JP7201177B2 - ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の評価方法 - Google Patents
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Description
実施例中に示した略号、称号については以下のとおりである。
・P1:ポリエーテルエーテルケトン樹脂(ダイセルエボニック社製:VESTAKEEP1000G)。
・F1:SiO2(球状、平均粒径1μm)。
・A1:n-プロピルアミン(脂肪族1級アミン、分子量59、沸点48℃)
・A2:トリエチルアミン(脂肪族3級アミン、分子量101、沸点90℃)
・A3:n-ペンチルアミン(脂肪族1級アミン、分子量87、沸点104℃)
・A4:トリエタノールアミン(脂肪族3級アミン、分子量149、沸点335℃)。
・S1:3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン。
・F1A1:シリカ系フィラーF1をアミン化合物A1でアミン処理したもの
・F1A2:シリカ系フィラーF1をアミン化合物A2でアミン処理したもの
・F1A3:シリカ系フィラーF1をアミン化合物A3でアミン処理したもの
・F1A4:シリカ系フィラーF1をアミン化合物A4でアミン処理したもの。
・F1S1:シリカ系フィラーF1をシランカップリング剤S1でシランカップリング処理したもの。
(シリカ系フィラーのアミン処理方法)
2.5kgのイソプロピルアルコールに、1kgのシリカ系フィラーを投入して、30分間攪拌してスラリーを調製した。該スラリーに、5gのアミン化合物を投入し、2時間攪拌した。その後、該スラリーを、ロータリーエバポレーターを用いて、攪拌状態で、減圧度10ヘクトパスカル、加熱条件40℃(温水バス温度)の条件で1時間乾燥させ、溶媒を除去し、得られた固形分を回収した。該固形分を、さらに90℃24時間真空乾燥し、アミン処理されたシリカ系フィラーを得た。
シリカ系フィラーを1kg、トルエン2Lを計量混合してシリカ系フィラーを分散させた後、シランカップリング剤を24g加えて2時間の加熱攪拌を行った。その後、遠心分離機によって固形分を分別し、トルエンで2回洗浄を行った後、真空乾燥機にて90℃10時間乾燥を行った。
600gのポリアリールエーテルケトン樹脂と400gのシリカ系フィラーとを10Lの密閉可能な容器に投入した後2時間混合した。次いで、得られた混合物を二軸溶融混練装置(パーカーコーポレーション製:HK-25D)に投入し、原料投入速度4kg/h、バレル温度360℃、回転数500rpmの条件で溶融混練を行い、ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料を得た。ノズルから排出されたストランドは水槽で冷却後、ペレタイザーを使用して、直径1~3mm程度、長さ2~4mm程度の円柱状のペレットを得た。
射出成形機SE18DUZ(住友重機械工業社製)に、12×14×18mmのキャビティーを設けた金型ユニットを設置した。予備乾燥機付きホッパーにポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料のペレットを投入し、成形温度(シリンダ温度)を360~400℃、流動化温度360℃、金型温度を180℃に設定し、射出圧力180MPa、射出速度50mm/secの条件で射出充填を行った。180MPaの保圧かけを40秒間保持した。金型による冷却時間300秒の後、金型ユニットを開いてブロックを取り出した。
該ブロックを、ダイヤモンドカッターを用いて幅約4mm、厚さ約1.2mm、長さ約14mmに加工した。これを耐水研磨紙1500番で長さ方向に研磨して試験片とした。試験片の幅と厚さをマイクロメーターで測定し、万能引張試験機オートグラフ(島津製作所製:AG-I)を用いて、室温大気中、支点間距離12mm、クロスヘッドスピード1mm/minの条件で3点曲げ試験を行い、荷重-たわみ曲線を得た。
下式により、曲げ強度を求めた。
F = 3PS/2WB2
ここで、F:曲げ強さ[Pa]、P:試験片破折時の荷重[N]、S:支点間距離[m]、W:試験片の幅[m]、B:試験片の厚さ[m]である。
試験は5個の試験片について行い、得られた結果より、平均および標準偏差を求めた。
熱分解ガスクロマトグラフ質量装置(パイロライザー:フロンティア・ラボ社製EGA/PY-3030D、ガスクロマトグラフ:アジレント・テクノロジー社製7890B、質量分析装置:日本電子社製JMS-Q1500GC)のパイロライザーに試料約0.3mgを投入し、所定の雰囲気下、所定の温度、所定の時間で加熱して熱分解を行い、発生した気体(分解物)をガスクロマトグラフ質量分析装置に導入して、分解物の分離とマススペクトルの測定を行った。ガスクロマトグラフィーの金属製キャピラリーカラムはジメチルポリシロキサンカラム(フロンティア・ラボ社製:Ultra ALLOY+ -5)、キャリアガスはヘリウムを使用した。マススペクトリメトリーにおけるイオン化は電子イオン化法によって行った。得られたパイログラムからm/z=119で抽出を行ったマスクロマトグラムにおいて、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの検出有無の評価を行った。
アミン処理されたシリカ系フィラーF1A1を400gと、PEEK樹脂を600gとを溶融混練してポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C1を得た。該ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C1の熱分解ガスクロマトグラフィーとマススペクトロメトリーの測定を、熱分解条件をヘリウム雰囲気下、620℃、30秒の条件で行い、得られたパイログラムからm/z=119で抽出を行ったマスクロマトグラムにおいて、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの検出有無の評価を行った。ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の組成を表1に、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析による評価条件と結果を表2に示す。
ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の種類、熱分解ガスクロマトグラフィー及びマススペクトロメトリーの条件を、それぞれ表1及び表2に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料を得て、評価を行った。ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の組成を表1に、熱分解ガスクロマトグラフィー及びマススペクトロメトリーの条件と結果を表2に示す。
実施例1で得たポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C1のパイログラムから、m/z=64で抽出を行ったマスクロマトグラムにおいて、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの検出有無の評価を行った。熱分解ガスクロマトグラフ質量分析による評価条件と結果を表2に示す。
パイログラムから抽出を行ったm/zを91に変更した以外は、比較例3と同様に評価を行った。熱分解ガスクロマトグラフ質量分析による評価条件と結果を表2に示す。
試料として、ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C5を0.3mgとアミン化合物4mgをパイロライザーに投入し、熱分解ガスクロマトグラフィーとマススペクトロメトリーの測定を、熱分解条件をヘリウム雰囲気下、650℃、30秒の条件で行い、得られたパイログラムからm/z=119で抽出を行ったマスクロマトグラムにおいて、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの検出有無の評価を行った。ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の組成を表1に、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析による評価条件と結果を表2に示す。
実施例1で作製したポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C1の曲げ強さの評価を行った。また、該ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料C1の熱分解ガスクロマトグラフィーとマススペクトロメトリーの測定を、熱分解条件をヘリウム雰囲気下、620℃、30秒の条件で行い、得られたパイログラムからm/z=119で抽出を行ったマスクロマトグラムにおいて、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの検出有無の評価を行った。結果を表3に示す。
ポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の種類を表3に示すように変更した以外は、参考実施例1と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
Claims (3)
- ポリアリールエーテルケトン樹脂をアミン化合物で処理することにより得られる変性ポリアリールエーテルケトン樹脂における変性状態を評価する、変性ポリアリールエーテルケトン樹脂の評価方法であって、
被評価体である前記変性ポリアリールエーテルケトン樹脂を不活性ガス雰囲気下、620℃以上700℃以下の温度で熱分解する熱分解工程、
前記熱分解工程で得られた分解物を、金属製キャピラリーカラムを用いて分離する分離工程、及び
前記分離工程で分離された分解物のマススペクトルを測定する分析工程、を含み、
前記分析工程で得られたパイログラムにおいて、質量電荷比(m/z)が119のマスクロマトグラムで抽出を行い、4-ヒドロキシベンゾニトリルのピークの有無を確認することを特徴とする、前記評価方法。 - 前記熱分解工程における熱分解を、前記被評価体0.1mg~1.0mgを不活性ガス雰囲気下、620℃以上700℃以下の温度で10秒以上60秒以下保持することにより行う、請求項1に記載の評価方法。
- 前記変性ポリアリールエーテルケトン樹脂がシリカ系フィラーを含んでなる、請求項1又は2に記載の評価方法。
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