JP5220448B2 - 電解コンデンサに使用するためのアノード - Google Patents

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Description

電解コンデンサは、それらの体積効率、信頼性、及びプロセスコンパチビリティの故に、多くの回路設計に益々使用されつつある。電解コンデンサは、典型的に、若干の他の型のコンデンサよりも単位体積当たりの容量が大きく、比較的大電流、低周波数の電気回路内への使用を価値あるものにしている。開発されている1つの型のコンデンサは湿式電解コンデンサであり、これはアノード、カソード、及び液状の、即ち “湿式”電解質を含んでいる。湿式電解コンデンサは、大容量と低漏洩電流の良好な組合せを提供する傾向がある。若干の状況においては、湿式電解コンデンサは、固体電解コンデンサに優る長所を呈することができる。例えば、湿式電解コンデンサは、若干の状況においては、固体電解コンデンサよりも高い動作電圧で動作可能である。更に、例えば、湿式電解コンデンサは固体電解コンデンサよりもサイズが遙かに大きくすることができ、これらの湿式電解コンデンサのためにより大きい容量をもたらすことができる。
普通の湿式電解コンデンサでは、アノードは金属箔(例えば、アルミニウム箔)であることができる。コンデンサの静電容量はその電極の面積に比例するので、誘電体フィルムを形成させる前に、金属箔の表面を粗くするか、またはその実効表面積を増加させるような化学的な転換を受けさせることができる。この金属箔の表面を粗くするステップを、エッチングと言う。通常、エッチングは、塩酸の溶液内に浸漬させる方法(化学的エッチング)によるか、または塩酸の水溶液内で電気分解を遂行する方法(電気化学的エッチング)によるかの何れかによって遂行される。電解コンデンサの容量は、アノード箔の粗さの程度(表面積)及び厚み、及び酸化物フィルムの誘電率によって決定される。
金属箔をエッチングすることによって得ることができる表面積には限界があるので、“スラグ”とも呼ばれる多孔質焼結ボディを湿式電解コンデンサ内に使用することが試みられてきた。例えば、タンタルスラグは、粉末にしたタンタル粒子と適当なバインダー/潤滑剤とを混合し、アノードを形成するためにプレスする時に粒子を互いに付着させることによって形成することができる。粉末にしたタンタルはタンタルワイヤーの周囲に高圧で圧縮されて真空中で高温で焼結され、極めて強く且つ濃密であるが高度に多孔質でもあるスポンジ状の構造に形成される。得られたタンタルスラグの多孔度が、大きい内部表面積をもたらす。しかしながら、その大きい表面積にも拘わらず、アノードスラグの等価直列抵抗(ESR)は大きく、容量対周波数感応性も高い。更に、スラグは典型的にアノード箔よりもサイズが大きく、従って、高い体積効率を必要とするような応用にそれらを組み入れることを困難にしている。
以上に鑑みて、現在、湿式電解コンデンサに使用するための改良されたアノードに対する要望が存在している。
本発明の一実施の形態によれば、電解コンデンサのためのアノードを形成する方法が開示される。本方法は、複数のセラミック粒子及び溶剤からなるスリップ組成を形成するステップを含み、上記セラミック粒子はバルブ金属の酸化物を含む。スリップ組成からセラミック層を形成し、熱処理してセラミック粒子を化学的に還元し、導電性のアノードを形成する。
本発明の別の実施の形態によれば、電解コンデンサのためのアノード酸化処理した電極が開示される。アノード酸化処理した電極は、約1500μmまたはそれ以下の厚みを有する導電性モノリシックボディからなり、このモノリシックボディはセラミック層のラミネートを化学的に還元することによって形成される。更に、アノード酸化処理した電極は、導電性モノリシックボディ上に位置する誘電体フィルムを含んでいる。
本発明の更に別の実施の形態によれば、約1500μmまたはそれ以下の厚みを有する導電性モノリシックボディと、この導電性モノリシックボディ上に位置する誘電体フィルムとを含むアノード酸化処理された電極を含む湿式電解コンデンサが開示される。モノリシックボディは、セラミック層のラミネートを化学的に還元することによって形成される。コンデンサは、カソード電流コレクタ、及び電流コレクタとアノード酸化処理された電極との間に配置されている作用電解質を更に含む。
本発明の他の特色及び面は、以下に添付図面に基づいて詳細に説明する。
当業者には明白なことであるが、以下の説明は単なる例示に過ぎず、本発明を如何様にも限定するものではない。
本発明は、一般的には、コンデンサのアノードに関する。このアノードは、化学的に還元して導電性材料(例えば、NbO、Ta)を形成することができるセラミック粒子(例えば、Nb25、Ta25)から形成される。例えば、始めにセラミック粒子を含むスリップ組成を形成し、キャリヤー基体上に薄い層の形状で堆積させることができる。もし望むならば、アノードの目標厚みを達成するために、複数の層を形成させることができる。形成させた後に、1つの、または複数の層を熱処理してセラミック粒子を還元し、導電性アノードを形成させる。普通のプレス形成したアノードとは異なり、本発明のスリップ形成したアノードは小さい厚み、大きいアスペクト比(即ち、厚みに対する幅の比)、及び均一な密度(これは、改良された体積効率及び等価直列抵抗(“ESR”)をもたらし得る)を呈することができる。例えば、アノードは約1500μmまたはそれ以下、若干の実施の形態では約1000μmまたはそれ以下、そして若干の実施の形態では約50から約500μmまでの厚みを有することができる。同様に、アノードは、約1またはそれ以上の、若干の実施の形態では約5またはそれ以上の、そして若干の実施の形態では約15またはそれ以上のアスペクト比を有することができる。
種々のセラミック粒子の何れかを本発明のスリップ組成に使用することができる。これらのセラミック粒子及び/または例は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン等のようなバルブ金属の酸化物を含む。本発明に使用するのに特に効果的な1つの型のセラミック粒子は五酸化ニオブ(即ち、Nb25)であり、これは化学的に還元してニオブ、または酸化ニオブ(ニオブ対酸素の原子比が1:2.5以下、若干の実施の形態では1:1.5以下、若干の実施の形態では1:1.1以下、そして若干の実施の形態では1:1.0±0.2の酸化ニオブを含む)のような導電性ニオブ酸化物を形成させることができる。例えば、還元した酸化ニオブは、Nb0.7、NbO1.0、NbO1.1、及びNbO2であることができる。代替として、Ta25のような酸化タンタルを使用することができる。これは化学的に還元してタンタルまたは導電性タンタル酸化物にすることができる。
セラミック粒子は、コンデンサアノードに形成される能力を高める特性を有している。例えば、粒子は、約0.5から約10.0 cm2 /gまでの、若干の実施の形態では約0.7から約5.0 cm2 /gまでの、そして若干の実施の形態では約2.0から約4.0 cm2/gまでの比表面積を有することができる。同様に、得られた嵩密度は、典型的には約0.1から約20g/cm3までの、若干の実施の形態では約0.5から約12g/cm3までの、そして若干の実施の形態では約1から約8g/cm3までである。また粒子は、典型的には少なくとも約60メッシュの、若干の実施の形態では約60から約325メッシュまでの、そして若干の実施の形態では約100から約200メッシュまでのスクリーンサイズ分布を有している。更に、粒子は、約90重量%より高い、若干の実施の形態では約95重量%より高い、そして若干の実施の形態では約98重量%より高い純度レベルを有することができる。
もし望むならば、機械的ミリング技術を使用して、セラミック粒子を所望のサイズまで粉砕することができる。例えば、セラミック粉末(例えば、Nb25)を流動媒体(例えば、エタノール、フッ素化流体等)内に分散させ、スラリを形成させることができる。次いで、このスラリをミル内で研削媒体(例えば、タンタルのような金属ボール)と混合することができる。研削媒体の番号は、ミルのサイズに依存して、例えば約100から約2000まで、そして若干の実施の形態では約600から約1000までのように変化させることができる。開始粉末、流動媒体、及び研削媒体は、如何なる割合で混合することもできる。例えば、開始セラミック粉末と研削媒体との比は、約1:5から約1:50までであることができる。同様に、流動媒体の体積と開始セラミック粉末の混合された体積との比は、約0.5:1から約3:1まで、若干の実施の形態では約0.5:1から約2:1まで、そして若干の実施の形態では約0.5:1から約1:1までであることができる。使用することができるミルの若干の例が、米国特許第5,522,558号、同第5,232,169号、同第6,126,097号、及び同第6,145,765号に開示されているので、参照されたい。
ミリングは、目標比表面積を達成するのに要する如何なる所定の時間にわたって行うこともできる。例えば、ミリング時間は、約30分から約40時間まで、若干の実施の形態では約1時間から約20時間まで、そして若干の実施の形態では約5時間から約15時間までの範囲に亘ることができる。ミリングは、室温またはより高い温度を含む如何なる所望の温度で遂行することもできる。ミリングの後に、例えば空気乾燥、加熱、濾過、蒸発等によって流動媒体を粉末から分離または除去することができる。例えば、オプションとして、粉末に1つまたはそれ以上の酸浸出ステップを受けさせ、不純物を除去することができる。このような酸浸出ステップは当分野においては公知であり、鉱酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸等)、有機酸(例えば、クエン酸、酒石酸、ギ酸、蓚酸、安息香酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸等)等のような種々の酸の何れをも使用することができる。必須ではないが、セラミック粒子は、当分野においては公知の技術を使用して集塊させることもできる。典型的な集塊技術は、例えば、真空または不活性雰囲気中で、約800°Cから約1400°Cまでの範囲の温度で約30分から約60分までの合計時間に亘る1回または複数回の熱処理ステップを含む。
スリップ組成を形成させるために、一般的に、セラミック粒子を溶剤内に分散させる。特に、溶剤は、セラミック焼成状態の下では揮発性であるスリップ組成の成分を可溶化するように機能する。溶剤は、スリップ組成の粘度を制御するのにも有用であり、それによって薄いフィルムの形成を容易ならしめる。例えば、水;グリコール(例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、及びジプロピレングリコール);グリコールエーテル(例えば、メチルグリコールエーテル、エチルグリコールエーテル、及びイソプロピルグリコールエーテル);エーテル(例えば、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン);アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソ-プロパノール、及びブタノール);トリグリセリド;ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン);エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ジエチレングリコールエーテル、及び酢酸メトキシプロピル);アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリル/カプリン脂肪酸アミド、及びN-アルキルピロリドン);ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、及びベンゾニトリル);スルホキシドまたはスルホン(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びスルホラン)等々の種々の溶剤の何れかの溶剤を使用することもできる。本発明の1つの特定の便益は、水性溶剤(例えば、水)を使用できることである。実際に、水は、スリップ組成内に使用されている1つまたは複数の溶剤の約20重量%またはそれ以上、若干の実施の形態では約50重量%またはそれ以上、そして若干の実施の形態では約75重量%から約100重量%までを構成することができる。
スリップ組成内に使用される1つまたは複数の溶剤の合計濃度は変化させることはできるが、典型的には、スリップ組成の約1重量%から約50重量%まで、若干の実施の形態では約5重量%から約40重量%まで、そして若干の実施の形態では約10重量%から約30重量%までである。勿論、使用される1つまたは複数の溶剤の特定量は、部分的に、スリップ組成の所望固形分及び/または粘度に依存する。例えば、固形分は、約20重量%から約90重量%までの、より特定的には約30重量%乃至約80重量%の、更に特定的には約40重量%乃至約75重量%の範囲に亘ることができる。スリップ組成の固形分を変化させることによって、スリップ組成内のセラミック粒子の存在を制御することができる。例えば、より高レベルのセラミック粒子を有するスリップ組成を形成させるために、より高いパーセンテージの粒子がアノード内に組入れられるように、調剤内に比較的高い固形分を与えることができる。更に、スリップ組成の粘度も、適用方法及び/または使用される溶剤の型に依存して変化させることができる。しかしながら、粘度は、12 rpm及び25°Cで動作するスピンドル#18を使用するBrookfield DV-1粘度計で測定して、典型的には約5から約200パスカル・秒まで、若干の実施の形態では約10から約150パスカル・秒まで、そして若干の実施の形態では約20から約100パスカル・秒までである。もし望むならば、シックナーまたは他の粘度調節剤をスリップ組成内に使用して粘度を増減させることができる。
スリップ組成は、スリップ組成から溶剤を蒸発させた後に、セラミック粒子を非分裂位置に保持するのを援助するためのバインダーを使用することもできる。如何なるバインダーも使用することはできるが、有機バインダーが本発明に使用するのに特に適している。これらのバインダーの例は、例えば、ポリ(ビニルブチラール);ポリ(酢酸ビニル);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(ビニルピロリドン);カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びメチルヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース系ポリマー;アタクチックポリプロピレン、ポリエチレン;ポリエチレングリコール(例えば、Dow Chemical Co.からのCarbowax);ポリ(メチルシロキサン)、ポリ(メチルフェニールシロキサン)のようなシリコンポリマー;ポリスチレン、ポリ(ブタジエン/スチレン);ポリアミド、ポリイミド、及びポリアクリルアミド、高分子量ポリエーテル;酸化エチレン及び酸化プロピレンのコポリマー;ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリビニリデン、及びフルオロオレフィンのようなフルオロポリマー;及びポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(低級アルキルアクリル酸塩)、ポリ(低級アルキルメタクリル酸塩)のようなアクリル系ポリマー;及び低級アルキルアクリル酸塩及びメタクリル酸塩を含むことができる。
スリップ組成に使用するのに特に適するバインダーは、50°Cまたはそれ以下のガラス転移温度を有する、従って得られるスリップ組成の柔軟性が実質的に制限されないラテックスポリマーである。更に、ラテックスポリマーは、その粘着性を最小にするために典型的に約−35°Cまたはそれ以上のガラス転移温度を有している。本発明に使用することができる若干の適当なポリマー格子は、限定するものではないが、スチレン-ブタジエンポリマー、酢酸ポリビニルホモポリマー、酢酸ビニルエチレンコポリマー、酢酸ビニルアクリルまたはメタクリルポリマー、エチレン-塩化ビニルポリマー、エチレン-塩化ビニル-酢酸ビニルポリマー、塩化ポリビニルポリマー、ニトリルポリマー、及び当分野においては公知の他の何等かの適当なラテックスポリマーのようなポリマーに基づくことができる。本発明に使用することができる市販アクリル系バインダーは、例えば、Rohm & Haas Co.から入手可能なRhoplexTM AC-261、RhoplexTM EC-1791、RhoplexTM 2019R、RhoplexTM B-60-A、及びRhoplexTM EC-2885を含む。
スリップ組成は、バインダーの他に、コンデンサのアノードを形成するセラミック粒子の能力を促進する他の要素を含むこともできる。例えば、懸濁液の表面張力を低下させるために、スリップ組成内に1つまたはそれ以上の分散剤を使用することができる。適当な分散剤の1つのクラスは、酸基またはその塩を有するアニオンポリマーを含む。これらのポリマーは、例えば、典型的にモノマーを含む少なくとも1つのエチレン的に不飽和の酸、及びオプションとして少なくとも1つのエチレン的に不飽和の非イオン性モノマーを含む。適当な酸モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノブチル;無水マレイン酸及び無水イタコン酸のような無水物;またはそれらの組合せのようなカルボキシル酸を有するモノマーを含む。適当なエチレン的に不飽和のモノマーは、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、及びメタアクリル酸メチルのような(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、及びメタクリル酸ヒドロキシプロピルのような(メタ)アクリル酸のヒドロキシエステル;スチレン及びα-メチルスチレンのような芳香族モノマー;及びジ-イソブチレンのようなアルケンを含む。適当なアニオンポリマーの市販されている例は、例えば、Rohm & Haas Co.から市販されているTamolTM 731A(ポリ(無水マレイン酸)のナトリウム塩)及びTamolTM 850(ポリ(メタクリル酸メチル)のナトリウム塩)を含む。
所望の展開性を有する均一に同質のスリップ組成の形成を促進するために、湿潤剤、または界面活性剤も使用することができる。適当な界面活性剤は、カチオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤等を含むことができる。非イオン界面活性剤は、例えば、長鎖アルキル基またはアルキル化アリル基のような疎水塩基、及びエトキシ及び/またはプロポキシ部分のある番号(例えば、1乃至約30)を含む親水鎖を有することができる。使用することができる非イオン性界面活性剤の若干のクラスの例は、限定するものではないが、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化及びプロポキシル化脂肪アルコール、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル、ソルビトールのポリエチレングリコールエーテル、酸化エチレン-酸化プロピレンブロックコポリマー、脂肪(C8-C18)酸のエトキシル化エステル、長鎖アミンまたはアミドと酸化エチレンの縮合物、アルコールと酸化エチレンの縮合物を含む。特に適する非イオン性界面活性剤は、約5乃至30モルの酸化エチレンを有する直鎖-または枝分かれ鎖内に約8から18までの炭素原子を含むアルキルフェノールの1モルの酸化ポリエチレン縮合物を含むことができる。エトキシル酸アルキルフェノールの例は、ノニルフェノールのモル当たり約9.5モルの酸化エチレンと凝縮させたノニル、フェノールのモル当たり約12モルの酸化エチレンの凝縮させたジノニルフェノール、フェノールのモル当たり約15モルの酸化エチレンと凝縮させたジノニルフェノール、及びフェノールのモル当たり約15モルの酸化エチレンと凝縮させたジイソクチルフェノールを含む。このような化合物は、ミシガン州ミッドランドのDow Chemical Co.からTritonTM CF-100の商品名で市販されている。
スリップ組成のフィルム形成特性を高めるために、及び低温において未焼結テープに柔軟性を与えるために、スリップ組成内に可塑剤を使用することができる。可塑剤は公知であり、広範な可塑剤を使用することができる。典型的な可塑剤の例は、鉱油;プロピレングリコールのようなグリコール;フタル酸ジオクチル及びフタル酸ベンジルブチルのようなフタル化エステル;及びオレイン酸及びステアリン酸のような長鎖脂肪酸;及びこれらの混合体を含む。
スリップ組成の各要素の濃度は、所望の熱量、使用される適用方法の湿式ピックアップ等に依存して変化させることができる。例えば、スリップ組成内のセラミック粒子の量は、一般的に約20重量%から約90重量%まで、若干の実施の形態では約40重量%から約85重量%まで、そして若干の実施の形態では約60重量%から約80重量%までの範囲に亘っている。1つまたは複数のバインダーは、スリップ組成の約0.01重量%から約20重量%まで、若干の実施の形態では約0.1重量%から約15重量%まで、そして若干の実施の形態では約1重量%から約10重量%までを構成することができる。分散剤、界面活性剤、可塑剤等のような他の要素は、それぞれ、スリップ組成の約0.001重量%から約10重量%まで、若干の実施の形態では約0.01重量%から約5重量%まで、そして若干の実施の形態では約0.1重量%から約3重量%までを構成することができる。
スリップ組成を形成させた特定の手法には無関係に、印刷、テープ引抜き、テープ鋳造(ドクターブレードまたはナイフコーティングとしても知られている)、モールディング、押出し、ドレイン鋳造等のような公知の方法を使用して、スリップ組成を基体上に薄いシートの形状で堆積させる。例えば、スリップ組成は、多孔質モールドの空洞に塗布し、乾燥させて薄いシートを形成させることができる。代替として、スリップ組成は、単純にオリフィスから押出してシートを形成させることができる。
1つの特定の実施の形態では、スリップ組成はキャリヤー基体上にテープ鋳造される。キャリヤー基体は、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート等)、ポリカーボネート、ポリアクリレート(例えば、ポリメチルメタクリラート)、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ブチル酸酢酸セルロース、ガラス、金属、それらの組合せ等のようないろいろな異なる材料から形成することができる。1つの特定の実施の形態では、キャリヤー基体は、ポリエチレンテレフタラート(PET)から形成される。キャリヤー基体は、材料のフィルム、シート、パネル、または鏡板であることができ、また吹込み、鋳造、押出し、射出成形等のような公知のプロセスの何れかによって形成させることができる。次いで、スリップコーティングされたキャリヤー基体を、コーティングの厚みを制御するブレードアセンブリ(例えば、ナイフ、ドクターブレード等)の下を通過させる。キャリヤー基体上に薄く広げた後に、スリップ組成を乾燥させてその揮発性構成要素を除去する。得られた乾燥した層はキャリヤー基体から剥がされ、それによって自立した未焼結テープが得られる。鋳造技術の例が、例えば、Howattの米国特許第2,582,993号、Park, Jr.の米国特許第2,966.719号、Zellnerらの米国特許第4,786,342号、Shanefieldらの米国特許第5,002,710号、及びWangらの米国特許第6,776,861号に開示されているので参照されたい。
図1を参照する。本発明に使用することができるテープ鋳造プロセスの一実施の形態が示されている。図示のように、始めに液状スリップ組成14が液溜め10に注がれ、ポンプされ、またはそれ以外に供給される。液溜めから、液状スリップ組成14は、運動しているキャリヤー基体フィルム13上に堆積される。キャリヤー基体フィルム13は、供給ロール12から繰り出され、ロール32によって巻き取られる。従って、スリップ組成14はキャリヤー基体フィルム13を濡らし、ドクターブレード15とフィルム13との間に形成されているギャップ22をキャリヤー基体フィルム13と共に通過してセラミック層24を形成する。ギャップ22のサイズは、得られるセラミック層の厚みに影響し、高さ及び/またはドクターブレード15の位置を変化させることによって調整することができる。典型的には、厚みは約1乃至約150μmの、若干の実施の形態では約5から約100μmまでの、そして若干の実施の形態では約20から約80μmまでの範囲内にある。セラミック層24を形成させた後にセラミック層24は乾燥領域へ運ばれ、溶剤がスリップ組成から蒸発されて乾燥した“未焼結”テープ層が形成される。乾燥は、外界条件の下で(例えば、外界温度の空気中で)、または当分野においては公知の乾燥技術(例えば、オーブン)を通して達成することができる。乾燥させた“未焼結”テープ層は巻取りロール36上に巻取られ、テープをある形状(例えば、六角形、方形、円形、長円形、矩形、三角形等)に切断するような、その後の処理に備える。
本発明のコンデンサアノードを形成するのに、単一のテープ層を使用することも、複数の層を使用することもできる。これらの層は、例えば鋳造プロセス中に形成させることができる。代替として、未焼結テープの分離した層を形成し、スタックし、次いで一緒にラミネートしてアノードを形成させることができる。形成された特定の手法には無関係に、複数の層の使用は、発生し得るスリップ組成内の何等かの変動を最小にするのを援助する能力を含むいろいろな便益を提供する。使用される個々の層の数は一般的に変化させることはできるが、典型的には2から50までの、若干の実施の形態では3から30までの、そして若干の実施の形態では4から20までの範囲で変化させることができる。スタックされた層の合計厚みは比較的小さく、従って得られるアノードは薄い。例えば、層の合計厚みは典型的には約2000μmまたはそれ以下、若干の実施の形態では約1000μmまたはそれ以下、そして若干の実施の形態では約100から800μmまでである。
複数のテープ層を一緒にスタックする場合、隣接するテープ層の間に1つまたはそれ以上の犠牲部材を位置決めすることが望ましいことが多い。これらの犠牲層は、後刻焼成中に除去される。犠牲部材が除去されると、得られたアノード内に、それぞれの部材のサイズ及び形状に対応する空間が残される。これらの空間は、アノードの多孔度を増加させたり、アノードリード線の挿入位置を提供する等を含むいろいろな便益を提供する。犠牲部材は、一般的に、その後の焼成ステップ中に除去することができる如何なる材料から形成することもできる。典型的には、部材が燃え尽きることによって残された空間にテープ層が崩壊しないように、材料はまた、アノードの形成中に十分な強度と完全性を所有するように選択される。この目的のための材料の例は、例えば、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、またはナイロン12)、ポリエステル、塩化ポリビニル、フルオロポリマー(例えば、フッ化ポリビニリデン)、ポリオレフィン(例えば、ポリオレフィン)等のような合成ポリマーを含む。これらの合成ポリマーは、挿入材料の約50重量%またはそれ以上を、若干の実施の形態では約70重量%またはそれ以上を、そして若干の実施の形態では約90重量%またはそれ以上を構成することができる。犠牲部材の形状も、例えば、モノフィラメントまたはマルチフィラメント(例えば、編んだ)、インク等のような何れかの公知の構造を有するファイバのような望む通りの形状を選択することができる。
犠牲部材の1つの便益は、1つまたは複数の適切な犠牲部材を選択することによって、所望の形状及びサイズの1つまたは複数の空間を容易に制御できることである。例えば、アノードリード線を受入れるための空間を構成する場合には、その後の焼成中のテープ層の収縮を斟酌して、空間の断面サイズを電線の実際のサイズよりやや大きくすることを目標にすることができる。例えば、空間は、電線の関連サイズよりも少なくとも約1%、若干の実施の形態では少なくとも約2%、そして若干の実施の形態では約5%から約20%まで大きい断面幅を有することを目標にすることができる。リード線は、典型的に、約50から約1000μmまでの、若干の実施の形態では約100から約750μmまでの、そして若干の実施の形態では約150から約500μmまでの断面幅を有している。従って、空間は、約55から約1200μmまでの、若干の実施の形態では約110から約900μmまでの、そして若干の実施の形態では約165から約600μmまでの目標断面幅を有することができる。このような空間を達成するために、犠牲部材の対応断面幅も約55から約1200μmまでの、若干の実施の形態では約110から約900μmまでの、そして若干の実施の形態では約165から約600μmまでの範囲に亘ることができる。1つまたは複数の犠牲部材及び対応する1つまたは複数の空間の形状も、限定するものではないが、矩形、方形、円形、長円形、三角形、六角形等であることができる。
犠牲部材を使用するか否かに拘わらず、通常、テープ層は普通のプレス技術を使用して詰め込まれ、モノリシックアノードボディが形成される。1つのダイと1つまたは複数のパンチを使用する単一ステーションコンパクションプレスのような、普通のプレスモールドを使用することができる。代替として、1つのダイと、1つの下側パンチだけを使用する金床型コンパクションプレスモールドを使用することもできる。単一ステーションコンパクションプレスモールドは、単動、複動、浮動ダイ、可動プラテン、対向ラム、ねじ、インパクト、ホットプレス、コイニング、及びサイジングのような変化する能力を有するカム、トグル/ナックル、及び偏心/クランクプレスのような幾つかの基本的な型内で使用可能である。時間及びコンパクション中に加えられる圧力は、一般的に、中に配置されている何等かの犠牲部材の完全性を実質的に損なうことなく、所望のモノリシックボディが得られるように選択することができる。また、もし望むならば、1つまたは複数の犠牲部材をテープ層に事前ラミネートし、次いでモノリシックエンティティを形成するように、順次コンパクションステップを使用することもできる。
コンパクションの後に、得られたモノリシックアノードボディを、方形、矩形、円形、長円形、三角形等のような如何なる所望形状にもダイシングすることができる。4つより多くの辺を有する多角形状(例えば、六角形、八角形、七角形、五角形等)は、それらの比較的大きい表面積の故に特に望ましい。アノードは、表面対体積比を増加させてESRを最小にし、容量の周波数レスポンスを拡張するために、1つまたはそれ以上のあぜ溝、溝、窪み、または刻み目を含む“縦溝付きの”(fluted)形状を有することもできる。これらのような“縦溝付きの”アノードは、例えば、Webberらの米国特許第6,191,936号、Maedaらの米国特許第5,949,639号、Bourgaultらの米国特許第3,345,545号、並びにHahnらの米国特許出願公開第2005 / 0270725号に開示されているので参照されたい。
ダイシングされたアノードボディは、次に加熱ステップを受ける。このステップでは、ボディ内の、全てではないにしても殆どの非セラミック要素(例えば、バインダー、犠牲部材、分散剤、湿潤剤、溶剤等)が除去される。アノードボディが加熱される温度は、アノードボディ内に使用されている要素の型に依存する。例えば、アノードボディは典型的に、約500°Cから約1750°Cまでの、若干の実施の形態では約600°Cから約1600°Cまでの、そして若干の実施の形態では約700°Cから約1500°Cまでの温度で動作するオーブンによって加熱される。このような加熱は、約10乃至約300分、若干の実施の形態では約20分から約200分まで、そして若干の実施の形態では約30分から約90分までに亘って行うことができる。加熱は、空気中で、または制御された雰囲気の下で(例えば、真空中で)行うことができる。
それにも拘わらずアノードボディは加熱処理され、セラミック粒子が化学的に還元されることによって導電性アノードボディが形成される。例えば、バルブ金属の五酸化物(例えば、Nb25)を、1:<2.5、若干の実施の形態では1:<2.0、若干の実施の形態では1:<1.5、そして若干の実施の形態では1:1の金属と酸素の原子比を有するバルブ金属酸化物に還元することができる。これらのバルブ金属酸化物は、酸化ニオブ(例えば、NbO)、酸化タンタル等を含むことができ、詳細はFifeの米国特許第6,322,912号に開示されているので参照されたい。所望の化学的還元を達成するために、典型的には、セラミックから酸素原子を受入れるゲッター材料を使用する。ゲッター材料は、特定の開始セラミックを酸素還元されたセラミックに還元することができる如何なる材料であることもできる。好ましくは、ゲッター材料は、タンタル、ニオブ、それらの合金、またはそれらの組合せを含む。ゲッター材料は、如何なる形状またはサイズをも有することができる。例えば、ゲッター材料は、還元される酸化ニオブを含むトレイの形状であることも、または粒子または粉末サイズであることもできる。
熱処理も、典型的に、酸素原子をセラミックからゲッター材料へ転送するのを促進する雰囲気内で行われる。例えば、熱処理は、真空、不活性ガス、水素等のような還元用雰囲気内で行うことができる。還元用雰囲気は、約10トルから約2000トルまでの、若干の実施の形態では約100トルから約1000トルまでの、そして若干の実施の形態では約100トルから約930トルまでの圧力であることができる。水素及び他のガス(例えば、アルゴンまたは窒素)の混合体も使用することができる。熱処理は、金属の熱処理に一般的に使用されている何等かの熱処理デバイスまたは炉を使用して遂行することができる。熱処理の温度、還元用雰囲気、及び時間は、セラミックの型、セラミックの還元の量、ゲッター材料の量、及びゲッター材料の型のようないろいろなファクタに依存することができる。典型的には、熱処理は、約800°Cから約1900°Cまでの、若干の実施の形態では約1000°Cから約1500°Cまでの、そして若干の実施の形態では約1100°Cから約1400°Cまでの温度で、約5分から約100分までの、そして若干の実施の形態では約30分から約60分までの時間に亘って行われる。
化学還元熱処理の後に、オプションの犠牲部材の除去によって残された空間内にリード線を挿入することもできる。代替として、他の公知の技術(例えば、溶接、レーザー溶接、接着剤等)の何れかを使用してリード線をアノードボディに取付けることができる。若干の実施の形態では、リード線は、セラミックアノードボディに取付ける(化学的還元の前に)ことができる。このような取付けを容易にするために、導電性セラミック材料(例えば、NbO)をリード線に適用することができる。アノードリード線は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン等、並びにそれらの酸化物及び/または窒化物のような何等かの導電性材料から形成することができる。次いで、アノードボディを焼結し、多孔質の一体の質量に形成する。焼結時に、粒子間の結合の成長が原因でアノードボディが収縮し得る。更にこれらの結合は、アノードリード線とアノードボディとの間にも形成することができる。典型的には、焼結は、約1000°Cから約2500°Cまでの、若干の実施の形態では約1100°Cから約2000°Cまでの、そして若干の実施の形態では約1200°Cから約1800°Cまでの温度で、約5分から約400分までの、そして若干の実施の形態では約30分から約200分までの時間に亘って行われる。セラミックの化学的還元とは別のステップで焼結を行う必要がないことに注目されたい。実際に、もし望むならば、これらのステップは同時に遂行することができる。
形成された後に、アノードは、アノード上に、及びアノード内に誘電体フィルムを形成させるようにアノード酸化処理することができる。アノード酸化処理は、アノード金属を酸化させて比較的高い誘電率を有する材料を形成させる電気的・化学的プロセスである。例えば、酸化ニオブ(NbO)アノードをアノード酸化処理して五酸化ニオブ(Nb25)を形成させることができる。詳述すれば、一実施の形態では、ある厚みを有する五酸化ニオブコーティングを形成させるために制御された量の電圧及び電流を供給しながら、酸化ニオブアノードを高温の(例えば、約85°C)の弱酸溶液(例えば、リン酸、ポリリン酸、それらの混合体等)に浸漬する。電源は、所要の形成電圧に到達するまで、始めは定電流に保たれる。次いで、電源を定電圧に保ってアノードの表面上に所望の誘電体厚みが形成されるのを保証する。アノード酸化処理電圧は、典型的に約10から約200Vまでの、そして若干の実施の形態では約20から約100Vまでの範囲に亘っている。アノードの表面上に形成される他に、典型的に誘電性酸化物フィルムの一部が材料の細孔の表面上にも形成される。誘電体フィルムが他の型の材料から、及び異なる技術を使用して形成させ得ることを理解されたい。
一般的に言えば、本発明のアノードは、どのような電解コンデンサにも使用することができる。アノードは、その厚みが薄いこと、及びそのアスペクト比が大きい故に、アノード、カソード、及びそれらの間に配置され且つアノード及びカソードと接触している作用電解質を含む湿式電解コンデンサに特に適している。これに関連し、本発明により形成することができる作用電解質、カソード、及び湿式電解コンデンサの種々の実施の形態に関して以下に詳細に説明する。以下の説明は単なる例示であり、多くの他の実施の形態も本発明によって実施できることを理解されたい。
I.作用電解質
作用電解質は、アノードとカソードとの間に接続通路を提供する電気的活性材料であり、一般的に、溶液(例えば、水性または非水性)、分散、ゲル等のような液体の形状である。例えば、作用電解質は酸(例えば、硫酸、リン酸、または硝酸)、塩基(例えば、水酸化カリウム)、または塩(例えば、硝酸塩のようなアンモニウム塩)、並びに、有機溶剤内に溶解された塩(例えば、グリコールをベースとする溶液内に溶解されたアンモニウム塩)のような当分野においては公知の何れかの他の適当な作用電解質であることができる。種々の他の電解質が、Evansらの米国特許第5,369,547号、同第6,594,140号に開示されているので参照されたい。
1つの特定実施の形態では、電解質は比較的中性であり、約5.0から約8.0までの、若干の実施の形態では約5.5から約7.5までの、そして若干の実施の形態では約6.0から約7.5までのpHを有している。中性のpHレベルを有してはいるが、それでも電解質は導電性である。例えば、電解質は、25°Cの温度において約10 mS/cm(ミリジーメンス/センチメートル)またはそれ以上の、若干の実施の形態では約30 mS/cmまたはそれ以上の、そして若干の実施の形態では約40 mS/cmから約100 mS/cmまでの導電率を有することができる。この導電率の値は、25°Cの温度において、公知の導電率計(例えば、Oakton Conシリーズ11)を使用することによって求めることができる。
作用電解質は、コンデンサの貯蔵及び使用中のその導電率、pH、及び安定度を最適化するのを援助するいろいろな要素を含むことができる。例えば、一般的に、電解質の他の要素のためのキャリヤーとして機能する溶剤を使用することができる。溶剤は、電解質の約30重量%から約90重量%まで、若干の実施の形態では約40重量%から約80重量%まで、そして若干の実施の形態では約45重量%から約70重量%までを構成することができる。水(例えば、脱イオン水);エーテル(例えば、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン);アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、及びブタノール);トリグリセリド;ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン);エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ジエチレングリコールエーテル、酢酸メトキシプロピル);アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリル/カプリン脂肪酸アミド、及びN-アルキルピロリドン);ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、及びベンゾニトリル);スルホキシドまたはスルホン(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びスルホラン)等のような種々の溶剤の何れかを使用することができる。電解質のpHを比較的中性のレベルに維持するのを援助するために、必ずしも必要ではないが、水性溶剤(例えば、水)の使用が望ましいことが多い。実際に、水は電解質内に使用されている1つまたは複数の溶剤の約50重量%またはそれ以上を、若干の実施の形態では約70重量%またはそれ以上を、そして若干の実施の形態では約90乃至100重量%を構成することができる。
作用電解質の導電率は、1つまたはそれ以上のイオン化合物(即ち、1つまたはそれ以上のイオンを含む化合物、または溶液内に1つまたはそれ以上のイオンを形成することができる化合物)によって付与することができる。適当なイオン化合物は、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、ボロン酸等のような無機酸;アクリル酸、メタクリル酸、マロン酸、コハク酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、オレイン酸、没食子酸、酒石酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、イタコン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツル酸、ケイ皮酸、安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸等のようなカルボキシル酸を含む有機酸;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸等のようなスルホン酸;ポリ(アクリル)またはポリ(メタクリル)酸及びそのコポリマー(例えば、マレイン・アクリル、スルホン・アクリル、及びスチレン-アクリルコポリマー)、カラゲーニン酸、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸等のようなポリマー酸を含むことができる。上述した酸の無水物(例えば、無水マレイン酸)及び塩も使用することができる。塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、セシウム塩、亜鉛塩、銅塩、鉄塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、ランタン塩、イットリウム塩、マグネシウム塩、ストロンチウム塩、セリウム塩のような金属塩の形状であることも、または酸とアミン(例えば、アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピペラジン、2-メチルピペラジン、ポリアリルアミン)とを反応させることによって準備した塩の形状であることもできる。
イオン化合物の濃度は、導電率とpHとの間に所望のバランスが得られるように選択する。即ち、典型的には所望の中性pHを維持するように濃度が制限されるが、強酸(例えば、リン酸)をイオン化合物として使用することができる。強酸を使用する場合、それは通常は電解質の約0.001重量%から約5重量%まで、若干の実施の形態では約0.01重量%から約2重量%まで、そして若干の実施の形態では約0.1重量%から約1重量%までを構成する。一方、所望の導電率が得られるならば、弱酸(例えば、酢酸)を使用することができる。弱酸を使用した場合、それらは通常は電解質の約1重量%から約40重量%まで、若干の実施の形態では約2重量%から約30重量%まで、そして若干の実施の形態では約5重量%から約25重量%までを構成する。もし望むならば、電解質内に弱酸と強酸の混合体を使用することができる。イオン化合物の合計濃度は変化させることができるが、典型的には、電解質の約1重量%から約50重量%まで、若干の実施の形態では約2重量%から約40重量%まで、そして若干の実施の形態では約5重量%から約30重量%までである。
望むならば、pHに影響するイオン化合物の効果をバランスさせるのに有効な量の塩基性pH調節剤を電解質内に使用することもできる。適当な塩基性pH調節剤は、限定するものではないが、アンモニア;モノ、ジ、及びトリ-アルキルアミン;モノ、ジ、及びトリ-アルカノールアミン;アルカリ金属及びアルカリ性土類金属水酸化物;アルカリ金属及びアルカリ性土類金属ケイ酸塩、及びそれらの混合体を含むことができる。塩基性pH調節剤の特定例は、アンモニア;ナトリウム、カリウム、及びリチウムの水酸化物;ナトリウム、カリウム、及びリチウムのメタケイ酸塩;モノエタノールアミン;トリエチルアミン;イソプロパノールアミン;ジエタノールアミン;及びトリエタノールアミンである。
通常の貯蔵及び使用状態中に電解質を安定に維持するために、一般的に、その凝固点が約−20°Cまたはそれ以下、そして若干の実施の形態では約−25°Cまたはそれ以下であることが望ましい。もし望むならば、グリコール(例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ジプロピレングリコール等);グリコールエーテル(例えば、メチルグリコールエーテル、エチルグリコールエーテル、イソプロピルグリコールエーテル等)等々のような1つまたはそれ以上の凝固点降下剤を使用することができる。凝固点降下剤の濃度は変化させることができるが、典型的には、電解質の約5重量%から約50重量%まで、若干の実施の形態では約10重量%から約40重量%まで、そして若干の実施の形態では約20重量%から約30重量%まで存在する。電解質の沸点が典型的に約85°Cまたはそれ以上、若干の実施の形態では約100°Cまたはそれ以上であり、従って電解質が高温で安定を維持することにも注目されたい。
電解コンデンサのカソードにおける水素ガス発生の抑制を援助するために、作用電解質内に減極材を使用することもできる(減極材を使用しなければ、コンデンサが膨らんで、最終的には障害を起こし得る)。減極材を使用した場合、それは通常は、電解質の約1から約500 ppmまで、若干の実施の形態では約10から約200 ppmまで、そして若干の実施の形態では約20から約150 ppmまでを構成する。
適当な減極材は、2-ニトロフェノール、3-ニトロフェノール、4-ニトロフェノール、2-ニトロベンゾニン酸、3-ニトロベンゾニン酸、4-ニトロベンゾニン酸、2-ニトロアセトフェノン、3-ニトロアセトフェノン、4-ニトロアセトフェノン、2-ニトロアニソール、3-ニトロアニソール、4-ニトロアニソール、2-ニトロベンズアルデヒド、3-ニトロベンズアルデヒド、4-ニトロベンズアルデヒド、2-ニトロベンジルアルコール、3-ニトロベンジルアルコール、4-ニトロベンジルアルコール、2-ニトロフタル酸、3-ニトロフタル酸、4-ニトロフタル酸等々のようなニトロ芳香族化合物を含むことができる。特に適するニトロ芳香族減極材は、1つまたはそれ以上のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)で置換したニトロ安息香酸、それらの無水物または塩である。これらのアルキル置換ニトロ安息香酸化合物の特定の例は、例えば、2-メチル-3-ニトロ安息香酸;2-メチル-6-ニトロ安息香酸;3-メチル-2-ニトロ安息香酸;3-メチル-4-ニトロ安息香酸;3-メチル-6-ニトロ安息香酸;4-メチル-3-ニトロ安息香酸;それらの無水物または塩等を含む。理論的に限定する意図はないが、アルキル置換ニトロ安息香酸化合物は、カソード電位が低領域に到達するか、またはセル電圧が高い時に、カソード表面のアクティブサイト上に電気化学的に優先的に吸収されることができ、その後に、カソード電位が上昇するか、またはセル電圧が低下するとそこから電解質内に脱離できるものと考えられる。このようにこれらの化合物は“電気化学的に可逆”であり、これは水素ガス発生の改良された抑制を提供することができる。
II.カソード
カソードは、いろいろな技術の何れかを使用して製造することができる。一実施の形態では、カソードは電流コレクタを含み、この電流コレクタは、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ハフニウム、チタン、銅、銀、鋼(例えば、ステンレス)、それらの合金等々のようなコンデンサの形成に使用するのに適する何らかの金属から形成される。カソード電流コレクタの形態は、一般的に、当分野においては公知のように変化させることができる。例えば、電流コレクタは、コンテナ、缶、箔、シート、フォーム、メッシュ、スクリーン、布、フェルト等の形状であることができる。一実施の形態では、カソード電流コレクタはメッシュ材料である。カソード電流コレクタの表面積は、あるレベルの容量が得られるように選択される。例えば、カソード電流コレクタは、約0.1から約25 cm2までの、若干の実施の形態では約0.2から約15 cm2までの、そして若干の実施の形態では約0.5から約10 cm2までの表面積をカバーする。電流コレクタの比表面積は、上述した範囲よりも遙かに大きくすることができることを理解されたい。
若干の実施の形態では、電解質との界面における電気化学的容量を支援し、そして大きい表面積対体積比を有するカソードコーティングが、電流コレクタ上に形成される。カソードコーティングは、電解質がカソード電流コレクタとの良好な電気的接触を維持するように、導電性の、電気化学的活性粒子を含むことができる。導電率の大きさは約20°Cにおける電気化学的活性粒子の“固有抵抗”で表すことができ、これは一般的には約1Ω・cmより小さく、一実施の形態では約1×10-2Ω・cmより小さく、一実施の形態では約1×10-3Ω・cmより小さく、そして一実施の形態では約1×10-4Ω・cmより小さい。電気化学的活性粒子は、電解質がカソード電流コレクタと電気化学的に通ずる実効カソード表面積を増加させる。実効カソード表面積をこのように増加させることによって、所与のサイズに対してカソード容量が増加した、及び/または、所与の容量に対してサイズが減少したコンデンサを形成することができる。典型的には、電気化学的活性粒子は、少なくとも約200 m2/gの、若干の実施の形態では少なくとも約500 m2/gの、そして若干の実施の形態では少なくとも約1500 m2/gの比表面積を有している。所望の表面積を得るために、電気化学的活性粒子のサイズは一般的に小さい。例えば、電気化学的活性粒子の中間サイズは約100μmより小さく、若干の実施の形態では約1から約50μmまでであり、そして若干の実施の形態では約5から約20μmまでである。同様に、電気化学的活性粒子は多孔性であることができる。理論的に限定する意図はないが、多孔性粒子は電解質のための通路を提供してカソード電流コレクタとの良好な接触を与えるものと考えられる。例えば、電気化学的活性粒子は、約5オングストロームより大きい、若干の実施の形態では約20オングストロームより大きい、そして若干の実施の形態では約50オングストロームより大きい平均直径を有する細孔/チャネルを有することができる。
いろいろな電気化学的活性粒子の何れかを使用することができる。例えば、電気化学的活性粒子として、ルテニウム、イリジウム、ニッケル、ロジウム、レニウム、コバルト、タングステン、マンガン、タンタル、ニオブ、モリブデン、鉛、チタン、白金、パラジウム、及びオスミウム、並びにこれらの金属の組合せから形成される粒子のような金属を使用することができる。一つの特定の実施の形態では、例えば、電気化学的活性粒子はパラジウム粒子である。非絶縁型酸化物粒子も、本発明に使用することができる。適当な酸化物は、ルテニウム、イリジウム、ニッケル、ロジウム、レニウム、コバルト、タングステン、マンガン、タンタル、ニオブ、モリブデン、鉛、チタン、白金、パラジウム、及びオスミウムからなるグループから選択される金属、並びにこれらの金属の組合せを含むことができる。特に適当な金属酸化物は、二酸化ルテニウム(RuO2)及び二酸化マンガン(MnO2)を含む。所望の導電率レベルを有する活性炭素、カーボンブラック、グラファイト等のような炭素質粒子も使用することができる。活性炭素の若干の適当な形状及びそれらを形成する技術はIveyらの米国特許第5,726,118号、Wellenらの米国特許第5,858,911号、並びにShinozakiらの米国特許出願公開第2003 / 0158342号に開示されているので参照されたい。
電気化学的活性粒子をカソード電流コレクタに直接結合するのは困難であることが多いので、電気化学的活性粒子をカソード電流コレクタに効果的に付着させるために、カソードコーティングにバインダーを使用することもできる。所望の接着強度レベルが得られる如何なるバインダーを使用することもできる。例えば、適当なバインダーは、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリビニリデン、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィンコポリマー・クロスリンクド・ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、及びフェノール樹脂を含むことができる。
一つの特定の実施の形態では、電気化学的活性粒子をカソード電流コレクタに結合するのを援助するために、カソードコーティング内に非晶質ポリマーバインダーを使用している。普通のバインダーの多くは、本質的に半結晶性の、または結晶性の熱可塑性ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)から形成されている。コンデンサの形成中、これらのバインダーは一般的に溶融し、それによって電気化学的活性粒子のかなりの部分を“濡らす”ようになる。これとは反対に、比較的高い“ガラス転移温度”(“Tg”)を有する非晶質ポリマーは、普通の熱可塑性バインダーと同程度には溶解しないので、粒子の部分をカバーせずに残して電解質と電流コレクタとの電気化学的界面として動作させ、それによって容量を高めるものと考えられる。詳述すれば、本発明の非晶質ポリマーは、一般的に、約100°Cまたはそれ以上の、若干の実施の形態では約150°Cまたはそれ以上の、そして若干の実施の形態では約250°Cまたはそれ以上のガラス転移温度を有している。公知のように、ガラス転移温度は、ASTM D-3418に従って示差熱量測定法(“DSC”)を使用して決定することができる。
所望のガラス転移温度を有するいろいろな非晶質ポリマーの何れかを使用することができる。特に適する非晶質ポリマーの1つのクラスは熱可塑性ポリイミドであり、これは通常はイミドリンケージ(即ち、2つのカルボニル基が同一の窒素原子に結合しているようなリンケージ)によって結合されている芳香族環を含んでいる。適当な熱可塑性ポリイミドは、例えば、Solvay PolymersからTorlonTMとして入手可能なポリ(アミド-イミド);GE PlasticsからUltemTMとして入手可能なポリ(エーテル-イミド);これらのコポリマー等を含むことができる。アミド-イミドポリマーは、例えば、アミド-アミン酸ポリマー前駆体から誘導することができる。次いで、ポリアミド-アミン酸前駆体を熱的に(一般的には、約150°C以上の温度で)硬化させ、ポリアミド-イミドを形成させる。ポリアミド-アミン酸は、少なくとも1つの無水ポリカルボキシル酸またはその誘導体、及び少なくとも1つの第1ジアミンを縮合重合反応させることによって準備することができる。詳述すれば、無水酸は、典型的には、無水トリメリト酸またはハロゲン化トリメリト酸の低級アルキルエステル(例えば、無水トリメリト酸の酸塩化物、即ち、塩化無水トリメリト酸(TMAC))のような、トリメリト酸またはその誘導体である。第1ジアミンも同様に、典型的には、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、オキシビス(アニリン)、ベンジデン、1,5-ジアミノナフタレン、オキシビス(2-メチルアニリン)2,2-ビス[4-(p-アミノフェノキシ)フェニール]プロパン、ビス[4-(p-アミノフェノキシ)]ベンゼン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゼン、4,4’-メチレンジアニリン、またはそれらの組合せのような芳香族ジアミンである。他の有用な芳香族第1ジアミンの例は、Coleらの米国特許第5,230,956号、Irelandらの米国特許第6,479,581号に開示されているので参照されたい。特に適する芳香族ジアミンは、メタ-フェニレンジアミン及びオキシビス(アニリン)を含む。
必須ではないが、非晶質ポリマーバインダーは、その接着特性を高めるために粒子の形状であることができる。これらのバインダー粒子を使用する場合、典型的に、それらは約1から約250μmまで、そして若干の実施の形態では約5から約150μmまでの範囲に亘るサイズ分布を有している。例えば、粒子は、約150μmまたはそれ以下、若干の実施の形態では約100μmまたはそれ以下、そして若干の実施の形態では約75μmまたはそれ以下のD90粒子サイズ分布(粒子の90重量%が、リポートされた値より小さい直径を有している)を有することができる。
カソードコーティング内の電気化学的活性粒子とバインダーの相対量は、コンデンサの所望の特性に依存して変化させることができる。例えば、一般的に、電気化学的活性粒子の相対的な量を増加させれば、コンデンサのカソード容量が増加する。しかしながら、もし電気化学的活性粒子の量が多過ぎれば、カソードコーティングとカソード電流コレクタとの結合が不十分になりかねない。従って、これらの特性の間に適切なバランスを得るためには、典型的に、カソードコーティングは約0.5:1から約100:1までの、若干の実施の形態では約1:1から約50:1までの、そして若干の実施の形態では約2:1から約20:1までの重量比で電気化学的活性粒子及びバインダーをそれぞれ含んでいる。電気化学的活性粒子は、カソードコーティングの約50重量%から約99重量%までを、若干の実施の形態では約60重量%から約98重量%までを、そして若干の実施の形態では約70重量%から約95重量%までを構成することができる。同様に、バインダーは、カソードコーティングの約1重量%から約40重量%までを、若干の実施の形態では約2重量%から約30重量%までを、そして若干の実施の形態では約5重量%から約20重量%までを構成することができる。
電気化学的活性粒子及びバインダーを含む他に、カソードコーティングは若干の他の要素を含むこともできる。例えば、若干の実施の形態では、コーティングの導電率を更に高めるために、導電性充填材を使用することができる。これらの導電性充填材は、電気化学的活性粒子の表面の一部分をカバーするバインダーによってもたらされ得る導電率の何等かの損失を減殺するのに特に有益であり得る。金属粒子(例えば、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等);非金属粒子(例えば、カーボンブラック、グラファイト等)のような何等かの適当な導電性充填材を使用することができる。導電性充填材を使用する場合、それはカソードコーティングの約1重量%から約40重量%までを、若干の実施の形態では約2重量%から約30重量%までを、そして若干の実施の形態では約5重量%から約20重量%までを構成することができる。
カソード電流コレクタにコーティングを付着させるために、電気化学的活性粒子、バインダー、及び/または導電性充填材を、別々に、または一緒に溶剤を用いて混合し、コーティング調剤を生成することができる。例えば、水;グリコール(例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、及びジプロピレングリコール);グリコールエーテル(例えば、メチルグリコールエーテル、エチルグリコールエーテル、及びイソプロピルグリコールエーテル);エーテル(例えば、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン);アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソ-プロパノール、及びブタノール);トリグリセリド;ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン);エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ジエチレングリコールエーテル、及び酢酸メトキシプロピル);アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリル/カプリン脂肪酸アミド、及びN-アルキルピロリドン);ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、及びベンゾニトリル);スルホキシドまたはスルホン(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びスルホラン)等の何れかの溶剤を使用することができる。一般的に、溶剤の濃度は変化させることができるが、それでも典型的には、コーティング調剤の約25重量%から約95重量%までの、若干の実施の形態では約30重量%から約90重量%までの、そして若干の実施の形態では約40重量%から約85重量%までの量で存在することができる。
コーティングの所望の厚みを達成するために、一般的に、コーティング調剤の固形分及び/または粘度は望み通りに変化させることができる。例えば、固形分は、約5重量%から約60重量%まで、より特定的には約10重量%から約50重量%まで、そして更に特定的には約20重量%から約40重量%までの範囲に亘ることができる。コーティング調剤の固形分を変化させることによって、コーティング内の粒子の存在を制御することができる。例えば、電気化学的活性粒子をより高いレベルで含むカソードコーティングを形成させるために、適用プロセス中により高いパーセンテージの粒子がコーティング内に組入れられるように調剤内に比較的高い固形分を与えることができる。更に、コーティングの粘度も、コーティング方法及び/または使用される溶剤の型に依存して変化させることができる。例えば、若干のコーティング技術(例えば、浸漬コーティング)の場合には低めの粘度を使用することができ、一方、他のコーティング技術の場合には高めの粘度を使用することができる。粘度は、LVスピンドルを使用するBrookfield DV-1粘度計で測定して、一般的には約2×106センチポアズより小さく、若干の実施の形態では約2×105センチポアズより小さく、若干の実施の形態では約2×104センチポアズより小さく、そして若干の実施の形態では約2×103センチポアズより小さい。もし望むならば、シックナーまたは他の粘度調節剤をコーティング調剤内に使用して粘度を増減させることができる。
生成された後のコーティング調剤は、公知の何れかの技術を使用してカソード電流コレクタに付着させることができる。例えば、カソードコーティングは、スパッタリング、スクリーン印刷、浸漬、電気泳動コーティング、電子ビーム堆積、吹付け、ローラープレッシング、ブラッシング、ドクターブレード鋳造、遠心鋳造、マスキング、及び真空蒸着のような技術を使用して付着させることができる。他の適当な技術がEvansらの米国特許第5,369,547号、Evansらの米国特許第6,594,140号、及びShahらの米国特許第6,224,985号に記載されているので参照されたい。例えば、カソード電流コレクタは、コーティング調剤内に浸漬することも、またはそれを吹付けることもできる。コーティング調剤は、電流コレクタの全表面をカバーすることができる。代替として、電流コレクタへのリード線用の空間を残すように、コーティング調剤は電流コレクタの一部分だけをカバーすることができる。例えば、コーティング調剤は、電流コレクタの表面の約40%から100%までを、そして若干の実施の形態では電流コレクタの表面の約50%から95%までをカバーすることができる。付着された後のコーティング調剤は、何等かの溶剤を除去するために、オプションとして乾燥させることができる。乾燥は、例えば、約50°Cから約150°Cまでの温度で行うことができる。
以上に説明した要素に加えて、他のオプション要素も湿式電解コンデンサに使用することができる。例えば、電流コレクタ及び/またはカソードコーティング上に位置する導電性ポリマーコーティングを使用することができる。適当な導電性ポリマーは、限定するものではないが、ポリピロール;ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)のようなポリチオフェン;ポリアニリン;ポリアセチレン;ポリ-p-フェニレン;及びそれらの誘導体を含むことができる。導電性ポリマーコーティングも、多重導電性ポリマー層から形成することができる。例えば、導電性ポリマーコーティングは、PEDTから形成された1つの層と、ポリピロールから形成された別の層を含むことができる。
必須ではないが、導電性ポリマーコーティングは、コンデンサの実効容量を更に増加させることができる。例えば、導電性モノマーを重合させる場合、それは典型的に非晶質、非結晶性の形状を取るが、これは走査型電子顕微鏡で見るとややウェブに似て現れる。これは、得られた導電性ポリマーコーティングが大きい表面積を有し、従って、このコーティングの付着により被膜された電流コレクタの実効表面積を幾分増加させるように動作することを意味している。導電性ポリマーコーティングをカソードコーティングに付着させるために、種々の方法を使用することができる。例えば、スクリーン印刷、浸漬、電気泳動コーティング、及び吹付けのような技術を使用して、コーティングを形成させることができる。一実施の形態では、例えば導電性ポリマー(例えば、PEDT)を形成させるために使用したモノマーは、始めに重合化触媒と混合させて分散を形成させることができる。例えば、1つの適当な重合化触媒は、鉄(III)スルホン酸トルエン及びn-ブタノールであるBAYTRON C(Bayer Corp.)である。BAYTRON Cは、3,4-エチレンジオキシチオフェンであるBAYTRON Mのために市販されている触媒であり、PEDTモノマーもBayer Corporationから市販されている。分散が形成された後に、被膜されたカソード電流コレクタを分散内に浸漬させて導電性ポリマーを形成させることができる。代替として、触媒及びモノマーを別々に付着させることもできる。一実施の形態では、触媒を溶剤(例えば、ブタノール)内に溶解させ、次いで浸漬用溶液として付着させることができる。以上に種々の方法を説明したが、導電性ポリマーコーティングからなるコーティングを付着させる他の如何なる方法も使用できることを理解されたい。例えば、このような1つまたはそれ以上の導電性ポリマーを含むコーティングを付着させる他の方法が、Sakataらの米国特許第5,457,862号、Sakataらの米国特許第5,473,8503号、Sakataらの米国特許第5,729,428号、及びKudohらの米国特許第5,812,367号に開示されているので参照されたい。
オプションとして、導電性ポリマーコーティングとカソードコーティングとの間に、保護コーティングを位置決めすることもできる。保護コーティングは、導電性ポリマーコーティングとカソードコーティングとの間の界面の機械的安定性を改善できるものと考えられる。保護コーティングは、比較的絶縁性の樹脂質材料(天然または合成)から形成することができる。使用することができる若干の樹脂質材料は、限定するものではないが、ポリウレタン、ポリスチレン、不飽和または飽和脂肪酸のエステル(例えば、グリセリド)等を含む。例えば、適当な脂肪酸のエステルは、限定するものではないが、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エレオステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アレウリチン酸、セロリン酸等のエステルを含む。これらの脂肪酸のエステルは、得られたフィルムを安定層内に迅速に重合化することを可能にする“乾性油”を形成するための比較的複雑な組合せに使用する場合に特に有用であることが分かった。これらの乾性油は、モノ、ジ、及び/またはトリ-グリセリドを含むことができ、これらは、エステル化される1つ、2つ、及び3つの脂肪アシル残渣をそれぞれ有するグリセロール骨格を有している。例えば、使用することができる若干の適当な乾性油は、限定するものではないが、オリーブ油、亜麻仁油、ひまし油、桐油、大豆油、及びセラックを含む。これらの、及び他の保護コーティング材料の詳細に関しては、Fifeらの米国特許第6,674,635号に開示されているので参照されたい。
公知のように、コンデンサのアノード、カソード、及び作用電解質の物理的配列は、一般的に変化させることができる。例えば、図2を参照する。図示されている湿式電解コンデンサ40の一実施の形態は、アノード20とカソード43との間に配置されている作用電解質44を含んでいる。アノード20は誘電体フィルム21を含み、ワイヤー42(例えば、タンタルワイヤー)が埋込まれている。カソード43は、カソード電流コレクタ41及びカソードコーティング44から形成されている。この実施の形態では、カソード電流コレクタ41は、蓋付きの円筒形“缶”の形状である。アノード20をカソード43に結合してシールするシール23(例えば、ガラス・金属シール)も使用することができる。図示してないが、コンデンサ40は、アノード20をカソード43内に安定して保持するスペーサ(図示してない)も含むことができる。スペーサは、例えば、プラスチック製であることができ、またワッシャー型であることができる。アノードとカソードとが直接接触しないように、しかもイオン電流が作用電解質44から両電極へ流れ得るように、カソードとアノードとの間にセパレータ(例えば、紙)を位置決めすることもできる。公知の電解型セパレータとして使用されている如何なる材料も、本発明のセパレータとして使用することができる。これらの例は、紙、プラスチックファイバ、グラスファイバ、これらのファイバで作られた紙、多孔質膜、及びイオン透過性材料(例えば、NafionTM)を含む。典型的には、アノード及びカソードは、約10μmから約1000μmまでの距離だけ離間されている。外部接続を得るために、カソードにはスポット溶接によって金属ワイヤー(図示してない)が取付けられている。
図2に示す実施の形態では、単一のアノード及びカソード電流コレクタだけが使用されている。しかしながら、容量を増加させるために、複数の(例えば、2つまたはそれ以上の)アノード及び/またはカソード電流コレクタをコンデンサ内に含ませることができる。例えば、2から50までの、若干の実施の形態では4から40までの、そして若干の実施の形態では6から30までのような、如何なる数のアノード及び/またはカソード電流コレクタをも使用することができる。“低プロフィール”応用のためにアセンブリの厚みを最小にするために、一般的に、アノード及びカソード電流コレクタも1または2次元アレイ内に配列される。図3を参照する。例えば、コンデンサ200は、3つの個々のカソード64と、2つの個々のアノード65のアレイ100を含んでいる。この特定の実施の形態では、アレイ100は、1行1列に整列されたアノード及びカソードを含み、アセンブリの高さを最小にするためにアノード及びカソードはそれらの上面/底面が互いに隣接して位置決めされている。例えば、その幅(−x方向)及び長さ(−y方向)によって限定されるカソードの上面は、アノードの対応する底面に近接して配置されている。代替として、1つのコンデンサの後面が別のコンデンサの前面または後面の何れかに近接して位置決めされるように、アノード及びカソードを“端と端を接して”配置することができる。アノード及びカソードは同一方向に伸びることはないことを理解されたい。例えば、1つのカソードの表面を−x方向に対して実質的に直角な面内に設けることができ、一方別のカソードの表面を−y方向に対して実質的に直角な面内に設けることができる。しかしながら、望ましいのは、アノード/カソードを実質的に同一の方向に伸ばすことである。
集積コンデンサアセンブリを形成するために、個々のアノード及びカソードをそれぞれのアノード及びカソード端子に電気的に接続する。端子は、コンデンサアセンブリの電気的接続として役立ち、また個々のアノード及びカソードが運動しないように安定化させるのを援助する。導電性材料(例えば、タンタル、ニオブ、銅、ニッケル、銀、亜鉛、錫、パラジウム、鉛、アルミニウム、モリブデン、チタン、鉄、ジルコニウム、マグネシウム、及びそれらの合金)のような如何なる導電性材料も、端子を形成するために使用することができる。特に適する導電性材料は、例えば、ニッケル、ニオブ、及びタンタルを含む。端子は、それらが互いに電気的に分離され、個々のコンデンサを受入れることができるように、一般的には如何なる所望の技法で配列することもできる。例えば、図3においては、コンデンサ200の個々のカソード64は、カソード端子172に共通接続されているカソードリード線(例えば、タンタルワイヤー)72を含む。同様に、個々のアノード65は、アノード端子162に共通接続されているアノードリード線(例えば、タンタルワイヤー)62を含む。カソードリード線72及びアノードリード線62は、公知の技術を使用して端子172及び162にそれぞれ電気的に接続することができる。例えば、リード線は、直接的に(例えば、レーザー溶接、導電性接着剤等)、または付加的な導電性要素(例えば、金属)を介して端子に接続することができる。セパレータ117もカソードとアノードとの間に位置決めされており、両電極の直接的な接触を防ぐと共に、イオン電流が作用電解質144から両電極へ流れることを可能にしている。
もし望むならば、コンデンサ200の要素をコンテナ119内に入れることができる。コンテナは如何なる形状であっても差し支えないが、図示のコンテナ119はトップ121及びボトム123を有する円筒の形状である。コンテナ119のトップ121は、蓋125及びシール部材127(例えば、ゴムコルク)によってカバーされている。コンテナ119及び/またはトップ125は、銅、ニッケル、銀、亜鉛、錫、パラジウム、鉛、アルミニウム、モリブデン、チタン、鉄、ジルコニウム、マグネシウム、及びそれらの合金のような、いろいろな導電性材料の何れかから作ることができる。端子162及び172は、蓋125を通って伸び、その後の電気接続を提供する。端子162と172との間を電気的に確実に分離するために、蓋125付近の領域内の端子をカプセル封じする導電性ロッド175(例えば、ステンレス鋼、ニオブ等)が設けられている。
本発明のアノードのプロフィールが低いこと、及び対応する表面積が大きいことを部分的な理由として、湿式電解コンデンサは優れた体積効率を達成し、しかも優れた電気的特性を呈することができる。例えば、等価直列抵抗(“ESR”)(電子回路において充放電する時にコンデンサが抵抗のように動作する大きさ)は、2Vのバイアスと1Vの信号を1000Hzの周波数で用いて測定して約1500 mΩより小さく、若干の実施の形態では約1000 mΩより小さく、そして若干の実施の形態では約500 mΩより小さい。本発明の電解コンデンサは、除細動器のような(これに限定する意図はない)医療応用、自動車応用、レーダーシステムのような軍事応用等を含む種々の応用に使用することができる。本発明の電解コンデンサは、ラジオ、テレビジョン等のような消費者エレクトロニクスにも使用することができる。
以下に、幾つかの例を参照して本発明を説明するが、これによって本発明をより良く理解することができよう。
例 1
始めに、以下の組成からセラミックボディを形成した。
材料 重量%
脱イオン(DI)水 19.05
非イオン性界面活性剤 0.19
アニオンポリマー分散剤 1.30
アクリルバインダー 9.76
Nb25粉末 69.70
これらの成分を、専用のM-18振動ミル内で磨り潰した。形成した組成をスリップポット内で24時間に亘って攪拌して脱気した。このスリップを、ポリプロピレンキャリヤー上に0.001875インチ(1.875ミル)のテープとして鋳込んだ。濡れたテープを有するキャリヤーを、50°Cの定温に維持した水浴上に2分間浮かべて乾燥を促進した。乾燥フェーズの終わりに金属ブレードを使用し、鋳込んだテープをキャリヤーから分離させ、テープを単一の紙シートと共に巻き込んで、テープの貯蔵中にテープ同士が貼り付くのを抑えた。テープから6”×6”の片を切り取った。テープのこれらの片の9つを互いにスタックし、プレス内で10秒間3000 psiで互いに留めた。ルーム(loom)内に犠牲部材を織り込み、2つの9層スタックの間に配置した。この犠牲部材は、Shakespeare製のWN-101釣糸(直径0.0083インチ)から形成した。次いで、スタックされた層及びルームを一緒に、Shintoプレス内で209 kg/cm2の圧力で18秒間プレスした。プレスしたパッドをルームから切り離し、次いでCliftonプレス内で1845 psiで2秒間プレスしてから圧力を解放し、1845 psiで4秒間プレスしてから圧力を解放し、等々、次いで1845 psiで16秒間プレスすることによってラミネートした。このラミネートされたパッドを、PTC CC-7100ダイサーを使用して21.2mm×12.7mmの片にダイシングした。ダイシングしたボディの厚みは、0.7mmであった。ダイシングしたボディは、各々0.55g重であった。
例 2
湿式電解コンデンサを、例1のセラミックボディから形成した。始めに、ステンレス鋼メッシュ(McMasterから入手した150×150メッシュ)を、2.2 cm×1.1 cmの矩形に切断した。カソードリード線(150μmゲージの焼なまししたステンレス鋼304ワイヤー)を、2.5 cmの長さに切断した。これらの矩形及びワイヤーを、先ず超音波浴内で45°Cの石鹸水を使用して30分間洗浄し、次いで脱イオン(“DI”)水を用いて4回すすいだ。85°Cのオーブン内で30分間に亘って乾燥した後に、サンプルを外界温度のアセトン内で20分間に亘って再度脱脂した。サンプルを85°Cのオーブン内で乾燥して残留アセトンの全てを除去し、DI水で5回すすぎ、次いで85°Cのオーブン内で乾燥した。矩形メッシュの1.1 cmの辺の中央に、スポット溶接機を使用してカソードリード線を溶接した。深さは約1.0 mmであった。次いで矩形メッシュを1.0体積%のH2SO4及び0.1体積%のHClの溶液内において1分間に亘ってエッチングし、DI水で45回脱脂し、次いでブロワーを用いて外界温度で乾燥させた。得られたメッシュ基体の厚みは、約130μmであった。
ビーカー内で12.0 gのN-メチルピロリドン(NMP)と4.0 gのNorit DL C Super 30活性炭素とを磁気攪拌機を用いて混合することによって、インクを準備した。導電性充填材として、0.4 gのBP2000カーボンブラックを添加した。次に、0.5 gのTorlon TF 4000(Solvay Advanced Polymers Co.)を添加した。連続的な混合は、外界温度で12時間以上にわたって続けられた。このインクを、浸漬コーティングによってステンレス鋼基体に塗布した。へら(スパーテル)を使用して基体の両側上の過剰インクを削り取り、ボトムのコーティングが厚くなるのを防いだ。これらの湿式カソードを120°Cで15分間に亘って予備乾燥し、次いで260°Cで30分間に亘って熱的に硬化させた。ローディングは0.0107 gであり、厚みは150μmであった。
電気的測定のために、2つのカソードに対して1つの矩形NbOアノードを使用して簡単なコンデンサを組立てた。アノードは、例1のアノードボディを、多孔質Al 25基体上に配置することによって形成した。次いで、これらのボディを60分間に亘って800°Cの空気で加熱した。バインダーを除去した部品を2つのタンタル基体(0.1875インチ厚)の間にフラットに配置し、水素雰囲気内で120分間に亘って1200°Cで加熱した。次いで、0.19 mmのTaワイヤーを、ナイロン糸によって残された孔内に挿入した。その部分を真空中で30分間に亘って1300°Cで加熱することによって、ワイヤーをボディに結合した。次いで、アノードを85°Cの一般リン酸浴内で25Vでアノード酸化処理し、濃密酸化物誘電体を形成させた。これらの矩形アノードの長さは20.0 mmであり、幅は11.0 mmであり、そして厚みは0.7 mmであった。1つのアノード、2つのカソード、及び2つのセパレータを一緒にスタックした後に、Scotchテープの片をこのアセンブリの周囲に巻き付けた。セパレータは、KP 60紙(MH Technologies Co.)から形成されており、この紙は、厚みが18μm、長さが2.3 cm、幅が1.2 cm、そして絶縁耐力は23.6V/μmであった。
2つのカソードリード線をカソードに溶接し、接触抵抗を最小にした。アノード・セパレータ・カソードアセンブリは、以下の表1の組成に従って準備した水溶液内で30分に亘って真空含浸させた。
表 1 作用電解質の組成及び特性
Figure 0005220448
EG&G 273 ポテンショスタット/ガルバノスタット及びソラートロン(Solartron)1255周波数レスポンスアナライザ(FRA)を使用した。ハードウェアと電気化学セルとの間の通信はScreibner Corrware 2.1ソフトウェアを通して行った。湿式アノード・セパレータ・カソードアセンブリのインピーダンス測定は、0.1Hzから100,000Hzまでの周波数枠内で、バイアスをそれぞれ2.0V、5.0V、及び8.0Vに制御して遂行した。ナイキストプロットの実数部分は所与の周波数における等価直列抵抗(ESR)を表し、虚数部分は以下の式を使用して容量を計算するために使用した。
C=1/(2×π×f×Z”)
但し、
C:容量(F)
f:周波数(Hz)
Z”:インピーダンスの虚数部分(Ω)
である。
0.1Hzにおいて測定された容量を、直流電流状態の下での容量を近似するために使用した。それは、2.0V、5.0V、及び8.0Vのバイアスにおいて、それぞれ、2.53mF、2.37 mF、及び2.31 mFであった。ESRは、1000Hzの周波数において評価したが、容量とは異なりバイアスに依存しなかった。それは、全てのバイアスに対して約1.0Ωを維持した。
カソードは、「サイクリックボルタンメトリ」方法を使用する3電極システムにおいて別々に測定した。カウンタ電極は5.0 cm2の白金メッシュであり、参照電極は飽和カロメル電極(SCE)であった。カソード電位は、25 mV/sのレートで−0.5V対SCEと0.5V対SCEとの間を走査させた。カソードの直流容量は、以下の式によって計算した。
C=ΔQ/ΔU
但し、
C:カソード容量
Q:電荷
U:カソード電位
である。
カソード容量は558.7 mFであると推定されたが、これはアノード容量の200倍より大きい。
例 3
例2に記述したようにしてコンデンサを形成した。但し、カソードインク内にカーボンブラックは使用しなかった。得られたカソードローディングは、0.0107 gであった。0.1Hzにおいて測定された容量は、2.0V、5.0V、及び8.0Vのバイアスに対してそれぞれ、2.57 mF、2.42 mF、及び2.37 mFであった。ESRは1000Hzの周波数において1.98Ωであった。カソード容量は550.0 mFであると推定された。
例 4
例2に記述したようにしてコンデンサを形成した。但し、1.0 gのTorlon TF 4000を添加した。カソードローディングは、0.0113 gであった。0.1Hzにおいて測定された容量は、2.0V、5.0V、及び8.0Vのバイアスに対してそれぞれ、2.54 mF、2.41 mF、及び2.35 mFであった。ESRは1000Hzの周波数において1.35Ωであった。カソード容量は550.0 mFであると推定された。
例 5
例2に記述したようにしてコンデンサを形成した。但し、0.4 gのアセチレンカーボン(Chevron)を導電性充填材として使用した。カソードローディングは、0.0060 gであった。0.1Hzにおいて測定された容量は、2.0V、5.0V、及び8.0Vのバイアスに対してそれぞれ、2.60 mF、2.36 mF、及び2.23 mFであった。ESRは1000Hzの周波数において1.15Ωであった。カソード容量は500.0 mFであると推定された。
例 6
例5に記述したようにしてコンデンサを形成した。但し、ステンレス鋼メッシュは、SS Monel 304 120×120メッシュであった。カソードローディングは、0.0074 gであった。0.1Hzにおいて測定された容量は、2.0V、5.0V、及び8.0Vのバイアスに対してそれぞれ、2.64 mF、2.46 mF、及び2.39 mFであった。ESRは1000Hzの周波数において1.24Ωであった。カソード容量は403.4 mFであると推定された。
例 7
例6に記述したようにしてコンデンサを形成した。但し、ステンレス鋼メッシュは、SS Monel 316 150×150メッシュであった。0.1Hzにおいて測定された容量は、2.0V、5.0V、及び8.0Vのバイアスに対してそれぞれ、2.69 mF、2.47 mF、及び2.37 mFであった。ESRは1000Hzの周波数において1.24Ωであった。カソード容量は384.9 mFであると推定された。
例 8
例5に記述したようにしてコンデンサを形成した。但し、カソード基体は110 PPI(Inco)のニッケルフォームであった。カソードローディングは、0.013 gであった。0.1Hzにおいて測定された容量は、2.0V、5.0V、及び8.0Vのバイアスに対してそれぞれ、2.66 mF、2.37 mF、及び2.28 mFであった。ESRは1000Hzの周波数において1.13Ωであった。カソード容量は1250 mFであると推定された。
例 9
例7に記述したようにしてコンデンサを形成した。但し、0.4 gのBP2000カーボンブラックを導電性充填材として使用した。カソードローディングは、0.074 gであった。0.1Hzにおいて測定された容量は、2.0V、5.0V、及び8.0Vのバイアスに対してそれぞれ、2.54 mF、2.38 mF、及び2.32 mFであった。ESRは1000Hzの周波数において1.16Ωであった。カソード容量は372.3 mFであると推定された。
例 10
10片のNbOアノード、11片のカソード、及び20片のセパレータ紙を例2に記述したようにして準備し、カソード、セパレータ、及びアノードの順序にスタックした。各矩形アノードの長さは11.0 mm、幅は11.0 mm、そして厚みは0.7 mmであった。アノードのサイズに一致させるために、カソードも11.0 mm平方に切断した。例2と同一のサイズのセパレータ紙は単にU字形に折り曲げ、アノードの片を包み込んだ。アノードリード線及びカソードリード線は、スタックから反対方向に引き出した。スタック全体をScotchテープで包んだ。アノードのタンタルリード線及びカソードのステンレス鋼リード線は全て6.0 mmの長さに切り揃えた。アノードリード線は直径0.2 mmの1本のヘビーゲージのステンレス鋼ワイヤーに溶接し、カソードリード線は別のワイヤーに溶接した。スタックの厚みは10.0 mmであった。アノード・セパレータ・カソードアセンブリは、例2において使用した水性電解質内で30分間に亘って真空含浸させた。0.1Hzにおいて測定された容量は、2.0V、5.0V、及び8.0Vのバイアスに対してそれぞれ、14.53 mF、12.84 mF、及び12.34 mFであった。1000Hzの周波数におけるESRは0.22Ωであった。
例 11
アノード及びカソードを例2に記述したようにして準備したが、寸法は若干変更されている。即ち、アノード及びカソード基体は、1.0 cm平方に切断した。例2と同一のサイズのセパレータ紙をU字形に折り曲げ、アノードを包み込んだ。図3に示すように、2つのNbOアノードを3つのカソードと共に水平にスタックした。アノードのタンタルリード線及びカソードのステンレス鋼リード線は6.0 mmの長さに切り揃えた。レーザー溶接機を使用し、アルゴン雰囲気保護の下で、アノードタンタルリード線は直径0.2 mmのヘビーゲージのタンタルワイヤーに溶接し、カソードステンレス鋼リード線はヘビーゲージのステンレス鋼ワイヤーに溶接した。両ヘビーゲージ線は、スポット溶接機を使用してニオブロッドに溶接した。次いで、ニッケルリード線をこれらのニオブロッドに溶接した。次に、このアセンブリをScotchテープで包んで圧縮を高め、ケース内に挿入する前に作用電解質(以下の表2に記載)内で30分間に亘って真空含浸させた。
ケース及びゴムコルクをNichicon製VZ 16V - 10 mFのリード線付きアルミニウム電解コンデンサから転用し、先ず洗剤内で、次いでアセトン内で洗浄して残留薬品を除去した。円筒形のアルミニウムケースの外径は18.0 mmであり、高さは30.0 mmであった。次いで要素を、湿式NbOコンデンサのパッケージングに使用した。アルミニウムのケースはコンテナとしてのみ使用し、アノードまたはカソードとしては使用していないので、その内面をテープでマスクしてアノード・カソードアセンブリとの直接接触を防いだ。吸収剤コットンボールをケースの底に置き、次いで、2.5 gの作用電解質で予め飽和させた。電極アセンブリをケース内に挿入した後、直ちに旋盤を用いてケースをクリンプした。寿命試験は、85°Cで定格の16Vを印加して2000時間行った。
試験のために、以下の表2に示す2つの作用電解質を準備した。
表 2 湿式NbO部品寿命試験のための作用電解質
Figure 0005220448
−30°C乃至105°Cの熱サイクルを加えても、何れの電解質にも沈殿の兆候は見られなかった。寿命試験の結果を、以下の表3に示す。
表 3 寿命試験の結果
Figure 0005220448
表3から明らかなように、ガス発生抑止剤(3-メチル-4-ニトロ安息香酸)の濃度の差が、これらのコンデンサの初期性能に重大な影響を与えることはない。しかしながら、電解質Bを使用したコンデンサは、85°Cで定格の16Vを印加した時に2000時間後になっても極めて安定な電気特性を示し、ガスの発生によって破損することはなかった。ガス発生抑止剤を低濃度で含む電解質Aを使用したコンデンサは、寿命試験の初期の段階におけるガスの発生によってもたらされるケースの膨張の結果として破損した。従って、サービス寿命を長くするためには、ガス発生抑止剤の濃度を比較的高レベルに維持することができる。
例 12
アノード及びカソードを例2に記述したようにして準備した。アノードは、5.16 mm×3.88 mm×0.58 mmの矩形にスライスした。これらのアノードの形成に2つの異なる形成用電解質を使用した。電解質は、1.0重量%のH3PO4(リン酸)と、0.5重量%のH3PO4及び0.5重量%のH5PO4(ポリリン酸)の混合体とであった。これらのアノードを、先ず24V、85°Cで120分に亘ってアノード酸化処理した。若干のアノードは、後に真空焼なまし及び/または表1に示すような第2の調剤を通過させた。容量は、「ガルバノスタティック充電/放電」法を使用し、例11に記載した電解質B内の大きいTaスラグカソードに対するこれらのアノードの直流セル容量を測定することによって決定した。漏洩電流は、1.0重量%のH3PO4内で測定した。2.0Vのバイアスにおける直流容量、及び16Vの定格電圧を印加してから2時間後に測定した漏洩電流を使用して、85°Cにおける正規化された漏洩電流を計算した。その結果を、以下の表4に示す。
表 4 アノード酸化処理及び/または真空焼なましの条件及び結果
Figure 0005220448
表から分かるように、リン酸浴内で形成されたアノードは、リン酸及びポリリン酸の混合体内で形成されたアノードよりも大きい漏洩電流を呈した。
例13
例1の方法を使用してボディを形成した。但し、何等の犠牲部材をも使用せずに16層の単一スタックを作成した。ラミネートされたパッドを5.50mm×5.50mmのボディにダイシングした。これらのボディの厚みは0,6mmであった。リード線を取付け易くするために、Kulicke & Soffaダイシングソーを使用して、テープの面に直角に0.005”幅で深さ2mmのスロットを設けた。この切り込みの後に、例2に記載したプロセスを使用してボディをNbOに還元した。直径0.19mmのタンタルワイヤーを、長さ9mmに切断した。このワイヤーの一方の端を、ソーによって切り込まれたスロット内に滑り嵌めされるようにある厚みにコイニング加工した。アノードボディの各側上の2つのスポットに、Trumpf Profiweldレーザーを使用してこのワイヤーを溶接した。これらのアノードを、85°Cの温度で8600μSの導電率に調整されたリン酸浴内で、15Vに達するまでアノード当たり0.05Aの定電流を使用して、15Vにアノード酸化処理した。次いで、アノードを90分間15Vに維持した。アノード酸化処理された部品の容量を、カソードとして大きい多孔性タンタルボディを用いて18%の硫酸内で測定した。容量測定に使用した計器は、Hewlett Packard 4263A LCRメーターであった。容量は、10Vの外部バイアスを使用し、120Hzで測定した。4つの部品の平均容量は、160.3μFであった。
例14
例1の方法を使用してボディを形成した。但し、8層の2つのスタックを使用した。部品をパッドから切り出した。以下の未焼成寸法は、130部品の平均測定値である。
長さ: 5.51mm(std 0.041)
幅: 3.85mm(std 0.104)
厚み: 0.598mm(std 0.0128)
重量: 0.0357 g(std 0.0012)
密度(平均から計算): 2.815 g / cc(std 0.077)
例2に記述したプロセスを介してNbOに還元した後に、390部品の平均として以下の寸法が得られた。
長さ: 5.18mm(std 0.054)
幅: 3.62mm(std 0.082)
厚み: 0.550mm(std 0.0100)
重量: 0.0268 g(std 0.0007)
密度(平均から計算): 2.603 g / cc(std 0.072)
これらのアノードを、85°Cの温度で8600μSの導電率に調整されたリン酸浴内で、35Vに達するまでアノード当たり0.05Aの定電流を使用して、35Vにアノード酸化処理した。次いで、アノードを90分間35Vに維持した。アノード酸化処理された部品の容量を、カソードとして大きい多孔性タンタルボディを用いて18%の硫酸内で測定した。容量測定に使用した計器は、Hewlett Packard 4263A LCRメーターであった。容量は、10Vの外部バイアスを使用し、120Hzで測定した。平均容量(390部品)は102.3μF、平均CV/gは133,000μF/gであった。
例15
例14の方法を使用してボディを形成した。但し、犠牲スロットを作成するためにナイロンリボン(寸法0.6858mm×0.0762mm)を使用した。
例16
例15の方法を使用してボディを形成した。但し、留め及びラミネートの前に、鋭い針を使用して各テープ内に孔を穿った。これは、最終製品に多孔度を与えるために行った。
例17
例16の方法を使用してボディを形成した。但し、留め及びラミネートの前に、各テープの面上に有機インクラインを印刷した。インクは、以下の組成から作った。
材料 量(g)
Reusche 油、型 G-2622 8.266
Nb25粉末 2.135
カーボンブラック、Columbian Raven 22 2.923
インクを以下のように形成した。始めに、Reusche Oilを、Univex MF 20プラネタリミクサー内に入れた。ミクサーは位置1にセットした。ミクサー内の油にNb25粉末をゆっくりと添加した。Nb25粉末の全てを添加した後に、混合体を更に5分間混合した。次いで、位置1のままカーボンブラックをゆっくりと添加して混合した。全てのカーボンを添加した後に、ミクサーを位置2に調整した。次いで、混合体を更に10分に亘って混合した。混合の後に、焼入れした鋼の4”×8”ロールを有し且つミル間隙を0.0005”にセットしたKentフロアモデル3ロールミルを使用して、材料を2回処理した。ミリングの後に、混合体をThompson DSRA-12ミクサー内に配置し、30分に亘って混合した。Thompson ミクサーにおける混合の後に、1回の最終のパスとして材料を3ロールミルへ戻し、ポリプロピレンジャー内に集めた。
325メッシュのステンレス鋼スクリーンを、金属スタッキングフレームに糊付けした。このスクリーンをマスクしたが、所望の電極パターン及び基準位置合わせマーキングが共に露出するようにした。カーボンインクをマスクしたスクリーン上に配置し、テープの片の1つの0.25”上に位置決めした。次いで、スクィージーを使用してテープ上にパターンを印刷した。これを、別のテープ片に対して繰り返した。第2の片を先行テープ上にスタックした(電極パターンが先行テープから180°になるように位置合わせした)。この手順を繰り返し、最終アノード内にスロットが交互するパターンを有するスタックを作成した。
例18
始めに、スリップ組成を以下のように形成した。
材料 重量%
脱イオン(DI)水 16.54
非イオン性界面活性剤 0.23
アニオンポリマー分散剤 0.35
アクリルバインダー 8.01
Nb25粉末 71.07
この混合体を一緒に粉砕し、例1のプロセスに従ってテープ内に鋳込んだ。このテープは、6”×6”の片に切断した。留め及び等未ネーションの前に、各テープの面上に例17の有機インクも印刷した。
325メッシュのステンレス鋼スクリーンを、金属スタッキングフレームに糊付けした。このスクリーンをマスクしたが、所望の電極パターン及び基準位置合わせマーキングが共に露出するようにした。カーボンインクをマスクしたスクリーン上に配置し、6”×6”テープの片の1つの0.25”上に位置決めした。次いで、スクィージーを使用してテープ上にパターンを印刷した。これを、別のテープ片に対して繰り返した。第2の片を先行テープ上にスタックした(電極パターンが先行テープから180°になるように位置合わせした)。この手順を繰り返し、電極が印刷されているテープの22層のスタックを作成した。このスタックの各端上に4つの印刷されていない層をスタックし、30層の合計スタック高さにした。
上述したボディを例1の方法に従って、3.5mm×1.8mmの寸法にダイシングした。部品は1.25mmの厚みであった。アノードボディを2時間に亘って炉内に入れ、1000°Cの空気に曝して有機バインダー及び犠牲カーボンインクを除去した。Nb25をNObに還元するために、ボディを水素内で50°C/分で1400°Cに加熱し、2つの1/2”厚のタンタルゲッターブロックの間に30分の時間に亘って1400°Cに保持した。得られたボディは、交互する均一な多孔度の層を有していた。
アノード酸化処理のためのリード線を作成するために、0.5mmのスポットサイズを有するTrumpf Profiweldレーザーを使用して0.005”厚のニオブ箔の矩形片にボディを個々に取付けた。これらのアノードを、85°Cの温度で8600μSの導電率に調整されたリン酸浴内で、35Vに達するまでアノード当たり0.1Aの定電流を使用して、35Vにアノード酸化処理した。次いで、アノードを90分間35Vに維持した。アノード酸化処理された部品の容量を、カソードとして大きい多孔性タンタルボディを用いて18%の硫酸内で測定した。容量測定に使用した計器は、Hewlett Packard 4263A LCRメーターであった。容量は、2Vの外部バイアスを使用し、120Hzで測定した。平均容量(8部品)は26.4μFであった。
例19
多層NbOボディを、例18に従って作成した。別に、Habererアノードプレスを使用して、NbOボディをHC Starck NbOから0.19mmタンタルワイヤー上へプレスした。次に、このボディを1500°Cで焼結してワイヤー上に濃密構造を作成した。このワイヤーのNbO部分を、0.5mmのスポットサイズを有するTrumpf Profiweldレーザーを使用して上述したように作成した多層ボディに溶接した。これらのアノードを、85°Cの温度で8600μSの導電率に調整されたリン酸浴内で、32Vに達するまでアノード当たり0.1Aの定電流を使用して、32Vにアノード酸化処理した。次いで、アノードを90分間32Vに維持した。アノード酸化処理された部品の容量を、カソードとして大きい多孔性タンタルボディを用いて18%の硫酸内で測定した。容量測定に使用した計器は、Hewlett Packard 4263A LCRメーターであった。容量は、10Vの外部バイアスを使用し、120Hzで測定した。平均容量(8部品)は28.0μFであった。
当業者ならば、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、本発明のこれらの、及び他の変更及び変形を実施することができよう。更に、種々の実施の形態の諸面は、全体として、または部分的に互換可能であることを理解されたい。更に、当業者ならば、以上の説明が単なる例示に過ぎず、本発明を限定する意図がないことも理解されよう。
本発明によるアノードを形成する方法の一実施の形態の概要図である。 本発明によるコンデンサの一実施の形態の断面図である。 本発明によるコンデンサの別の実施の形態の断面図である。
符号の説明
10 液溜め
12 供給ロール
13 キャリヤー基体フィルム
14 スリップ組織
15 ドクターブレード
20 アノード
21 誘電体フィルム
22 ギャップ
23 シール
24 セラミック層
32 ロール
36 巻取りロール
40 コンデンサ
41 カソード電流コレクタ
42 アノードリード線
43 カソード
44 作用電解質
62 アノードリード
64 カソード
65 アノード
72 カソードリード
100 アノードのアレイ
117 セパレータ
119 コンテナ
121 コンテナのトップ
123 コンテナのボトム
125 蓋
127 シール部材
144 作用電解質
162 アノード端子
172 カソード端子
175 導電性ロッド
200 コンデンサ

Claims (17)

  1. 電解コンデンサのためのアノードを形成する方法であって、
    複数のセラミック粒子及び溶剤を含むスリップ組成物を形成するステップ、
    を含み、
    上記セラミック粒子はバルブ金属の酸化物を含み、
    上記方法は、更に、
    上記スリップ組成物からセラミック層を形成するステップと、
    上記セラミック層を加熱処理して上記セラミック粒子を化学的に還元し、該粒子を導電性にするステップと、
    上記加熱処理したセラミック層を焼結して、1:1.5未満の金属対酸素原子比を有するバルブ金属の酸化物を含む、導電性で多孔性のアノードを形成するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 上記導電性アノードは、酸化ニオブを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 上記セラミック粒子は、五酸化ニオブを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 上記スリップ組成物は、更に、バインダー、分散剤、湿潤剤、可塑剤、またはそれらの組合せを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 複数のセラミック層を一緒にラミネートして、モノリシックボディを形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 上記モノリシックボディは、更に、隣接するセラミック層の間に位置決めされた犠牲部材を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 上記モノリシックボディを加熱して上記犠牲部材を除去し、それによって空間を残すステップを更に含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 上記空間内に、アノードリード線を挿入するステップを更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 上記導電性アノードに、リード線を溶接するステップを更に含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 上記セラミック層の加熱処理は、ゲッター材料が存在する中で行われることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 上記セラミック層の加熱処理は、還元雰囲気内で行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 上記スリップ組成物は、キャリヤー基体上にキャストされたテープであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 上記アノードは、1500μmまたはそれより小さい厚みを有していることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 上記アノードは、100またはそれより大きいアスペクト比を有していることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載されている方法により製造されることを特徴とするアノード。
  16. 更に、上記アノード上に重ねられた誘電体フィルムを含むことを特徴とする請求項15に記載のアノード。
  17. 請求項16に記載されているアノード、カソード電流コレクタ、及び上記カソード電流コレクタと上記アノード酸化処理された電極との間に配置されている作用電解質を含むことを特徴とする湿式電解コンデンサ。
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