JP5216707B2 - 発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機金属錯体に関する。特に、励起三重項状態を発光に変換できる有機金属
錯体に関する。また、本発明は、陽極と、陰極と、電界を加えることで発光が得られる有
機化合物を含む層(以下、「発光物質を含む層」と記載する。)と、を有する発光素子に
関する。また、本発明は、前記発光素子を用いた発光装置に関する。
有機化合物(有機分子)は、光を吸収するとエネルギーを持った状態(励起状態)とな
る。この励起状態を経由することにより、光化学反応などの種々の反応を起こす場合や発
光(ルミネッセンス)を生じる場合があり、様々な応用がなされている。
光化学反応の一例として、一重項酸素の不飽和有機分子との反応(酸素付加)がある(
例えば、下記非特許文献1参照)。酸素分子は基底状態が三重項状態であるため、一重項
状態の酸素(一重項酸素)は直接の光励起では生成しない。しかしながら、他の三重項励
起分子の存在下においては一重項酸素が生成し、酸素付加反応に至ることができる。この
時、前述の三重項励起分子を形成できる化合物は、光増感剤と呼ばれる。
このように、一重項酸素を生成するためには、三重項励起分子を光励起で形成できる光
増感剤が必要である。ところが、通常の有機化合物は基底状態が一重項状態であるため、
励起三重項状態への光励起は禁制遷移となり、三重項励起分子は生じにくい(通常は一重
項励起分子が生じる。)。従って、このような光増感剤としては、励起一重項状態から励
起三重項状態への項間交差を起こしやすい化合物、あるいは直接励起三重項状態へ光励起
されるという禁制遷移を許容する化合物が求められている。言い換えれば、そのような化
合物は、光増感剤としての利用が可能であり、有益と言える。
また、そのような化合物は、しばしば燐光を放出することがある。燐光とは多重度の異
なるエネルギー間の遷移によって生じる発光のことであり、通常の有機化合物では励起三
重項状態から一重項基底状態へ戻る際に生じる発光のことを指す(これに対し、励起一重
項状態から一重項基底状態へ戻る際の発光は、蛍光と呼ばれる。)。燐光を放出できる化
合物、すなわち励起三重項状態を発光に変換できる化合物(以下、「燐光性化合物」と記
載する。)の応用分野としては、発光性の化合物として有機化合物を用いた発光素子が挙
げられる。
この発光素子は、薄型軽量、高速応答性、直流低電圧駆動などの特性から、次世代のフ
ラットパネルディスプレイ素子として注目されているデバイスである。また、自発光型で
あり、視野角が広いことから、視認性も比較的良好であり、携帯機器の表示画面に用いる
素子として有効と考えられている。
有機化合物を発光体として用いる場合、発光素子の発光機構はキャリア注入型である。
すなわち、電極間に発光層を挟んで電圧を印加することにより、陰極から注入された電子
および陽極から注入されたホールが発光層中で再結合して励起分子を形成し、その励起分
子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出して発光する。
そして、励起分子の種類としては、先に述べた光励起の場合と同様、励起一重項状態(
*)と励起三重項状態(T*)が可能である。また、発光素子におけるその統計的な生成
比率は、S*:T*=1:3であると考えられている(例えば、下記非特許文献2参照)。
しかしながら、一般的な有機化合物は室温において、励起三重項状態からの発光(燐光
)は観測されず、通常は励起一重項状態からの発光(蛍光)のみが観測される。有機化合
物の基底状態は通常、一重項基底状態(S0)であるため、T*→S0遷移(燐光過程)は
強度の禁制遷移となり、S*→S0遷移(蛍光過程)は許容遷移となるからである。
従って、発光素子における内部量子効率(注入したキャリアに対して発生するフォトン
の割合)の理論的限界は、S*:T*=1:3であることを根拠に25%とされていた。
ところが、上述した燐光性化合物を用いれば、T*→S0遷移(燐光過程)が許容される
ため、内部量子効率は75〜100%にまで理論上は可能となる。つまり、従来の3〜4
倍の発光効率が可能となる。実際、燐光性化合物を用いた発光素子が相次いで発表され、
その発光効率の高さが注目されている(例えば、下記非特許文献3および非特許文献4参
照)。
下記非特許文献3では、白金を中心金属とするポルフィリン錯体を、下記非特許文献4
ではイリジウムを中心金属とする有機金属錯体を用いており、いずれの錯体も燐光性化合
物である。
また、イリジウムを中心金属とする有機金属錯体(以下、「イリジウム錯体」と記載す
る。)を含む層と、公知の蛍光性化合物であるDCM2を含む層とを交互に積層すること
により、イリジウム錯体で生成した三重項励起エネルギーをDCM2に移動させ、DCM
2の発光に寄与させることもできる(例えば、下記特許文献5参照)。この場合、DCM
2の励起一重項状態の量(通常であれば25%以下)は、通常に比べて増幅されるため、
DCM2の発光効率は増大する。これはいわば、燐光性化合物であるイリジウム錯体の増
感作用とも言える。
下記非特許文献3〜5に示されているとおり、燐光性化合物を用いた発光素子は、従来
よりも高い発光効率を達成できる(つまり、少ない電流で高い輝度を達成できる。)。従
って、燐光性化合物を用いた発光素子は、高輝度発光・高発光効率を達成するための手法
として、今後の開発において大きなウェートを占めるものと考えられる。
以上のように、燐光性化合物は項間交差を起こしやすく、なおかつ励起三重項状態から
の発光(燐光)を生じやすいため、光増感剤としての利用や燐光材料としての発光素子へ
の適用が有用であり、期待されている化合物であるが、その数は少ないのが現状である。
数少ない燐光性化合物の中で、前記非特許文献4や非特許文献5で用いられているイリ
ジウム錯体は、オルトメタル錯体と呼ばれる有機金属錯体の一種である。この錯体は燐光
寿命が数百ナノ秒であり、また、燐光量子収率も高いことから、上述のポルフィリン錯体
に比べると輝度の上昇に伴う効率の低下が小さいため、発光素子において有効である。そ
の意味でも、このような有機金属錯体は、励起三重項状態への直接光励起や項間交差を起
こしやすい化合物、ひいては燐光性化合物を合成するための一つの指針である。
下記非特許文献4や非特許文献5で用いられているイリジウム錯体の配位子の構造は比
較的単純であり、色純度の良い緑色発光を示すが、発光色を他の色に変えるためには配位
子の構造を変える必要がある。例えば、「第10回 インターナショナル ワークショッ
プ オン インオーガニック アンド オーガニック エレクトロルミネッセンス(EL
’00)」p.35−38では、種々の配位子およびその配位子を用いたイリジウム錯体
が合成されており、いくつかの発光色を実現している。
しかしながら、これらはごく限られた一例であるため、その種類において十分に満足さ
れるものではない。上述したような有機金属錯体は、励起三重項状態への項間交差が起こ
りやすい材料であり、光増感剤や燐光材料などの様々な用途が考えられるため、その用途
に応じた様々な性能が必要である。
従って、励起三重項状態への項間交差が起こりやすい新規な有機金属錯体が望まれてい
る。その中でも、特に高効率な発光素子を得るため、燐光材料として用いることができる
新規な有機金属錯体が望まれている。
特開昭48−8788号公報
井上晴夫、外3名「基礎化学コース 光化学I」(丸善株式会社)、p.106−110 筒井哲夫、「応用物理学会 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会 第3回講習会テキスト」p.31−37(1993) D.F.オブライエン外3名「アプライド フィジクス レターズ、vol.74、No.3」p.442−444(1999) テツオ ツツイ外8名「ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジクス、vol.38」L1502−L1504(1999) M.A.バルド外2名「ネイチャー(ロンドン)、vol.403」p.750−753(2000) M.トンプソン、外10名「第10回 インターナショナル ワークショップ オン インオーガニック アンド オーガニック エレクトロルミネッセンス(EL’00)」p.35−38
本発明は、励起三重項状態への項間交差が起こりやすく、また燐光を発光できる新規な
有機金属錯体を提供することを課題とする。また、本発明は、前記有機金属錯体を用いた
高効率な発光素子を提供することを課題とする。さらに、本発明は、前記発光素子を用い
た消費電力の低い発光装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意実験、検討を重ねた結果、下記一般式(1)で表される構造を有す
る有機金属錯体は、励起三重項状態への項間交差が起こりやすく、また燐光を発光できる
化合物であることを見い出した。
(式中、R1〜R3は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコキシル基、ア
リール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、Arは、電子吸引性の置換基
を有するアリール基または電子吸引性の置換基を有する複素環残基を表す。また、Mは第
9族元素または第10族元素を表す。)
従って、本発明は、上記一般式(1)で表される構造を有する有機金属錯体を提供する
ものである。そのうち、特に下記一般式(2)で表される構造を有する有機金属錯体が好
ましい。
(式中、R1〜R3は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコキシル基、ア
リール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、R4〜R7のいずれかは電子吸
引性の置換基を表し、R4〜R7のうちの残りは水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル
基、アルコキシル基、アリール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、Mは
第9族元素または第10族元素を表す。)
また、前記式(1)で表される構造を有する有機金属錯体のうち、特に下記一般式(3
)で表される構造を有する有機金属錯体が好ましい。
(式中、R1は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコキシル基、アリー
ル基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、R8は、電子吸引性の置換基を表
す。また、Mは第9族元素または第10族元素を表す。)
また、本発明者らは、下記一般式(4)で表される有機金属錯体が、励起三重項状態へ
の項間交差が起こりやすく、また燐光を発光できる化合物であることを見い出した。
(式中、R1〜R3は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコキシル基、ア
リール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、Arは、電子吸引性の置換基
を有するアリール基または電子吸引性の置換基を有する複素環残基を表す。また、Mは第
9族元素または第10族元素を表し、前記Mが第9族元素の場合はn=2、第10族元素
の場合はn=1となる。また、Lは、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の配位子
、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノー
ル性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す。)
従って、本発明は、上記一般式(4)で表される有機金属錯体を提供するものである。
このうち、特に下記一般式(5)で表される有機金属錯体が好ましい。
(式中、R1〜R3は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコキシル基、ア
リール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、R4〜R7のいずれかは電子吸
引性の置換基を表し、R4〜R7のうちの残りは水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル
基、アルコキシル機、アリール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、Mは
第9族元素または第10族元素を表し、前記Mが第9族元素の場合はn=2、第10族元
素の場合はn=1となる。また、Lは、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の配位
子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノ
ール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す。)
また、前記式(4)で表される有機金属錯体のうち、特に下記一般式(6)で表される
有機金属錯体が好ましい。
(式中、R1は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコキシル基、アリー
ル基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、R8は、電子吸引性の置換基を表
す。また、Mは第9族元素または第10族元素を表し、前記Mが第9族元素の場合はn=
2、第10族元素の場合はn=1となる。また、Lは、β−ジケトン構造を有するモノア
ニオン性の配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子
、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれか
を表す。)
なお、上記一般式(4)〜(6)において、配位子Lは、β−ジケトン構造を有するモ
ノアニオン性の配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配
位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子であれば
何れでもよいが、以下の構造式(7)〜(13)で表されるモノアニオン性の二座キレー
ト配位子のいずれかが好ましい。このモノアニオン性の二座キレート配位子は、配位能力
が高く、また安価に入手することができるため、有効である。
なお、上記一般式(1)〜(3)で表される構造を有する有機金属錯体、または上記一
般式(4)〜(6)で表される有機金属錯体において、電子吸引性の置換基としては、ハ
ロゲノ基またはハロアルキル基のいずれかであることが好ましく、特にフルオロ基やトリ
フルオロメチル基が好ましい。これらの電子吸引性の置換基により上記一般式(1)〜(
3)で表される構造を有する有機金属錯体、または上記一般式(4)〜(6)で表される
有機金属錯体の発光量子収率を向上させることができるため、有効である。
また、本発明者らは、下記一般式(14)で表される構造を有する有機金属錯体が、励
起三重項状態への項間交差が起こりやすく、また燐光を発光できる化合物であることを見
い出した。
(式中、R2およびR3は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコキシル基
、アリール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、Arはアリール基または
複素環残基を表す。また、Mは第9族元素または第10族元素を表す。)
従って、本発明は、上記一般式(14)で表される構造を有する有機金属錯体を提供す
るものである。このうち、特に下記一般式(15)で表される構造を有する有機金属錯体
が好ましい。
(式中、R2〜R7、R9〜R13は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコ
キシル基、アリール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、Mは第9族元素
または第10族元素を表す。)
また、前記式(14)で表される構造を有する有機金属錯体のうち、特に下記一般式(
16)で表される構造を有する有機金属錯体が好ましい。
(式中、R8およびR14は水素、ハロゲン原子、ハロアルキル基のいずれかを表す。ま
た、Mは第9族元素または第10族元素を表す。)
また、本発明者らは、下記一般式(17)で表される有機金属錯体が、励起三重項状態
への項間交差が起こりやすく、また燐光を発光できる化合物であることを見い出した。
(式中、R2およびR3は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコキシル基
、アリール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、Arは、アリール基また
は複素環残基を表す。また、Mは第9族元素または第10族元素を表し、前記Mが第9族
元素の場合はn=2、第10族元素の場合はn=1となる。また、Lは、β−ジケトン構
造を有するモノアニオン性の配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二
座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配
位子、のいずれかを表す。)
従って、本発明は、上記一般式(17)で表される有機金属錯体を提供するものである
。なお、上記一般式(17)において、配位子Lは、β−ジケトン構造を有するモノアニ
オン性の配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、
またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子であれば何れで
もよいが、以下の構造式(7)〜(13)で表されるモノアニオン性の二座キレート配位
子のいずれかが好ましい。これらのモノアニオン性のキレート配位子は、配位能力が高く
、また安価に入手することができるため、有効である。
また、本発明者らは、下記一般式(18)で表される有機金属錯体が、励起三重項状態
への項間交差が起こりやすく、燐光を発光できる化合物であることを見い出した。
(式中、R2〜R7、R9〜R13は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコ
キシル基、アリール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、Mは第9族元素
または第10族元素を表し、前記Mが第9族元素の場合はn=2、第10族元素の場合は
n=1となる。また、Lは、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の配位子、または
カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸
基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す。)
なお、上記一般式(18)において、配位子Lは、β−ジケトン構造を有するモノアニ
オン性の配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、
またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子であれば何れで
もよいが、以下の構造式(7)〜(13)で表されるモノアニオン性の二座キレート配位
子のいずれかであるのが好ましい。これらのモノアニオン性のキレート配位子は、配位能
力が高く、また安価に入手することができるため、有効である。
また、本発明者らは、下記一般式(19)で表される有機金属錯体が、励起三重項状態
への項間交差が起こりやすく、また燐光を発光できる化合物であることを見い出した。
(式中、R8およびR14は水素、ハロゲン原子、ハロアルキル基のいずれかを表す。ま
た、Mは第9族元素または第10族元素を表し、前記Mが第9族元素の場合はn=2、第
10族元素の場合はn=1となる。また、Lは、β−ジケトン構造を有するモノアニオン
性の配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、また
はフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す
。)
なお、上記一般式(19)において、配位子Lは、β−ジケトン構造を有するモノアニ
オン性の配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、
またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子であれば何れで
もよいが、以下の構造式(7)〜(13)で表されるモノアニオン性の配位子のいずれか
であるのが好ましい。これらのモノアニオン性のキレート配位子は、配位能力が高く、ま
た安価に入手することができるため、有効である。
なお、前記一般式(14)で表される構造を有する有機金属錯体、前記一般式(17)
で表される有機金属錯体、または前記一般式(17)で表される有機金属錯体における前
記Lが下記構造式(7)〜(13)で表されるモノアニオン性の二座キレート配位子のい
ずれかである有機金属錯体において、(a)R2およびR3の少なくとも一つが電子吸引性
の置換基であるか、(b)Arが電子吸引性の置換基を有するか、または(c)R2およ
びR3の少なくとも一つが電子吸引性の置換基であり且つArが電子吸引性の置換基を有
することが、好ましい。これらの電子吸引性の置換基により、前記一般式(14)で表さ
れる構造を有する有機金属錯体、前記一般式(17)で表される有機金属錯体、または前
記一般式(17)における前記Lが下記構造式(7)〜(13)で表されるモノアニオン
性の二座キレート配位子のいずれかである有機金属錯体は、より強い燐光を発することが
できるため、有効である。
なお、前記一般式(15)で表される構造を有する有機金属錯体、前記一般式(18)
で表される有機金属錯体、または前記一般式(18)で表される有機金属錯体における上
記Lが下記構造式(7)〜(13)で表されるモノアニオン性の二座キレート配位子のい
ずれかである有機金属錯体において、R2〜R7、R9〜R13の少なくとも一つが電子吸引
性の置換基であることが好ましい。これらの電子吸引性の置換基により、前記一般式(1
5)で表される構造を有する有機金属錯体、前記一般式(18)で表される有機金属錯体
、または前記一般式(18)における前記Lが下記構造式(7)〜(13)で表されるモ
ノアニオン性の二座キレート配位子のいずれかである有機金属錯体は、より強い燐光を発
することができるため、有効である。
なお、前記一般式(16)で表される構造を有する有機金属錯体、前記一般式(19)
で表される有機金属錯体、または前記一般式(19)で表される有機金属錯体における前
記Lが下記構造式(7)〜(13)で表されるモノアニオン性の二座キレート配位子のい
ずれかである有機金属錯体において、R8およびR14の少なくとも一つが電子吸引性の置
換基であることが好ましい。これらの電子吸引性の置換基により、前記一般式(16)で
表される構造を有する有機金属錯体、前記一般式(19)で表される有機金属錯体、また
は前記一般式(19)における前記Lが下記構造式(7)〜(13)で表されるモノアニ
オン性の二座キレート配位子のいずれかである有機金属錯体は、より強い燐光を発するこ
とができるため、有効である。
なお、前記一般式(14)〜(19)において、電子吸引性の置換基は、ハロゲノ基ま
たはハロアルキル基のいずれかが好ましく、特にフルオロ基またはトリフルオロメチル基
が好ましい。これらの電子吸引性の置換基により、前記一般式(14)〜(16)で表さ
れる構造を有する有機金属錯体、または前記一般式(17)〜(19)で表される有機金
属錯体の発光量子収率を向上させることができるため、有効である。
なお、より効率よく燐光発光をさせるためには、重原子効果の観点から、中心金属とし
ては重い金属の方が好ましい。従って、本発明では、前記一般式(1)〜(6)および(
14)〜(19)において、中心金属Mがイリジウムまたは白金であることを特徴とする
ところで、本発明の有機金属錯体は、三重項励起エネルギーを発光に変換することが可
能であるため、発光素子に適用することにより高効率化が可能となり、非常に有効である
。従って、本発明では、本発明の有機金属錯体を用いた発光素子も含むものとする。
この時、本発明の有機金属錯体は、前記非特許文献6で述べられたような増感剤として
用いてもよいが、前記非特許文献5で述べられたような発光体としての利用法の方が、発
光効率の面で効果的である。従って、本発明は、本発明の有機金属錯体を発光体として用
いた発光素子を特徴とする。
このようにして得られた本発明の発光素子は高い発光効率を実現できるため、これを発
光素子として用いた発光装置(画像表示デバイスや発光デバイス)は低消費電力を実現で
きる。従って本発明には、本発明の発光素子を用いた発光装置も含むものとする。
ここで、本明細書および特許請求の範囲中における発光装置とは、発光素子を用いた画
像表示デバイスもしくは発光デバイスを指す。また、発光素子にコネクター、例えば異方
導電性フィルムもしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape
Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント
配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式により
IC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。さらに
、本発光装置には照明器具等に用いられる発光装置も含むものとする。
本発明を実施することで、励起三重項状態への項間交差が起こりやすく、また燐光を発
光できる新規な有機金属錯体を提供することができる。また、本発明の有機金属錯体を用
いて発光素子を作製し、発光装置に用いることにより、消費電力の低い発光装置を提供す
ることができる。
本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の素子構造を説明する図 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の素子構造を説明する図 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の素子構造を説明する図 本発明の発光素子の素子構造を説明する図 発光装置について説明する図 本発明の有機金属錯体の吸収スペクトル、光励起したときの励起スペクトルおよび発光スペクトルを示す図(実施例1) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の素子構造を説明する図(実施例2) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の電流効率−輝度特性を示す図(実施例2) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の発光スペクトルを示す図(実施例2) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の素子構造を説明する図(実施例3) 本発明の有機金属錯体の紫外・可視領域吸収および蛍光スペクトルを示す図(実施例4) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の素子構造を説明する図(実施例5) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の電流効率−輝度特性を示す図(実施例5) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の発光スペクトルを示す図(実施例5) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の素子構造を説明する図(実施例6) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の電流効率−輝度特性を示す図(実施例6) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の発光スペクトルを示す図(実施例6) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の素子構造を説明する図(実施例7) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の電流効率−輝度特性を示す図(実施例7) 本発明の有機金属錯体を用いた発光素子の発光スペクトルを示す図(実施例7) 発光装置について説明する図(実施例8) 発光装置を用いて作製された電気器具について説明する図(実施例9)
以下ではまず、本発明の有機金属錯体の合成方法について例示する。本発明の有機金属
錯体〔前記一般式(1)〜(6)あるいは(14)〜(19)〕は、配位子をオルトメタ
ル化反応させることによって得ることができる。例えば、下記一般式(20)で表される
配位子を有する本発明の有機金属錯体〔すなわち、前記一般式(15)や(18)〕は、
下記一般式(20)で表される配位子をオルトメタル化反応させることにより得られる。
以下では、この一般式(20)で表される配位子を用い、前記一般式(18)で表される
本発明の有機金属錯体を合成する手法を例示する。
(式中、R2〜R7、R9〜R13は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコ
キシル基、アリール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。)
なお、上記一般式(20)で表される配位子は公知の方法(特開昭48−8788号公
報)を用いて合成することができ、例えば、下記合成スキーム(21)にて合成すること
ができる。また、下記一般式(22)で表される配位子も同様な合成スキームにて合成す
ることができる。本発明の有機金属錯体における他の配位子についても、同様の手法で合
成可能である。
(式中、R2〜R7、R9〜R13は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコ
キシル基、アリール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。)
(式中、R1〜R3は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコキシル基、ア
リール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、R4〜R7のいずれかは電子吸
引性の置換基を有し、R4〜R7のうちの残りは水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル
基、アルコキシル基、アリール基、シアノ基、複素環残基を表す。)
このようにして得られた一般式(20)の配位子を用いて、本発明の有機金属錯体であ
るオルトメタル錯体を形成する。この時のオルトメタル化反応としては、公知の合成方法
を用いればよい。
例えば、イリジウムを中心金属として本発明の有機金属錯体を合成する際は、中心金属
原料として塩化イリジウムの水和物を用い、一般式(20)の配位子と混合して窒素雰囲
気下にて還流することにより、まず塩素架橋の複核錯体を合成する〔下記合成スキーム(
23)〕。次に、得られた前記複核錯体と配位子Lとを混合して窒素雰囲気下にて還流す
ることにより、塩素架橋を配位子Lで切断し、本発明の有機金属錯体を得る〔下記合成ス
キーム(24)〕。
(式中、R2〜R7、R9〜R13は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコ
キシル基、アリール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。)
(式中、R2〜R7、R9〜R13は水素、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アルコ
キシル基、アリール基、シアノ基、複素環残基のいずれかを表す。また、Lは、β−ジケ
トン構造を有するモノアニオン性の配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン
性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレ
ート配位子、のいずれかを表す。)
なお、本発明で用いる有機金属錯体の合成法は、上記に示す合成方法に限定されるもの
ではない。
このようにして得られる本発明の有機金属錯体は、電子輸送性を有するピラジン誘導体
を配位子として用いているため、キャリア輸送性を有しており、電子デバイスの利用が可
能である。また、前記一般式(20)で表される配位子の構造を変化させることで様々な
発光色等の特性を有する有機金属錯体を得ることができる。その具体例としては、例えば
下記表1〜9に示した化合物(25)〜(105)などがある。表中、Lについては、構
造式の番号(前述の構造式番号に対応している。)によって表している。ただし、本発明
で用いる有機金属錯体は、下記表1〜9に示したものに限定されるものではない。
本発明の有機金属錯体は、光増感剤や燐光材料として用いることができるが、以下では
、本発明の有機金属錯体を発光素子に適用する形態について述べる。
本発明における発光素子は、基本的には、一対の電極(陽極および陰極)間に上述した
本発明の有機金属錯体〔前記一般式(1)〜(3)および(14)〜(16)の構造を有
する有機金属錯体、または前記一般式(4)〜(6)および(17)〜(19)で表され
る有機金属錯体〕を含む発光物質を含む層〔正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止
層(ホールブロッキング層)、電子輸送層、電子注入層など〕を挟持した素子構成である
また、発光物質を含む層に用いる本発明の有機金属錯体以外の材料としては、公知の材
料を用いることができ、低分子系材料および高分子系材料のいずれを用いることもできる
。なお、発光物質を含む層を形成する材料には、有機化合物材料のみからなるものだけで
なく、無機化合物を一部に含む構成も含めてもよい。
以下、本発明の発光素子の実施形態について、さらに詳細に説明する。
〈実施の形態1〉
本実施の形態1では、本発明の有機金属錯体を含む発光層と、低分子系材料からなる正
孔注入層、正孔輸送層、ホールブロッキング層および電子輸送層を有する発光素子の素子
構成について図1を用いて説明する。
図1では、基板100上に第1の電極101が形成され、第1の電極101上に発光物
質を含む層102が形成され、その上に第2の電極103が形成された構造を有する。
なお、ここで基板100に用いる材料としては、従来の発光素子に用いられているもの
であればよく、例えば、ガラス、石英、透明プラスチック、可撓性基板などからなるもの
を用いることができる。
また、本実施の形態1における第1の電極101は陽極として機能し、第2の電極10
3は陰極として機能する。
すなわち、第1の電極101は陽極材料で形成され、ここで用いることのできる陽極材
料としては、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合
物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。なお、陽極材料の具体例として
は、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、酸化インジウムに2〜2
0[%]の酸化亜鉛(ZnO)を混合してなるインジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛に数[%
]の酸化ガリウム(Ga23)を混合してなる亜鉛ガリウム酸化物の他、金(Au)、白
金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(M
o)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材
料の窒化物(TiN)等を用いることができる。
一方、第2の電極103の形成に用いられる陰極材料としては、仕事関数の小さい(仕
事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用
いることが好ましい。なお、陰極材料の具体例としては、元素周期律の1族または2族に
属する元素、すなわちLiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカ
リ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li)や化合物(LiF、C
sF、CaF2)の他、希土類金属を含む遷移金属を用いて形成することができるが、A
l、Ag、ITO等の金属(合金を含む)との積層により形成することもできる。
なお、上述した陽極材料および陰極材料は、蒸着法、スパッタリング法等により薄膜を
形成することにより、それぞれ第1の電極101および第2の電極103を形成する。膜
厚は、10〜500nmとするのが好ましい。最後にSiN等の無機材料やポリテトラフ
ルオロエチレン、スチレンポリマー等の有機材料からなる保護層(バリア層)を形成する
。バリア層は、透明であっても不透明であってもよく、上記無機材料または有機材料は、
蒸着法、スパッタリング法等により形成する。
さらに、発光素子の有機層や電極の酸化や湿気から防ぐためにSrOxやSiOx等の乾
燥剤を電子ビーム照射法、蒸着法、スパッタリング法、ゾル・ゲル法等により形成する。
また、本発明の発光素子において、発光層におけるキャリアの再結合により生じる光は
、第1の電極101または第2の電極103の一方、または両方から外部に出射される構
成となる。すなわち、第1の電極101から光を出射させる場合には、第1の電極101
を透光性の材料で形成することとし、第2の電極103側から光を出射させる場合には、
第2の電極103を透光性の材料で形成することとする。
また、発光物質を含む層102は複数の層を積層することにより形成されるが、本実施
の形態1では、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、ホールブロッキン
グ層114、および電子輸送層115を積層することにより形成される。
正孔注入層111を形成する正孔注入性材料としては、フタロシアニン系の化合物が有
効である。例えば、フタロシアニン(略称:H2−Pc)、銅フタロシアニン(略称:C
u−Pc)等を用いることができる。また、4,4’−ビス[N−(4−(N,N−ジ−
m−トリルアミノ)フェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DNTPD)
なども用いることができる。
正孔輸送層112を形成する正孔輸送性材料としては、芳香族アミン系(すなわち、ベ
ンゼン環−窒素の結合を有するもの)の化合物が好適である。広く用いられている材料と
して、例えば、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]
−ビフェニル(略称:TPD)の他、その誘導体である4,4’−ビス[N−(1−ナフ
チル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)、あるいは4,4’
,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDA
TA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミ
ノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などのスターバースト型芳香族アミン
化合物が挙げられる。また、MoOx等の導電性無機化合物と上記有機化合物との複合材
料を用いることもできる。
発光層113は、前記一般式(1)〜(3)および(14)〜(16)の構造を有する
有機金属錯体、または前記一般式(4)〜(6)および(17)〜(19)で表される有
機金属錯体を含み、この有機金属錯体とホスト材料とを共蒸着することにより形成される
。ホスト材料としては公知の材料を用いることができ、トリフェニルアミノキノキサリン
(略称:TPAQn)、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)−ビフェニル(略称:CB
P)や、2,2’,2”−(1,3,5−ベンゼントリ−イル)−トリス[1−フェニル
−1H−ベンズイミダゾール](略称:TPBI)などの他、上述した正孔輸送材料や後
述の電子輸送性材料などが挙げられる。
ホールブロッキング層114を形成するホールブロッキング性の材料としては、ビス(
2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BA
lq)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジ
アゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェ
ニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:
TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−
(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェ
ナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いること
ができる。
電子輸送層115を形成する場合の電子輸送性材料としては、トリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミ
ニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリ
リウム略称:BeBq2)などのキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯
体や、先に述べたBAlqなどが好適である。また、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニ
ル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロ
キシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾー
ル系、チアゾール系配位子を有する金属錯体もある。さらに、金属錯体以外にも、2−(
4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジア
ゾール(略称:PBD)や、先に述べたOXD−7、TAZ、p−EtTAZ、BPhe
n、BCPなども電子輸送性材料として用いることができる。また、TiOx等の無機材
料も用いることができる。
以上により、本発明の有機金属錯体を含む発光層113と、低分子系材料からなる正孔
注入層111、正孔輸送層112、ホールブロッキング層114および電子輸送層115
を有する発光素子を形成することができる。
なお、本実施の形態1においては、発光層113において、本発明の有機金属錯体をゲ
スト材料として用いており、本発明の有機金属錯体から得られる発光を発光色とする発光
素子である。
〈実施の形態2〉
本実施の形態2では、本発明の有機金属錯体を含む発光層と、高分子系材料からなる正
孔注入層を有し、これらを湿式プロセスにて形成する発光素子の素子構成について図2を
用いて説明する。
なお、基板200、第1の電極201、第2の電極203については、実施の形態1と
同様の材料を用いて、同様にして形成することができるため説明を省略する。
また、発光物質を含む層202は複数の層を積層することにより形成されるが、本実施
の形態2では、正孔注入層211、発光層212を積層することにより形成される。
正孔注入層211を形成する正孔注入性の材料としては、ポリスチレンスルホン酸(略
称:PSS)をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン(略称:PEDOT)や、ポ
リアニリン、ポリビニルカルバゾール(略称:PVK)などを用いることができる。
発光層212は、前記一般式(1)〜(3)および(14)〜(16)の構造を有する
有機金属錯体、または前記一般式(4)〜(6)および(17)〜(19)で表される、
本発明の有機金属錯体をゲスト材料として含む。ホスト材料はバイポーラ性の材料であれ
ばよいが、ホール輸送材料と電子輸送材料とを混合してバイポーラ性としてもよい。ここ
では、まず、ホール輸送性の高分子化合物(例えばPVK)と前述した電子輸送性材料(
例えばPBD)とを7:3(モル比)で同一溶媒に溶かし、さらには本発明の有機金属錯
体を適量(5wt%程度)添加した溶液を調製する。この溶液を湿式塗布することによっ
て、発光層212を得ることができる。
以上により、本発明の有機金属錯体を含む発光層212と、高分子系材料からなる正孔
注入層211を有し、これらを湿式プロセスにて形成する発光素子を得ることができる。
〈実施の形態3〉
本実施の形態3では、本発明の有機金属錯体と蛍光性化合物の二種類を含む発光層と、
低分子系材料からなる正孔注入層、正孔輸送層、ホールブロッキング層(正孔阻止層)お
よび電子輸送層を有する発光素子の素子構成について図3を用いて説明する。
なお、基板300、第1の電極301、発光物質を含む層302、第2の電極303、
正孔注入層311、正孔輸送層312、発光層313、ホールブロッキング層314、電
子輸送層315については、実施の形態1と同様の材料を用いて、同様にして形成するこ
とができるため説明を省略する。
本実施の形態の発光層313は、ホスト材料と、第一のゲスト材料である本発明の有機
金属錯体と、第二のゲスト材料である蛍光性化合物と、からなる。ホスト材料としては、
実施の形態1で述べた材料を用いればよい。
また、第二のゲスト材料としては公知の蛍光性化合物を用いることができ、具体的には
、DCM1、DCM2、DCJTB、キナクリドン、N,N−ジメチルキナクリドン、ル
ブレン、ペリレン、DPT、Co−6、PMDFB、BTX、ABTX等を用いることが
できる。
本実施の形態3においては、前述非特許文献6と同様、発光層313において第一のゲ
スト材料である本発明の有機金属錯体は増感剤として作用し、第二のゲスト材料である蛍
光性化合物の励起一重項状態の数を増幅する。従って、本実施の形態3の発光素子は、蛍
光性化合物から得られる発光を発光色とする発光素子であり、なおかつ、蛍光性化合物の
発光効率を従来の状態に比べて向上させることができる。なお、本発明の有機金属錯体を
用いた発光素子は、陽極、および陰極のどちらから積層してもよい。
例えば、図4(A)は、発光素子の陽極から積層した図であり、図4(B)は発光素子
の陰極から積層した図である。図4(A)において、陽極401から正孔注入層402、
正孔輸送層403、発光層404、電子輸送層405、電子注入層406、陰極407と
順に積層する。ここでは、陽極にpチャネル型TFT408を取り付けるものとする。ま
た、図4(B)において、陰極421から電子注入層422、電子輸送層423、発光層
424、正孔輸送層425、正孔注入層426、陽極427と順に積層する。ここでは、
陰極にnチャネル型TFT428を取り付けるものとする。また、本実施例では陽極と陰
極とに挟持される発光物質を含む層に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、
電子注入層を示すが、必ずしもその必要はなく、ホールブロッキング層や上記各層をあわ
せた混合層等の補助層を形成することもできる。
〈実施の形態4〉
本実施の形態4においては、ガラス、石英、金属、バルク半導体、透明プラスチック、
可撓性基板などからなる基板500上に発光素子を作製している。基板上にこのような発
光素子を複数作製することで、パッシブ型の発光装置を作製することができる。また、ガ
ラス、石英、透明プラスチック、可撓性基板などからなる基板以外に、例えば図5に示す
ように、薄膜トランジスタ(TFT)アレイと接する発光素子を作製してもよい。ここで
は、511と512をTFTとし、513を本発明の有機金属錯体を有する発光素子を作
製する。発光素子513のうち第1の電極514、発光物質を含む層515、また第2の
電極516を作製することができる。さらに配線517を第2の電極516に接して作製
する。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の
発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定されない。例えば、スタガ型で
もよいし、逆スタガ型でもよい。また、TFTを構成している半導体層の結晶性について
も特に限定されず、結晶質のものでもよいし非晶質のものでもよい。
本実施例1は、下記構造式(106)で表される本発明の有機金属錯体の合成例である
。この有機金属錯体は、前記表6中、構造式(70)として示した有機金属錯体で、前記
一般式(17)中、R2=H、R3=H、Ar=フェニル基、M=Ir、Lは前記式(7)
〔=[化12]中の式(7)〕で表されるβ−ジケトン構造を有するモノアニオン性の配
位子である有機金属錯体(以下、Ir(dppr)2(acac)と略称する。)である
〈ステップ1:配位子Hdpprの合成〉
本発明の有機金属錯体に用いられる配位子Hdpprは、それ自体公知の方法(例えば
特許文献1参照)を用いて合成することができる。本実施例では、特許文献1に記載の方
法に準じて合成した。まず、ベンジル21.0g(100mmol)とエチレンジアミン
6.1g(101mmol)を、脱水エタノール300mLを溶媒として、窒素雰囲気下
6時間還流させた。さらに、溶液を5分の1まで濃縮し、析出した沈殿物を回収した。得
られた沈殿物を冷エタノールで洗浄することにより、2、3−ジフェニル−5、6−ジヒ
ドロピラジンを得た(収率78%)。
次に、2、3−ジフェニル−5、6−ジヒドロピラジン18.3g(78.2mmol
)と水酸化カリウム4.4gを溶解したグリセリン200mLに加え、190℃で20分
間加熱攪拌した。冷却後エーテルで数回抽出し、エーテルを除去し、酢酸エチル/ヘキサ
ン溶媒にてカラム精製した。酢酸エチル/ヘキサン溶媒を除去することにより、配位子H
dppr(2,3−ジフェニルピラジン)を得た(アプリコットオレンジ粉末、収率22
%)。本ステップ1での反応を式(107)として示している。
〈ステップ2:複核錯体[Ir(dppr)2Cl]2の合成〉
まず、2−エトキシエタノール30mLと水10mLとの混合液を溶媒として、配位子
Hdppr(2,3−ジフェニルピラジン)を1.86g、塩化イリジウム(IrCl3
・HCl・H2O)を0.96g混合し、窒素雰囲気下17時間還流することにより、複
核錯体[Ir(dppr)2Cl]2 を得た(褐色粉末、収率81%)。本ステップ2で
の反応を式(108)として示している。
〈ステップ3:本発明の有機金属化合物Ir(dppr)2(acac)の合成〉
さらに、2−エトキシエタノール30mLを溶媒として、上記で得られた[Ir(dp
pr)2Cl]2 を1.29g、アセチルアセトン(Hacac)を0.29mL、炭酸
ナトリウムを0.99g混合し、窒素雰囲気下にて17時間還流した。これを濾過して得
られた溶液を、ジクロロメタン溶媒にてカラム精製した。ジクロロメタン/メタノール溶
媒より再結晶を行い、本発明の有機金属化合物Ir(dppr)2(acac)を得た(
緋色粉末、収率10%)。本ステップ3での反応を式(109)として示している。
本有機金属化合物、すなわち有機金属錯体Ir(dppr)2(acac)を核磁気共
鳴分光法(1H−NMR)により分析した。この分析結果は下記のとおりである。1H−N
MR.δ(CDCl3):8.48(d,2H),8.32(d,2H),7.69(m
,4H),7.51(m,6H),6.85(d,2H),6.66(t,2H),6.
47(t,2H),6.34(d,2H),5.27(s,1H),1.86(s,6H
).
また、得られた本発明の有機金属化合物Ir(dppr)2(acac)の分解温度Td
をTG−DTAにより測定したところ、Td=306℃であり、良好な耐熱性を示すこと
がわかった。
次に、Ir(dppr)2(acac)のジクロロメタン溶液中における吸収スペクト
ル、光励起したときの励起スペクトルおよび発光スペクトル(すなわち、紫外・可視領域
吸収および蛍光スペクトル)を図6に示す。なお、図6中、吸収スペクトルは点線、励起
スペクトルは細い実線、発光スペクトルは太い実線で表す。励起スペクトルは、600n
mの発光波長に対応する励起スペクトルである。また、発光スペクトルは、励起スペクト
ルの最大ピーク(468nm)で励起した際の発光スペクトルである。なお、図6におい
て、縦軸は強度〔任意単位:auxiliary unit(a.u.)〕、横軸は波長(nm)を表す。
本発明の有機金属化合物Ir(dppr)2(acac)は231nm、281nm、3
20nm、400nmおよび501nmに吸収ピークを有している。また、発光スペクト
ルは600nmに発光ピークを有する赤橙色発光であった。
このように、本発明の有機金属錯体Ir(dppr)2(acac)は、長波長側にい
くつもの吸収ピークが観測される。これは、オルトメタル錯体等によく見られる有機金属
錯体特有の吸収であり、一重項MLCT遷移、三重項π−π*遷移、三重項MLCT遷移
などに対応すると類推される。特に、最も長波長側の吸収ピークが可視領域においてブロ
ードな裾を引いており、三重項MLCT遷移特有の吸収スペクトルであると考えられる。
すなわち、Ir(dppr)2(acac)は励起三重項状態への直接光励起や項間交差
が可能な化合物であることが分かった。
また、本発明の有機金属化合物Ir(dppr)2(acac)のジクロロメタン溶液
に光照射し、酸素置換すると化合物由来の発光がほとんど見られないのに対し、アルゴン
置換すると発光が見られることから、燐光であることが示唆される。
本実施例2は、本発明の有機金属錯体を、発光物質を含む層の一部に用いて発光素子を
作製した例であり、より具体的には、本発明の有機金属錯体を発光層のゲスト材料として
用いた発光素子の作製例である。その素子構造について図7を用いて説明する。
まず、基板600上に発光素子の第1の電極601が形成される。なお、本実施例では
、第1の電極601は陽極として機能する。材料として透明導電膜であるITOを用い、
スパッタリング法により110nmの膜厚で形成した。
次に、第1の電極(陽極)601上に発光物質を含む層602が形成される。なお、本
実施例における発光物質を含む層602は、正孔注入層611、正孔輸送層612、発光
層613、ホールブロッキング層614、電子輸送層615、および電子注入層616か
らなる積層構造を有している。
第1の電極601が形成された基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに第1の電極
601が形成された面を下方にして固定し、真空蒸着装置内部に備えられた蒸発源にDN
TPDを入れ、抵抗加熱法に用いた蒸着法により50nmの膜厚で正孔注入層611を形
成する。なお、正孔注入層611を形成する材料としては、公知の正孔注入材料を用いる
ことができる。
次に、正孔輸送性に優れた材料により正孔輸送層612を形成する。正孔輸送層612
を形成する材料としては、公知の正孔輸送材料を用いることができるが、本実施例では、
α−NPDを同様の方法により、10nmの膜厚で形成した。
次に、発光層613を形成する。なお、発光層613において正孔と電子が再結合し、
発光を生じる。正孔輸送層612と接して形成される発光層613は、ホスト材料と本発
明の有機金属錯体であるゲスト材料を用いることにより形成する。
具体的には、ホスト材料としてCBPをゲスト材料としてIr(dppr)2(aca
c)を用い、30nmの膜厚で共蒸着法により形成した。ゲスト材料の割合は5.0質量
%とした。
次に、ホールブロッキング層614を形成する。ホールブロッキング層614を形成す
る材料としては、公知のホールブロッキング性の材料を用いることができるが、本実施例
では、BCPを10nmの膜厚で蒸着法により形成した。
次に、電子輸送層615を形成する。電子輸送層615を形成する材料としては、公知
の電子輸送材料を用いることができるが、本実施例では、Alq3を10nmの膜厚で蒸
着法により形成した。
次に、電子注入層616を形成する。電子注入層616を形成する材料としては、公知
の電子注入材料を用いることができるが、本実施例では、CaF2を1nmの膜厚で蒸着
法により形成した。
このようにして、正孔注入層616、正孔輸送層612、発光層613、ホールブロッ
キング層614、電子輸送層615、および電子注入層616を積層して形成される発光
物質を含む層602を形成した後、陰極として機能する第2の電極603をスパッタリン
グ法または蒸着法により形成する。なお、本実施例では、発光物質を含む層602上にア
ルミニウムを150nmの膜厚で蒸着法により形成することにより第2の電極603を得
る。
以上により、本発明の有機金属錯体を用いた発光素子を作製した。
また、形成された発光素子に電圧を印加すると、該発光素子においては、8.4Vの時
は発光輝度537cd/m2が観測された。また、その時の発光効率は10.0cd/Aで
あった。また、電流効率−輝度特性を図8に示す。通常の励起三重項状態への項間交差が
起きる有機金属錯体を用いた発光素子では高輝度側(高電流領域)において、著しい電流
効率の低下が見られるが、本発明の発光素子ではほとんど見られない。従って、高輝度に
おいても高効率が得られる特徴がある。
また、発光素子に電圧を印加し、2000cd/m2の輝度で発光させたときに得られた
発光スペクトルを図9に示す。なお、図9において、縦軸はEL(Electro Luminescence
)強度(a.u.)、横軸は波長(nm)を表す。図9のとおり、601nmにピークを有
する高輝度な赤橙色発光が得られた。
本実施例3は、本発明の有機金属錯体を、発光物質を含む層の一部に用いて白色発光素
子を作製した例である。その素子構造について図10を用いて説明する。
なお、基板700、第1の電極701、第2の電極703については、実施例2と同様
の材料を用いて、同様にして形成することができるため説明を省略する。
また、発光物質を含む層702は複数の層を積層することにより形成されるが、本実施
例では正孔注入層711、正孔輸送層712、第1の発光層713、第2の発光層714
、ホールブロッキング層715、電子輸送層716、電子注入層717を積層することに
より形成される。
第1の電極701上に正孔注入性に優れた材料により正孔注入層711を形成する。正
孔注入層711を形成する材料としては、公知の正孔注入材料を用いることができるが、
本実施例では、Cu−Pcを20nmの膜厚で蒸着法により形成する。
次に、正孔輸送層712を形成する。実施例2と同様の材料を用いて、同様にして20
nmの膜厚で形成することができるため説明を省略する。
次に、第1の発光層713を形成する。第1の発光層713は、ホスト材料とゲスト材
料を用いることにより形成する。
具体的には、ホスト材料としてα−NPDをゲスト材料としてペリレンを用い、10n
mの膜厚で共蒸着法により形成する。ゲスト材料の割合は4.0質量%とする。
次に、第2の発光層714を形成する。第2の発光層714は、ホスト材料と本発明の
有機金属錯体であるゲスト材料を用いることにより形成する。
具体的には、ホスト材料としてBAlqをゲスト材料としてIr(dppr)2(ac
ac)を用い、まずホスト材料のみを10nmの膜厚で蒸着法により形成し、次にゲスト
材料との共蒸着層を10nmの膜厚で形成する。ゲスト材料の割合は5.0質量%とする
次に、ホールブロッキング層715を形成する。ホールブロッキング層715を形成す
る材料としては、公知のホールブロッキング性の材料を用いることができるが、本実施例
では、BAlqを20nmの膜厚で蒸着法により形成する。
次に、電子輸送層716を形成する。電子輸送層716を形成する材料としては、実施
例2と同様の材料を用いて、同様にして20nmの膜厚で形成することができるため説明
を省略する。
次に、電子注入層717を形成する。電子注入層717を形成する材料としては、実施
例2と同様の材料を用いて、同様にして1nmの膜厚で形成することができるため説明を
省略する。
次に、陰極として機能する第2の電極703をスパッタリング法または蒸着法により形
成する。なお、本実施例では、発光物質を含む層702上にアルミニウムを150nmの
膜厚で蒸着法により形成することにより第2の電極703を得る。
以上により、本発明の有機金属錯体を用いた白色発光素子が作製される。例えば、本発
明の有機金属錯体の一例(実施例1参照)であるIr(dppr)2(acac)は、高
輝度の赤橙色発光を有するため、本実施例のように白色発光素子への適用にも極めて有効
である。
本実施例4は、下記構造式(110)で表される本発明の有機金属錯体の合成例である
。この有機金属錯体は、前記一般式(17)中、R2=H、R3=H、Ar:4−メチルフ
ェニル基、M=Ir、Lは[化12]中式(7)で表されるβ−ジケトン構造を有するモ
ノアニオン性の配位子である有機金属錯体〔略称:Ir(bmppr)2(acac)〕
である。
〈ステップ1:複核錯体(略称:[Ir(bmppr)2Cl]2)の合成〉
本発明の有機金属錯体の合成に用いられる配位子は、2,3−ビス(4−メチルフェニ
ル)ピラジン(CAS番号:92405−82−8,略称:Hbmppr)である。まず
、2−エトキシエタノール60mLと水20mLとの混合液を溶媒として、配位子Hbm
pprを5.01g、塩化イリジウム(IrCl3・HCl・H2O)を2.30g混合し
、窒素雰囲気下16時間還流することにより、複核錯体[Ir(bmppr)2Cl]2
を得た(褐色粉末、収率65%)。本ステップ1での反応式を式(111)として示して
いる。
〈ステップ2:本発明の有機金属化合物〔略称:Ir(bmppr)2(acac)〕の
合成〉
さらに、2−エトキシエタノール30mLを溶媒として、上記で得られた[Ir(bm
ppr)2Cl]2を1.85g、アセチルアセトン(略称:Hacac)を0.38mL
、炭酸ナトリウムを1.31g混合し、窒素雰囲気下にて17時間還流した。これを濾過
して得られた溶液を、酢酸エチル溶媒にてカラム精製した。酢酸エチル/ヘキサン溶媒よ
り再結晶を行い、本発明の有機金属化合物Ir(bmppr)2(acac)を得た(茶
色粉末、収率10%)。本ステップ2での反応式(112)として示している。
本有機金属化合物、すなわち有機金属錯体Ir(bmppr)2(acac)を核磁気
共鳴分光法(1H−NMR)により分析した。この分析結果は以下のとおりである。1H−
NMR.δ(CDCl3):8.43(d,2H),8.27(d,2H),7.59(
d,4H),7.59(m,4H),6.83(d,2H),6.33(d,2H),6
.17(s,2H),5.27(s,1H),2.46(s,6H),2.03(s,6
H),1.86(s,6H)。
また、得られた本発明の有機金属化合物Ir(bmppr)2(acac)の分解温度
dを示唆熱熱重量同時測定装置(セイコー電子株式会社製,TG/DTA)により測定
したところ、Td=362℃であり、良好な耐熱性を示すことがわかった。
次に、Ir(bmppr)2(acac)のジクロロメタン中における吸収スペクトル
、励起スペクトルおよび発光スペクトル(PL:Photo Luminescence)を図11に示す。
本発明の有機金属化合物Ir(bmppr)2(acac)は390nm(sh)、44
0nm(sh)、510nm(sh)および540nm(sh)に吸収ピークを有してい
ることが観察された。また、発光スペクトルは600〜615nmに発光強度が強い強度
分布を有した橙色発光であった。なお、図11中、吸収スペクトルは点線、励起スペクト
ルは細い実線、発光スペクトルは太い実線で表す。
また、本発明の有機金属化合物Ir(bmppr)2(acac)を含んだジクロロメ
タン溶液に酸素を溶存させ光照射した状態と、アルゴンを溶存させ光照射した状態におけ
るIr(bmppr)2(acac)発光強度を調べた。その結果、アルゴンを溶存させ
た状態の方がIr(bmppr)2(acac)がより強く発光し、燐光を発光する物質
と同様な傾向が見られた。このことから、本発明の有機金属化合物Ir(bmppr)2
(acac)に由来する発光は、蛍光ではなく燐光による発光であることが示唆された。
本実施例5は、本発明の有機金属錯体を、発光物質を含む層の一部に用いて発光素子を
作製した例であり、特に、本発明の有機金属錯体を発光層のゲスト材料として用いた発光
素子の作製例である。その素子構造について図12を用いて説明する。
まず、基板800上に発光素子の第1の電極801を形成した。なお、本実施例では、
第1の電極801は陽極として機能する。材料として透明導電膜であるSiO2を含むI
TOを用い、スパッタリング法により110nmの膜厚で形成した。
次に、第1の電極(陽極)801上に発光物質を含む層802を形成した。なお、本実
施例における発光物質を含む層802は、正孔注入層811、正孔輸送層812、発光層
813、電子輸送層814、および電子注入層815からなる積層構造となるように形成
した。
第1の電極801上に正孔注入層811を形成した。正孔注入層811を形成した材料
として本実施例では、Cu−Pcを20nmの膜厚で蒸着法により形成した。
次に、正孔輸送層812を形成した。正孔輸送層812を形成した材料として本実施例
では、α−NPDを40nmの膜厚で蒸着法により形成した。
次に発光層813をホスト材料とゲスト材料を用いることにより形成した。具体的には
、ホスト材料としてα−NPDをゲスト材料としてIr(dppr)2(acac)を用
い、30nmの膜厚で共蒸着法により形成した。ゲスト材料の割合は5質量%とした。な
お共蒸着法とは、抵抗加熱によりホスト材料とゲスト材料のそれぞれを蒸発させ、気相中
で混合して蒸着する方法である。
次に、電子輸送層814を形成した。電子輸送層814を形成した材料として本実施例
では、BAlqを10nmの膜厚で形成した上に、Alq3を45nmの膜厚で蒸着法に
より形成した。
次に、電子注入層815を形成した。電子注入層815を形成した材料として本実施例
では、CaF2を1nmの膜厚で蒸着法により形成した。
このようにして、正孔注入層811、正孔輸送層812、発光層813、電子輸送層8
14、および電子注入層815を積層して形成した発光物質を含む802を形成した後、
陰極として機能する第2の電極803をスパッタリング法または蒸着法により形成した。
なお、本実施例では、発光物質を含む層802上にアルミニウムを150nmの膜厚で蒸
着法により第2の電極803を形成した。
以上により、本発明の有機金属錯体を用いた発光素子を製造した。
また、作製した発光素子に電圧を印加すると、該発光素子においては、8.0Vの時は
発光輝度938cd/m2が観測された。また、その時の発光効率は23.4cd/Aであ
った。また、電流効率−輝度特性を図13に示す。通常の励起三重項状態への項間交差が
起きる有機金属錯体を用いた発光素子では高輝度側(高電流領域)において、著しい電流
効率の低下が見られるが、本発明の発光素子ではほとんど見られない。従って、高輝度に
おいても高効率が得られる特徴がある。
また、発光素子に電圧を印加し、4500cd/m2の輝度で発光させたときに得られた
発光スペクトルを図14に示す。なお、図14において、縦軸はEL強度(a.u.)、横
軸は波長(nm)を表す。図14のとおり、583nmにピークを有する高輝度な赤橙色
発光が得られた。
本実施例6は、本発明の有機金属錯体を、発光物質を含む層の一部に用いて発光素子を
作製した例であり、より具体的には、本発明の有機金属錯体を発光層のゲスト材料として
用いた発光素子の作製例である。その素子構造について図15を用いて説明する。
まず、基板900上に発光素子の第1の電極901を形成した。なお、本実施例では、
第1の電極901は陽極として機能する。材料として透明導電膜であるSiO2を含むI
TOを用い、スパッタリング法により110nmの膜厚で形成した。
次に、第1の電極(陽極)901上に発光物質を含む層902を形成した。なお、本実
施例における発光物質を含む層902は、正孔注入層911、正孔輸送層912、発光層
913、電子輸送層914、および電子注入層915からなる積層構造となるように形成
した。
第1の電極901上に正孔注入層911を形成した。正孔注入層911を形成した材料
として本実施例では、Cu−Pcを20nmの膜厚で蒸着法により形成した。
次に、正孔輸送層912を形成した。正孔輸送層912を形成した材料として本実施例
では、α−NPDを40nmの膜厚で蒸着法により形成した。
次に発光層913をホスト材料とゲスト材料を用いることにより形成した。具体的には
、ホスト材料としてBAlqをゲスト材料としてIr(dppr)2(acac)を用い
、30nmの膜厚で共蒸着法により形成した。ゲスト材料の割合は5質量%とした。
次に、電子輸送層914を形成した。電子輸送層914を形成した材料として、本実施
例では、Alq3を50nmの膜厚で蒸着法により形成した。
次に、電子注入層915を形成した。電子注入層915を形成した材料として本実施例
では、CaF2を1nmの膜厚で蒸着法により形成した。
このようにして、正孔注入層911、正孔輸送層912、発光層913、電子輸送層9
14、および電子注入層915を積層して形成した発光物質を含む902を形成した後、
陰極として機能する第2の電極903をスパッタリング法または蒸着法により形成した。
なお、本実施例では、発光物質を含む層902上にアルミニウムを150nmの膜厚で蒸
着法により第2の電極903を形成した。
以上により、本発明の有機金属錯体を用いた発光素子を製造した。
また、作製した発光素子に電圧を印加すると、該発光素子においては、9.8Vの時は
発光輝度1090cd/m2が観測された。また、その時の発光効率は14.7cd/Aで
あった。また、電流効率−輝度特性を図16に示す。通常の励起三重項状態への項間交差
が起きる有機金属錯体を用いた発光素子では高輝度側(高電流領域)において、著しい電
流効率の低下が見られるが、本発明の発光素子ではほとんど見られない。従って、高輝度
においても高効率が得られる特徴がある。
また、発光素子に電圧を印加し、3200cd/m2の輝度で発光させたときに得られた
発光スペクトルを図17に示す。なお、図17において、縦軸はEL強度(a.u.)、横
軸は波長(nm)を表す。図17のとおり、592nmにピークを有する高輝度な赤橙色
発光が得られた。
本実施例7は、本発明の有機金属錯体を、発光物質を含む層の一部に用いて白色発光素
子を作製した例である。その素子構造について図18を用いて説明する。
まず、基板1000上に発光素子の第1電極1001を形成した。なお、本実施例では
、第1の電極1001は陽極として機能する。材料として透明導電膜であるSiO2を含
むITOを用い、スパッタリング法により110nmの膜厚で形成した。
次に、第1の電極(陽極)1001上に発光物質を含む層1002を形成した。なお、
本実施例における発光物質を含む層1002は、正孔注入層1011、正孔輸送層101
2、第1の発光層1013、阻止層1014、第2の発光層1015、電子輸送層101
6、電子注入層1017からなる積層構造となるように形成した。
第1の電極1001上に正孔注入層1011を形成した。正孔注入層1011を形成し
た材料として本実施例では、Cu−Pcを20nmの膜厚で蒸着法により形成した。
次に、正孔輸送層1012を形成した。正孔輸送層1012を形成した材料として本実
施例では、α−NPDを30nmの膜厚で蒸着法により形成した。
次に第1の発光層1013をホスト材料とゲスト材料を用いることにより形成した。具
体的には、ホスト材料としてα−NPDをゲスト材料として2,5,8,11−テトラ(
tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)を用い、20nmの膜厚で共蒸着法により
形成した。ゲスト材料の割合は1質量%とした。
次に、阻止層1014を形成した。阻止層1014を形成した材料として本実施例では
、BAlqを5.0nmの膜厚で蒸着法により形成した。
次に第2の発光層1015をホスト材料とゲスト材料を用いることにより形成した。具
体的には、ホスト材料としてBAlqをゲスト材料としてIr(dppr)2(acac
)を用い、20nmの膜厚で共蒸着法により形成した。ゲスト材料の割合は5質量%とし
た。
次に、電子輸送層1016を形成した。電子輸送層1016を形成した材料として本実
施例では、Alq3を30nmの膜厚で蒸着法により形成した。
次に、電子注入層1017を形成した。電子注入層1017を形成した材料として本実
施例では、CaF2を1nmの膜厚で蒸着法により形成した。
次に、陰極として機能する第2の電極1003をスパッタリング法または蒸着法により
形成した。なお、本実施例では、発光物質を含む層1002上にアルミニウムを150n
mの膜厚で蒸着法により第2の電極1003を形成した。
以上により、本発明の有機金属錯体を用いた発光素子を製造した。
また、作製した発光素子に電圧を印加すると、該発光素子においては、8.6Vの時は
発光輝度1040cd/m2が観測された。また、その時の発光効率は7.66cd/Aで
あった。また、電流効率−輝度特性を図19に示す。通常の励起三重項状態への項間交差
が起きる有機金属錯体を用いた発光素子では高輝度側(高電流領域)において、著しい電
流効率の低下が見られるが、本発明の発光素子ではほとんど見られない。従って、高輝度
においても高効率が得られる特徴がある。
また、発光素子に電圧を印加し、1700cd/m2の輝度で発光させたときに得られた
発光スペクトルを図20に示す。なお、図20において、縦軸はEL強度(a.u.)、横
軸は波長(nm)を表す。図20のとおり、青色領域、緑色領域、赤色領域のそれぞれに
ピークを有する高輝度な白色発光が得られた。なお、このときのCIE色度座標は(x,
y)=(0.31,0.34)であった。低輝度領域(10cd/m2程度)から高輝度領
域(10000cd/m2程度)まで、色度座標はほとんど変化せず、広い輝度領域で良好
な白色を発光を示した。
以上により、Ir(dppr)2(acac)とTBPの発光を効率良く取り出すこと
ができ、本実施例のように白色発光として視認することができた。よって、本発明は、本
実施例のように白色の発光をする場合への適用にも極めて有効である。
本実施例8では、画素部に本発明の発光素子を有する発光装置について図21を用いて
説明する。なお、図21(A)は、発光装置を示す上面図、図21(B)は図21(A)
をA−A’で切断した断面図である。点線で示された1101は駆動回路部(ソース側駆
動回路)、1102は画素部、1103は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。また
、1104は封止基板、1105はシール材であり、シール材1105で囲まれた内側1
107は、空間になっている。
なお、1108はソース側駆動回路1101およびゲート側駆動回路1103に入力さ
れる信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリン
トサーキット)1109からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等
を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配
線基盤(PWB)が取り付けられていてもよい。本明細書における発光装置には、発光装
置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとす
る。
次に、断面構造について図21(B)を用いて説明する。基板1110上には駆動回路
部および画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路11
01と、画素部1102が示されている。
なお、ソース側駆動回路1101はnチャネル型TFT1123とpチャネル型TFT
1124とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFT
は、公知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成してもよい。また、
本実施例では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必
要はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部1102はスイッチング用TFT1111と、電流制御用TFT1112
とそのドレインに電気的に接続された第1の電極1113とを含む複数の画素により形成
される。なお、第1の電極1113の端部を覆って絶縁物1114が形成されている。こ
こでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、成膜性を良好なものとするため、絶縁物1114の上端部または下端部に曲率を
有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物1114の材料としてポジ型の感光
性アクリルを用いた場合、絶縁物1114の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm
)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物1114として、感光性の光に
よってエッチャントに不溶解性となるネガ型、あるいは光によってエッチャントに溶解性
となるポジ型のいずれも使用することができる。さらには、絶縁物1114の材料として
有機物に限らず無機物が用いることができ、例えば、酸化珪素、酸窒化珪素等を用いるこ
とができる。
第1の電極1113上には、発光物質を含む層1116、および第2の電極1117が
それぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極1113に用いる材料
としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、インジウムスズ酸化
物からなる膜、酸化珪素を含むインジウムスズ酸化物からなる膜、インジウム亜鉛酸化物
からなる膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の
他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウム
を主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造
とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極と
して機能させることができる。
また、発光物質を含む層1116は、蒸着マスクを用いた蒸着法、またはインクジェッ
ト法によって形成される。発光物質を含む層1116には、本発明の有機金属錯体が含ま
れる。また、これらの有機金属錯体に組み合わせて用いる材料としては、低分子系材料、
中分子材料(オリゴマー、デンドリマーを含む)、または高分子系材料であっても良い。
また、発光物質を含む層に用いる材料としては、通常、有機化合物を単層もしくは積層で
用いる場合が多いが、本発明においては、有機化合物からなる膜の一部に無機化合物を用
いる構成も含めることとする。
さらに、発光物質を含む層1116上に形成される第2の電極(陰極)1117に用い
る材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、Mg、Inまたはこ
れらの合金であるMg:Ag、Mg:In、Al:Li、またはCaF2、またはCaN
等)を用いればよい。なお、発光物質を含む層1116で生じた光が第2の電極1117
を透過させる場合には、第2の電極(陰極)1117として、膜厚を薄くした金属薄膜と
、透明導電膜〔酸化インジウム−酸化スズ合金(ITO)、酸化インジウム−酸化亜鉛合
金(In23−ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等〕との積層を用いるのがよい。
さらにシール材1105で封止基板1104を素子基板1110と貼り合わせることに
より、素子基板1110、封止基板1104、およびシール材1105で囲まれた空間1
107に発光素子1118が備えられた構造になっている。なお、空間1107には、不
活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材1105で充填される構
成も含むものとする。
なお、シール材1105にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材
料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板11
04に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass-Reinforced Pl
astics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル等
からなるプラスチック基板を用いることができる。
本実施例9では、本発明の発光素子を有する発光装置を用いて完成させた様々な電気器
具について説明する。
本発明の発光素子を用いて形成される発光装置を用いて作製された電気器具として、テ
レビジョン、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウント
ディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオ
コンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコ
ンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生
装置〔具体的にはデジタルビデオディスク(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を
表示しうる表示装置を備えた装置〕、照明器具などが挙げられる。これらの電気器具の具
体例を図22に示している。
図22(A)は表示装置であり、筐体1201、支持台1202、表示部1203、ス
ピーカー部1204、ビデオ入力端子1205等を含む。本発明を用いて形成される発光
装置をその表示部1203に用いることにより作製される。なお、表示装置は、パーソナ
ルコンピューター用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用装置が含まれ
る。
図22(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体1301、筐体1302
、表示部1303、キーボード1304、外部接続ポート1305、ポインティングマウ
ス1306等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部1303に用いる
ことにより作製される。
図22(C)はビデオカメラであり、本体1401、表示部1402、筐体1403、
外部接続ポート1404、リモコン受信部1405、受像部1406、バッテリー140
7、音声入力部1408、操作キー1409、接眼部1410等を含む。本発明の発光素
子を有する発光装置をその表示部1402に用いることにより作製される。
図22(D)は卓上照明器具であり、照明部1501、傘1502、可変アーム150
3、支柱1504、台1505、電源1506を含む。本発明の発光素子を用いて形成さ
れる発光装置を照明部1501に用いることにより作製される。なお、照明器具には天井
固定型の照明器具または壁掛け型の照明器具なども含まれる。
ここで、図22(E)は携帯電話であり、本体1601、筐体1602、表示部160
3、音声入力部1604、音声出力部1605、操作キー1606、外部接続ポート16
07、アンテナ1608等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部16
03に用いることにより作製される。
以上のようにして、本発明の発光素子を有する発光装置を用いた電気器具を得ることが
できる。
本実施例に示す発光装置を用いた電気器具は、前述、本発明の発光素子の構成、構造、
本発明の発光素子を有する発光装置の構成、構造を自由に組み合わせて実施することが可
能である。また、本実施例に示す発光装置を用いた電気器具は、必要に応じてカラーフィ
ルター等の色度変換膜や偏光板を用いてもよい。
100 基板
101 第1の電極
102 発光物質を含む層
103 第2の電極
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 発光層
114 ホールブロッキング層
115 電子輸送層
200 基板
201 第1の電極
202 発光物質を含む層
203 第2の電極
211 正孔注入層
212 発光層
300 基板
301 第1の電極
303 第2の電極
311 正孔注入層
312 正孔輸送層
313 発光層
314 ホールブロッキング層
315 電子輸送層
401 陽極
402 正孔注入層
403 正孔輸送層
404 発光層
405 電子輸送層
406 電子注入層
407 陰極
408 pチャネル型TFT
421 陰極
422 電子注入層
423 電子輸送層
424 発光層
425 正孔輸送層
426 正孔注入層
427 陽極
428 nチャネル型TFT
500 基板
511 TFT
512 TFT
513 本発明の有機金属錯体を有する発光素子
514 第1の電極
515 発光物質を含む層
516 第2の電極
517 配線
600 基板
601 第1の電極
602 発光物質を含む層
603 第2の電極
611 正孔注入層
612 正孔輸送層
613 発光層
614 ホールブロッキング層
615 電子輸送層
616 電子注入層
700 基板
701 第1の電極
702 発光物質を含む層
703 第2の電極
711 正孔注入層
712 正孔輸送層
713 第1の発光層
714 第2の発光層
715 ホールブロッキング層
716 電子輸送層
717 電子注入層
800 基板
801 第1の電極
802 発光物質を含む層
803 第2の電極
811 正孔注入層
812 正孔輸送層
813 発光層
814 電子輸送層
815 電子注入層
900 基板
901 第1の電極
902 発光物質を含む層
903 第2の電極
911 正孔注入層
912 正孔輸送層
913 発光層
914 電子輸送層
915 電子注入層
1000 基板
1001 第1の電極
1002 発光物質を含む層
1003 第2の電極
1011 正孔注入層
1012 正孔輸送層
1013 第1の発光層
1014 阻止層
1015 第2の発光層
1016 電子輸送層
1017 電子注入層
1101 駆動回路部(ソース側駆動回路)
1102 画素部
1103 駆動回路部(ゲート側駆動回路)
1104 封止基板
1105 シール材
1107 シール材1105で囲まれた内側(空間)
1108 ソース側駆動回路1101およびゲート側駆動回路1103に入力される信
号を伝送するための配線
1109 外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)
1110 基板
1111 スイッチング用TFT
1112 電流制御用TFT
1113 ドレインに電気的に接続された第1の電極
1114 絶縁物
1116 発光物質を含む層
1117 第2の電極
1118 発光素子
1123 nチャネル型TFT
1124 pチャネル型TFT
1201 筐体
1202 支持台
1203 表示部
1204 スピーカー部
1205 ビデオ入力端子
1301 本体
1302 筐体
1303 表示部
1304 キーボード
1305 外部接続ポート
1306 ポインティングマウス
1401 本体
1402 表示部
1403 筐体
1404 外部接続ポート
1405 リモコン受信部
1406 受像部
1407 バッテリー
1408 音声入力部
1409 操作キー
1410 接眼部
1501 照明部
1502 傘
1503 可変アーム
1504 支柱
1505 台
1506 電源
1601 本体
1602 筐体
1603 表示部
1604 音声入力部
1605 音声出力部
1606 操作キー
1607 外部接続ポート
1608 アンテナ

Claims (2)

  1. 下記式(1)で表される第1の配位子と、下記式(3)で表される第2の配位子と、イリジウムとを2:1:1の割合で含む有機金属錯体を含むことを特徴とする発光素子。
  2. 下記式(1)で表される第1の配位子と、第2の配位子と、イリジウムとを2:1:1の割合で含む有機金属錯体を含み、
    前記第2の配位子は、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の配位子であることを特徴とする発光素子。
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