JP5220981B2 - 微塩基性シリカ粉体、その製造方法及び樹脂組成物 - Google Patents

微塩基性シリカ粉体、その製造方法及び樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、輸送、分級等の粉体操作が容易で、樹脂に混合された際に、凝集を抑制し、均一に分散され、粘度上昇が防止されるシリカ粉体及びその製造方法に関する。また、本発明は該シリカ粉体と有機樹脂からなり、耐吸湿性、耐はんだクラック性に優れ、低膨張性の樹脂組成物に関する。
半導体装置などの電子部品の封止方法として、セラミックスや、熱硬化性樹脂を用いる方法が、従来より行われている。なかでも、エポキシ樹脂系封止材による封止が、経済性及び性能のバランスより好ましく広く行われている。
近年の半導体装置の高機能化、高集積化等に伴い、従来の主流であったボンディングワイヤーを用いる方法に変わって、バンプ(突起電極)により半導体素子と基板を電気的に接続する方法、いわゆるフリップチップを用いた表面実装が増加している。このフリップチップ実装方式の半導体装置では、ヒートサイクル試験でバンプの接合部等にクラック等の欠陥が発生する場合がある。その為これを防止するために、半導体素子と基板の隙間及びバンプの周囲等を液状のエポキシ樹脂系封止材で充填し硬化することにより改良する方法(アンダーフィル)が行われている。
フリップチップ実装方式等の半導体装置を封止する封止材は、耐湿信頼性、耐電気腐食性、耐ヒートサイクル性等の特性が要求されるが、その為に、封止材中にシリカ等の無機充填材を配合することにより吸湿率を低下させるとともに熱膨張率を低下させることにより耐湿信頼性や耐ヒートサイクル性を向上させる方法が行われている。
シリカ等の無機充填材の配合量を増加させる程、封止材の吸湿率の低下と熱膨張係数の低下が可能となり、耐湿信頼性や耐ヒートサイクル性を向上できるが、一方無機充填材の配合量を増加させる程、封止材の粘度が増加し、流動性が著しく低下する傾向があり問題となる。特に、フリップチップ実装においては、数十μm程度の半導体素子と基板の隙間に封止材を充填する必要があるため、封止材には高い浸入充填性が要求される。よって、このような封止材には、無機充填材の充填率を高くしてもなるべく粘度が高くならずに、高い侵入充填性を得る為に、無機充填材として球状で比表面積の小さい無機粒子が要求されている。
係る観点から、下記特許文献1には、シリカ粒子を火炎中で溶融する方法が開示されている。下記特許文献2には、酸素を含む雰囲気内においてバーナにより化学炎を形成し、この化学炎中に金属粉末を粉塵雲を形成しうる量投入して燃焼させて、酸化物超微粒子を合成する製造方法の開示がある。また、下記特許文献3には、酸化物を構成する金属粉末をキャリアガスとともに反応容器内へ供給する第1工程と、該反応容器内で発火させて火炎を形成し、該金属粉末を燃焼させ酸化物の粉末を合成する第2工程とからなる酸化物粉末の製造方法において、第1工程は、小粒径の金属酸化物と上記金属粉末との混合物を供給し、第2工程は、上記金属酸化物を核として上記金属粉末の燃焼により合成される酸化物により粒成長させることを特徴とする酸化物粉末の製造方法の開示がある。
一方、シリカ粒子を表面処理して封止材用充填材に使用する試みがなされており、例えば、下記特許文献4や下記特許文献5には、無機質充填剤粒子表面をシランカップリング剤(アルコキシ基を2個以上含むものが好適)で表面処理し、成形性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造することが開示されている。
しかしながら、上記の技術では、樹脂中で無機質充填剤粒子が凝集しやすく、不均一で、粘度が高く、その結果、流動性が低く、更なる成形性向上を図ることができないという問題があった。
特開昭58−145613号公報 特開昭60−255602号公報 特開平1−24004号公報 特開2001−189407号公報 特開2002−114837号公報
無機粒子含有樹脂複合材料において、無機粒子とマトリックスポリマーとの間を強固な結合で結ぶことは重要である。粒子の表面を改質してマトリックスと結合を強くする方法として、シランカップリング剤で処理するのは一般的である。しかし、金属を燃焼して得られる金属酸化物粉体であるアドマファイン(商標名)のような微粒子の場合は処理によって凝集が起こりやすく、樹脂中に分散しにくくなり、コンパンドの成形時の粘度が高くなる問題点がある。例えば、エポキシシラン処理シリカをエポキシ樹脂に配合する場合は粘度が非常に高くなることがその典型である。
このように、コンパンドの粘度を下げ、流動性を上げることは、無機フィラーを大量に配合しなければならない半導体EMC(Epoxi Molding compaund)射止剤等のアプリケーションにおいて特に重要である。
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は、輸送、分級等の粉体操作が容易で、樹脂に混合された際に、凝集を抑制し、均一に分散され、粘度上昇が防止されるシリカ粉体及びその製造方法を提供することを目的とする。又、本発明は、耐吸湿性、耐はんだクラック性に優れ、低膨張性の樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1に本発明は、シリカ粉体の表面が塩基性物質又は塩基性混合物で処理された微塩基性シリカ粉体の発明であって、該シリカ粉体又は微塩基性シリカ粉体は所定値以上の粒径の粗粒がカットされていることを特徴とする。この塩基性シリカ粉体は、適当な親水性を有し、優れた流動性、分散性を有する。この塩基性シリカ粉体をエポキシ樹脂組成物等に配合した場合、組成物の粘度が低く、硬化後の物性も優れている。
このように、シリカ粉体を少量の塩基性物質又は塩基性混合物で処理するとともに、粗粒カットを行うことによって、粉体自身の流動性が飛躍的に向上され、輸送、分級等の操作が容易になる。しかも、製造装置への付着が極めて少なく、連続生産が可能になった。本発明の塩基性シリカ粉体は微塩基性であるため、例えば、エポキシ樹脂中に配合されるシランカップリング剤を効率良く吸着、固着し、低粘度、高流動性の樹脂コンパウンドが得られる。又、シランカップリング剤を固着することによって、フィラー表面と樹脂の密着性が良く、耐はんだリフロー性、低吸湿性等の優れた物性が得られる。
本発明において、塩基性物質又は塩基性混合物としては、1atmの時の沸点が150℃以下であるものがガス状で処理できるので好ましい。但し、沸点が150℃を越えるものでもシリカ粉体との混合処理を行うことが出来る。
塩基性物質又は塩基性混合物としては、アンモニア、有機アミン、シラザン類、窒素を含む環状化合物又はその溶液、アミン系シランカップリング剤又はその溶液等が挙げられる。これら塩基性物質の中で、シラザン類が好ましく例示され、特に、へキサメチルジシラザン(HMDS)が好ましい。
シリカ粉体をシラザン類で処理した場合において、処理されたシリカ粉体の抽出水のPH値が、用いられる純水のPHと比べて少なくとも0.1以上高いことが好ましい。これにより、シリカ粉体が適量に塩基性化されたことが確認できる。ここで、粉体抽出水のPH測定方法は次の通りである。粉体を3.5g秤量しプラスチック製容器に入れる。70mlの脱イオン水を入れて、振動機で30分間振動させる。遠心分離機で固液分離させて、上澄みの水のPHを測定する。
本発明において、シリカ粉体の製造方法は限定されない。例えば、金属シリコンを燃焼して得られるシリカ粉体、シリカ破砕物を溶融して得られる溶融シリカ粉体、シリカ破砕物等が例示される。
金属シリコンを燃焼して得られる球状シリカ粉体とは、シリコン金属粉末、シリコンとアルミニウム、マグネシウム、ジルコニウム、チタン等の合金粉末、その他ムライト組成に調合したアルミニウム粉末とシリコン粉末、スピネル組成に調合したマグネシウム粉末とアルミニウム粉末、コージェライト組成に調合したアルミニウム粉末、マグネシウム粉末、シリコン粉末等の金属粉末混合物を、キャリアガスとともに酸素を含む雰囲気中で化学炎を形成し、この化学炎中に目的とするシリカ(SiO)を主成分とする金属酸化物の超微粒子を得るものである。本発明では、金属シリコンを燃焼して得るシリカを主成分とする金属酸化物粉体が好ましい。また、前記金属を燃焼してうるシリカ粉体は、平均粒子径が0.01μm以上の真球状粒子であるものが好ましく、平均粒子径が0.01μmから20μmの真球状粒子であるものがより好ましく、平均粒子径が0.2μmから20μmの真球状粒子であるものがより好ましい。
又、溶融シリコンは、シリカ粒子等を火炎中で溶融する方法で製造され、その製造方法は、例えば上記特許文献1等に開示されている。
本発明で言うシラザン類は分子中にSi−N結合を有する珪素化合物で、オルガノシラザンと称することもあり、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジメチルアミノトリメチルシラン、トリシラザン、シクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメテルシクロトリシラザン、などのシラサン類から選択される化合物又はその組み合わせである。この中で、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)がシリカの凝集を抑制し、酸性であるシリカを塩基性に傾け、有機物に対する親和性を向上させ、シランカップリング剤などの付着の均一性を向上させて、エポキシ樹脂に対する安定性を向上させるなどの点で好ましい。
塩基性物質であるアミン系シランカップリング剤は下記一般式
(R(R(RSi
で表すもので、n+m+lは4である。Rは一級、二級及び三級アミンの置換基でSi原子とC−Si結合で結合されている。Rは炭化水素基でSi原子とC−Si結合で結合されている。Rは加水分解可能な置換基で、Si原子とSi−OR(Rは炭化水素基)、Si−OCOR(Rは炭化水素基)、Si−NHCOR(Rは炭化水素基)、Si−NR(R、Rは炭化水素基又は水素)などの結合で結合されている。具体的にはN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、などがあげられる。
塩基性物質又は塩基性混合物のシリカ粉体に対する処理量は粉体表面積1m当り0.05から5μモル、好ましくは0.05から1μモルがよい。0.05μモル未満の場合は、処理効果が不十分で、5μモルを超える場合は粉体表面が疎水性となりハンドリング性が逆に悪くなる。又、表面が疎水性であるため、エポキシ樹脂などに対する密着性も悪くなる。更に粉体表面の水酸基がなくなるため、更なるシランカップリング剤などの処理が不可能となる。シリカ、アルミナの場合はIRスペクトル上3740cm−1付近の水酸基の吸収ピークが完全に消失しない程度の処理は最も望ましい。
本発明の微塩基性シリカ粉体は、エポキシシラン、アミノシラン、アクリルシラン、チオールシラン等のシランカップリング剤で処理することが好ましい。
本発明で言うシランカップリング剤とは、アミノ基、グリシジル基、メルカプト基、ウレイド基、ヒドロシ基、アルコキシ基、メルカプト基から選択される活性基を有する化合物またはその組み合わせである。具体的には、シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等の疎水性シラン化合物やメルカプトシラン等が例示される。
本発明においては、粗粒カットはシリカ粉体自体に行ってもよく、又は塩基性物質で処理された塩基性シリカ粉体を粗粒カットしてもよい。
又、シリカ粉体の最大粒子径以上の粒径を持つ金属粒子等の導電性粒子が除去されていることが好ましい。
本発明においては、粗粒カットされたシリカ粉体又は微塩基性シリカ粉体は、単一の粒径分布を有するものであっても良く、または異なる粒径分布を有する複数の粉体の混合物であっても良い。
フィラーを樹脂に高充填させるために、粒径の異なるものを適当に配合することが有効である。具体的には大きいフィラーが最密充填した時の隙間に小さいフィラーを順次充填していく考え方が一般的で、例えばHorsieldモデルがその一例である。又、実際の粉体を最密充填なるように配合するための計算法も知られている。しかし、未処理の粉体、或いは従来知られている方法で処理された粉体に対して、上記最密充填しても未だ十分な低粘度が達成できない。本発明の方法で処理したシリカ粉体は、塩基性物質を併用することによって、従来のカップリング剤処理よりはるかに処理が均一で、樹脂に対する親和性も格段に高い。従って、本発明のフィラーを樹脂に配合すると、粘度が非常に低くなり、上記最密充填の方法で異なる粒径の粉体を最密充填になるように配合すると従来のフィラー技術では達成できない低粘度樹脂組成物が得られる。
本発明における平均粒径と粗粒カットの具体例は以下のようなものである。
(1)平均粒径0.01μから30μ、最大粒径75μの粒径分布を有する球状シリカ粒子の少なくとも一種類以上のシリカ粒子非混合粉又は混合粉。
(2)平均粒径0.01μから20μ、最大粒径45μの粒径分布を有する球状シリカ粒子の少なくとも一種類以上のシリカ粒子非混合粉又は混合粉。
(3)平均粒径0.01μから10μ、最大粒径20μの粒径分布を有する球状シリカ粒子の少なくとも一種類以上のシリカ粒子非混合粉又は混合粉。
(4)平均粒径0.01μから5μ、最大粒径10μの粒径分布を有する球状シリカ粒子の少なくとも一種類以上のシリカ粒子非混合粉又は混合粉。
(5)平均粒径0.01μから3μ、最大粒径5μの粒径分布を有する球状シリカ粒子の少なくとも一種類以上のシリカ粒子非混合粉又は混合粉。
(6)平均粒径0.01μから1.5μ、最大粒径3μの粒径分布を有する球状シリカ粒子の少なくとも一種類以上のシリカ粒子非混合粉又は混合粉。
上記のように、粗粒カットされていることが、諸物性を発揮させる上で好ましい。
第2に、本発明は、シリカ粉体の表面を塩基性物質又は塩基性混合物で処理する微塩基性シリカ粉体の製造方法であって、該シリカ粉体又は微塩基性シリカ粉体は所定値以上の粒径の粗粒をカットする工程を含むことを特徴とする。
塩基性物質又は塩基性混合物でシリカ粉体を処理することにより、シリカ表面を酸性から塩基性に変換し、HMDS等のシラザン類以外のシランカップリング剤の吸着、固着を促進する。また、シリカのエポキシ樹脂等の有機樹脂に対する活性を抑制しエポキシ樹脂等との反応による粘性増加を抑制する。これにより、エポキシ樹脂等の充填時に低粘度かつ高流動性を実現することが可能となる。特に、シリカ粉体をHMDSで処理した場合は、処理作業が容易である上に、シリカが微塩基性になると同時に、シリカ表面の一部がトリメチル化されるため、粉体の凝集がなくなり、樹脂への濡れ性も向上され、好適である。又、粗粒カットすることで、有機樹脂等の諸物性を発揮させる上で好ましい。
塩基性物質又は塩基性混合物の処理に関して、シリカ粉体を予め処理してもよいが、樹脂などと混合してコンパウンドを造る工程中で行うこともできる。例えば、シリカ粉体をヘンシェルミキサーに投入して、塩基性物質又は塩基性混合物と混合して処理した後に直ちに樹脂、添加剤、硬化剤、触媒、カップリング剤などを投入してプレミキシングして、ロール、押し出し機などでコンパウンドを作ることが出来る。
第3に、本発明は、有機樹脂組成物の発明であり、塩基性物質又は塩基性混合物で表面処理された上記シリカ粉体を、有機樹脂に配合したことを特徴とする。塩基性シリカ粉体を添加することで、特に有機樹脂の耐熱性を高め、低熱膨張とし、低吸湿性とすることができる。
本発明で使用される樹脂としては特に限定されず、エポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、メラミン樹脂、光硬化樹脂、シリコーンなどの熱硬化性樹脂、LCP、PPS、PES、PEEK、PC、ABS、PMMA、ポリオレフィン、ナイロン、PPO、POM、等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル塗料又はワニス、アクリル塗料又はワニス、エポキシ塗料又はワニス、ポリイミド、ポリアミドイミド塗料又はワニス、フェノール樹脂塗料などの塗膜又は織物含浸用ワニス等が例示される。
これらの中で、半導体装置や液晶装置の封止材用樹脂として用いられる1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が特に好ましい。即ち、第4に、本発明は、エポキシ樹脂組成物の発明であり、少なくとも(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)触媒に、(D)無機充填材として上記微塩基性シリカ粉体を全エポキシ樹脂組成物中に70重量%以上含むことを特徴とする。ここで、(D)無機充填材として上記の塩基性シリカ粉体を全エポキシ樹脂組成物中に70重量%以上、好ましくは85〜95重量%含む。
同様に、少なくとも(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)触媒に、(D)無機充填材として上記微塩基性シリカ粉体を含むことを特徴とする封止用液状エポキシ樹脂組成物である。
更に、織物クロス含浸用ワニス又はフィルム形成用ワニスに、上記微塩基性シリカ粉体を配合したことを特徴とする樹脂組成物である。
本発明に用いるエポキシ樹脂としては特に限定されず、1分子中にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、及びポリマー全般が用いられる。例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂等が例示される。これらは単独でも混合して用いてもよい。無機充填材はエポキシ樹脂組成物中に高充填されることが好ましいため、エポキシ樹脂組成物の流動性を良好に維持するには低粘度樹脂が好ましい。
本発明では、上記エポキシ樹脂組成物にフェノール樹脂を加えて半導体封止用エポキシ樹脂組成物とすることが出来る。用いるフェノール樹脂としては特に限定されず、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、及びポリマー全般を言う。例えば、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型樹脂等が例示される。これらは単独でも混合して用いてもよい。無機充填材はエポキシ樹脂組成物中に高充填されるのが好ましいため、エポキシ樹脂組成物の流動性を良好に維持するには低粘度樹脂が好ましい。エポキシ樹脂のエポキシ基数とフェノール樹脂のフェノール性水酸基数との当量比としては、エポキシ基数/フェノール性水酸基数=0.8〜1.2の範囲が好ましい。
本発明に用いる硬化剤としては特に限定されず、エポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させるものであればよく、一般に封止材料に使用されているものを広く使用することができる。例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、2−メチルイミダゾール、トリフェニルホスフィン等が例示される。これらは単独でも混合して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(D)成分の他、必要に応じて、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、天然ワックス、合成ワックス等の離型剤、シリコーンオイル、イオン捕捉剤、難燃剤、ゴム等の低応力添加剤等の種々の添加剤等を適宜配合しても差し支えない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(D)成分、及びその他の添加剤等をミキサー等を用いて充分に均一に常温混合した後、熱ロール又はニーダー等で溶融混練し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法で成形硬化すればよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、半導体装置や液晶表示装置の封止材料として特に有用である。
本発明の微塩基性シリカ粉体は、(1)保存による凝集が発生しない、(2)ミクロオーダー以上の粗粒を気流分級、篩分級で容易に除去できる、(3)エポキシ樹脂と混合する際、シランカップリング剤を効率良く吸着、固着する、(4)エポキシ樹脂コンパウンドの粘度が低く、高流動性を示す、(5)硬化物の耐はんだリフロー性等の物性が優れている、という効果を奏する。
又、本発明の微塩基性シリカ粉体は、エポキシ樹脂に配合した際、従来の表面処理粉末や未処理粉末より低粘度である。これにより、得られたエポキシ樹脂組成物は高流動性で、かつ金属酸化物粉末の高充填を可能とする。金属酸化物粉末の高充填により、耐湿性、硬性、熱膨張、重合収縮等が改善され、封止材料として優れたものとなる。
以下、実施例と比較例を用いて本発明を説明する。
[比較例1]
平均粒径が0.2μ、比表面積が16m/gの球状シリカ((株)アドマテックス製、SO-C1)を篩で105μ以上の粗大粒子を除去して、比較例サンプル1を作製した。
[実施例1]
比較例1の比較例サンプル1を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.2重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で75μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル1を作製した。
[実施例2]
比較例1の比較例サンプル1を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.2重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で45μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル2を作製した。
[実施例3]
比較例1の比較例サンプル1を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.2重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で20μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル3を作製した。
[実施例4]
比較例1の比較例サンプル1を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.2重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を気流分級で10μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル4を作製した。
[実施例5]
比較例1の比較例サンプル1を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.2重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を気流分級で5μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル5を作製した。
[実施例6]
比較例1の比較例サンプル1を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.2重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を気流分級で3μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル6を作製した。
[比較例2]
平均粒径が0.5μ、比表面積が6.7m/gの球状シリカ((株)アドマテックス製、SO-C2)を篩で105μ以上の粗大粒子を除去して、比較例サンプル2を作製した。
[実施例7]
比較例2の比較例サンプル2を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.1重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で75μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル7を作製した。
[実施例8]
比較例2の比較例サンプル2を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.1重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で45μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル8を作製した。
[実施例9]
比較例2の比較例サンプル2を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.1重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で20μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル9を作製した。
[実施例10]
比較例2の比較例サンプル2を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.1重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を気流分級で10μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル10を作製した。
[実施例11]
比較例2の比較例サンプル2を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.1重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を気流分級で5μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル11を作製した。
[実施例12]
比較例2の比較例サンプル2を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.1重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を気流分級で3μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル11を作製した。
[実施例13]
比較例2の比較例サンプル2を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.01重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で20μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル13を作製した。
[実施例14]
比較例2の比較例サンプル2を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.3重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で20μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル13を作製した。
[実施例15]
比較例2の比較例サンプル2を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.1重量部のアンモニアを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で20μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル15を作製した。
[実施例16]
比較例2の比較例サンプル2を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.1重量部のエチレンジアミンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で20μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル16を作製した。
[実施例17]
比較例2の比較例サンプル2を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、1重量部のKBM903の10%メチルエチルケトン溶液を噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で20μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル17を作製した。
[実施例18]
比較例2の比較例サンプル2を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、1重量部のイミダゾールの10%メチルエチルケトン溶液を噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で20μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル18を作製した。
[比較例3]
平均粒径が6μ、比表面積が4.8m/gの溶融球状シリカを篩で105μ以上の粗大粒子を除去して、比較例サンプル3を作製した。
[実施例19]
比較例3の比較例サンプル3を篩で75μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル19を作製した。
[実施例20]
比較例3の比較例サンプル3を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.06重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で75μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル20を作製した。
[実施例21]
比較例3の比較例サンプル3を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.06重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で45μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル21を作製した。
[実施例22]
比較例3の比較例サンプル3を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.06重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で20μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル22を作製した。
[比較例4]
平均粒径が25μ、比表面積が1.8m/gの溶融球状シリカを篩で105μ以上の粗大粒子を除去して、比較例サンプル4を作製した。
[実施例23]
比較例4の比較例サンプル4を篩で75μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル23を作製した。
[実施例24]
比較例3の比較例サンプル3を100重量部混粉機に投入し、粉体を攪拌しながら、0.02重量部のヘキサメチルジシラザンを噴霧して粉体を処理した。処理後の粉体を篩で75μ以上の粗大粒子を除去して、実施例サンプル24を作製した。
上記実施例及び比較例の諸物性、塩基性物質処理、粒径カットを表1に一覧にした。
Figure 0005220981
[処理粉体の評価-1]
アドマファインSO-C2をレファレンスとして用いた。軟化点70℃のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂20重量部、軟化点80℃のフェノールノボラック樹脂20重量部、トリフェニルフォスフィン0.2重量、KBM403、0.4重量部とアドマファインSO-C2、60重量部を混合した後、東洋精機製R60型ラボブラストミルに入れて、回転数100rpm、温度100℃の条件下で、15分間混合し、最低トルクを測定する。
軟化点70℃のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂20重量部、軟化点80℃のフェノールノボラック樹脂20重量部、トリフェニルフォスフィン0.2重量、KBM403、0.4重量部と試験粉体60重量部を混合した後、東洋精機製R60型ラボブラストミルに入れて、回転数100rpm、温度100℃の条件下で、15分間混合し、最低トルクを測定する。SO-C2に対する相対最低トルクは下式であらわす。
相対最低トルク=(試験粉体サンプルの最低トルク/SO-C2の最低トルク)×100
測定結果を表2にまとめた。
Figure 0005220981
[樹脂組成物の硬化物断面のSEM観察]
上記各サンプルを表3のように混合して用いて得られた実施例25〜37、比較例6〜8の樹脂組成物をプレス成型して、180℃、5時間で硬化させた。硬化物を破断し、断面のSEM観察を行い、フィラー界面と樹脂マトリックスの密着性を評価した。結果は表3にまとめた。
又、実施例25〜37、比較例6〜8で得られた樹脂組成物170gをメチルエチルケトンで溶かして、超音波で分散させた。最大粒径に応じて篩を通してオン品中の導電性粒子を含む着色粒子の数を数えた。結果は表3にまとめた。
Figure 0005220981
[処理粉体の評価方法-2]
[実施例38]
平均粒径が2μ、比表面積が2m/g、最大粒径20μの球状シリカ(アドマファインSE6200)を40重量部、平均粒径が0.5μ、比表面積が5.5m/g、最大粒径20μの球状シリカ(アドマファインSE2200)を16重量部、平均粒径が0.2μ、比表面積が16m/g、最大粒径20μの球状シリカ(アドマファインSE1200)を4重量部、をミキサーに投入して、粉体を攪拌しながら、0.02重量部のヘキサメチルシラザンを噴霧して粉体を処理した後、ミキサーにZX-1059(エポキシ樹脂)を40重量部、KBM403(エポキシシランカップリング剤)を0.3重量部、2PHZ(硬化触媒)を3重量部投入して混合した。得られた樹脂組成物を三本ロールで分散させて、液状エポキシ硬化物を得た。この樹脂組成物を30℃、シェアレート23S-1で粘度を測定したところ、9600cpsという値を得た。
[比較例9]
平均粒径が2μ、比表面積が2m/g、の球状シリカ(アドマファインSE6000)を40重量部、平均粒径が0.5μ、比表面積が5.5m/gの球状シリカ(アドマファインSO-E2)を16重量部、平均粒径が0.2μ、比表面積が16m/gの球状シリカ(アドマファインSO-E1)を4重量部、ZX-1059(エポキシ樹脂)を40重量部、KBM403(エポキシシランカップリング剤)を0.3重量部、2PHZ(硬化触媒)を3重量部投入して混合した。得られた樹脂組成物を三本ロールで分散させて、液状エポキシ硬化物を得た。この樹脂組成物を30℃、シェアレート23S-1で粘度を測定したところ、31000cpsという値を得た。
[処理粉体の評価方法-3]
軟化点70℃のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂20重量部、軟化点80℃のフェノールノボラック樹脂20重量部、トリフェニルフォスフィン0.2重量、と試験粉体、60重量部、メチルエチルケトン100重量部を混合して分散機で粉体を分散してワニスを作製した。ワニスを塗布して溶媒を蒸発した後、190℃、5時間塗布膜を硬化させた。膜の破断面のSEM観察を行った。結果を表4にまとめた。
Figure 0005220981
[エポキシ樹脂封止材での評価]
表5に示すように、エポキシ樹脂:EOCN1020-65(日本化薬製、エポキシ当量200)、フェノール硬化剤:DL-92(明和化成製、フェノール当量110)、カルナバワックス(日興ファインプロダクツ製)、KBM403(信越化学製エポキシシランカップリング剤)、トリフェニルフォスフィン(北興化学製 TPPと略す)からなるシリカ充填材を実施例41〜43および比較例12を調製した。これらをヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製、型式FM20C/I、回転数2400rpm)により10分プリブレンドした。これらを、30mmφの二軸押出機を用いて溶融混練温度110℃、平均滞留時間5分で溶融混練後、冷却・粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造した。
これらの物性を以下のように評価した。
≪溶融粘度≫ 高化式フローテスターを用い、98Nの加圧下、直径1mmのノズルを用い、温度175℃で粘度を測定した。
≪曲げ強度≫ 曲げ強度は、JIS K6911に従って、175℃、6.9MPa、成形時間2分の条件で10×4×100mmの抗折棒を成形し、180℃で4時間ポストキュアーしたものの室温での曲げ強度を測定した。
≪吸水率≫ 175℃、6.9MPa、成形時間2分の条件で直径50×3mmの円盤を成形し、180℃で4時間ポストキュアーしたものを85℃/85%RHの恒温恒湿器に168時間放置し、吸水率を測定した。
Figure 0005220981
表5の結果より、本発明のエポキシ樹脂組成物は、溶融粘度が低く、曲げ強度に優れ、吸水率が低いことが分る。
又、本発明の微塩基性シリカ粉体は、エポキシ樹脂等に配合して、半導体装置や液晶表示装置の封止材料等に用いることが出来る。

Claims (8)

  1. シリカ粉体の表面が塩基性物質又は塩基性混合物で処理された微塩基性シリカ粉体であって、該シリカ粉体又は微塩基性シリカ粉体は、所定値以上の粒径の粗粒がカットされ、平均粒径0.01μから30μ、最大粒径75μの粒径分布を有する球状のシリカ粉体又は微塩基性シリカ粉体の少なくとも一種類以上の非混合粉又は混合粉であることを特徴とする微塩基性シリカ粉体。
  2. 前記塩基性物質又は塩基性混合物は1atmの時の沸点が150℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の微塩基性シリカ粉体。
  3. 前記塩基性物質又は塩基性混合物は、アンモニア、有機アミン、シラザン類、窒素を含有する環状化合物又はその溶液、アミン系シランカップリング剤又はその溶液、から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の微塩基性シリカ粉体。
  4. 前記シリカ粉体1mに対して塩基性物質又は塩基性混合物が0.05〜5μmole塩基当量で処理されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の微塩基性シリカ粉体。
  5. 前記塩基性物質が、へキサメチルジシラザン(HMDS)であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の微塩基性シリカ粉体。
  6. シリカ粉体の最大粒子径以上の粒径を持つ導電性粒子が除去されたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の微塩基性シリカ粉体。
  7. 微塩基性シリカ粉体がシランカップリング剤で処理されたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の微塩基性シリカ粉体。
  8. シリカ粉体の表面を塩基性物質又は塩基性混合物で処理する微塩基性シリカ粉体の製造方法において、該シリカ粉体又は微塩基性シリカ粉体の所定値以上の粒径の粗粒をカットする工程を含み、粗粒をカットした後のシリカ粉体又は微塩基性シリカ粉体は、平均粒径0.01μから30μ、最大粒径75μの粒径分布を有する球状のシリカ粉体又は微塩基性シリカ粉体の少なくとも一種類以上の非混合粉又は混合粉であることを特徴とする微塩基性シリカ粉体の製造方法。
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