以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、図1〜36はその本発明の第1実施形態として、例えば約21mmの最小サイズ(直径)から約26.5mmの最大サイズ(直径)までのメダル(C)につき、無調整で使用し得る仕様のエレベーター式(リフト式)メダル送出装置を示しており、(1)は一定の角度(α)(例えば約40度)だけ後上がりに傾斜している天板(2)を備えた金属製の据付け台であって、そのほぼ長方形な天板(2)の表面にはメダル貯留用の透明な合成樹脂製ホッパータンク(3)が、係脱自在に係止される一方、同じく天板(2)の裏面にはメダル送出用回転ディスク(D)の駆動モーター(4)が固定設置されている。
その回転ディスク用駆動モーター(4)は遊技(ゲーム)機などに具備されている主制御基板(図示省略)へ、マイコン搭載のメダル送出装置制御基板(ホッパー制御基板)(5)を介して、電気的に接続配線されている。そのホッパー制御基板(5)は上記据付け台(1)の枠内に取り付け固定されている。
上記駆動モーター(4)の出力軸(6)は据付け台(1)の天板(2)を貫通しており、これに表側から嵌め付け一体化されたメダル送出用回転ディスク(D)が、上記ホッパータンク(3)の対応的な円形の開口底面に臨み、そのホッパータンク(3)の言わば可動底をなす。(7)は上記据付け台(1)の天板(2)から表向きに突出する複数のホッパータンク用係止ピン、(8)は同じく据付け台(1)に対する天板(2)の取り付け固定ビスである。
上記メダル送出用の回転ディスク(D)は金属製品又はこれと同等の高強度な合成樹脂製品として、全体的な放射対称配置型に開口分布する複数(例えば合計4個)の円形なメダル受け入れ穴(9)と、そのメダル受け入れ穴(9)同士の隣り合う相互間から裏向き一体的に突出する同じく複数の円弧弯曲羽根(10)とを備えており、上記ホッパータンク(3)からメダル受け入れ穴(9)へ受け入れたメダル(C)を、その円弧弯曲羽根(10)によって図5、7、25、27の矢印(F)で示す方向へ押し進め、回転ディスク(D)の円周面から外側にあるメダル送出口(O)へ、1枚づつ順次送り出し作用するようになっている。
(11)は上記回転ディスク(D)における円周面の斜め上側位置に臨むセパレートローラーであって、上記据付け台(1)の天板(2)を貫通するローラー支軸(12)に、表側から遊転自在に差し込み套嵌されており、後述のサイドスペーサー(中板)と相俟ってメダル送出口(O)を画定する。
(13)は上記回転ディスク(D)の円弧弯曲羽根(10)によって押し進められてくるメダル(C)を、下流側から一旦受け止めて、上記メダル送出口(O)に向かって誘導するためのメダル変向ガイドピンであり、これも上記据付け台(1)の天板(2)を貫通して、その天板(2)の表側に隆起している。
(14a)(14b)は上記後上がり傾斜設置状態にある天板(2)の上端部へ、図6のような上向き開放状態に加工された複数のケース受け止め切欠であり、後述のメダル検知ユニットケースを受け止めることによって、その検知ユニットケースを据付け台(1)の天板(2)へすばやく正確に取り付け固定できるようになっている。
(15a)(15b)は一定な開口幅(W)のメダル送出通路(P1)を区成する左右一対の細長いサイドスペーサー(中板)であり、図5〜7から明白なように、その上記天板(2)と同じ広い一定幅(X1)の下部基端がその天板(2)の上端部へ、複数の固定ビス(16)を介して表側からの部分的な積み重ね状態に取り付けられている。その両サイドスペーサー(15a)(15b)の下部基端が上記セパレートローラー(11)と相俟って、メダル送出通路(P1)の入口を形作るようになっている。
つまり、上記メダル送出口(O)はメダル送出通路(P1)の入口をなし、そのメダル送出通路(P1)の開口幅(W)が使用される最大メダルの直径とほぼ同じ対応寸法(図例では約26.5mm)又はこれよりも若干広大な寸法として、予じめ設定されておれば良い。
(17)(18)は両サイドスペーサー(15a)(15b)における広い一定幅(X1)の下部基端に加工された後述するセンサー取付マストの逃し入れ孔とメダル送出羽根車の逃し入れ凹欠であり、図6のように左右1組として並列している。
その場合、左右何れか一方(図例では左側)のサイドスペーサー(15a)におけるメダル送出通路(P1)を形作る開口縁部は、メダル(C)の円周面と接する直線形態にあり、残る他方(図例では右側)のサイドスペーサー(15b)におけるメダル送出通路(P1)を形作る開口縁部は、上記メダル送出羽根車用逃し入れ凹欠(18)として、そのメダル送出通路(P1)から遠ざかる円弧形に切り欠かれている。
又、(19)は上記メダル送出通路(P1)の背後(底面)を被覆すべく、その両サイドスペーサー(15a)(15b)へ複数の固定ビス(20)によって取り付けられた細長いバックプレートであり、上記サイドスペーサー(15a)(15b)が据付け台(1)の天板(2)へ取り付け固定された時、そのバックプレート(19)の下部基端は図4のように上記天板(2)の上端部へ突き合わされて、天板(2)とのフラットな面一状態に保たれる。
そして、上記メダル送出通路(P1)を形作る両サイドスペーサー(15a)(15b)とそのバックプレート(19)が上記据付け台(1)の天板(2)から上方へ延長状態に張り出す比較的狭い一定幅(X2)の先端部は、図1、4のように横方向から見た場合、一定の角度(β)(例えば約130度)だけ滑らかな円弧状に弯曲しており、そのメダル送出通路(P1)がほぼ真上を指向する状態にある。
(21)(22)は同じくメダル送出通路(P1)の前面(正面)を被覆すべく、その両サイドスペーサー(15a)(15b)の広幅な下部基端へ表側から別個な複数の固定ビス(23)によって一緒に取り付けられた複数(図例では合計3枚)のフラットなフロントプレートであり、これらには図6から明白であるように、両サイドスペーサー(15a)(15b)の上記センサー取付マスト用逃し入れ孔(17)と連通するセンサー取付マスト用逃し入れ孔(24)並びに上記メダル送出羽根車用逃し入れ凹欠(18)と対応位置するメダル送出羽根車用スライドガイド長孔(25)が、その複数間での合致連通する大きさ・輪郭形状に切り抜かれている。
その場合、フロントプレート(21)(22)のメダル送出羽根車用スライドガイド長孔(25)は左右方向(メダル送出通路を横断する方向)に沿って延在するほぼ楕円形の輪郭形状をなすが、そのメダル送出通路(P1)へ接近する一端側(内側)の開口縁部は後述するメダル送出羽根車の初期設定用位置決めストッパー(25s)として、図5、6のような直線形態に切り欠かれている。
しかも、その複数の積み重ね状態にあるフロントプレート(21)(22)のうち、最下段位置にある1枚のフロントプレート(21)は極めて薄肉(例えば約0.2〜0.5mmの厚み)な板バネ材から成り、これが上記メダル送出通路(P1)の内部へ臨む中央部(メダル送出通路の長手中心線上)には、メダル(C)を弾力的に押える上下一対のメダル逆流防止片(26)(27)が区成されている。(28)(29)はその区成するための割り溝である。
図示の残る上段位置と中段位置にある2枚のフロントプレート(22)は、最下段の上記フロントプレート(21)よりも厚肉(例えば約0.8〜1.0mmの厚み)な互いに同じ板バネ材から成り、これらの中央部(やはりメダル送出通路の長手中心線上)には上記メダル逆流防止片(26)(27)を逃し入れる凹欠(30)(31)の上下一対づつが付与されている。
(32)は上記メダル送出通路(P1)における一定角度(β)の円弧弯曲部を表側から被覆すべく、その両サイドスペーサー(15a)(15b)へ左右一対のネジ締結具(固定ビスと蝶ナット)(33)によって取り付けられた円弧状のコーナーフロントプレートであり、これも薄肉(例えば約0.2〜0.5mmの厚み)な板バネ材から成る。
そのコーナーフロントプレート(32)は図2、5、7、8から明白なように、上記両サイドスペーサー(15a)(15b)における先端部(上端部)と同じ一定幅(X2)のほぼ長方形をなしているが、その上下方向から互いに等しい深さだけ切り込まれた左右一対づつの割り溝(34)を介して、上記メダル送出通路(P1)の内部(メダル送出通路の長手中心線上)に臨む上下一対のセンター押圧片(35)と、その左右両隣り位置に上下一対づつのサイド取付片(36)とが並ぶ合計3列に区分されており、その両サイド取付片(36)を中間部においてメダル送出通路(P1)の両サイドスペーサー(15a)(15b)とバックプレート(19)へ、上記ネジ締結具(33)によって表側から強制的な弯曲状態に取り付け固定した時、センター押圧片(35)の上下両端部がメダル逆流防止片(37)として、メダル(C)を表側から弾力的に押え付けるようになっている。
又、(P2)は上記メダル送出通路(P1)の上端部へ別個な接続金具(38)を介して、図1のような直接の突き合わせ状態に連通接続されたメダル送出延長通路であり、そのフロントプレート(39)とバックプレート(40)並びにその相互間へ縁取り状態に介在する左右一対のサイドスペーサー(中板)(41a)(41b)とから、複数の固定ビス(42)によって組み立てられた区画内部が、上記据付け台(1)側のメダル送出通路(P1)と同じ開口幅(W)として対応合致する。
その場合、上記メダル送出通路(P1)とそのメダル送出延長通路(P2)の開口幅(W)は使用される最大メダルの直径とほぼ同じ寸法(図例では約26.5mm)以上として、その内部をこれより小サイズのメダル(C)が押し進め送出されることもある関係上、特にそのメダル(C)を真上方向へ案内する上記メダル送出延長通路(P2)の左右両サイドスペーサー(中板)(41a)(41b)に対して、メダル(C)同士のジグザグ状(蛇行状)に突っ張り合う強い摩擦力が作用しやすいので、その摩擦抵抗を少なく抑制すべく、高強度な合成樹脂板から成る両サイドスペーサー(中板)(41a)(41b)を採用することが好ましい。
(43)はこのようなメダル(C)を真上方向へ押し進め案内し得るメダル送出延長通路(P2)の下端部(入口)付近へ、左右一対の固定ビス(図示省略)によって取り付けられたメダル逆流防止器であり、メダル送出延長通路(P2)を上記据付け台(1)側のメダル送出通路(P1)から取りはずし分離したメンテナンス作業時に、そのメダル送出延長通路(P2)からメダル(C)が抜け落ちてしまうことを予防する。
更に、(P3)は上記メダル送出延長通路(P2)の上端部へ別個な接続金具(44)を介して、図1や図11のような直接の突き合わせ状態に連通接続されたメダル送出変向通路であり、正面視のほぼ倒立J字形をなすことによって、メダル(C)をメダル送出延長通路(P2)の上端部からUターンする如く、自然落下させるようになっている。
茲に、メダル送出変向通路(P3)も上記据付け台(1)側のメダル送出通路(P1)やそのメダル送出延長通路(P2)に準じて、図9〜11のようなフロントプレート(45)とバックプレート(46)並びにその相互間へ縁取り状態に介在する複数のサイドスペーサー(中板)(47a)(47b)とから、複数の固定ビス(48)によって組み立てられている。
しかも、上記メダル送出変向通路(P3)の内部にはその最も高い位置(メダル変向点)から自然落下するメダル(C)を一旦受け止めた後、そのメダル(C)を電気的な指令に従って飛ばし出す駆動回転羽根(49)と、その一旦受け止められたメダル(C)の有無を検知する第1メダル検知センサー(透過型又は反射型のフォトセンサー)(50)と、上記駆動回転羽根(49)によってメダル送出変向通路(P3)の下端部(出口)から飛ばし出されるメダル(C)の第2メダル検知センサー(同じく透過型又は反射型のフォトセンサー)(51)とが、図10、11のように各々組み込み一体化されており、その全体的なユニット体をなしている。(52)は上記回転羽根(49)の駆動モーターである。
更に、(U)は上記メダル送出用回転ディスク(D)の回転によって、その円周面から外側のメダル送出口(メダル送出通路の入口)(O)へ押し進め送出されたメダル(C)を、1枚づつ検知しカウントするための送出メダル検知機構であり、図示の実施形態では1個の検知ユニットケース(53)に組み込み一体化されたユニット体をなしている。
即ち、送出メダル検知機構(U)を抽出して示す図12〜24から明白なように、その検知ユニットケース(53)はポリアセタール樹脂(好ましくは商品名「ジュラコン」)やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、その他の高強度な合成樹脂から射出成形された上向き開放する断面U字形のほぼ直方体として、上記据付け台(1)の天板(2)とほぼ同じ一定幅(X1)だけ左右方向(横方向)へ細長く延在しており、その開口上縁部の点在分布する複数個所(図例では4個所)には、各々ネジ孔(54)を備えた軸受ボス(55)が設置されている。
(56)は上記検知ユニットケース(53)の底面(背後)に沿って左右方向(横方向)へスライド運動のみを行えるように支持されたほぼ長方形な金属のスライドプレートであり、その左右何れか一半側(図例では右半側)からはメダル送出羽根車用支軸(57)がかしめ付け状態として、上向き(内向き)一体的に起立されている。(58)はその支軸(57)の上端部に設けられたビス受け入れ用ネジ孔である。
その場合、図示の実施形態では検知ユニットケース(53)の底面(背後)を言わば部分的に切り抜いて残る複数の支持片(図示符号省略)によって、上記スライドプレート(56)を左右方向(横方向)へスライドできるように、下方から支持しているが、そのスライドプレート(56)と係合するスライドガイドレール(図示省略)を列設しても勿論良い。
(R)は上記スライドプレート(56)から起立するメダル送出羽根車用支軸(57)へ、上方から差し込み套嵌され、且つ固定ビス(59)によって抜け止め状態に保たれたメダル送出羽根車であり、メダル(C)との接触により一方向(順方向/図示の時計方向)へ押し廻されて、そのメダル(C)を1枚づつ刻む如く確実に送出する作用と、その送出メダル(C)を1枚づつ正確に検知(カウント)する作用とを営なむ。
つまり、メダル送出羽根車(R)は図13、14から明白なように、ポリアセタール樹脂(好ましくは商品名「ジュラコン」)やポリカーボネート樹脂、繊維強化樹脂(FRP)、その他の高強度な合成樹脂から射出成形された一定長さ(背丈)の軸筒(ボス)(60)と、その中段位置から横方向へ連続一体に張り出すほぼ正多角形のメダル送出羽根板(61)と、同じく軸筒(ボス)(60)の下段位置からやはり横方向へ全体的な放射対称分布型として連続一体に張り出す複数のメダル検知子(センサードグ)(62)とを備えている。
そして、そのメダル送出羽根車(R)のメダル送出羽根板(61)が図7、8のように、上記据付け台(1)側のメダル送出通路(P1)へ横方向から臨み、そのメダル送出通路(P1)へ押し進められてくるメダル(C)と接触して、自づと一方向(送出方向)へ回転し乍ら、そのメダル(C)を1枚づつ刻む如く、図25、27の矢印(A)で示す方向(上方)へ送出する一方、そのメダル送出羽根板(61)よりも下方位置にあるメダル検知子(センサードグ)(62)の各個が、後述の第3メダル検知センサーによって検知され、上記送出メダル(C)を1枚づつカウントするようになっている。
但し、メダル送出羽根車(R)のメダル送出羽根板(61)を「ほぼ正多角形」と説明した理由は、その各辺がメダル(C)の円周面(凸曲面)と接触するメダル受け入れ用の円弧凹曲面をなしているからであり、図示実施形態のメダル送出羽根板(61)は使用される最大メダルの円周面にフイットし得る円弧凹曲面の各辺を備えた星形(正五角形)として造形されている。
そのため、これより小サイズのメダル(C)も含めて、その各辺のメダル受け入れ用円弧凹曲面により各種サイズのメダル(C)を1枚づつ安定良く受け入れ保持することができ、回転駆動源を有しないメダル送出羽根車(R)のメダル送出羽根板(61)であっても、そのメダル(C)を確実に送出作用し得るのである。
又、メダル送出羽根車(R)におけるメダル検知子(センサードグ)(62)の個数は、上記メダル送出羽根板(61)の羽根枚数(刻み等分数)と同一に設定する必要があり、そのため図示実施形態では合計5本のメダル検知子(センサードグ)(62)を放射対称分布型に張り出し形成している。
上記軸筒(ボス)(60)におけるメダル送出羽根板(61)よりも上段位置は、送出メダル検知機構(U)を検知ユニットケース(53)へ組み込む作業手の摘まみ用ヘッド(63)として役立つが、そのヘッド(63)の根元部だけは補強を兼ねた位置決め用係止フランジ(64)として、図12〜16のようなメダル送出羽根板(61)と同じ正多角形(図例では正五角形)に造形されており、その任意の1辺が上記据付け台(1)側のメダル送出通路(P1)を形作るフロントプレート(21)(22)におけるメダル送出羽根車用スライドガイド長孔(25)の初期設定用位置決めストッパー(25s)へ、図25、26のように係止することにより、そのメダル送出羽根車(R)におけるメダル送出羽根板(61)の任意な1辺(上記円弧凹曲面)がメダル送出装置の使用初期に、上記回転ディスク(D)からメダル(C)をそのメダル送出口(メダル送出通路の入口)(O)へ、突っ張ることなく円滑・確実に受け入れて送出できる方向性の待機状態を保てるようになっている。
その場合、上記メダル送出装置の使用初期における位置決め設定手段となるメダル送出羽根車(R)側の上記係止フランジ(64)の各辺と、上記メダル送出通路(P1)のフロントプレート(21)(22)側に開口するメダル送出羽根車用スライドガイド長孔(25)の位置決めストッパー(25s)とは、直線形態(フラット面)に造形されているが、その相互の係止作用によって上記メダル(C)の受け入れ(捕捉)可能な待機状態を保てるならば、その直線形態(フラット面)のみに限らず、相互の凹凸嵌合やその他の位置決め設定手段を採用しても良い。
更に、同じく上記軸筒(ボス)(60)におけるメダル検知子(センサードグ)(62)よりも下端部の円周面には、図13、14のような多数の凹凸条(歯列)(65)がその長手方向(上下方向)に沿って平行に刻設されている。(66)はその凹凸条(65)へ差し込み係止されることにより、メダル送出羽根車(R)の逆回転を防ぐ逆止爪であって、金属の板バネ材から成り、その基端部が上記スライドプレート(56)の一端部(右端部)から曲げ起された取付座(67)へ、固定ビス(68)によって取り付けられている。
このような凹凸条(歯列)(65)と逆止爪(66)とから成る所謂ラチエット機構によって、メダル送出羽根車(R)がメダル(C)を送る一方向(上方)に向かってのみ回転し、逆回転しないようにロックされているのである。
その結果、上記メダル送出用回転ディスク(D)がその駆動モーター(4)の過負荷などに起因して逆回転し、延いてはメダル(C)の逆流とメダル送出羽根車(R)の逆回転を阻止することができ、そのメダル(C)の誤まった検知(カウント)も予防し得るのである。
(69)は上記検知ユニットケース(53)の前面からメダル送出羽根車(R)におけるメダル検知子(センサードグ)(62)の回転軌跡と干渉する内向きに張り出された第3メダル検知センサーであって、図15、16、23から明白なように、そのメダル検知子(センサードグ)(62)を挟む透過型フォトセンサー(フォトインタラプタ)から成り、上記前面のセンサー取付ステー(70)へネジ締結具(固定ビスと角形の板ナット)(71)によって取り付けられている。
上記送出メダル検知機構(U)の第3メダル検知センサー(69)はメダル送出羽根車(R)のメダル検知子(センサードグ)(62)を検知することによって、送出メダル(C)をカウントするものであり、その機能を果す限りでは、これを検知ユニットケース(53)の前面から張り出す固定状態の上記センサー取付ステー(70)に代えて、スライドプレート(56)へ取り付け一体化しても良く、又反射型フォトセンサーから成る第3メダル検知センサー(69)を採用しても良い。
上記スライドプレート(56)の他半側(図例では左半側)からはバネ受け片(72)が上向き(内向き)に切り起されている。(73)は上記検知ユニットケース(53)における底面(背後)の他端部(左端部)から上向き(内向き)に突出されたバネ受け片であり、そのバネ受け片(72)(73)同士の左右相互間には図15、16、22のような引張りコイルバネ(74)が連繋張架されており、これによって上記スライドプレート(56)上のメダル送出羽根車(R)を常時メダル送出通路(P1)と接近する方向へ引き寄せ付勢している。
更に言えば、その引張りコイルバネ(74)の引き寄せ付勢力を受けたメダル送出羽根車(R)のメダル送出羽根板(61)は、その軸筒(ボス)(60)の上記係止フランジ(64)と上記メダル送出羽根車用スライドガイド長孔(25)における位置決めストッパー(25s)との係止作用する初期位置決め設定手段によって、図25、26に示す如く、そのメダル送出通路(P1)における直線形態の開口縁部との向かい合う開口幅(Z)を、使用される最小メダルの直径(図例では約21mm)よりも狭く制限しており、その送出メダル(C)と必らず接触して、摩擦回転(自転)し得るようになっている。
つまり、メダル送出通路(P1)の開口幅(W)が使用される最大メダルの直径とほぼ同じ対応寸法(先に例示した約26.5mm)以上である旨を既に説明したが、そのメダル送出通路(P1)における途中の開口幅(Z)はメダル送出羽根車(R)のメダル送出羽根板(61)によって、使用される最小メダルの直径(先に例示した約21mm)よりも狭い一定の寸法(図例では約15mm)に規制されており、そのメダル送出羽根板(61)の回転軌跡と上記メダル送出通路(P1)における直線形態の開口縁部との向かい合う狭い開口幅(Z)を、送出メダル(C)が上記引張りコイルバネ(74)の付勢力に抗して押し広げる力がメダル送出羽根車(R)に働く摩擦力として、そのメダル送出羽根車(R)を一方向(順方向)へ言わば刻み回転させることにより、そのメダル(C)を1枚づつ確実に送出する作用と正確に検知(カウント)する作用とを営なむようになっているである。
但し、上記スライドプレート(56)上のメダル送出羽根車(R)を図示実施形態のような引張りコイルバネ(74)によって、検知ユニットケース(53)の上記他端部(左端部)からメダル送出通路(P1)と接近する方向へ引き寄せ付勢する代りに、圧縮コイルバネ(図示省略)を採用して、同じくメダル送出羽根車(R)をその圧縮コイルバネにより、検知ユニットケース(53)の逆な上記一端部(右端部)から常時メダル送出通路(P1)と接近する方向へ押圧付勢するように設定しても良い。
(75)は上記検知ユニットケース(53)の左右何れか他半側(図例では左半側)から上向き(内向き)一体的に起立されたセンサー取付マストであり、ここにやはりネジ締結具(固定ビスと板ナット)(76)を介して取り付けられた第4メダル検知センサー(77)が、上記据付け台(1)側のメダル送出通路(P1)を進行する送出メダル(C)を検知(カウント)することもできるようになっている。
その場合、送出メダル(C)は上記引張りコイルバネ(74)の弾圧付勢力を受けているメダル送出羽根車(R)のメダル送出羽根板(61)によって、上記メダル送出通路(P1)の直線形態をなす開口縁部へ、必らず接触する状態に押し付けられているため、その送出メダル(C)同士の前後相互間隙(メダル送出通路の開口縁部と、隣り合うメダルの円周面同士によって区画されるデルタ空間)を透過するフォトセンサーから成る第4メダル検知センサー(77)によって、その送出メダル(C)を確実に検知(カウント)することができるのであり、その結果例えば上記第3送出メダル検知センサー(69)と第4メダル検知センサー(77)との両者からメダル検知信号が出力された時に、初めて送出メダル(C)の1個としてカウントすることも考えられ、不正行為の防止に役立つ。
第3、4送出メダル検知センサー(69)(77)を互いに同じフォトインタラプタとし、そのセンサー取付ステー(70)とセンサー取付マスト(75)も互いに同じ形態として、両メダル検知センサー(69)(77)を互換的に取り付け使用することができる(この点、図例では両メダル検知センサーが互いに上下逆向きとして取り付けられている)が、上記センサー取付マスト(75)に取り付けられる第4送出メダル検知センサー(77)は第3送出メダル検知センサー(69)の言わば補助として、その設置を省略してもさしつかえない。その場合、上記検知ユニットケース(53)のセンサー取付マスト(75)と上記フロントプレート(21)(22)のセンサー取付マスト用逃し入れ孔(24)を設ける必要がないことは、言うまでもない。
上記構成部材からユニット化された送出メダル検知機構(U)の検知ユニットケース(53)は、図5〜8のように据付け台(1)の天板(2)へ斜め後上方から、その検知ユニットケース(53)におけるメダル送出羽根車(R)の軸筒(ボス)(60)と第4メダル検知センサー(77)の取付マスト(75)とが、天板(2)の対応位置する両ケース受け止め切欠(14a)(14b)へ落し入れる如く、抜き差し自在に差し込み係止される。
その送出メダル検知機構(U)の検知ユニットケース(53)は上記据付け台(1)の天板(2)に対する所謂カセット又はカートリッジとして、その据付け台(1)の天板(2)から斜め後上方へ抜き出すことにより、メダル送出装置の外部空間において、送出メダル検知機構(U)の保守・点検作業やその構成部材の交換などを便利良く行うこともできるようになっているのである。
そして、サイドスペーサー(15a)(15b)やフロントプレート(21)(22)、バックプレート(19)、コーナーフロントプレート(32)の取り付け固定により予じめ組み立てられたメダル送出通路(P1)が、その後上記天板(2)の表側から据付け台(1)へ、複数の固定ビス(16)(23)によって取り付けられるのであり、そうすれば送出メダル検知機構(U)におけるメダル送出羽根車(R)のヘッド(63)とセンサー取付マスト(75)が、メダル送出通路(P1)のフロントプレート(21)(22)に切り欠かれているメダル送出羽根車用スライドガイド長孔(25)とセンサー取付マスト用逃し入れ孔(24)を各々貫通して、表側へ起立することになる結果、その検知ユニットケース(53)が据付け台(1)の天板(2)から抜け出すおそれはなく、天板(2)の裏面(背後)に付属する状態として、その表側から天板(2)を貫通して、上記検知ユニットケース(53)の軸受ボス(55)へねじ込まれる複数(図例では合計4本)の固定ビス(78)によって取り付けられている。
上記エレベーター式(リフト式)のメダル送出装置ではメダル送出変向通路(P3)内へ臨む駆動回転羽根(49)によって受け止められたメダル(C)の有無を、その第1メダル検知センサー(50)が検知した出力信号に基いて、メダル送出用回転ディスク(D)の駆動モーター(4)を制御する。上記メダル送出変向通路(P3)内にメダル(C)が有る時には、メダル送出用回転ディスク(D)の駆動を一旦停止し、そのメダル(C)が無ければ、同じく回転ディスク(D)を駆動して、メダル(C)を回転ディスク(D)の円周面から外側のメダル送出口(メダル送出通路の入口)(O)へ押し進め送出させるようになっている。
他方、メダル送出変向通路(P3)内の駆動回転羽根(49)によって、その下端部(出口)から飛ばし出されたメダル(C)を、第2メダル検知センサー(51)が検知した出力信号に基いて、その回転羽根(49)の駆動モーター(52)を制御する。そのメダル(C)をメダル送出変向通路(P3)から飛ばし出す毎に、回転羽根(49)の駆動を一旦停止して、引き続き自然落下するメダル(C)を受け止めるべく待機するようになっている。
更に、据付け台(1)側のメダル送出用回転ディスク(D)の駆動によってメダル送出口(メダル送出通路の入口)(O)へ押し進め送出される最先(第1番目)のメダル(C)を、その第3メダル検知センサー(69)が検知した出力信号に基いて、上記メダル送出変向通路(P3)内のメダル受け止め用駆動回転羽根(49)を駆動し始めるようになっている。
尚、上記据付け台(1)側のメダル送出通路(P1)に臨む第3メダル検知センサー(69)やメダル送出変向通路(P3)内にあるメダル受け止め用回転羽根(49)の駆動モーター(52)並びに上下一対の第1、2メダル検知センサー(50)(51)も、上記メダル送出用回転ディスク(D)の駆動モーター(4)と同じく、ホッパー制御基板(5)を介して遊技(ゲーム)機などの主制御基板(図示省略)へ電気的に接続されている。
上記構成を備えたエレベーター式(リフト式)のメダル送出装置において、メダル送出用回転ディスク(D)が駆動されると、ホッパータンク(3)内のメダル(C)はこれの円弧弯曲羽根(10)により、その円周面の外側位置にあるメダル送出口(メダル送出通路の入口)(O)を経て、据付け台(1)側のメダル送出通路(P1)とそのメダル送出延長通路(P2)を上方へ強制的に押し進め送出されることとなり、最上端部(頂点位置)まで到達するや否や、引き続きメダル送出変向通路(P3)内へ自然落下し、その内部にある駆動回転羽根(49)により一旦受け止められて、その後下端部(出口)から飛ばし出される。
そして、上記メダル送出用回転ディスク(D)の駆動中、メダル送出通路(P1)に臨むメダル送出羽根車(R)のメダル送出羽根板(61)が、その回転ディスク(D)から押し進められてくるメダル(C)を円滑・確実に受け入れて、これと必らず接触して摩擦回転(自転)することにより、図25、27の矢印(A)で示す一方向(送出方向/上方)へメダル(C)を送出すると同時に、そのメダル送出羽根板(61)との一体的に回転するメダル検知子(センサードク)(62)が、第3メダル検知センサー(69)によって正確に検知(カウント)されるのである。
しかも、上記メダル送出羽根車(R)における軸筒(ボス)(60)の下端部には、多数の凹凸条(65)が細かく刻設されており、その凹凸条(歯列)(65)とこれに差し込み係止された逆止爪(66)とから成るラチエット機構が設けられているため、万一にもメダル送出羽根車(R)が逆回転して、メダル(C)がその送出通路(P1)を下方へ逆流するおそれはない。このことも、上記第3メダル検知センサー(59)によるメダル(C)の正確な検知(カウント)に役立つのである。
但し、メダル送出羽根車(R)の逆回転(送出メダルの逆流)を防止できる機構であるならば、上記ラチエット機構に代えて、図29〜36の変形実施形態に示すようなワンウエイクラッチ機構やその他の機構を採用しても良い。図29〜36の符号(80)はベアリング型のワンウエイクラッチであって、その軸穴(81)の内周面に全体的な放射対称分布型として切り欠かれた複数の楔溝(82)と、その内部に挿入セットされたローラー(83)とを備えており、上記メダル送出羽根車(R)の軸筒(ボス)(60)内へ凹凸嵌合する状態に圧入一体化されている。
そして、そのメダル送出羽根車用支軸(57)のネジ孔(58)へ上方からねじ込まれる固定ビス(59)によって、上記ワンウエイクラッチ(80)が抜け止め状態に保たれているのである。
尚、図12〜24の実施形態と、これにほぼ対応する図29〜36の変形実施形態に示したメダル送出羽根車(R)は高強度な合成樹脂からの一体成形品として、その軸筒(ボス)(60)からメダル送出羽根板(61)とメダル検知子(センサードグ)(62)とを連続一体に張り出しているが、メダル送出羽根板(61)とメダル検知子(センサードグ)(62)とを別個に作成して、そのメダル送出羽根板(61)における軸筒(ボス)の下端面とメダル検知子(センサードグ)(62)における軸筒(ボス)の上端面とを凹凸嵌合させたり、或いはその一方における軸筒(ボス)の外周面と他方における軸筒(ボス)の内周面とを凹凸嵌合(例えばスプライン嵌合)させたりして、互いに一体回転し得るように組み立てても良い。
上記第3メダル検知センサー(69)が送出メダル(C)を検知した出力信号に基いて、上記メダル送出変向通路(P3)内にあるメダル受け止め用回転羽根(49)が駆動され、その一旦受け止められたメダル(C)は駆動回転羽根(49)により、メダル送出変向通路(P3)の下端部から飛ばし出されることとなる。その飛ばし出されるメダル(C)は第2メダル検知センサー(51)によって検知(カウント)され、そのセンサー(51)からの検知出力信号に基いて、上記回転羽根(49)の駆動が停止されるのである。
又、上記駆動回転羽根(49)よりも上側位置にある第1メダル検知センサー(50)が、その回転羽根(49)によって一旦受け止められた状態にあるメダル(C)を検知した時には、そのメダル(C)の無くなったことを検知するまで、上記メダル送出用回転ディスク(D)の駆動が停止されるようになっている。
上記送出メダル検知機構(U)を形作っているメダル送出羽根車(R)のメダル送出羽根板(61)は、予じめ図25、26のように、メダル送出用回転ディスク(D)の円周面から外側へ押し進められてくるメダル(C)のメダル送出通路(P1)に臨んでおり、しかもその軸筒(ボス)(60)を受け持つスライドプレート(56)が、引張りコイルバネ(74)によってメダル送出通路(P1)を使用メダル(C)の最小サイズ(直径)よりも狭い一定の開口幅(Z)(先に例示した約15mm)に保つ方向へ弾圧付勢されているため、そのメダル(C)が例えば約21mmの最小サイズであっても、或いは約26.5mmの最大サイズであっても、そのメダル送出通路(P1)の開口幅を調整する必要なく、そのままで図27、28から明白なように、送出メダル(C)を1枚づつ洩れなく検知(カウント)することができることになる。
更に言えば、上記メダル送出通路(P1)は使用メダル(C)の最大サイズ(直径)とほぼ同じ対応寸法以上の開口幅(W)を備えているが、そのメダル送出通路(P1)における途中の一部は上記引張りコイルバネ(74)の付勢力を受けたメダル送出羽根車(R)のメダル送出通路(P1)へ臨むメダル送出羽根板(61)により、使用メダル(C)の最小サイズ(直径)よりも狭い開口幅(Z)として予じめ一定不変に規定されているため、その使用されるメダル(C)が最大サイズであれば勿論のこと、その使用メダル(C)が最小サイズであっても、上記狭い開口幅(Z)を引張りコイルバネ(74)の弾圧付勢力に抗して押し広げることができ、その押し広げる力を摩擦力として、上記メダル送出羽根車(R)を自づと一方向(上方)へ回転させ得るのであり、そのメダル送出羽根板(61)によるメダル(C)の送出作用とメダル検知子(センサードグ)(62)による送出メダル(C)の検知(カウント)作用とを営なむ。
その際、使用されるメダル(C)のサイズ(直径)が大きくなればなる程、そのメダル送出羽根車(R)に働く摩擦力は強くなるため、その大小サイズに応じた強さの摩擦力によって、上記メダル送出羽根車(R)を常時しっかりと安定良く回転させることができることになり、そのメダル(C)における1枚づつの送出作用や検知(カウント)作用にミスを生じるおそれはない。メダル送出羽根車(R)がメダル(C)を送出する一方向(順方向)へ空廻りするおそれも勿論ない。
尚、図1〜36の第1実施形態に基いて送出メダル検知機構(U)のメダル送出羽根車(R)を説示したが、これは言わば機能的な刻み(送り)回転体として、刻み回転動作により1枚づつのメダル送り作用とメダル検知(カウント)作用を営なめる限り、その名称がメダル送出羽根車である必要はなく、例えばこれに代るメダル送出爪車などと名付けても同じである。その材質も上記の高強度な合成樹脂のみならず、金属から作成することができる。
上記エレベーター式(リフト式)のメダル送出装置ではメダル送出用回転ディスク(D)からメダル送出延長通路(P2)の最上端部(頂点位置)まで、送出メダル(C)が数珠繋ぎに積み重なる状態として待機する関係上、そのメダル(C)のサイズが大小変化すると、メダル(C)同士の隣り合う境界部(切れ目)も変ることになるため、その検知(カウント)する位置の精密な調整が不可欠である。
この点、上記第1実施形態の構成を採用するならば、送出メダル(C)を図11のように最上端部(頂点位置)からメダル送出変向通路(P3)へ、言わばUターンする如く自然落下させるようになっているため、その落下する先行メダルは未だ最上端部(頂点位置)に残存している後行メダルから、自づと分離されることになり、その分離されてから回転羽根(49)により一旦受け止められて、これを検知(カウント)するようになっている結果、メダル(C)のサイズが大小変化しても、その1枚づつを常時正確に検知(カウント)することができる。その自然落下の分離によって、上記メダル送出用回転ディスク(D)のメダル押し進め強制力並びに数珠繋ぎ状態が一旦解除され、メダル(C)同士の隣り合う境界部(切れ目)が無くなるからである。
つまり、図示実施形態のエレベーター式(リフト式)メダル送出装置の場合、メダル送出通路(P1)とそのメダル送出延長通路(P2)並びにメダル送出変向通路(P3)の開口幅(W)を、使用するメダルの最大サイズとほぼ同じ対応寸法(図例では約26.5mm)以上に設定しておくだけで、その大メダルはもとより、小メダルであっても、更には大小メダルが混在していても、すべて支障なく正確に検知(カウント)できるのであり、そのメダルの検知位置や送出位置を調整したり、部品を交換したりする必要は一切ない。
次に、図37〜41は本発明の第2実施形態として、やはり約21mmの最小サイズ(直径)から約26.5mmの最大サイズ(直径)までのメダル(C)につき、無調整で使える仕様の非エレベーター式(払い出し式)メダル送出装置を示しており、これが上記第1実施形態のエレベーター式(リフト式)メダル送出装置と異なる構成について要説すると、下記のとおりである。
即ち、非エレベーター式メダル送出装置における据付け台(1)の天板(2)は水平の設置状態にある。但し、そのメダル送出装置の仕様如何では上記第1実施形態と同じ後上がりの傾斜設置状態になることもあり得る。
メダル送出用回転ディスク(D)における円周面の外側位置に臨むセパレートローラー(11)と、送出メダル検知機構(U)を形作るメダル送出羽根車(R)のメダル送出羽根板(61)との向かい合う相互間が、メダル送出通路(P1)の入口(メダル送出口)(O)として画定されており、ここからメダル(C)がメダル送出通路(P1)を経て、図41の矢印(A)で示す一方向へ1枚づつ順次送出されるようになっている。
その場合、メダル送出口(O)を入口とするメダル送出通路(P1)の開口幅(W)は、メダル送出羽根車(R)におけるメダル送出羽根板(61)の下流位置と、片サイドスペーサー(メダル案内プレート)(15)の開口縁部とから、使用されるメダル(C)の最大サイズ(直径)(先に例示した約26.5mm)よりも若干広大な寸法の空間として開放されており、据付け台(1)の天板(2)へ複数の固定ビス(23)を介して取り付けられたフロントプレート(22)により、表側(正面)から被覆されている。
そして、上記第1実施形態ではメダル送出通路(P1)における途中の一部が、引張りコイルバネ(74)の付勢力を受けたメダル送出羽根車(R)のメダル送出羽根板(61)により、使用メダル(C)の最小サイズよりも狭い一定の開口幅(Z)(先に例示した約15mm)として制限されているが、茲に第2実施形態ではメダル送出通路(P1)の入口(メダル送出口)(O)の開口幅(Z)を、同じくメダル送出羽根車(R)のメダル送出羽根板(61)によって、使用メダル(C)の最小サイズ(先に例示した約21mm)よりも狭い一定の開口幅(Z)(先に例示した約15mm)に規定している。
第2実施形態の構成では、上記第1実施形態のような据付け台(1)側のメダル送出通路(P1)のほかに、そのメダル(C)を上方へ案内するメダル送出延長通路(P2)と、メダル送出変向通路(P3)を具備していない。従って、上記第1実施形態のメダル逆流防止器(43)やメダル受け止め用回転羽根(49)、その駆動モーター(52)、第1、2メダル検知センサー(50)(51)なども具備していない。
又、送出メダル検知機構(U)における第4メダル検知センサー(77)とそのセンサー取付マスト(75)の設置は省略されており、そのため上記メダル送出通路(P1)のフロントプレート(22)にはセンサー取付マスト(75)の逃し入れ孔(24)が無く、メダル送出羽根車(R)のスライドガイド長孔(25)だけが切り抜かれているにとどまる。
そのスライドガイド長孔(25)におけるメダル送出口(メダル送出通路の入口)(O)へ接近する一端側(内側)の開口縁部がメダル送出羽根車(R)の初期設定用位置決めストッパー(25s)として、例えば図示のような直線形態に切り欠かれていることは、上記第1実施形態と実質的に同一である。
図37〜41の第2実施形態におけるその他の構成は上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図37〜41に図1〜36との同一符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略するが、上記第2実施形態の非エレベーター式(払い出し式)メダル送出装置にあっても、メダル送出用回転ディスク(D)の回転によって押し進め送出されてくるメダル(C)が、メダル送出口(メダル送出通路の入口)(O)に臨むメダル送出羽根車(R)のメダル送出羽根板(61)へ、円滑・確実に受け入れられて、これと接触するメダル送出羽根板(61)の摩擦回転(自転)により、図41の矢印(A)で示す方向(送出方向)へ送出されることとなる。
しかも、上記送出メダル検知機構(U)の検知ユニットケース(53)内では、その上記メダル送出羽根板(61)と一体的に回転するメダル検知子(センサードグ)(62)が、第3メダル検知センサー(69)によって自づと確実に検知され、送出メダル(C)のカウントが正しく行われるのである。
更に、上記メダル送出羽根車(R)は逆回転しないようになっており、それにもまして引張りコイルバネ(74)の弾圧付勢力を受けたメダル送出羽根板(61)が、メダル送出口(メダル送出通路の入口)(O)の開口幅(Z)を最小メダルの直径よりも狭く規制して、送出メダル(C)と常時接触する方向に引き寄せられているため、使用されるメダルのサイズ(直径)が大小変化するも、上記第1実施形態と同じく常時正確に検知(カウント)し得るのであり、部品の交換や取付位置の微調整などを一切必要としない。
尚、その引張りコイルバネ(74)に代る圧縮コイルバネを用いて、メダル送出羽根車(R)をメダル送出通路(P1)と接近する方向へ押圧付勢しても良いことは、上記第1実施形態と同様である。