以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照しながら説明する。本発明を適用した弾球遊技機の一例として、図1および図2にパチンコ機の正面図および背面図を示しており、まずこれらの図面を参照してパチンコ機PMの全体構成について要約説明する。
パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成された開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に配設されたヒンジ機構3,3により前方に横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉止状態に保持される。
前枠2の表側(前面側)上部には、ガラス扉5が前方に横開き開閉および着脱可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉止状態に保持される。ガラス扉5の背後に位置する前枠上部には、遊技盤20を着脱可能に収容する収容枠が設けられており、この収容枠に立設姿勢で係止保持された遊技盤20がガラス扉5を通して視認されるようになっている。
遊技盤20は、所定板厚の積層合板の表面にセルを貼り付けてルーター加工した化粧板21を基板とし、前面側に遊技球をガイドする案内レール22が設けられて略円形の遊技領域PAが区画形成される。遊技領域PAには、多数本の遊技釘とともに風車や各種の入賞具23,24,25、遊技の展開状況に応じた図柄を表示させる図柄表示装置27、LEDや表示ランプなどの遊技構成部品が取り付けられ、遊技領域PAの下端部にアウト口28が形成されている。化粧板21の裏面側には中央部に図柄表示装置27の作動や各種ランプの作動、効果音等の作動制御を行う図柄・音声制御装置87が取り付けられ、その周囲には各入賞具に落入して化粧板21の裏面側に導かれたセーフ球、およびアウト口28を通って化粧板21の裏面側に導かれたアウト球(これらをまとめて「遊技済み球」という)を、化粧板21の背面に沿って裏セット盤30の遊技済み球排出通路に導く球寄せカバー29が取り付けられている。
前枠2の前面下部には、遊技補助盤と称される補助機構部が設けられるとともに、その前方に球皿ユニット6が前方に横開き開閉および着脱可能に取り付けられ、正面右側に設けられた球皿施錠装置を利用して遊技補助盤の前面を覆う閉止状態に保持される。遊技補助盤には球皿ユニット6から送り出された遊技球を遊技盤20に向けて発射する遊技球発射装置、遊技の展開状況に応じた効果音を発生させるスピーカなどが設けられ、その前方を覆う球皿ユニット6の下部右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル8が取り付けられている。
一方、前枠2の裏面側には、裏セット盤30が遊技盤20の背後を覆って着脱可能に取り付けられている。裏セット盤30は、中央部に遊技盤20の図柄・音声制御装置87を受容する窓口32を有して外枠1の内寸サイズよりも幾分小さめの方形枠状に形成された基枠体31をベースとして構成される。基枠体31は、表裏に遊技済み球排出通路や球払出制御機構の球通路、球抜き通路等が立体的に形成された前後二層構造になっており、基枠体31を前後に仕切る支持面の前面側に主として遊技盤20から排出された遊技済み球を集合させて遊技島の回収装置に導く遊技済み球排出通路および球抜き通路が、支持面の後面側に主として遊技球を払い出す球払出制御機構が形成されている。
また基枠体31の背面各部には、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御装置(81、図2では主制御装置を取り外した状態で示している)、遊技球の払い出し作動を制御する球払出制御装置82、各制御装置や電子部品に電力を供給する電源ユニット84、遊技施設側と信号や電力の入出力を行うターミナル基板85等の各種制御装置や回路基板、球払出装置53等の電子部品が取り付けられ、これらが図示しないコネクタケーブルで接続されてパチンコ機PMが作動可能に構成される。
パチンコ機PMは、球皿ユニット6およびガラス扉5が閉止施錠された状態で遊技に供され、球皿ユニット6の球受け皿に遊技球を貯留させて発射ハンドル8を回動操作することで遊技が開始される。発射ハンドル8が回動操作されると、球受け皿に貯留された遊技球が球皿ユニット6の背面側に装着された球送り装置によって1球ずつ遊技球発射装置に送り出され、遊技球発射装置のハンマーにより遊技領域PAに発射されてパチンコゲームが展開される。
さて、このように概要構成されるパチンコ機PMにあって、遊技領域PAに発射された遊技球が各入賞具に落入したときの遊技球の払い出し処理について、球払出制御機構のブロック図を示す図8を併せて参照しながらもう少し詳しく説明する。遊技盤20に設けられる入賞具には、その外観意匠や入賞時の動作を含めて種々の形態のものがあり、ゲージ設定に応じてどのような形態の入賞具を用いるものであってもよいが、例えば図1に例示した遊技盤20では、一般入賞具23、始動入賞具24、アタッカー装置25の3種類の入賞具を設けた例を示している。
一般入賞具23は、遊技球が落入可能な入賞口を有する固定入賞具であり、入賞口の内部に遊技球を検出する入賞検出センサ23sが取り付けられている。一般入賞具23の後部には落入したセーフ球を化粧板21の裏面側に導くセーフ球誘導路が設けられており、一般入賞具23に落入したセーフ球は入賞検出センサ23sに検出され、セーフ球誘導路および球寄せカバー29を通って基枠体31前面側の遊技済み球排出通路に受け止められ、この球排出通路を流下して遊技島の回収装置に排出される。
始動入賞具24は、一般入賞具23と同様の固定入賞具を用いた例を示し、入賞口の内部に遊技球を検出する入賞検出センサ24sが取り付けられている。始動入賞具24の後部には落入したセーフ球を化粧板21の裏面側に導くセーフ球誘導路が設けられており、始動入賞具24に落入したセーフ球が入賞検出センサ24sに検出され、セーフ球誘導路、球寄せカバー29、遊技済み球排出通路を流下して遊技島の回収装置に排出される。
アタッカー装置25は、いわゆるアタッカー型の可動入賞具であり、横長方形状の大入賞口を覆う開閉扉が開閉可能に取り付けられている。開閉扉は通常閉止されており、遊技中における所定の入賞条件の下で特別遊技状態が成立したときに、開閉扉の上部が前方にほぼ90度倒されて大入賞口が開放される。大入賞口の内部には左右二つの領域開口が設けられて各々に入賞検出センサ25s,25tが設けられるとともに、アタッカー装置25の後側に上記二つの領域開口に繋がって化粧板21を貫通する二つのセーフ球誘導路が設けられており、大入賞口に落入したセーフ球はいずれかの領域開口を通って入賞検出センサ25s,25tに検出され、セーフ球誘導路、球寄せカバー29、遊技済み球排出通路を流下して遊技島の回収装置に排出される。
入賞検出センサ23s,24s,25s,25tの検出信号は主制御装置81に入力されており、主制御装置81は入力された検出信号に基づいてパチンコ機PMの作動を制御する。例えば、始動入賞具24に遊技球が落入し入賞検出センサ24sから入賞検出信号が出力されると、主制御装置81は入力信号から、遊技球が入賞具に落入したこと、および入賞した入賞具が始動入賞具24であることを検知し、この入賞条件に応じた遊技プログラムを呼び出して実行する。具体的には、主制御装置内で図柄の組み合わせ抽選を行うとともに、図柄・音声制御装置87に抽選結果を出力して図柄表示装置27に表示される図柄を変動および停止制御させ、停止図柄の組み合わせに応じた作動、例えば各種ランプの点滅表示やスピーカによる効果音の発生等を行わせる。また球払出制御装置82に入賞条件に応じた払出指令信号を出力して球払出装置53を作動させ遊技球の払い出し作動を行わせる。
遊技盤20の背後に位置する裏セット盤30に、遊技球の払い出し処理を行う球払出制御機構が設けられている。球払出制御機構を含む裏セット盤の右枠杆(基枠体31における窓口右側の枠杆部)33部分の背面図を図3に示す。なお、遊技球の払い出しに関する主要機構部は、前後二層構造を有する基枠体31の裏面側に設けられており、背面図を主として参照しながら説明するため、以降では図2および図3に示す背面図における左右方向を左方または右方と称し、紙面直交方向の向こう側(パチンコ機前面側)を前方、手前側(同裏面側)を後方と称して説明する。
球払出制御機構は、基枠体31の左上部に取り付けられて遊技球を貯留する球貯留タンク41、基枠体31における右枠杆33の下部に取り付けられて遊技球の払出を行う球払出装置53、球貯留タンク41と球払出装置53との間を結んで設けられ球貯留タンク41に貯留された遊技球を整列させて球払出装置53に導く案内通路、球払出装置53の下方に設けられて球払出装置から払い出された遊技球を球皿ユニット6の球受け皿に導く球払出通路60、基枠体31の背面下部に取り付けられて球払出装置53の作動を制御する球払出制御装置82、および案内通路に設けられてこの球通路を流下する遊技球を整流し、また払出作動の起動時に球払出装置53に作用する遊技球の圧力を軽減させる受圧制御ユニット100などから構成される。
球貯留タンク41は、上面開放の箱状態をなし、タンク内部に500〜800個程度の遊技球を貯留可能になっている。球貯留タンク41の底面は緩く左傾および前傾して形成され左前方には上下連通する開口部が形成されて下方の案内通路に繋がっている。案内通路は、球貯留タンク41から供給された遊技球を流下させる過程で整列させる整列通路と、整列通路から供給された遊技球を受けて下方の球払出装置53に導く待機通路とからなり、整列通路は球貯留タンクの直下に取り付けられたタンクレール42に、待機通路は右枠杆33に取り付けられた待機通路形成部材52の前後に形成される。
タンクレール42は、窓口32上方の基枠体31にねじ止めされた取付姿勢において前後の壁面に囲まれた樋状体をなし、底面には右方に向けて高さが高くなるリブ状の仕切壁が立設され、この仕切壁の前後に各一列(前後二列)の整列通路42a,42bが形成される(図5を参照)。タンクレール42は左上方の球貯留タンク41側から右下方の待機通路側に向けて約4度の傾斜角で取り付けられるとともに、通路中間部には上下方向に積み重なった遊技球を平らに均す球均し具44が垂設されており、球貯留タンク41から供給された遊技球が傾斜下流に向けて流下する過程で整列され、右枠杆33の上部では前後二列の整列通路42a,42bに整列された状態て待機通路側に流下される。
整列通路42a,42bの下流部には、前後の通路位置に合わせた鉤状のフック部を有する上部球止め部材45が揺動可能に枢支されており、上部球止め部材45を反時計廻りに揺動させてフック部を整列通路42a,42bに突出させることで遊技球を堰き止め、フック部よりも上流側に位置する遊技球の流下を規制できるようになっている。タンクレール42の傾斜端部すなわち整列通路42a,42bの終端部は下方に滑らかに屈曲され、下端に開口する偏向出口42eで待機通路と繋がっている。
右枠杆33には、偏向出口42eから送り出された遊技球を受けて待機通路52a,52bに整列状態で待機させる待機通路形成部材52と、この待機通路形成部材52の下側に取り付けられて待機通路に待機された遊技球を所定の払出条件に基づいて払い出す球払出装置53、および右枠杆33に支持された待機通路形成部材52の後方を覆って取り付けられ待機通路形成部材52の前後面に上記二列の待機通路を形成させる蓋部材58などが取り付けられる。
待機通路形成部材52は、中間に形成された仕切壁52w(図4を参照)と、この仕切壁52wを挟む前後面に遊技球の球径よりも幾分大きめの間隔をおいて左右平行に立設された通路壁52L,52Rとを有し、仕切壁52wの前後に通路壁52L,52Rで囲まれた凹状の通路溝が形成されている。前後の通路溝は上下に鉛直に延びる鉛直部と、その下方にS字状に屈強された屈曲部とからなり、球詰まりが生じない確実な球流れと、遊技球の自重による球圧が下流側で過大な圧力にならないように抑制する球圧抑制とを考慮した形態になっている。待機通路形成部材52は通路溝の清掃容易化等のため基枠体31と別体に構成されており、右枠杆33に立設された支持支柱35に嵌挿して支持させ、後方から蓋部材58をねじ固定することにより右枠杆33に固定される。
待機通路形成部材52が右枠杆33に固定されると、前後の通路溝の開放部が前方の右枠杆33の支持面と後方の蓋部材58とに覆われて前後二列の待機通路52a,52bが形成される。待機通路形成部材52の下端部は球払出装置53の受容口と位置整合して形成され、偏向出口42eから導入された遊技球を前後二列の整列状態で球払出装置53に導くとともに、球払出装置53の作動停止時に遊技球を待機通路52a,52bに整列状態で待機させる。
球払出装置53は、上部中央に前後の待機通路52a,52bと連絡して遊技球を受容する受容口53a,53b、下部の左右に遊技球を払い出す球出口53c,53dが形成されるとともに、ケース内部には前後二段のインペラを有する球送り回転体53rと、球送り回転体53rを回転させる球払出モータ53mとが設けられている。球送り回転体53rの前列側および後列側の各インペラには、それぞれ遊技球を受容するU溝状の球受容部が120度間隔で三カ所設けられるとともに、前後のインペラはそれぞれ球受容部の角度位置が60度オフセットして形成されている。このため、受容口53a,53bから供給された遊技球は、球送り回転体53rの回動に伴って前後のインペラの球受容部に交互に受け入れられ、球受容部の回動により右または左のカセット内通路に1個ずつ移動されて左右いずれかの球出口53c,53dから払い出される。
ここで、図示する実施形態では、左右の球出口53c,53dのうち、右側の球出口を「球払出口」、左側の球出口を「球排出口」に設定した構成例を示しており、球払出口53dの下方には球皿ユニット6の球受け皿に繋がる球払出通路60、球排出口53cの下方には基枠体31の前面側に形成された遊技済み球排出通路と合流する球抜き通路が形成されている。球払出口53dに繋がるカセット内通路には、遊技球の通過を検出して球払出通路60に払い出された遊技球の実数をカウントするための球計数センサ54が設けられその検出信号が球払出制御装置82に入力されている。
球払出制御装置82には、主制御装置81から遊技盤20における入賞条件に応じた払出指令信号が入力されており、球払出制御装置82は主制御装置81から入力された払出指令信号に応じたモータ駆動信号を球払出装置53に出力し、球払出装置53は入力されたモータ駆動信号に基づいて球払出モータ53mを作動させ、球送り回転体53rを時計廻りに所要の回転角度分だけ回転させて、モータ駆動信号に対応する数量の遊技球を球払出口53dから球払出通路60に払い出す。
また、プリペイドカードユニットが接続されたいわゆるCR機では、球皿ユニット6の前面側に球貸要求ボタンを有するCR操作パネル92が設けられてその出力信号が球払出制御装置82に入力されており、球払出制御装置82は、CR操作パネル92から入力された球貸要求信号に応じたモータ駆動信号を球払出装置53に出力し、球払出装置53は入力されたモータ駆動信号に基づいて球払出モータ53mを作動させ、球送り回転体53rを時計廻りに所要の回転角度分だけ回転させ、モータ駆動信号に対応する数量の遊技球を球払出口53dから球払出通路60に払い出す。
球払出口53dから払い出される遊技球は、途中のカセット内通路で球計数センサ54により通過が検出され、球払出制御装置82は球計数センサ54から入力された検出信号に基づいて払い出された遊技球の数量をカウントして目標数量と比較し、球払出装置53の作動を制御する。これにより、主制御装置81から入力される払出指令信号やCR操作パネル92から入力される球貸要求信号に対応した数量の遊技球が球払出通路60に払い出され、球払出通路60を転動流下して球皿ユニット6の球受け皿に払い出される。
さて、このように構成される払い出し機構における待機通路52a,52bの中間部に受圧制御ユニット100が設けられている。以下図4〜図11の各図を併せて参照しながら、まず受圧制御ユニット100の構成および作用について詳細に説明する。なお、図4は受圧制御ユニット100を斜め後方から見た分解斜視図、図5は図3中のV〜矢視の側断面図、図6および図7はそれぞれ図3中のVI〜矢視およびVII〜矢視の平断面図、また図8は球払出制御機構の制御形態を主として示すブロック図、図9は球払出制御機構におけるソレノイドと球払出モータの駆動タイミングを示すタイミングチャート、図10は規制状態における遊技球の係止状況を示す背面図、図11は球止め部材により球止め状態にしたときの受圧制御ユニット100の背面図である。
受圧制御ユニット100は、大別的には、待機通路52a,52bを流下する遊技球の圧力により各々回転可能に設けられた球受け回転体120a,120bと、これらの球受け回転体120a,120bの回転を規制する規制状態と規制を解除する解除状態とに変移可能に配設された回転規制部材130a,130bと、球払出制御装置82からの指令信号に基づいて回転規制部材を規制状態に変移させる規制部材駆動機構140とを主体として構成され、本実施形態では、回転規制部材130a,130bを人為的に規制状態に変位させて球止め状態にする球止め部材150a,150bを付設した構成例を示す。
なお以降の説明では、球受け回転体120a,120b、回転規制部材130a,130b、球止め部材150a,150b、回転体枢支軸125a,125bなどのように、前後の待機通路52a,52bに対応して各列に設けられた部材を総称して説明するときには、煩雑な表記を避けるため、球受け回転体120、回転規制部材130、球止め部材150、回転体枢支軸125のように、前後列を表す添え字「a」,「b」を省略して記載する。
球受け回転体120(120a,120b)は、待機通路形成部材52に形成された回転体枢支軸125の軸径よりもわずかに大きめの内径を有して前後に貫通形成された軸孔121と、この軸孔を軸心とする回転盤の外周部に複数の受圧爪が形成された爪車部122と、外周面に受圧爪の形成ピッチよりも細かいピッチで凹凸が形成されたピニオン部123などからなり、同一形状の球受け回転体が仕切壁53wを挟む前後の待機通路に対応して2個対向して用いられる。
爪車部122は、遊技球の球径の1/3程度の厚さを有する回転盤の外周部に、待機通路内に連接された遊技球の配設ピッチに合わせた角度ピッチで山形の受圧爪122tが複数形成されるとともに、隣接する受圧爪122t,122tの間には球半径より幾分大きめの半径で円弧状の球受け溝122uが形成されている。ピニオン部123は爪車部122と前後に並んで爪車部よりも小径に形成されており、円筒外周面に軸方向に延びる細かい鋸歯状の凹凸が多数形成されて平目ローレットないし平歯車状に形成されている。球受け回転体120は、例えば超高分子ポリエチレンやポリアセタール樹脂などの低摩擦係数の樹脂材料を用い、射出成型等の成形手段により各一体に成型される。
回転規制部材130(130a,130b)は、待機通路形成部材52に形成された規制部材枢支軸135の軸径よりもわずかに大きめの内径を有して前後方向に形成された円筒状のボス部131と、それぞれ補強用のリブを有してボス部131から軸直交の水平方向に延びる規制アーム部132、および下方に延びるロックアーム部134などからなり、規制アーム部132の先端側下面には球受け回転体のピニオン部123と噛合し得る細かい鋸歯形状のラック部133が形成されている。回転規制部材130は、仕切壁53wを挟んで前後対称形状に形成され、例えばガラス繊維または炭素繊維を添加して靱性を強化したABS樹脂やナイロン樹脂などの樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段により各一体に成型される。なおラック部133またはピニオン部123の少なくとも一方をゴム弾性を有する高分子材料で形成し、各部の母体となる回転規制部材130または球受け回転体120に接着等により接合して、弾性的に噛合あるいは摺接するように構成してもよい。
規制部材駆動機構140は、球払出制御装置82からの指令信号により駆動が制御されるソレノイド141、ソレノイド141のプッシュロッド先端に取り付けられた駆動伝達具142を主体として構成される。
ソレノイド141は、金属製のケース141cと、ケース内に収められた駆動コイル、駆動コイルの空芯部に上下にスライド変位可能に支持されたプランジャ141d、プランジャ141dの外周部に装着されたリターンスプリング141e、空芯部内でプランジャの下端部に固着されケース141cから下方に突出して上下にスライド変位可能に支持されたプッシュロッド141fなどからなり、駆動コイルにソレノイド駆動信号を印加したときにプランジャ141dが吸引されてプッシュロッド141fが下方に突出作動され、ソレノイド駆動信号をOFFにしたときにリターンスプリング141eのバネ力によりプランジャ141dが引き上げられてプッシュロッド141fが基準位置に戻るスプリングリターン式の直動型電磁ソレノイドである。駆動コイルの信号線は球払出制御装置82に接続され、ソレノイド141は球払出制御装置82によって作動が制御される。
駆動伝達具142は、前後の回転規制部材130の規制アーム部132をともに押圧し得る前後方向幅を有して平面視矩形のブロック状をなし、下面は規制アーム部132と滑らかに係合するように円弧状に形成されている。駆動伝達具142は、例えばポリアセタール樹脂やABS樹脂などの樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段で一体に形成され、あるいはアルミ合金などの金属材料を用いてダイキャスト等の成型方法により一体に形成され、プッシュロッド141fの下端に圧入もしくは嵌着することでソレノイド141と一体化される。
球止め部材150(150a,150b)は、厚肉円盤状のボス部151と、このボス部151から軸直交方向に延びるギヤアーム部152、および部と所定角度をもって軸直交方向に延びるロックカム部154などから構成される。
ボス部151には、待機通路形成部材52に形成された球止め部材軸受部155の外径よりもわずかに大きめの内径を有する受容穴と、軸外周の一面が面取りされた球止め操作軸156の断面形状と同一形状でわずかに小さめの嵌着孔とが同一軸上の前後に形成され、嵌着孔には止めネジ157を螺着するネジ孔が軸直交方向にボス部151を貫通して形成されている。またギヤアーム部152の先端外周面には、球受け回転体のピニオン部123と噛合し得る細かい鋸歯形状のギヤ部153が形成され、ロックカム部154の先端外周面は回転規制部材のロックアーム部134と滑らかに係合するように緩やかな円弧状に形成されている。球止め部材150は、仕切壁53wを挟んで前後対称形状に形成され、例えばポリアセタール樹脂やABS樹脂などの樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段により各一体に成型される。球止め操作軸156は六角孔付きボルトを利用して形成した構成例を示し、軸外周の一面を前後にわたり面取りして球止め部材150に回転トルクを伝達可能に形成されている。
一方、待機通路形成部材52には、中空円筒状の回転体枢支軸125、規制部材枢支軸135、球止め部材軸受部155、細い軸状のストッパピン158がそれぞれ仕切壁52wから前後に突出して形成され、回転体枢支軸125と隣接する通路壁52Lには受圧爪122tを待機通路に挿通させる受圧爪挿通部126が形成されている。
回転体枢支軸125(125a,125b)は、待機通路における鉛直部の下部に位置して、球受け回転体の軸孔121の内径よりもわずかに小さめの外径で形成され、球受け回転体120を軸回りに回転自在に支持するように構成されている。軸の中心にはネジを挿通させるネジ挿通孔が前後の回転体枢支軸125a,125bを貫通して形成されており、蓋部材58の背面側から蓋固定ネジを挿入し、前後の回転体枢支軸125を挿通させて右枠杆33のネジ孔に締め込むことで蓋部材58の略中央部を固定可能になっている。
受圧爪挿通部126(126a,126b)は、回転体枢支軸125と隣接する左通路壁52Lに、爪車部122の前後方向幅および受圧爪122tの回転軌跡を基準として切り欠き形成されており、前後の球受け回転体120a,120bをそれぞれ回転体枢支軸125a,125bに支持させた状態で、各球受け回転体の受圧爪122t,122tが待機通路52a,52bに突出して配設され、待機通路を流下する遊技球の圧力を受けて各々独立して回転し得るようになっている。
規制部材枢支軸135(135a,135b)は、回転体枢支軸125の側方に位置して回転規制部材のボス部131の内径よりもわずかに小さめの外径で形成され、回転規制部材130を軸回りに揺動自在に支持するように構成されている。また回転体枢支軸125との相対位置関係では、前後の球受け回転体120を各回転体枢支軸125に緩挿支持させ、規制部材枢支軸135に回転規制部材130を緩挿支持させた状態で、規制アーム部132を上下に揺動したときに、アーム先端のラック部133が球受け回転体のピニオン部123と係脱自在に係合するように設定されている。
球止め部材軸受部155(155a(不図示),155b)は、回転体枢支軸125および規制部材枢支軸135の下方に位置して短円筒状に形成されている。球止め部材軸受部155の内径は球止め操作軸156の軸径よりもわずかに大きめに、外径はボス部151の受容穴の内径よりもわずかに小さめに形成されており、球止め部材軸受部155に受容穴を係合させて球止め操作軸156を嵌挿したときに、球止め部材軸受部155の内径側で球止め操作軸156を回動自在に支持し、球止め部材軸受部155の外径側で前後の球止め部材のボス部151を回動自在に支持して、球止め部材150を球止め操作軸156の軸回りに回動可能に支持するようになっている。
回転体枢支軸125および規制部材枢支軸135に対する球止め部材軸受部155の相対的な位置関係では、球受け回転体120および回転規制部材130をそれぞれの枢支軸125,135に緩挿支持させ、球止め部材150および球止め操作軸156を球止め部材軸受部155に緩挿支持させた状態で、球止め部材150を時計廻り・反時計廻りに回動したときに、球止め部材のロックカム部154が回転規制部材のロックアーム部134と係脱するとともに、ギヤアーム部先端のギヤ部153が回転規制部材のピニオン部123と係脱するように設定されている。
ここで、ロックカム部154の先端の外周面は、ロックアーム部134の係合面と滑らかに係合するように円弧状に形成されるとともに、図11に示すように、先端面の揺動軌跡がロックアーム部134の係合面よりもアーム内部になるように形成されている。このため、ロックカム部154の上端部をロックアーム部134の係合面に接触させた状態からさらに球止め部材150を時計廻りに回動したときに、ロックアーム部134を押圧して規制アーム部先端のラック部133をピニオン部123に押し付けて噛合させるとともに、規制アーム部132およびロックアーム部134が弾性変形してラック部133の押し付け力を生じさせ、この押し付け力が最大となる角度(すなわちロックアーム部134の延びる方向とロックカム部154の延びる方向とが直交する角度)をわずかに越えた角度位置でギヤアーム部152がストッパピン158(158a,158b)に当接して、球止め部材150の回動が規制されるように構成されている。
また待機通路形成部材52の上部に、規制部材駆動機構140のソレノイド141を支持するソレノイド支持部145が形成されている。ソレノイド支持部145は、仕切壁52wの上部をソレノイドのケース141cの外形寸法、およびプランジャ141d並びに駆動伝達具142の移動範囲に合わせて切り欠くとともに、ソレノイドのケース141cを左右から挟み込んで支持する支持壁が切り欠き部の開口縁部に前後に突出して形成され、窓口側(背面視左側)の支持壁には、ケース141cに設けられたネジ孔との整合位置に固定ネジ148を挿通させるネジ受容スリット145sが形成されている。待機通路形成部材52の下部には第2球抜きスイッチ162を装着するスイッチ取着部が形成され、待機通路形成部材52の四隅には、右枠杆33の支持支柱35と嵌合し得る円環状の位置決め座52eおよび蓋部材58を支持する支持カラーが仕切壁52wの前後に形成されて、その中心にネジを挿通させるネジ挿通孔が形成されている。
以上のように構成される球受け回転体120、回転規制部材130、ソレノイド141、および球止め部材150などを、ベースとなる待機通路形成部材52の対応各部に組付けることで、受圧制御ユニット100の主要機構部が待機通路形成部材52に一体的に部分組立される。
すなわち、球受け回転体120を回転体枢支軸125に緩挿して回転自在に支持させ、回転規制部材130を規制部材枢支軸135に緩挿して揺動自在に支持させ、前後の球止め部材150を球止め部材軸受部155に緩挿支持させた状態で球止め操作軸156をボス部151に嵌入して回動可能に支持させたうえ止めネジ157を螺着して固定する。また駆動伝達具142が一体化されたソレノイド141をソレノイド支持部145に緩挿し固定ネジ148をケース側面のネジ孔に螺合締結して固定し、第2球抜きスイッチ162をスイッチ取着部に挿入して嵌着する(図12を参照)。
そして、このように部分組立されたユニット組立体を右枠杆33に組付けて、その後方から蓋部材58をネジ固定する。右枠杆33には、待機通路形成部材52の四隅に設けられた位置決め座52eと位置整合して中空円筒状の支持支柱35が支持面から後方に突出して形成されており、位置決め座52eを嵌合させて待機通路形成部材52を位置決め可能に、また支持支柱35の中心部にネジを螺合させて締結可能になっている。右枠杆33の支持面の中央各部には、このようにして位置決めされた待機通路形成部材52の前列側の回転体枢支軸125a、規制部材枢支軸135a、球止め操作軸156の各先端部を受容する受け座が形成されている。
蓋部材58の四隅には、位置決め座52eと整合して中空円筒状のネジ支柱58eが形成され、中央各部には後列側の回転体枢支軸125b、規制部材枢支軸135bの先端部を受容する受け座が形成されるとともに、球止め操作軸156の頭部を挿通させる球止め操作孔および第2球抜きスイッチ162の操作ボタンを裏セット盤の後方から操作可能に配設するスイッチ操作孔が形成されている。また蓋部材58は透明(色つき透明)の樹脂材料を射出成型して形成されており、受圧制御ユニット100の状態や待機通路を流下する遊技球の様子をパチンコ機の背面側から視認可能に構成されている。
そこで、待機通路形成部材52の四隅の位置決め座52eを各支持支柱35に嵌合させると、待機通路部材52が右枠杆33に位置決めされるとともに、前列側の回転体枢支軸125a、規制部材枢支軸135a、球止め操作軸156の先端部が受け座に受容されて球受け回転体120a、回転規制部材130a、球止め部材150aが右枠杆33の支持面と仕切壁52wとの間に変位可能に挟持される。また、その後方から蓋部材58を覆い被せて各受け座に後列側の回転体枢支軸125b、規制部材枢支軸135bを受容させると、後列側の球受け回転体120b、回転規制部材130b、球止め部材150bが仕切壁52wと蓋部材58との間に変位可能に挟持される。そして蓋部材58の後方から四隅のネジ支柱58eおよび位置決め座52eに固定ネジを挿通させて支持支柱35に螺合締結するとともに、ソレノイド141の信号線および第2球抜きスイッチ162の信号線を球払出制御装置82に接続することで受圧制御ユニット100が形成され、その作動が球払出制御装置82によって制御される。
受圧制御ユニット100に対する制御信号がOFFの状態、より具体的にはソレノイド141に対する駆動信号(ソレノイド駆動信号)がOFFの状態では、プランジャ外周部に装着されたリターンスプリング141eのバネ力によりプッシュロッド141fが駆動コイル内に収容され、駆動伝達具142がソレノイドのケース141c下面に当接した基準位置に配設される。このとき回転規制部材130は、規制アーム部132とロックアーム部134との重量バランスにより、規制アーム部先端のラック部133が球受け回転体のピニオン部123の直上にわずかに離れた状態で配設される。
このため、前後の球受け回転体120a,120bは回転規制部材130a,130bから規制力を受けることなく各々自由に回転し得る解除状態とされ、待機通路52a,52bを流下する遊技球は、各球受け回転体120a,120bを時計廻りに回転させながら球払出装置53に向けて流下する。なお、例えばロックアーム部134の下端に金属製の重りを嵌着してラック部133がピニオン部123から一定量浮き上がった状態となるように構成し、あるいは捻りバネやコイルバネ等を用いて強制的に離れた状態となるように構成してもよい。
従って、図3に示す解除状態Pfでは、上流側に貯留された遊技球から作用する圧力が下流側に停留する遊技球に伝達され、待機通路を流下する遊技球は規制を受けずに球払出装置53に向けてそのまま流下する。球払出制御機構では、遊技球の払い出しが開始される以前においては、球受け回転体120の回転を規制することなく、待機通路を流下する遊技球の圧力により球受け回転体120が回転することを許容する解除状態Pfに設定されている。
一方、球払出制御機構では遊技球の払い出しが開始されるときに、球払出モータ53mの回転起動に先立って規制部材駆動機構140を作動させ、球受け回転体120の回転を規制する。以下では、図8に示した球払出制御機構における制御構成のブロック図、および図9に示したソレノイド141と球払出モータ53mのタイミングチャートを参照しながら球払出制御機構の作動を中心に説明する。なお図9における(a)(b)(c)の各図は遊技盤20における入賞条件やCR操作パネル92の球貸要求ボタンによる球貸しなど、払出条件が相違する場合の制御タイミングを例示したものである。
主制御装置81には、各入賞具の入賞検出センサ23s,24s,25s,25tから検出信号が入力されており、主制御装置81は各入賞検出センサから入賞検出信号が入力されたときに、当該入賞検出信号から入賞条件を判断し入賞条件に基づいた払出指令信号を球払出制御装置82に出力する。
例えば、入賞検出信号が一般入賞具23の入賞検出センサ23sまたは始動入賞具24の入賞検出センサ24sから入力されたときには、主制御装置81は、これらの入賞具23,24に入賞したときの払出数量が少数個(例えば7個)に該当することを内部メモリーに設定記憶されたテーブルから判断し、当該少数個に対応した払出指令信号C1を球払出制御装置82に出力する。また入賞検出信号がアタッカー装置25の入賞検出センサ25s,25tから入力されたときには、主制御装置81は大入賞口に入賞したときの払出数量が多数個(例えば13個)に該当することを同様に判断し、多数個に対応した払出指令信号C2を球払出制御装置82に出力する。
球払出制御装置82には、主制御装置81から入力される上記払出指令信号C1,C2に加えて、CR操作パネル92から球貸要求信号C3が入力されている。球貸しは一般に25個を単位として行われており、球貸要求信号はこの25個の払い出しを要求する信号である。
球払出制御装置82にこれらの信号が入力されると、球払出制御装置82は受圧制御ユニット100および球払出装置53にそれぞれ駆動信号を出力し、遊技球の払い出しを行わせる。ここで、球払出制御装置82に入力された払出指令信号C1,C2および球貸要求信号C3は、それぞれ異なる個数の払い出しを求める信号である。そこで球払出制御装置82は、装置内部の球払出制御部において、入力された払出指令信号等C1,C2,C3から球払出モータの回転方向および払い出すべき遊技球の払出数量(払出条件)を判断する。そして球払出モータ駆動制御部において払出条件に応じたモータ駆動信号M1,M2,M3を生成し、球払出装置53の球払出モータ53mに出力して球払出装置53の作動を制御する。またソレノイド駆動制御部において払出条件に応じたソレノイド駆動信号S1,S2,S3を生成し、規制部材駆動機構140のソレノイド141に出力して受圧制御ユニット100の作動を同期制御する。
図9(1)(2)(3)に、それぞれ球払出数量が少数個(1)、多数個(2)、球貸し(3)の払出条件で、それぞれ複数回連続動作させたとき(複数の払出指令信号等が蓄積されて連続払出状態のとき)のモータ駆動信号M1,M2,M3と、ソレノイド駆動信号S1,S2,S3との関係をタイミングチャートで示すように、ソレノイド駆動信号S(S1,S2,S3)はモータ駆動信号M(M1,M2,M3)と同期して、モータ駆動信号Mが出力される直前(換言すれば球払出モータ53mの回転起動前)にONになり、モータ駆動信号Mが出力されて所定時間経過後(球払出モータ53mの回転起動後)にOFFになるパルス状の駆動信号である。
すなわちソレノイド駆動信号SがONされる時点では、球払出モータ53mは未だ回動しておらず、整列通路42a,42bおよび待機通路52a,52bには、遊技球が前後二列に整列されて上流の球貯留タンク41から下流の球払出装置53まで密に繋がった状態で停留されている。
ソレノイド駆動信号SがONになると、ソレノイド141のプランジャ141dがリターンスプリング141eのバネ力に抗してケース内に引き込まれ、プッシュロッド141fが下方に押し出されて駆動伝達具142を下動させる。下動した駆動伝達具142は前後の回転規制部材の規制アーム部132,132を押圧し、アーム先端のラック部133,133を各球受け回転体のピニオン部123,123に押し付けさせる。
ここで、ラック部133およびピニオン部123は相互に噛合可能な鋸歯状に形成され、且つその形成ピッチは爪車部122の受圧爪122tの形成ピッチよりも小さく設定されている。このため、ソレノイド141のON作動によりラック部133がピニオン部123に押し付けられると、ラック部133とピニオン部123とが直ちに噛合して球受け回転体120の回転を規制し、球受け回転体120は受圧爪122tの回転角度位置に拘わらず、ピニオン部123の形成ピッチに応じた直近の角度位置で係止される(図10を参照)。
従って、球払出装置53における球送り回転体53rのインペラ構成により、前列側の待機通路52aと後列側の待機通路52bとで遊技球の位置がずれて整列されていても、あるいは通路内に停留された遊技球の整列状態の差異により遊技球の位置が変化したとしても、前後の球受け回転体120a,120bをピニオン部123,123の微細な角度ピッチで共に確実に係止可能になっている。
このようにして前後の球受け回転体120a,120bが当該回転角度位置で回転規制されると、そのとき球受け溝122u,122uに受容されていた遊技球は、当該球受け溝の下流側の受圧爪122t,122tに流下を規制され、上流側に貯留された遊技球から作用する圧力が各列の球受け回転体120a,120bに受け止められた状態で係止される。このように、球受け回転体120の回転を規制して上流側に貯留された遊技球から作用する圧力を受圧爪122tで受け止めた状態を規制状態Prという。
なお、このときソレノイド141には、ケース141cを持ち上げる方向に反力が作用するが、ソレノイド支持部145がケースを取り囲むように形成されているため、ソレノイド141の固定ネジ148が緩んだり、ソレノイド141が上動されてしまうようなことがない。また直動型ソレノイドの実動ストロークはプランジャの移動位置における発生推力と反力とが釣り合う平衡点で規定され、ソレノイド141の発生推力と回転規制部材130からの反力とがバランスした状態で保持される。さらに回転規制部材130の規制アーム部132が樹脂製で細長く形成されているため、ラック部133をピニオン部123に噛合させて球受け回転体120の回転を確実に規制しつつ、ソレノイド141の押圧力に応じて弾性変形し得るようになっている。このため、受圧制御ユニットを構成する一部の部材に負荷が集中されることがなく、ある一定の押さえ力を保持した状態で安定的に係止される。
球受け回転体120が受圧位置に変位した状態では、球受け回転体120よりも下流側に位置する遊技球に作用する圧力が大幅に軽減され、球払出モータ53mには、このように圧力が軽減された状態、具体的には遊技球を受け止めた受圧爪122tと球送り回転体53rとの間に位置する各列13球程度の重量に軽減された状態で、球払出制御装置82からモータ駆動信号M(M1,M2,M3)が出力される。
モータ駆動信号M1,M2,M3は、払い出し数量に相当する回転角度分、球送り回転体53rを時計回りまたは反時計回りに回動させる信号であり、例えば少数個の払出指令信号C1が7個の場合には球払出モータを420度時計回りに回動させるモータ駆動信号M1を出力して球送り回転体53rを回動させ、右側の払出口53dから球払出通路60に払い出す。多数個の払出信号の場合も同様であり、13個の払出指令信号C2に対して球払出モータを780度時計回りに回動させるモータ駆動信号M2を出力して球送り回転体53rを回動させ、払出口53dから球払出通路60に払い出す。また球貸要求信号C3(25個)の場合には、球払出モータを1500度(4回転と60度)時計回りに回動させるモータ駆動信号M3を出力して球送り回転体53rを回動させ、払出口53dから球払出通路60に払い出す。
モータ駆動信号Mが出力されて所定時間(例えば50〜200ms程度の時間)が経過すると、球払出制御装置82はソレノイド駆動信号SをOFFにする。ソレノイド駆動信号がOFFになると、リターンスプリング141eのバネ力によりプッシュロッド141fが引き込まれて駆動伝達具142が基準位置に戻り、規制アーム部132への押圧力が解放される。
これにより、前後の球受け回転体120a,120bは回転規制が解除されて初期の解除状態Pfに戻り、それまで受圧爪122t,122tに押しとどめられていた遊技球が球受け回転体120a,120bを回転させながら待機通路52a,52bを流下する。そして球送り回転体53rの回転起動に伴って待機通路52a,52bを先に下動する遊技球に追いつき滑らかに払い出される。なお球受け回転体120の配設位置は、待機通路における鉛直部の下方に設けられて遊技球の重量に基づく球圧が過大にならないように抑制するとともに、球受け回転体120の下流側に、払出条件に応じて払い出される数量(本実施例では球貸し操作に基づく払出数量25球よりもわずかに多い26〜27球程度)を停留可能に設定されており、払い出し作動中に遊技球がとぎれることなく且つ良好な球流れで滑らかに払い出されるようになっている。
こうして球払出口53dから払い出される遊技球は、球計数センサ54によりカセット内通路で通過が検出され、球払出制御装置82は球計数センサ54から入力された検出信号により払い出された遊技球の実数をカウントして払出条件に係る目標数量と比較し、球払出モータ53mの作動を制御する。これにより、遊技盤20における入賞条件やCR操作パネル92から入力される球貸要求等の払出条件に合致した数量の遊技球が球払出通路60に払い出され、球払出通路60を転動流下して球皿ユニット6の球受け皿に払い出される。
遊技球の払い出し作動は、払出指令信号Cが複数蓄積されている場合、例えば払出指令信号C2がn個蓄積されている場合でも、各払出指令信号C2に対応して1作動ずつn回繰り返して行われ、ソレノイド駆動信号S2はモータ駆動信号M2の出力ごとに、モータ駆動信号M2の立ち上がりに先立って出力される。
このため、球払出装置53にとって最も大きな回転トルクが必要とされる球払出モータ53mの回転起動時に、球受け回転体120が上流側の遊技球の圧力を受けて球払出モータ53mに対する負荷を軽減し、これにより、小型のモータを用いた球払出装置でも適正な払出作動を確保することができる。また球払出モータ53mのみならず、球送り回転体53rや受容口53a,53bの周辺部材等に対する負荷をも軽減できるため、小型の球払出装置を用いても長期間安定して作動させることができる。さらに、規制部材駆動機構140を含めた受圧制御ユニット100の主要機構部を待機通路形成部材52にユニット組立体として形成し、これを右枠杆33の支持面と蓋部材58との間に組付ける構成にしているため、裏セット盤30の厚さを増加させないコンパクトかつ組立作業性の良好な構成で、上述した各効果を具備した球払出制御機構を提供することができる。
なお、裏セット盤30の背面側における視認可能な位置、例えば球払出装置53の側部やソレノイド近傍の窓口側面に、裏セット盤30の背面側から視認可能にLED等の発光素子137を設けるとともに、球払出制御装置82から発光素子137を点滅させる発光制御信号をソレノイド駆動信号Sと同時に出力させ、ソレノイド141の駆動時に発光素子を点灯させるように構成することも好ましい。このような構成によればソレノイド141の駆動時、すなわち球受け回転体120が規制状態Prになったときに発光素子137が点灯され、受圧制御ユニット100の作動状況を裏セット盤30の背面側から容易に目視確認することができる。
以上では、球払出制御装置82に入力される払出指令信号等Cが、少数個または多数個の球払出指令信号C1,C2であるか球貸し要求信号C3であるかによらず、球払出装置53の作動時全てについて受圧制御ユニットの作動を制御する制御形態を例示したが、入力される信号の種別に応じて作動状態を変化させ、あるいは払い出される遊技球の数量や払い出しの連続状況等に応じて、作動状態を適宜変更して構成すること(例えば、少数個の払出指令信号C1が複数蓄積されているような場合には、最初の払出作動時のみ受圧制御ユニットを作動させるように構成すること等)も可能である。
球払出制御機構には、以上説明した球払出モータ53mの回転起動時の負荷を軽減させつつ遊技球の払い出しを行う球払出制御装置としての機能に加えて、裏セット盤に貯留された遊技球の球抜きを行う球抜き装置としての機能が具備されている。この球抜き装置の機能は主として第1球抜きスイッチ161、第2球抜き操作スイッチ162、球止め部材150および球払出制御装置82によって実現され、第1または第2球抜きスイッチを選択して押圧操作することにより作業目的に応じた球抜きを行えるように構成されている。図12に第1および第2球抜きスイッチ161,162の配設位置関係を平断面図(図3中のXII〜矢視断面図)として示す。
第1球抜きスイッチ161は、右枠杆33の前面側に取り付けられている。本実施形態では検出レバーを有するリミットスイッチを用いた形態を例示し、検出レバーに過大な押圧力が作用しないように、検出レバーの前方に前後に弾性変形して検出レバーと係脱し得る薄板板金製の操作レバー163を設けている。操作レバー163の先端部は右枠杆33からわずかに右側方に突出するとともに、ハートキーと称される保守作業用の操作ピン181が滑ることなく係合するように前方に屈曲して成形されている。
前枠2およびガラス扉5には、操作レバー163の先端前方に対峙する位置に、ハートキー181を挿通させる球抜き操作孔5hが形成されており、球抜き操作孔5hにハートキー181を挿入して操作レバー163を押圧操作することにより、操作レバー163を介して第1球抜きスイッチ161をスイッチ操作できるように構成されている。このため、遊技施設の係員は、前枠2を閉鎖施錠した状態でパチンコ機PMの前面側から第1球抜きスイッチ161をスイッチ操作可能になっている。なお操作レバー163の先端部は右枠杆33から側方に突出して配設されており、必要に応じて前枠2を開放した状態で操作レバー163を直接操作し、パチンコ機PMの背面側からも第1球抜きスイッチ161をスイッチ操作できるようになっている。
一方、第2球抜きスイッチ162は、待機通路形成部材53のスイッチ取着部に設けられている。本実施形態ではモーメンタリ型の自照式押しボタンスイッチを用いた形態を例示しており、蓋部材58に形成されたスイッチ操作孔を通して後方から押圧操作できるようになっている。このため遊技施設の係員は前枠2を開放した状態でパチンコ機PMの背面側から第2球抜きスイッチ162をスイッチ操作可能になっている。
また球止め部材150は、第2球抜きスイッチ162の直上に位置して上述した受圧制御ユニット100に設けられており、球止め操作軸156の六角穴に六角レンチ182を嵌合させて時計廻りに回動操作することで、受圧制御ユニット100を人為的に球止め状態に切り替え可能になっている。すなわち、球止め操作軸156を時計廻りに回動操作すると面取り部を介してトルク伝達された前後の球止め部材150(150a,150b)が時計廻りに回動され、まずロックカム部154の上端部が回転規制部材のロックアーム部134の係合面に接触する。
この状態からさらに球止め操作軸156を時計廻りに回動操作すると、ロックカム部154がロックアーム部134を押圧して規制アーム部先端のラック部133をピニオン部123に押し付けて噛合させるとともに、規制アーム部132およびロックアーム部134が弾性変形してラック部133の押し付け力を生じさせる。またこのとき、ギヤアーム先端のギヤ部153が球受け回転体のピニオン部123と係合する。そして、ロックアーム部134の延びる方向とロックカム部154の延びる方向とが直交する角度をわずかに越えた角度位置で、ギヤアーム部152の右側側面がストッパピン158に当接して球止め部材150の回動が規制される(図11を参照)。
この状態では、回転体規制部材130の弾性反力によりラック部133がピニオン部123に押し付けられて噛合するとともに、下方ではギヤ部153がピニオン部123と噛合してピニオン部123を上下2箇所で挟み込むように係止し、球受け回転体120の回転が規制される。またギヤアーム部152の右側側面がストッパピン158に当接した状態では、ロックアーム部134とロックカム部154とが直交する角度を越えた角度位置て係合しており、回転規制部材130の弾性反力によりロックカム部154の円弧面を介して球止め部材150を回転させようとする回転モーメントは時計廻り(すなわち滑りによって係合が緩まない回転方向)に作用する。これにより前後の球受け回転体120a,120bは当該回転角度位置に強固に係止され、球受け回転体の受圧爪122tが上流側から作用する遊技球の球圧を受け止めて遊技球の流下を規制する球止め状態PSに設定される。
第1球抜きスイッチ161および第2球抜きスイッチ162の操作信号は、球払出制御装置82に入力されており、球払出制御装置82は、これらの球抜きスイッチ161,162から操作信号が入力されたときに、操作された球抜きスイッチに応じて球払出モータを反時計廻りに異なる所定時間回転させるモータ駆動信号を出力して球払出装置53を作動させ、機体内部に貯留された遊技球を球抜き通路を介して遊技施設側の回収装置に排出させる。
すなわち、球払出制御装置82に第1球抜きスイッチ161から操作信号C11が入力されたとき、あるいは第2球抜きスイッチ162から操作信号C12が入力されたときに、球払出制御装置82は、装置内部の球抜きスイッチ入力判定部において、入力された操作信号C11またはC12から操作された球抜きスイッチが第1球抜きスイッチ161であるか第2球抜きスイッチ162であるかを判定し、球払出モータの回転方向および球抜き作動させるべき動作時間(排出条件)を判断する。そして球払出モータ駆動制御部において排出条件に応じたモータ駆動信号M11,M12を生成し、球払出モータ53mに出力して球払出装置53の作動を制御する。
図13(1)(2)(3)に、それぞれ(1)第1球抜きスイッチ161が操作されたとき、(2)第2球抜きスイッチ162が操作されたとき、(3)第1球抜きスイッチ161が操作されて球抜き作動中に第2球抜きスイッチ162が操作されたときの各々について、操作信号C11,C12とモータ駆動信号M11,M12との関係をタイミングチャートで示す。
(1)図に示すように、第1球抜きスイッチ161がスイッチ操作され操作信号C11が球払出制御装置82に入力されると、球払出制御装置82はこの操作信号C11に対応した作動時間T11のモータ駆動信号M11を球払出装置53に出力する。作動時間T11は、球払出装置53を連続作動させたときに、球貯留タンク41に貯留された遊技球を全量排出し得る時間とされ、パチンコ機の機種ごとに各部構成に応じて定まる30秒〜1分程度の所定時間が設定されている。
また、(2)図に示すように、第2球抜きスイッチ162が操作されて操作信号C12が球払出制御装置82に入力されたときには、球払出制御装置82はこの操作信号C12に対応した作動時間T12のモータ駆動信号M12を球払出装置53に出力する。作動時間T12は、球止め部材150を球止め状態PSに設定した状態で球払出装置53を作動させたときに、球受け回転体120〜球送り回転体53rの間に停留された遊技球を排出し得る時間とされ、このパチンコ機PMの待機通路および球払出装置の構成に応じて定まる2秒〜5秒程度の所定時間が設定されている。
モータ駆動信号M11またはM12を受けた球払出装置53は、球払出モータ53mを反時計廻りにそれぞれの作動時間T11,T12だけ回転作動させ、左側の球排出口53cから球抜き通路に払い出す。球排出口53cから球抜き通路に払い出された遊技球は、基枠体31の前面側に形成された遊技済み球排出通路に合流して流下し、基枠体31の下端から遊技施設側の回収装置に排出される。
このため、例えば定量制における打ち止め後の球抜きや営業終了後の球抜き処理等を行うときには、遊技施設の係員はハートキー181を球抜き操作孔5hに挿入して操作レバー163を介して第1球抜きスイッチ161をスイッチ操作することにより、前枠2を閉鎖施錠した状態のまま、球払出モータ53mを時間T11だけ作動させて球貯留タンク41に残留する遊技球を全量遊技施設側の回収装置に排出させることができる。
一方、前枠2を開放して球払出装置53の点検や交換などの作業を行うときには、球払出装置の上方に位置する球止め操作軸156を六角レンチ182により回動操作して球止め部材150を球止め状態PSに設定し、第2球抜きスイッチ162を押圧操作する。すると球受け回転体120よりも上流側に停留する遊技球は、回転規制された球受け回転体120の受圧爪122tに受け止められて流下せず、球受け回転体120よりも下方に停留された遊技球のみが球排出口53cから排出される。このとき球払出モータ53mは時間T12だけ回転作動され球受け回転体120〜球送り回転体53rの間に停留された遊技球が排出された後球払出モータ53mの作動が停止する。これにより、わずか数秒で球抜き処理を終了し、直ちに目的とする球払出装置53の点検や交換等の作業を迅速に行うことができる。
また球払出装置82には、球抜きスイッチ優先判定部が設けられており、この優先判定部では二つの操作信号C11,C12が同時に入力されたとき、あるいは何れかの操作信号に基づいてモータ駆動信号を出力中に第2球抜きスイッチ162から操作信号C12が入力されたときに、第2球抜きスイッチ162からの操作信号C12に基づく作動制御を優先させて処理するように構成されている。
(3)図はこの優先制御の様子を例示したものであり、第1球抜きスイッチ161から入力された操作信号C11に基づいてモータ駆動信号M11を出力し球払出モータ53mの作動制御中に、第2球抜きスイッチ162から操作信号C12が入力されその入力が検出されたとき、球抜きスイッチ優先判定部ではこの操作信号C12に基づく作動制御を優先させてモータ駆動信号M12を出力し、当該入力検出から作動時間T12の経過後に球払出モータ53mの作動を停止させる。
逆に、第2球抜きスイッチ162から入力された操作信号C12に基づいてモータ駆動信号M12を出力して球払出モータ53mの作動制御中に、第1球抜きスイッチ161から操作信号C11が入力されその入力が検出されても、球抜きスイッチ優先判定部では操作信号C12に基づく作動制御を優先させてモータ駆動信号M12を維持させ、操作信号C12に基づく作動時間T12の経過後に球払出モータ53mの作動を停止させる。
このため、例えば、受圧制御ユニット100の保守・点検作業や待機通路52a,52bの清掃作業を行うような場合に、この優先制御の機能を利用することで効率的に作業を行うことができる。すなわち、前述した上部球止め部材45を利用して整列通路の下流部で球止め状態としたうえ、パチンコ機の背面側から第1球抜きスイッチ161をスイッチ操作して球抜き処理を開始させ、透明樹脂材料で形成された蓋部材58を通して待機通路内の遊技球の流下を目視確認しながら、上端位置の遊技球が球受け回転体120を通過した時点で第2球抜きスイッチ162をスイッチ操作することで、当該上端位置の遊技球がちょうど排出された頃に球払出モータ53mの回転作動を停止させることができる。なお本機能により第1球抜きスイッチ161を誤ってスイッチ操作した場合でも、第2球抜きスイッチ162を操作することで数秒の時間内に球払出モータ53mの作動を停止させることが可能である。
また球止め回転体120の配設位置は、待機通路52a,52bにおける鉛直部の下部であるとともに、上部球止め部材45との関係において、上部球止め部材45〜球受け回転体53rの中間位置よりも幾分上方に設定されており、第2球抜きスイッチ162のスイッチ操作に基づく作動時間T12の球抜き処理を2回行うことで、上部球止め部材45よりも下流側に位置する遊技球が全量球抜きされるようになっている。
このため、受圧制御ユニット100の保守・点検作業や待機通路の清掃作業を行うときに、第2球抜きスイッチ162を2回スイッチ操作して球抜きすることでも、効率的に球抜き処理が可能になっている。上述した球抜きスイッチ優先判定部では、第2球抜きスイッチ162からの操作信号C12に基づいてモータ駆動信号M12を出力中に、さらに第2球抜きスイッチ162から操作信号C12が重ねて入力されたときには、最初のモータ駆動信号M12に基づく作動制御に続けて第2のモータ駆動信号M12を出力する(すなわち作動時間2T12連続して球払出モータ53mを回転作動させる)ように構成されており、効率的且つ作業性の良好な球抜き処理を実現している。
なお、例えば球受け回転体120を待機通路の上部に設けた形態のように、連続作動時間を2T12まで延長する必要がない場合等にあっては、上述した優先制御と同様に、重ねて入力された操作信号C12の入力が検出されたときから時間T12の経過後に球払出モータ53mの作動を停止させるように構成してもよく、あるいは重ねて入力された操作信号の有無に拘わらず、最初の操作信号に基づくモータ駆動信号M12の作動時間T12の経過後に球払出モータ53mの作動を停止させるように構成してもよい。
球払出制御装置82には、球払出モータ53mにモータ駆動信号を出力すると同時に球抜き作動中であることを示す球抜き表示信号を出力する機能が備えられており、球抜き装置ではこの球抜き表示信号に基づいて球抜き状態を表示するように構成している。
例えば、第1球抜きスイッチ161から操作信号C11が入力されたときには、球払出モータ53mにモータ駆動信号M11を出力するとともに、ガラス扉5正面の表示ランプに球抜き表示信号を出力して当該ランプを点滅または点灯させ、第2球抜きスイッチ162から操作信号C12が入力されたときには、球払出モータ53mにモータ駆動信号M12を出力するとともに、第2球抜きスイッチ162に球抜き表示信号を出力して当該スイッチに内蔵されたランプを点灯または点滅作動させる。
これによりパチンコ機PMの前面側からハートキー181を用いて球抜き操作を行った係員は、この操作に基づいて球抜き処理が開始されたこと〜球抜き処理中であること〜球抜き処理が完了したことなどを、遊技島に閉止したパチンコ機の正面で検知することができ、また前枠2を開放して第2球抜きスイッチ162をスイッチ操作した係員は、当該操作に基づいた球抜き処理が実行されていることを操作したスイッチの手元で確認することができる。
従って、以上説明したような球払出制御機構によれば、小型のモータを用いた球払出装置でも適正な払出作動を確保することが可能であり装置の小型化および低廉化を実現できるとともに、負荷を軽減することで長期間安定して作動させ得る払出制御機構を提供することができる。また、第1および第2球抜きスイッチを設けてスイッチ位置に応じた適宜な球抜き作動を行わせることにより、前枠を開放して行う保守作業時に無駄な電力を消費させたり、球払出装置を損耗させたりすることなく、作業性が良好で効率的に球抜き作業を行うことができる。