JP5217981B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)により、シリコン種結晶を使用してネッキングを行うことなく、シリコン単結晶棒を成長させるシリコン単結晶の製造方法に関するものである。
従来、CZ法によるシリコン単結晶の製造においては、単結晶シリコンを種結晶として用い、これをシリコン融液に接触させた後、回転させながら低速度で引き上げることで単結晶を成長させる。この際、種結晶をシリコン融液に接触させる時に、熱衝撃により種結晶に高密度で発生する転位を消滅させるために、種絞り(ネッキング)を行い、次いで、所望の直径になるまで結晶を太らせて、シリコン単結晶を引き上げている。このような種絞りはDash Necking法として広く知られており、CZ法でシリコン単結晶棒を引き上げる場合の常識とされている。
すなわち、従来用いられてきた種結晶の形状は、例えば、図6(a)、(b)に示すように、直径あるいは一辺約8〜20mmの円柱状や角柱状の単結晶を種ホルダにセットするための切り欠け部を設けたもので、最初にシリコン融液に接触する下方の先端形状は、平坦面となっている。そして、高重量の単結晶棒の重量に耐えて安全に引き上げるためには、種結晶の太さは、素材の強度からして上記以下に細くすることは難しい。
このような形状の種結晶では、融液と接触する先端の熱容量が大きいために、種結晶が融液に接触した瞬間に結晶内に急激な温度差を生じ、スリップ転位を高密度に発生させる。従って、この転位を消去して単結晶を育成するために前記ネッキングが必要であり、このネッキングを行うDash Necking法は、種結晶をシリコン融液に接触させた後に、直径を3mm程度に一旦細くし絞り部を形成し、種結晶に導入されたスリップ転位から伝播する転位を消滅させ、無転位の単結晶を得る方法である。
しかし、このような方法では、ネッキング条件を種々選択しても、無転位化するためには最低直径を5〜6mmまでは絞り込む必要があり、この最小直径では近年のシリコン単結晶径の大直径化に伴い、高重量化した単結晶棒を吊り下げて支持するには強度が十分でなく、単結晶棒引き上げ中に、この細い絞り部が破断して単結晶棒が落下する等の事故を生じる恐れがあった。
そこで、このような問題を解決するために、強度上、一番の問題となるネッキングによる絞り部を形成することなく結晶を単結晶化させ、また、大直径かつ長尺な高重量のシリコン単結晶を結晶保持機構のような複雑な装置を使用することなく引き上げることができる方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
この方法は、種結晶としてシリコン融液に接触させる先端部の形状が、図4(a)、(b)、(c)に示したように、尖った形状または尖った先端を切り取った形状であるものとし、まず種結晶の先端をシリコン融液に静かに接触させた後、種結晶を低速度で下降させるか、あるいはシリコン融液面を低速度で上昇させることによって種結晶の先端部が所望の直径となるまで溶融し、その後、該種結晶を低速度で上昇させるか、あるいはシリコン融液面を低速度で下降させることによってネッキングを行うことなく、所望径のシリコン単結晶棒を育成させる、というシリコン単結晶の製造方法であり、Dash Necking法よりも種結晶付近の最小直径を大きくすることが可能である。
しかし、近年のシリコン単結晶径の一層の大直径化に伴い、高重量化した単結晶棒を吊り下げ支持するためには、種結晶付近の最小直径を更に大きくする必要があり、種結晶を無転位のまま、より太い部位まで溶融する必要があった。
一方、一般的に上記のような先端が尖った形状の種結晶の先端形状にはばらつきがある。例えば、加工やエッチングの仕上がり具合で、先端形状が細いもの(図4(d))や幾らか形状に凹凸があるもの(図4(e))が存在する。また、先端の頂角にもばらつきがある。そのため、溶融時間や溶融速度を規定して、種結晶を同じ時間、あるいは同じ長さ溶融しても、溶融後の種結晶の直径にばらつきが生じる。先端形状が細い場合には、溶融した部位の直径が目標よりも細くなってしまうことがあり、これではその後の高重量結晶の引上げができないため、種の交換等をしてやり直す必要がある。また、逆に、種結晶の先端形状が太い場合には、溶融した部位の直径が目標よりも太くなってしまい、この場合には、無転位で溶融する為の溶融条件が難しくなり、スリップ転位が発生する可能が高くなるため、必要な最小直径に対して余分な直径まで溶融することは得策ではない。
また、種結晶の溶融ではシリコン融液の温度条件が重要であることが知られている(例えば特許文献2参照)。しかし、最適な融液表面温度を正しく設定することは困難であり、低めの温度に設定した場合には、種結晶の溶融に時間がかかり種結晶にスリップ転位が発生する可能性が高くなる。従って、種結晶の先端を溶融する時の温度は十分に高いことが望ましいが、種結晶溶融後の結晶育成時に最小直径部が形成されることとなる(例えば特許文献3参照)。そのため、融液の温度条件が高すぎる場合には、最小直径が所望の最小直径よりも細くなることがあり、単結晶棒を吊り下げ支持する強度が不足するため、やり直しが必要であった。
さらに、ネッキングを行わないCZ法においては、種結晶を接触、溶融過程で種結晶が有転位化した場合には、再度同じ種結晶から、やり直しをして単結晶を成長させることは不可能であるため、種結晶の交換が必要となる。
また、最小直径が所望の直径よりも細くなったまま拡径した場合には、成長した結晶を再度溶融する必要があり、この時に必ずスリップ転位が発生する。また、結晶を成長途中で切り離した場合にもスリップ転位が発生するので、このような場合も種結晶を交換する必要があった。
そこで、種結晶にスリップ転位が発生した場合には、種結晶を交換する必要性から、種結晶交換がし易い種交換用チャンバー内に複数の種結晶を準備しておき、種結晶の交換を簡単にすることが開示されている(例えば特許文献4参照)。
この方法により、種結晶の交換の手間を低減することが可能となるが、その場合でも、種結晶は再利用ができないので廃棄となる。また、種結晶を交換するために、種結晶やシードチャックを融液直上の高温状態から、徐々に巻き上げ、チャンバーを開放し、さらに放冷して、種結晶を交換し、再度、種結晶を融液面に接触させる作業を繰り返すことになるため、手間と時間が掛かり、単結晶の生産性が低下していた。
特開平10−203898号公報 特開2001−106593号公報 国際公開第WO01/063026号パンフレット 特許第3770287号公報
本発明は、CZ法によりネッキングを行うことなく、シリコン単結晶を製造する方法において、精度良く種結晶を所望の直径まで溶融し、再現性良く結晶育成工程に移行して、結晶育成開始時の単結晶の直径の正確さを向上して、単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径よりも細くなることを防止し、また、仮に単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径よりも細くなった場合であっても、種結晶を再利用して、種結晶の廃棄を防止し、種結晶の交換作業の手間と時間を低減して、単結晶の製造の生産性を向上させるシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は、チョクラルスキー法により、単結晶棒を引き上げてシリコン単結晶を製造する方法において、少なくとも、先端の尖ったシリコン種結晶または尖った先端を切り取った形状のシリコン種結晶を用いて、該種結晶を下降させるか、またはシリコン融液面を上昇させて、前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触させた後、該種結晶を溶融させる種結晶溶融工程と、該種結晶溶融工程の後、前記種結晶を上昇させるか、または前記シリコン融液面を下降させて、ネッキングを行うことなく、シリコン単結晶を育成する結晶育成工程とを有し、前記種結晶溶融工程において、前記種結晶の先端部の直径をCCDカメラで検出しつつ、前記種結晶を溶融させ、前記検出した種結晶の先端部の直径が前記結晶育成工程に移行可能な直径になったときに、該種結晶溶融工程を終了して前記結晶育成工程に移行し、その後、前記結晶育成工程において、前記単結晶と前記シリコン融液との接する部分の前記単結晶の直径を前記CCDカメラで検出しつつ、前記単結晶を育成し、前記検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径以上の場合には、そのまま結晶育成工程を継続して単結晶棒を引き上げ、前記検出した単結晶の直径が前記単結晶棒の引き上げに必要な直径未満の場合には、該結晶育成工程を終了して、前記単結晶を前記シリコン融液から切り離すための切り離し工程に移行し、該切り離し工程において、前記単結晶を引き上げて、該単結晶の先端が尖った形状となるようにして、該単結晶を前記シリコン融液から切り離し、該切り離した単結晶を前記シリコン融液面上に保持して該切り離し工程を終了し、その後、前記シリコン融液の温度を調整した後、前記切り離した単結晶を新たな種結晶として、再度、種結晶溶融工程、結晶育成工程を行って、単結晶棒を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する(請求項1)。
このように、種結晶溶融工程において、種結晶の先端部の直径をCCDカメラで検出しつつ、種結晶を溶融させ、検出した種結晶の先端部の直径が結晶育成工程に移行可能な直径になったときに、種結晶溶融工程を終了して結晶育成工程に移行することで、使用する種結晶ごとに先端の形状がばらついていても、精度良く、種結晶を所望の直径まで溶融することができる。そのため、再現性良く、結晶育成工程に移行することができ、結晶育成工程において、結晶育成開始時の単結晶の直径の正確さが向上し、単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径よりも細くなることを防止して、シリコン単結晶を製造することができる。
また、結晶育成工程において、単結晶とシリコン融液との接する部分の単結晶の直径をCCDカメラで検出しつつ、単結晶を育成し、検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径未満の場合には、結晶育成工程を終了して、切り離し工程に移行し、切り離し工程において、単結晶を引き上げて、単結晶の先端が尖った形状となるようにして、単結晶をシリコン融液から切り離すことで、単結晶を無転位のまま切り離すことができる。さらに、切り離した単結晶を新たな種結晶として、再度、種結晶溶融工程、結晶育成工程を行って、単結晶棒を引き上げることで、切り離した単結晶を再利用することができる。また、切り離し工程において、切り離した単結晶をシリコン融液面上に保持することで、従来、種結晶を交換するために行っていた工程を省略することができる。そのため、万が一単結晶の直径が細くなり、やり直しが必要となった場合でも、種結晶の廃棄を防止し、種結晶の交換作業の手間と時間を低減して、単結晶の製造の生産性を向上することができる。
また、本発明の製造方法では、前記種結晶溶融工程において、前記検出した種結晶の先端部の直径が前記結晶育成工程に移行可能な直径になったときに、該種結晶溶融工程を終了して前記結晶育成工程に移行すること、および前記結晶育成工程において、前記検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径未満の場合には、該結晶育成工程を終了して前記切り離し工程に移行することを自動で行うことが好ましい(請求項2)。
このように、種結晶溶融工程において、検出した種結晶の先端部の直径が結晶育成工程に移行可能な直径になったときに、種結晶溶融工程を終了して結晶育成工程に移行することを自動で行うことで、使用する種結晶ごとに先端の形状がばらついていても、溶融した種結晶の直径が結晶育成工程に移行可能な直径になったことを正確に判断することができる。また、必要以上の太さにまで種結晶を溶融することもない。そのため、再現性良く、効率的に結晶育成工程に移行することができる。
また、結晶育成工程において、検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径未満の場合には、結晶育成工程を終了して切り離し工程に移行することを自動で行うことで、単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径よりも細くなったことを素早く判断して、単結晶の直径が太くなり始める前に切り離し工程へ移行することができる。そのため、無駄に結晶育成工程を継続することを防止して、単結晶の製造の生産性を向上することができる。
また、本発明の製造方法では、前記種結晶溶融工程において、前記種結晶の溶融は、前記検出した種結晶の先端部の直径に基づいて、前記種結晶の溶融速度を自動で制御して行うことが好ましい(請求項3)。
このように、種結晶の溶融は、検出した種結晶の先端部の直径に基づいて、種結晶の溶融速度を自動で制御して行うことで、使用する種結晶ごとに先端の形状がばらついていても、スリップ転位が入り難い条件を継続しながら、種結晶を所望の直径まで溶融することができる。
さらに、本発明の製造方法では、前記切り離し工程において、前記単結晶の前記シリコン融液からの切り離しは、該切り離した単結晶の先端部が円錐形状となるようにすることが好ましい(請求項4)。
このように、切り離し工程において、単結晶のシリコン融液からの切り離しは、切り離した単結晶の先端部が円錐形状となるようにすることで、単結晶を無転位のまま切り離すことができる。また、切り離した単結晶の先端部が円錐形状であることで、切り離した単結晶を新たな種結晶として再利用する場合に、無転位でシリコン融液に接触して溶融することができる。
この場合、前記切り離し工程において、前記単結晶の前記シリコン融液からの切り離しは、該単結晶の引上速度を徐々に上げて、該引上速度が1mm/min以上のときに行うことが好ましい(請求項5)。
このように、切り離し工程において、単結晶のシリコン融液からの切り離しは、単結晶の引上速度を徐々に上げて、引上速度が1mm/min以上のときに行うことで、確実に単結晶の先端部が円錐形状で無転位となるようにすることができる。そのため、切り離した単結晶を確実に新たな種結晶として再利用することができ、種結晶の廃棄を防止することができる。
また、前記切り離し工程において、前記単結晶の引き上げは、前記単結晶と前記シリコン融液との接する部分の前記単結晶の直径を前記CCDカメラで検出しつつ、前記検出した単結晶の直径が所望の直径になるように、前記単結晶の引き上げた長さに応じて、前記単結晶の引上速度を自動で制御して行うことが好ましい(請求項6)。
このように、切り離し工程において、単結晶の引き上げは、単結晶とシリコン融液との接する部分の単結晶の直径をCCDカメラで検出しつつ、検出した単結晶の直径が所望の直径になるように、単結晶の引き上げた長さに応じて、単結晶の引上速度を自動で制御して行うことで、容易に単結晶の先端部が尖った形状、特に円錐形状となるようにすることができる。そのため、容易に切り離した単結晶を再利用可能な種結晶とすることができ、種結晶の交換作業の手間と時間を低減して、単結晶の製造の生産性を向上させることができる。
以上説明したように、本発明では、CZ法により先端が尖った種結晶または尖った先端を切り取った形状の種結晶を用いて、ネッキングを行うことなくシリコン単結晶を製造する方法において、種結晶の先端部の直径をCCDカメラで検出しつつ、種結晶を溶融させ、検出した種結晶の先端部の直径が結晶育成工程に移行可能な直径になったときに、種結晶溶融工程を終了して結晶育成工程に移行することで、精度良く種結晶を所望の直径まで溶融し、再現性良く結晶育成工程に移行して、結晶育成開始時の単結晶の直径の正確さを向上して、単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径よりも細くなることを防止することができる。また、結晶育成工程において、単結晶の直径をCCDカメラで検出しつつ、単結晶を育成し、検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径未満の場合には、結晶育成工程を終了して、切り離し工程に移行し、切り離し工程において、単結晶を引き上げて、単結晶の先端が尖った形状となるようにして、単結晶をシリコン融液から切り離すことで、単結晶を無転位のまま切り離すことができ、その切り離した単結晶を新たな種結晶として、再度、種結晶溶融工程、結晶育成工程を行って、単結晶棒を引き上げることで、切り離した単結晶を再利用することができる。また、切り離し工程において、切り離した単結晶をシリコン融液面上に保持することで、従来、種結晶を交換するために行っていた工程を省略することができる。そのため、種結晶の廃棄を防止し、種結晶の交換作業の手間と時間を低減して、単結晶の製造の生産性を向上することができる。
以下、本発明についてより具体的に説明する。
前述のように、大直径化して高重量の単結晶棒の引き上げに対応するために、先端の尖ったシリコン種結晶を用いて、ネッキングを行うことなくシリコン単結晶を製造する方法が開示された。しかし、一般的に使用する種結晶ごとに先端の形状にはばらつきがあり、種結晶の溶融時間を規定して、同じ時間溶融したとき、先端形状が細い場合には、溶融した部位の直径が目標よりも細くなってしまい、単結晶棒を引き上げることができないことや、また、種結晶の先端形状が太い場合には、溶融した部位の直径が目標よりも太くなってしまい、スリップ転位が発生することがあった。そのため、所望の条件のシリコン単結晶が製造できない場合があり、再度、種結晶を交換して、シリコン融液の温度を調整し、最初からシリコン単結晶を製造し直していたため、種結晶の消費コストの問題やシリコン単結晶の生産性低下の問題が生じていた。
そこで、本発明者らは、先端の尖ったシリコン種結晶を用いて、ネッキングを行うことなくシリコン単結晶を製造する場合に、種結晶の先端の形状にばらつきがある場合であっても、精度良く種結晶を所望の直径まで溶融すること、および、育成した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径未満の場合に、種結晶を交換することなく種結晶を再利用することに想到し、以下の工程を実施して、シリコン単結晶を製造することを試みた。
具体的には、図1に示すフロー図のように、製造工程を種結晶溶融工程、結晶育成工程、切り離し工程とした。そして、種結晶溶融工程において、種結晶の先端部の直径をCCDカメラで検出しつつ、種結晶を溶融させ、図1(c)に示すように、検出した種結晶の先端部の直径が結晶育成工程に移行可能な直径になったときを判断し、種結晶溶融工程を終了して結晶育成工程に移行した。ここで、「結晶育成工程に移行可能な直径」とは、その後に育成されるシリコン単結晶棒の総重量により設定される溶融された種結晶の直径で、育成単結晶棒の総重量に耐えることができる直径以上であるとともに、結晶育成工程前半で結晶が細くなったとしても、前記育成単結晶の耐荷重性を確保できる直径に設定される。例えば、育成単結晶重量を400kgとする場合は、耐荷重性からは溶融種結晶の直径は5.6mm以上必要であり、これに結晶育成前半での細くなる分と安全率を見込んで、6.5mm以上と設定される。一方、「単結晶棒の引き上げに必要な直径」とは、上記育成されるシリコン単結晶棒の総重量に耐えることができる直径に、安全率を加算した直径である。従って、結晶育成工程に移行可能な直径>単結晶棒の引き上げに必要な直径である。
その結果、使用した種結晶ごとに種結晶の先端の形状がばらついていても、精度良く、種結晶を所望の直径まで溶融することができ、再現性良く、結晶育成工程に移行することができることがわかった。
また、図1に示す結晶育成工程において、単結晶の直径をCCDカメラで検出しつつ、単結晶を育成し、図1(d)に示すように、検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径以上の場合は、そのまま結晶の育成を継続して、単結晶棒を育成した。検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径未満の場合には、結晶育成工程を終了して、切り離し工程に移行した。この切り離し工程において、図1(f)に示すように、単結晶の引上速度を上昇しつつ、単結晶を引き上げて、シリコン融液から切り離し、図1(g)に示すように、切り離した単結晶をシリコン融液面上に保持して切り離し工程を終了した。その後、図1(h)に示すように、シリコン融液の温度を調整した後、切り離した単結晶を新たな種結晶として、再度、種結晶溶融工程、結晶育成工程を行って、単結晶棒を引き上げて、シリコン単結晶を製造した。
その結果、切り離し工程において、図1(f)に示すように、単結晶の引上速度を上昇しつつ、単結晶を引き上げることで、単結晶の先端が尖った形状となるようにして、単結晶を無転位のままシリコン融液から切り離すことができ、その単結晶を新たな種結晶として再利用できる。
また、このとき、単結晶の引上速度を徐々に上げて、引上速度が1mm/min以上のときに、単結晶をシリコン融液から切り離すことで、確実に単結晶の先端部が無転位で円錐形状となるようにすることができることがわかった。
また、切り離し工程において、図1(g)に示すように、切り離した単結晶をシリコン融液面上に保持することで、従来、種結晶を交換するために行っていた工程を省略することができ、種結晶の交換作業の手間と時間を低減して、単結晶の製造の生産性を向上することができることがわかった。
本発明は、上記の知見および発見に基づいて完成されたものであり、以下、本発明について図面を参照しながらさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は本発明のシリコン単結晶の製造方法のフロー図である。また、図2は本発明のシリコン単結晶の製造方法において使用する単結晶の引き上げ装置の概略図である。
図2(a)または図2(b)に示すように、種ホルダ1に取り付けられた種結晶5または切り離した単結晶10が、プルチャンバー4内にあるワイヤ8によって吊下げされている。そして、図示しないワイヤ回転上下機構により、種結晶5および切り離した単結晶10を回転させつつ下降、または上昇させることができる。また、ベースチャンバー7内には、シリコン原料をヒーター2により溶融したシリコン融液3を収容したルツボ6が配設されている。さらに、ベースチャンバー7の外側には、溶融中の種結晶の直径及び育成中の単結晶の直径を検出するためのCCDカメラ9が設置されている。
本発明のシリコン単結晶の製造方法では、図2に示すような単結晶の引き上げ装置20を用いて、単結晶棒を引き上げてシリコン単結晶を製造する。
以下に、図1、図2(a)、図2(b)を参照しながら、本発明におけるシリコン単結晶の製造方法を説明する。
まず、図2(a)に示すようなルツボ6にシリコン原料を投入し、溶融して、シリコン融液3を形成する。そして、先端が尖った種結晶5を静かにシリコン融液3に接触して(図1(a))、種結晶溶融工程を開始する。その後、種結晶5を下降させるか、またはシリコン融液面を上昇(ルツボ6を上昇)させて、種結晶を溶融させる(図1(b))。このとき、種結晶の先端部の直径をCCDカメラ9で検出しつつ、種結晶を溶融させる。そして、この検出した種結晶の先端部の直径が結晶育成工程に移行可能な直径になったときを判断し、種結晶溶融工程を終了して結晶育成工程に移行する(図1(c))。
続いて、結晶育成工程において、単結晶の直径をCCDカメラ9で検出しつつ、単結晶を育成し、図1(d)に示すように、検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径以上か、または未満かの判断を行い、判断の結果、単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径以上の場合には、そのまま結晶育成工程を継続して単結晶棒を引き上げて、結晶育成工程を完了する(図1(e))。
一方、図1(d)の判断において、検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径未満の場合には、結晶育成工程を終了して、切り離し工程に移行する。
続いて、切り離し工程において、単結晶の引上速度を上昇しつつ、単結晶を引き上げて、シリコン融液から単結晶を切り離し(図1(f))、その切り離した単結晶をシリコン融液面上に保持して切り離し工程を終了する(図1(g))。このとき、図2(b)に示すように、切り離した単結晶10は、新たな種結晶としてシリコン融液3の融液表面の上方に保持される。
その後、ヒーター2により、シリコン融液3の温度を調整した後(図1(h))、切り離した単結晶10を新たな種結晶として、再度、種結晶溶融工程および結晶育成工程を行う。そして、結晶育成工程の図1(d)の判断において、単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径以上の場合には、そのまま結晶育成工程を継続して単結晶棒を引き上げて、結晶育成工程を完了し(図1(e))、また、単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径未満の場合には、再度切り離し工程に移行して、シリコン融液の温度を調整した後、種結晶溶融工程、結晶育成工程を行い、シリコン単結晶を製造する。
このように、種結晶溶融工程において、種結晶の先端部の直径をCCDカメラで検出しつつ、種結晶を溶融させ、図1(c)に示すように、検出した種結晶の先端部の直径が結晶育成工程に移行可能な直径になったときを判断し、種結晶溶融工程を終了して結晶育成工程に移行することで、使用する種結晶ごとに先端の形状がばらついていても、精度良く、種結晶を所望の直径まで溶融することができる。そのため、再現性良く、結晶育成工程に移行することができ、結晶育成工程において、結晶育成開始時の単結晶の直径の正確さが向上し、単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径よりも細くなることを防止して、シリコン単結晶を製造することができる。
また、結晶育成工程において、単結晶の直径をCCDカメラで検出しつつ、単結晶を育成し、図1(d)に示すように、検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径以上か、または未満かの判断を行い、判断の結果、検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径未満の場合には、結晶育成工程を終了して、切り離し工程に移行し、その後、切り離し工程において、図1(f)に示すように、単結晶の引上速度を上昇しつつ、単結晶を引き上げて、シリコン融液から単結晶を切り離すことで、単結晶の先端が尖った形状となるようにして、単結晶を無転位のままシリコン融液から切り離すことができる。そのため、切り離した単結晶を新たな種結晶として再利用することができ、種結晶の廃棄を防止することができる。
さらに、図1(g)に示すように、切り離した単結晶をシリコン融液面上に保持することで、従来、種結晶を交換するために行っていた工程、例えば、種結晶やシードチャックを融液直上の高温状態から、徐々に巻き上げ、プルチャンバーを開放し、更に放冷し、種結晶を交換し、そこから種結晶を融液面上に徐々に下降させるという工程を省略することができる。そのため、種結晶の交換作業の手間と時間を低減して、単結晶の製造の生産性を向上することができる。
また、本発明の製造方法では、図1(c)から結晶育成工程、および図1(d)から切り離し工程へ移行することを自動で行うことが好ましい。
このように、図1(c)から結晶育成工程への移行を自動で行うことで、使用する種結晶ごとに先端の形状がばらついていても、溶融した種結晶の直径が結晶育成工程に移行可能な直径になったことを正確に判断し、再現性良く、次工程の結晶育成工程に移行することができる。また、図1(d)から切り離し工程への移行を自動で行うことで、単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径よりも細くなったことを素早く判断して、結晶育成工程において、単結晶の直径が太くなる拡径が始まる前に切り離し工程への移行することができる。そのため、無駄に結晶育成工程を継続することを防止して、単結晶の製造の生産性を向上することができる。
さらに、種結晶溶融工程において、種結晶の溶融は、検出した種結晶の先端部の直径に基づいて、種結晶の溶融速度を自動で制御して行うことが好ましい。
このことにより、使用する種結晶ごとに先端の形状がばらついていても、それぞれの種結晶において、スリップ転位が入り難い条件を継続しながら、種結晶を所望の直径まで溶融することができる。
また、切り離し工程において、単結晶のシリコン融液からの切り離しは、切り離した単結晶の先端部が円錐形状となるようにすることが好ましい。
このことにより、単結晶を無転位のまま切り離すことができ、新たな種結晶として再利用する場合に、無転位でシリコン融液に接触して溶融することができる。
また、切り離し工程の図1(f)において、単結晶のシリコン融液からの切り離しは、単結晶の引上速度を徐々に上げて、引上速度が1mm/min以上のときに行うことが好ましい。
このことにより、確実に単結晶の先端部が円錐形状となるようにすることができる。そのため、切り離した単結晶を確実に新たな種結晶として再利用することができ、種結晶の廃棄を防止することができる。
また、切り離し工程において、単結晶の引き上げは、単結晶とシリコン融液との接する部分の単結晶の直径をCCDカメラで検出しつつ、検出した単結晶の直径が所望の直径になるように、単結晶の引き上げた長さに応じて、単結晶の引上速度を自動で制御して行うことが好ましい。
このことにより、容易に単結晶の先端部が円錐形状となるようにすることができる。そのため、容易に切り離した単結晶を再利用可能な種結晶とすることができ、種結晶の交換作業の手間と時間を低減して、単結晶の製造の生産性を向上させることができる。
次に本発明の実施例、比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
CZ法により、直径300mmのシリコン単結晶を製造するため、図4(b)に示すような、1辺20mmの角柱状で先端が尖った先端部を有する種結晶を用意した。そして、図2に示すような引き上げ装置を用いて、図1のフロー図に示すような、以下の手順で単結晶の製造を繰り返した。
まず、種結晶溶融工程において、図2(a)に示すようなルツボ6にシリコン原料500kgを投入し、溶融して、シリコン融液3を形成し、図4(b)に示すような種結晶5を静かにシリコン融液3に接触させた(図1(a))。その後、種結晶5を下降させて、種結晶5を溶融させた(図1(b))。このとき、種結晶5の先端部の直径をCCDカメラ9で検出しつつ、種結晶5を溶融させ、この検出した種結晶5の先端部の直径が結晶育成工程に移行可能な直径8.0mmになったことを確認して、種結晶溶融工程を終了し、次の結晶育成工程に移行した(図1(c))。
次に、結晶育成工程において、単結晶の直径をCCDカメラ9で検出しつつ、単結晶を育成した。そして、図1(d)に示すように、検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径6.5mm以上か、または未満かの判断を行った結果、40回の引き上げのうち、39回はそのまま単結晶棒の育成をすることができたが、1回の引き上げでは、検出した単結晶の直径が6.5mmよりも細くなったため、結晶育成工程を終了して、切り離し工程に移行した。
この切り離し工程において、単結晶の引上速度を徐々に速くして、単結晶を引き上げて、引上速度が1.0mm/minに到達した時点で単結晶をシリコン融液から切り離した(図1(f))。このとき、切り離した単結晶は、図3(b)に示すように、先端部が円錐形状であった。その後、切り離した単結晶をシリコン融液面上に保持して切り離し工程を終了した(図1(g))。このとき、図2(b)に示すように、切り離した単結晶10はシリコン融液面上約1cmに保持した。
その後、シリコン融液の温度を調整した後(図1(h))、切り離した単結晶を新たな種結晶として、再度、種結晶溶融工程、結晶育成工程を行い、結晶育成工程の図1(d)の判断において、単結晶の直径が6.6mm以上であったため、そのまま結晶育成工程を継続して単結晶棒を引き上げて、結晶育成工程を完了し(図1(e))、シリコン単結晶棒を製造した。
このとき、シリコン単結晶の製造に要した時間は、切り離し工程を行わなかったものに比べて3時間の追加であった。また、製造されたシリコン単結晶は無転位であることが確認できた。
さらに、その後、図4(a)〜(d)に示すような形状の種結晶を用いて、図1に示す同様の工程でシリコン単結晶を製造したところ、切り離し工程に移行した場合もあったが、切り離した単結晶は、図3(a)または図3(b)に示すように、先端部が円錐形状であった。その切り離した単結晶のスリップ転位の有無を観察したところ、スリップ転位は観察されなかった。
(比較例)
CZ法により、直径300mmのシリコン単結晶を製造するため、図7に示すような一般的な引き上げ装置を用いて、以下の手順で単結晶を製造した。
まず、種結晶溶融工程として、図7(a)に示すようなルツボにシリコン原料500kgを投入し、溶融して、シリコン融液を形成し、種結晶を静かにシリコン融液に接触させ、その後、種結晶を溶融させた。そして、規定時間、種結晶を溶融させた後、種結晶溶融工程を終了し、次の結晶育成工程に移行した。
次に、結晶育成工程において、単結晶の直径をCCDカメラで検出しつつ、単結晶を育成した。このときの目標の最小直径は6.5mmであったが、6.3mmを最小値として直径が徐々に太くなり始めたため、種結晶を切り離した。
続いて、図7(b)に示すように、種結晶をゆっくりと巻き上げ、ゲートバルブを閉じて、プルチャンバーを大気圧に戻し、種ホルダおよび種結晶を放冷した。その後、種結晶を交換し、プルチャンバーを置換して、均圧後、ゲートバルブを開いた。そして、再度、種結晶溶融工程を行う準備をした。
このとき、既に一回目の種結晶溶融工程を開始後、8時間以上が経過していた。その後、種結晶溶融工程、結晶育成工程を行い、シリコン単結晶を製造した。
また、その後、同様の工程でシリコン単結晶の製造を繰り返し、単結晶の最小直径を測定した。
ここで、図5に実施例および比較例の結晶育成工程移行時の種結晶の直径および育成した単結晶の最小直径の測定結果を示す。図5より、実施例は、結晶育成工程移行時の種結晶の直径のばらつきが小さく、また、単結晶の最小直径が、切り離し工程を行った1回を除いて、単結晶棒の引き上げに必要な直径である6.5mm以上であることがわかる。一方、比較例は、結晶育成工程移行時の種結晶の直径のばらつきが大きく、また、単結晶の最小直径が6.5mm未満の場合が半分程度の割合で存在することがわかる。
以上のことから、本発明のシリコン単結晶の製造方法によれば、精度良く種結晶を所望の直径まで溶融し、再現性良く結晶育成工程に移行することができるので、結晶育成開始時の単結晶の直径の正確さを向上して、単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径よりも細くなることを防止して、シリコン単結晶を製造することができる。
また、仮に単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径よりも細くなった場合であっても、切り離し工程において、単結晶を無転位のまま切り離すことができるので、その切り離した単結晶を新たな種結晶として再利用して、種結晶の廃棄を防止し、種結晶の交換作業の手間と時間を低減して、単結晶の製造の生産性を向上させることができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明のシリコン単結晶の製造方法のフロー図である。 本発明のシリコン単結晶の製造方法において使用する単結晶の引き上げ装置の一例を示す概略図である。 本発明のシリコン単結晶の製造方法において切り離した単結晶の形状を示した図である。 ネッキングを行わないシリコン単結晶の製造方法において使用する種結晶の形状を示した図である。 実施例および比較例の結晶育成工程移行時の種結晶の直径および育成した単結晶の最小直径の測定結果を示す図である。 従来のシリコン単結晶の製造方法において使用する種結晶の形状を示した図である。 従来のシリコン単結晶の製造方法において使用する単結晶の引き上げ装置の概略図である。
符号の説明
1…種ホルダ、 2…ヒーター、 3…シリコン融液、 4…プルチャンバー、 5…種結晶、 6…ルツボ、 7…ベースチャンバー、 8…ワイヤ、 9…CCDカメラ、 10…切り離した単結晶、 20…単結晶の引き上げ装置。

Claims (6)

  1. チョクラルスキー法により、単結晶棒を引き上げてシリコン単結晶を製造する方法において、少なくとも、先端の尖ったシリコン種結晶または尖った先端を切り取った形状のシリコン種結晶を用いて、該種結晶を下降させるか、またはシリコン融液面を上昇させて、前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触させた後、該種結晶を溶融させる種結晶溶融工程と、該種結晶溶融工程の後、前記種結晶を上昇させるか、または前記シリコン融液面を下降させて、ネッキングを行うことなく、シリコン単結晶を育成する結晶育成工程とを有し、
    前記種結晶溶融工程において、前記種結晶の先端部の直径をCCDカメラで検出しつつ、前記種結晶を溶融させ、前記検出した種結晶の先端部の直径が前記結晶育成工程に移行可能な直径になったときに、該種結晶溶融工程を終了して前記結晶育成工程に移行し、
    その後、前記結晶育成工程において、前記単結晶と前記シリコン融液との接する部分の前記単結晶の直径を前記CCDカメラで検出しつつ、前記単結晶を育成し、前記検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径以上の場合には、そのまま結晶育成工程を継続して単結晶棒を引き上げ、
    前記検出した単結晶の直径が前記単結晶棒の引き上げに必要な直径未満の場合には、該結晶育成工程を終了して、前記単結晶を前記シリコン融液から切り離すための切り離し工程に移行し、
    該切り離し工程において、前記単結晶を引き上げて、該単結晶の先端が尖った形状となるようにして、該単結晶を前記シリコン融液から切り離し、該切り離した単結晶を前記シリコン融液面上に保持して該切り離し工程を終了し、
    その後、前記シリコン融液の温度を調整した後、前記切り離した単結晶を新たな種結晶として、再度、種結晶溶融工程、結晶育成工程を行って、単結晶棒を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記種結晶溶融工程において、前記検出した種結晶の先端部の直径が前記結晶育成工程に移行可能な直径になったときに、該種結晶溶融工程を終了して前記結晶育成工程に移行すること、および前記結晶育成工程において、前記検出した単結晶の直径が単結晶棒の引き上げに必要な直径未満の場合には、該結晶育成工程を終了して前記切り離し工程に移行することを自動で行うことを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記種結晶溶融工程において、前記種結晶の溶融は、前記検出した種結晶の先端部の直径に基づいて、前記種結晶の溶融速度を自動で制御して行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記切り離し工程において、前記単結晶の前記シリコン融液からの切り離しは、該切り離した単結晶の先端部が円錐形状となるようにすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  5. 前記切り離し工程において、前記単結晶の前記シリコン融液からの切り離しは、該単結晶の引上速度を徐々に上げて、該引上速度が1mm/min以上のときに行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  6. 前記切り離し工程において、前記単結晶の引き上げは、前記単結晶と前記シリコン融液との接する部分の前記単結晶の直径を前記CCDカメラで検出しつつ、前記検出した単結晶の直径が所望の直径になるように、前記単結晶の引き上げた長さに応じて、前記単結晶の引上速度を自動で制御して行うことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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