JP5217296B2 - 膜電極接合体の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、膜電極接合体の製造装置関する。
近年、環境負荷の少ない電源として、燃料電池が注目されている。燃料電池は、酸素などの酸化剤および水素などの燃料剤の供給を受けて電力を生成するものである。
固体高分子形の燃料電池は、電解質膜の両面に電極触媒層およびガスケットなどが形成されてなる膜電極接合体(以下、MEAと称する)が、セパレータを介して複数積層されてなる。MEAを製造する技術としては、たとえば、下記の特許文献1に示す燃料電池セルの製造装置が知られている。
特許文献1に開示されている燃料電池セルの製造装置は、原反ロールから帯状の電解質膜を取り出して搬送する電解質膜搬送装置と、2個の原反ロールを保持可能な2個の支持軸が配置された保持装置と、を備える。このような構成の製造装置によれば、原反ロールから引き出される帯状の電解質膜上に電極触媒層などを形成することによって、帯状の電解質膜から複数の燃料電池セルを製造することができる。
なお、関連する公知技術文献としては、下記の特許文献2〜4が挙げられる。
特開2005−183182号公報 特表2000−503158号公報 特表2007−503704号公報 特開2006−185762号公報
しかしながら、上記特許文献1の製造装置では、一の原反ロールに巻回されている電解質膜の残量が僅かとなって、他の原反ロールに切り替える場合、製造ラインを停止、または製造ラインにおける電解質膜の搬送速度を遅くしなければならないという問題がある。このような製造ラインにおける電解質膜の搬送速度の変化は、製造される燃料電池セルの品質劣化を引き起こす。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものである。したがって、本発明の目的は、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度を維持しつつ連続的にMEAを製造することができる膜電極接合体の製造装置提供することである。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
本発明の膜電極接合体の製造装置は、電解質膜供給手段、触媒層形成手段、および蓄膜手段を有する。前記電解質膜供給手段は、帯状の電解質膜を原反ロールから取り出して搬送する。前記触媒層形成手段は、前記電解質膜供給手段から搬送された電解質膜に電極触媒層を形成する。前記蓄膜手段は、前記電解質膜供給手段と前記触媒層形成手段との間に設けられ、前記電解質膜供給手段から搬送される電解質膜を余剰に取り込み、前記触媒層形成手段における電解質膜の搬送速度に同期して前記余剰に取り込んだ電解質膜を前記触媒層形成手段に送出する。前記電解質膜供給手段は、隔壁により区画される第1領域に収容されており、本発明の膜電極接合体の製造装置は、前記原反ロールを切り替えるとき、前記第1領域の圧力を、外部の圧力よりも大きくなるように増加させる。
本発明の膜電極接合体の製造装置よれば、余剰に取り込まれた電解質膜が触媒層形成手段に送出されている間に、原反ロールを切り替えることができる。したがって、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度を維持しつつ連続的にMEAを製造することができる。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図中、同様の部材には同一の符号を用いた。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における膜電極接合体の製造装置(以下、MEA製造装置と称する)の概略構成を示す図である。本実施の形態のMEA製造装置は、製造ラインを搬送される電解質膜を供給する供給ロール(原反ロール)および回収する回収ロールを、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度を変化させることなく切り替えることによって、MEAを連続的に製造するものである。なお、本実施の形態の電解質膜は、フッ素系イオン交換膜(たとえば、ナフィオン(登録商標))であって、その両面は保護フィルムによって覆われている。
図1に示すとおり、本実施の形態におけるMEA製造装置は、電解質膜供給部10、供給側蓄膜部20、ガスケット形成部30、触媒層形成部40、回収側蓄膜部50、電解質膜回収部60、および制御部70を備える。電解質膜供給部10、触媒層形成部40、および電解質膜回収部60は、隔壁80によって第1〜第3領域に区画されており、空調機90によって互いに独立に温度および湿度が調整される。供給側蓄膜部20、ガスケット形成部30、および回収側蓄膜部50は、触媒層形成部40と同じ第2領域に設けられている。
電解質膜供給部10は、電解質膜供給手段として、帯状の電解質膜を供給ロール11から取り出して搬送するものである。電解質膜供給部10は、第1および第2供給ロール11a,11bの中空軸をそれぞれ支持する第1および第2支持軸12a,12bを有し、第1および第2供給ロール11a,11bの一方から電解質膜を供給する。供給ロール11aから取り出された帯状の電解質膜は、当該電解質膜を上下から挟み込む2つの駆動ベルトを備える送出機13によって水平方向に送出され、第1ガイドローラ15を通じて上方に搬送される。
供給側蓄膜部20は、蓄膜手段として、電解質膜供給部10から搬送される電解質膜を余剰に取り込み、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度に同期して余剰に取り込んだ電解質膜を製造ラインに送出するものである。供給側蓄膜部20は、固定ガイドローラ21と、固定ガイドローラ21に対して近接離間可能に設けられた移動ガイドローラ22と、移動ガイドローラ22を移動させる駆動部23と、を有する。電解質膜供給部10から搬送される電解質膜は、固定ガイドローラ21、移動ガイドローラ22、および第2ガイドローラ24を順次に通過して下方に搬送される。供給側蓄膜部20についての詳細な説明は後述する。
ガスケット形成部30は、ガスケット形成手段として、電解質膜供給部10から搬送される電解質膜にガスケットを形成するものである。ガスケット形成部30は、第3ガイドローラ25を通じて水平方向に搬送される電解質膜の上面および下面にそれぞれガスケットを形成する第1および第2ガスケット形成部30a,30bを有する。第1および第2ガスケット形成部30a,30bは、第1および第2保護フィルム巻取機34a,34bによって保護フィルムが引き剥がされた電解質膜の表面にガスケットを形成する。ガスケット形成部30a,30bは、ガスケットフィルムが巻回されてなるガスケット供給ロール31a,31bと、ガスケット供給ロール31a,31bから送出されるガスケットフィルムに開口部を形成する打抜き部32a,32bと、を有する。ガスケット供給ロール31a,31bから搬送されるガスケットフィルムは、補助ガイドローラ39b,39dによって水平方向に向きを変えつつ電解質膜に接合される。なお、ガスケットが形成される前の電解質膜は、寸法測定器33a,33bによって幅および厚さが測定される。また、本実施の形態のガスケット表面には、ガスケットへの電極触媒層などの付着を防止するためのマスキングフィルムが設けられている。
触媒層形成部40は、触媒層形成手段として、ガスケットが形成された電解質膜に電極触媒層を形成するものである。触媒層形成部40は、ガスケットフィルムに所定間隔で設けられた開口部から露出される電解質膜に電極触媒層を形成する。触媒層形成部40は、電解質膜の上面および下面にそれぞれ電極触媒層を形成する第1および第2触媒層形成部40a,40bを有し、第1および第2ガスケット形成部30a,30bから搬送される電解質膜に電極触媒層を形成する。本実施の形態の触媒層形成部40a,40bは、樹脂シート(たとえば、PTFEシート)上に予め形成された電極触媒層を電解質膜に転写することによって電解質膜上に電極触媒層を形成する。電極触媒層が形成された電解質膜は、加熱プレス機41a,41bによって熱プレスされ、電極触媒層の下面は、保護シート供給ロール36より供給される帯状の保護シートによって保護される。保護シート供給ロール36から搬送される保護シートは、補助ガイドローラ39eによって水平方向に向きを変えつつ電解質膜に接合される。なお、製造ラインを搬送される電解質膜の側部には、第1突起付ローラ110によって所定間隔で位置検出用孔が設けられ、位置検出用孔に従動する第2突起付ローラ120によって電解質膜の搬送距離が正確に検出される。位置検出用孔が設けられた電解質膜は、縁部切断用ローラ130によって側部を除去されたのち、第4ガイドローラ55を通じて上方に搬送される。
回収側蓄膜部50は、回収側膜蓄積手段として、触媒層形成部40から搬送される電解質膜を、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度に同期して余剰に取り込むものである。回収側蓄膜部50は、固定ガイドローラ51と、固定ガイドローラ51に対して近接離間可能に設けられた移動ガイドローラ52と、移動ガイドローラ52を移動させる駆動部53と、を有する。触媒層形成部40から搬送された電解質膜は、第5ガイドローラ54、移動ガイドローラ52、および固定ガイドローラ51を順次に通過して下方に搬送される。
電解質膜回収部60は、電解質膜回収手段として、電極触媒層が形成された電解質膜を巻取り回収するものである。回収側蓄膜部50から搬送される電解質膜は、第6ガイドローラ56を通じて水平方向に搬送され、電解質膜回収部60は、所定の間隔で電極触媒層が形成された帯状の電解質膜を巻き取ってロール状に回収する。電解質膜回収部60は、第1および第2回収ロール61a,61bを支持する回転軸である第1および第2巻取機62a,62bを備える。ガスケットおよび電極触媒層が形成された帯状の電解質膜は、当該電解質膜を上下から挟み込む2つの駆動ベルトを備える引取機63によって引き取られ、第1および第2巻取機62a,62bの一方に巻き取られる。
制御部70は、電解質膜供給部10、供給側蓄膜部20、ガスケット形成部30、触媒層形成部40、回収側蓄膜部50、電解質膜回収部60、および空調機90を制御するものである。制御部70は、製造ライン上に設けられる張力検出器37および速度検出器38などから信号を受け付けて、送出機13、巻取機62、引取機63、駆動部23,53、および空調機90などを制御する。また、本実施の形態の制御部70は、第2突起付ローラ120から信号を受けて、打抜き部32a,32bおよび触媒層形成部40a,40bを制御する。制御部70の具体的な処理内容については、後述する。
次に、図2を参照して、本実施の形態の蓄膜部について詳細に説明する。
図2は、本実施の形態における供給側蓄膜部の概略構成を示す斜視図である。図2(A)に示すとおり、本実施の形態の供給側蓄膜部20は、固定ガイドローラ21、移動ガイドローラ22、および駆動部23を有する。
固定ガイドローラ21は、帯状の電解質膜の搬送方向を変更するアイドルローラである。固定ガイドローラ21の回転軸は、隔壁80に固定されており、下方から搬送される電解質膜に当接して、当該電解質膜を移動ガイドローラ22に案内する。
移動ガイドローラ22は、固定ガイドローラ21に対して近接離間するアイドルローラである。移動ガイドローラ22の回転軸は、駆動部23の駆動ステージ23aに連結されている。移動ガイドローラ22は、固定ガイドローラ21から水平方向に搬送される電解質膜に当接して、電解質膜を固定ガイドローラ21の下部に設けられた第2ガイドローラ24に案内する。
駆動部23は、駆動手段として、移動ガイドローラ22を移動させるものである。駆動部23は、移動ガイドローラ22のローラ面を固定ガイドローラ21のローラ面に対して近接離間させる。駆動部23は、ボールネジ、リニアステージ、およびモータなどからなり、制御部70からの信号を受けて移動ガイドローラ22の移動速度を制御することができる。
以上のとおり、構成される本実施の形態の供給側蓄膜部20では、移動ガイドローラ22が固定ガイドローラ21から離れる向きに移動することによって、ガイドローラ21,22間に電解質膜が余剰に取り込まれて蓄積される(図2(B)参照)。一方、移動ガイドローラ22が固定ガイドローラ21に向かって移動することによって、余剰に取り込んだ電解質膜が製造ラインに送出される。本実施の形態では、移動ガイドローラ22の移動速度が制御され、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度に同期して供給側蓄膜部20から電解質膜が送出される。以下、図3〜図8を参照しつつ、本実施の形態のMEA製造方法について詳細に説明する。
図3は、本実施の形態のMEA製造装置における基本的な処理を示すフローチャートである。本実施の形態のMEA製造処理では、製造されるMEAの品質が維持されるように、製造ラインを搬送される電解質膜の搬送速度が一定速度Vに維持される。また、ガスケット形成部30a,30bおよび触媒層形成部40a,40bは、製造ラインを搬送される電解質膜とは独立的に制御され、電解質膜にガスケットおよび電極触媒層を形成する。
図3に示すとおり、本実施の形態におけるMEA製造処理では、まず、MEA製造ラインの稼動が開始される(ステップS101)。具体的には、MEA製造ラインに設けられる種々の機器が稼動されることにより、電解質膜の搬送、すなわち、MEAの製造が開始される。
次に、MEA製造ラインの温度および湿度が調整される(ステップS102)。本実施の形態では、電解質膜の品質を維持するために、温度および湿度調整手段である空調機90によって製造ラインの温度および湿度が維持される。ステップS102に示す温度・湿度調整処理については後述する。
次に、製造ラインを搬送される電解質膜の張力および搬送速度が制御される(ステップS103)。本実施の形態では、電解質膜に形成される電極触媒層の品質(形状精度を含む)を維持することができるように、製造ラインの第1〜第3ポイントに設けられる張力検出器37および速度検出器38が検出する信号に基づいて、電解質膜の張力および搬送速度が維持される。ステップS103に示す張力・速度調整処理については後述する。
次に、第1供給ロール11aに巻回されている電解質膜の残量が許容値未満か否かが判断される(ステップS104)。本実施の形態では、制御部70が、まず、予め第1供給ロール11aに巻回されていた電解質膜の長さと、速度検出器38aの速度情報に基づいて算出される電解質膜の長さとの差分により電解質膜の残量を算出する。そして、算出された電解質膜の残量を、予め設定されている許容値と比較する。なお、ここで設定される許容値は、供給側蓄膜部20に十分な電解質膜が取り込まれるだけの長さである。電解質膜の残量が許容値以上の場合(ステップS104:NO)、電解質膜の供給源を第1供給ロール11aから第2供給ロール11bに切り替える必要はないと判断され、ステップS106以下の処理に移行する。
一方、電解質膜の残量が許容値未満の場合(ステップS104:YES)、電解質膜の供給源を第1供給ロール11aから第2供給ロール11bに切り替える必要があると判断され、供給ロール切替処理に移行する(ステップS105)。本実施の形態では、まず、供給側蓄膜部20の移動ガイドローラ22が固定ガイドローラ21と離れる向きに移動することによって、電解質膜供給部10から搬送される電解質膜を余剰に取り込む。そして、移動ガイドローラ22が固定ガイドローラ21に向かって移動しつつ、余剰に取り込んだ電解質膜を製造ラインに速度Vで送出する。供給側蓄膜部20が電解質膜供給部10に代わって速度Vで電解質膜を製造ラインに送出している間に、第1供給ロール11aの電解質膜の終端部に第2供給ロール11bの電解質膜が接続されて、供給ロール11が切り替えられる。ステップS105に示す供給ロール切替処理については後述する。
次に、第1回収ロール61aに巻取られた電解質膜の回収量が許容値以上か否かが判断される(ステップS106)。本実施の形態では、制御部70が、まず、速度検出器38cの速度情報に基づいて、第1回収ロール61aに巻き取られた電解質膜の長さを算出する。そして、算出された電解質膜の長さを、予め設定されている許容値と比較する。第1回収ロール61aに巻取られた電解質膜の回収量が許容値未満の場合(ステップS106:NO)、電極触媒層が形成された電解質膜を回収している第1回収ロール61aを空のロールに切り替える必要はないと判断され、ステップS108以下の処理に移行する。
一方、第1回収ロール61aに巻取られた電解質膜の回収量が許容値以上の場合(ステップS106:YES)、第1回収ロール61aを空のロールに切り替える必要があると判断され、回収ロール切替処理に移行する(ステップS107)。本実施の形態では、回収側蓄膜部50の移動ガイドローラ52が固定ガイドローラ51と離れる向きに移動することによって触媒層形成部40から搬送される電解質膜を速度Vで取り込む。回収側蓄膜部50が、電解質膜回収部60に代わって速度Vで電解質膜を取り込んでいる間に、引取機63を通過した電解質膜が空の回収ロールに取り付けられて、回収ロール61が切り替えられる。ステップS107に示す回収ロール切替処理については後述する。
次に、必要量のMEAが製造されたか否かが判断される(ステップS108)。MEAが必要量製造されていない場合(ステップS108:NO)、必要量のMEAが製造されるまでステップS102以下の処理が繰り返される。一方、必要量のMEAが製造された場合(ステップS108:YES)、製造ラインの稼動が停止されて処理が終了される(ステップS109)。
以上のとおり、図3に示すフローチャートの処理によれば、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度Vを維持しつつ、必要量のMEAを連続的に製造することができる。具体的には、供給ロールの残量が僅かになった場合でも、電解質膜供給部10に代わって供給側蓄膜部20が電解質膜を速度Vで送出している間に、供給ロールを切り替えることができる。同様に、回収ロールの回収量が限界に近付いた場合でも、電解質膜回収部60に代わって回収側蓄膜部50が電解質膜を速度Vで取り込んでいる間に、回収ロールを切り替えることができる。したがって、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度Vを維持しつつ、連続的にMEAを製造することができる。
そして、このような構成のMEA製造装置によれば、製造ラインを停止することなく供給ロールおよび回収ロールを切り替えることができるため、機器の立ち下げおよび立ち上げに起因する損失が低減される。さらに、製造ラインに搬送される電解質膜の速度が一定に維持されるため、電解質膜の搬送速度の変化に起因する電解質膜の品質劣化、材料損失が抑制される。具体的には、たとえば、電解質膜の搬送速度が遅くなることに起因して、加熱プレス機41a,41bの下部に電解質膜が長時間滞在してしまうことにより、MEAの品質が低下してしまう現象などが防止される。また、本実施の形態とは異なり、触媒層形成部が吹き付け塗布により電極触媒層を形成する場合において、不要な部位に電極触媒層が長時間吹き付けられるなどの材料損失が防止される。以下、図4〜図8を参照して、図3のフローチャートに示す処理の詳細について説明する。
図4は、図3のステップS102に示す温度・湿度調整処理を説明するためのフローチャートである。上述したとおり、本実施の形態のMEA製造装置では、電解質膜の品質を維持することができるように、隔壁手段である隔壁80によって区画される第1〜第3領域の温度および湿度が適正に維持される。
図4に示すとおり、本実施の形態の温度・湿度調整処理では、まず、第3領域の温度および湿度が適正か否かが判断される(ステップS201)。本実施の形態では、制御部70が、第3領域に設けられた温度検出器および湿度検出器(不図示)から信号を受信して、第3領域の温度および湿度が適正範囲内にあるか否かを判断する。第3領域の温度および湿度が適正でない場合(ステップS201:NO)、第3空調機90cによって、第3領域の温度および湿度が調整される(ステップS202)。
一方、第3領域の温度および湿度が適正な場合(ステップS201:YES)、第2領域の温度および湿度が適正か否かが判断される(ステップS203)。本実施の形態では、制御部70が、第2領域に設けられた温度検出器および湿度検出器(不図示)から信号を受信して、第2領域の温度および湿度が適正範囲内にあるか否かを判断する。第2領域の温度および湿度が適正でない場合(ステップS203:NO)、第2空調機90bによって、第2領域の温度および湿度が調整される(ステップS204)。
一方、第2領域の温度および湿度が適正な場合(ステップS203:YES)、第1領域の温度および湿度が適正か否かが判断される(ステップS205)。本実施の形態では、制御部70が、第1領域に設けられた温度検出器および湿度検出器(不図示)から信号を受信して、第1領域の温度および湿度が適正範囲内にあるか否かを判断する。第1領域の温度および湿度が適正でない場合(ステップS205:NO)、第1空調機90aによって、第1領域の温度および湿度が調整される(ステップS206)。一方、第1領域の温度および湿度が適正な場合(ステップS205:YES)、処理が終了される。
以上のとおり、図4に示すフローチャートの処理によれば、第3領域、第2領域、および第1領域の温度および湿度が順次に独立的に調整され、適正範囲に維持される。
次に、図5および図6を参照しつつ、図3のフローチャートのステップS103に示す張力・速度調整処理について説明する。上述したとおり、本実施の形態のMEA製造装置では、製造されるMEAの品質を維持することがでるように、製造ラインを搬送される電解質膜の張力および搬送速度が適正に維持される。
図5に示すとおり、本実施の形態の張力・速度調整処理では、まず、巻取機62と引取機63の速度差が適正か否かが判断される(ステップS301)。本実施の形態では、制御部70が、巻取機62および引取機63に設けられた速度検出器(不図示)から信号を受信して、巻取機62と引取機63との速度差を算出する。そして、算出した速度差が適正範囲内にあるか否かを判断する。巻取機62と引取機63との速度差が適正な場合(ステップS301:YES)、ステップS308以下の処理に移行する。一方、巻取機62と引取機63との速度差が適正でない場合(ステップS301:NO)、巻取機62の回転速度が適正か否かが判断される(ステップS302)。巻取機62の回転速度が適正でない場合(ステップS302:NO)、巻取機62の回転速度を適正に調整して(ステップS303)、ステップS301以下の処理が繰り返される。一方、巻取機62の回転速度が適正な場合(ステップS302:YES)、引取機63の引取速度が適正か否かが判断される(ステップS304)。引取機63の引取速度が適正でない場合(ステップS304:NO)、引取機63の引取速度を適正に調整して(ステップS305)、ステップS301以下の処理が繰り返される。一方、引取機63の引取速度が適正な場合(ステップS304:YES)、保護シートの張力が適正か否かが判断される(ステップS306)。本実施の形態では、制御部70が、保護シートの搬送経路に設けられた張力検出器37hから信号を受信して、保護シートの張力が適正範囲内にあるか否かを判断する。保護シートの張力が適正でない場合(ステップS306:NO)、保護シート供給ロール36の回転速度が制御されることにより保護シートの張力が調整され(ステップS307)、ステップS301以下の処理が繰り返される。一方、保護シートの張力が適正な場合(ステップS306:YES)、ステップS308以下の処理に移行する。
次に、第1ポイントにおける電解質膜の張力および搬送速度が適正か否かが判断される(ステップS308)。本実施の形態では、制御部70が、電解質膜の搬送経路に設けられた張力検出器37cおよび速度検出器38cから信号を受信して、受信した値が適正範囲内か否かを判断する。電解質膜の張力および搬送速度が適正な場合(ステップS308:YES)、図6のステップS311以下の処理に移行する。一方、電解質膜の張力および搬送速度が適正でない場合(ステップS308:NO)、ガスケットの張力が適正範囲内か否かが判断される(ステップS309)。本実施の形態では、制御部70が、ガスケットの搬送経路に設けられた張力検出器37gから信号を受信して、ガスケットの張力が適正範囲内にあるか否かを判断する。ガスケットの張力が適正でない場合(ステップS309:NO)、ガスケット供給ロール31bの回転速度が制御されることによりガスケットの張力が調整され(ステップS310)、ステップS308以下の処理が繰り返される。一方、ガスケットの張力が適正な場合(ステップS309:YES)、図6のステップS311に示す処理に移行する。
次に、第2ポイントにおける電解質膜の張力および搬送速度が適正か否かが判断される(ステップS311)。本実施の形態では、制御部70が、電解質膜の搬送経路に設けられた張力検出器37bおよび速度検出器38bから信号を受信して、受信した値が適正範囲内か否かを判断する。電解質膜の張力および搬送速度が適正な場合(ステップS311:YES)、ステップS316以下の処理に移行する。一方、電解質膜の張力および搬送速度が適正でない場合(ステップS311:NO)、保護フィルムの引取速度が適正か否かが判断される(ステップS312)。本実施の形態では、制御部70が、保護フィルムの搬送経路に設けられた引取機35bから信号を受信して、保護フィルムの引取速度が適正範囲内にあるか否かを判断する。保護フィルムの引取速度が適正でない場合(ステップS312:NO)、引取機35bが制御されることにより保護フィルムの引取速度が調整され(ステップS313)、ステップS311以下の処理が繰り返される。一方、保護フィルムの引取速度が適正な場合(ステップS312:YES)、ガスケットの張力が適正か否かが判断される(ステップS314)。本実施の形態では、制御部70が、ガスケットの搬送経路に設けられた張力検出器37eから信号を受信して、ガスケットの張力が適正範囲内にあるか否かを判断する。ガスケットの張力が適正でない場合(ステップS314:NO)、ガスケット供給ロール31aの回転速度が制御されることによりガスケットの張力が調整され(ステップS315)、ステップS311以下の処理が繰り返される。一方、ガスケットの張力が適正な場合(ステップS314:YES)、ステップS316に示す処理に移行する。
次に、第3ポイントにおける電解質膜の張力および搬送速度が適正か否かが判断される(ステップS316)。本実施の形態では、制御部70が、電解質膜の搬送経路に設けられた張力検出器37aおよび速度検出器38aから信号を受信して、受信した値が適正範囲内か否かを判断する。電解質膜の張力および搬送速度が適正な場合(ステップS316:YES)、処理が終了される。一方、電解質膜の張力および搬送速度が適正でない場合(ステップS316:NO)、保護フィルムの引取速度が適正か否かが判断される(ステップS317)。本実施の形態では、制御部70が、保護フィルムの搬送経路に設けられた引取機35aから信号を受信して、保護フィルムの引取速度が適正範囲内にあるか否かを判断する。保護フィルムの引取速度が適正でない場合(ステップS317:NO)、引取機35aが制御されることにより保護フィルムの引取速度が調整され(ステップS318)、ステップS316以下の処理が繰り返される。一方、保護フィルムの引取速度が適正な場合(ステップS317:YES)、送出機13の送出速度が適正か否かが判断される(ステップS319)。本実施の形態では、制御部70が、送出機13に設けられた速度検出器(不図示)から信号を受信して、送出機13の送出速度が適正範囲内にあるか否かを判断する。送出機13の送出速度が適正でない場合(ステップS319:NO)、送出機13の送出速度が調整され(ステップS320)、ステップS316以下の処理が繰り返される。一方、送出機13の送出速度が適正な場合(ステップS319:YES)、処理が終了される。
以上のとおり、図5および図6に示すフローチャートの処理によれば、製造ラインを搬送される電解質膜の張力および搬送速度が調整され、適正範囲に維持される。その結果、製造されるMEAの品質が維持される。
次に、図7を参照しつつ、本実施の形態における供給ロール切替処理について説明する。
図7は、図3のフローチャートのステップS105に示す供給ロール切替処理を説明するためのフローチャートである。本実施の形態の供給ロール切替処理では、まず、供給側蓄膜部20が電解質膜供給部10から搬送される電解質膜を余剰に取り込む。そして、供給側蓄膜部20が製造ラインにおける電解質膜の搬送速度Vに同期して余剰に取り込んだ電解質膜を製造ラインに送出している間に、作業者が供給ロール11を切り替える。なお、本実施の形態の供給ロール切替処理では、移動ガイドローラ22は、固定ガイドローラ21の近傍側に予め位置している。
図7に示すとおり、本実施の形態の供給ロール切替処理では、まず、第1および第2領域の圧力が増加される(ステップS401)。本実施の形態では、空調機90a,90bから流入される空気(あるいは、窒素ガス)の流入量が増加することによって、第1および第2領域の圧力が外部の圧力よりも大きくなる。
次に、移動ガイドローラ22が移動を開始する(ステップS402)。本実施の形態では、制御部70が駆動部23を制御することにより、移動ガイドローラ22が固定ガイドローラ21から離れる向きに移動を開始する。移動ガイドローラ22は、たとえば、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度Vの半分の速度0.5Vで移動する。
そして、移動ガイドローラ22の移動開始にともなって、電解質膜の供給速度が増加する(ステップS403)。本実施の形態では、移動ガイドローラ22の移動開始と同時に、送出機13の送出速度が増加することにより、電解質膜の供給速度が増加する。送出機13は、移動ガイドローラ22の移動速度の2倍に該当する速度Vと電解質膜の搬送速度Vとの和に該当する送出速度2Vで電解質膜を送出する。
以上のとおり、ステップS402〜S403に示す処理によれば、移動ガイドローラ22が固定ガイドローラ21から離れる向きに移動することによって、移動ガイドローラ22と固定ガイドローラ21との間に電解質膜が余剰に取り込まれる。このとき、移動ガイドローラ22の移動速度の2倍の速度Vと、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度Vとの和に該当する送出速度2Vで、送出機13は電解質膜を送出する。したがって、移動ガイドローラ22が電解質膜を余剰に取り込んでいる間も、ガスケット形成部30および触媒層形成部40などが設けられた製造ラインを搬送される電解質膜の搬送速度Vは維持される。本実施の形態では、移動ガイドローラ22が駆動部23の遠方側の端部まで移動することにより、移動ガイドローラ22と固定ガイドローラ21との間隔の2倍の長さに相当する電解質膜が供給側蓄膜部20に取り込まれる。
次に、移動ガイドローラ22の移動方向が逆転される(ステップS404)。本実施の形態では、駆動部23の遠方側の端部まで速度0.5Vで移動した移動ガイドローラ22が、固定ガイドローラ21に向かって速度0.5Vで移動するように制御される。
そして、移動ガイドローラ22の移動方向の逆転にともなって、電解質膜供給部10からの電解質膜の供給が停止される(ステップS405)。本実施の形態では、移動ガイドローラ22の移動方向が逆転すると同時に、送出機13が停止して電解質膜の送出を停止する。このとき、第1供給ロール11aの回転は、支持軸12aに設けられたブレーキ機構(不図示)によって停止される。
以上のとおり、ステップS404〜S405に示す処理によれば、移動ガイドローラ22が固定ガイドローラ21に向かって速度0.5Vで移動すると同時に、送出機13が電解質膜の送出を停止することによって、移動ガイドローラ22と固定ガイドローラ21との間に取り込まれた電解質膜が、速度Vで製造ラインに送出される。したがって、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度Vを維持しつつ、電解質膜供給部10が停止される。
次に、供給ロール11を切り替えるために、第1領域が開放される(ステップS406)。本実施の形態では、たとえば、作業者が隔壁80に設けられた扉81(不図示)を開放することにより、第1領域が外部と連通される。このとき、ステップS401に示す処理で、第1領域および第2領域の圧力が外部の圧力よりも大きくなるように増加されていたため、第1領域の開放部を通じて、外気が第2領域まで流入することが防止される。
次に、第1供給ロール11aの電解質膜に、第2供給ロール11bの電解質膜が接続される(ステップS407)。本実施の形態では、作業者が、第1供給ロール11aに巻回されている電解質膜を全て引き出し、第1供給ロール11aに巻回されていた電解質膜の終端部と、第2供給ロール11bに巻回されている電解質膜の始端部とを接続する。
このとき、第1供給ロール11aに巻回されていた電解質膜の終端部は、電解質膜の送り方向に対して45度傾斜するように形成されている。また、第2供給ロール11bから展開される電解質膜の始端部も傾斜角度が、第1供給ロール11aの電解質膜の終端部の傾斜角と補角の関係を有するように傾斜している。互いに対向するように傾斜した電解質膜は、複数の接続部材を通じて接続される。なお、電解質膜を接続する時間にかけられる作業時間は、供給側蓄膜部20に取り込まれる電解質膜の長さと電解質膜の搬送速度とによって決定される。電解質膜の接続部についての詳細な説明は後述する。
次に、第1供給ロール11aが入れ替えられる(ステップS408)。本実施の形態では、空になった第1供給ロール11aが支持軸12aから取り外され、新たな供給ロールが支持軸12aに取り付けられる。
次に、第1領域が閉鎖される(ステップS409)。本実施の形態では、扉81が閉じられることによって第1領域が閉鎖され、第1領域の雰囲気が第2領域の雰囲気と同じになる。
以上のとおり、ステップS406〜S409に示す処理によれば、電解質膜供給部10に代わって供給側蓄膜部20が電解質膜を供給している間を利用して、供給ロールが切り替えられる。本実施の形態は、第1供給ロール11aから送出されている電解質膜の終端部に、第2供給ロール11bから展開される電解質膜の始端部が接続されることにより、第2供給ロール11bからの電解質膜の供給が可能となる。
次に、移動ガイドローラ22の移動が停止する(ステップS410)。本実施の形態では、駆動部23の固定ガイドローラ21近傍側の端部に移動ガイドローラ22が到達して停止する。
そして、移動ガイドローラ22の停止にともなって、電解質膜供給部10からの電解質膜の供給が開始される(ステップS411)。本実施の形態では、移動ガイドローラ22の停止と同時に、送出機13が電解質膜の送出を送出速度Vで再開する。その結果、第2供給ロール11bから電解質膜が供給される。
以上のとおり、図7に示すスローチャートの処理によれば、第1供給ロール11aの残量が許容値未満になった場合、移動ガイドローラ22が固定ガイドローラ21と離れる向きに移動することにより電解質膜供給部10から搬送される電解質膜を余剰に取り込む。次に、移動ガイドローラ22が固定ガイドローラ21に向かって電解質膜の搬送速度の半分の移動速度で移動することによって、速度Vで製造ラインに電解質膜を送出する。そして、電解質膜供給部10の代わりに供給側蓄膜部20から電解質膜が送出されている間に、第1供給ロール11aの電解質膜の端部に第2供給ロール11bの電解質膜の端部が接続されて供給ロール11が切り替えられる。その結果、製造ラインを搬送される電解質膜の搬送速度Vが維持されつつ連続的にMEAが製造される。
次に、図8を参照しつつ、本実施の形態における回収ロール切替処理について説明する。
図8は、図3のフローチャートのステップS107に示す回収ロール切替処理を説明するためのフローチャートである。本実施の形態の回収ロール切替処理では、回収側蓄膜部50が、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度に同期して電解質膜を取り込んでいる間に、作業者が回収ロールを切り替える。なお、本実施の形態の回収ロール切替処理では、移動ガイドローラ52は、固定ガイドローラ51の近傍側に予め位置している。
図8に示すとおり、本実施の形態の回収ロール切替処理では、まず、第2および第3領域の圧力が増加される(ステップS501)。本実施の形態では、空調機90b,90cから流入される空気(あるいは、窒素ガス)の流入量が増加することによって、第2および第3領域の圧力が外部の圧力よりも大きくなる。
次に、移動ガイドローラ52が移動を開始する(ステップS502)。本実施の形態では、制御部70が駆動部53を制御することにより、移動ガイドローラ52が固定ガイドローラ51から離れる向きに移動を開始する。移動ガイドローラ52は、たとえば、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度Vの半分の速度0.5Vで移動する。
そして、移動ガイドローラ52の移動開始にともなって、電解質膜の回収が停止される(ステップS503)。本実施の形態では、移動ガイドローラ52の移動開始と同時に、引取機63および巻取機62が停止されることにより、電解質膜の巻取り回収が停止される。
以上のとおり、ステップS502〜S503に示す処理によれば、移動ガイドローラ52が固定ガイドローラ51から離れる向きに移動すると同時に、引取機63および巻取機62が停止する。その結果、移動ガイドローラ52と固定ガイドローラ51との間に、触媒層形成部40から搬送される電解質膜が速度Vで余剰に取り込まれる。
次に、回収ロール61を切り替えるために、第3領域が開放される(ステップS504)。本実施の形態では、たとえば、作業者が隔壁80に設けられた扉82(不図示)を開放することにより、第3領域が外部と連通される。このとき、ステップS501に示す処理で、第2領域および第3領域の圧力が外部の圧力よりも大きくなるように増加されていたため、第3領域の開放部を通じて、外気が第2領域まで流入することが防止される。
次に、第1回収ロール61aに巻き取られている電解質膜が切断される(ステップS505)。本実施の形態では、作業者が、第1回収ロール61aに巻き取られている回収されている電解質膜を、第1回収ロール61aと引取機63との間で切断する。
そして、切断された電解質膜が第2回収ロール61bに固定される(ステップS506)。本実施の形態では、空の状態である第2回収ロール61bの中空軸に電解質膜の端部が連結される。
次に、第1回収ロール61aが入れ替えられる(ステップS507)。本実施の形態では、巻回している電解質膜の回収量が許容量以上になった第1回収ロール61aが巻取機62aから取り外され、新たな空の回収ロールが巻取機62aに取り付けられる。
次に、第3領域が閉鎖される(ステップS508)。本実施の形態では、扉82が閉じられることによって第3領域が閉鎖され、第3領域の雰囲気が第2領域の雰囲気と同じになる。
以上のとおり、ステップS504〜S508に示す処理によれば、電解質膜回収部60に代わって回収側蓄膜部50が電解質膜を回収している間を利用して、回収ロールが切り替えられる。本実施の形態では、第1回収ロール61aに巻き取られている電解質膜が切断され、第2回収ロール61bの中空軸に固定されることにより、第2回収ロール61bによる電解質膜の回収が可能となる。
次に、移動ガイドローラ52の移動方向が逆転される(ステップS509)。本実施の形態では、駆動部53の遠方側の端部まで速度0.5Vで移動した移動ガイドローラ52が、固定ガイドローラ51に向かって速度0.5Vで移動するように制御される。
そして、移動ガイドローラ52の移動方向の逆転にともなって、電解質膜の回収が開始される(ステップS510)。本実施の形態では、移動ガイドローラ52の移動方向が逆転すると同時に、引取機63および巻取機62bが稼動して、電解質膜の回収を開始する。引取機63および巻取機62bは、移動ガイドローラ52の移動速度の2倍に該当する速度Vと電解質膜の搬送速度Vとの和に該当する速度2Vで、電解質膜の回収を開始する。
以上のとおり、ステップS509〜S510に示す処理によれば、移動ガイドローラ52の移動方向が逆転すると同時に、引取機63および巻取機62bが稼動されることによって、ガイドローラ51,52間に蓄積された電解質膜が回収される。このとき、移動ガイドローラ52の移動速度の2倍に該当する速度Vと電解質膜の搬送速度Vとの和に該当する速度2Vで巻取機62bが電解質膜を巻き取ることにより、触媒層形成部40から搬送される電解質膜の搬送速度Vは維持される。
次に、移動ガイドローラ52の移動が停止する(ステップS511)。本実施の形態では、駆動部53の固定ガイドローラ51近傍側の端部に移動ガイドローラ52が到達して停止する。
そして、移動ガイドローラ52の停止にともなって、電解質膜の回収速度が減少され(ステップS512)、処理が終了される。本実施の形態では、移動ガイドローラ52の停止と同時に、引取機63および巻取機62bの速度2Vが、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度Vと同じになるまで減速される。
以上のとおり、図8に示すフローチャートの処理によれば、第1回収ロール61aの回収量が許容値以上になった場合、移動ガイドローラ52が固定ガイドローラ51と離れる向きに搬送速度の半分の速度で移動することによって電解質膜を取り込む。そして、電解質膜回収部60に代わり回収側蓄膜部50が電解質膜を回収している間に、第2回収ロール61bの中空軸に触媒層形成部40から搬送される電解質膜の端部が連結される。その結果、製造ラインを搬送される電解質膜の搬送速度Vが維持されつつ連続的にMEAが製造される。
次に、図9を参照して、電解質膜供給部10における電解質膜の接続方法について説明する。
図9は、本実施の形態における帯状の電解質膜の接続部を説明するための図である。図9(A)に示すとおり、本実施の形態の供給ロール11に巻回されている電解質膜の始端部510bおよび終端部510aは、傾斜角が互いに補角の関係を有するように送り方向に対して傾斜している。第1供給ロール11aの電解質膜と第2供給ロール11bの電解質膜とは、図9(B)に示すとおり、第1供給ロール11aの終端部510aが第2供給ロールの始端部510bと対向した状態で接着性を有する接続部材514によって接続される。
図9(c)は、図9(B)のI−I線に沿った断面図である。上述したとおり、本実施の形態の電解質膜511の両面は、第1および第2の保護フィルム512,513によって覆われている。本実施の形態における電解質膜の接続部は、接続部材514a、第2の保護フィルム512、接続部材514b、電解質膜511、第1の保護フィルム513、および接続部材514cが順次に積層されてなる。
このような構成にすると、たとえば、電解質膜の継ぎ目が送り方向に対して傾斜しているため、たとえば、電解質膜の送り方向を変更するガイドローラ15のローラ面に継ぎ目全体が同時に接触することが回避される。したがって、水平方向に搬送される電解質膜がガイドローラ15を通過して上方に搬送される場合であっても、ガイドローラ15による曲げに起因して発生する局所な応力によって電解質膜の接続部が引張破断することが防止される。
なお、上述した実施の形態では、供給ロール11に巻回されている電解質膜の端部が送り方向に対して傾斜するように予め形成されている。しかしながら、供給ロール11に巻回されている電解質膜の端部は予め傾斜してなくともよく、供給ロール切替時に電解質膜の端部を斜めに切断することにより、送り方向に対して傾斜した端部を形成してもよい。
以上のとおり、説明された本実施の形態は、以下の効果を奏する。
(a)本実施の形態のMEA製造装置は、電解質膜供給部と、触媒層形成部と、供給側蓄膜部と、を有する。電解質膜供給部は、帯状の電解質膜を供給ロールから取り出して搬送する。触媒層形成部は、電解質膜供給部から搬送された電解質膜に電極触媒層を形成する。供給側蓄膜部は、電解質膜供給部と触媒層形成部との間に設けられ、電解質膜供給部から搬送される電解質膜を余剰に取り込み、触媒層形成部における電解質膜の搬送速度に同期して余剰に取り込んだ電解質膜を触媒層形成部に送出する。したがって、触媒層形成部における電解質膜の搬送速度に同期して余剰に取り込まれた電解質膜が触媒層形成部に送出されている間に、供給ロールを切り替えることができる。その結果、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度を維持しつつ連続的にMEAを製造することができる。より具体的には、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度が維持されるため、製造ラインの停止または減速にともなう触媒層形成部の調整に起因する損失の発生が防止される。また、電解質膜の搬送速度の変動に起因するMEAの品質劣化が防止され、品質劣化により廃棄されるMEAの数が減少する。
(b)本実施の形態のMEA製造装置は、供給側蓄膜部と触媒層形成部との間に設けられ、電解質膜にガスケットを形成するガスケット形成部をさらに有する。したがって、製造ラインの停止または減速にともなうガスケット形成部の調整に起因する損失の発生が防止される。
(c)本実施の形態のMEA製造装置は、電解質膜回収部と、回収側蓄膜部と、をさらに有する。電解質膜回収部は、触媒層形成部によって電極触媒層が形成された電解質膜を巻取り回収する。回収側蓄膜部は、触媒層形成部と電解質膜回収部との間に設けられ、触媒層形成部から搬送される電解質膜を、触媒層形成部における電解質膜の搬送速度に同期して余剰に取り込む。したがって、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度に同期して回収側蓄膜部が電解質膜を取り込んでいる間に回収ロールが切り替えられるため、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度を維持しつつ連続的にMEAを製造することができる。
(d)本実施の形態のMEA製造装置は、電解質膜供給部が設けられている第1領域と、供給側蓄膜部および触媒層形成部が設けられている第2領域と、電解質膜回収部が設けられている第3領域とを区画する隔壁をさらに有する。したがって、電解質膜供給部、電解質膜回収部、および触媒層形成部といった小さな管理単位で雰囲気を管理することができる。
(e)本実施の形態のMEA製造装置は、第1〜第3領域の温度および湿度をそれぞれ調整する第1〜第3空調機をさらに有する。したがって、第1領域および第3領域とは独立に、第2領域の温度および湿度が維持され、第1領域および第3領域の開放時であっても、製造ラインを搬送される電解質膜の膨潤および収縮が抑制される。その結果、製造されるMEAの品質劣化が抑制される。また、供給ロールおよび回収ロールの入れ替え後に、第1領域および第3領域の雰囲気を短時間で、かつ、少ない調整量で第2領域と同じにすることができる。
(f)電解質膜供給部は、第1の電解質膜が取り出される第1供給ロールと、第1の電解質膜の端部に接続される第2の電解質膜が取り出される第2供給ロールと、を有する。また、相互に接続される第1の電解質膜の端部および第2の電解質膜の端部は、傾斜角が互いに補角をなすように送り方向に対してそれぞれ傾斜している。したがって、電解質膜に張力が加わった状態で、ガイドローラに沿って膜厚方向に向きを変える場合であっても、継ぎ目全体に力が同時に作用することが防止される。その結果、電解質膜の接続部が引張破断することが防止される。
(g)第1の電解質膜の端部の傾斜角は45度である。したがって、電解質膜の送り方向に対する強度と送り方向に垂直な方向に対する強度とのバランスが確保される。
(h)供給ロールに巻回されている帯状の電解質膜の始端部および終端部は、傾斜角が互いに補角をなすように、送り方向に対してそれぞれ傾斜している。したがって、電解質膜に張力が加わった状態で、ガイドローラに沿って膜厚方向に向きを変える場合であっても、継ぎ目全体に力が同時に作用することが防止される。その結果、電解質膜の接続部が引張破断することが防止される。また、供給ロールの切り替え時に、電解質膜の端部を切断して形状を整える処理が省略される。さらに、切除による無駄の発生も抑制される。
(i)帯状の電解質膜の始端部の傾斜角は45度である。したがって、電解質膜の送り方向に対する強度と送り方向に垂直な方向に対する強度とのバランスが確保される。
(j)本実施の形態のMEA製造方法は、蓄膜段階と、送出段階と、を有する。蓄膜段階は、供給ロールから取り出されて搬送される帯状の電解質膜を余剰に取り込む。送出段階は、電解質膜に電極触媒層を形成する触媒層形成部における電解質膜の搬送速度に同期して、余剰に取り込んだ電解質膜を触媒層形成部に送出する。したがって、触媒層形成部における電解質膜の搬送速度に同期して余剰に取り込まれた電解質膜が触媒層形成部に送出されている間に、供給ロールを切り替えることができる。その結果、製造ラインにおける電解質膜の搬送速度を維持しつつ連続的にMEAを製造することができる。
なお、上述した実施の形態では、帯状の電解質膜にガスケットおよび電極触媒層を順次に形成した。しかしながら、電極触媒層の上部にガス拡散層がさらに形成されてもよい。この場合、ガスケット、電極触媒層、およびガス拡散層が形成された電解質膜が、回収ロールに巻き取り回収される。
(第2の実施の形態)
次に、図10を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、電解質膜を巻き取り回収することなく、複数のMEAに分離して回収する実施の形態である。
図10に示すとおり、本実施の形態のMEA製造装置は、電解質膜供給部10、供給側蓄膜部20、ガスケット形成部30、触媒層形成部40、電解質膜回収部60、制御部70、およびガス拡散層形成部200を備える。なお、電極触媒層が形成された電解質膜の上部にガス拡散層を形成する点、および、電解質膜回収部60がMEAを分離して回収している点を除いては、本実施の形態の構成は、第1の実施の形態における構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ガス拡散層形成部200は、電極触媒層が形成された電解質膜の上部にガス拡散層を形成する。ガス拡散層形成部200は、電解質膜の上面および下面にガス拡散層を形成する第1および第2のガス拡散層形成部200a,200bを有する。ガス拡散層が形成された電解質膜は、キャリアシール供給ロール210a,210bからキャリアシールが供給されて接合される。キャリアシール供給ロール210a,210bから搬送されるキャリアシールは、補助ガイドローラ39f,39gによって水平方向に向きを変えつつ電解質膜に接合される。
電解質膜回収部60は、ガス拡散層およびキャリアシールが設けられた電解質膜を所定の間隔で切断する切断機68を有する。電解質膜回収部60に搬送された電解質膜は、切断機68によって切断され、電解質膜回収部60の底部に収容される。本実施の形態の切断機68は、第1突起付ローラ110によって位置検出用孔が設けられ電解質膜の側部を除去する側部切断手段を兼ねる。このような構成にすると、別工程で電解質膜を切断する処理が省略される。また、回収側蓄膜部が省略されるため、MEA製造装置の構成および制御が簡素化される。
以上のとおり、説明された本実施の形態は、第1の実施の形態における効果に加えて、以下の効果を奏する。
(k)本実施の形態のMEA製造装置は、電解質膜を所定の間隔で切断する切断機を有する。したがって、別工程で電解質膜を切断する処理が省略される。また、回収側蓄膜部が省略されるため、MEA製造装置の構成および制御が簡素化される。
(第3の実施の形態)
次に、図11を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、製造ラインにおいてガスケットおよび電極触媒層が形成される電解質膜が鉛直方向上向きに搬送される実施の形態である。
図11に示すとおり、本実施の形態におけるMEA製造装置は、電解質膜供給部10、供給側蓄膜部20、ガスケット形成部30、触媒層形成部40、回収側蓄膜部50、電解質膜回収部60、および制御部70を備える。なお、電解質膜が鉛直方向上向きに搬送される点を除いては、本実施の形態の構成は、第1の実施の形態における構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
供給側蓄膜部20の移動ガイドローラ22は、上方に移動することによって電解質膜供給部10から搬送される電解質膜を取り込み、下方に移動することによって取り込んだ電解質膜を製造ラインに送出する。また、回収側蓄膜部50の移動ガイドローラ51は、下方に移動することによって触媒層形成部40から搬送される電解質膜を取り込み、上方に移動することによって取り込んだ電解質膜を電解質膜回収部60に送出する。
このような構成にすると、電解質膜が重力によって下方に引っ張られるため、ガスケット形成部30および触媒層形成部40が設けられた製造ラインを搬送される電解質膜の撓みが防止される。その結果、電解質膜の撓みに起因する電極触媒層などの形状精度および位置精度の劣化が防止される。
以上のとおり、説明された本実施の形態は、第1および第2の実施の形態における効果に加えて、以下の効果を奏する。
(l)本実施の形態のMEA製造装置は、鉛直方向上向きに搬送される電解質膜の搬送経路を有する。したがって、電解質膜の撓みに起因する電極触媒層の形状精度および位置精度の劣化が防止される。
(第4の実施の形態)
次に、図12を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、供給側蓄膜部20に固定ガイドローラおよび移動ガイドローラが各々複数設けられる実施の形態である。
図12に示すとおり、本実施の形態における供給側蓄膜部20は、第1および第2の固定ガイドローラ21a,21b、第1および第2の移動ガイドローラ22a,22b、ならびに駆動部23を有する。
第1および第2の固定ガイドローラ21a,21bは、同一の回転軸に設けられ、互いに独立して回転することができるアイドルローラである。第1および第2の移動ガイドローラ22a,22bは、駆動部23の駆動ステージ23aに連結される同一の回転軸に設けられ、互いに独立して回転することができるアイドルローラである。駆動部23は、第1および第2の移動ガイドローラ22a,22bを、第1および第2の固定ガイドローラ21a,21bに対して近接離間するように移動させる。
このように構成される供給側蓄膜部20では、電解質膜は、第1の固定ガイドローラ21a、第1の移動ガイドローラ22a、第2の固定ガイドローラ21b、第2の移動ガイドローラ22b、および第2ガイドローラ24を順次に通過して下方に搬送される。第1および第2の移動ガイドローラ22a,22bが、第1および第2の固定ガイドローラ21a,21bから離れる向きに移動することによって、ガイドローラ21,22間に電解質膜が余剰に取り込まれる。
そして、このような構成にすると、より長い電解質膜を供給側蓄膜部20が余剰に取り込むことができる。その結果、供給ロールを切り替えるための作業時間がより長く確保される。
以上のとおり、説明された本実施の形態は、第1〜第3の実施の形態における効果に加えて、以下の効果を奏する。
(m)本実施の形態の供給側蓄膜部は、複数の固定ガイドローラおよび複数の移動ガイドローラを有する。したがって、より長い電解質膜を余剰に取り込むことができる。その結果、供給ロールを切り替えるための作業時間がより長く確保される。
以上のとおり、第1〜第4の実施の形態において、本発明のMEA製造装置およびMEA製造方法を説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができることはいうまでもない。
たとえば、上述した実施の形態では、供給側蓄膜部の移動ガイドローラの移動速度に応じて、電解質膜を送出する送出機の送出速度が制御された。しかしながら、電解質膜を送出する送出機は省略されることができる。この場合、供給ロールの回転時の摩擦抵抗を小さくすることにより、引取機によって電解質膜に作用される力により自動的に電解質膜の送出速度が調整される。
また、上述した実施の形態では、接続部の強度を確保するために、送り方向に対して傾斜した端部を有する電解質膜同士を接続した。しかしながら、図13に示すとおり、一方の電解質膜の端部が他方の電解質膜の端部と重畳するように接続して、接続部の強度を確保することもできる。
また、上述した実施の形態では、供給側蓄膜部と触媒層形成部との間にガスケット形成部が設けられた。しかしながら、ガスケット形成部は、触媒層形成部の後流側に設けられてもよい。
また、上述した実施の形態では、サブガスケットおよびキャリアシールを帯状で供給しているが、樹脂の射出成形であってもよい。
本発明の第1の実施の形態におけるMEA製造装置の概略構成を示す図である。 図1に示すMEA製造装置における供給側蓄膜部の概略構成を示す斜視図である。 図1に示すMEA製造装置における基本的な処理を示すフローチャートである。 図3のステップS102に示す温度・湿度調整処理を説明するためのフローチャートである。 図3のステップS103に示す張力・速度調整処理を説明するためのフローチャートである。 図5に後続するフローチャートである。 図3のステップS105に示す供給ロール切替処理を説明するためのフローチャートである。 図3のステップS107に示す回収ロール切替処理を説明するためのフローチャートである。 図1に示すMEA製造装置における帯状の電解質膜の接続部を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態におけるMEA製造装置の概略構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるMEA製造装置の概略構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態におけるMEA製造装置の供給側蓄膜部を示す斜視図である。 図9に示す帯状の電解質膜の接続部の変形例を説明するための斜視図である。
符号の説明
10 電解質膜供給部(電解質膜供給手段)、
11 供給ロール(原反ロール)、
20 供給側蓄膜部(蓄膜手段)、
30 ガスケット形成部(ガスケット形成手段)、
40 触媒層形成部(触媒層形成手段)、
50 回収側蓄膜部(回収側蓄膜手段)、
60 電解質膜回収部(電解質膜回収手段)、
70 制御部、
80 隔壁(隔壁手段)、
90 空調機(温度調整手段、湿度調整手段)、
510 電解質膜の端部。

Claims (4)

  1. 帯状の電解質膜を原反ロールから取り出して搬送する電解質膜供給手段と、
    前記電解質膜供給手段から搬送された電解質膜に電極触媒層を形成する触媒層形成手段と、
    前記電解質膜供給手段と前記触媒層形成手段との間に設けられ、前記電解質膜供給手段から搬送される電解質膜を余剰に取り込み、前記触媒層形成手段における電解質膜の搬送速度に同期して前記余剰に取り込んだ電解質膜を前記触媒層形成手段に送出する蓄膜手段と、を有し、
    前記電解質膜供給手段は、隔壁により区画される第1領域に収容されており、
    前記原反ロールを切り替えるとき、前記第1領域の圧力を、外部の圧力よりも大きくなるように増加させることを特徴とする膜電極接合体の製造装置。
  2. 前記触媒層形成手段によって電極触媒層が形成された電解質膜を巻取り回収する電解質膜回収手段をさらに有し、
    記蓄膜手段および前記触媒層形成手段は、隔壁により区画される第2領域に収容されており、前記電解質膜回収手段は、隔壁により区画される第3領域に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造装置。
  3. 前記第1〜第3領域の温度をそれぞれ調整する第1〜第3の温度調整手段と、
    前記第1〜第3領域の湿度をそれぞれ調整する第1〜第3の湿度調整手段と、をさらに有することを特徴とする請求項に記載の膜電極接合体の製造装置。
  4. 前記電解質膜供給手段は、第1の電解質膜が取り出される第1の原反ロールと、前記第1の電解質膜の端部に接続される第2の電解質膜が取り出される第2の原反ロールと、を有し、
    前記相互に接続される前記第1の電解質膜の端部および前記第2の電解質膜の端部は、傾斜角が互いに補角をなすように、送り方向に対してそれぞれ傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造装置。
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