えた医薬物運搬用器具を製造可能な金型を得ることができる。
本発明の医薬物運搬用器具は、前述した金型を用いて製造することで、先端が先鋭な凸部を備えたものとなり、無痛で皮膚下に穿刺可能とするとともに、効果的な医薬物供与を広範囲に渡って高効率に行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の医薬物運搬用器具の第1実施形態を示す図であり、図1(a)は平面図、(b)は(a)中のA−B間断面図である。本実施形態では、本発明の医薬物運搬用器具の一例として、皮膚に無痛で穿刺し、医薬物の運搬を行うアレイ状針状体(以下、アレイ状無痛針と示す)を例示している。図1中、符号1はアレイ状無痛針、2は基部、3は凸部、4は柱部、5は先端部である。
このアレイ状無痛針1は、基部2と、その表面に整列して設けられた複数の微細な凸部3とからなる。この凸部3は、基部2に対して略垂直な第1の角度θ1で立設された略四角柱状の柱部4と、該柱部4上に前記第1の角度θ1よりも小さい第2の角度θ2で連設された略四角錐状をなす先端部5とから形成されている。第1の角度θ1は、70度〜90度の範囲が好ましく、80度〜90度の範囲がより好ましい。第2の角度θ2は、50度〜60度の範囲が好ましく、55度程度がより好ましい。
このアレイ状無痛針1を構成する素材は、各種ポリマ材料のなかから適宜選択することができ、その中でも製造が容易で歩留まりが良好なことから、熱可塑性ポリマを用いることが望ましい。さらに、熱可塑性ポリマの中でも、ポリ乳酸素材が好ましい。
このアレイ状無痛針1において、図2中の各部の寸法は、例えば次の範囲に設定することができる。なお、図2は、アレイ状無痛針1の要部断面図を示している。
・基部厚さa:200〜1000μm。
・凸部高さb:50〜500μm。
・凸部の形成ピッチc:30〜1000μm(但し、c>d)。
・凸部下底幅d:20〜150μm。
・凸部上底幅e:3μm以下。
・基部に対する柱部の立設角度(第1の角度)θ1:70〜90度。
・柱部に対する先端部の立設角度(第2の角度)θ2:約55度。
なお、本実施形態において、特に器具の寸法に関して制限される部分は、柱部4に対する先端部5の立設角度θ2(約55度)のみであり、それ以外の寸法は最初の設計及びその製造プロセスにより如何様にも変更することが可能である。
図3は、アレイ状無痛針の製造方法の一例を工程順に示す断面図である。この図3(a)〜(c)に示すように、アレイ状無痛針6は、(a)凸部を形成するための凹部を有する金型7とアレイ状無痛針6となる熱可塑性ポリマからなる基材8とを対向して配置し、(b)金型7と基材8の少なくともいずれか一方を加熱した上で基材8に圧力をかけた状態で保持し、(c)成形後冷却し、次いで金型からアレイ状無痛針6を離型する工程により行われる。
なお、以降の実施形態の例示において、基材8とは凸部3と基部2を形成するための素材であることを指し、基部2とは医薬物運搬用器具の一構成部を指す。
この図3に従って第1実施形態のアレイ状無痛針を製造する一例を、次の製造例に詳述するが、この製造例は単なる例示であり、本発明を限定するためのものではない。
(アレイ状無痛針の製造例)
図3(a)は、アレイ状無痛針6を製造するための金型7と厚さ1000μmの板状ポリ乳酸基材8(以下、ポリ乳酸基材と記す)である。金型7の詳細な製造例は後記するが、本金型7は、柱部4を形成するための略四角柱状の凹部がNiで構成され、先端部5を形成するための略四角錐状の凹部がSiで構成されている。
図3(b)は、金型7の形状をポリ乳酸基材8に転写する工程を示す。金型7とポリ乳酸基材8を100℃に加熱した後、金型7上部よりポリ乳酸基材8を10MPaの圧力で押圧する。押圧した状態で10分間保持することにより、金型7の形状がほぼ正確にポリ乳酸基材8に転写され、アレイ状無痛針6が形成される。
図3(c)は、金型7からポリ乳酸基材(アレイ状無痛針6)を離型する工程を示す。金型7とアレイ状無痛針6を50℃に冷却した後、金型7からアレイ状無痛針6を離型する。
以上の工程を経て、ポリ乳酸素材で構成されたアレイ状無痛針6が形成できる。
本製造例に用いる基材は、熱可塑性ポリマであれば基本的にいかなるものでも構わないが、ポリ乳酸基材8は、生体に対して無毒であり、且つ生体吸収性があるため、例えばアレイ状無痛針が折れて体内に残留したとしても、いずれ体内で分解する特徴があるため、好適である。
次に、図4および図5を用いて本発明のアレイ状無痛針の製造例において必要となるSiマスタおよび金型のより詳細な製造例を詳述するが、これらの製造例は単なる例示であり、本発明を限定するためのものではない。
(Siマスタの製造例)
図4は、本発明に関わるSiマスタを製造する工程を順に示す断面図である。
図4(a)Siウェーハ
Siマスタ14の製造には、片面をミラー研磨した厚さ500μmの単結晶Siウェーハ(以下、Siウェーハ9)を用いる。このSiウェーハの結晶方位面は、(100)である。
図4(b)(エッチングマスクとなる)クロム薄膜の形成
スパッタリング法により、Siウェーハ9の表面に厚さ約4μmのクロム(Cr)薄膜10を形成する。
図4(c)凹部のフォトレジストパターンの形成
次いで、フォトリソグラフィ技術により、Siウェーハ9の表面に凸部13のネガパターン、即ち、凸部13形成位置にフォトレジスト11を残し、非凸部のフォトレジストを除去したパターンを形成する。本製造例においては、凸部13のマスク形状を50μm角の正方形とした。
図4(d)Crパターンの形成
次いで、フォトレジスト11をマスクとし、フォトレジスト11下部に配置されたCr薄膜10をエッチングし、Crパターン12を形成する。Cr薄膜10のエッチングは、硝酸第2セリウム塩と過塩素酸を主成分とする水溶液を用いたウェットエッチングにより行った。
図4(e)凸部完成
次いで、Crパターン12をマスクとし、Siウェーハ9表面に凸部13を形成する。凸部13の形成はドライエッチングプロセスにより行う。Siウェーハ9を平行平板型ドライエッチング装置のチャンバ内に設置し、真空排気を行った後、以下の条件でエッチングを行った。
・エッチングガス流量:SF=50sccm/O=3sccm(SFとOの混合ガス)
・プロセス真空度:1.3Pa
・RF投入電力:100W
Siエッチング速度が約20μm/hであることを鑑みて、エッチング時間を12.5時間とし、Siウェーハ9表面に下底幅約50μm、高さ約250μmの凸部13を形成した。このエッチング条件では垂直異方性が高いため、凸部13はSiウェーハ9表面に対して約87度の立設角度を有する略四角柱状となった。
本エッチング条件では、Crマスクを損なうことがないため、凸部13の高さおよび幅を精度良く作製することができ、非常に歩留まりが高い。
図4(f)Siマスタ完成
最後に、硝酸第2セリウム塩と過塩素酸を主成分とする水溶液を用いたウェットエッチングによりSi表面に残存するCrマスクを除去し、Siマスタ14とした。なお、Siマスタ14の基部裏面から凸部先端までの総厚みは、使用したSiウェーハ9の厚みと同じく500μmであった。
(Siマスタ製造方法の比較)
Siマスタ製造方法の比較として、特許文献1および特許文献2を参照してSiマスタを製造した。
<比較例1>
Crパターンをマスクとし、下記に示すドライエッチング条件によりSiウェーハ表面に凸部を形成した。なお、このときの凸部のマスク形状は、90μm角の正方形とした。
・エッチングガス流量:SF=50sccm/O=7sccm
・プロセス真空度:1.6Pa
・RF投入電力:100W
Siエッチング速度が約20μm/hであることを鑑みてエッチング時間を12.5時間とし、Siウェーハ表面に下底幅約70μm、高さ約250μmの凸部を形成した。このエッチング条件ではサイドエッチングが大きい(垂直異方性が低い)ため、凸部は四角錐状となりCrマスクがエッチング途中で剥離した。このときの凸部の上底幅は、約1μmであった。
<比較例2〉
Crパターンをマスクとし、下記に示すドライエッチング条件によりSiウェーハ表面に凸部を形成した。なお、このときの凸部のマスク形状は、90μm角の四角形とした。
『工程1(先端部作製)』
・エッチングガス流量:SF=50sccm/O=12sccm
・プロセス真空度:1.8Pa
・RF投入電力:100W
『工程2(柱部作製)』
・エッチングガス流量:SF=50sccm/O=3sccm
・プロセス真空度:1.3Pa
・RF投入電力:100W
『工程3(マスク剥離)』
・エッチングガス流量:SF=50sccm/O=12sccm
・プロセス真空度:1.8Pa
・RF投入電力:100W
Siエッチング速度が約20μm/hであることを鑑みてエッチング時間を工程1では3.5時間、工程2では9時間とし、最後にマスクが剥離するまで工程3のエッチングを行った。Siウェーハ表面に対して約87度の立設角度を有する略四角柱状の柱部と、該柱部上に約70度の立設角度を有する略四角錐上の先端部からなる凸部を形成した。このときの凸部の下底幅は約70μm、上底幅は、約1μm、高さは約250μmであった。
<各製造方法における形状精度比較>
本発明の製造例、比較例1,比較例2の形状精度の比較を行った。
各製造方法によりSiウェーハ表面の10mm角正方形の領域に、400本の凸部を作製し、高さが設計値である250μmに対して10%以上低い(即ち、225μm以下)である凸部が、全凸部数の10%以上(即ち、40本以上)存在するSiマスタを不良品として、歩留まりの評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005216312
本発明の製造例では歩留まりが100%であったのに対し、比較例1では45%、比較例2では60%であった。ドライエッチング工程にてマスクを剥離させる従来の製造方法では、400本の凸部のマスクが均一に剥離しない場合に凸部高さが大きくバラつく(早期にマスクが剥離した凸部は、高さが低くなる)ために、歩留まりが低くなった。
(金型の製造例)
図5は、本発明の金型を製造する工程を順に示す断面図である。
図5(a)Siマスタ
このSiマスタは、図4に示すSiマスタの製造工程で作製したSiマスタ14である。このSiマスタ14は、基部に多数の略四角柱状をなす凸部13が立設された構造になっている。
図5(b)Siマスタ表面の導電化
スパッタリング法により、Siマスタ14の表面に、厚さ約0.3μmのNi薄膜15を堆積してSiマスタ14表面を導電化した。堆積させる薄膜は、Siマスタ14表面を導電化できるものであれば如何なるものでも構わない。例えば、Au、Cr、Cuなども用いることができる。
図5(c)Ni電鋳
次いで、導電化したSiマスタ14をNiめっき浴に浸漬してNi電鋳を行う。Niめっき浴はスルファミン酸ニッケルを主成分としており、これを50℃い加熱・保持して電鋳を行う。陽極となるNi板と陰極となるSiマスタ14間に0.5〜2.0Aの電流を流し、約24時間電鋳することで、厚さ約500μmのNi電鋳層16を得た。
図5(d)Siマスタの選択エッチング
次いで、約60%に希釈した水酸化カリウム(化学式:KOH)溶液を80℃に加熱・保持し、該溶液中にSiマスタ14およびNi電鋳層16を浸漬させる。まず、Siマスタ14の基部がエッチングされ、次いで凸部13(Ni電鋳層16の凹部)がエッチングされる(図5(d)中、符号14Aは、残存するSi部分を示す。)。このとき、Siマスタ14の凸部13は約55度の角度を保ってエッチングが進行していく。このように約55度の角度を保ってエッチングを進行させることができるエッチング溶液として、KOH溶液の他、水酸化テトラメチルアンモニウム(略式名称:TMAH)を用いることができる。
図5(e)エッチングストップ
次いで、上記KOH溶液の濃度および温度の条件においてSiのエッチング速度が30μm/hであることを鑑みて、17時間浸漬エッチングしたところでエッチングストップした。これにより、柱部4を形成するための略四角形上の凹部がNiで構成され、該四角柱状の凹部の先端に連設された、先端部5を形成するための略四角錐状の凹部がSi部分14Aで形成されている金型7を得ることができた。なお、18時間以上浸漬エッチングを行うと、ほぼ完全にSiマスタ14が除去されて凹部の形状は略四角錐状になることが確認された。
図5(a)〜(d)の工程により金型を製造する方法は一般的に知られており、一般には(d)の工程においてSiマスタ14が完全に除去されるまでエッチングを進行させて金型を得るが、本発明の製造方法では、Siマスタ14が残存する時点でエッチングストップし、所望の金型形状(アレイ状無痛針用の凸部形状)を得る点で異なる。
以上説明したSiマスタおよびSiマスタより製造した金型を用いることにより、本発明の医薬物運搬用器具を製造することが可能となる。
本発明の金型は、医薬物運搬用器具に限らず、種々の微細形状部品や器具の製造に用いることができる。例えば、反射防止や偏光分離、偏光変換などの光学特性を有する微細形状光学部品などの製造に用いることができる。
本発明の医薬物運搬用器具の第1実施形態であるアレイ状無痛針を示し、(a)はアレイ状無痛針の平面図、(b)は(a)のA−B断面図である。 アレイ状無痛針の各部の位置を示す要部断面図である。 アレイ状無痛針の製造工程を順に示す断面図である。 Siマスタの製造工程を順に示す断面図である。 金型の製造工程を順に示す断面図である。
符号の説明
1…アレイ状無痛針(医薬物運搬用器具)、2…基部、3…凸部、4…柱部、5…先端部、6…アレイ状無痛針、7…金型、8…ポリ乳酸基材、9…Siウェーハ、10…Cr薄膜、11…フォトレジスト、12…Crパターン、13…凸部、14…Siマスタ、14A…Si部分、15…Ni薄膜、16…Ni電鋳層。

Claims (1)

  1. 基部と、その表面に凸部を有し、前記凸部が、前記基部に対して略垂直な第1の角度で立設された柱部と、該柱部上に前記第1の角度よりも小さい第2の角度で連設された先端部とから形成され、前記基部及び凸部が、ポリ乳酸素材で構成されている医薬物運搬用器具の製造方法であって、
    前記凸部を形成するための凹部を有する金型と基材とを対向して配置し、前記金型と前記基材の少なくともいずれか一方を加熱した上で基材に圧力を加えて前記金型の形状を前記基材に転写させる工程と、冷却して前記基材を離型する工程とを有し、
    前記金型は、基部とその表面に立設された柱状の凸部とを備えたシリコンマスタを製造する工程と、次いで、このシリコンマスタの表面を導電化した後にニッケル電鋳する工程と、次いで、表面を導電化したシリコンマスタを選択的にエッチングし、柱部を形成するための凹部がニッケル中に形成され、且つ該凹部内に残存したシリコンによって、柱部上に連設される前記先端部を形成するための凹部が形成された時点でエッチングストップし、前記金型を得る工程と、を備える方法によって製造され、
    かつ、前記柱部を形成するための凹部がニッケルで構成され、前記柱部上に連設される前記先端部を形成するための凹部がシリコンで構成されていることを特徴とする医薬物運搬用器具の製造方法。
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