JP2019067325A - 硬貨処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、硬貨を収納した金種別貯留繰出装置の誤設置をすることが無いと共に、取り扱い金種を変更、又は、金種の配置を変更する場合であっても、部品を交換することなく、又は、一部分を交換するのみで対応できる硬貨処理装置を提供することである。【解決手段】金種別保留繰出装置は、保留繰出装置側位置決め手段、保留繰出装置側金種設定手段、及び、保留繰出装置側電気的接続手段が、筐体側位置決め手段、筐体側金種設定手段、及び、筐体側電気的接続手段と夫々嵌り合った場合、正常に設置される。位置決め手段及び電気的接続手段は全金種別保留繰出装置に対し同一であり、金種設定手段は金種部を除き他は同一構造である。【選択図】図1

Description

本発明は、自動精算機や銀行窓口補助機器等において使用される、少なくとも硬貨入金機能有する硬貨処理装置に関する。
詳しくは、硬貨入金装置に入金された硬貨が該当する金種の硬貨保留繰出装置に確実に保留されるようにした硬貨処理装置に関する。
更に詳しくは、硬貨入金装置に内蔵される硬貨保留繰出装置が、間違った金種位置に設置されることを確実に防止できるようにした硬貨処理装置に関する。
なお、本明細書で使用する「硬貨」とは、所定の厚み、及び、直径を有する硬貨やトークン等の円板形状のものの他、英国の20ペンスや50ペンスの様な変形八角形等をも含む概念である。また、「第1」、「第2」等の順位を示す用語は、同一部品名との区別のために用いているにすぎず、権利解釈においては考慮されない。
第一の従来技術として、基礎フレームに、硬貨を保留し、払い出す金種別ユニットを複数設けた硬貨釣銭機において、金種別ユニットを構成するサイドフレームには下向きに突出する係止突起が設けられ、一方、これら金種別ユニットに対し共通の基礎フレームには当該係止突起が係合される係止孔が設けられ、金種毎にこれらの係止突起と係止孔の対の位置を異ならせることにより、金種別ユニットを基礎フレームに取り付ける際の誤設置を防止することが知られている(特許文献1)。
第二の従来技術として、上方が開放された内部空間を形成し、該内部空間に収納カセットが上方から着脱されると共に、装着されるべき収納カセットがそれぞれ予め定められた複数のカセット装着部と、収納カセットの外面に取り付けられ、当該収納カセットを装着すべきカセット装着部に応じて立体形状を相違させた標識部と、カセット装着部における上辺の一部を切り欠き内部空間と外部とを貫通するようにそれぞれ形成され、特定の立体形状でなる標識部と嵌合して当該標識部を具えた収納カセットの当該カセット装着部への装着を許容する一方、他の立体形状でなる標識部と嵌合せず当該標識部を有する収納カセットの当該カセット装着部への装着を禁止する嵌合部とを設けた媒体収納装置が知られている(特許文献2)。
第三の従来技術として、同一寸法に形成され、取引時に出金される複数の金種の紙幣を金種別に収容した複数の収容箱が、該金種に夫々対応する複数の装着部に着脱自在に装着され、利用者の操作によって出金取引が遂行される出金装置であって、前記金種別の収容箱を夫々の金種に該当する装着部にだけ装着可能とする装着機構を備えたことを特徴とする出金装置知られている(特許文献3)。
特許第4664962号(図9、図11、段落0012、0047〜0049、0060) 特許第5929273号(図1〜図15、段落0014〜0016、0058〜0226) 特開平5−120509(図1図5、段落0013、0016、0025〜0027)
第一の従来技術においては、複数の金種別ユニットのサイドフレームに、金種毎に異なる位置に形成された下向きに突出する係止突起を、基礎フレームに形成された、金種毎に異なる位置に形成された係止孔に挿入することで、金種別ユニットの誤装着を防止するようにしている。しかし、第一の従来技術において、取り扱い金種を変更、又は、金種の配置を変更する場合、少なくとも、当該取り扱い金種、又は、金種の配置位置に適合するように係止孔を穿孔した基礎フレームに交換せねばならず、コストが増加する問題がある。
第二の従来技術においては、カセット装着部と、収納カセットの外面を対として、金種毎に異なる標識部を設けているので、収納カセットの誤挿入をすることは無いが、第一の従来技術同様、取り扱い金種を変更、又は、金種の配置を変更する場合、カセット装着部と収納カセットの全体を交換せねばならず、コストが増加する問題がある。
第三の従来技術においても、第二の従来技術と同様に、取り扱い金種を変更、又は、金種の配置を変更する場合、装着部と収容箱を対で交換せねばならず、コストが増加する問題がある。
本発明の目的は、貨幣を収納した金種別貯留繰出装置の誤設置をすることが無いと共に、取り扱い金種を変更、又は、金種の配置を変更する場合であっても、部品を交換することなく、又は、一部分の部品を交換するのみで対応できる硬貨処理装置を提供することである。
この目的を達成するため、請求項1に係る第1の発明は以下のように構成されている。
少なくとも、筐体内に設置された複数の金種別保留繰出装置を含み、前記複数の金種別保留繰出装置のそれぞれに対応して前記筐体側に設けられた複数の筐体側金種設定手段と、前記複数の金種別保留繰出装置のそれぞれに設けられた金種別保留繰出装置側金種設定手段とによって構成された金種設定手段によって、前記筐体側金種設定手段の筐体側金種設定部の設定された金種と前記金種別保留繰出装置側金種設定手段の金種別保留繰出装置側金種設定部の設定された金種とが同じ組み合わせの場合に、前記複数の金種別保留操出装置のそれぞれが前記筐体内に設置可能に構成されている硬貨処理装置であって、前記筐体側金種設定手段のそれぞれは、金種毎に異なるように設定される前記筐体側金種設定部を有し、前記金種別保留繰出装置側金種設定手段は、前記金種別保留繰出装置に付設され、金種毎に異なるように設定される前記金種別保留繰出装置側金種設定部を有することを特徴とする硬貨処理装置である。
本発明に係る第2の発明は、前記筐体側金種設定部は金種毎に異なる位置に配置され、前記金種別保留繰出装置側金種別設定部は、対応する金種に設定された前記筐体側金種設定部と適合する位置に配置されることを特徴とする第1の発明の硬貨処理装置である。
本発明に係る第3の発明は、前記筐体側金種設定部と前記金種別保留繰出装置側金種別設定部とのそれぞれは、一方が凹部に構成され、他方が当該凹部と嵌り合う凸部に構成されていることを特徴とする第1又は第2の発明の硬貨処理装置である。
本発明に係る第4の発明は、
前記筐体側金種設定部は凸部に構成され、前記金種別保留繰出装置側金種別設定部は前記凸部と嵌り合う凹部に構成されていることを特徴とする第3の発明の硬貨処理装置である。
本発明に係る第5の発明は、前記筐体側金種設定部は、前記筐体とは別体に設けられた板状体に設けられた少なくとも一つの円柱ピンであり、前記金種別保留繰出装置側金種別設定部は板状体に穿孔された円孔であることを特徴とする第4の発明の硬貨処理装置である。
本発明に係る第6の発明は、前記筐体側金種設定部は凹部に構成され、前記金種別保留繰出装置側金種別設定部は前記凹部と嵌り合う凸部に構成されていることを特徴とする第3の発明の硬貨処理装置である。
本発明に係る第7の発明は、前記筐体側金種設定部は、前記筐体とは別体に設けられた板状体に設けられた少なくとも一つの円孔であり、前記金種別保留繰出装置側金種別設定部は前記金種別保留繰出装置に固定された一つの円柱ピンであることを特徴とする第6の発明の硬貨処理装置である。
本発明に係る第8の発明は、前記金種別保留繰出装置側金種設定手段は、前記金種別保留繰出装置に第一の態様において付設された場合第一の金種に適合し、第二の態様において付設された場合第二の金種に適合することを特徴とする第1乃至第7の発明の何れかの硬貨処理装置である。
本発明に係る第9の発明は、同一金種に設定された前記筐体側金種設定手段及び前記金種別保留繰出装置側金種設定手段又は前記金種別保留繰出装置のそれぞれには、同一の識別手段が付されていることを特徴とする第1乃至第8の発明の何れかの硬貨処理装置である。
本発明に係る第10の発明は、前記識別手段は色であることを特徴とする第9の発明の硬貨処理装置である。
第1の発明によれば、筐体側に設置した筐体側金種設定手段と金種別保留繰出装置側に配置した金種別保留繰出装置側金種設定手段とは、両者が同一金種に設定されている場合のみ、正常に組み合わされることができるので、金種別保留繰出装置は間違った筐体の場所に設置されることは無い。そして、金種別保留繰出装置側金種設定手段の金種別保留繰出装置側金種設定部において設定された金種と、筐体側金種設定部に設定された金種が同じ組み合わせの場合に、複数の金種別保留操出装置のそれぞれが前記筐体内に設置可能に構成されている。したがって、異なる金種に設定し、又は、金種の配置を変更する場合、筐体側金種設定手段を該当する金種用の筐体側金種設定部を有する筐体側金種設定手段に変更し、金種別保留繰出装置側金種設定手段も、当該筐体側金種設定手段に対応する金種別保留繰出装置側金種設定部を有する金種別保留繰出装置側金種設定手段に変更する。この際、筐体側は筐体側金種設定手段を変更し、金種別保留繰出装置側は対応する金種別設定部を有する金種別保留繰出装置側金種設定手段に変更するだけで良い。したがって、筐体及び金種別保留繰出装置はそのまま利用することができる。換言すれば、筐体側は設定されるべき金種の筐体側金種設定手段を変更し、金種別保留繰出装置側は対応する金種別保留繰出装置側金種設定手段に変更するだけでよいので、部品を交換することなく位置を変更し、又は、一部分の部品を交換するのみで容易に変更することができ、本発明の目的を達成できる利点がある。
第2の発明は、第1の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における目的を達成することができる。さらに、第2の発明においては、筐体側金種設定部は金種毎に異なる位置に配置され、金種別保留繰出装置側金種別設定部は、対応する金種の筐体側金種設定部と適合する位置に配置される。これにより、筐体側金種設定部の位置のみを変更し、その他は同一の部品によって筐体側金種設定手段を構成できる。また、金種別保留繰出装置側金種設定手段についても金種別設定部のみの位置を変更して構成できるので、コストを低減できる利点がある。
第3の発明によれば、第1の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における目的を達成することができる。さらに、第3の発明においては、筐体側金種設定部と金種別保留繰出装置側金種別設定部は、一方が凹部であり、他方がこれに嵌り合う凸部に構成される。これにより、凹部に凸部をはめ合わせるだけで良いので、組み合わせが容易である利点がある。
第4の発明は、第1の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における目的を達成することができる。さらに、第4の発明においては、筐体側金種設定部は凸部であり、金種別保留繰出装置側金種別設定部は凹部であるので、組み合わせが容易である利点がある。
第5の発明は、第1の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における目的を達成することができる。さらに、第5の発明においては、筐体側金種設定部は、筐体とは別体に設けられた板状体に設けられた少なくとも一つの円柱ピンであり、金種別保留繰出装置側金種別設定部は板状体に少なくとも1つ穿孔された円孔であるので、筐体側金種設定部を構成する際は丸棒を切断し、又は、一体成型することにより、金種別保留繰出装置側金種別設定部を構成する際は穴あけ工具により円孔を穿孔して構成することができ、製造が容易である利点がある。
第6の発明は、第1の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における目的を達成することができる。さらに、第6の発明においては、筐体側金種設定部は凹部であり、金種別保留繰出装置側金種別設定部は凸部であるので、組み合わせが容易である利点がある。
第7の発明は、第1の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における目的を達成することができる。さらに、第7の発明においては、筐体側金種設定部は、筐体とは別体に設けられた板状体に設けられた少なくとも一つの円孔であり、金種別保留繰出装置側金種別設定部は板状体に設けられた円柱ピンであるので、金種別保留繰出装置側金種別設定部を構成する際は丸棒を切断し、又は、一体成型することにより、筐体側金種設定部を構成する際は穴あけ工具により円孔を穿孔して構成することができ、製造が容易である利点がある。
第8の発明は、第1の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における目的を達成することができる。さらに、第8の発明においては、金種別保留繰出装置側金種設定手段は、金種別保留繰出装置に第一の態様において付設された場合、第一の金種に適合し、第二の態様において付設された場合、第二の金種に適合するように構成されている。換言すれば、金種別保留繰出装置側金種設定手段は第一の態様に対し、反転させた第二の態様において金種別保留繰出装置に付設された場合、第二の金種に対応する。更に換言すれば、金種別保留繰出装置側金種設定手段はその取り付け態様により、二役を成す。よって、コスト低減を図ることが出来る利点がある。
第9の発明は、第1の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における目的を達成することができる。さらに、第9の発明においては、同一金種に設定された筐体側金種設定手段及び金種別保留繰出装置側金種設定手段又は金種別保留繰出装置には、同一の識別手段が付されている。換言すれば、同一金種用の筐体側金種設定手段及び金種別保留繰出装置側金種設定手段又は金種別保留繰出装置には同一の識別手段が付されているので、それらが一致するように組み合わせることにより、同一金種の金種別保留繰出装置を筐体に設置することができる。よって、保留繰出装置の筐体への設置が容易に、かつ、間違いなく行うことができる利点がある。
第10の発明は、第1の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における目的を達成することができる。さらに、第10の発明においては、識別手段が色であることから、筐体側金種設定手段に付された色と、金種別保留繰出装置側金種設定手段又は金種別保留繰出装置に付された色とが同一になるように金種別保留繰出装置を設置することにより、同一の金種の組み合わせとなる。よって、金種別保留繰出装置の筐体への設置がより一層、容易にかつ間違いなく行うことができる利点がある。
図1は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置が内蔵される貨幣処理装置の概略斜視図である。 図2は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置が内蔵される貨幣処理装置の概要縦断面図である。 図3は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置が内蔵される貨幣処理装置の主扉を開口した状態の前側右上方からの斜視図である。 図4は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置を貨幣処理装置から引き出した状態の前側右上方からの斜視図である。 図5は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置の主要部の概略斜視図である。 図6は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置の概略説明図であり、(A)は左上方からの透視斜視図、(B)は透視左側面図である。 図7は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置の金種別保留繰出装置の後側右上方からの斜視図である。 図8は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置の金種別保留繰出装置から保留容器を取り除いた状態の正面図である。 図9は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置の金種別保留繰出装置であって、(A)は左側面図、(B)は右側面図、(C)は図7における仮想垂立面P1に沿う縦断面図、(D)は底面図である。 図10は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置の図6における仮想垂立面P2における横断面図である。 図11は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置の金種設定手段であって、(A)は筐体側金種設定手段の平面図(図12において真下に見下ろした状態)、(B)は(A)中A―A線断面図、(C)は同右側面図、(D)は円柱ピンの正面図、(E)は保留繰出装置側金種設定手段の平面図(図10において矢視A方向から保留繰出装置側金種設定手段のみを見た図)、(F)は(E)におけるB―B線断面図、(G)は同右側面図である。 図12は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置の筐体における金種別保留繰出装置の装着部の説明図である。 図13は、本発明にかかる実施例1の硬貨処理装置の金種設定手段における、図11(A)及び(E)と同一状態での筐体側金種設定手段と金種別保留繰出装置側金種設定手段であって、(S2c)及び(H2c)は2セント用、(S5c)及び(H5c)は5セント用、(S10c)及び(H10c)は10セント用、(S20c)及び(H20c)は20セント用、(S50c)及び(H50c)は50セント用、(S1e)及び(H1e)は1ユーロ用、(S2e)及び(H2e)は2ユーロ用、(S1c)及び(H1c)は1セント用の組み合わせである。 図14は、本発明にかかる実施例2の硬貨処理装置の左後上方からの斜視図である。 図15は、本発明にかかる実施例2の硬貨処理装置の金種別保留繰出装置列の前方左上方からの斜視図である。 図16は、本発明にかかる実施例2の硬貨処理装置の金種別保留繰出装置の保留ボウルを取り除いた平面図である。 図17は、本発明にかかる実施例2の硬貨処理装置の金種別保留繰出装置の右側面図である。 図18は、本発明にかかる実施例2の硬貨処理装置の金種別保留繰出装置の正面図である。 図19は、本発明にかかる実施例2の硬貨処理装置の金種設定手段を説明する説明図である。 図20は、本発明にかかる実施例2の硬貨処理装置の金種別保留繰出装置の断面図である。
本発明に係る硬貨処理装置の最良の形態は、少なくとも、筐体内に設置された複数の金種別保留繰出装置を含み、前記複数の金種別保留繰出装置のそれぞれに対応して前記筐体側に設けられた複数の筐体側金種設定手段と、前記複数の金種別保留繰出装置のそれぞれに設けられた金種別保留繰出装置側金種設定手段とによって構成された金種設定手段によって、前記筐体側金種設定手段の筐体側金種設定部の設定された金種と前記金種別保留繰出装置側金種設定手段の金種別保留繰出装置側金種設定部の設定された金種とが同じ組み合わせの場合に、前記複数の金種別保留操出装置のそれぞれが前記筐体内に設置可能に構成されている硬貨処理装置であって、前記筐体側金種設定手段のそれぞれは、金種毎に異なるように設定される前記筐体側金種設定部を有し、前記金種別保留繰出装置側金種設定手段は、前記金種別保留繰出装置に付設され、金種毎に異なるように設定される前記金種別保留繰出装置側金種設定部を有し、前記金種別保留繰出装置側金種設定部は、金種毎に同一に形成された板状体の異なる位置に穿孔された円孔であり、この板状体を金種別保留繰出装置に対し逆向きに取り付けた場合、異なる金種に設定されるよう構成され、前記筐体側金種設定部は、同一に形成された板状体の金種毎に異なる位置から突出する円柱ピンであり、同一金種に設定された前記筐体側金種設定部である円柱ピンが前記金種別保留繰出装置側金種設定部である円孔に嵌り合うことで前記金種別保留操出装置のそれぞれが前記筐体内に設置可能であり、金種が同一の前記筐体側金種設定手段と前記金種別保留繰出装置には、同一色の識別手段を付したことを特徴とする硬貨処理装置である。
本実施例1は、硬貨処理装置100として、硬貨入出金装置102に適用した例であり、硬貨の種類は、ユーロ圏において用いられている、2ユーロ硬貨2e、1ユーロ硬貨1e、50セント硬貨50c、20セント硬貨20c、10セント硬貨10c、5セント硬貨5c、2セント硬貨2c、及び、1セント硬貨1Cを対象としている。しかし、対象硬貨としては、日本硬貨、米国硬貨、中国硬貨等世界中の硬貨を対象とすることができる。本明細書において、硬貨金種を特定して行う場合、前記した符号を用いるが、特に区別する必要がない場合には、総称として硬貨Cを用いる。
まず、図1を参照して硬貨入出金装置102を説明する。
硬貨入出金装置102は、貨幣処理装置104、例えば、精算機106内に配置される。精算機106は、全体として縦長の箱型に形成されており、縦長箱型の筐体108と、その前方の開口108oを開閉口する主扉108Dと、内部に配置された上段底板108UBによって構成された上段室108UC、中段底板108MBと上段底板108UBとによって構成された中段室108MC、及び、中段底板108MBの下方に形成された下段室108LCが構成されている。
硬貨入出金装置102は上段室108UC内に配置され、精算機筐体108の上部空間108Uに内蔵されているが、主扉108Dを解放した場合、開口108oを通って精算機筐体108の外方に、公知の伸縮可能な硬貨処理装置ガイドレール112によって水平状態を維持したまま全体を引き出されることができる。硬貨入出金装置102の入金口114には、精算機筐体108の天板108Tに形成された受入口108Rを介して硬貨Cを受け入れ、出金口140は主扉108Dに形成された出口開口108Eに位置されている。中段室108MCには紙幣入出金装置116が配置され、紙幣ガイドレール118によって精算機筐体108外に全体を引き出されることができ、主扉108Dに形成された紙幣開口122を介して紙幣の入出金を行う。主扉108Dは、施錠装置124によって、精算機筐体108に対し施錠・開錠可能である。なお、天板108T上に設置されているのは、インターフェース手段としての表示装置兼入力装置126である。
次に硬貨入出金装置102の概要を図5及び図6を参照しつつ説明する。
硬貨入出金装置102は、複数金種の硬貨Cを受け入れ、出金指令によって指定された金種の硬貨Cを所定数払い出す機能を有し、本実施例1において、硬貨入出金装置102は、入金口114と、硬貨受入装置128と、硬貨整列送出装置132と、硬貨識別装置134と、硬貨搬送振分装置136と、金種別保留繰出装置138と、出金口140と、出金搬送装置142を少なくとも備え、筐体144内に配置されている。
まず、硬貨受入装置128を説明する。
硬貨受入装置128は、平面視においてD形の入金口114に受入口108Rを経由してバラ状態で投入された複数金種の硬貨Cを、次行程の硬貨整列送出装置132の機能が阻害されない量を超えない範囲で次行程の硬貨整列送出装置132に送り出す機能を有する。
硬貨受入装置128は、搬送体146、逆転ローラ148及び搬送体146を駆動する電気モーター152及び硬貨センサー154を含んでいる。
次に搬送体146を説明する。
搬送体146は、入金口114に投入された硬貨Cを次行程へ向けて搬送する機能を有する。搬送体146は、本実施例1では平ベルトであり、最大硬貨直径の二倍よりも僅かに広い幅を有し、一対のローラ間に張設され、かつ、下流に向かって僅かに上り傾斜に設けられている。しかし、平ベルトは、水平であっても良い。この搬送体146は、電気モーター152の正転及び逆転により硬貨Cを次行程に搬送する送り出し方向(図5において左方向)、又は、逆方向の戻し方向に移動可能である。
次に逆転ローラ148を説明する。
逆転ローラ148は、搬送体146が送り出し方向に進行している場合、積み重なって搬送される硬貨Cの進行を阻止してズリ落とす機能を有する。逆転ローラ148は、搬送体146の下流側端部の上方に、その下端周面が搬送体146との間に最薄硬貨の厚みの約3倍弱、かつ、最厚硬貨厚みの1枚強の規制隙間を空けて配置されている。この逆転ローラ148は、搬送体146が次行程への搬送方向に進行する場合(図6において左方向)、その下面が搬送体146の進行方向と逆方向に回転し、搬送体146が戻り方向に移動した場合、静止状態になるよう構成されている。
しかし、搬送体146が戻り方向に移動した場合、逆転ローラ148の下面が同方向に戻るよう回転させてもよい。
これにより、搬送体146上に最薄の硬貨が三枚以上重なって逆転ローラ148に到達した場合、最上の硬貨Cは逆転ローラ148によって進行を阻止され、相対的に戻り方向に移動されてズリ落とされ、多量の硬貨Cが一気に硬貨整列送出装置132に供給されないように規制している。この場合、二枚以上重なって硬貨Cが通過しないよう、規制隙間の大きさを最薄の硬貨厚みの1枚以上2枚未満にすることができる。
次に硬貨センサー154を説明する。
硬貨センサー154は、搬送体146上に硬貨Cが存在することを検知する入金検知機能を有する。換言すれば、投入された硬貨Cが全て硬貨整列送出装置132へ送り出されたかを間接的に検知する。本実施例1においては、硬貨センサー154として透過型の光電センサーが用いられている。硬貨センサー154の光軸が遮断された場合、硬貨Cが投入されたとみなし、電気モーター152を起動して搬送体146を送り出し方向に移動させる。また、後述の硬貨整列送出装置132のフルセンサ156がフル状態を検知した場合、電気モーター152は停止される。したがって、硬貨整列送出装置132は、硬貨受入装置128からフル量以上の硬貨Cを受けることが無く、安定して一つずつ区分けして硬貨を送り出すことができる。
次に硬貨整列送出装置132を図6を参照して説明する。
硬貨整列送出装置132は、硬貨受入装置128からバラ状態で受け入れた複数金種の硬貨Cを一つずつ分離して次行程へ送り出す機能を有する。本実施例1において、硬貨整列送出装置132は、硬貨受入装置128の下方に配置され、回転板158、保留半球容器162、受取体164及びフルセンサ156を含んでいる。
まず回転板158を説明する。
回転板158は、硬貨Cを一つずつ受け入れる受入部178を有し、所定の角度で傾斜配置され、かつ、所定の速度で回転される。
受入部178は、最小径硬貨が二つ並んで受入られることができず、かつ、最大径硬貨が一枚のみ受け入れられる大きさに設定されている。
回転板158の受入部178は、保留半球容器162に相対する下部においてバラ状態で保留された硬貨Cを一つずつ受入れ、ナイフ形状の受取体164に受け渡す(例えば特許第4784806号参照)。
フルセンサ156は、保留半球容器162内の硬貨量が所定量以上になった場合、フル信号を出力する機能を有し、例えば、透過形の光電センサーである。フルセンサ156がフル信号を出力した場合、電気モーター152が停止され、硬貨受入装置128からの硬貨Cの供給が停止される。フルセンサ156がフル信号を出力しない場合、電気モーター152は再起動され、搬送体146上の硬貨Cが保留半球容器162に供給される。
次に硬貨識別装置134を説明する。
硬貨識別装置134は、硬貨整列送出装置132から一つずつ送り出された硬貨Cの真偽及び金種を判別する機能を有する。硬貨識別装置134は、本実施例1においては、回転ワイパ182によって硬貨Cを移動させる過程において、硬貨識別センサー166から取得した検知データに基づいて硬貨Cの真偽及び金種を判別する機能を有する。具体的には、硬貨Cの材質センサー、厚みセンサー及び直径センサーからの検知データに基づいて硬貨Cの真偽及び金種を判別する機能を有する。これらセンサーは、例えば、複数の磁気センサーである。
次に硬貨搬送振分装置136を説明する。
硬貨搬送振分装置136は、硬貨識別装置134によって真偽及び金種を判別された硬貨Cを金種別に振り分ける機能を有する。本実施例1において、硬貨搬送振分装置136は、後述のスライドプレート172によって一面を、ガイドレール174によって周面を支えられている硬貨Cを押動して所定の方向に移動させると共に、所定の位置に形成された金種別落下孔に金種毎に落下させる機能を有する。本実施例1において、硬貨搬送振分装置136は、ガイド装置168、硬貨搬送装置176、及び、選別装置178を含んでいる。
まずガイド装置168を説明する。
ガイド装置168は、硬貨搬送装置176によって搬送される硬貨Cが、所定の状態において案内されるようにガイドする機能を有し、本実施例1において、ガイド装置168は、傾斜した平板状のスライドプレート172と、当該スライドプレート172の上面に対し、直角をなす棒状のガイドレール174によって構成されている。この構成によって、硬貨Cはその下面をスライドプレート172の上面によって案内され、下端周面をガイドレール174によって案内されつつ硬貨搬送装置176によって移動される。
次に硬貨搬送装置176を説明する。
硬貨搬送装置176は、ガイド装置168によって一定の姿勢に維持されている硬貨Cを一定の方向に移動させる機能を有している。本実施例1において、硬貨搬送装置176は、第一スプロケット182と第二スプロケット184、及び、それらの間に張設したチェーン186及びチェーン186から突出する押動ピン188を含み、チェーン186は回転ワイパ182と連動している。よって、回転ワイパ182によって一つずつ送り出される硬貨Cは、押動ピン188に押されてガイドレール174及びスライドプレート172の上面に案内されつつ移動し、移動通路192を直線状に搬送される。
次に選別装置178を説明する。
選別装置178は、硬貨搬送装置176によって移動される硬貨Cを金種毎に選別する機能を有している。
選別装置178は、ガイドレール174の上側であって、かつ、移動通路192に沿って配置された第1選別部194、及び、移動通路192の下側であって、かつ、ガイドレール174に沿って配置された第2選別部196を有している。
第1選別部194は、上流側(硬貨識別装置134側)より2セント選別孔2C、5セント選別孔5C、10セント選別孔10C、20セント選別孔20C及びオーバーフロー選別孔OFの順に配置されている。
第2選別部196は、上流側よりリジェクト選別孔RJ、1セント選別孔1C、2ユーロ選別孔2E、50セント選別孔50C及び1ユーロ選別孔1Eの順に配置されている。
硬貨搬送装置176によって搬送される硬貨Cは、硬貨識別装置134で判別された金種に基づき、各選別孔に配置されているゲートが開き、対応する選別孔に自重で落下する。なお、各選別孔に対する金種の配置は一例であるので、必要に応じ自由に配置できる。
各選別孔2c、5c、10c、20c、1c、2E、50c、RJ及び、1Eには、電気的アクチュエーターによって作動されるゲート装置(図示せず)が配置され、オーバーフロー選別孔OFには前記何れの選別孔にも落下しなかった硬貨Cが落下するように構成されている。
本実施例1において、選別孔2c、5c、10c、20c、1c、2E、50c、RJ及び、1Eのゲート装置は、ガイドレール174も兼ねている。すなわち、ガイドレール174は、リジェクト選別孔RJ、1セント選別孔1c、2ユーロ選別孔2E、50セント選別孔50c及び1ユーロ選別孔1Eの間に固定される固定ガイド、及び、電動的に移動される可動ガイドによって構成され、通常1本の直線状を呈している。そして、搬送される硬貨Cが選別孔RJ、1c、2E、50c及び1Eに落下される場合、可動ガイド(ゲート装置)を通常の位置から移動させることにより、移送される硬貨Cが可動ガイドに案内されないようにし、所定の選別孔に落下するようにしてある(特許第4997374参照)。
各選別孔2c、5c、10c、20c、1c、2E、50c、及び、1Eに相対するゲート装置は、タイミングセンサ(図示せず)からのタイミング信号、及び、硬貨識別センサー166によって検知された硬貨情報に基づいて判別された真偽及び金種に基づいて選択的に開閉される。結果として、入金搬送装置108によって搬送される硬貨Cは、金種毎に所定の選別孔に落下させられる。
次に金種別保留繰出装置138を説明する。
金種別保留繰出装置138は、硬貨搬送振分装置136の選別装置178において金種毎に選別された硬貨Cを金種別に保留し、かつ、送り出す機能を有する。本実施例1において、金種別保留繰出装置138は回転ディスク198によって硬貨Cを一つずつ払い出す、所謂、コインホッパを金種毎に硬貨搬送振分装置136の下方に第1選別部194及び第2選別部196に相対して横並びに並列した第1保留繰出装置列202及び第2保留繰出装置列204の二列に並べることにより構成されている。各金種別保留繰出装置138は、符号138に選別装置178において設定した金種毎の記号を付して表示してある。2セント選別孔2Cと2セント用保留繰出装置1382C、5セント選別孔5Cと5セント用保留繰出装置1385C、10Cセント選別孔と10セント用保留繰出装置13810C、20セント選別孔20Cと20セント用保留繰出装置13820C、1セント選別孔1Cと1セント用保留繰出装置1381C、2ユーロ選別孔2Eと2ユーロ用保留繰出装置1382E、50セント選別孔50Cと50セント用保留繰出装置13850C、及び1ユーロ選別孔1Eと1ユーロ用保留繰出装置1381Eとは図示しない通路により個別に連通されている。
次に第1保留繰出装置列202及び第2保留繰出装置列204を構成する金種別保留繰出装置138の一例を主に図7〜図9を参照して説明する。各金種別保留繰出装置1382C〜1381Eの基本的構成は同一であるので、共通の符号を付して説明する。なお本実施例1において回転ディスク198における通孔226の数が、対象硬貨Cの直径によって異なる点が唯一の相違点であるが、保留容器206等の形状が異なる場合もあるが、硬貨Cをひとつずつ送り出す基本的機能は同一である。本明細書において、保留繰出装置側金種設定手段は、全ての金種に対して実質的に同一に構成されているとは、硬貨Cを保留し、一つずつ繰出す基本的機能において同一という意味であり、換言すれば、基本的機能以外は異なる構成であってもよいという意味である。基本的機能以外とは例えば回転ディスク198の通孔226の数や保留容器206の形状等である。
金種別保留繰出装置138は、保留する硬貨Cを一つずつ送り出す機能及び送り出した硬貨Cの硬貨信号CSを出力する機能を有する。金種別保留繰出装置138は、硬貨Cを保留するための筒状の保留容器206、保留容器206の底部に配置され、硬貨Cを一つずつ分離するための回転ディスク198、回転ディスク198によって連れ回りされる硬貨Cがスライドする平板状のベース208、回転ディスク198を回転駆動するための第二電気モーター212、硬貨Cを弾き出す投出装置214、硬貨検知装置216、並びに、位置決め手段282、金種設定手段284、及び、電気的接続手段286の金種別保留繰出装置138側の部位を含んでいる。
まず、保留容器206を説明する。
保留容器206は、全体として縦向きの筒形をし、上端部はほぼ矩形であり、下端部は円形の底孔218であり、硬貨Cをばら積み状態で多数保留する機能を有する。
保留容器206は、後述のベースフレーム222の上面に着脱可能に取り付けられている。
次に、回転ディスク198を説明する。
回転ディスク198は、保留容器206内の硬貨Cを攪拌すると共に硬貨Cを一つずつ分離する機能を有する。回転ディスク198は、保留容器206の下方のベースフレーム222の円形孔224内に傾斜状態で回転自在に配置されている。回転ディスク198は、所定の間隔で複数配置された通孔226、上面中央部に錐形の攪拌部228及びその下面に硬貨Cの第1押出部230、及び、第2押動部232を有する。
したがって、通孔226に落下した硬貨Cは、ベース208の上面234に保持され、かつ、硬貨払出時は図8において反時計方向に正転する回転ディスク198裏面の第1押出部230及び第2押出部232によって押動され、円形孔224に周縁を案内されつつ回転ディスク198と共に反時計方向に回動される。回転ディスク198に連れ回りされる硬貨Cは、ベース208の上面234の所定位置に突出している第一規制ピン236、及び、第二規制ピン238によって移動が阻止されると共に、回転ディスク198の周方向へ案内される。
この位置の円形孔224は切欠かれ、払出開口240が形成されているので、押し出された硬貨Cは、円形孔224の外へ移動することができる。第一規制ピン236、及び、第二規制ピン238は、スプリング(図示せず)によりベース208の下方から上面234に突出するよう付勢され、かつ、回転ディスク198の正転方向に相対する反対側の上端部に斜面242、244が形成されている。
これにより、回転ディスク198が逆転した場合、硬貨Cによって斜面242、244が押されるため、第一規制ピン236、及び第二規制ピン238はスプリング力に反して下方に押し下げられる。
よって、硬貨Cは第一規制ピン236、及び第二規制ピン238を乗り越えて回転ディスク198と共に時計方向に移動し、払出開口240から払い出されることが無い。
また、回転ディスク198は、ベース208を貫通して回転自在に取り付けられた回転軸246の上端部にその軸線方向にスライド不能かつ回転軸246に対して回転不能に取り付けられる。詳述すれば、回転ディスク198とベース208の上面234との間に低摩擦係数を有するシムを介在させることにより、それらの間の距離を調整し、硬貨Cの厚みに応じた回転ディスク198の位置に調整することができる。なお、硬貨Cの厚みに対する回転ディスク198の位置調整装置は、前述のシムの他、同一機能を有する他の装置に変更することができる。
次にベース208を説明する。
ベース208は、回転ディスク198によって連れ回りされる硬貨Cを平らな上面234で案内する機能を有する。ベース208は矩形箱形のベースフレーム222の上面中央の円形孔224内に固定され、約30度から40度の範囲で払出開口240側が高くなるように傾斜している。この傾斜角度は、より小さい方が保留容器206の硬貨保留量が大きいので好ましい。しかし、傾斜角度が小さい場合、回転ディスク198の直径の金種別保留繰出装置138の大きさに対する影響度が増加するため、傾斜角度は約30度が最小であり、傾斜角度が大きい場合、硬貨Cの払出効率が落ちるため、約60度が最大である。
円形孔224と保留容器206の下端部の底孔218とは同一径に形成され、一体化されている。ベースフレーム222は、薄い箱形であり、内部の空間に第二電気モーター212等が配置されている。ベースフレーム222の下方に側面視が三角形であって三角柱状の設置ブロック200が着脱自在に取り付けられている。設置ブロック200の払出開口240側の下面が後述する筐体側板状体288上に載置された場合、底板200Bが水平状態を維持するよう、脚体210がベースフレーム222に固定されている。これにより、金種別保留繰出装置138が後述の装着部280に装着された場合、ベース208が略30度傾斜し、保留容器206が略垂立状態において安定するように構成されている。
次に第二電気モーター212を説明する。
第二電気モーター212は、回転ディスク198を正転方向及び逆転方向に回転させる機能及び回転ディスク198を停止する機能を有する。第二電気モーター212は、ベースフレーム222の内部空間に配置されている。第二電気モーター212は、電気モーター、エアモーター、オイルモーター等使用可能であるが、電気モーターが小型化、制御のし易さから最も好ましい。
第二電気モーター212は、電源が直流又は交流であってもよく、更にモーター形式として誘導モーター等各種使用可能であるが、正逆転可能であり、小型化、メンテナンス性及び耐久性の観点からブラシレスDCモーターが好ましい。
第二電気モーター212は、上位の制御装置(図示せず)からの指令により、硬貨Cを払い出すための正転、硬貨ジャムを解消するための逆転、及び、正又は逆転時に逆方向の回転力を一瞬作用させて急速停止する停止動作を行う。
第二電気モーター212の出力軸(図示せず)は、減速機構(図示せず)を介してベースフレーム222に垂立状態で回転自在に取り付けられた回転軸246を回転させる。
したがって、回転ディスク198は、第二電気モーター212の正転により正転方向へ回転され、逆転により逆転方向へ回転され、第二電気モーター212の停止により回転が停止される。
次に投出装置214を説明する。
投出装置214は、硬貨Cを一つずつ所定方向へ投出する機能を有する。本実施例1において投出装置214は、回転ディスク198により一つずつ送り出される硬貨Cを所定方向へ勢いを付けて投出する機能を有する。投出装置214は、回転ディスク198に隣接し、払出開口240に相対して配置されている。投出装置214は、一方がベース208に対し実質的に固定状態に配置された固定案内体248としての固定ローラ250とベース208に対し移動可能に配置され、かつ、固定案内体248側に近づくよう弾性的に付勢された可動案内体252としての可動ローラ254により構成され、硬貨Cの直径部がそれらローラ間を通過した直後、可動ローラ254に付勢装置256によって付加されている付勢力により、硬貨Cは勢いよく弾き出される。投出装置214の硬貨Cの投出方向は、図8における矢印Xの弾出方向線方向(以下、弾出方向線X方向と記載する。)を指向している。しかし、硬貨Cの投出方向は、弾出方向線X方向に限らず、硬貨Cと固定ローラ250及び可動ローラ254とによる挟み状況等によって様々に変化する。
次に付勢装置256を説明する。
付勢装置256は、可動案内体252に所定の付勢力を付加する機能を有する。付勢装置256は、先端に可動ローラ254が回転自在に取り付けられたレバー258が固定軸269にピボット運動可能に取り付けられ、レバー258が弦巻スプリング260によって固定ローラ250に近づくよう付勢されている。したがって、弦巻スプリング260が付勢装置256である。レバー258は、可動ローラ254が回転ディスク198に近接した位置においてストッパ262によって係止され、待機位置SP(図8に示す位置)に保持される。
可動ローラ254が待機位置SPに位置する場合、固定ローラ250と可動ローラ254の間隔は、払い出すべき硬貨Cの直径よりも小さく設定されている。一方、ピン236、238に案内されつつ第1押出部230によって回転ディスク198の円周方向に押し出された硬貨Cは、一側を固定ローラ250に案内されるため、可動ローラ254を図8において時計方向に回動させることから、レバー258は時計方向に回動される。レバー258の時計方向の回動に伴って弦巻スプリング260の弾発力が蓄積される。硬貨Cの直径部が固定ローラ250と可動ローラ254との間を通過した直後、弦巻スプリング260に蓄積された弾発力によってレバー258が反時計方向へ急速に回動されるため、硬貨Cは弾出方向線X方向へ弾かれ、図10に示すように、払出開口240及び硬貨放出口264を通って払出空間267へ投出される。詳細には、硬貨Cは傾斜したベース208に沿って弾き出されるため、斜め上向きに投出され、後述の検知通路272に向かって進行し、希にではあるが跳ね返り体266に衝突して跳ね返って後、払い出される。
次に硬貨検知装置216を説明する。
硬貨検知装置216は、投出装置214によって投出された硬貨Cを検知し、硬貨信号CSを出力する機能を有する。
硬貨検知装置216は、回転ディスク198の回転及び投出装置214によって一つずつ投出された硬貨Cを非接触で検知し、硬貨信号CSを上位の制御装置(図示せず)及び自己の制御回路(図示せず)に出力する。自己の制御回路においては、上位の制御装置から指定された数の硬貨信号CSの数を検知した場合、硬貨Cの過払出を防止するため、第二電気モーター212への給電を停止する。硬貨検知装置216は、光電式、電磁気式、音波式等を使用することができるが、メンテナンスフリーの観点からゴミや埃等の影響を受けにくい電磁気式硬貨検知装置268を用いることが好ましい。
電磁気式硬貨検知装置268は、投出装置214の側方のベースフレーム222に後述のブラケット270を介して取り付けられている。
次に電磁気式硬貨検知装置268を説明する。
電磁気式硬貨検知装置268は、棒状であって且つ下側にほぼ水平に配置された下側検知部と、当該下側検知部に対し所定の間隔で並設した上側検知部とを含み、下側検知部と上側検知部とが上下方向に延びる接続部によって接続され、上検知部と下検知部との間に横向き門形の検知通路272を有することにより全体的にチャンネル形に形成されている。下側検知部の上面は、ベースフレーム222の上面と同一平面内に位置している。検知通路272は、投出装置214によって投出された硬貨Cの進行経路を内包するように配置される。硬貨Cの投出方向がずれた場合、硬貨Cは下側検知部の上面及び上側検知部の下面、及び、跳ね返り体266に案内されつつ進行する。
下側検知部及び上側検知部には、硬貨検知用のセンサー274が対向配置されている。
電磁気式硬貨検知装置268の場合、磁気コイルが配置され、光電式硬貨検知装置の場合、投受光器が配置される。電磁気式硬貨検知装置268は、ベースフレーム222の側面に固定された金属製のブラケット270に固定されている。
次に跳ね返り体266を説明する。
跳ね返り体266は、投出装置214で投出された硬貨Cが衝突し、跳ね返らせる機能を有する。跳ね返り体266は、ブラケット270の一部を突出させることにより、矩形の平板状に形成されている。跳ね返り体266は、電磁気式硬貨検知装置268の検知通路272に挿入され、接続部の側面に隣接配置してある。換言すれば、跳ね返り体266は検知通路272の奥部に配置され、接続部の側面を全面的に覆っている。なお、跳ね返り体266は、接続部の側面に固定し、電磁気式硬貨検知装置268と一体化することができる。
上記した金種別保留繰出装置138は、第二電気モーター212が回転し、減速機構を介して回転ディスク198が図8において反時計方向に回転される。この回転によって、通孔226に落下した硬貨Cは第1押出部230及び第2押出部232によって押動されて連れ回りされる。硬貨Cは連れ回りされる途上において、ピン236、238によって回転ディスク198の円周方向へ案内され、投出装置214によって弾き出される。このとき硬貨Cは、ベース208によって案内されるので、ベース208の傾斜に基づいて、斜め上方に向かって大凡弾出方向線X方向へ弾き出される。しかしながら、硬貨Cの弾出方向は、各種条件により、ばらつきが大きい。
弾き出された硬貨Cの一部は、検知通路272に進行し、跳ね返り体266に鋭角の入射角で衝突する。衝突した硬貨Cは、所定の方向、すなわち、入射角とほぼ同一角度で跳ね返される。硬貨Cがセンサー274に相対した場合、電磁気式硬貨検知装置268は硬貨信号を出力する。
金種別保留繰出装置138は、後述の電気的接続手段286を経由して、第二電気モーター212に給電され、及び、電磁気式硬貨検知装置268の硬貨信号CSを制御装置へ送信すると共に、制御信号を受信する。また、金種別保留繰出装置138は、後述の位置決め手段282によって、所定の位置に位置決めされ、金種設定手段284によって設定された金種位置においてのみ正常な位置に設置される。
次に出金搬送装置142を図5及び図6を参照しつつ説明する。
出金搬送装置142は、金種毎の金種別保留繰出装置138から払い出された硬貨Cを出金口140に搬送する機能を有する。本実施例1において出金搬送装置142は、第1保留繰出装置列202と第2保留繰出装置列204との間に配置された平ベルト274である。平ベルト274は、一対のローラー275Aと275Bとの間に張設され、出金時に第3電気モーター276により上面が出金口140に向かって移動するよう駆動される。平ベルト274によって搬送された硬貨Cは、滑落板278上を滑って出金口140内に供給される。
次に出金口140を説明する。
出金口140は、平ベルト274によって送り出された硬貨Cを保留する機能を有し、本実施例1においては、椀形をし、筐体144の前方に水平に突出している。
次に筐体144を主に図6を参照しつつ説明する。
筐体144は、硬貨入出金装置102を構成する各装置を内蔵し、又は、所定の装置が外表面に配置される機能を有し、板金加工によって、矩形の筐体底板144S、筐体前側板144F、筐体後側板144B、筐体左側板150L、筐体右側板150R、及び、上面開口150oを有する箱型に形成されている。筐体144の前側(出金口140側)上部には、矩形箱型のインターフェース箱150iが配置されている。インターフェース箱150iの上面前側には入金口114が形成されると共に、その側方に設定条件やエラー情報を表示する表示器150Dが設けられている。インターフェース箱150iの前側下端部を蝶番150HSによって後ろ側がはね上げ可能に筐体144の前端上部に取り付けられている。インターフェース箱150iの下方には、硬貨整列送出装置132及び硬貨識別装置134が配置されている。上面開口150oの下方の筐体144内には、前述した金種別保留繰出装置138であるところの、2セント用保留繰出装置1382C、5セント用保留繰出装置1385C、10セント用保留繰出装置13810C、20セント用保留繰出装置13820C、1セント用保留繰出装置1381C、2ユーロ用保留繰出装置1382E、50セント用保留繰出装置13850C、1ユーロ用保留繰出装置1381E、及び、オーバーフロー保留箱OF、が配置される装着部280が設けられている。上面開口150oの直上には硬貨搬送振分装置136が配置され、本実施例1においては、前側から見て右側端部がヒンジ150HSを中心として回動されることにより、上面開口150oを解放することができる。しかし、硬貨入出金装置102が稼働状態にある場合、上面開口150oの直上に硬貨搬送振分装置136が水平状態に配置され、上面開口150oは実質的に閉止される。この構成によって、硬貨搬送振分装置136を保守する場合、ヒンジ150HSを支点に回動させることによりその裏面側を少なくとも垂立状態にして作業することができる。この硬貨搬送振分装置136の垂立状態は、姿勢保持装置(図示せず)によって、保持することが好ましい。
金種別保留繰出装置138を保守する場合、硬貨搬送振分装置136を垂立状態に保持した後、各金種別保留繰出装置138を垂直上方に抜き出すことにより硬貨入出金装置102から取り外して保守作業をすることができ、保守終了後は該当金種位置において、下方へ押し込むことにより、再設置をすることができる。金種別保留繰出装置138の保守が終了した後は、硬貨搬送振分装置136を垂立状態から水平状態に戻して上面開口150oを実質的に覆うようにすることにより、再稼働をすることができる。硬貨整列送出装置132又は硬貨識別装置134を保守する場合、インターフェース箱150iをヒンジ150HFを支点に略90度回動させて、略垂立状態に保持した状態において行う。なお、筐体144の後端から突出する矩形体は、貨幣処理装置104から給電を受け、及び、制御信号を通信するための給電通信コネクタ150である。この給電通信コネクタ150は、硬貨入出金装置102を精算機筐体108から引き出した場合、自動的に接続が切断され、押し込まれて、主扉108Dが閉じられた場合、自動的に接続されるよう構成されている。
次に装着部280を図12を参照しつつ説明する。
装着部280は、所定金種の金種別保留繰出装置138が所定の装着部280に設置されると共に、設置された金種別保留繰出装置138に給電がなされ、かつ、各種信号の通信が行われるようにする機能を有する。
本実施例1においては、装着部280は第1保留繰出装置列202に相対して第1装着部2801が配置され、第2保留繰出装置列204に相対して第2装着部2802が配置されている。
第1装着部2801は、前方の出金口140側から順に、2セント装着部2802C、5セント装着部2805C、10セント装着部28010C、及び、20セント装着部28020Cが設けられている。
第2装着部2802は、出金口140側から順に、1セント装着部2801C、2ユーロ装着部2802E、50セント装着部28050C、及び、1ユーロ装着部2801Eが設けられている。特に金種を指定する必要が無い場合、各装着部の総称として装着部280を用いる。
本実施例1において、装着部280には、図11に示すように、位置決め手段282、金種設定手段284、及び、図10に示す電気的接続手段286の筐体側部分、すなわち、筐体側位置決め手段282S、筐体側金種設定手段284S、及び、筐体側電気的接続手段286Sが設けられている。位置決め手段282及び金種設定手段284の筐体側位置決め手段282S及び筐体側金種設定手段284Sは、出金搬送装置142に近接した位置において、筐体底板144B上に着脱可能に固定されている。電気的接続手段286の筐体側電気的接続手段286Sは、筐体側位置決め手段282S及び筐体側金種設定手段284Sに並列されて、筐体底板144S上に着脱可能に取り付けられている。金種別保留繰出装置側位置決め手段282H、金種別保留繰出装置側金種設定手段284H、及び、金種別保留繰出装置側電気的接続手段286Hは、当然のことながら金種別保留繰出装置138に取り付けられている。
次に各装着部280の構成を詳細に説明する。
2セント装着部2802Cは、2セント位置決め手段2822C、2セント金種設定手段2842C、及び、2セント電気的接続手段2862Cを含んでいる。5セント装着部2805Cは5セント位置決め手段2825C、5セント金種設定手段2845C、及び、5セント電気的接続手段2865Cを含んでいる。10セント装着部28010Cは10セント位置決め手段28210C、10セント金種設定手段28410C、及び、10セント電気的接続手段28610Cを含んでいる。20セント装着部28020Cは20セント位置決め手段28220C、20セント金種設定手段28420C、及び、20セント電気的接続手段28620Cを含んでいる。1セント装着部2801Cは1セント位置決め手段2821C、1セント金種設定手段2841C、及び、1セント電気的接続手段2861Cを含んでいる。2ユーロ装着部2802Eは2ユーロ位置決め手段2822E、2ユーロ金種設定手段2842E、及び、2ユーロ電気的接続手段2862Eを含んでいる。50セント装着部28050Cは50セント位置決め手段28250C、50セント金種設定手段28450C、及び、50セント電気的接続手段28650Cを含んでいる。1ユーロ装着部2801Eは1ユーロ位置決め手段2821E、1ユーロ金種設定手段2841E、及び、1ユーロ電気的接続手段2861Eを含んでいる。なお、正確には、各装着部280には、位置決め手段282の筐体側位置決め手段282S、金種設定手段284の筐体側金種設定手段284S、及び、電気的接続手段286の筐体側電気的接続手段286Sが設置される。
次に位置決め手段282を主に図9〜図12を参照しつつ説明する。
位置決め手段282は、金種毎の金種別保留繰出装置138を筐体144の所定位置に設置できるように位置決めする機能を有する。本実施例1においては、金種別保留繰出装置138に設けられた保留繰出装置側位置決め手段282Hと、筐体144側に設けられた筐体側位置決め手段282Sとによって構成されている。
まず、金種別保留繰出装置側位置決め手段282Hを図9を参照しつつ説明する。
金種別保留繰出装置側位置決め手段282Hは、底板200Bの下面から下向きに所定量突出すると共に所定の距離離れて形成された一対の保留繰出装置側第一位置決め突起282H1と保留繰出装置側第二位置決め突起282H2であって、本実施例1においては、保留繰出装置側第一位置決め突起282H1と保留繰出装置側第二位置決め突起282H2は円柱型であって、先端が裁頭円錐状に形成されている。しかし、円形に限らず、多角柱や星形等であってもよく、柱状でなく、錘形であってもよい。保留繰出装置側第一位置決め突起282H1と保留繰出装置側第二位置決め突起282H2は、底板200Bと一体に成型しても、底板200Bと別体に形成し、一体化することも出来る。本実施例1において、特に区別して説明の必要がある場合を除き、保留繰出装置側第一位置決め突起282H1と保留繰出装置側第二位置決め突起282H2の総称として保留繰出装置側置決め突起282Hを用いる。
次に筐体側位置決め手段282Sを説明する。
図11に示すように、筐体側位置決め手段282Sは、筐体144の筐体底板144Bに固定された細長の筐体側板状体288に形成された一対の円形の筐体側第一位置決め孔282S1と筐体側第二位置決め孔282S2とによって構成されている。筐体側位置決め手段282S、したがって、筐体側板状体288は、各金種別保留繰出装置138に相対して設けられ、本実施例1においては、全て同一外形状に構成されているが、金種毎に後述の筐体側金種設定手段284Sの位置が異なる。本実施例1において、金種別保留繰出装置138は8個用いられているので、それらに対応する装着部280の筐体底板144Bにネジ等によって固定されている。なお、筐体側位置決め手段282Sは、筐体底板144Bに直に設けることもできる。以下の説明において、特に区別して説明の必要がある場合を除き、筐体側第一位置決め孔282S1と筐体側第二位置決め孔282S2の総称として筐体側位置決め手段282Sを用いる。筐体側第一位置決め孔282S1と筐体側第二位置決め孔282S2は、本実施例1においては全ての金種に対し同一外形の金種別保留繰出装置138が用いられるため、所定の間隔で筐体側板状体288に穿孔され、保留繰出装置側第一位置決め突起282H1と保留繰出装置側第二位置決め突起282H2がそれぞれ嵌入されることができる。
保留繰出装置側第一位置決め突起282H1と筐体側第一位置決め孔282S1とは第一位置決め手段2821を構成し、保留繰出装置側第二位置決め突起282H2と筐体側第二位置決め孔282S2とは第二位置決め手段2822を構成する。一対の第一位置決め手段2821と第二位置決め手段2822とにより、位置決め手段282を構成したので、それらが嵌合した状態において、前後左右に移動することができず、かつ、垂立軸線周りに回転されることもできず、金種別保留繰出装置138はその位置に不動に位置決めされる。本実施例1においては、保留繰出装置側位置決め手段282Hを突起とし、筐体側位置決め手段282Sを凹部によって構成したが、これらを逆にすることができる。また、一対の第一位置決め手段2821と第二位置決め手段2822を用いる場合、突起と凹部を異なる組み合わせにすることもできる。さらに、一対の第一位置決め手段2821と第二位置決め手段2822とにより、位置決めを行ったが、一つの位置決め手段282を用いて同様の機能を発揮させることができる。例えば、保留繰出装置側位置決め突起282Hを多角柱又は星形とし、筐体側位置決め孔282Sをこれに嵌合する形状に構成することにより、金種別保留繰出装置138が前後左右に移動することができず、かつ、回転することもできない構成にすることができる。また、第一位置決め手段2821と第二位置決め手段2822の他、更に一以上の位置決め手段を追加して用いることができる。
次に金種設定手段284を主に図9〜図13を参照しつつ説明する。
金種設定手段284は、図11(A)と(E)に図示される、筐体144側に設定された筐体側金種設定手段284Sにおける金種に対応する金種別保留繰出装置138のみを設置させることができる機能を有する。本実施例1においては、金種別保留繰出装置138に設けられた保留繰出装置側金種設定手段284Hと、筐体144側に設けられた筐体側金種設定手段284Sとによって構成されている。筐体側金種設定手段284Sと保留繰出装置側金種設定手段284Hとは、それぞれ形成された筐体側金種設定部284SPと保留繰出装置側金種設定部284HPとが同一金種の組み合わせにおいてのみ嵌り合うように構成されている。
次に筐体側金種設定手段284Sを図11を参照しつつ説明する。
筐体側金種設定手段284Sは、筐体144に取り付けられ、同一の金種に設定された金種別保留繰出装置側金種設定手段284Hとのみ嵌り合うことができる機能を有し、本実施例1においては、筐体側板状体288と筐体側金種設定部284SPにより構成されている。筐体側金種設定部284SPは、筐体側板状体288に対し突出形成された筐体側金種設定凸部284SDにより構成されている。筐体側金種設定部284SP、したがって筐体側金種設定凸部284SDは、図11に示すように、所定の長さLを有する筐体側板状体288において一つの金種毎に異なる位置に突状に形成され、本実施例1においては、長さLPを有する円柱ピン284SRによって構成されている。換言すれば、円柱ピン284SRの一端部が筐体側板状体288の所定位置に設けられた円形の固定孔294に挿入されて固定され、筐体側板状体288の上面から所定の高さHにおいて突出している。しかし、筐体側金種設定凸部284SDは、円錐形や角錐形、多角柱形に形成することができる。筐体側金種設定部284SPは、金種毎に位置決め手段282に対して異なる位置関係に配置される。換言すれば、図11は2セント金種設定手段2842Cの例であるので、2セント用筐体側板状体2882Cの右端から距離L1の位置に中心を有する2セント固定孔2942Cに円柱ピン284SRの下端部が固定され、筐体側金種設定部284SPが構成される。しかし、筐体側金種設定部284SPは、金種毎に位置を異ならせる構成の他、位置は同一であっても、形状を異ならせることにより特定の金種のみ、保留繰出装置側金種設定部284HDと嵌り合うように構成することができる。例えば、筐体側金種設定部284SPを四角柱ピンとし、その四角柱ピンを軸線回りに回動させて金種毎に異なる角度位置で固定することにより、その角度に適合する保留繰出装置側金種設定部284HDとのみ嵌り合うように構成することができる。さらに、筐体側金種設定部284SPの断面を金種毎に異なる断面にし、同一断面の保留繰出装置側金種設定部284HDとのみ嵌り合うように構成することができる。円柱ピン284SRの固定は、カシメや接着剤等によって永久的固定手段によって行っても、ネジによる螺合によって一時的固定手段によって行っても良い。筐体側金種設定凸部284SDの突出量は、金種別保留繰出装置138の直上に配置される硬貨搬送振分装置136が正常位置に設置できない量にすることが好ましい。硬貨搬送振分装置136が正常位置に設置出来ないことにより、金種別保留繰出装置138の設置位置が異なることが解るからである。
次に筐体側金種設定手段284Sを図13を参照しつつ金種別に説明する。
(S2c)に示すように、2セント用保留繰出装置1382Cに対する2セント用筐体側板状体2882Cは、その右端から距離L1の位置に2セント用筐体側金種設定部284SP2C、したがって2セント用筐体側金種設定凸部284SD2Cの中心が配置されている。
(S5c)に示すように、5セント用保留繰出装置1385Cに対する5セント用筐体側板状体2885Cの右端から距離L2の位置に5セント用筐体側金種設定部284SP5C、したがって5セント用筐体側金種設定凸部284SD5Cの中心が配置されている。
(S10c)に示すように、10セント用保留繰出装置13810Cに対する10セント用筐体側板状体28810Cの右端から距離L3の位置に10セント用筐体側金種設定部284SP10C、したがって10セント用筐体側金種設定凸部284SD10Cの中心が配置されている。
(S20c)に示すように、20セント用保留繰出装置13820Cに対する20セント用筐体側板状体28820Cの右端から距離L4の位置に20セント用筐体側金種設定部284SP20C、したがって20セント用筐体側金種設定凸部284SD20Cの中心が配置されている。
(S1e)に示すように、1ユーロ用保留繰出装置1381Eに対する1ユーロ用筐体側板状体2881Eの右端から距離L5の位置に1ユーロ用筐体側金種設定部284SP1E、したがって5セント用筐体側金種設定凸部284SD1Eの中心が配置されている。
(S50c)に示すように、50セント用保留繰出装置13850Cに対する50セント用筐体側板状体28850Cの右端から距離L6の位置に50セント用筐体側金種設定部284SP50C、したがって50セント用筐体側金種設定凸部284SD50Cの中心が配置されている。
(S2e)に示すように、2ユーロ用保留繰出装置1382Eに対する2ユーロ用筐体側板状体2882Eの右端から距離L7の位置に2ユーロ用筐体側金種設定部284SP2E、したがって2ユーロ用筐体側金種設定凸部284SD2Eの中心が配置されている。
(S1c)に示すように、1セント用保留繰出装置1381Cに対する1セント用筐体側板状体2881Cの右端から距離L8の位置に1セント用筐体側金種設定部284SP1C、したがって1セント用筐体側金種設定凸部284SD1Cの中心が配置されている。
金種別の筐体側板状体288の製造は、2セント用筐体側金種設定部282SP2C〜1セント用筐体側金種設定部284SP1Cの何れか1つのみを一体に形成しても良いし、2セント用筐体側金種設定部284SP2C〜1セント用筐体側金種設定部284SP1Cの全てに相対する位置に固定孔294を穿孔した後、該当する金種位置の固定孔294に筐体側金種設定部284SPとしての円柱ピン284SRの下端部を挿入して固定しても良い。筐体側金種設定部284SPの筐体側板状体288への固定は、ネジ結合にすることが好ましい。当該筐体側金種設定部284SPを該当する金種の位置の固定孔294に付け替えることにより容易に対象金種を変更することが出来るからである。なお、2セント用筐体側板状体2882Cを裏返すと共に左右を反転させ、2セント固定孔2942Cに筐体側金種設定部284SPたる円柱ピン284SRをねじ込むことにより、右端から距離L8の位置にある1セント用筐体側金種設定部284SP1Cを構成しても良い。他の金種についても同様である。これにより、一の筐体側板状体288を2つの金種に使用できるので、コスト減に効果がある。
以上の説明から明らかなように、筐体側金種設定手段284Sは全金種に対し筐体側金種設定部284SPの位置のみが異なり、その他の筐体側板状体288の構成は全て実質的に同一に構成されているので、部品を共通化でき、コスト減に寄与する。また、筐体側金種設定部284SPの位置を変更することで対象金種を変更することができ、筐体側金種設定部284SPを再利用することができる。
図11乃至図13における筐体側板状体288の中央部の矩形部は金種別に定めた識別を表示した筐体側金種別識別部292Sである。筐体側金種別識別部292Sは、例えば着色シールであり、その位置は任意に設定することができ、筐体側板状体288の全体を該当する金種の色に着色して構成することができる。識別手段292(筐体側金種別識別部292S、及び、後述の保留繰出装置側金種設定手段292H)としては、例えば、文字、図形、マーク等を採用することができる。しかし、識別が色である場合、視覚的、直感的に同一性を判別できるので、好ましい。本実施例1において、識別手段292は金種毎に異ならせた色を採用している。
次に保留繰出装置側金種設定手段284Hを図11を主に参照しつつ説明する。
本実施例1において、保留繰出装置側金種設定手段284Hは、金種別保留繰出装置138の設置ブロック200の底板200Bの払出開口240側の端部凹部200Gに着脱可能に固定され、金種が一致する筐体側位置決め手段284Sと嵌合される機能を有する。本実施例1において、保留繰出装置側金種設定手段284Hは、保留繰出装置側金種設定板290と当該保留繰出装置側金種設定板290に金種毎に異なる位置に形成された保留繰出装置側金種設定部284HDによって構成されている。この保留繰出装置側金種設定部284HDは、同一金種に設定された筐体側金種設定部284SPとのみ嵌り合う位置関係に設定される。本実施例1において、保留繰出装置側金種設定部284HDは保留繰出装置側金種設定凹部284HHである。したがって、保留繰出装置側金種設定凹部284HHは同一金種の筐体側金種設定凸部284SDとのみ嵌り合う。本実施例1において、保留繰出装置側金種設定部284HDは円孔284Hoであり、その直径は、筐体側金種設定部284SP、具体的には、円柱ピン284SRの直径よりも僅かに大である。保留繰出装置側金種設定板290は筐体側板状体288と同一の長さLに形成されている。そして、金種毎に異なる位置に設定された筐体側金種設定部284SPと嵌合する位置に、当該金種に一致する金種の保留繰出装置側金種設定凹部284HHが設置されるように、保留繰出装置側金種設定板290が保留繰出装置138の底板200Bの端部凹部200Gに取り付けられる。図11は2セント用保留繰出装置側金種設定手段284HD2Cの例であるので、2セント用保留繰出装置1382Cに固定する2セント用保留繰出装置側金種設定板2902Cには、その右端から距離L1の位置に中心が位置する保留繰出装置側金種設定凹部284HHたる2セント用保留繰出装置側金種設定凹部284HH2Cを構成する2セント円孔284Ho2Cが穿孔されている。これにより、保留繰出装置側金種設定凹部284HHは、同一金種に設定された筐体側金種設定凸部284SDとのみ嵌り合うことができる。具体的には、金種別に設定された円柱ピン284SRは同一金種に設定された円孔284Hoに進行し、嵌り合うことができる。したがって、保留繰出装置側金種設定部284HDは、筐体側金種設定部284SPと嵌り合う形状に形成されている。
次に保留繰出装置側金種設定手段284Sを図13を参照しつつ金種別に説明する。
(H5c)に示すように、5セント用保留繰出装置1385Cに固定する5セント用保留繰出装置側金種設定板2905Cは、その右端から距離L2の位置に中心が位置する保留繰出装置側金種設定凹部284HHたる5セント用保留繰出装置側金種設定凹部284HH5Cを構成する5セント円孔284Ho5cが穿孔されている。
(H10c)に示すように、10セント用保留繰出装置13810Cに固定する10セント用保留繰出装置側金種設定板29010Cには、その右端から距離L3の位置に中心が位置する保留繰出装置側金種設定凹部284HHたる10セント用保留繰出装置側金種設定凹部284HH10Cを構成する10セント円孔284Ho10Cが穿孔されている。
(H20c)に示すように、20セント用保留繰出装置13820Cに固定する20セント用保留繰出装置側金種設定板29020Cには、その右端から距離L4の位置に中心が位置する保留繰出装置側金種設定凹部284HHたる20セント用保留繰出装置側金種設定凹部284HH20Cを構成する20セント円孔284Ho20Cが穿孔されている。
以上の説明における2セント用保留繰出装置側金種設定板2202C、5セント用保留繰出装置側金種設定板2905C、10セント用保留繰出装置側金種設定板29010C、及び、20セント用保留繰出装置側金種設定板29020Cの使用態様が第一の態様である。
(H1e)に示すように、1ユーロ用保留繰出装置1381Eに固定する1ユーロ用保留繰出装置側金種設定板2901Eは、20セント用保留繰出装置側金種設定板29020Cを左右反転した反転保留繰出装置側金種設定板290o20Cによって構成され、その右端から距離L5の位置に中心が位置する保留繰出装置側金種設定凹部284HHたる1ユーロ用保留繰出装置側金種設定凹部284HH1Eを構成する1ユーロ円孔284Ho1Eが穿孔されている。しかし、20セント用保留繰出装置側金種設定板29020Cを反転させることなく、距離L5の位置に1ユーロ用保留繰出装置側金種設定凹部284HH1Eを構成する1ユーロ円孔284Ho1Eを穿孔した1ユーロ用保留繰出装置側金種設定板2901Eを用いることができる。
(H50c)に示すように、50セント用保留繰出装置13850Cに固定する50セント用保留繰出装置側金種設定板29050Cは、10セント用保留繰出装置側金種設定板29010Cが左右反転されて構成された反転保留繰出装置側金種設定板290o10Cの右端から距離L6の位置に中心が位置する保留繰出装置側金種設定凹部284HHたる50セント用保留繰出装置側金種設定凹部284HH50Cを構成する50セント円孔284Ho50cが穿孔されている。しかし、専用の50セント用保留繰出装置側金種設定板29050Cを用いることも出来る。
(H2e)に示すように、2ユーロ用保留繰出装置1382Eに固定する2ユーロ用保留繰出装置側金種設定板2902Eは、5セント用保留繰出装置側金種設定板2845Cが反転されて構成された反転5セント用保留繰出装置側金種設定板290o5Cの右端から距離L7の位置に中心が位置する保留繰出装置側金種設定凹部284HHたる2ユーロ用保留繰出装置側金種設定凹部284HH2Eを構成する2ユーロ円孔284Ho2Eが穿孔されている。しかし、専用の2ユーロ用保留繰出装置側金種設定板2902Eを用いることも出来る。
(H1c)に示すように、1セント用保留繰出装置1381C に固定する1セント用保留繰出装置側金種設定板2901Cは、2セント用保留繰出装置側金種設定板2902Cが反転されて構成され、反転保留繰出装置側金種設定板284o2Cの右端から距離L8の位置に中心が位置する保留繰出装置側金種設定凹部284HHたる1セント用保留繰出装置側金種設定凹部284HH1Cを構成する1セント円孔284Ho1cが穿孔されている。しかし、専用の1セント用保留繰出装置側金種設定板2901Cを用いることも出来る。
反転20セント用保留繰出装置側金種設定板290o20C、反転10セント用保留繰出装置側金種設定板290o10C、反転5セント用保留繰出装置側金種設定板290o5C、及び、反転2セント用保留繰出装置側金種設定板290o2Cの使用態様が第二の態様である。
上記構成において、例えば、2セント用筐体側金種設定部284SP2Cと2セント用保留繰出装置側金種設定部284HD2Cは、何れも、その中心が右端から距離L1の位置に設定されているので、2セント用筐体側金種設定部284SP2C(2セント用筐体側金種設定凸部284SD2C)を構成する円柱ピン284SRは2セント用保留繰出装置側金種設定部284HD2C(2セント用保留繰出装置側金種設定凹部284HH2C)を構成する2セント円孔284Ho2cに挿入可能である。しかし、他の金種の保留繰出装置側金種設定部284DHは距離L1の位置に穿孔されていないので、筐体側金種設定部284SPは保留繰出装置側金種設定板290に突き当たった状態となり、保留繰出装置138は筐体側板状体288に対し浮いた状態になるため、誤装着であることが容易に理解できる。他の金種についても同様である。
なお、本実施例1においては、筐体側金種設定手段284Sを筐体側金種設定部284SPとして筐体側金種設定凸部284SDの例、保留繰出装置側金種設定手段284Hを保留繰出装置側金種設定部284HDとして保留繰出装置側金種設定凹部284HHの例を説明したが、筐体側金種設定部284SPを凹部とし、保留繰出装置側金種設定部284HDを凸部とすることもでき、保留繰出装置側金種設定部284HD及び筐体側金種設定部284SPの対を複数設けることもできる。また、位置決め手段282の筐体側位置決め手段282Sと金種設定手段284の筐体側金種設定手段284Sとを一の筐体側板状体288に形成したが、これらを個別の板状体に形成し、又は、底板200Bに形成することができる。
保留繰出装置側金種設定手段284Hは、全ての金種に対して実質的に同一に構成された金種別保留繰出装置138に付設されている。したがって、金種別保留繰出装置138の部品の共通化によってコスト減に寄与する。また、保留繰出装置側金種設定手段284Hにおいて、保留繰出装置側金種設定板290は全て同一であって、保留繰出装置側金種設定部284HDの位置が異なるのみであるので、これもコスト削減に寄与する。
保留繰出装置側金種設定板290の右端の矩形部は金種別に定めた色を着色した保留繰出装置側金種別識別部292Hである。保留繰出装置側金種別識別部292Hは、保留繰出装置側金種設定板290の全体、又は、金種別保留繰出装置138の全体又は一部を該当する金種の識別を付して構成することができる。本実施例1において、筐体側金種別識別部292Sは金種毎に異なる着色であるから、同一金種の着色の保留繰出装置側金種別識別部292Hを組み合わせることにより、容易に同一金種の組み合わせを得ることができる。もちろん、前述のように、色以外の識別法を用いることができる。また、本実施例1において、金種別保留繰出装置138は下方に向かって押し込まれることによって装着部280に装着される。換言すれば、設置ブロック200の底板200B側の端部凹部200Gに固定された保留繰出装置側金種設定手段284Hに付された保留繰出装置側金種別識別部292Hを作業者が確認しつつ装着部280に装着することができない。この点を解決するため、金種別保留繰出装置138の上方部、例えば、保留容器206の色を金種別に着色、又は、上側から見やすい保留容器206の位置に金種別に着色したシールを貼付することが好ましい。
上記した構成において、金種別保留繰出装置138を筐体144に装着する場合、所定金種の金種別保留繰出装置138を該当する金種の装着部280に装着しなければならない。例えば、2セント用保留繰出装置1382Cを2セント装着部2802Cに装着する場合、2セント装着部2802Cにおいて、2セント用保留繰出装置1382Cを上面開口150oから垂直下方へ挿入する。これにより、2セント用保留繰出装置側金種設定部284HD2C(2セント用保留繰出装置側金種設定凹部284HH2C)と2セント用筐体側金種設定部284SP2C(2セント用筐体側金種設定凸部284SD2C)とが嵌り合い、2セント用保留繰出装置1382Cの設置ブロック200の底板200Bが、図10に示すように、筐体側板状体288の上面に面接触した正常位置に設置される。しかし、誤って隣に設置される5セント用保留繰出装置1385Cを挿入した場合、当該5セント用保留繰出装置1385Cの5セント用保留繰出装置側金種設定部284HD5Cの位置は、5セント用保留繰出装置側金種設定板2905Cの右端から距離L2の位置にあることから、右端から距離L1の位置にある2セント用保留繰出装置側金種設定部284HD2Cに嵌合されることができず、5セント用筐体側金種設定ピン282SP5Cの先端は2セント用保留繰出装置側金種設定板2902Cに突き当たって進行を阻止され、5セント用保留繰出装置1385Cは筐体側板状体288から浮いた状態になる。結果として、5セント用保留繰出装置1385Cの上部が他の金種別保留繰出装置138よりも上方に突出することから、誤装着であることが即時に感覚的に理解できる。この状態で気づかなかった場合であっても、硬貨搬送振分装置136を水平に戻そうとした場合、硬貨搬送振分装置136は当該誤装着の5セント用保留繰出装置1385Cによって正規の水平状態に設置されることができないので、これによっても誤装着を発見することが出来る。5セント用以外の他の金種の金種別保留繰出装置138を装着した場合も同様である。したがって、金種設定手段284によって、金種別保留繰出装置138の筐体144の装着部280への誤装着を防止できる。また、金種別保留繰出装置138に対する金種を変更する場合、該当する金種の保留繰出装置側金種設定部284HDを有する保留繰出装置側金種設定手段284Hに変更するだけで良いので、一部の部品の変更のみで行える利点がある。
次に電気的接続手段286を主に図9、図10、及び、図12を参照しつつ説明する。
電気的接続手段286は、第二電気モーター212に給電し、及び、電磁気式硬貨検知装置268に給電、並びに、硬貨信号CSを制御装置(図示せず)に送信する機能、及び、電気的接続を断接する機能を有し、公知の、雄型コネクタ286Mと雌型コネクタ286Fとからなる電源信号複合コネクタが用いられる。金種別保留繰出装置138側には、雄型コネクタ286M又は雌型コネクタ286Fのどちらか一方が取り付けられるが、本実施例1においては、雄型コネクタ286Mが金種別保留繰出装置138のブラケット270の水平部270Hの下面に下向きに取り付けられている。換言すれば、金種別保留繰出装置138が正常に装着部280に装着された場合、雄型コネクタ286Mは垂下状態を呈する。
次に雌型コネクタ286Fを主に図10及び図12を参照しつつ説明する。
雌型コネクタ286Fは、雄型コネクタ286Mを受け入れて電気的接続を確立し、維持する機能を有し、本実施例1においては、上部が平面視において矩形の筒型部286FCとその下側に一体化され、筐体底板144Bに固定される固定部286FFによって構成されている。したがって、筒型部286FCは筐体底板144Bに対して垂立状態に設置されている。この構成によって、金種別保留繰出装置138を装着部280に上方から垂下方向へ移動させることにより、雄型コネクタ286Mの先端が雌型コネクタ286Fの筒型部286FCに進行し、位置決め手段282によって正常に位置決めされ、かつ、金種設定手段284が正常に嵌合した状態において、雄型コネクタ286Mと雌型コネクタ286Fの電気接点が正常に接続される。
次に実施例1の作用を説明する。
筐体144内に金種別保留繰出装置138を設置する場合を説明する。
まず貨幣処理装置104の施錠装置124を開錠し、図3に示すように主扉108Dを開き、次いで、図4に示すように硬貨入出金装置102を硬貨ガイドレール112に案内させつつ貨幣処理装置104の外方へ引き出す。次いで、硬貨搬送振分装置136をヒンジ150HSを支点に回動させ、ほぼ垂立状態において固定状態にする。
次に、金種別保留繰出装置138を該当する金種の装着部280に装着する。
例えば、図12において、第1保留繰出装置列202における20セント用保留繰出装置13820Cを20セント装着部28020Cに装着する場合、それに付されている筐体側金種別識別部292Sと同一の着色が保留繰出装置側金種別識別部292Hに付されている金種別保留繰出装置138、したがって、20セント用保留繰出装置13820Cを選択する。
次いで、当該20セント用保留繰出装置13820Cを20セント装着部28020Cに上方から下方へ向かって、換言すれば、上面開口150oから下方へ向かって20セント用保留繰出装置13820Cを挿入する。これにより、まず最初に20セント電気的接続手段28620Cの雄型コネクタ286Mの先端部が雌型コネクタ286Fに進行し、雄型コネクタ286Mが雌型コネクタ286Fによる規制を受けつつ下降される。この規制によって、20セント用保留繰出装置13820Cもその規制に連動しつつ下方へ移動する。次いで、設置ブロック200の底板200Bから下方に向かって突出する保留繰出装置側第一位置決め突起282H1及び保留繰出装置側第二位置決め突起282H2の先端が、それぞれ筐体側第一位置決め孔282S1及び筐体側第二位置決め孔282S2に進行する。これにより、20セント用保留繰出装置13820Cは、その水平方向の位置が固定され、上下方向方向の移動のみが可能になる。その直後に20セント用筐体側金種設定部284SP20Cが20セント用保留繰出装置側金種設定部284DH20Cに進行する。これにより、保留繰出装置側第一位置決め突起282H1及び保留繰出装置側第二位置決め突起282H2が、それぞれ筐体側第一位置決め孔282S1及び筐体側第二位置決め孔282S2に進行して嵌り合う。この時点において、雄型コネクタ286Mが雌型コネクタ286F内に所定量進行し、それらの接点が接触状態になるので、雄型コネクタ286M、したがって、20セント用保留繰出装置13820Cの進行抵抗が増すので、更に力をかけて20セント用保留繰出装置13820Cを下方へ押し込む。これにより、20セント用筐体側金種設定部284SP20Cが20セント用保留繰出装置側金種設定部284HD20Cに進行し、20セント電気的接続手段28620Cの雄型コネクタ286Mが雌型コネクタ286Fに嵌り合い、電気的接続が確立される。同様に、10セント用保留繰出装置13810Cを10セント装着部28010Cに、5セント用保留繰出装置1385Cを5セント装着部2805Cに、2セント用保留繰出装置1382Cを2セント装着部2802Cに、1ユーロ用保留繰出装置1381Eを1ユーロ装着部2801Eに、50セント用保留繰出装置13850Cを50セント装着部28050Cに、2ユーロ用保留繰出装置1382Eを2ユーロ装着部2802Eに、及び、1セント用保留繰出装置1381Cを1セント装着部2801Cに設置する。
次いで、硬貨搬送振分装置136を水平に戻した後、硬貨入出金装置102を硬貨入出金装置100内に押し込んで収納させ、施錠装置124によって主扉108Dを精算機筐体108に施錠することによって硬貨入出金装置102の稼働準備が整う。
金種別保留繰出装置138を交換する場合、前述のように硬貨入出金装置102を精算機筐体108の外方に引き出した後、硬貨搬送振分装置136を垂立状態に保持させる。次いで、該当する金種別保留繰出装置138を保留容器206の上端部を持って、雄型コネクタ286Mと雌型コネクタ286Fとの間の摩擦力に打ち勝って引き上げることにより、装着部280から当該金種別保留繰出装置138を取り外すことが出来る。取り外した装着部280に前述同様に同一金種の新たな金種別保留繰出装置138を装着し、元に戻す。
次に実施例2の第二硬貨入出金装置302を主に図14を参照して説明する。
本実施例2は、日本円の10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、及び、500円硬貨を対象とする第二硬貨入出金装置302である。実施例2における第二硬貨入出金装置302は、実施例1の硬貨入出金装置102と同様に第二硬貨処理装置300に内蔵される。第二金種別保留繰出装置304は第二筐体306に対し水平方向に移動させることにより着脱可能にした例である。本実施例2において、第二金種別保留繰出装置304としては、10円用保留繰出装置30410が一台、100円第二金種別保留繰出装置304100が二台、及び、500円用保留繰出装置304500が一台用いられている。これら第二金種別保留繰出装置304は、第二筐体306の装着部280に対し、水平方向に挿入、又は、抜き出すことにより着脱可能に装着される。本実施例2においては、第二筐体306の硬貨受入装置128側から順に、10円装着部28010、100円装着部280100、次も同じ100円装着部280100、及び、500円装着部280500が形成され、それぞれ、10円用保留繰出装置30410、100円第二金種別保留繰出装置304100、及び、500円用保留繰出装置304500が装着されている。全ての第二金種別保留繰出装置304の構成は、実施例1と同様に基本的構成は同一であるので、同一符号を付して説明し、金種別に説明する必要がある場合、符号304に続いて金種を付記して説明する。実施例1と同様の機能を成す部分には同一符号を付し、本発明に関係する第二金種設定手段308、第二位置決め手段312、及び、第二電気的接続手段314を説明する。
まず、第二金種設定手段308を主に図17を代表して説明する。
第二金種設定手段308は、実施例1の金種設定手段284と同様に、第二筐体306側に設けられた第二筐体側金種設定手段308Sにおいて設定された金種に対応する金種の第二金種別保留繰出装置304のみを設置させることができる機能を有する。本実施例2において第二金種設定手段308は、第二金種別保留繰出装置304に設けられた第二金種別保留繰出装置側金種設定手段308Hと、第二筐体306側に設けられた第二筐体側金種設定手段308Sとによって構成されている。本実施例2において、第二金種別保留繰出装置側金種設定手段308Hの第二保留繰出装置側金種設定部310Hは第二保留繰出装置側金種設定凸部310HPであって、第二金種別保留繰出装置304のベースフレーム222の投出装置214側の垂立するベースフレーム前面222Pから水平方向に突出する金種別ピン316である。第二筐体側金種設定手段308Sの第二筐体側金種設定部310Sは第二筐体側金種設定凹部310SDであって、第二筐体306側に固定された金種決め板状体318に形成された第二筐体側設定部金種別受け入れ穴322(図17)によって構成されている。
まず第二保留繰出装置側金種設定部310H、したがって、第二保留繰出装置側金種設定凸部310HPとしての金種別ピン316を主に図18及び図19を参照しつつ説明する。
金種別ピン316は、金種が異なる第二金種別保留繰出装置304毎に異なる位置に設けられ、後述の金種別受け入れ穴322に挿入しやすいよう、先端をテーパー(裁頭円錐)状に形成されている。
本実施例2においては図18に示すように、ベースフレーム222の垂立するベースフレーム前面222Pにおいて、ベースフレーム222の幅方向に延在する水平直線HL上に固定穴H、本実施例1においては4つの円孔である第1固定孔H1、第2固定孔H2、第3固定孔H3、及び、第4固定孔H4が等間隔に穿孔されている。詳細には、第二金種別保留繰出装置304の硬貨放出口264と対面する側から見た場合に、第1固定孔H1がベースフレーム222の右端から距離L21の位置、第2固定孔H2がベースフレーム222の右端から距離L22の位置、第3固定孔H3がベースフレーム222の右端から距離L23の位置、及び、第4固定孔H4がベースフレーム222の右端から距離L24の位置に穿孔されている。そして、金種別ピン316が設定される金種に対応してこれらの第1固定孔H1〜第4固定孔H4の何れか一つに選択的に固定されている。本実施例1においては、第1固定孔H1が10円第二金種別保留繰出装置30410設定用、第2固定孔H2が100円保留繰出装置304100設定用、第3固定孔H3が50円第二金種別保留繰出装置30450設定用、及び、第4固定孔H4が500円用第二金種別保留繰出装置304500設定用に用いられる。したがって、10円第二金種別保留繰出装置30410として用いる場合、第1固定孔H1 に金種別ピン316の一端が挿入されて水平方向に横向きに突出するよう固定される。この固定は、ネジ締結が好ましい。また、図18及び図19に示すように、水平線HLは、上段底板108UB の上面からの高さがVの位置に設定されている。なお、本実施例2において、金種別ピン316は同一のピンが用いられるが、区別のため、便宜的に10円用は10円金種別ピン31610、100円用は100円金種別ピン316100、及び、500円用は500円金種別ピン316500として説明する。換言すれば、10円金種別ピン31610は第1固定孔H1に固定され、100円金種別ピン316100は第2固定孔H2 に固定され、50円金種別ピンは第3固定孔H3 に固定され、500円金種別ピン316500は第4固定孔H4 に固定される。したがって、10円金種別ピン31610の中心はベースフレーム222の右端から距離L21の位置、100円金種別ピン31610の中心はベースフレーム222の右端から距離L22の位置、50円金種別ピンの中心はベースフレーム222の右端から距離L23の位置、及び、500円金種別ピン31650の中心はベースフレーム222の右端から距離L24の位置に設けられている。金種別ピン316の長さは、第二金種別保留繰出装置304を間違った金種の装着部280に挿入した場合、当該第二金種別保留繰出装置304が正しく設置された第二金種別保留繰出装置304よりも、その後端が突出することが明確にわかる長さに設定することが好ましい。本実施例2においては、後述する第二ストッパ324がストッパ穴326に相対しない位置になるよう設定されている。換言すれば、第二ストッパ324の先端が案内板328上に位置することから、第二金種別保留繰出装置304の後端が他の第二金種別保留繰出装置304よりも後方に突出した状態にある。後端が突出状態であることにより、当該第二金種別保留繰出装置304が正しく設置されていないことを視認することができる。金種別ピン316は円柱状の他、角柱状にも形成できる。その場合、金種別受け入れ穴322も同様の嵌り合う形状にする必要がある。また、金種別ピン316に対応する金種は適宜設定することができる。換言すれば、固定する金種別ピン316の位置を変更することにより、第二金種別保留繰出装置304に対する金種を適宜変更することができる。実施例1と同様に、第二金種別保留繰出装置304に対し、金種毎に定めた保留繰出装置側金種別識別部292Hを設けることが好ましい。
次に第二筐体側金種設定部310S、したがって、第二筐体側金種設定凹部310SDたる金種別受け入れ穴322を図17及び図19を主に参照しつつ説明する。
金種別受け入れ穴322は、第二筐体306に固定された金種決め板状体318に設けられ、金種別ピン316を受け入れる機能、換言すれば、金種別ピン316が挿入される機能を有し、本実施例1においては、金種毎に第二金種別保留繰出装置304に対して異なる位置、換言すれば、金種別ピン316の金種位置に合わせて設けられている。具体的には、図19に示すように、金種決め板状体318は、第二筐体306に対し水平に、かつ、横長に固定されている。10円金種別ピン31610に対しては、10円第二金種別保留繰出装置30410のベースフレーム222の右端から距離L21の位置に10円金種別受け入れ穴32210が設けられ、100円金種別ピン31610に対しては100円第二金種別保留繰出装置304100のベースフレーム222の右端から距離L22の位置に100円金種別受け入れ穴322100が設けられ、500円金種別ピン316500に対しては500円用第二金種別保留繰出装置304500のベースフレーム222の右端からL24の位置に500円金種別受け入れ穴322500が穿孔されている。また、10円金種別受け入れ穴32210、100円金種別受け入れ穴322100、及び、500円金種別受け入れ穴322500は上段底板108UBの上面からの高さVである水平線HL上にその中心が位置されるように設定されている。したがって、各金種別の第二金種別保留繰出装置304が該当する金種の装着部280に設置された場合、金種別ピン316は、該当する金種別受け入れ穴322に進行することができる。例えば、10円金種別ピン31610は、10円金種別受け入れ穴32210にのみ、100円金種別ピン31610は100円金種別受け入れ穴32210にのみ、50円金種別ピンは50円金種別受け入れ穴にのみ、500円金種別ピン316500は500円金種別受け入れ穴322500にのみ嵌り合うことが出来る。なお、図示は省略したが、50円金種別保留繰出装置のベースフレーム222の右端から所定距離、換言すれば、100円金種別受け入れ穴322100と500円金種別受け入れ穴322500と中間の位置に50円金種別ピン受け入れ穴が設けられ、相対する50円金種別保留繰出装置側に50円金種別ピンが固定されることは本説明から明確に理解できる。第二金種別保留繰出装置304の誤設置を防止するため、金種別ピン316及び金種別受け入れ穴322の位置をすべての金種別保留繰出装置138において共通とし、それらの形状を金種毎に異ならせることにより、特定の金種のみ、金種別ピン316が金種別受け入れ穴322に嵌りこむようにすることもできる。本実施例2において、金種決め板状体318は共通であり、金種別に設定された金種別受け入れ穴322の位置がそれぞれ金種毎に異なって穿孔されているので、金種設定部たる金種別受け入れ穴322の位置のみが異なり、第二筐体側金種設定手段308Sたる金種決め板状体318は全金種に対し共通であることから、第二筐体側金種設定部310S以外は全て実質的に同一に構成されている。第二金種別保留繰出装置304の金種の配列を変更する場合、当該変更後の配列に適合する金種別受け入れ穴322が形成された金種決め板状体318と交換する必要がある。なお、金種決め板状体318は、実施例1と同様に、金種毎の第二金種別保留繰出装置304毎に個別に設けることもできる。
次に第二位置決め手段312を主に図19及び図20を参照しつつ説明する。
第二位置決め手段312は、第二金種別保留繰出装置304を第二筐体306内に装着する際に、第二金種別保留繰出装置304が所定の位置に保持されるようにする機能を有し、筐体側第二位置決め手段312S、保留繰出装置側第二位置決め手段312H、及び、第二ストッパ324により構成されている。
まず保留繰出装置側第二位置決め手段312Hを図18を参照しつつ説明する。なお、図18は、100円第二金種別保留繰出装置304100の例である。
保留繰出装置側第二位置決め手段312Hは、各第二金種別保留繰出装置304のベースフレーム222の左端及び右端の前端部及び後端部下面から下方(上段底板108UB側)に所定量突出する左右一対の左前第二位置決め手段312LF、左後第二位置決め手段312LR、右前第二位置決め手段312RF、及び、右後第二位置決め手段312RRによって構成され、図18に示すように、上段底板108UBの上面に固定された矩形の案内板328の左右端縁を挟むように配置されている。
次に筐体側第二位置決め手段312Sを説明する。
筐体側第二位置決め手段312Sは、上段底板108UBの上面に固定された矩形の案内板328の直線状の左端縁328L、及び、右端縁328Rによって構成されている。すなわち、案内板328の左端縁328Lによって左前第二位置決め手段312LF及び左後第二位置決め手段312LRが、右端縁328Rによって右前第二位置決め手段312RF及び右後第二位置決め手段312RRが案内される。しかし、上段底板108UBに直状の溝を形成し、保留繰出装置側第二位置決め手段312Hをその溝中に突出させ、当該溝に沿って移動させるようにしても良い。また、保留繰出装置側第二位置決め手段312Hをベースフレーム222に直状溝を形成して構成し、上段底板108UBから突出させた上向き突起を筐体側第二位置決め手段312Sとして構成し、当該筐体側第二位置決め手段312Sの突起を、保留繰出装置側第二位置決め手段312Hに形成した溝内に突出させて案内するようにしてもよい。換言すれば、第二金種別保留繰出装置304を筐体側第二位置決め手段312Sによって案内しつつ第二筐体306内に押し込めるだけで、保留繰出装置側第二位置決め手段312Hが筐体側第二位置決め手段312Sたる案内板328によって案内され、金種別ピン316が対応する金種別受け入れ穴322中に進行すると共に、後述の第二電気的接続手段314が接続されるように構成されている。各第二金種別保留繰出装置304は、所定の位置において、図20に示す第二ストッパ324によってその位置を保持される。
次に第二ストッパ324を主に図20を参照して説明する。
第二ストッパ324は、所定位置に装着された第二金種別保留繰出装置304をその位置に保持する機能を有し、本実施例2においては、ベースフレーム222の後部底面から突出した一対の左第二ストッパ324L及び右第二ストッパ324R(図18)によって構成されている。第二ストッパ324はベースフレーム222の後部おいて、下面に対し上下方向に移動可能に設けられ、通常は、弾性体(図示せず)によって下面から所定量突出した係止位置FPをとる。しかし、操作ハンドル332を上方に引き上げることにより、下面から引っ込んだ退避位置LPに移動されることができる。金種別ピン316が金種別受け入れ穴322に嵌合され、かつ、第二電気的接続手段314が正しく接合された状態において、左第二ストッパ324L及び右第二ストッパ324Rは、案内板328に形成されたストッパ穴326に進行して係止位置FPをとり、その垂立後縁324Bがストッパ穴326の後縁近傍において静止される。したがって、第二金種別保留繰出装置304が図20における矢印B方向に抜け出そうとしても、垂立後縁324Bがストッパ穴326の後縁に引っかかり、抜け出すことができず、装着部280に保持される。
次に、第二電気的接続手段314を主に図20を参照しつつ説明する。
第二電気的接続手段314は、実施例1の電気的接続手段286と同様の機能を有し、第二金種別保留繰出装置304の第二電気モーター212、及び、繰出センサー216を電源(図示せず)及び制御装置(図示せず)に接続又は遮断可能とする機能を有し、本実施例2においては、公知の、第二雄型コネクタ314Mと第二雌型コネクタ314Fによって構成されている。具体的には、第二雌型コネクタ314Fは第二筐体306側の金種決め板状体318の直下において、受け入れ凹部が水平横向き状態になるように固定され、第二雄型コネクタ314Mはベースフレーム222の前面下部に凸部が横向き水平に突出するように固定されている。第二雄型コネクタ314Mの先端は斜めに面取りされ、第二雌型コネクタ314Fの受け入れ凹部へ侵入しやすく形成されている。これにより、第二金種別保留繰出装置304の保留繰出装置側第二位置決め手段312Hが筐体側第二位置決め手段312Sたる案内板328の左端縁328L、及び、右端縁328Rによって案内されつつ図20において反矢印B方向へ押し込まれた場合、第二雄型コネクタ314Mの先端が第二雌型コネクタ314Fの受け入れ凹部へ進入した直後に、金種別ピン316の先端が金種別受け入れ穴322に進行する位置関係に設定されている。なお、第二雌型コネクタ314Fをベースフレーム222側に固定し、第二雄型コネクタ314Mを第二筐体306側に固定することもできる。
各第二金種別保留繰出装置304が第二筐体306の各金種の装着部280に装着される際、保留繰出装置側第二位置決め手段312Hたる左前第二位置決め手段312LF及び左後第二位置決め手段312LRは、筐体側第二位置決め手段312Sたる案内板328の左端縁328Lによって案内され、同時に、右前第二位置決め手段312RF及び右後第二位置決め手段312RRは案内板328の右端縁328Rによって案内される。換言すれば、各第二金種別保留繰出装置304は筐体側第二位置決め手段312Sと保留繰出装置側第二位置決め手段312Hとの協働によって、一定方向、本実施例2においては、保留繰出装置側第二位置決め手段312Hの下端が上段底板108UB上を摺動して図20における反矢印B方向に押し込まれる。これにより、正規の金種位置に挿入された第二金種別保留繰出装置304は、前述のように第二雄型コネクタ314Mの先端が第二雌型コネクタ314Fの受け入れ凹部へ侵入した直後に、金種別ピン316の先端が金種別受け入れ穴322に進行し、第二雄型コネクタ314Mの端面が第二雌型コネクタ314Fの端面に当接した状態において、第二ストッパ324がストッパ穴326に落下した状態になる。この状態において、第二金種別保留繰出装置304は矢印B 方向へ移動できない。所定金種の装着部280に、異なる金種の第二金種別保留繰出装置304が挿入された場合、当該位置に金種別受け入れ穴322が存在しないので、金種別ピン316は相対する金種別受け入れ穴322に進行することができず、第二ストッパ324がストッパ穴326に落下しないと共に、第二金種別保留繰出装置304の後端部は、他の第二金種別保留繰出装置304よりも後方(矢印B方向)へ突出する。これによって、第二金種別保留繰出装置304が誤挿入であることが判別できる。
図20に示すように、各第二金種別保留繰出装置304の払出開口240から送り出された硬貨Cは、通常は、振分体334が払出位置PP(鎖線示)に位置されるので、出金搬送装置142へ案内されるが、振分体334が回収位置RP(実線示)に移動された場合、回収通路336へ案内され、硬貨処理装置100内の硬貨回収部(図示せず)に送られる。
100、300 硬貨処理装置
138、304 金種別保留繰出装置
284、308 金種設定手段
284S、308S 筐体側金種設定手段
284H、308H 金種別保留繰出装置側金種設定手段
284SP、310S 筐体側金種設定部
284HD,310H 金種別保留繰出装置側金種設定部
288HH、310SD 凹部
284SD、310HP 凸部
284SR、316 円柱ピン
284Ho、322 円孔
290 保留繰出装置側金種設定板
292 識別手段

Claims (10)

  1. 少なくとも、筐体(144、306)内に設置された複数の金種別保留繰出装置(138、304)を含み、前記複数の金種別保留繰出装置(138、304)のそれぞれに対応して前記筐体(144、306)側に設けられた複数の筐体側金種設定手段(284S、308S)と、前記複数の金種別保留繰出装置(138、304)のそれぞれに設けられた金種別保留繰出装置側金種設定手段(284H、308H)とによって構成された金種設定手段(284、308)によって、前記筐体側金種設定手段(284S、308S)に設定された金種と前記金種別保留繰出装置側金種設定手段(284H、308H)に設定された金種とが同じ組み合わせの場合に、前記複数の金種別保留操出装置(138、304)のそれぞれが前記筐体(144、306)内に設置可能に構成されている硬貨処理装置(100、300)であって、
    前記筐体側金種設定手段(284S、308S)のそれぞれは、金種毎に異なるように設定される筐体側金種設定部(284SP、310S)を有し、
    前記金種別保留繰出装置側金種設定手段(284H、308H)は、前記金種別保留繰出装置(138、304)に付設され、金種毎に異なるように設定される金種別保留繰出装置側金種設定部(284HD、310H)を有する
    ことを特徴とする硬貨処理装置。
  2. 前記筐体側金種設定部(284SP、310S)は金種毎に異なる位置に配置され、前記金種別保留繰出装置側金種別設定部(284HD、310H)は、対応する金種に設定された前記筐体側金種設定部(284SP、310S)と適合する位置に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載した硬貨処理装置。
  3. 前記筐体側金種設定部(284SP、310S)と前記金種別保留繰出装置側金種別設定部(284HD、310H)とのそれぞれは、一方が凹部(288HH、322)に構成され、他方が当該凹部(288HH、322)と嵌り合う凸部(284SD、316)に構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載した硬貨処理装置。
  4. 前記筐体側金種設定部(284SP)は凸部(284SD)に構成され、前記金種別保留繰出装置側金種別設定部(284HD)は前記凸部(284SD)と嵌り合う凹部(284HH)に構成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載した硬貨処理装置。
  5. 前記筐体側金種設定部(284SP)は、前記筐体(144)とは別体に設けられた板状体(288)に設けられた少なくとも一つの円柱ピン(284SR)であり、
    前記金種別保留繰出装置側金種別設定部(284HD)は板状体(290)に穿孔された円孔(284Ho)である
    ことを特徴とする請求項4に記載した硬貨処理装置。
  6. 前記筐体側金種設定部(310S)は凹部(310SD)に構成され、前記金種別保留繰出装置側金種別設定部(310H)は前記凹部と嵌り合う凸部(310HP)に構成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載した硬貨処理装置。
  7. 前記筐体側金種設定部(310S)は、前記筐体(306)とは別体に設けられた板状体(318)に設けられた少なくとも一つの円孔(322)であり、
    前記金種別保留繰出装置側金種別設定部(310H)は前記金種別保留繰出装置(304)に設けられた一つの円柱ピン(316)である
    ことを特徴とする請求項6に記載した硬貨処理装置。
  8. 前記金種別保留繰出装置側金種設定手段(284H)は、前記金種別保留繰出装置(138)に第一の態様において付設された場合第一の金種に適合し、第二の態様において付設された場合第二の金種に適合する
    ことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載した硬貨処理装置。
  9. 同一金種に設定された前記筐体側金種設定手段(284)及び前記金種別保留繰出装置側金種設定手段(284H)又は前記金種別保留繰出装置(138)のぞれぞれには、同一の識別手段(292)が付されている
    ことを特徴とする請求項1乃至8何れかに記載した硬貨処理装置。
  10. 前記識別手段(292)は色である
    ことを特徴とする請求項9に記載した硬貨処理装置。
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