JP7201177B2 - ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の評価方法 - Google Patents

ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の評価方法に関する。詳しくは、アミン化合物で処理された変性ポリアリールエーテルケトン樹脂における変性状態を評価する方法に関する。
歯科治療の分野においては、ポリアリールエーテルケトン樹脂にシリカ系フィラーなどを含有させたポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料を歯科材料として用いる技術が提案されており、義歯、人工歯、義歯床、歯科用インプラント(フィクスチャー、アバットメント、上部構造)、歯冠修復材料、支台築造材料の歯科の各種用途に使用することが例示されている(例えば、特許文献1、2)。
ポリアリールエーテルケトン樹脂にシリカ系フィラーを配合する方法としては、ポリアリールエーテルケトン樹脂を熱によって可塑化した状態でシリカ系フィラーと混練する、溶融混練によって行われることが一般的である。溶融混練の際には、ポリアリールエーテルケトン樹脂とシリカ系フィラーのなじみ性を向上させることが、ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料が高い強度などの良好な物性を得る上で重要である。例えば、特許文献1及び2では、ポリアリールエーテルケトン樹脂とシリカ系フィラーとのなじみ性を向上させることを目的として、シリカ系フィラーをシランカップリング剤で表面処理することにより、ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の強度が向上することが記載されている。
特開2013-144783号公報 特開2013-144784号公報
上記表面処理に使用されるシランカップリング剤は、ポリアリールエーテルケトン樹脂となじみ易い有機基とシラノール基(又は加水分解してシラノール基を生成するアルコキシ基等)を有するケイ素化合物からなり、これを用いて処理すること、すなわちシリカ系フィラーの表面に存在するシラノール基とシランカップリング剤の前記シラノール基等とを縮合させてシリカ系フィラーの表面に前記有機基を導入することにより、シリカ系フィラーとマトリックス樹脂であるポリアリールエーテルケトン樹脂との親和性を高めることができる。そして、このような処理がなされたシリカ系フィラーをポリアリールエーテルケトン樹脂と溶融混練して得られた複合材料では、外部から衝撃を受けた場合でもシリカ系フィラーとポリアリールエーテルケトン樹脂との界面での破壊が起こり難いため、強度の向上を図ることができる。しかし、前記処理による高強度化には限界があった。
このような背景のもと、本発明者等は、ポリアリールエーテルケトン樹脂をアミン化合物で処理して変性させた場合には、より高い高強度化が図れることを見出し、既に提案している(特願2019-12821号)。上記処理は、ポリアリールエーテルケトン樹脂のケトン基とアミン化合物とを高温下で反応させて樹脂内部にケチミン構造を生成せしめるものであり、この様にして変性されたポリアリールエーテルケトン樹脂と必要に応じてシランカップリング剤処理されたシリカ系フィラーとを溶融混練した場合には、前記ケチミン部位と、シリカ系フィラーのシラノール基が相互作用をして、両者間のなじみ性が一層向上して混練性も向上し、その結果、ポリアリールエーテルケトン樹脂とシリカ系フィラーの複合化がより高度に進行するようになることが原因と思われるが、結果として複合材料の耐破断性が向上し、より高い強度が得られる(後述のアミン処理を行ったフィラーを使用した参考実施例1~4、アミン処理もシランカップリング剤処理も行わなかった参考比較例1、アミン処理を行わずシランカップリング剤処理のみを行った参考比較例2参照)。
前記ケチミン構造は、前記複合材料を熱分解温度650℃の条件での熱分解ガスクロマトグラフ質量分析で分析を行った場合に、ヒドロキシベンゾニトリルが検出されることにより、確認することができるが、ヒドロキシベンゾニトリルの検出は、必ずしも容易ではなかった。
そこで本発明は、ポリアリールエーテルケトン樹脂をアミン化合物で処理することにより得られる変性ポリアリールエーテルケトン樹脂における変性状態を確実に評価することができる方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するものである。すなわち、本発明は、ポリアリールエーテルケトン樹脂をアミン化合物で処理することにより得られる変性ポリアリールエーテルケトン樹脂における変性状態を評価する、変性ポリアリールエーテルケトン樹脂の評価方法であって、被評価体である前記変性ポリアリールエーテルケトン樹脂を不活性ガス雰囲気下、620℃以上700℃以下の温度で熱分解する熱分解工程、前記熱分解工程で得られた分解物を、金属製キャピラリーカラムを用いて分離する分離工程、及び前記分離工程で分離された分解物のマススペクトルを測定する分析工程、を含み、前記分析工程で得られたパイログラムにおいて、質量電荷比(m/z)が119のマスクロマトグラムで抽出を行い、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの有無を確認することを特徴とする、前記評価方法である。
本発明によれば、ポリアリールエーテルケトン樹脂に導入されたケチミン構造の有無を、確実かつ容易に判断することができる。したがって、本発明の方法を利用することにより、ポリアリールエーテルケトン樹脂を、アミン化合物を用いて変性処理する際の条件検討を容易に行うことが可能となる。
本発明の評価方法における被評価体である前記変性ポリアリールエーテルケトン樹脂は、ポリアリールエーテルケトン樹脂をアミン化合物で処理することにより得られるものである。なお、評価の目的からして、前記変性ポリアリールエーテルケトン樹脂は、アミン化合物を用いて処理されたポリアリールエーテルケトン樹脂であればよく、実際に(構造的に)変性されている必要はない。
ポリアリールエーテルケトン樹脂は、その構造単位として、芳香族基、エーテル基(エーテル結合)およびケトン基(ケトン結合)を少なくとも含む熱可塑性樹脂であり、多くは、フェニレン基がエーテル基およびケトン基を介して結合した直鎖状のポリマー構造を持つ。ポリアリールエーテルケトン樹脂の代表例としては、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)などが挙げられる。なお、ポリアリールエーテルケトン樹脂の構造単位を構成する芳香族基は、ビフェニル構造などのようにベンゼン環を2つまたはそれ以上有する構造を持ったものでもよい。また、ポリアリールエーテルケトン樹脂の構造単位中には、スルホニル基または共重合可能な他の単量体単位が含まれていてもよい。
なお、ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料を歯科用途で使用する際には、ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の物性および色調の観点から、ポリアリールエーテルケトン樹脂としては、主鎖を構成するエーテル基とケトン基とが、エーテル・エーテル・ケトンの順に並んだ繰り返し単位を有するポリエーテルエーテルケトン、もしく、エーテル・ケトン・ケトンの順に並んだ繰り返し単位を有するポリエーテルケトンケトンが好ましい。
上記、ポリアリールエーテルケトン樹脂は、強度の観点から、シリカ系フィラーを含むポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料であることが好ましい。このことき、強度や剛性などの物性の観点から、樹脂複合材料に配合されるポリアリールエーテルケトン樹脂の配合量は90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることがさらに好ましい。下限値は特に限定されないが、高強度で破断しにくいなどのポリアリールエーテルケトン樹脂の特性を得るために、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。
シリカ系フィラーとは、シリカを主成分とする無機粒子である。シリカを主成分とするとは、フィラー中にシリカ成分を50質量%以上含むことを意味し、70質量%以上含まれることが好ましい。このようなシリカ系フィラーとしては、シリカ、シリカ-ジルコニア、シリカ-チタニア、シリカ-アルミナ、あるいはこれらに1族金属酸化物を添加した無機粒子などが挙げられる。
シリカ系フィラーの粒径は特に制限されないが、0.05μm~5μmの範囲であることが好ましく、0.1μm~3μmの範囲であることがより好ましい。
シリカ系フィラーは、シランカップリング剤で表面処理をすることも可能である。シランカップリング処理を行ったシリカ系フィラーを用いることで粘度の増大が抑制され、取り扱いが容易となるとともに、溶融混練時の負荷を抑制してポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の色調を良好なものとすることが容易となるため好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等を挙げることができる。
なお、ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料は、その用途等に応じて、その他無機充填材や、ポリアリールエーテルケトン樹脂以外の熱可塑性樹脂等を含むことも可能である。
処理剤であるアミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、n-ペンチルアミン、n-ヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、アマンタジンなどの第1級脂肪族アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、イソブチルアミンなどの第2級脂肪族アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどの第3級脂肪族アミン、スペルミジン、スペルミンなどが挙げられ、特に好ましいアミン化合物として、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、n-ペンチルアミンなどが挙げられる。
ポリアリールエーテルケトン樹脂をアミン化合物で処理する方法は、両者をポリアリールエーテルケトン樹脂の軟化温度以上の温度、特に融点以上の温度で接触させる方法であれば良いが、通常は、ポリアリールエーテルケトン樹脂をペレット化するための押出機やニーダー内で、アミン化合物の存在下でポリアリールエーテルケトン樹脂を溶融混練する方法が好適に採用される。たとえば、二軸溶融混練装置による溶融混練の条件としては、ニーディングスクリューを設置した部分の設定温度は、融点~500℃の範囲であることが好ましく、融点+10℃~450℃の範囲であることがより好ましい。すなわち、ポリアリールエーテルケトン樹脂としてポリエーテルエーテルケトン(融点340℃)を使用する場合、混練温度は340℃~500℃であることが好ましく、350℃~450℃であることがより好ましい。ポリアリールエーテルケトン樹脂としてポリエーテルケトンケトン(融点360℃)を使用する場合、混練温度は360℃~500℃であることが好ましく、370℃~450℃であることがより好ましい。
なお、ポリアリールエーテルケトン樹脂とアミン化合物とを溶融混練装置に投入する方法はいかなる手法を用いてもよいが、高温での揮発や分解がおこるアミン化合物が効率的にポリアリールエーテルケトン樹脂と作用させるという観点及び作業性の観点から、ポリアリールエーテルケトン樹脂とアミン化合物とを一括で投入する方法、ポリアリールエーテルケトン樹脂を投入して溶融させた後にアミン化合物を投入する方法が好適に採用される。また、シリカ系フィラーを配合する場合は、当該シリカ系フィラーは、ポリアリールエーテルケトン樹脂と一緒に投入してもよいし、アミン化合物と一緒に投入してもよい。また、作業性の観点から、シリカ系フィラーをアミン化合物で処理してシリカ系フィラーの表面にアミン化合物を吸着させ、該アミン化合物が表面に吸着したシリカ系フィラーとポリアリールエーテルケトン樹脂とを溶融混練してもよい。
本発明の評価方法は、(1)被評価体である前記変性ポリアリールエーテルケトン樹脂を不活性ガス雰囲気下、620℃以上700℃以下の温度で熱分解する熱分解工程、(2)前記熱分解工程で得られた分解物を、金属製キャピラリーカラムを用いて分離する分離工程、及び(3)前記分離工程で分離された分解物のマススペクトルを測定する分析工程、を含み、前記(3)分析工程で得られたパイログラムにおいて、質量電荷比(m/z)が119のマスクロマトグラムで抽出を行い、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの有無を確認することを特徴とする。
上記方法は、所謂熱分解ガスクロマトグラフィーとマススペクトロメトリーとを組み合わせた方法であり、熱分解雰囲気及び温度、マススペクトロメトリーで検出を確認するフラグメントを特定した点に大きな特徴を有する。
(1)熱分解工程の熱分解温度は、620℃未満では、熱分解が不十分で、目的成分を検出するには感度が足りなくなってしまう。また、熱分解温度が700℃を越える場合には、夾雑物が多く解析が困難になってしまう。更に、質量電荷比(m/z)が119以外のフラグメントを確認した場合には、ケチミン構造の有無を判別できず、仮にできたとしても他の成分のピークと重ることが多く、その有無の判別が困難となる。
以下、これら各工程について詳しく説明する。
熱分解ガスクロマトグラフィーは、ガスクロマトグラフィーに先立ち、分析試料を所定の温度に加熱し、その加熱により発生した分解生成物などをガスクロマトグラフィーで分析する手法である。本発明の熱分解工程は、適当量のポリアリールエーテルケトン樹脂をガスクロマトグラフに接続された加熱装置(熱分解装置)に投入して熱分解を行うことで実施可能である。
適当量の被評価体をガスクロマトグラフに接続された加熱装置(熱分解装置)に投入して熱分解を行う方法としては、公知の方法が特に制限なく使用可能であり、熱分解装置としては、例えば、試料をフィラメントで加熱するフィラメント型の加熱装置、試料を高周波磁界で加熱する誘導加熱型の加熱装置、試料カップを自由落下により炉内に投入して加熱する加熱炉型の加熱装置(パイロライザー)が挙げられ、操作の簡便さなどから試料カップを自由落下により炉内に投入して加熱する加熱炉型の加熱装置(パイロライザー)を使用することが好ましい。
熱分解時の雰囲気は不活性ガス雰囲気下で行う。これは、酸素存在下などの不活性ガス雰囲気下以外で熱分解工程を実施すると、例えば4-ヒドロキシベンゾニトリルのヒドロキシル基が酸化されるなど過剰な反応が発生し、4-ヒドロキシベンゾニトリルの検出が困難になる場合があるためである。不活性ガスとしては、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素などが挙げられる。その中でも、分離工程で使用するキャリアガスとして最も適当なヘリウムを使用することが、装置構造が単純になり分析操作が簡便になるため、最も好ましい。
試料の熱分解の時間は試料に応じて適宜決定すれば良いが、短すぎると熱分解が不十分で、目的成分を検出するには感度が足りなくなってしまうおそれがあり、長すぎると評価の作業効率が低下することから、10秒~60秒が好ましい。
加熱装置に投入する試料の量は、加熱装置及びクロマトグラフに応じて適宜決定すれば良いが、試料量が少ない場合には目的成分を検出するには感度が足りなくなってしまう場合があり、試料量が多い場合には夾雑物が多く解析が困難になってしまう場合があることから、試料量は0.1mg~1.0mgが好ましく、0.2mg~0.4mgがより好ましい。
本発明の分離工程は、ガスクロマトグラフィーで実施可能である。ガスクロマトグラフィーは、分離工程で発生した気体(分解物)を、キャリアガスによって金属製キャピラリーカラムを通過させることによって分解物の分離を行う。キャリアガスの種類、キャリアガスの流量、金属製キャピラリーカラムの種類、分析温度などの各種条件は、分解物の状況に応じて適宜決定すれば良い。なお、カラムの種類について、金属製のキャピラリーカラムを用いることで、測定後高温で焼きだしを行えるため、カラムへの熱分解物の残存をより少なく、より短時間で処理することができる。また、キャリアガスとしては、分析感度が高いことから通常ヘリウムを使用するが、窒素、水素などの他の気体を使用することも可能である。
分析工程は、ガスグロマトグラフに接続された質量分析装置に、分離された分解物を導入することで実施可能である。質量分析装置におけるイオン源、分析部、検出部は適宜決定すれば良い。例えば、イオン源は、電子イオン化法、光イオン化法などが使用可能であるが、簡便に実施できて分析感度が高いことから電子イオン化法が好ましい。
上述の熱分解工程、分離工程、分析工程によって得られたパイログラムから、質量電荷比(m/z)が119で抽出を行ったマスクロマトグラムにおいて、4-ヒドロキシベンゾニトリルの有無を確認する。
上述の工程で得られるパイログラムでは、多数の熱分解物のピークが検出されるため、検出対象となる4-ヒドロキシベンゾニトリルの有無を確認するには解析操作が煩雑である。そこで、パイログラムから検出対象において特徴的に見られるイオンを抽出したマスクロマトグラムを解析する。4-ヒドロキシベンゾニトリルおいては、質量電荷比(m/z)が119のイオンが特徴的であるので、もし他の熱分解物のピークと重なっていたとしても、m/z=119で抽出を行うことで4-ヒドロキシベンゾニトリルを確認することが容易になる。
4-ヒドロキシベンゾニトリルの確認は、具体的には、m/z=119で抽出を行ったマスクロマトグラムで得られたピークに対して、別途同条件で測定した4-ヒドロキシベンゾニトリルの保持時間と比較すること、一般的に使用されている質量分析のライブラリの情報と照合すること、またはこれらを複合的に行うことで、行うことができる。
評価対象となる4-ヒドロキシベンゾニトリルは、ベンゼン環にヒドロキシル基とニトリル基が直接結合している化合物である。これは、変性されたポリアリールエーテルケトン樹脂がエーテル結合部位とケチミン構造部位で分解され、且つケチミン部位がニトリル基へと変換された結果生じると推定される。そのため、4-ヒドロキシベンゾニトリルが検出されることで、ポリアリールエーテルケトン樹脂が変性されていることを確認可能と考えられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
実施例中に示した略号、称号については以下のとおりである。
[ポリアリールエーテルケトン樹脂]
・P1:ポリエーテルエーテルケトン樹脂(ダイセルエボニック社製:VESTAKEEP1000G)。
[シリカ系フィラー]
・F1:SiO(球状、平均粒径1μm)。
[アミン化合物]
・A1:n-プロピルアミン(脂肪族1級アミン、分子量59、沸点48℃)
・A2:トリエチルアミン(脂肪族3級アミン、分子量101、沸点90℃)
・A3:n-ペンチルアミン(脂肪族1級アミン、分子量87、沸点104℃)
・A4:トリエタノールアミン(脂肪族3級アミン、分子量149、沸点335℃)。
[シランカップリング剤]
・S1:3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン。
[アミン処理されたシリカ系フィラー]
・F1A1:シリカ系フィラーF1をアミン化合物A1でアミン処理したもの
・F1A2:シリカ系フィラーF1をアミン化合物A2でアミン処理したもの
・F1A3:シリカ系フィラーF1をアミン化合物A3でアミン処理したもの
・F1A4:シリカ系フィラーF1をアミン化合物A4でアミン処理したもの。
[シランカップリング処理されたシリカ系フィラー]
・F1S1:シリカ系フィラーF1をシランカップリング剤S1でシランカップリング処理したもの。
シリカ系フィラーにおける各処理方法、並びにポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の製造方法、曲げ強さ評価方法及び熱分解ガスクロマトグラフ質量分析方法を以下に示す。
(シリカ系フィラーのアミン処理方法)
2.5kgのイソプロピルアルコールに、1kgのシリカ系フィラーを投入して、30分間攪拌してスラリーを調製した。該スラリーに、5gのアミン化合物を投入し、2時間攪拌した。その後、該スラリーを、ロータリーエバポレーターを用いて、攪拌状態で、減圧度10ヘクトパスカル、加熱条件40℃(温水バス温度)の条件で1時間乾燥させ、溶媒を除去し、得られた固形分を回収した。該固形分を、さらに90℃24時間真空乾燥し、アミン処理されたシリカ系フィラーを得た。
(シリカ系フィラーのシランカップリング処理)
シリカ系フィラーを1kg、トルエン2Lを計量混合してシリカ系フィラーを分散させた後、シランカップリング剤を24g加えて2時間の加熱攪拌を行った。その後、遠心分離機によって固形分を分別し、トルエンで2回洗浄を行った後、真空乾燥機にて90℃10時間乾燥を行った。
(ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の製造)
600gのポリアリールエーテルケトン樹脂と400gのシリカ系フィラーとを10Lの密閉可能な容器に投入した後2時間混合した。次いで、得られた混合物を二軸溶融混練装置(パーカーコーポレーション製:HK-25D)に投入し、原料投入速度4kg/h、バレル温度360℃、回転数500rpmの条件で溶融混練を行い、ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料を得た。ノズルから排出されたストランドは水槽で冷却後、ペレタイザーを使用して、直径1~3mm程度、長さ2~4mm程度の円柱状のペレットを得た。
(ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の曲げ強さの評価)
射出成形機SE18DUZ(住友重機械工業社製)に、12×14×18mmのキャビティーを設けた金型ユニットを設置した。予備乾燥機付きホッパーにポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料のペレットを投入し、成形温度(シリンダ温度)を360~400℃、流動化温度360℃、金型温度を180℃に設定し、射出圧力180MPa、射出速度50mm/secの条件で射出充填を行った。180MPaの保圧かけを40秒間保持した。金型による冷却時間300秒の後、金型ユニットを開いてブロックを取り出した。
該ブロックを、ダイヤモンドカッターを用いて幅約4mm、厚さ約1.2mm、長さ約14mmに加工した。これを耐水研磨紙1500番で長さ方向に研磨して試験片とした。試験片の幅と厚さをマイクロメーターで測定し、万能引張試験機オートグラフ(島津製作所製:AG-I)を用いて、室温大気中、支点間距離12mm、クロスヘッドスピード1mm/minの条件で3点曲げ試験を行い、荷重-たわみ曲線を得た。
下式により、曲げ強度を求めた。
F = 3PS/2WB
ここで、F:曲げ強さ[Pa]、P:試験片破折時の荷重[N]、S:支点間距離[m]、W:試験片の幅[m]、B:試験片の厚さ[m]である。
試験は5個の試験片について行い、得られた結果より、平均および標準偏差を求めた。
(ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の熱分解ガスクロマトグラフ質量分析)
熱分解ガスクロマトグラフ質量装置(パイロライザー:フロンティア・ラボ社製EGA/PY-3030D、ガスクロマトグラフ:アジレント・テクノロジー社製7890B、質量分析装置:日本電子社製JMS-Q1500GC)のパイロライザーに試料約0.3mgを投入し、所定の雰囲気下、所定の温度、所定の時間で加熱して熱分解を行い、発生した気体(分解物)をガスクロマトグラフ質量分析装置に導入して、分解物の分離とマススペクトルの測定を行った。ガスクロマトグラフィーの金属製キャピラリーカラムはジメチルポリシロキサンカラム(フロンティア・ラボ社製:Ultra ALLOY+ -5)、キャリアガスはヘリウムを使用した。マススペクトリメトリーにおけるイオン化は電子イオン化法によって行った。得られたパイログラムからm/z=119で抽出を行ったマスクロマトグラムにおいて、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの検出有無の評価を行った。
<実施例1>
アミン処理されたシリカ系フィラーF1A1を400gと、PEEK樹脂を600gとを溶融混練してポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C1を得た。該ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C1の熱分解ガスクロマトグラフィーとマススペクトロメトリーの測定を、熱分解条件をヘリウム雰囲気下、620℃、30秒の条件で行い、得られたパイログラムからm/z=119で抽出を行ったマスクロマトグラムにおいて、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの検出有無の評価を行った。ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の組成を表1に、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析による評価条件と結果を表2に示す。
<実施例2~7、比較例1及び2>
ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の種類、熱分解ガスクロマトグラフィー及びマススペクトロメトリーの条件を、それぞれ表1及び表2に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料を得て、評価を行った。ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の組成を表1に、熱分解ガスクロマトグラフィー及びマススペクトロメトリーの条件と結果を表2に示す。
<比較例3>
実施例1で得たポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C1のパイログラムから、m/z=64で抽出を行ったマスクロマトグラムにおいて、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの検出有無の評価を行った。熱分解ガスクロマトグラフ質量分析による評価条件と結果を表2に示す。
<比較例4>
パイログラムから抽出を行ったm/zを91に変更した以外は、比較例3と同様に評価を行った。熱分解ガスクロマトグラフ質量分析による評価条件と結果を表2に示す。
<比較例5>
試料として、ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C5を0.3mgとアミン化合物4mgをパイロライザーに投入し、熱分解ガスクロマトグラフィーとマススペクトロメトリーの測定を、熱分解条件をヘリウム雰囲気下、650℃、30秒の条件で行い、得られたパイログラムからm/z=119で抽出を行ったマスクロマトグラムにおいて、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの検出有無の評価を行った。ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の組成を表1に、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析による評価条件と結果を表2に示す。
<参考実施例1>
実施例1で作製したポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C1の曲げ強さの評価を行った。また、該ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C1の熱分解ガスクロマトグラフィーとマススペクトロメトリーの測定を、熱分解条件をヘリウム雰囲気下、620℃、30秒の条件で行い、得られたパイログラムからm/z=119で抽出を行ったマスクロマトグラムにおいて、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの検出有無の評価を行った。結果を表3に示す。
<参考実施例2~4、参考比較例1、2>
ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の種類を表3に示すように変更した以外は、参考実施例1と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
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Figure 0007201177000002
Figure 0007201177000003
評価結果について、アミン処理したシリカ系フィラーとポリアリールエーテルケトン樹脂を複合化したポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料を熱分解ガスクロマトグラフィー及びマススペクトロメトリーにより分析し、得られたパイログラムからm/z=119で抽出を行ったマスクロマトグラムにおいて、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの検出有無を評価したところ、熱分解工程を、ヘリウム雰囲気下、温度620℃~700℃、時間10秒~60秒で行った実施例1~9は、全て4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークを検出することができた。
一方、熱分解工程の熱分解温度が620℃より低い比較例1は、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークが極めて小さく、十分に検出することができなかった。熱分解工程の熱分解温度が700℃を超える比較例2は、得られたスペクトルに夾雑物が多く、解析することが困難であった。
4-ヒドロキシベンゾニトリルの熱分解ガスクロマトグラフ質量分析を実施例2と同一の条件で行うと、m/z=119のフラグメントイオンが最も高強度に検出されるが、次いでm/z=64、m/z=91のフラグメントイオンも検出される。そこで、ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C1の熱分解ガスクロマトグラフ質量分析により得られたパイログラムより、比較例3ではm/z=64、比較例4ではm/z=91でそれぞれ抽出を行ったマスクロマトグラムから4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの確認を行ったが、いずれもピークが小さく十分に検出することができなかった。
アミン処理していないシリカ系フィラーとポリアリールエーテルケトン樹脂を複合化したポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料とアミン化合物をパイロライザー内で共存させて熱分解を行い発生した気体を分析した比較例5では4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークは検出されなかった。このことは、4-ヒドロキシベンゾニトリルの検出はポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料製造時のポリアリールエーテルケトン樹脂の変性に起因するものであり、本評価方法で変性状態を確実に評価することができることを示している。

Claims (3)

  1. ポリアリールエーテルケトン樹脂をアミン化合物で処理することにより得られる変性ポリアリールエーテルケトン樹脂における変性状態を評価する、変性ポリアリールエーテルケトン樹脂の評価方法であって、
    被評価体である前記変性ポリアリールエーテルケトン樹脂を不活性ガス雰囲気下、620℃以上700℃以下の温度で熱分解する熱分解工程、
    前記熱分解工程で得られた分解物を、金属製キャピラリーカラムを用いて分離する分離工程、及び
    前記分離工程で分離された分解物のマススペクトルを測定する分析工程、を含み、
    前記分析工程で得られたパイログラムにおいて、質量電荷比(m/z)が119のマスクロマトグラムで抽出を行い、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの有無を確認することを特徴とする、前記評価方法。
  2. 前記熱分解工程における熱分解を、前記被評価体0.1mg~1.0mgを不活性ガス雰囲気下、620℃以上700℃以下の温度で10秒以上60秒以下保持することにより行う、請求項1に記載の評価方法。
  3. 前記変性ポリアリールエーテルケトン樹脂がシリカ系フィラーを含んでなる、請求項1又は2に記載の評価方法。
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