ところが、上記特許文献1〜5に開示の発明ではたとえ調整作業を容易に正しく行えるとしても、未だ調整作業を必要とすることに変りはなく、依然として不便であり、汎用性に劣る。
本発明はこのような課題の抜本的な解決を目的としており、その目的を達成するために請求項1ではホッパータンク内のメダルをそのメダル送出用穴明き回転ディスクの駆動により、そのホッパータンクから1枚づつ順次強制的に送り出すホッパー本体と、
そのホッパー本体から送り出されたメダルを上方へ押し進め案内するメダルエレベーターとを備え、
そのメダルエレベーターの上端部からメダルを所定方向へ投出するエレベーター式メダル送出装置において、
上記メダルエレベーターの上端部をメダル変向点として、そこから逆向く(Uターンする)下方又は鋭角に屈曲する斜め下方へのメダル変向通路を延長形成し、
上記メダル変向点からメダル変向通路へ落下することにより、そのメダル変向点に残存する後行メダルから分離された先行メダルを、上記メダル変向通路内へ臨むストッパーによって一旦受け止め、
その受け止めと同時か又はその後作動されるストッパーによって、上記先行メダルを所要数だけメダル変向通路の出口部から投出することを特徴とする。
又、請求項2では同じくホッパータンク内のメダルをそのメダル送出用穴明き回転ディスクの駆動により、そのホッパータンクから1枚づつ順次強制的に送り出すホッパー本体と、
そのホッパー本体から送り出されたメダルを上方へ押し進め案内するメダルエレベーターとを備え、
そのメダルエレベーターの上端部からメダルを所定方向へ投出するエレベーター式メダル送出装置において、
上記メダルエレベーターの上端部をメダル変向点として、そこからほぼ直角に屈曲する横方向へのメダル変向通路を延長形成し、
上記メダル変向点からメダル変向通路へ強制的に速送り又は飛翔させることにより、そのメダル変向点に残存する後行メダルから分離された先行メダルを、上記メダル変向通路内へ臨むストッパーによって一旦受け止め、
その受け止めと同時か又はその後作動されるストッパーによって、上記先行メダルを所要数だけメダル変向通路の出口部から投出することを特徴とする。
請求項3ではメダル変向通路内のストッパーによって一旦受け止められるメダルの検知センサーを、そのメダル変向通路内へ臨ませ、
その検知センサーが上記メダルの有無を検知した出力信号に基いて、そのメダルが有るときにはホッパー本体におけるメダル送出用穴明き回転ディスクの駆動を一旦停止する一方、上記メダルが無いときには同じくメダル送出用穴明き回転ディスクを駆動するように設定したことを特徴とする。
請求項4ではメダル変向通路内のメダル受け止め用ストッパーをモーターにより駆動される回転羽根として、その回転羽根の駆動により上記メダル変向通路の出口部から投出されることとなるメダルのカウントセンサーを、そのメダル変向通路内の出口部付近へ臨ませると共に、
そのカウントセンサーが投出メダルを検知した出力信号に基いて、上記回転羽根の駆動を一旦停止させるように設定したことを特徴とする。
請求項5ではホッパー本体からメダルエレベーターへ送り出されるメダルのカウントセンサーを設置し、そのカウントセンサーが最先の送出メダルを検知した出力信号に基いて、メダル変向通路内のメダル受け止め用ストッパーを作動開始させるように設定したことを特徴とする。
請求項6ではメダル変向通路内のストッパーによって一旦受け止められるメダルの第1メダル検知センサーと、その第1メダル検知センサーとメダル変向点との相互間に介在する第2メダル検知センサーとを、上記メダル変向通路内へ各々臨ませて、
上記第1メダル検知センサーがメダルの存在を検知した出力信号に基いて、ホッパー本体におけるメダル送出用穴明き回転ディスクの回転速度を低下させると共に、
上記第2メダル検知センサーもメダルの存在を検知したときに、その出力信号に基いて上記穴明き回転ディスクの駆動を一旦停止させるように設定したことを特徴とする。
請求項7では新設工事後の使用初期やメンテナンス後の使用再開時にだけ働くメダル検知センサーをメダル変向点の位置付近に臨ませて、
そのメダル検知センサーにより上記メダル変向点まで到達したメダルの有無を検知し、そのメダルの無いときには有ることが検知されることになるまでの間だけ、上記検知センサーの出力信号に基いてホッパー本体におけるメダル送出用穴明き回転ディスクを駆動するように設定したことを特徴とする。
請求項8ではメダル変向通路を、これにメダル受け止め用ストッパーとそのストッパーにより一旦受け止められるメダルの検知センサー並びに投出メダルの検知センサーとが予じめ組込み一体化されたメダル投出ユニットとして、
そのメダル投出ユニットをメダルエレベーターの上端部へ着脱自在に連通接続したことを特徴とする。
更に、請求項9ではメダル投出ユニットをそのメダル変向通路自身の最も高いUターン位置がメダル変向点となるほぼ倒立J字形に屈曲形成して、
そのメダル変向通路の下向きとなる入口部を、メダルエレベーターにおけるメダル通路の上端出口部へ着脱自在に連通接続したことを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、メダルエレベーターの上端部をメダル変向点として、そのメダル変向点から逆向く(Uターンする)メダル変向通路又は鋭角に屈曲するメダル変向通路へ方向変換し、落下する先行メダルは、未だメダル送出用穴明き回転ディスクの駆動力(メダル押し進め強制力)を受けた連続的な積み重なり状態として、上記メダルエレベーターの上端部(メダル変向点)まで残存している後行メダルから分離される結果となり、その先行メダルと後行メダルとの前後相互間に必らず間隙が発生する。
そして、その先行メダルは分離されてからメダル変向通路内のメダル受け止め用ストッパーによって、一旦受け止められ、引き続きストッパーの作動によりメダル変向通路の出口部から投出されるようになっているため、使用されるメダルのサイズ(直径)が変化しても、又たとえ小サイズと大サイズのメダルが混在していても、これらの影響を受けることはなく、そのメダル投出位置や投出メダルの検知位置を常に一定不変として、そのメダルの検知や投出メダルのカウントを確実に正しく行えるのであり、冒頭に述べた従来技術のようなメダルのサイズ変化に伴なうメダル通路の部品交換作業を初め、メダル投出位置やメダル検知(カウント)位置の煩らわしく精密な調整作業などが一切不要となる。
そして、このような効果は請求項2の構成でも支障なく達成することができるが、特に請求項1の構成ではメダルがその方向変換するメダル変向点から、自然に又は自重でメダル変向通路へ落下することになるため、その先行メダルを後行メダルから引き離す物理的なアクチュエーターやその他の作動機構が不要であり、必要機構の簡素化とメンテナンスの容易化などに役立つ効果も得られる。
何れにしても、請求項3の構成を採用するならば、メダル変向通路内へ臨むメダル検知センサーが、上記ストッパーにより一旦受け止められたメダルの有無を検知した出力信号に基いて、ホッパー本体におけるメダル送出用穴明き回転ディスクの駆動をオン・オフ制御することができ、延いてはホッパー本体からメダルエレベーターを経て、メダル変向通路の出口部に至るメダルの送り出し作用を、極めて円滑に安定良く営ませ得る効果がある。
請求項4の構成を採用するならば、上記メダル変向通路内に臨むメダル受け止め用ストッパーが、モーターによって駆動される回転羽根から成るため、そのメダルの一旦受け止めと投出作用並びに投出メダルのカウントを悉く確実に行え、その高速の自動処理や極力遠方への投出などに役立つ。
請求項5の構成を採用するならば、メダル変向通路におけるメダル受け止め用ストッパーの作動を、ホッパー本体からメダルエレベーターの入口部に向かうメダルの送り出し作用と言わば連帯させて、そのストッパーによるメダルの受け止めミスなどを確実に予防できる効果がある。
又、請求項6の構成を採用するならば、第1メダル検知センサーがストッパーによる受け止めメダルの存在を検知した出力信号に基いて、メダル送出用穴明き回転ディスクの回転速度を低下させるにとどめ、その後第2メダル検知センサーもメダル変向通路内に存在するメダルを検知したときに初めて、その出力信号に基き上記穴明き回転ディスクの駆動を停止させるようになっているため、その穴明き回転ディスクの駆動モーターが頻繁なオン・オフ制御を受けて、早期に消耗してしまうことを予防できる効果がある。
請求項7の構成を採用するならば、エレベーター式メダル送出装置における新設工事後の使用初期やメンテナンス後の使用再開時、そのメダルエレベーターのメダル通路内にメダルの欠落状態があっても、ホッパー本体からメダルエレベーターを経てメダル変向通路の出口部に至るメダルの送り出し作用を、支障なく円滑に行える効果がある。
更に、請求項8の構成を採用するならば、メダル変向通路を上記メダル受け止め用ストッパーのみならず、その受け止められたメダルの検知センサー並びに投出メダルの検知(カウント)センサーも具備した別個独立のメダル投出ユニットとして、上記メダルエレベーターの上端部(出口部)へ着脱自在に連通接続することができ、その組立作業性に優れる。
その場合、請求項9の構成を採用するならば、メダル投出ユニットにおけるメダル変向通路の下向きになる入口部を、メダルエレベーターにおけるメダル通路の上向く出口部(上端部)へ、接続金具によって便利良く接続固定することができるほか、そのメダル変向通路の出口部をメダルエレベーターとの方向関係上、右側へのメダル投出方向から左側へのメダル投出方向に又はその逆に、前後(表裏)反転させて取り付け、使い分けることも可能となる。
以下、図面に基いて本発明の好適な実施形態を詳述すると、その本発明に係るエレベーター式又はリフト式のメダル送出装置は図1〜24のように、ホッパータンク内に貯留のメダル(C)をそのタンクから1枚づつ順次強制的に送り出すホッパー本体(H)と、そのホッパー本体(H)から送り出されたメダル(C)を、引き続きほぼ垂直方向へ押し上げ案内するメダルエレベーター(E)とを備え、そのメダルエレベーター(E)の上端部(出口部)からメダル(C)を所定方向(各種本機の外部)へ投出するようになっている。
先ず、上記メダル送出装置のホッパー本体(H)について言えば、(1)は一定な鋭角(例えば約40度)(α)の後上がり傾斜天板(2)を有する金属製の据付け台であって、その傾斜天板(2)のフラットな表面にはメダル貯留用の透明な合成樹脂製ホッパータンク(3)が、係脱自在に係止されている一方、同じく傾斜天板(2)の裏面には穴明き回転ディスク用駆動モーター(4)が固定設置されている。その駆動モーター(4)は遊技機などの各種本機に具備されている主制御基板(図示省略)へ、マイコン搭載のメダル送出装置制御基板(ホッパー制御基板)(5)を介して、電気的に接続配線されている。
上記駆動モーター(4)の出力軸(6)は据付け台(1)の傾斜天板(2)を貫通しており、これに表側から嵌め付け一体化されたメダル送出用の穴明き回転ディスク(R)が、上記ホッパータンク(3)の対応的な円形の開口底面に臨み、そのタンク(3)の言わば可動底をなす。(7)は上記傾斜天板(2)から表向きに突出する複数のホッパータンク用係止ピンであり、図外の圧縮コイルバネによって裏側から常時押し上げ付勢されている。
上記穴明き回転ディスク(R)は金属製品又は高強度な合成樹脂製品として、全体的な放射対称型に開口分布する複数のメダル取り込み穴(8)と、その取り込み穴(8)同士の隣り合う相互間から裏向き一体的に突出する複数の円弧弯曲羽根(9)とを備えており、上記ホッパータンク(3)からメダル取り込み穴(8)へ取り込んだメダル(C)を、その円弧弯曲羽根(9)によって図9、10の矢印(A)で示す方向へ押し進め、上記据付け台(1)の傾斜天板(2)から連続的な後上がりの張り出し状態にあるメダル送出シュート(S)へ、1枚づつ順次強制的に送り出し作用する。
茲に、メダル送出シュート(S)は図7〜10に抽出して示す如く、上記据付け台(1)の傾斜天板(2)へ延長状態に突き合わせ一体化されたバックプレート(10)と、その傾斜天板(2)とバックプレート(10)との双方へ表側から各々固定ビス(11)(12)を介して取り付けられた左右一対のサイドスペーサー(中板)(13)と、その左右両サイドスペーサー(13)へ別な固定ビス(14)を介して表側から被覆状態に取り付けられたフラットな第1、2剛性フロントプレート(15)(16)と、上記バックプレート(10)上まで延長された左右両サイドスペーサー(13)へネジ締結具(固定ビスと蝶ナット)(17)を介して、やはり表側から被覆状態に取り付けられた円弧状のバネ性フロントプレート(18)とから成り、その組み立て内部に断面ほぼ長方形のメダル通路(P1)を区画している。
つまり、メダル通路(P1)の上流側を形作るメダル送出シュート(S)の約下半部は、上記据付け台(1)の傾斜天板(2)と同じ鋭角(α)のフラットな後上がり傾斜状態にあり、その左右両サイドスペーサー(13)へ更に別な固定ビス(19)を介して、裏側からセンサー取付ブラケット(20)が取り付けられている。
そのセンサー取付ブラケット(20)は図8〜10のような表向きに開口する断面U字形のほぼ直方体箱として、上記メダル通路(P1)の裏面(背後)を横断する一定長さの帯状スライドプレート(21)と、そのスライドプレート(21)の一半側(図例では右側)から表向き一体的に起立する枢軸(22)へ、メダル(C)による押し廻し可能な差し込み状態に保たれたほぼ星形の回転羽根(23)と、その回転羽根(23)を被検知物とする透過型フォトセンサー(フォトインタラプタ)から成るメダルカウントセンサー(24)と、上記スライドプレート(21)の他半側(左側)をその回転羽根(23)がメダル通路(P1)内のメダル(C)と常時接触し得る横方向へ弾圧付勢すべく、固定側のセンサー取付ブラケット(20)と連繋掛架する引張りコイルバネ(25)とを備えている。
上記星形の回転羽根(23)は引張りコイルバネ(25)の付勢力を受けていることにより、メダル(C)が押し進められる上方(順方向)に向かってのみ回転し、これを上下(表裏)方向から挟む上記メダルカウントセンサー(フォトインタラプタ)(24)によって、メダル(C)を1枚づつカウントする。メダル通路(P1)内のメダル(C)が無くなったとしても、その回転羽根(23)は逆回転しないようになっている。
(26)は上記回転羽根(23)の抜け止め用摘まみであり、その枢軸(22)へ表側から被着状態に螺合締結されている。(27)はその摘まみ(26)を逃し入れるスライドガイド長孔であり、上記センサー取付ブラケット(20)と第1、2剛性フロントプレート(15)(16)に各々対応形成されている。(28)は左右何れか一方(図例では正面から見て右側)の上記サイドスペーサー(13)に付与されたほぼ円弧状の回転羽根逃し入れ切欠、(29)は上記第1、2剛性フロントプレート(15)(16)に各々対応形成されたメダルカウントセンサー逃し入れ切欠である。
更に、上記第2剛性フロントプレート(16)の下端中央部は左右一対の割り溝(30)により区分された円弧状のメダル逆流防止片(31)として、上記穴明き回転ディスク(R)によりメダル通路(P1)の入口部へ送り出されてきたメダル(C)を、その凸曲面により弾力的に押え付けるようになっている。(32)は上記第1、2剛性フロントプレート(15)(16)の上端中央部に区分されたメダルカバー片、(33)はメダル通路(P1)の入口部へメダル(C)を誘導するためのメダル変向ガイドピン、(34)は同じくメダル(C)のセパレートローラーである。
そして、上記ホッパー本体(H)のホッパータンク(3)からメダル送出用穴明き回転ディスク(R)の駆動により、上記メダルエレベーター(E)に向かって送り出されるメダル(C)を、その中途過程にあるメダル送出シュート(S)のメダル通路(P1)へ臨むメダルカウントセンサー(24)により、1枚づつ検知するようになっている。
その場合、上記メダルカウントセンサー(フォトインタラプタ)(24)の被検知物をなす星形の回転羽根(23)は、メダル送出シュート(S)のメダル通路(P1)内へ常時張り出す状態に弾圧付勢されており、そのメダル通路(P1)を押し進められるメダル(C)と接触するようになっているため、そのメダル(C)のサイズ(直径)に大小変化があっても、これの検知ミスを生じるおそれはなく、確実に正しくカウントすることができるのである。
他方、上記メダル通路(P1)の下流側を形作るメダル送出シュート(S)の約上半部は、図7、8のように、同じく据付け台(1)の傾斜天板(2)から一定な鈍角(β)(例えば約130度)の円弧状に弯曲されており、その弯曲部分に対応的な円弧状の上記バネ性フロントプレート(18)が取り付けられている。
茲に、バネ性フロントプレート(18)は薄肉(例えば約0.2〜0.5mmの厚み)なバネ性を有するステンレス鋼板やその他の金属板から、図8〜10のような輪郭形状にプレス加工されている。
即ち、バネ性フロントプレート(18)は上下方向(メダルの送り方向)に沿って延在するほぼ長方形をなしているが、その下端部(上流側)と上端部(下流側)から各々互いに等しい一定深さだけ深く切り込まれた平行な左右一対づつの割り溝(35)を介して、上記メダル通路(P1)の開口幅(W1)よりも狭い一定幅(X)のセンター押圧帯(36)と、その両隣り位置に左右一対のサイド取付帯(37)とが並ぶ合計3列に区分されており、その左右両サイド取付帯(37)をメダル通路(P1)の左右両サイドスペーサー(13)とバックプレート(10)へネジ締結具(固定ビスと蝶ナット)(17)によって、表側から強制的な弯曲状態に取り付け固定した時、センター押圧帯(36)の下端部と上端部が各々接触片(38)として、メダル(C)を表側から弾力的に軽く押え付けるようになっている。
更に言えば、上記左右両サイド取付帯(37)はその下端部(上流側)と上端部(下流側)から各々互いに等しい一定深さだけ浅く付与された切欠(39)の左右一対づつにより、その左右両サイド取付帯(37)の狭幅なインサイド部分がメダル誘導カバー片(40)として、上記メダル通路(P1)を表側から被覆すると共に、残る狭幅なアウトサイド部分がメダル通路(P1)のバックプレート(10)と左右両サイドスペーサー(13)へ取り付け固定し得るように、区分されている。
次に、メダルエレベーター(E)は上記ホッパー本体(H)側(上流側)をなすメダル送出シュート(S)におけるメダル通路(P1)の上端部(出口部)へ、別個な接続金具(41)とメダルカバープレート(42)を介して、直接の突き合わせ状態に連通接続され、上記ホッパー本体(H)側の穴明き回転ディスク(R)によって押し進め送出されてきたメダル(C)を、上記メダル送出シュート(S)のメダル通路(P1)から引き続きほぼ真上方向へ案内するようになっている。
そして、メダルエレベーター(E)も図11、12のように、バックプレート(43)とフロントプレート(44)並びにその前後相互間に介在する左右一対のサイドスペーサー(中板)(45)とから成り、これらが固定ビス(46)により組み立てられて、上記メダル送出シュート(S)のメダル通路(P1)と対応合致し得る断面ほぼ長方形のメダル通路(P2)を区画している。(W2)はそのメダル通路(P2)の開口幅である。
上記メダル送出シュート(S)とメダルエレベーター(E)との接続金具(41)は、図12、13のような平・底面視のチャンネル溝形鋼板として、その双方のバックプレート(10)(43)と密着する背後面に、上記メダル送出シュート(S)側の固定ビス(蝶ボルト)(47)と螺合締結するネジ孔(48)のみならず、メダルエレベーター(E)側の固定ビス(46)と螺合締結するネジ孔(49)も開口分布されており、そのメダル送出シュート(S)側の固定ビス(47)によって上記メダルカバープレート(42)を取り付けている。
更に、(50)は上記メダルエレベーター(E)の下端部(入口部)付近へ左右一対の長い固定ビス(51)によって取り付けられたメダル逆流防止器であり、上記メダル送出シュート(S)側からほぼ垂直なメダルエレベーター(E)を取りはずし分離したメンテナンス時に、そのメダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)からメダル(C)が抜け落ちてしまうことを予防する。
尚、図1〜13に示した基本実施形態では上記メダル送出シュート(S)とメダルエレベーター(E)とを接続するチャンネル溝形鋼板の金具(41)と異なるフラットな鋼板の接続金具(52)を用いて、複数のメダルエレベーター(E)同士を継ぎ足し固定状態に連通接続しているが、そのメダルエレベーター(E)の隣り合う同士を上記チャンネル溝形鋼板の同じ接続金具(41)によって接続固定しても良く、又メダルエレベーター(E)としては遊技機などの各種本機に応じて、予じめ背高く形成された長尺な1本物が採用されることもあり得る。
何れにしても、メダルエレベーター(E)におけるメダル通路(P2)の上端部(出口部)はメダル変向点(Y)となって、ここから引き続き図1〜3や図14〜22のように逆向く(Uターンする)下方へのメダル変向通路(P3)、又は図25の第1変形実施形態に示すような鋭角(γ)に屈曲する斜め下方へのメダル変向通路(P3)が延長されており、上記ホッパー本体(H)からメダル送出用穴明き回転ディスク(R)の駆動によって、メダルエレベーター(E)の上端部まで強制的に押し進め送出されてきたメダル(C)が、その上端部をメダル変向点(Y)として方向変換し、引き続きメダル変向通路(P3)の内部へ順次自然落下し得るようになっている。
この点、図1〜24に示した基本実施形態ではメダル変向通路(P3)が上記メダルエレベーター(E)と別個独立のメダル投出ユニット(U)として、正面視のほぼ倒立J字形に屈曲形成されており、その下向きとなる入口部が上記メダルエレベーター(E)の上端部(出口部)へ連通接続されるようになっているため、そのメダル変向通路(P3)自身の最も高いUターン位置が上記メダル変向点(Y)として、本願請求項に記載した「メダルエレベーターの上端部」を意味する。
上記メダル投出ユニット(U)をなすほぼ倒立J字形のメダル変向通路(P3)には、その最も高い位置であるメダル変向点(Y)(メダルエレベーターの上端部)から自然落下するメダル(C)の一旦受け止め用ストッパー(53)と、そのストッパー(53)により一旦受け止められたメダル(C)の有無を検知するメダル検知センサー(反射型又は透過型のフォトセンサー)(54)と、上記ストッパー(53)の作動によってメダル変向通路(P3)の出口部(O)から投出されるメダル(C)の検知センサー(同じく反射型又は透過型のフォトセンサー)(55)とが、各々組込み一体化されている。
即ち、上記メダル投出ユニット(U)のメダル変向通路(P3)は上記メダル送出シュート(S)やメダルエレベーター(E)のメダル通路(P1)(P2)に準じて、図14〜22のようなフロントプレート(56)とバックプレート(57)並びにその前後相互間へ縁取り状態に介在する複数のサイドスペーサー(中板)(58)とから、固定ビス(59)を介して断面ほぼ長方形に組み立てられており、上記メダルエレベーター(E)の上端部へ接続金具(52)を介して、そのメダル通路(P2)との合致連通状態に接続固定される。その取りはずしや分解も可能である。
上記メダル(C)を一旦受け止めるストッパー(53)は、モーター(60)により駆動される回転羽根として、メダル変向通路(P3)内の中途高さ位置に臨まされており、これによってメダル(C)を一旦受け止める。
その場合、回転羽根(53)を3枚羽根の回転ローターとして、図23から示唆されるようにその放射状の張り出し先端部と、その回転軌跡とほぼ平行に造形されたメダル変向通路(P3)の凹曲面との向かい合う間隙(開口幅)を、使用される最小メダルの直径よりも狭小に寸法化すると共に、可逆式のモーター(60)を採用することが好ましい。そうすれば、メダル(C)が上記回転羽根(53)に咬み込まれるおそれを防止でき、万一咬み込まれたとしても、そのモーター(60)の逆転によって解消し得るからである。
(61)は上記メダル変向通路(P3)へそのフロントプレート(56)と同じく、固定ビス(62)によって表側から被覆状態に取り付けられたモーター支持ブラケットであり、これに設置された駆動モーター(60)からメダル変向通路(P3)内へ突出するモーター出力軸(63)に、上記回転羽根(53)が差し込み一体化されている。
又、同じくモーター支持ブラケット(61)における駆動モーター(60)よりも上側(下流側)と下側(上流側)に、上記メダル検知センサー(54)(55)の一対が各々固定ビス(64)を介して取り付けられてもいる。その上側のメダル検知センサー(54)は回転羽根(53)によって受け止められたメダル(C)の有無を検知し、その出力信号に基いて上記ホッパー本体(H)側におけるメダル送出用穴明き回転ディスク(R)の駆動モーター(4)を制御する。そのメダル(C)が有るときには、穴明き回転ディスク(R)の駆動を一旦停止し、メダル(C)が無ければ、同じく穴明き回転ディスク(R)を駆動して、メダル(C)をホッパー本体(H)からメダルエレベーター(E)へ強制的に押し進め送出させるのである。
他方、下側のメダル検知センサー(55)は上記回転羽根(53)によって、メダル変向通路(P3)の出口部(O)へ投出されるメダル(C)を検知し、そのカウントを行う。そのメダル検知センサー(55)が投出メダル(C)を検知した出力信号に基いて、上記回転羽根(53)の駆動モーター(60)を制御する。そのメダル(C)を投出し終える毎に、回転羽根(53)の駆動を一旦停止させて、引き続くメダル(C)を受け止めるべく待機する。
ホッパー本体(H)をなすメダル送出シュート(S)のメダル通路(P1)内に臨む回転羽根(23)と、これを上下(表裏)方向から挟むメダルカウントセンサー(フォトインタラプタ)(24)によって、そのホッパー本体(H)からメダルエレベーター(E)の入口部へ押し進められるメダル(C)を検知するようになっている旨は既述したが、メダル送出用穴明き回転ディスク(R)の駆動によりメダルエレベーター(E)へ押し進められる最先(第1番目)のメダル(C)を、その上記メダルカウントセンサー(24)が検知した出力信号に基いて、上記メダル変向通路(P3)内のメダル受け止め用ストッパーである回転羽根(53)を駆動し始めるようになっている。
尚、上記メダル送出シュート(S)のメダル通路(P1)に臨むメダルカウントセンサー(24)や、メダル投出ユニット(U)を形作っているメダル受け止め用ストッパー(回転羽根)(53)の駆動モーター(60)並びに複数のメダル検知センサー(54)(55)も、上記ホッパー本体(H)におけるメダル送出用穴明き回転ディスク(R)の駆動モーター(4)と同じく、メダル送出装置制御基板(ホッパー制御基板)(5)を介して各種本機の主制御基板(図示省略)へ電気的に接続されている。
上記構成を備えたエレベーター式メダル送出装置の基本実施形態において、ホッパー本体(H)のメダル送出用穴明き回転ディスク(R)が駆動されると、ホッパータンク(3)内のメダル(C)はその回転ディスク(R)により、メダル送出シュート(S)のメダル通路(P1)を経て、メダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)を上方へ強制的に押し進められることとなり、そのメダルエレベーター(E)の上端部まで到達するや否や、そこをメダル変向点(Y)として図23のように、引き続きメダル変向通路(P3)内へ順次自然に又は自重で落下し、そのメダル変向通路(P3)内にあるメダル受け止め用ストッパー(回転羽根)(53)によって一旦受け止められ、その後メダル変向通路(P3)の出口部(O)から投出される。
そして、上記穴明き回転ディスク(R)の駆動中、メダル送出シュート(S)のメダル通路(P1)に臨むメダルカウントセンサー(24)が、そのメダル(C)を検知した出力信号に基いて、上記メダル変向通路(P3)内にあるメダル受け止め用ストッパー(回転羽根)(53)が駆動され、その一旦受け止められたメダル(C)がメダル変向通路(P3)の出口部(O)から、各種本機の外部へ投出されることになり、その投出メダル(C)が出口部(O)の付近に臨むメダル検知センサー(55)によって、正しくカウントされるのである。その投出メダル(C)を検知したセンサー(55)の出力信号に基き、上記ストッパー(回転羽根)(53)の駆動が停止される。
又、上記メダル変向点(Y)とメダル受け止め用ストッパー(回転羽根)(53)との上下相互間に介在するメダル検知センサー(54)が、そのストッパー(回転羽根)(53)によって一旦受け止められた状態にあるメダル(C)を検知したときには、そのメダル(C)の無くなったことを検知するまで、上記穴明き回転ディスク(R)の駆動が一旦停止される。尚、上記メダル検知センサー(54)(55)は予じめ決められた一定時間(例えば50msec)中におけるメダル(C)の有無を検知し、その一定時間経過後に上記穴明き回転ディスク(R)やストッパー(回転羽根)(53)が再起動されるようになっている。
上記作用からも明白なように、メダルエレベーター(E)の上端部をメダル変向点(Y)として、そこから引き続きメダル変向通路(P3)内へ落下する先行メダルは、未だメダル変向点(Y)に残存している後行メダルから分離される結果となり、その先行メダルと後行メダルとの隣り合う相互間に、一定不変とは言えないまでも、必らず間隙(L)が発生する。そして、このようなメダル(C)の方向変換とその落下が、メダル送出装置の使用中(遊技中)多数のメダル(C)につき、言わば連続して高速に繰り返されるのである。
つまり、上記穴明き回転ディスク(R)の駆動力(メダル押し進め強制力)はホッパー本体(H)からメダル送出シュート(S)を経て、メダルエレベーター(E)の上端部(メダル変向点)(Y)まで数珠繋ぎ状態に積み重なるメダル(C)だけに作用し、その上端部のメダル変向点(Y)から落下することにより、残りの後行メダルから引き離された先行メダルには作用しないため、その先行メダルがメダル(C)のサイズ(直径)変化や切れ目(隣接境界部)の変化などの影響を受けることはない。
しかも、その分離された先行メダルが上記メダル変向通路(P3)内のストッパー(回転羽根)(53)によって、一旦受け止められた後、そのメダル変向通路(P3)の出口部(O)から投出されるようになっているため、遊技媒体として使用されるメダル(C)のサイズ(直径)が変っても、又たとえその小サイズと大サイズとが混在していても、そのメダル(C)の検知位置や投出位置を上記メダル変向通路(P3)に予じめ決められた一定不変の位置として、その先行メダルから順次確実に投出することができ、その投出メダルのカウントも正しく行えるのである。
更に、冒頭の特許文献5(特許第4327245号公報)に基いて言えば、この公知発明の構成ではメダル送出用穴明き回転ディスク(R)の押し進め強制力を受けた積み重なり状態のままにある最先のメダル(C)を、メダルエレベーター(E)の対応的な上端部に設置されているリターンバネ(81)付きの回動レバー(57)によって、そのメダルエレベーター(E)の上端部(出口部)から横方向へ投出すると共に、その回動レバー(57)の動きをメダル検知センサー(フォトインタラプタ)(92)により検知して、その投出メダルをカウントするようになっているため、そのメダル(C)を投出する最先位置とメダル検知(カウント)位置が、使用メダル(C)のサイズ(直径)変化に影響されて、千差万別となる。その変化に応じて、これらの取付位置を精密に調整しなければならない。
この点、本発明では上記基本実施形態の作用説明から確認できるように、メダル(C)をその穴明き回転ディスク(R)の駆動力(押し進め強制力)が及ぶメダルエレベーター(E)の上端部(メダル変向点)(Y)から、メダル変向通路(P3)へ方向変換させると共に落下させて、そのメダル(C)の押し進め強制力並びに連珠繋ぎ状態を一旦解除した後、上記メダル変向通路(P3)を好ましくはメダル投出ユニット(U)として、そこでメダル(C)の投出とその投出メダルの検知(カウント)を行うようになっているため、ホッパー本体(H)からメダル送出シュート(S)を経てメダルエレベーター(E)の上端部(出口部)に至るメダル通路の全体としても、その使用メダルの最大サイズ(先に例示した約26mmの直径)に応じた開口幅の1種を作成すれば足り、その開口幅の異なるメダル通路の交換作業や、まして上記したようなメダル投出位置並びにメダル検知(カウント)位置の面倒な調整作業を行う必要はない。上記メダル変向通路(P3)の位置で回転羽根(53)により行うメダル(C)の投出と、そのメダル検知センサー(55)により行う投出メダルのカウントには、使用メダル(C)のサイズ(直径)変化が一切影響しないからである。
図1〜24に示した基本実施形態では上記メダル変向通路(P3)を、これにメダル受け止め用ストッパー(回転羽根)(53)と上下一対のメダル検知センサー(54)(55)とが予じめ組込み一体化されたメダル投出ユニット(U)として、図1〜3や図14〜22のような正面視のほぼ倒立J字形に屈曲形成した上、その下向きとなる入口部を上記メダルエレベーター(E)の上向く出口部(上端部)へ、連通接続するようになっている。
そのため、その倒立J字形をなすメダル変向通路(P3)自身の最も高いUターン位置がメダル変向点(Y)となって、そこからメダル(C)をメダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)とほぼ平行する真下方向へ、自然に又は自重で極力すばやく落下させることができ、そのメダル変向通路(P3)からのメダル送り出し作用を高速化し得る。
又、先行メダルはそのメダル変向点(Y)から自然に又は自重で落下するようになっているため、その先行メダルを後行メダルから分離させるための物理的なアクチュエーターやその他の作動機構が不要であり、必要機構の簡素化とメンテナンスの容易化などに役立つ。
更に、上記チャンネル溝形鋼板の接続金具(41)又は単純フラットな鋼板の接続金具(52)を互換使用して、メダルエレベーター(E)の上端部(出口部)へ別個なメダル投出ユニット(U)のメダル変向通路(P3)を着脱自在に便利良く接続固定することができ、その際に図2と図24との対比から明白なように、メダル投出ユニット(U)におけるメダル変向通路(P3)の出口部(O)を、右側へのメダル投出方向から左側へのメダル投出方向に又はその逆に、前後(表裏)反転させて取り付け、使い分けることも可能である。
但し、図23と対応する図25の第1変形実施形態に示す如く、上記メダルエレベーター(E)におけるメダル通路(P2)の上端部を横向きの出口部として、そこからメダル通路(P2)と鋭角(γ)に屈曲する斜め下方へのメダル変向通路(P3)を連続的に延長形成するか、又はそのメダル変向通路(P3)も図23と同様なメダルエレベーター(E)と別個独立のメダル投出ユニット(U)として、その横向きとなる入口部を上記メダルエレベーター(E)の横向く出口部(上端部)へ連通接続しても良い。
このような第1変形実施形態の構成を採用するも、メダルエレベーター(E)の上端部(メダル変向点)(Y)に到達した先行メダルは、そのメダル変向点(Y)からメダル変向通路(P3)内へやはり自然に又は自重で落下して、後行メダルから分離されることとなり、その先行メダルと後行メダルとの前後相互間に必らず間隙(L)が発生する。その結果、本発明の所期する効果を達成することができる。
又、図1〜24の基本実施形態と図25の第1変形実施形態ではメダルエレベーター(E)の上端部をメダル変向点(Y)として、そこから逆向く(Uターンする)下方へのメダル変向通路(P3)又は鋭角(γ)に屈曲する斜め下方へのメダル変向通路(P3)を延長し、そのメダル変向点(Y)からメダル変向通路(P3)の内部へメダル(C)を自然に又は自重で落下させるように構成しているが、図23と対応する図26の第2変形実施形態に示す如く、上記メダルエレベーター(E)の上端部(メダル変向点)(Y)からメダル変向通路(P3)を、ほぼ直角(θ)に屈曲する横方向へ延長させると共に、メダルエレベーター(E)を押し進め送出されてきたメダル(C)を、そのメダル変向点(Y)からメダルはじき飛ばし機構(M)によってメダル変向通路(P3)の内部へ、強制的にはじき飛ばすことにより、その飛翔された先行メダルと未だ上記メダルエレベーター(E)の上端部(メダル変向点)(Y)に残存する後行メダルとの前後相互間へ、必らず間隙(L)を発生させることができるように構成しても良い。
上記メダルはじき飛ばし機構(M)はメダルエレベーター(E)の上端部付近へ水平な支軸(65)を介して、回動自在に枢着された回動レバー(66)と、その回動レバー(66)がメダル通路(P2)内へ張り出す先端部に軸支された遊転ローラー(67)と、そのローラー(67)を常時メダル(C)と接触する方向へ弾圧付勢する引張りコイルバネ(リターンバネ)(68)とから成り、メダルエレベーター(E)を押し進められてきたメダル(C)が、その回動レバー(66)のローラー(67)を通過するや否や、引張りコイルバネ(68)の弾圧力を受けて、上記メダル変向点(Y)からメダル変向通路(P3)内へ勢い良くはじき飛ばされ、後行メダルからすばやく分離されるようになっている。
その場合、回動レバー(66)には引張りコイルバネ(68)の弾圧力が付勢されているため、そのメダル(C)のサイズ(直径)に大小変化があっても、これを確実にはじき飛ばし分離することができる。尚、メダル(C)をはじき飛ばす機構(M)に代えて、メダル(C)を速く送る機構(図示省略)などにより、その先行メダルを後行メダルから引き離してもさしつかえない。
更に、図1〜24の基本実施形態と図25、26の第1、2変形実施形態では、上記メダル変向通路(P3)内へ臨むメダル受け止め用ストッパー(53)を、モーター(60)により駆動される回転羽根として、これにより一旦受け止めたメダル(C)を、その受け止めと同時か又はその直後回転羽根(53)の駆動によって、メダル変向通路(P3)の出口部(O)から投出するようになっているが、そのメダル受け止め用ストッパーとしては上記駆動モーター(60)を備えた回転羽根(53)に代えて、図27〜29の第3変形実施形態に示すようなソレノイド(69)への通電又はその停止により、上記メダル変向通路(P3)の中途高さ位置を開閉するランナーであっても良い。
つまり、メダル変向通路(P3)の内部へ張り出すことによって、メダル(C)を一旦受け止めることになるランナー(53)は、ソレノイド(69)に吸着される作動アーム(70)を具備しており、メダル変向通路(P3)に固定されたソレノイド取付ブラケット(71)と、そのランナー(53)の作動アーム(70)との相互間には、上記ランナー(53)を常時メダル変向通路(P3)から退避する方向へ弾圧付勢するリターンバネ(引張りコイルバネ)(72)が掛架されている。
そして、上記ランナー(53)の作動アーム(70)がソレノイド(69)への通電により、図29から図28のように吸着されると、そのランナー(53)はメダル変向通路(P3)の内部へ張り出して、メダル(C)を一旦受け止めることになり、これが逆に図28から図29のように退避すれば、そのメダル(C)はメダル変向通路(P3)を出口部(O)に向かって落下し、その過程にある投出メダルがやはりメダル検知センサー(55)によって検知されるのである。
図1〜24の基本実施形態と図25〜29の第1〜3変形実施形態との何れにあっても、図23と対応する図30の第4変形実施形態に示す如く、メダル送出装置における新設工事後の使用初期やメンテナンス後の使用再開時(上記メダル送出用穴明き回転ディスクを駆動するモーターの始動時)にだけ働くメダル検知センサー(73)を、上記メダルエレベーター(E)の上端部(メダル変向点)(Y)付近へ臨ませるべく、追加設置することが望ましい。
上記使用初期や使用再開時には、ホッパー本体(H)における穴明き回転ディスク(R)からメダル送出シュート(S)のメダル通路(P1)を経て、メダルエレベーター(E)におけるメダル通路(P2)の上端部(メダル変向点)(Y)に至るまで、メダル(C)が連続的な数珠繋ぎ状態に積み重なっておらず、そのメダル(C)の抜け落ちている事態があり得る。
例えばメダル送出装置のメンテナンス時、ホッパー本体(H)のメダル送出シュート(S)から取りはずされたメダルエレベーター(E)には、たとえメダル(C)の抜け落ちを防ぐ逆流防止器(50)が具備されているとしても、その位置から上端部(メダル変向点)(Y)までメダル(C)が完全に充足されているとは限らない。
このようなメダル(C)の欠落がある場合、上記メダルエレベーター(E)の上端部(メダル変向点)(Y)付近に追加設置したメダル検知センサー(73)を働かせて、これによりメダル変向点(Y)まで到達したメダル(C)が有るか否かを検知し、その到達メダル(C)が無い間は、ホッパー本体(H)におけるメダル送出用穴明き回転ディスク(R)を駆動して、これにより上記メダルエレベーター(E)の上端部(メダル変向点)(Y)までメダル(C)を押し進め送出する。
そして、やがてそのメダル変向点(Y)までメダル(C)が到達したならば、そのメダル(C)の有ることを検知した上記センサー(73)の出力信号に基いて、上記穴明き回転ディスク(R)の駆動を停止し、その後は通常(正規)の使用モードに入るのである。
又、図1〜24の上記基本実施形態ではメダル変向通路(P3)内のメダル受け止め用ストッパー(53)よりも上側に位置するメダル検知センサー(54)が、そのストッパー(53)により一旦受け止められたメダル(C)の存在を検知した出力信号に基いて、ホッパー本体(H)におけるメダル送出用穴明き回転ディスク(R)の駆動を停止させるようになっているが、上記メダル検知センサー(54)を第1とし、これと上記メダルエレベーター(E)の上端部(メダル変向点)(Y)との相互間に介在する第2のメダル検知センサー(図示省略)も追加設置して、その第1のメダル検知センサー(54)がメダル(C)の存在を検知したときには、その出力信号に基き上記メダル送出用穴明き回転ディスク(R)の回転速度を低下させると共に、上記第2のメダル検知センサーもそのメダル変向通路(P3)内にあるメダル(C)を検知したときに、その出力信号に基いて上記穴明き回転ディスク(R)の駆動を停止させるように設定しても良い。
尚、図25〜30の第1〜4変形実施形態におけるその他の構成と作用は、図1〜24の基本実施形態と実質的に同一であるため、その図25〜30に図1〜24との同一符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。