JP5217732B2 - 電子部品製造装置及び電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、積層セラミックコンデンサなどの電子部品の製造装置及び製造方法に関し、より詳細には、電極の形成に際し、セラミックグリーンシートの一方面に導電ペーストを印刷するための印刷装置を備える電子部品製造装置及び該電子部品製造装置を用いた電子部品製造方法に関する。
従来、積層セラミックコンデンサなどのセラミック電子部品の製造に際しては、生産性を高めるために、マザーのセラミックグリーンシート上に多数の内部電極集合体である電極パターンを形成する。具体的には、長尺状のセラミックグリーンシート上に導電ペーストを印刷して上記電極パターンを形成する。次に、上記電極パターンを乾燥し、後の工程で焼付けることにより、最終的に電極が形成される。この場合、電極の膜厚を高精度に制御するには、導電ペーストの印刷後の膜厚を高精度に制御しなければならない。
下記の特許文献1には、長尺状のシートの表面にインクを印刷する場合のインク膜厚制御装置が開示されている。特許文献1に記載のインク膜厚制御装置は、表面に印刷領域が設けられた版胴上に所定の膜厚となるように、インクを供給するために、インク練りローラーが設けられている。図8は、このインク練りローラーが設けられている部分を模式的に示す斜視図である。
インク元ローラー101に、複数本のインク練りローラー102が接触されている。各インク練りローラー102には、ヒーター103が内蔵されている。ヒーター103は、電源104により加熱される。電流調整器105により電流量を調整することによりインクへの供給熱量が調整されている。それによって、インク練りローラー102に介して、図示しない版胴に圧接しているインク付ローラー(図示せず)にインク練りローラー102から所定の膜厚に応じた量のインクが供給される。そして、インク付ローラーが、上記所定量のインクを版胴の表面に供給する。ここでは、上記インクの膜厚が、インク練りローラー102におけるインクの温度を調整することにより、制御されている。
他方、下記の特許文献2には、画像処理装置における印刷物の汚れを検出し、汚れが存在している場合、すなわち異常である場合に、画像処理装置に供給されるインクの温度を調整する方法が開示されている。
特開昭61−163859号公報 特開平11−133756号公報
特許文献1に記載のインク膜厚制御装置では、インクの温度と、版胴上におけるインク膜厚との関係が予め求められており、その関係に基づいて、上記インク練りローラー102に供給されるインクの温度が調整されている。
しかしながら、所望の膜厚となるようにインクを塗布するには、インクの粘度も考慮されねばならない。ところが、インクの粘度は、インクのロットによってばらついている。また、経時によりインクが増粘する場合もある。これらの影響により、インクの粘度を一定に保つことは非常に困難であった。そのため、特許文献1に記載のように、単にインクの温度を制御しただけでは、所望の厚みとなるようにインクを印刷することは困難であった。
また、特許文献2では、インクの温度を変更することにより、インクの粘度が調整され、それによって印刷物における汚れが抑制されるとされている。しかしながら、特許文献2では、上記汚れを解消する方法が示されているにすぎず、印刷されるインクの膜厚を制御することについては注意は払われていない。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、導電ペーストをセラミックグリーンシートに印刷するに際し、導電ペーストの乾燥後の厚みを高精度に制御することを可能とする工程を備えた電子部品製造装置及び電子部品の製造方法を提供することにある。
本発明に係る電子部品製造装置は、セラミックグリーンシートを所定の搬送方向に沿って搬送するための搬送手段と、セラミックグリーンシート上に印刷される導電ペーストが貯留されている導電ペースト貯留槽と、前記導電ペーストが供給され、かつ前記セラミックグリーンシート上に電極パターンを形成するための印刷部が表面に設けられた印刷版と、前記搬送装置による搬送方向において前記印刷版よりも下流側に配置されており、前記セラミックグリーンシート上に印刷された導電ペーストを乾燥するための乾燥手段と、前記導電ペーストからなる電極パターンの膜厚を測定する膜厚測定手段と、前記導電ペースト貯留槽に備えられており、かつ前記導電ペースト貯留槽に貯留された導電ペーストの温度を調整するための温度調整手段と、前記膜厚測定手段により得られた膜厚測定値が予め定められた所定の膜厚範囲外の場合に、所定の膜厚範囲内となるように、前記温度調整手段により前記導電ペーストの温度を調整する制御手段とを備え、前記印刷版が、グラビア印刷ロールであり、前記グラビア印刷ロールに、前記セラミックグリーンシートを挟持するように圧接される圧接ロールをさらに備える。
本発明に係る電子部品製造装置のある特定の局面では、前記導電ペースト貯留槽に導電ペーストの粘度を測定するための粘度測定手段が設けられており、前記粘度測定手段から与えられた粘度測定値と、前記膜厚測定装置から得られた膜厚測定値とに基づき、前記制御手段が測定膜厚が前記所定の膜厚範囲内となるように、前記導電ペーストの温度を調整する。この場合には、膜厚測定値だけでなく、導電ペーストの粘度測定値をも考慮して、導電ペーストの膜厚が制御されるため、導電ペーストの乾燥後の膜厚をより一層高精度に制御することができる。
本発明に係る電子部品製造装置では、前記温度調整手段が、前記導電ペースト貯留槽が備えられている。従って、ペースト貯留槽に余裕をもってヒーターや冷却手段を設けることができる。
本発明に係る電子部品製造装置では、前記印刷版が、グラビア印刷ロールであり、前記グラビア印刷ロールに、前記セラミックグリーンシートを挟持するように圧接される圧接ロールがさらに備えられている。従って、グラビア印刷法により、高い生産性で、膜厚が高精度に制御された電極パターンを形成することができる。
本発明に係る電子部品製造装置のさらに別の特定の局面では、前記温度調整手段が前記グラビア印刷ロール上の導電ペーストの温度を調整するように設けられている。この場合には、グラビア印刷ローラー自体の印刷領域の導電ペーストの温度が調整されるため、セラミックグリーンシートに印刷される導電ペーストの温度をより厳格に制御することができる。
本発明に係る電子部品製造装置のさらに別の特定の局面では、前記温度調整手段が前記圧接ロールに備えられている。この場合には、構造が単純な圧接ロール側に温度調整手段を設ければよいため、温度調整手段を無理なく設けることができる。
本発明に係る電子部品の製造方法は、セラミックグリーンシートを所定の搬送方向に沿って搬送を開始する工程と、前記セラミックグリーンシートに印刷される電極パターンに応じた印刷部が形成されている印刷版を用い、導電ペーストを前記セラミックグリーンシートの一方面に印刷する工程と、前記導電ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを乾燥する工程と、前記導電ペーストの乾燥後に、導電ペーストが乾燥することにより得られた電極パターンの膜厚を測定する工程と、前記膜厚の測定値に基づき、該膜厚測定値が所定の膜厚範囲外にある場合、予め求められた導電ペーストの粘度と温度との関係に基づき、膜厚測定値が所定の膜厚範囲内となるように導電ペーストの温度を調整する工程とを備え、前記導電ペーストを前記セラミックグリーンシートに転写により印刷するに際し、印刷版としてグラビア印刷ロールを用い、前記導電ペースト貯留槽の温度を調整し、温度調整された前記導電ペーストをグラビア印刷ロールに付着させる。
本発明に係る電子部品の製造方法のある特定の局面では、前記導電ペーストの粘度を測定する工程をさらに備え、前記導電ペーストの粘度測定値及び前記導電ペーストが乾燥されて形成された電極パターンの膜厚測定値の双方に基づき、前記導電ペーストの温度を調整する。この場合には、粘度測定値をも利用して導電ペーストの乾燥後の膜厚をより高精度に制御することができる。
本発明に係る電子部品製造装置では、セラミックグリーンシートに導電ペーストを印刷するにあたり、導電ペーストの乾燥後の膜厚が所定の膜厚範囲外にある場合に、予め求められた導電ペーストの温度と粘度との関係に基づき、該導電ペーストの温度が、制御されるため、導電ペーストの乾燥後の厚みを高精度に制御することが可能となる。特に、使用される導電ペーストの粘度がロット間でばらついていたり、あるいは経時により増粘が生じていたとしても、本発明によれば、現に使用している導電ペーストに応じて、乾燥後の導電ペーストすなわち電極パターン膜厚を高精度に制御することができるので、膜厚精度の高い電極パターンを確実に形成することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態において、マザーのセラミックグリーンシート上に導電ペーストを印刷し、電極パターンを形成する工程を説明するための概略構成図であり、(b)は、マザーのセラミックグリーンシート上に導電ペーストが塗布され、乾燥されて、焼成前の電極が構成されている状態を示す模式的断面図である。また、図2は、本実施形態の製造方法を説明するためのフロー図である。
本実施形態では、電子部品として積層セラミックコンデンサが製造される。周知のように、積層セラミックコンデンサの製造に際しては、図3に示すように、支持フィルム1上において、複数枚のセラミックグリーンシート2,3を順次積層する。セラミックグリーンシート2,3上には、図示のように、導電ペーストの塗布、及び乾燥により、電極パターン5,6が形成されている。
このような電極パターンが印刷された複数枚のセラミックグリーンシートを積層することにより、図4に示すように、マザーの積層体7が得られる。マザーの積層体7を得た後に、マザーの積層体7を厚み方向に加圧し、次に、厚み方向に切断する。それによって、個々の積層セラミックコンデンサ単位の積層体を得る。
得られた積層体を焼成することにより、図5に示す積層型のセラミック焼結体8が得られる。この焼結体8においては、複数の第1の内部電極9と、複数の第2の内部電極10とがセラミック層を介して重なり合っている。そして、上記積層セラミック焼結体8の両端面に外部電極11,12を形成することにより、積層セラミックコンデンサ13が得られる。
ところで、上記内部電極9,10は、マザーのセラミックグリーンシート2,3の段階で、マザーのセラミックグリーンシート2,3上に形成された電極パターン5,6に由来するものである。第1,第2の内部電極9,10の対向部により、静電容量が取り出される。
従って、電極パターン5,6は高精度に形成されねばならない。すなわち、電極パターン5,6の形成位置だけでなく、厚みも高精度に制御されねばならない。
本実施形態の製造方法は、上記セラミックグリーンシート2,3上に電極パターン5,6を形成する工程に特徴を有する。これを図1(a),(b)及び図2を参照してより具体的に説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態で用いられる製造装置21では、搬送装置22により、セラミックグリーンシート2が図示の矢印方向A方向に搬送される。マザーのセラミックグリーンシート2は搬送に耐え得る強度を有しないので、実際には、図1(b)に示すように、セラミックグリーンシート2は支持フィルム23に支持された状態で矢印A方向に搬送される。図1(a)では、支持フィルム23の図示は煩雑になるため省略することとする。しかし、セラミックグリーンシート2の導電ペーストが印刷される面は図1(a)では下面となるように、セラミックグリーンシート2の上面側に支持フィルム23が位置している。
搬送装置22としては、巻き取りロール24を回転駆動する適宜の回転駆動源を用いることができる。巻き取りロール24を回転することによりセラミックグリーンシート2を矢印A方向に搬送することができる。もっとも、搬送装置22は、巻き取りロール24を回転駆動する駆動源に限らず、長尺状のセラミックグリーンシート2を矢印A方向に移動し得る限り、適宜の駆動源により形成することができる。
上記搬送方向Aの途中に、ロール25が設けられており、ロール25よりも進行方向前方に、グラビアロール26と圧接ロール27とを有する。印刷装置が配置されている。ここでは、グラビアロール26の外表面に、印刷すべき電極パターンに応じた印刷領域が形成されている。グラビアロール26は、図示の矢印で示すように反時計方向に回転駆動される。他方、圧接ロール27は、図示の矢印で示すように、時計方向に回転駆動される。グラビアロール26及び圧接ロール27の双方が回転駆動されてもよく、一方のみが回転駆動され、他方は回転自在に配置されていてもよい。いずれにしても、支持フィルム23に積層されたセラミックグリーンシート2が、グラビアロール26と圧接ロール27との間を通過する。この場合、支持フィルム23側が圧接ロール27に接触し、セラミックグリーンシート2の一方面がグラビアロール26の外表面に接触される。
他方、グラビアロール26の下方部分は、導電ペースト貯留槽28に貯留されている導電ペースト29に浸漬されている。従って、グラビアロール26が図示の矢印で回転駆動されると、導電ペースト29がグラビアロール26の外表面に付着し、印刷領域に導電ペースト29が供給される。余分な導電ペーストを掻き取るために、スクレパー30がグラビアロール26の外表面と所定の隙間を隔てて配置されている。この所定の隙間は、導電ペーストの付着膜厚を制御するために設けられている。すなわち、セラミックグリーンシート2の片面に塗布する導電ペーストの量を、目的とする膜厚に応じてスクレパー30とグラビアロール26の外表面との間の距離が設定されている。
他方、導電ペースト貯留槽28内の導電ペースト29の温度を測定する温度測定装置31が設けられている。温度測定装置31のセンサー部31aは、導電ペースト29に浸漬されている。温度測定装置31は、センサー部31aにより導電ペースト29の温度を検出する。そして、この温度に応じた電気信号を出力する。センサー部31aとしては、熱電対などの公知の感温素子を用いることができる。
導電ペースト29の粘度を測定するための粘度測定装置32も設けられている。粘度測定装置32は、センサー部32aを有し、該センサー部32aが、導電ペースト貯留槽28内の導電ペースト29に浸漬されている。粘度測定装置32は、導電ペースト貯留槽28内の導電ペースト29の粘度を測定し、粘度測定値に応じた電気信号を出力する。粘度測定装置32としては、B型粘度計などの公知の粘度センサーを用いることができる。
また、上記グラビアロール26及び圧接ロール27の下流側には、乾燥炉33が配置されている。乾燥炉33は、セラミックグリーンシート2上に印刷された導電ペーストを乾燥し、電極パターン5を形成する。乾燥炉33は、ゾーン型加熱炉などの適宜の加熱装置により形成することができる。また、加熱装置に加えて、送風装置が配置されていてもよい。
乾燥炉33の下流側において、膜厚測定手段としての膜厚センサ34が配置されている。膜厚センサ34は、乾燥後の電極パターン5の厚みを測定し、膜厚測定値に応じた電気信号を出力する。膜厚センサ34として、レーザー変位計などの光学センサやX線膜厚計などの適宜の厚みセンサを用いることができる。
制御装置35が、上記温度測定装置31、粘度測定装置32及び膜厚センサ34に電気的に接続されている。制御装置35は、搬送装置22にも電気的に接続されている。
さらに、制御装置35には、温度調整装置37が電気的に接続されている。温度調整装置37は、本実施形態では、導電ペースト貯留槽28に貯留されている導電ペースト29を加温するヒーターと、冷却する冷却媒体吹き込み装置とを備える加熱/冷却装置である。
上記温度調整装置37は、制御装置35の指令により、導電ペースト29を加温したり、または冷却したりする。制御装置35には、予め導電ペースト29の粘度と温度との関係が記憶されている。
次に、本実施形態の電子部品製造装置21を用いて、セラミックグリーンシート2上に導電ペースト29を印刷し、電極パターン5を形成する具体的な方法を説明する。
先ず、図2に示すように、ステップS1において、制御装置35からの電気信号により、搬送装置22が駆動され、セラミックグリーンシート2の搬送が開始される。
次に、ステップS2において、セラミックグリーンシート2の片面に導電ペースト29が転写され、印刷される。しかる後、ステップS3において、印刷された導電ペーストが乾燥炉33で乾燥される。
次に、制御装置35からの電気信号に基づき、膜厚センサ34が搬送されてきた電極パターン5の膜厚を、すなわち乾燥後の導電ペーストの膜厚を測定する。膜厚センサ34は、膜厚測定値に応じた電気信号を制御装置35に与える。制御装置35は、ステップS5において、膜厚測定値が予め定められた目標膜厚範囲内か否かを判断する。測定された膜厚が目標膜厚範囲内である場合には、ステップS6において電極パターン5が形成されたセラミックグリーンシートが巻き取りロール24に巻き取られる。
他方、ステップS5において、測定膜厚が目標膜厚範囲外である場合には、ステップS7において導電ペースト29の温度及び粘度を測定する。
図6は、導電ペースト29の粘度と温度との関係を示す図であり、この粘度と温度との関係が、制御装置35に予め記憶されている。
図7は、導電ペースト29の粘度と、乾燥炉33通過した後の導電ペースト乾燥物、すなわち電極パターン5の膜厚との関係を示す図である。所望の膜厚範囲を得るには、導電ペーストの粘度を所定の粘度範囲とすればよいことがわかる。導電ペーストの粘度が高いと、印刷時にグラビアロール26の外表面に導電ペーストが残り、転写された導電ペーストの膜厚が薄くなる傾向がある。次に、ステップS8において、温度調節が行われる。ステップS7において測定されていた導電ペーストの温度及び粘度と、制御装置35に予め記憶されていた導電ペースト29の温度と粘度との関係から、測定膜厚が目標膜厚範囲よりも大きい場合には、粘度を低くするように導電ペースト29を冷却する。逆に、測定膜厚が目標膜厚範囲よりも薄い場合には、粘度を高める必要があるため、制御装置35は、温度調整装置37に導電ペースト29を加温する電気信号を与える。それによって、温度調整装置37は導電ペースト29を加温する。
本実施形態では、粘度測定装置32により、粘度も測定される。すなわち、膜厚測定値と、使用している導電ペースト29の実際の粘度をも考慮して、所定の膜厚範囲内となるように、導電ペースト29の温度が調節される。この場合、測定膜厚が所望の膜厚よりも大きい場合には、導電ペースト29の粘度を低める必要があるが、導電ペースト29の実際の粘度を粘度測定装置32により測定し、測定された粘度と、予め記憶されていた粘度温度との関係に基づき、所望の膜厚範囲内となるように粘度を低めればよい。すなわち、測定された粘度と、所望の膜厚範囲となる粘度の差に応じて、温度調整装置37により加温すればよい。逆に、測定膜厚が所望とする膜厚範囲よりも低い場合には、所望とする膜厚範囲を実現する粘度と、測定粘度との間の差に応じて導電ペースト29を冷却すればよい。
もっとも、本発明においては、粘度測定装置32を用いて粘度をも考慮して導電ペーストの温度調節を行う必要が必ずしもなく、前述した測定膜厚と、予め求められた粘度と温度との関係に基づいてのみ、導電ペースト29の温度を調節してもよい。
しかる後、ステップS2に戻り、再度印刷、乾燥、及び膜厚測定が行われ、測定膜厚がステップS5において目標膜厚範囲内か否かが判断される。この工程を繰り返すことにより、測定膜厚が目標膜厚範囲内にある場合のみ、ステップS6に進み、セラミックグリーンシート2が巻き取られる。
従って、本実施形態の製造方法によれば、電極パターン5の膜厚を確実に目標膜厚範囲内とすることができる。従って、乾燥後の膜厚が高精度に制御された電極パターン5を得ることができ、それによって電気的特性のばらつきが少ない積層コンデンサを得ることができる。前述したように、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品では、電極の形成位置だけでなく、電極の厚み等により電気的特性が変動する。また、使用する導電ペースト29は、ロットによって粘度や性状が異なる。さらに、保管中に導電ペースト29が増粘することもある。
本実施形態の製造方法によれば、現に使用されている導電ペースト29の温度と粘度との関係に基づき、実際に印刷され乾燥された後の電極パターンの厚みに基づいて、使用している導電ペースト29の温度が調節される。従って、導電ペースト29の粘度のばらつきのいかんに関わらず、セラミックグリーンシート2の片面に目標膜厚範囲内の電極パターン5を確実に形成することができる。
上記実施形態では、温度調整装置37は、導電ペースト貯留槽28内の導電ペースト29を加温もしくは冷却していたが、グラビアロール26の外表面に供給された導電ペーストを直接加温または冷却する温度調整装置を用いてもよい。あるいは、図1(a)に破線Bで接続されているように、圧接ロール27を加温もしくは冷却する温度調整装置41を用いてもよい。
いずれにしても、セラミックグリーンシート2の片面に転写される導電ペーストの温度を調整し得る限り、導電ペースト29を転写する時点、及び転写する時点よりも前の段階のいずれの位置に温度調整装置が配置されてもよい。
上記のようにして、厚みが高精度に制御された電極パターン5がセラミックグリーンシート2上に形成されることになる。この工程を順次繰り返すことにより、前述したように、導電ペーストからなる電極パターンが印刷された複数枚のマザーのセラミックグリーンシートを用意し、積層セラミックコンデンサを製造することができる。
上記のように、インラインフィードバック制御により、電極パターンの膜厚が高精度に制御されるため、同じ巻き取りロール24に巻き取られた長尺状のセラミックグリーンシート2における電極パターン5のばらつきを制御することができる。また、グラビアロール26を用いた印刷方法であるため、印刷版を多数配置する必要がないため、製造コストを低くすることができる。
また、ロット間での導電ペーストの粘度のばらつきが大きいため、従来の印刷装置を用いた場合には、試し塗りを何度も行わねばならなかった。そのため、試し塗り及び乾燥後の膜厚の確認作業が非常に煩雑であった。これに対して、本実施形態ではこのような煩雑な試し塗り及び膜厚確認作業を省略することができ、生産性を大幅に高めることが可能となる。
また、従来の製造方法では、導電ペーストの印刷形状が目標とする形状からずれた場合、印刷工程を一旦停止し、グラビアロールなどの印刷版を交換したりしなければならなかった。これに対し、本実施形態では、インラインで塗布厚みを制御することができるので、印刷版の交換に伴う駆動停止作業が不要となる。従って、製造装置の稼働率も大幅に高められる。
なお、上記実施形態では、導電ペーストを転写する装置すなわち導電ペースト印刷装置として、グラビアロール26を用いたグラビア印刷装置を示したが、本発明は、グラビア印刷装置に限らず、他の印刷装置を用いてもよい。もっとも、グラビア印刷装置を用いたグラビア印刷法を用いることにより、長尺状のセラミックグリーンシート2の片面に連続的に、かつ効率良く電極パターンを形成することができる。従って、グラビアロール26を用いたグラビア印刷法が望ましい。
なお、上記実施形態では、積層セラミックコンデンサの製造方法及び製造装置につき説明したが、セラミック多層基板や他のセラミック電子部品の製造方法を一般に本発明を適用することができる。また、電極パターンについても、内部電極を形成する電極パターンに限らず、セラミック基板の表面に形成される導電ペーストの塗布・焼き付けにより得られる電極パターンにも本発明を適用することができる。
(a)は本発明の一実施形態の電子部品の概略構成図であり、(b)はセラミックグリーンシート上に導電ペーストからなる電極パターンが形成されている状態を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態の電子部品の製造工程を説明するためのフロー図である。 本発明の一実施形態が適用される積層セラミックコンデンサにおいて、マザーのセラミックグリーンシートを積層していく工程を説明するための正面断面図である。 本発明の一実施形態が適用される積層セラミックコンデンサの製造方法において得られるマザーのセラミック積層体を示す正面断面図である。 本発明の一実施形態により得られる積層セラミックコンデンサの模式的正面断面図である。 導電ペーストの温度と粘度との関係を示す図である。 導電ペーストの粘度と、印刷された導電ペースト乾燥後の膜厚との関係を示す図である。 従来の印刷装置の要部を説明するための略図的斜視図である。
符号の説明
1…支持フィルム
2,3…セラミックグリーンシート
5,6…電極パターン
7…積層体
8…セラミック焼結体
9,10…内部電極
11,12…外部電極
13…積層セラミックコンデンサ
21…製造装置
22…搬送装置
23…支持フィルム
24,25…ロール
26…グラビアロール
27…圧接ロール
28…導電ペースト貯留槽
29…導電ペースト
30…スクレパー
31…温度測定装置
31a…センサー部
32…粘度測定装置
33…乾燥炉
34…膜厚センサ
35…制御装置
37…温度調整装置
41…温度調整装置

Claims (6)

  1. セラミックグリーンシートを所定の搬送方向に沿って搬送するための搬送手段と、
    セラミックグリーンシート上に印刷される導電ペーストが貯留されている導電ペースト貯留槽と、
    前記導電ペーストが供給され、かつ前記セラミックグリーンシート上に電極パターンを形成するための印刷部が表面に設けられた印刷版と、
    前記搬送装置による搬送方向において前記印刷版よりも下流側に配置されており、前記セラミックグリーンシート上に印刷された導電ペーストを乾燥するための乾燥手段と、
    前記導電ペーストからなる電極パターンの膜厚を測定する膜厚測定手段と、
    前記導電ペースト貯留槽に備えられており、かつ前記導電ペースト貯留槽に貯留された導電ペーストの温度を調整するための温度調整手段と、
    前記膜厚測定手段により得られた膜厚測定値が予め定められた所定の膜厚範囲外の場合に、所定の膜厚範囲内となるように、前記温度調整手段により前記導電ペーストの温度を調整する制御手段とを備え、前記印刷版が、グラビア印刷ロールであり、前記グラビア印刷ロールに、前記セラミックグリーンシートを挟持するように圧接される圧接ロールをさらに備える、電子部品製造装置。
  2. 前記導電ペースト貯留槽に導電ペーストの粘度を測定するための粘度測定手段が設けられており、前記粘度測定手段から与えられた粘度測定値と、前記膜厚測定装置から得られた膜厚測定値とに基づき、前記制御手段が、測定膜厚が前記所定の膜厚範囲内となるように、前記導電ペーストの温度を調整する、請求項1に記載の電子部品製造装置。
  3. 前記温度調整手段が前記グラビア印刷ロール上の導電ペーストの温度を調整するように設けられている、請求項に記載の電子部品製造装置。
  4. 前記温度調整手段が前記圧接ロールに備えられている、請求項に記載の電子部品製造装置。
  5. セラミックグリーンシートを所定の搬送方向に沿って搬送を開始する工程と、
    前記セラミックグリーンシートに印刷される電極パターンに応じた印刷部が形成されている印刷版を用い、導電ペーストを前記セラミックグリーンシートの一方面に印刷する工程と、
    前記導電ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを乾燥する工程と、
    前記導電ペーストの乾燥後に、導電ペーストが乾燥することにより得られた電極パターンの膜厚を測定する工程と、
    前記膜厚の測定値に基づき、該膜厚測定値が所定の膜厚範囲外にある場合、予め求められた導電ペーストの粘度と温度との関係に基づき、膜厚測定値が所定の膜厚範囲内となるように導電ペーストの温度を調整する工程とを備え、前記導電ペーストを前記セラミックグリーンシートに転写により印刷するに際し、印刷版としてグラビア印刷ロールを用い、前記導電ペースト貯留槽の温度を調整し、温度調整された前記導電ペーストをグラビア印刷ロールに付着させることを特徴とする、電子部品の製造方法。
  6. 前記導電ペーストの粘度を測定する工程をさらに備え、前記導電ペーストの粘度測定値及び前記導電ペーストが乾燥されて形成された電極パターンの測定膜厚の双方に基づき、前記導電ペーストの温度を調整する、請求項に記載の電子部品の製造方法。
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