JP2001203123A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

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JP2001203123A
JP2001203123A JP2000011371A JP2000011371A JP2001203123A JP 2001203123 A JP2001203123 A JP 2001203123A JP 2000011371 A JP2000011371 A JP 2000011371A JP 2000011371 A JP2000011371 A JP 2000011371A JP 2001203123 A JP2001203123 A JP 2001203123A
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conductive paste
ceramic green
green sheet
ceramic
film
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Haruhiko Mori
治彦 森
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層セラミック電子部品を製造するにあたっ
て、内部回路要素膜となるべき導電性ペースト膜を高い
パターン精度をもって形成できるようにする。 【解決手段】 セラミックグリーンシート12上に内部
回路要素膜となるべき導電性ペースト膜16を形成する
にあたって、少なくとも版面2の部分がゴム硬度60〜
90度のゴムからなる転写版1を用いたグラビアオフセ
ット印刷を適用する。次いで、導電性ペースト膜16が
形成されたセラミックグリーンシート12の上に、別の
セラミックグリーンシートを積み重ね、これら導電性ペ
ースト膜形成工程とセラミックグリーンシート積み重ね
工程とを繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層セラミック
電子部品の製造方法に関するもので、特に、セラミック
グリーンシートを積み重ねながら、各セラミックグリー
ンシート上に内部回路要素膜のための導電性ペーストを
印刷する工程が繰り返される、積層セラミック電子部品
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】積層セラミック電子部品として、代表的
には、積層セラミックコンデンサがあり、その他、積層
セラミックインダクタ、積層型セラミックLCフィル
タ、多層セラミック回路基板等がある。これら積層セラ
ミック電子部品は、基本的には、複数のセラミック層と
セラミック層の特定の界面に沿って形成される内部回路
要素膜とを備えるもので、実質的に同様の製造方法によ
って製造されることができる。
【0003】積層セラミックコンデンサの製造方法につ
いて説明すると、まず、複数枚のセラミックグリーンシ
ートが用意され、これらセラミックグリーンシートの特
定のものの上に、内部回路要素膜としての内部電極とな
るべき導電性ペースト膜がたとえばスクリーン印刷によ
って形成される。次いで、これらセラミックグリーンシ
ートが積み重ねられ、積み重ね方向にプレスされること
によって、生の積層体が作製される。次いで、この生の
積層体は、個々の積層セラミックコンデンサのための積
層体チップとなるべき大きさに切断された後、焼成工程
に付され、最終的に外部電極が形成されることによっ
て、積層セラミックコンデンサが完成される。
【0004】このような積層セラミックコンデンサにお
いて、その小型化かつ大容量化に対する要求を満足させ
るためには、セラミックグリーンシートおよび内部電極
の積層数の増大およびセラミックグリーンシートの薄層
化を図ることが必要となってくる。
【0005】しかしながら、上述のように内部電極とな
るべき導電性ペースト膜を形成したセラミックグリーン
シートを積み重ねる工程を採用する場合、セラミックグ
リーンシートのハンドリングにあたっての歪みや導電性
ペースト膜の印刷にあたってのずれやセラミックグリー
ンシートの積み重ねにあたってのずれなどが原因となっ
て、内部電極の位置ずれや歪みが比較的生じやすい。ま
た、このような内部電極の位置ずれや歪みは、前述した
ように、多層化および薄層化が進めば進むほど、より生
じやすくなる。
【0006】このような問題を解決するため、セラミッ
クグリーンシートを積み重ね、その後、各セラミックグ
リーンシート上に内部電極のための導電性ペーストを印
刷する工程を繰り返すことによって、生の積層体を作製
する方法が提案されている。この方法によれば、セラミ
ックグリーンシートのハンドリングにあたっての歪みや
セラミックグリーンシートの積み重ねにあたってのずれ
が、内部電極の位置ずれや歪みにほとんど反映されない
ので、内部電極のこれら位置ずれや歪みをより生じにく
くすることができる。
【0007】上述のように、セラミックグリーンシート
を積み重ねながら、内部電極のための導電性ペースト膜
を形成する工程を採用する場合には、導電性ペースト膜
の印刷精度が重要であり、この印刷精度を高めるため、
グラビア印刷を用いることが、たとえば特開平10−2
7725号公報に記載されている、
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したグラビア印刷
は、なるほど、内部電極のための導電性ペースト膜を形
成するにあたっての印刷精度を高めることができるが、
このようなグラビア印刷を単に採用しただけでは、積層
セラミックコンデンサないしは積層セラミック電子部品
の製造といった特定の技術分野に適用されるとき、すべ
ての問題を解決できるわけではない。
【0009】すなわち、たとえば積層セラミックコンデ
ンサにおいて、前述したように多層化および薄層化が進
むと、セラミックグリーンシートを積み重ねながら、各
セラミックグリーンシート上に内部電極のための導電性
ペースト膜を印刷により形成することを繰り返したと
き、導電性ペースト膜の各厚みが累積し、そのため、導
電性ペースト膜が位置する部分とそうでない部分との
間、あるいは、導電性ペースト膜が積み重ね方向に比較
的多数配列されている部分とそうでない部分との間での
厚みの差が無視できなくなり、この厚みの差が原因とな
って、セラミックグリーンシートの表面に比較的大きな
段差がもたらされることがある。
【0010】上述のようなセラミックグリーンシートの
表面は、導電性ペースト膜が印刷により形成されるべき
面となるものであるので、ここに段差が形成されると、
印刷されるべき面の平面性が阻害され、たとえグラビア
印刷を適用しても、導電性ペースト膜を高い精度で形成
することができない場合がある。
【0011】以上、積層セラミックコンデンサに関連し
て説明を行なったが、同様の問題は、積層セラミックコ
ンデンサ以外の積層セラミック電子部品においても遭遇
し得る。
【0012】そこで、この発明の目的は、上述したよう
な問題を解決し得る、積層セラミック電子部品の製造方
法を提供しようとすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、グラビアオ
フセット印刷を実施するための転写版を用意する工程
と、複数枚のセラミックグリーンシートを用意する工程
と、保持台上に少なくとも1枚の第1のセラミックグリ
ーンシートを配置する工程と、転写版を用いたグラビア
オフセット印刷によって、第1のセラミックグリーンシ
ート上に内部回路要素膜となるべき導電性ペースト膜を
形成する、導電性ペースト膜形成工程と、導電性ペース
ト膜が形成された第1のセラミックグリーンシートの上
に第2のセラミックグリーンシートを積み重ねる、積層
工程とを備えるとともに、導電性ペースト膜形成工程と
積層工程とを所定回数繰り返すことによって、積層体を
形成する工程を備える、積層セラミック電子部品の製造
方法に向けられるものであって、上述した技術的課題を
解決するため、グラビアオフセット印刷を実施するため
の転写版として、少なくとも版面部分がゴム硬度60〜
90度のゴムからなるものを用いることを特徴としてい
る。
【0014】この発明において、上述した積層工程は、
キャリアフィルムによって裏打ちされた第2のセラミッ
クグリーンシートを、キャリアフィルムが外側に向く状
態で、第1のセラミックグリーンシートの上に積み重ね
る工程と、第2のセラミックグリーンシートを第1のセ
ラミックグリーンシートに向かって圧着させる工程と、
次いで、キャリアフィルムを剥離する工程とを備えるこ
とが好ましい。
【0015】また、この発明において、前述した導電性
ペースト膜形成工程の後であって、積層工程の前に、第
1のセラミックグリーンシート上の導電性ペースト膜が
形成されていない領域に、セラミックスラリーを塗布す
る工程をさらに備えることが好ましい。
【0016】上述のように、セラミックスラリーを塗布
するにあたって、セラミックスラリーをグラビア印刷に
よって塗布するようにすることがより好ましい。
【0017】また、上述のように、セラミックスラリー
をグラビア印刷によって塗布する場合には、このセラミ
ックスラリーの塗布にあたっても、さらに好ましくは、
少なくとも版面部分がゴム硬度60〜90度のゴムから
なる転写版を用いるグラビアオフセット印刷が適用され
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1ないし図8は、この発明の実
施形態を説明するためのものである。図示した実施形態
は、積層セラミック電子部品としての積層セラミックコ
ンデンサの製造方法に向けられるものである。
【0019】図1には、グラビアオフセット印刷を実施
するために用いられる転写版1が示されるとともに、こ
の転写版1の版面2上に導電性ペースト3を付与するた
めの平版4が示されている。
【0020】平版4には、内部電極となるべき導電性ペ
ースト膜のパターンに対応するパターンをもって、複数
の溝5が設けられている。各溝5内には、導電性ペース
ト3が充填される。なお、図示しないが、溝5以外の部
分に付着した導電性ペースト3は、たとえばドクターブ
レードによって掻き取られる。
【0021】上述した平版4の溝5が設けられた面上に
おいて、矢印6で示すように、転写版1が転動される。
これによって、転写版1の版面2上に、溝5内の導電性
ペースト3が転写される。このとき、転写を促進するた
め、導電性ペースト3が適当な温度に加熱されてもよ
い。
【0022】上述したような転写版1の版面2上に導電
性ペースト3を付与する方法として、図2に示すような
方法が採用されてもよい。
【0023】図2を参照して、転写版1の版面2上に導
電性ペースト3を付与するため、ロール版7が用いられ
る。ロール版7は、導電性ペースト3を収容する槽8内
において、その少なくとも一部が導電性ペースト3に浸
漬するように配置される。
【0024】ロール版7の周面には、内部電極となるべ
き導電性ペースト膜のパターンに対応するパターンをも
って、複数の溝9が設けられている。したがって、ロー
ル版7が、たとえば矢印10方向へ回転することによっ
て、各溝9内には、導電性ペースト3が充填される。な
お、図示しないが、溝9以外の部分に付着した導電性ペ
ースト3は、たとえばドクターブレードによって掻き落
とされる。
【0025】上述のようなロール版7の周面に対して、
その版面2が接するように、転写版1が配置される。こ
の状態で、ロール版7が矢印10方向に回転されるとと
もに、転写版1が矢印11方向に回転される。これによ
って、溝9内の導電性ペースト3は、転写版1の版面2
上に転写される。なお、この転写を促進するため、導電
性ペースト3が適当な温度に加熱されてもよい。
【0026】図1に示した方法と図2に示した方法との
間には、実質的な差はないが、図1に示した方法によれ
ば、平版7を用いるので、この平版7に溝5をたとえば
エッチングによって形成することが容易であり、そのた
め、溝5のパターン精度を高めることが容易であるとい
う利点を有し、図2に示した方法では、ロール版7を用
いるので、溝9内の導電性ペースト3を転写版1の版面
2側に転写する工程を能率的に行なえるという利点を有
している。
【0027】図1に示した方法あるいは図2に示した方
法によって、版面2上に導電性ペースト3が所定のパタ
ーンをもって付与された転写版1が、図3に示されてい
る。このように、転写版1の版面2上に付与された導電
性ペースト3は、好ましくは、転写版1上で半乾燥状態
とされる。これは、後述するように、導電性ペースト3
をセラミックグリーンシート12上に付与したとき、導
電性ペースト3に含まれる余分な溶剤によって、セラミ
ックグリーンシート12が不所望にも膨潤しないように
するためである。
【0028】このような転写版1において、その少なく
とも版面2の部分は、ゴム硬度60〜90度のゴムから
構成されることを特徴としている。図面では、転写版1
を一体物として図示したが、このようなゴムによって、
転写版1の全体が構成されても、版面2の部分のみが構
成されてもよい。
【0029】他方、図3にその1枚を図示するように、
複数枚のセラミックグリーンシート12が用意される。
セラミックグリーンシート12は、たとえば、キャリア
フィルム13(図6および図7参照)上で、ドクターブ
レード法、リバースロール法、ダイコーター法等を適用
することによって成形され、たとえば1〜5μmの厚み
とされる。
【0030】次に、図3に示すように、保持台14上に
セラミックグリーンシート12が配置される。図3で
は、単に1枚のセラミックグリーンシート12を図示し
たが、必要に応じて、複数枚のセラミックグリーンシー
ト12が積層された状態で配置されてもよい。
【0031】保持台14は、図示しないが、真空吸引に
基づく吸着によって、セラミックグリーンシート12を
位置決めする機能を有している。図3においては、セラ
ミックグリーンシート12と保持台14との間に位置さ
れたカバーシート15が図示されている。カバーシート
15は、保持台14に設けられた真空吸引穴(図示せ
ず。)を介しての真空吸引によってセラミックグリーン
シート12が不所望に変形することを防止する。また、
カバーシート15として、これを特別に用意するのでは
なく、その上でセラミックグリーンシート12の成形を
実施した前述のキャリアフィルム13をそのまま用いて
もよい。
【0032】カバーシート15として、キャリアフィル
ム13が用いられない場合には、セラミックグリーンシ
ート12をカバーシート15に加熱しながら圧着させる
工程が実施されることが好ましい。この場合、キャリア
フィルム13は、セラミックグリーンシート12の圧着
工程の後で剥離されても、圧着工程の前に剥離されても
よい。
【0033】次に、図4に示すように、転写版1を用い
たグラビアオフセット印刷によって、セラミックグリー
ンシート12上に内部電極となるべき導電性ペースト膜
16が形成される。より詳細には、転写版1が、矢印1
7で示すように、セラミックグリーンシート12上で転
動されることによって、転写版1の版面2上に所定のパ
ターンをもって付与された導電性ペースト3が、セラミ
ックグリーンシート12上に転写され、それによって、
所定のパターンを有する導電性ペースト膜16がセラミ
ックグリーンシート12上に形成される。
【0034】図4に示した工程において、転写版1から
セラミックグリーンシート12への導電性ペースト3の
転写を促進するため、導電性ペースト3あるいは転写版
1が加熱されてもよい。
【0035】図4に示した工程を終えた後、導電性ペー
スト膜16は乾燥される。
【0036】次に、図5に示すように、セラミックグリ
ーンシート12上の導電性ペースト膜16が形成されて
いない領域に、セラミックスラリー18が塗布され、半
乾燥状態とされる。このセラミックスラリー18は、セ
ラミックグリーンシート12に含まれるセラミック成分
と実質的に同じセラミック成分を含んでいることが好ま
しい。セラミックスラリー18の塗布は、導電性ペース
ト膜16の形成によってもたらされる段差を吸収するの
に効果的である。
【0037】上述したセラミックスラリー18の塗布に
あたっては、たとえばスクリーン印刷を適用することも
可能であるが、好ましくは、グラビア印刷が適用され、
より好ましくは、グラビアオフセット印刷が適用され
る。図5には、グラビアオフセット印刷を適用しなが
ら、セラミックスラリー18を塗布している状態が示さ
れている。
【0038】すなわち、セラミックスラリー18の塗布
のための転写版19が用意され、この転写版19の版面
20上には、前述の図1または図2に示した導電性ペー
スト3の付与の場合と実質的に同様の方法によって、セ
ラミックスラリー18が、導電性ペースト膜16のネガ
ティブパターンをもって付与され、半乾燥状態とされ
る。そして、導電性ペースト膜16の位置をセンシング
して、転写版19を適正な位置にもたらした状態で、矢
印21で示すように、転写版19が、導電性ペースト膜
16が形成されたセラミックグリーンシート12上で転
動される。これによって、転写版19上のセラミックス
ラリー18がセラミックグリーンシート12上の導電性
ペースト膜16が形成されていない領域に転写される。
【0039】この転写されたセラミックスラリー18
は、次いで、乾燥される。
【0040】次に、図6に示すように、前述した第1の
セラミックグリーンシート12の上に、この実施形態で
は、第1のセラミックグリーンシート12上の導電性ペ
ースト膜16およびセラミックスラリー18上に、キャ
リアフィルム13によって裏打ちされた第2のセラミッ
クグリーンシート12が積み重ねられる。このとき、キ
ャリアフィルム13は、外側に向く状態とされる。
【0041】次に、同じく図6に示すように、ヒータ
(図示を省略)が内蔵された押圧プレート22によっ
て、第2のセラミックグリーンシート12を第1のセラ
ミックグリーンシートに向かって圧着させることが行な
われる。
【0042】次に、図7に示すように、キャリアフィル
ム13が剥離される。なお、キャリアフィルム13の剥
離は、前述した圧着工程の前に実施してもよい。
【0043】以上述べた図4に示す工程、図5に示す工
程、図6に示す工程および図7に示す工程は、所定回数
繰り返され、それによって、図8に示すような積層体2
3が作製される。なお、図8においては、積層体23の
最も上に、導電性ペースト膜16を形成していないセラ
ミックグリーンシート12として、単に1枚のセラミッ
クグリーンシート12が図示されているが、このような
セラミックグリーンシート12は、必要に応じて、複数
枚積み重ねられてもよい。
【0044】上述の積層体23は、次いで、積み重ね方
向にプレスされる。そして、積層体23は、個々の積層
セラミックコンデンサのための積層体チップとなるべき
大きさに切断された後、焼成工程に付され、最終的に外
部電極が形成されることによって、積層セラミックコン
デンサが完成される。
【0045】この実施形態において、前述したように、
転写版1および19の各々の少なくとも版面2および2
0の各部分は、ゴム硬度60〜90度のゴムから構成さ
れる。このように、ゴム硬度60〜90度のゴムを用い
れば、グラビアオフセット印刷が適用される面において
形成されることのある段差を有利に吸収しながら、高い
パターン精度をもって、導電性ペースト膜16およびセ
ラミックスラリー18を形成することが可能になる。
【0046】なお、ゴム硬度が60度より低くなると、
グラビアオフセット印刷を実施している際の版面2およ
び20の変形が大きくなりすぎ、版面2および20から
の導電性ペースト3およびセラミックスラリー8の転写
位置にずれが生じやすくなる。他方、ゴム硬度が90度
より高くなると、段差に起因するグリーンシート表面の
凹凸を吸収しづらく、印刷位置精度が低下するととも
に、グラビアオフセット印刷を適用すべき面に版面2お
よび20を適正に接触させるために必要な圧力が高くな
り、たとえば、セラミックグリーンシート12の破損が
もたらされることがある。
【0047】また、転写版1および19の少なくとも版
面2および20の各部分を構成するゴムは、導電性ペー
スト3およびセラミックスラリー18に含まれる溶剤に
よって膨潤したり劣化したりしないものであることが好
ましく、このようなゴムとして、たとえば、ブチル系ゴ
ム、ニトロブチル系ゴム、ウレタン系ゴム、シリコーン
系ゴム等が有利に用いられる。
【0048】以上、この発明を図示した実施形態に関連
して説明したが、この発明の範囲内において、その他、
種々の変形例が可能である。
【0049】たとえば、図示の実施形態では、転写版1
および19は、ロール状をなしていたが、平板状のもの
が用いられてもよい。
【0050】また、図4に示した工程と図5に示した工
程とが逆の順序で実施されてもよい。このように逆の順
序で実施されると、導電性ペースト膜16が未だ形成さ
れていないセラミックグリーンシート12上にセラミッ
クスラリー18を塗布することになるので、セラミック
スラリー18の塗布のための印刷工程を安定して実施で
きるようになり、印刷の信頼性を高めることができ、ま
た、後で印刷される導電性ペースト膜16を形成する導
電性ペースト3のレベリング性に基づいて、セラミック
スラリー18の塗布部分と導電性ペースト膜16との間
で隙間を生じにくくすることが容易になる。
【0051】また、この発明において、上述したような
セラミックスラリー18を塗布する工程は、省略されて
もよい。
【0052】また、図示の実施形態は、積層セラミック
コンデンサの製造方法に関するものであったが、他の積
層セラミック電子部品、たとえば、積層セラミックイン
ダクタ、積層型セラミックLCフィルタ、多層セラミッ
ク回路基板等においても、この発明に係る製造方法を適
用することができる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、セラ
ミックグリーンシートを積み重ねる毎に、積み重ねられ
たセラミックグリーンシート上に内部回路要素膜となる
べき導電性ペースト膜を形成するようにしているので、
セラミックグリーンシートのハンドリングにより歪みや
積み重ねのずれが原因となる内部回路要素膜の位置ずれ
や歪みが生じることを防止しながら、導電性ペースト膜
を形成するにあたって、グラビアオフセット印刷を適用
し、このグラビアオフセット印刷において、少なくとも
版面部分がゴム硬度60〜90度のゴムからなる転写版
を用いるので、印刷されるべき面に生じることのある段
差を有利に吸収しつつ、高いパターン精度をもって、導
電性ペースト膜を形成することができる。
【0054】また、グラビアオフセット印刷によれば、
セラミックグリーンシート上に導電性ペースト膜を形成
する前の段階で、転写版上の導電性ペーストを半乾燥状
態としておくことが容易であるので、このように、導電
性ペーストを半乾燥状態としておくことにより、セラミ
ックグリーンシートが不所望にも膨潤することを防止す
ることができる。したがって、このような膨潤がより深
刻な問題を引き起こす、たとえば1〜5μmあるいはそ
れより薄いセラミックグリーンシートであっても、これ
を用いて、膨潤の問題に煩わされることなく、積層セラ
ミック電子部品を製造することができる。
【0055】このようなことから、この発明に係る積層
セラミック電子部品の製造方法によれば、セラミックグ
リーンシートおよび内部回路要素膜の積層数の増大およ
びセラミックグリーンシートの薄層化を有利に図ること
ができる。そのため、この発明が積層セラミックコンデ
ンサの製造方法に適用された場合には、積層セラミック
コンデンサの小型化あるいは薄型化および大容量化に十
分対応することができる。
【0056】この発明において、導電性ペースト膜が形
成された第1のセラミックグリーンシートの上に第2の
セラミックグリーンシートを積み重ねるにあたって、キ
ャリアフィルムによって裏打ちされた第2のセラミック
グリーンシートを、キャリアフィルムが外側に向く状態
で、第1のセラミックグリーンシートの上に積み重ねる
工程と、第2のセラミックグリーンシートを第1のセラ
ミックグリーンシートに向かって圧着させる工程と、次
いで、キャリアフィルムを剥離する工程とを実施するよ
うにすれば、セラミックグリーンシートの取り扱いが容
易になり、薄いセラミックグリーンシートであっても、
歪みや破損を生じさせることなく、これを取り扱うこと
ができるようになる。
【0057】また、この発明において、第1のセラミッ
クグリーンシートの上に第2のセラミックグリーンシー
トを積み重ねる積層工程の前に、第1のセラミックグリ
ーンシート上の導電性ペースト膜が形成されていない領
域に、セラミックスラリーを塗布するようにすれば、導
電性ペースト膜の厚みの累積による段差を実質的に生じ
させないようにすることができる。このことは、積層セ
ラミック電子部品の多層化および薄層化にとって有利で
ある。また、このようなセラミックスラリーの塗布を、
導電性ペースト膜の形成の後に実施すれば、導電性ペー
スト膜は、平面度の良好なセラミックグリーンシート上
に形成されることになるので、導電性ペースト膜の印刷
を安定して行なえ、この印刷の信頼性を高くすることが
できる。また、導電性ペースト膜とセラミックグリーン
シートとは、色調が比較的大きく異なるため、セラミッ
クスラリーを塗布するにあたって、導電性ペースト膜を
光学的にセンシングして、セラミックスラリーの塗布位
置を適正に設定することが容易になる。
【0058】上述したセラミックスラリーの塗布がグラ
ビア印刷によって行なわれると、セラミックスラリーの
塗布パターンの精度を高めることができる。
【0059】さらに、上述のセラミックスラリーの塗布
のためのグラビア印刷において、少なくとも版面部分が
ゴム硬度60〜90度のゴムからなる転写版を用いるグ
ラビアオフセット印刷を適用すれば、前述した導電性ペ
ースト膜の場合と同様、印刷されるべき面上での段差を
有利に吸収しながら、高いパターン精度をもって、セラ
ミックスラリーを塗布することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態において、転写版1の版
面2上に導電性ペースト3を付与する工程を示す図解的
断面図である。
【図2】図1に示した工程の代替例を示す図解的断面図
である。
【図3】図1または図2に示した工程を経て導電性ペー
スト3が付与された転写版1、および保持台14上に配
置されたセラミックグリーンシート12をそれぞれ示す
図解的断面図である。
【図4】図3に示したセラミックグリーンシート12上
に、転写版1を用いて導電性ペースト膜16をグラビア
オフセット印刷によって形成する工程を示す図解的断面
図である。
【図5】図4に示したセラミックグリーンシート12上
の導電性ペースト膜16が形成されていない領域に、セ
ラミックスラリー18をグラビアオフセット印刷によっ
て塗布する工程を示す図解的断面図である。
【図6】図5に示した導電性ペースト膜16およびセラ
ミックスラリー18が付与されたセラミックグリーンシ
ート12の上に、別のセラミックグリーンシート12を
積み重ね、圧着する工程を示す図解的断面図である。
【図7】図6に示したキャリアフィルム13を剥離する
工程を示す図解的断面図である。
【図8】図4ないし図7に示した各工程を繰り返して得
られた積層体23を示す図解的断面図である。
【符号の説明】
1,19 転写版 2,20 版面 3 導電性ペースト 12 セラミックグリーンシート 13 キャリアフィルム 14 保持台 16 導電性ペースト膜 18 セラミックスラリー 22 押圧プレート 23 積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H113 AA01 BA03 BB09 BB22 BB32 BC12 CA17 CA46 5E001 AB03 AH01 AH05 AH06 AH08 AJ01 AJ02 5E082 AB03 BC38 BC39 BC40 EE04 EE35 FG06 FG26 FG46 LL02 LL03 LL35 MM13 MM21 MM22 MM23 MM24 PP10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラビアオフセット印刷を実施するため
    のものであって、少なくとも版面部分がゴム硬度60〜
    90度のゴムからなる転写版を用意する工程と、 複数枚のセラミックグリーンシートを用意する工程と、 保持台上に少なくとも1枚の第1の前記セラミックグリ
    ーンシートを配置する工程と、 前記転写版を用いたグラビアオフセット印刷によって、
    第1の前記セラミックグリーンシート上に内部回路要素
    膜となるべき導電性ペースト膜を形成する、導電性ペー
    スト膜形成工程と、 前記導電性ペースト膜が形成された第1の前記セラミッ
    クグリーンシートの上に第2の前記セラミックグリーン
    シートを積み重ねる、積層工程とを備えるとともに、 前記導電性ペースト膜形成工程と前記積層工程とを所定
    回数繰り返すことによって、積層体を形成する工程を備
    える、積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記積層工程は、キャリアフィルムによ
    って裏打ちされた第2の前記セラミックグリーンシート
    を、前記キャリアフィルムが外側に向く状態で、第1の
    前記セラミックグリーンシートの上に積み重ねる工程
    と、第2の前記セラミックグリーンシートを第1の前記
    セラミックグリーンシートに向かって圧着させる工程
    と、次いで、前記キャリアフィルムを剥離する工程とを
    備える、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記導電性ペースト膜形成工程の後であ
    って、前記積層工程の前に、第1の前記セラミックグリ
    ーンシート上の前記導電性ペースト膜が形成されていな
    い領域に、セラミックスラリーを塗布する工程をさらに
    備える、請求項1または2に記載の積層セラミック電子
    部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記セラミックスラリーを塗布する工程
    は、前記セラミックスラリーをグラビア印刷によって塗
    布する工程を備える、請求項3に記載の積層セラミック
    電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記セラミックスラリーを塗布するため
    の前記グラビア印刷は、少なくとも版面部分がゴム硬度
    60〜90度のゴムからなる転写版を用いるグラビアオ
    フセット印刷によって実施される、請求項4に記載の積
    層セラミック電子部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7503993B2 (en) 2001-12-14 2009-03-17 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method for manufacturing multilayer ceramic electronic element
JP2010034144A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Murata Mfg Co Ltd 電子部品製造装置及び電子部品の製造方法
CN106904016A (zh) * 2015-12-21 2017-06-30 株式会社村田制作所 印刷版、具备该印刷版的印刷装置及层叠陶瓷电子元件的制造方法

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