JP2007049193A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピンホールなどの欠陥が生じ難く、表面平滑性に優れかつ厚みばらつきが少ないセラミックグリーンシートを高速で得ることができ、さらに該セラミックグリーンシート上に内部電極及び段差解消用セラミックペーストを高精度に形成することができる工程を備えた積層セラミック電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】支持フィルム2上にダイコーター装置4を用いてセラミックスラリーを塗布し、乾燥炉9で乾燥し、セラミックグリーンシートを形成する工程と、該セラミックグリーンシート上に第1,第2のグラビア印刷装置を用いて、導電ペースト及びセラミックペーストをそれぞれグラビア印刷して、内部電極と、内部電極が形成されていない領域に段差解消用セラミックペーストを印刷する各工程を備える、積層セラミック電子部品の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品の製造方法に関し、より詳細には、複数の内部電極がセラミック層を介して積層されているセラミック焼結体を有し、該内部電極が形成されている部分と形成されていない部分との段差を解消する方法が改良された積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品の製造に際しては、内部電極が印刷されたセラミックグリーンシートが複数枚積層される。また、内部電極が印刷されたセラミックグリーンシートが複数枚積層され、上下に無地のセラミックグリーンシートが積層されて積層体が構成されている。この積層体が厚み方向に加圧された後、焼成され、セラミック焼結体が得られる。
ところで、上記積層体を加圧した場合、内部電極同士が重なり合っている部分と重なり合っていない部分とで厚みが異なるため、両者の間に段差が生じるという問題があった。
特許文献1には、上記のような段差を解消し得る積層セラミックコンデンサの製造方法が開示されている。この先行技術に記載の製造方法では、まず、支持フィルム上において、グラビア印刷法によりセラミックスラリーが印刷されて、誘電体セラミックグリーンシートが成形される。次に、上記のようにして得られたセラミックグリーンシート上にグラビア印刷により導電ペーストを付与し、内部電極が印刷される。しかる後、内部電極が印刷されていない領域に、段差解消用セラミックスラリーが同じくグラビア印刷により付与され、しかる後内部電極及び段差解消用セラミックペーストが乾燥される。これらの工程を少なくとも1回繰り返すことにより、支持フィルム上に内部電極及び段差解消用セラミックパターンが印刷された複合シートが少なくとも2層積層された構造が得られる。このようにして得られた複合シートを複数枚積層し、厚み方向に加圧することにより積層体が得られ、該積層体を焼成することにより、セラミック焼結体が得られている。
上記先行技術では、セラミックグリーンシートの表面において内部電極が印刷されていない領域に上記段差解消用セラミックパターンが印刷されるため、内部電極同士が重なり合っている部分と、重なり合っていない部分との段差が解消されるとされている。
特開平8−250370号公報
積層セラミックコンデンサでは、小型化及び大容量化がさらに進んできており、そのため内部電極積層数の増大及び使用するセラミックグリーンシートの厚みの低減が図られている。セラミックグリーンシートの厚みは、3μm以下と薄くされており、場合によっては2μm以下の非常に薄い厚みとされている。
このような厚みの薄いセラミックグリーンシートでは、ピンホールが生じたり、平滑性が低下する恐れがある。また、内部電極積層数が増大するにつれて、内部電極同士が重なり合っている部分とそうでない部分との間の上記段差の影響が大きくなる。
従って、得られたセラミック焼結体において上記段差に基づく外観不良が生じたり、加圧及び焼結に際して段差の両側の部分の密度差により構造欠陥やデラミネーションなどが生じるという問題があった。
特許文献1に記載の先行技術では、上記のように段差解消用セラミックパターンを印刷することにより段差の解消が図られている。
しかしながら、上記先行技術に記載の方法では、セラミックグリーンシートの成形がグラビア印刷法により行われている。グラビア印刷では、図7に示すように外周面に複数の印刷部が周方向に設けられたグラビアロール101が用いられる。グラビアロール101の外周面に形成された1つの印刷部は、図8(a)に示すように、多数のセル102により構成されている。
上記先行技術に記載の方法では、図7に示す長尺状の支持フィルム103が図示の矢印方向に搬送され、グラビアロール101とグラビアロール101に支持フィルムを圧着するロール104とを用いて、印刷が行われる。例えば、セラミックグリーンシートを印刷する場合には、上記各印刷図形の多数のセル102に、図8(a)に示すように、セラミックスラリー105が付与され、支持フィルムの一方主面に転写される。この場合、転写直後には、図8(b)に示すように、セラミックスラリー105はセル102の形状に応じた形状とされて分散されている。経時により隣接するセラミックペースト105同士が衝突し、図8(c)に示すように、レベリングが進行し、平坦なセラミックグリーンシート106が得られる。
しかしながら、上記のように、グラビア印刷法では、多数のセル102内から支持フィルム103にセラミックスラリーが転写され、レベリングによりセラミックグリーンシートが成形されるものであるため、レベリングに必要な時間だけ、セラミックグリーンシート106の成形に時間を要するという問題があった。従って、特に積層数を増大させる場合には、セラミックグリーンシートの成形に長時間を要し、コストが高くつくという問題があった。
また、複数のセルからセラミックスラリーが転写され、しかる後経時によりレベリングが進行するが、得られたセラミックグリーンシートの表面に凹凸が生じがちであり、平滑性が十分でないことがあった。また、セラミックグリーンシートの膜厚ばらつきも大きくならざるを得なかった。加えて、セラミックグリーンシートの厚みを薄くした場合には、ピンホールが生じ易いという問題もあった。従って、前記先行技術に記載の方法では、セラミックグリーンシートの薄層化に対応することは非常に困難であった。
加えて、内部電極を形成した後に、続いて段差解消用のセラミックパターンがグラビア印刷法により形成され、しかる後内部電極及びセラミックパターンが一括して乾燥されていた。従って、内部電極とセラミックパターンとの間に滲みが生じ易く、内部電極の印刷精度を高めることが困難であった。特に、内部電極が印刷された後、セラミックパターンを印刷するに先だち内部電極の周辺に滲みが生じがちであった。そのため、最終的に得られた積層コンデンサにおける静電容量のばらつきが大きくならざるを得なかった。
また、上記先行技術に記載の方法では、セラミックグリーンシートを成形した後に、内部電極形成用導電ペーストや上記セラミックパターン形成用セラミックペースト中に含まれている溶剤に、セラミックグリーンシートが長時間さらされる。従って、溶剤によりセラミックグリーンシートが侵され、得られた積層コンデンサにおいて短絡や絶縁不良などが生じがちであった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、セラミックグリーンシートの薄層化を進めた場合であっても、セラミックグリーンシートにおけるピンホールが生じ難く、かつ表面平滑性に優れたセラミックグリーンシートを速やかにかつ安価に成形することができ、さらに内部電極形成精度に優れており、所望とする特性を確実に得ることができ、所望でない短絡や絶縁不良が生じ難い、高品質の積層セラミック電子部品を得ることを可能とする製造方法を提供することにある。
本発明の広い局面によれば、長尺状の支持フィルム上にダイコーターを用いてセラミックスラリーを付与する工程により、セラミックグリーンシートを成形する第1の工程と、前記セラミックグリーンシートの上面に複数の搬送用ロールと圧接ロールとグラビアロールとからなるグラビア印刷により導電ペーストを付与することにより内部電極を形成する第2の工程と、前記第2の工程後、連続的に前記内部電極を半乾燥または乾燥させる第3の工程と、前記第3の工程後、連続的に前記セラミックグリーンシートの上面において前記内部電極が形成された領域以外の領域に、複数の搬送用ロールと圧接ロールとグラビアロールとからなるグラビア印刷により段差解消用のセラミックペーストを形成する第4の工程と、前記第3の工程後、連続的に前記段差解消用セラミックペーストを半乾燥または乾燥させる第5の工程と、前記第1〜第5の工程で得られた複合シートを前記第1〜第5の工程を複数回繰り返すことにより支持フィルム上に複数枚積層して積層体を得る工程と、前記積層体を積層ステージに転写する工程と、前記積層体を焼成して焼結体を得る工程と、前記焼結体の外表面にいずれかの内部電極に電気的に接続される複数の外部電極を形成する工程とを備える、積層セラミック電子部品の製造方法が提供される。
本発明のさらに別の特定の局面では、上記セラミックグリーンシート及びセラミックペーストが誘電体セラミックスを主体とし、上記積層セラミックス電子部品として積層セラミックコンデンサが得られる。本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、積層セラミックコンデンサの製造に好適に用いられるが、積層セラミックコンデンサ以外の他の積層型セラミック電子部品の製造にも用いることができる。積層セラミックコンデンサ以外の他の積層型セラミック電子部品としては、積層インダクタ、積層ノイズフィルタ、積層サーミスタ、積層バリスタ、積層LCフィルタ、高周波モジュールセラミック多層基板などが挙げられる。
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法によれば、支持フィルム上においてまずダイコーター装置を用いてセラミックグリーンシートが形成される。従来のグラビア印刷を用いたセラミックグリーンシートの成形方法では、セラミックグリーンシートを成形する速度が遅く、かつ2μm以下のような薄いセラミックグリーンシートを得ようとした場合、ピンホールが生じたり、表面に凹凸が生じたり恐れがあったのに対し、本発明では、ダイコーター装置を用いて、セラミックグリーンシートの成形が行われるため、セラミックグリーンシートを短時間で成形することができる。また、厚みが薄いセラミックグリーンシートであっても、ピンホールなどの構造欠陥が生じ難い。また、セラミックグリーンシートの表面の平滑性も高められ、加えて厚みばらつきも飛躍的に低減される。
よって、本発明では、セラミックグリーンシートの成形速度を高めることができるため、セラミックグリーンシートのコストを、ひいては積層セラミック電子部品のコストを低減することができる。
加えて、平滑性に優れ、かつ厚みばらつきの少ないセラミックグリーンシートが得られるので、次にグラビア印刷法により内部電極及び段差解消用セラミックペーストの印刷を行った場合、上に形成される内部電極及びセラミックペーストも高精度に形成され得る。
特に、内部電極形成用の導電ペーストや段差解消用セラミックペーストをグラビア印刷により印刷した場合、転写後のレベリング性を高めるため、並びに転写時の濡れ性を高めるために、これらのペーストとしては、比較的低粘度のものが用いられ易いが、低粘度のペーストは滲みが生じ易い。この滲みは、ペーストが付与されるセラミックグリーンシートの表面粗さが大きいほど生じ易い。本発明では、上記のようにセラミックグリーンシートの表面平滑性が高められているので、低粘度のペーストを用いた場合であっても、上記滲みが生じ難い。従って、この点によっても、内部電極及び段差解消用セラミックペーストの外形精度を高めることができる。
加えて、内部電極及び段差解消用セラミックペーストをそれぞれグラビア印刷で順次印刷する場合には、すなわち二色塗りを行う場合には、支持フィルムのテンションのばらつきや蛇行の抑制が必要であり、かつ厚みばらつきの小さいセラミックグリーンシートを用意しなければならない。また、長尺状のセラミックグリーンシートの長さ方向の厚みばらつきが生じると、第1のグラビア印刷装置と、第2のグラビア印刷装置との間のパスラインにおけるセラミックグリーンシートの長さが変動し、長さ方向の位置決めが悪化する。また、幅方向にセラミックグリーンシートの厚みがばらついていると、蛇行が生じ、幅方向のグラビア印刷に際しての位置決め精度が悪化する。
従って、セラミックグリーンシートの成形もグラビア印刷で行われる従来法では、長さ方向のセラミックグリーンシートの厚みが例えば1μm変動すると、パスライン長が約13μmも変動し、長さ方向の位置決め精度が悪化し、かつ幅方向においては、例えば、シートの厚みが片側が反対側に比べて厚い場合には、薄い方向にシートが蛇行し、幅方向の位置決め精度が悪化する。
これに対して、本発明では、上記のようにダイコーターにより厚みばらつきの少ないセラミックグリーンシートが得られるため、2度のグラビア印刷による内部電極及び段差解消用セラミックペーストの印刷に際し、長さ方向及び幅方向のいずれにおいても、印刷精度が効果的に高められる。
よって、本発明によれば、ダイコーターを用いたセラミックグリーンシートの成形と、グラビア印刷を用いた内部電極及び段差解消用セラミックペーストの印刷とを組み合わせることにより、高い生産性でもって、セラミックグリーンシート及び該セラミックグリーンシート上に形成された内部電極及び段差解消用セラミックペーストの外形精度や位置決め精度を効果的に高めることができ、ひいては特性ばらつきが少ない積層セラミック電子部品を安定に得ることが可能となる。
さらに、本発明の特筆すべき点は、内部電極形成後に、連続的に内部電極を乾燥または半乾燥させる工程を備えている点である。これにより、内部電極を形成するための導電ペースト中の溶剤によりセラミックグリーンシートのシートアタックを防止して内部電極の損傷を低減すると共に、段差解消用グラビアロールによる内部電極の平坦化も可能とするため、内部電極及び段差解消用セラミックペーストを高精度に形成することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施例を説明することにより本発明を明らかにする。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係る積層セラミック電子部品の製造方法に用いられる装置の概略構成図であり、(a)はセラミックグリーンシートを成形するための装置を、(b)は、内部電極及びセラミックペーストをグラビア印刷する装置の構成を示す。本実施例では、積層セラミック電子部品として、積層セラミックコンデンサが製造される。
まず、図1(a)に示すように、供給リール1から長尺状の支持フィルム2がローラー3を介してダイコーター装置4に供給される。支持フィルム2としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などの適宜の合成樹脂からなるフィルタが用いられる。
ダイコーター装置4は、塗工ヘッド4aとロール4b,4cとを有する。塗工ヘッド4aには、ポンプ5を介してセラミックスラリーが収納されたタンク6が連結されている。ポンプ5により、セラミックスラリーが塗工ヘッド4aに供給され、塗工ヘッド4aの先端から支持フィルム2の一方主面にセラミックスラリーが付与される。
支持フィルム2は供給ロール1から、図1(a)の巻き取りリール7に向けて搬送される。塗工ヘッド4aから吐き出され、かつ所定の厚みに付与されたセラミックスラリーは、支持フィルム2に支持されたまま、ロール8を経由して乾燥炉9に供給される。乾燥炉9において、セラミックスラリーが乾燥され、セラミックグリーンシートとなる。
すなわち、図2(a)に示すように、支持フィルム2上にセラミックグリーンシート10が成形される。このようにして乾燥されたセラミックグリーンシート10が支持フィルム2に支持されたままロール11,12を介して巻き取りリール7に巻き取られる。
本実施例では、上記ダイコーター装置4を用いてセラミックスラリーが支持フィルム2に付与されるが、ダイコーター装置4では、他のセラミックスラリー塗布装置、例えばグラビアロール、ドクターブレードまたはリバースロールコーターなどを用いた場合に比べて、10μm以下の厚みのセラミックグリーンシートを高精度に形成することができる。特に、2μm以下の厚みのセラミックグリーンシート10を形成する場合であっても、得られたセラミックグリーンシート10の厚みばらつきを10%以下とすることができ、ピンホールや表面に生じる筋などの欠陥を発生させることなくセラミックグリーンシート10を得ることができる。
また、表面粗さを0.2μm以下とすることができる。さらに、ダイコーター装置4を用いた場合、50m/分以上の速度でセラミックスラリーを塗布することができる。
従って、本実施例では、厚みの薄いセラミックグリーンシート10を、高速で、かつピンホールなどの欠陥を生じさせることなく、形成することができる。また、上記のように厚みばらつきが少なく表面平滑性に優れたセラミックグリーンシートを得ることができる。
上記セラミックスラリーとしては、特に限定されず、チタン酸バリウム系セラミックスなどの積層セラミックコンデンサに用いられる適宜の誘電体セラミックスを主体とし、これに溶剤及びバインダ樹脂等を含むものが用いられる。
次に、上記のようにして支持フィルム2上にセラミックグリーンシート10が形成された複合シートが巻き取りリール7から送り出され、図1(b)に示すグラビア印刷装置に供給される。
図1(b)に示すように、支持フィルムの一方主面に上記セラミックグリーンシートが積層された複合シート14が、セラミックグリーンシート10が設けられている面が下面となるように第1のグラビア印刷装置21に供給される。グラビア印刷装置21では、ロール22,23を介して複合シート14が長さ方向に搬送され、グラビアロール24と圧接ロール25との間に供給される。グラビアロール24は、その下方部分が導電ペースト26に浸漬されている。グラビアロール24は、図示の矢印方向に回転させられる。また、グラビアロール24の外周面には、形成される内部電極パターンに応じた複数の印刷部が周方向に分散されている。
なお、27は余分な導電ペーストを掻き取るためのブレードを示す。
グラビアロール24と圧接ロール25との間を通過することにより、上記複合シート14のセラミックグリーンシート10が形成されている面上に、グラビアロール24に設けられた印刷図形に応じた形状に導電ペーストが付与され、図2(b)に示す内部電極28が形成される。
しかる後、複数シート14は、ローラー29を介して、乾燥装置30に搬送され、乾燥装置30内において、内部電極28が半乾燥または乾燥される。
乾燥装置30は、適宜のヒーターを有し、加熱により導電ペースト中に含まれている溶剤を除去する。この場合、内部電極28から完全に溶剤が除去される必要は必ずしもなく、内部電極28の周囲における滲みが生じ難くなる程度に乾燥が行われればよい。すなわち、内部電極28は半乾燥された状態で乾燥装置30から送り出されてもよい。
次に、内部電極28が形成された上記複合シートが、ローラー31〜33を経由して、第2のグラビア印刷装置34に供給される。グラビア印刷装置34は、グラビアロール35と圧接ロール36とを有する。ここでは、上記内部電極27が形成されている領域を除いた領域にセラミックペーストを付与するための印刷部がグラビアロール35の外周面に設けられている。
すなわち、段差解消用のセラミックペーストを印刷するように、グラビアロール35の外周面に複数の印刷部が構成されている。グラビアロール35は、その下方部分がセラミックペースト37に浸漬されている。なお、38は余分なセラミックペーストを掻き取るためのブレードである。グラビアロール35と圧接ロール36との間に上記複合シートを通過させることにより、セラミックペーストが上記複合シートのセラミックグリーンシート内の一方主面上において、内部電極28が形成されている領域を除いて印刷される(図2(c))。すなわち、内部電極28の周囲に段差解消用のセラミックペースト層48が形成される。しかる後、ローラー39を介して第2の乾燥装置40に供給され、乾燥装置40において、上記セラミックペースト層48が乾燥される。ここで、内部電極28が半乾燥状態の場合には、乾燥装置40において、内部電極28もまた乾燥される。このようにして、図2(c)に示されている複合シート41が第2の乾燥装置40からローラー42を介して送り出される。
第2の乾燥装置40は、第1の乾燥装置30と同様に構成され得る。もっとも、乾燥装置40における加熱は、上記セラミックペースト層48を乾燥し得るように行われる。上記のようにして、図2(c)に示す複合シート41が得られるが、複合シート41を複数枚積層することにより、積層体が得られる。なお、図3に示すように、上記積層に際しては、まず、積層ステージ43上に、無地のセラミックグリーンシート44を積層する。このセラミックグリーンシート44は、前述した巻き取りリール7からセラミックグリーンシート支持フィルム2に支持されたまま繰り出し、支持フィルム2上のセラミックグリーンシートを所定の形状、例えば矩形形状に切断し、積層ステージ43上に転写することにより形成され得る。もっとも、無地のセラミックグリーンシート44は、積層ステージ43上において直接セラミックペーストを印刷することにより形成されてもよいし、複数枚の無地のセラミックグリーンシート44より構成してもよい。
次に、図2(c)に示した複合シート41を、上記所定の形状に打ち抜き、上記セラミックグリーンシート44上に転写法により転写し、支持フィルム2を剥離する。この場合の複合シート41の打ち抜きは、例えば矩形形状を有するように複合シート41を打ち抜くことにより行われる。支持フィルム2については、打ち抜かれずともよい。すなわちハーフカットされた支持フィルム2に支持されたまま打ち抜かれた複合シート41を転写してもよく、あるいは、支持フィルムごと複合シート41を上記所定の形状に打ち抜いたものを用い、転写により複合シート41を積層してもよい。
上記複合シート41の転写・積層を複数回繰り返すことにより、積層体46が得られる。このようにして、図3に示すマザーの積層体46が得られる。
なお、上記実施例では、支持フィルム2上に複合シート41が形成され、該支持フィルム2上に形成された複合シート41が複数回転写されたが、図4に示すように、支持フィルム2上に複数層の複合シート41を形成してもよい。すなわち、支持フィルム2上に予め複数層の複合シート41を転写(複合シート41側を圧着して支持フィルム2を剥離する)により積層し、このようにして得られた積層体を積層ステージ42上に転写してもよい。また、複合シート14を図1(a)に示すダイコーター装置と、図1(b)に示す第1,第2のグラビア印刷装置を交互に複数回経由させることにより、支持フィルム2上に、予め複数層の複合シート41を積層し、このようにして得られた積層体を積層ステージ43上に転写してもよい。これらの場合には、支持フィルム2の片面に、複数層の複合シート41が積層されているため、積層ステージ43上への転写回数を少なくすることができる。
上記のようにして得られたマザーの積層体46を、厚み方向に加圧し、かつ個々のセラミックコンデンサ単位の積層体を得るように切断する。この場合、内部電極間には段差解消用セラミックペースト層が形成されているので、内部電極28同士が重なっている部分とそうでない部分とで段差が生じ難い。
しかる後、上記のようにして得られた個々の積層セラミックコンデンサ単位の積層体を焼成することにより、図5に示すセラミック焼結体51が得られる。セラミック焼結体51の両端面に、第1,第2の外部電極を形成することにより、図6に示す積層セラミックコンデンサ52が得られる。積層セラミックコンデンサ52では、セラミック焼結体51内に、上記内部電極28が切断されることにより形成された複数の内部電極28Aがセラミック層を介して積層されている。また、いずれかの内部電極に接続されるように、外部電極52,53が形成されている。
本実施例の製造方法では、上記のようにダイコーター装置4を用いて、セラミックグリーンシート10が形成されている。従って、セラミックグリーンシートの生産性を高めることができる。また、上記のように厚みばらつきが少なく、欠陥が少なく、さらに表面平滑性に優れたセラミックグリーンシート10を得ることができる。加えて、第1,第2のグラビア印刷装置を用いて内部電極及び段差解消用セラミックペーストの印刷が連続的に行われる。よって、上記積層に用いられる複合シート41を能率良く得ることができ、積層コンデンサ52の生産性を高めることができるとともに、積層コンデンサ52の特性のばらつきの低減を図ることができる。
また、上記実施例では、内部電極28の乾燥条件と、段差解消用セラミックペーストの乾燥条件を個別に設定し得るので、内部電極28や段差解消用セラミックペーストの過乾燥や乾燥不足が確実に防止される。すなわち、従来例のように、一度に内部電極及び段差解消用セラミックペーストを乾燥させる場合には、いずれかにおいて過乾燥や乾燥不足が生じる恐れがあるのに対し、本実施例では、このような過乾燥や乾燥不足を防止することができる。
なお、上記実施例では、内部電極28を形成し、一旦乾燥した後に、段差解消用セラミックペーストの印刷が行われているので、内部電極を構成するための導電ペースト中の溶剤によりセラミックグリーンシートが受ける影響を小さくすることができる。また、セラミックペースト印刷に際し、内部電極が損傷を受け難くなり、内部電極及びセラミックペーストのいずれをも高精度に形成することができる。
また、例えば、グラビアロールの凸部(段差解消用セラミックペーストが供給される凹部以外の部分)が内部電極を押圧しても、内部電極が剥がれたり損傷しない程度に乾燥させておくことなどにより、内部電極の乾燥条件を好適化することで、段差解消用セラミックペーストの印刷時に、グラビアロールの凸部が内部電極を押圧することにより内部電極を平坦化することができる。
さらに、内部電極の乾燥後に段差解消用セラミックペーストが印刷されるので、段差解消用セラミックペーストの印刷ずれを解消するために、内部電極パターンの周縁部に段差解消用セラミックペーストを重ねて印刷する場合には、内部電極パターンの周縁部が平坦化するので、内部電極と段差解消用セラミックペーストとの境界における平坦性がより一層向上する。
もっとも、本発明においては、上記段差解消用セラミックペーストの印刷及び乾燥を行った後に、内部電極を印刷・乾燥してもよく、その場合においても、同様に、セラミックグリーンシートの溶剤による影響を軽減することができるとともに、内部電極及びセラミックペーストを高精度に印刷することができる。
また、上記のようにダイコーター装置4によりセラミックグリーンシートの膜厚が均一とされるため、グラビア印刷に際してのシートのテンションの変動を小さくすることができ、それによって内部電極と段差解消用セラミックペーストとの位置決めを高精度に行うことができる。また、セラミックグリーンシート10の表面が平滑であるため、グラビア印刷法により内部電極27及び段差解消用セラミックペーストを平滑なセラミックグリーンシート上に高精度に形成することができる。従って、内部電極及び段差解消用セラミックペーストの外形精度及び表面平滑性も高められる。
本実施例では、上記のようにダイコーター装置4を用いてセラミックグリーンシートの成形が行われるため、2μm以下の非常に薄いセラミックグリーンシートであっても、高精度にかつピンホールなどの欠陥を生じさせることなく得ることができる。従って、積層数の大きな大容量の積層セラミックコンデンサを容易にかつ安定に得ることができる。
また、本実施例では、ダイコーター装置4によるセラミックグリーンシート10の成形後に、セラミックグリーンシート10が支持フィルム2に支持された状態で巻き取りリール7に巻き取られる。従ってダイコーター装置4における高速成形と、速度が遅いグラビア印刷工程との速度のアンバランスを解消することができる。すなわち、ダイコーター装置4によりセラミックグリーンシートを成形した後、直ちに連続的にグラビア印刷を行った場合には、後段のグラビア印刷の速度が遅いため、両工程のバランスをとることが困難であるのに対し、本実施例では、一旦巻き取りリール7にセラミックグリーンシート10が支持フィルム2に支持された状態で巻き取られるため、このような速度のアンバランスを解消することができる。
(a)、(b)は、本発明の一実施例で用いられる製造装置の概略を示し、(a)はダイコーター装置によりセラミックグリーンシートを成形する装置を示し、(b)は第1,第2のグラビア印刷装置により内部電極及び段差解消用セラミックペーストを印刷する装置を示す概略構成図である。 (a)〜(c)は、本発明の一実施例の各工程で得られる構造を示し、(a)は支持フィルム上にセラミックグリーンシートが形成された状態を、(b)はセラミックグリーンシート上に内部電極が印刷された状態を、(c)は段差解消用セラミックペーストが印刷された状態を示す各断面図。 積層ステージ上で転写により積層されたマザーの積層体を示す表面断面図。 支持フィルム上に複数枚の複合シートが積層・形成された構造を示す断面図。 個々の積層コンデンサ単位のセラミック焼結体を示す正面断面図。 本発明の一実施例で得られた積層セラミックコンデンサを示す正面断面図。 従来の積層セラミック電子部品の製造方法においてセラミックペーストをグラビア印刷する工程を示す概略構成図。 (a)〜(c)は、従来法においてグラビアロールから支持フィルム上にセラミックペーストが印刷される工程を示す各部分切欠拡大断面図。
符号の説明
2…支持フィルム
4…ダイコーター装置
4a…塗工ヘッド
4b,4c…ローラー
7…巻き取りリール
9…乾燥装置
10…セラミックグリーンシート
14…複合シート
21…第1のグラビア印刷装置
24…グラビアロール
25…圧接ロール
26…導電ペースト
28…内部電極
28A…内部電極
30…第1の乾燥装置
34…第2のグラビア印刷装置
35…グラビアロール
36…圧接ロール
37…セラミックペースト
40…第2の乾燥装置
43…積層ステージ
46…積層体
51…セラミック焼結体
52…積層セラミックコンデンサ
53,54…外部電極

Claims (2)

  1. 長尺状の支持フィルム上にダイコーターを用いてセラミックスラリーを付与する工程により、セラミックグリーンシートを成形する第1の工程と、
    前記セラミックグリーンシートの上面に複数の搬送用ロールと圧接ロールとグラビアロールとからなるグラビア印刷により導電ペーストを付与することにより内部電極を形成する第2の工程と、
    前記第2の工程後、連続的に前記内部電極を半乾燥または乾燥させる第3の工程と、
    前記第3の工程後、連続的に前記セラミックグリーンシートの上面において前記内部電極が形成された領域以外の領域に、複数の搬送用ロールと圧接ロールとグラビアロールとからなるグラビア印刷により段差解消用のセラミックペーストを形成する第4の工程と、
    前記第3の工程後、連続的に前記段差解消用セラミックペーストを半乾燥または乾燥させる第5の工程と、
    前記第1〜第5の工程で得られた複合シートを前記第1〜第5の工程を複数回繰り返すことにより支持フィルム上に複数枚積層して積層体を得る工程と、
    前記積層体を積層ステージに転写する工程と、
    前記積層体を焼成して焼結体を得る工程と、
    前記焼結体の外表面にいずれかの内部電極に電気的に接続される複数の外部電極を形成する工程とを備える、積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記セラミックグリーンシート及びセラミックペーストが誘電体セラミックスを主体とし、前記積層セラミック電子部品として積層セラミックコンデンサが得られる請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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