JP5215891B2 - 耐候性に優れたガスバリア性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ガスバリア性フィルムに関し、特に耐候性に優れたガスバリア性フィルムに関する。
従来より、プラスチックフィルムを基材とし、その表面に酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機薄膜を形成したガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装、例えば、食品や工業用品及び医薬品等の変質を防止するための包装に広く利用されている。また、このガスバリア性フィルムについては、包装用途以外にも、近年、液晶表示素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、有機TFT、有機半導体センサー、有機発光デバイス等の有機デバイス、電子ペーパー、フィルムコンデンサー、無機EL素子、カラーフィルター等で使用する基材フィルムや真空断熱材としての新しい用途にも注目されている。これらの用途では、より厳しい性能が求められ、例えば高温高湿や、紫外線照射などの環境下においてもガスバリア性を保持することが必要である。特に屋外で使用される太陽電池用のフィルム等では紫外線による性能低下の少ない極めて耐候性に優れたガスバリア性フィルムが要望されている。
このような無機薄膜を形成してなるガスバリア性フィルムには、無機薄膜の基材フィルムからの剥離、欠損により生ずるガスバリア性の低下を抑止するため、基材フィルムに表面処理を施し、無機薄膜の密着性向上が行われる。表面処理方法の例としては、コロナ処理、プラズマ処理、コート処理等があり、中でもコート処理は、無機薄膜の密着性向上のほか、基材フィルムからのブリードアウトの抑止効果も得られることから有用である。しかしながら、基材フィルムにコート処理を施し無機薄膜を形成したガスバリア性フィルムは、耐候性の点からは、以下のようにコート層に最も弱さが現れる。
従来、ガスバリア性フィルムの基材フィルムへのコート処理としては、ポリエステルとイソシアネートの架橋反応物のコート(特許文献1)、塩素含有樹脂を含むアンカーコート(特許文献2)、紫外線カット剤を用いたコート層等が開示されている。しかしながら、ポリエステルとイソシアネートの架橋反応物のコートは、高温高湿下においてエステル基が加水分解して本来必要な密着性が著しく低下し、引いてはガスバリア性が低下するため不適応であった。また、塩素含有樹脂を含むアンカーコートは、環境負荷の点で使用が好ましくなく、且つ飽和ポリエステルを配合しないとガスバリア性も不足し、その飽和ポリエステルは高温高湿下で加水分解してしまうという問題があった。
これに対し、耐候性を改良するために、ポリエステル面にベンゾトリアゾール系反応性紫外線吸収剤とアクリルモノマーを共重合させてなる積層膜が開示されている(特許文献3)が、これは前記無機薄膜を有する系ではなく、また、コート層紫外線カット剤を用いる方法(特許文献4)が考えられるが、この場合、経時的に紫外線カット剤が溶出、移行することが容易に推察される。
更に、太陽電池用バックカバー材の防湿フィルム、バリアフィルムのアンカーコート層、プライマー層として、アクリルウレタン樹脂(特許文献5)やポリエステル樹脂とアクリル樹脂の混合樹脂(特許文献6)や、光電子素子用の基材フィルムについてはバリアー層とポリエチレンナフタレートフィルムとの接着性を向上する下塗層としてアクリル系樹脂とメラミン系化合物とを架橋したもの(特許文献7)が開示されているが、これらについても、紫外線照射による劣化や、高温高湿による加水分解が生じ、高いガスバリア性を維持できないという問題があった。また、アルミニウム箔層および熱可塑性樹脂未延伸フィルム層の間にアクリル系ポリマー層を設ける電子部品ケース用包材が開示されている(特許文献8)が、該ポリマー層は接着剤として用いられ、また耐候性の改善に関するものではない。
特公平6−22976号公報 特開平10−76593号公報 特開平10−329291号公報 特開平10−100331号公報 特開2002−26343号公報 特開2005−144719号公報 特表2005−521193号公報 特開2002−187233号公報
本発明は、高温高湿下や紫外線照射環境下において、高い剥離強度及び優れたガスバリア性を維持することができる耐候性ガスバリア性フィルムに関する。
すなわち、本発明は、
(1)基材フィルム、その少なくとも一方の面に形成された耐候性コート層、及び該コート層面に形成された無機薄膜を有するガスバリア性フィルムであって、該耐候性コート層が、紫外線安定性基、紫外線吸収性基、及びシクロアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を有するアクリル系共重合体を含むガスバリア性フィルム、及び
(2)基材フィルムの少なくとも一方の面に耐候性コート層を形成し、該コート層面に無機薄膜を形成するガスバリア性フィルムの製造方法であって、上記耐候性コート層が、重合性紫外線安定性単量体、重合性紫外線吸収性単量体、及びシクロアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種を共重合させて得られるアクリル系共重合体を用いて得られるガスバリア性フィルムの製造方法、
に関する。
本発明により、高温高湿下や紫外線照射環境下において、高い剥離強度及び優れたガスバリア性を維持することができる耐候性ガスバリア性フィルムが得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[基材フィルム]
本発明のガスバリア性フィルムの基材フィルムとしては熱可塑性高分子フィルムが好ましく、その材料としては、通常の包装材料に使用しうる樹脂であれば特に制限なく用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体または共重合体などのポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリレート樹脂、生分解性樹脂などが挙げられる。これらの中では、フィルム物性、コストなどの点から、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましい。中でも、フィルム物性の点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが特に好ましい。
また、上記基材フィルムは、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
上記基材フィルムとしての熱可塑性高分子フィルムは、上記の原料を用いて成形してなるものであるが、基材として用いる際は、未延伸であってもよいし延伸したものであってもよい。また、他のプラスチック基材と積層されていてもよい。
かかる基材フィルムは、従来公知の方法により製造することができ、例えば、原料樹脂を押出機により溶融し、環状ダイやTダイにより押出して、急冷することにより実質的に無定型で配向していない未延伸フィルムを製造することができる。また、多層ダイを用いることにより、1種の樹脂からなる単層フィルム、1種の樹脂からなる多層フィルム、多種の樹脂からなる多層フィルムを製造することができる。
この未延伸フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、フィルムの流れ(縦軸)方向又はフィルムの流れ方向とそれに直角な(横軸)方向に延伸することにより、少なくとも一軸方向に延伸したフィルムを製造することができる。延伸倍率は任意に設定できるが、150℃熱収縮率が、0.01〜5%、更には0.01〜2%であることが好ましい。
中でもフィルム物性の点から、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムや、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリエチレンナフタレートと他のプラスチックの共押出二軸延伸フィルムが好ましい。
基材フィルムの厚さは、本発明のガスバリア性積層フィルムの基材としての機械強度、可撓性、透明性等の点から、その用途に応じ、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲で選択され、厚さが大きいシート状のものも含む。また、フィルムの幅や長さについては特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができる。
また、基材フィルムへのアンカーコート剤の塗布性、接着性を改良するため、アンカーコート剤の塗布前にフィルムに通常の化学処理、放電処理などの表面処理を施してもよい。
[耐候性コート層]
本発明のガスバリア性フィルムにおいては耐候性コート層を用いる。
一般に、プラスチックは、熱、水、光、酸素などにより、ポリマー鎖から水素が引き抜かれ、ラジカルが発生する。発生したラジカルは、酸素と結合して反応性が高いパーオキサイドラジカルになり、それが他のポリマー鎖の水素を引き抜いて、再びラジカルを発生すると同時に、ヒドロキシパーオキサイド基を形成する。ヒドロキシパーオキサイド基は、ヒドロキシラジカルとオイサイドラジカルに分解し、これらが他のポリマー鎖の水素を引き抜き、再びラジカルを発生させる。このような過程でプラスチックの劣化が生じる。
従って、プラスチックの劣化を防止するには、熱、水、光などによるラジカルの発生を抑制するか、分解過程を抑制する必要がある。
上記観点から、耐候性コート層を構成する樹脂としては、アクリル系共重合体を用いる。
本発明において、紫外線安定性基とは、発生したラジカルを捕捉し、不活性化する作用を有するものであり、上記の点から、具体的にはヒンダードアミン基が好ましく挙げられる。即ち、ヒンダードアミン基に発生した安定なニトロキシラジカルが、活性なポリマーラジカルと結合して、自身は元の安定なニトロキシラジカルに戻り、これを繰り返す。
また、紫外線吸収性基とは、照射される紫外線を吸収することにより、ラジカルの発生を抑制するものであり、この点から、具体的にはベンゾトリアゾール基及び/又はベンゾフェノン基が好ましく挙げられる。
シクロアルキル基は、耐候性コート層を構成するアクリル系共重合体等の樹脂に耐水性及び耐水蒸気透過性を付与する作用を有するものである。
従って、紫外線安定性基、紫外線吸収基、及びシクロアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を有するアクリル系共重合体等の樹脂をコート層に使用することによりガスバリア性フィルムのガスバリア劣化を防止することができる。本発明においては、紫外線安定性基、紫外線吸収基、及びシクロアルキル基を兼ね備えることによって、耐候性の点において相乗効果を得ることができる。
上記アクリル系共重合体は、少なくとも、重合性紫外線安定性単量体、重合性紫外線吸収性単量体、及びシクロアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種を共重合させて得ることができる。
(重合性紫外線安定性単量体)
重合性紫外線安定性単量体は、ヒンダードアミン基を有するものが好ましく、より好ましくは、ヒンダードアミン基と重合性不飽和基をそれぞれ分子内に少なくとも1個有するものである。
重合性紫外線安定性単量体として、好ましくは下記式(1)又は(2)で表される化合物である。
Figure 0005215891
(式中、R1は水素原子またはシアノ基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1又は2の炭化水素基を表し、R4 は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基を表し、Xは酸素原子またはイミノ基を表す。)
Figure 0005215891
(式中、R1 は水素原子またはシアノ基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1又は2の炭化水素基を表し、Xは酸素原子またはイミノ基を表す。)
一般式(1)又は(2)で表される紫外線安定性単量体において、R4で示される炭素数1〜18の炭化水素基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等の鎖式炭化水素基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の脂環式炭化水素基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基等の芳香族炭化水素基などが挙げられる。これらのうち、本発明において、R4としては光安定化反応性の点から、水素原子やメチル基が好ましい。
2及びR3の各々で表される炭素数1又は2の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基である。
前記一般式(1)で表される紫外線安定性単量体としては、具体的には4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられ、これらのうち、本発明においては、光安定化反応性の点から、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンが好ましく、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンがより好ましい。これらは一種のみで用いてもよく、また二種以上を適宜混合して用いてもよい。もちろん一般式(1)の紫外線安定性単量体はこれら化合物に限定されるものではない。
前記一般式(2)で表される紫外線安定性単量体としては、具体的には、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられ、これらのうち、本発明においては、原料汎用性の点から、1−アクリロイル−4−アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−メタクリロイル−4−メタクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが好ましく、1−メタクリロイル−4−メタクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンがより好ましい。これらは一種のみで用いてもよく、また二種以上を適宜混合して用いてもよい。なお一般式(2)の紫外線安定性単量体はこれらに限定されるものではない。
上記重合性紫外線安定性単量体は、アクリル系共重合体を得るための全重合性単量体成分中に光安定化性能の点から、0.1〜50質量%含有されることが好ましく、より好ましくは0.2〜10質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%の範囲内で含有される。含有量が上記範囲内であれば、耐候性が十分に発揮される。
(重合性紫外線吸収性単量体)
本発明に用いられる重合性紫外線吸収性単量体としては、重合性ベンゾトリアゾール類及び/又は重合性ベンゾフェノン類が好ましく挙げられる。
重合性ベンゾトリアゾール類
本発明において、重合性ベンゾトリアゾール類としては、具体的には、下記式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005215891
(式中、R5は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基を表し、R6は低級アルキレン基を表し、R7は水素原子またはメチル基を表し、Yは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基、低級アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表す。)
Figure 0005215891
(式中、R8は炭素数2又は3のアルキレン基を表し、R9は水素原子またはメチル基を表す。)
上記式中、R5で表される炭素数1〜8の炭化水素基は、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの鎖式炭化水素基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの脂環式炭化水素基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基などの芳香族炭化水素基が上げられる。R5としては、好ましくは水素原子又はメチル基である。
6 で表される低級アルキレン基としては、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などの直鎖状アルキレン基及びイソプロピレン基、イソブチレン基、s−ブチレン、t−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基などの分枝鎖状アルキレン基が挙げられ、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。
Yで表される置換基としては、水素;フッ素、塩素、シュウ素、ヨウ素などのハロゲン;R5で表される炭素数1〜8の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘプトキシ基など炭素数1〜8の低級アルコキシ基;シアノ基;ニトロ基が挙げられ、反応性の点で、好ましくは水素原子、塩素原子、メトキシ基、t−ブチル基、シアノ基、ニトロ基である。
前記一般式(3)で表される紫外線吸収性単量体としては、具体的には2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[ 2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル] −2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−3' −t−ブチル−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −t−ブチル−3' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−ニトロ−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられ、紫外線吸収性の点から、好ましくは2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[ 2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル] −2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−3' −t−ブチル−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾールであり、より好ましくは2−[2’−ヒドロキシー5’−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールである。一般式(3)で表されるこれら紫外線吸収性単量体は一種類のみを用いてもよく、また二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
また前記一般式(4)で表される紫外線吸収性単量体においては、式中、R8 で表される炭素数2または3のアルキレン基としては、具体的にはエチレン基、トリメチレン基、プロピレン基などである。
前記一般式(4)で表される紫外線吸収性単量体としては、たとえば、2−〔2' ヒドロキシ−5' −(β−メタクリロイルオキシエトキシ)−3' −t−ブチルフェニル〕−4−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2' ヒドロキシ−5' −(β−アクリロイルオキシエトキシ)−3' −t−ブチルフェニル〕−4−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2' ヒドロキシ−5' −(β−メタクリロイルオキシn−プロポキシ)−3' −t−ブチルフェニル〕−4−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2' ヒドロキシ−5' −(β−メタクリロイルオキシi−プロポキシ)−3' −t−ブチルフェニル〕−4−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾールが挙げられられ、紫外線吸収性の点から、好ましくは2−[2’−ヒドロキシー5’−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)−3’−t−ブチルフェニル]−4−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾールである。一般式(4)で表されるこれら紫外線吸収性単量体は一種類のみを用いてもよく、また二種類以上を適宜混合してもよい
重合性ベンゾフェノン類
重合性紫外線吸収性単量体として用いられる重合性ベンゾフェノン類としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン又は、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとグリシジルアクリレート又は、グリシジルメタクリレートを反応して得られる2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等のモノマーが挙げられる。原料汎用性の点で、好ましくは2−ヒドロキシー4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノンである。
重合性紫外線吸収性単量体は、得られるアクリル共重合体を含むコート層の耐候性を更に向上させるために用いるものであり、全重合性単量体成分中における含有割合は次の通りである。重合性ベンゾトリアゾール類の場合、十分な紫外線吸収性能及び紫外線照射による着色防止の点から、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜40質量%、更に好ましくは1〜30質量%である。重合性ベンゾフェノン類の場合、十分な紫外線吸収性能及び相溶性が良好である点から、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5.0質量%である。
本発明においては、重合性紫外線吸収性単量体としては、共重合反応性の点から、前記ベンゾトリアゾール類が好ましい。
(シクロアルキル(メタ)アクリレート)
本発明に用いられるシクロアルキル(メタ)アクリレートは、得られるアクリル共重合体を特に二液ウレタン樹脂塗料用として使用する場合、塗膜の硬度、弾性、耐溶剤性、耐ガソリン性、耐候性の向上のために用いられる成分である。シクロアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレートなどを好ましく挙げることができる。これらは1種で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。該シクロアルキル(メタ)アクリレートは重合性単量体成分中、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜70質量%、更に好ましくは15〜50質量%の範囲で使用する。使用量が上記範囲内であれば、塗膜の硬度、耐候性等の性能が充分に発揮され、乾燥性及びレベリング性が両立して得られ好ましい。
(架橋性官能基)
上記耐候性コート層は、アクリル系共重合体が架橋性官能基を有し、架橋性化合物と架橋することにより形成されることが好ましい。これにより、上記アクリル系共重合体は架橋構造を有することになるため、コート層の物性や耐候性が向上し、その結果、優れた耐候性能が長期に渡って維持されることになる。
上記アクリル系共重合体が有する架橋性官能基としては、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基又はその無水物、エポキシ基、アミド基等が挙げられる。これらの架橋性官能基は、アクリル系共重合体中に1種存在してもよく、2種以上存在してもよい。本発明においては、これらの架橋性官能基の中でも、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の活性水素を有する基が、安定性の点で好ましい。
水酸基を含有する重合性不飽和単量体としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレートなど水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー等を挙げることができ、好ましくはヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートである。これらは1種で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
架橋性官能基を含有する重合性単量体は、得られるアクリル系共重合体にポリイソシアネートをはじめその他の架橋性化合物を配合して熱硬化型塗料用樹脂組成物とする場合に、それら架橋性化合物との反応に必要な成分であり、全重合性単量体成分中2〜35質量%、好ましくは3.5〜23質量%の範囲で使用する。上記使用量範囲であれば、得られるアクリル系共重合体中の架橋性官能基の量が適性であり、該アクリル系共重合体と架橋性化合物との反応性が維持され、架橋密度が十分となり、目的とする塗膜性能が得られる。また、架橋性化合物を配合した後の保存安定性も良好である。
(その他の重合性不飽和単量体)
本発明においては、アクリル系共重合体を形成するためのその他の重合性不飽和単量体を用いることができる。
本発明に用いられるその他の重合性不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N′−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイミダゾールなどの窒素含有不飽和単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン含有不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族不飽和単量体;酢酸ビニルなどのビニルエステル;ビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和シアン化合物などを挙げることができ、これらの群から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。
また、架橋反応時の内部触媒作用の点から、酸性官能基を含有する重合性不飽和単量体も使用することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及び無水マレイン酸などの如きカルボキシル基含有不飽和単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びスルホエチル(メタ)アクリレートなどの如きスルホン酸基含有不飽和単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルリン酸などの酸性リン酸エステル系不飽和単量体などを挙げることができ、これらの群から選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。
上記その他の重合性単量体は、必要に応じて本発明法におけるアクリル系共重合体の作用を損わない範囲で使用することができ、その使用量は重合性単量体成分中0〜92.9質量%とすることができる。又、その他の重合性単量体のうちの酸性官能基を含有する重合性単量体は、アクリル系共重合体が架橋性化合物と架橋反応する際の内部触媒として作用するものであり、その量は重合性単量体成分中0〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%とすることができる。
(アクリル系共重合体の重合方法)
上記単量体を用いてアクリル系共重合体を得る方法は、特に限定されず従来公知の重合法を用いることができる。
例えば、溶液重合法を採用する場合、使用できる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンやその他の高沸点の芳香族系溶剤;酢酸エチル,酢酸ブチルやセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルソブチルケトンなどのケトン系溶剤;イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどの脂肪族アルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル類などを挙げることができ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
また、重合開始剤としては、2,2‘−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなど通常のラジカル重合開始剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。使用量は、特に限定されず、所望するアクリル樹脂の特性により適宜設定できる。
反応温度や反応時間などの反応条件としては、特に限定されず、例えば反応温度は室温から200℃の範囲、好ましくは40〜140℃の範囲である。反応時間は、単量体成分の組成や重合開始剤の種類に応じて、重合反応が完結するように適宜設定できる。
本発明においては、耐候性として、紫外線耐久性及び湿熱耐久性をそれぞれ高める点から、前記アクリル系共重合体は、少なくとも、紫外線吸収性基及びシクロアルキル基を有することが好ましく、少なくとも、紫外線安定性基、紫外線吸収性基及びシクロアルキル基を有することがより好ましい。
具体的には、上記観点から、前記アクリル系共重合体は、少なくとも、以下の(1)〜(8)の組合せの官能基を有することが好ましく、(1)〜(4)の組合せの官能基を有することがより好ましく、(1)及び(2)の組合せの官能基を有することが更に好ましい。
(1)ヒンダードアミン基/ベンゾトリアゾール基/シクロアルキル基
(2)ヒンダードアミン基/ベンゾトリアゾール基/シクロアルキル基/架橋性官能基
(3)ヒンダードアミン基/ベンゾフェノン基/シクロアルキル基
(4)ヒンダードアミン基/ベンゾフェノン基/シクロアルキル基/架橋性官能基
(5)紫外線吸収性基/シクロアルキル基
(6)紫外線吸収性基/シクロアルキル基/架橋性官能基
(7)ヒンダードアミン基/シクロアルキル基
(8)ヒンダードアミン基/シクロアルキル基/架橋性官能基
(架橋性化合物)
架橋性化合物としては、上述した架橋性官能基と架橋硬化反応する官能基を1分子当たり2個以上含む化合物又は重合体であれば特に限定されず、上記アクリル系共重合体が有する官能基の種類に応じて1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
例えば、アクリル系共重合体が有する架橋性基が水酸基であれば、架橋性化合物として例えば、フェノール基、エポキシ基、メラミン基、イソシアネート基、ジアルデヒド基を持つ化合物又は重合体が例示される。架橋反応性、ポットライフの点で、エポキシ基、メラミン基、イソシアネート基を含有する化合物又は重合体が好ましく、ポットライフ制御の点から特にイソシアネート基が好ましい。
アクリル系共重合体が有する架橋性官能基がカルボキシル基又はその無水物である場合には、ポリイソシアネート化合物又はその変性物、アミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂等の架橋性化合物が挙げられ、架橋性官能基がエポキシ基である場合には、アミンやカルボン酸、アミド、N−メチロールアルキルエーテル等の化合物を含む架橋性化合物が挙げられ、架橋性官能基が水酸基やアミノ基である場合には、ポリイソシアネート化合物又はその変性物、エポキシ樹脂、アミノプラスト樹脂等の架橋性化合物が挙げられる。これらの中でも、活性水素を有する基との組み合わせにおいて、ポリイソシアネート化合物及び/又はエポキシ樹脂であることが好ましい。
本発明においては、架橋性官能基が水酸基であり、架橋性化合物がイソシアネート化合物である組み合わせが二液反応性コート剤として、成分の反応性、及びそれに由来する耐候性、コート層の硬度・柔軟性の点で望ましい。
ポリイソシアネートは、ジイソシアネート、その二量体(ウレトジオン)、その三量体(イソシアヌレート、トリオール付加物、ビューレット)等の一種、またはそれら二種以上の混合物であってもよい。例えば、ジイソシアネート成分としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、4,4'−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネ−トメチルシクロヘキサン、4,4'−ジイソシアネートシクロヘキサン、4,4'−ジイソシアネートシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等が挙げられる。また、無黄変性の点で、キシレンジイソシアネート(XDI)系、イソホロンジイソシアネート(IPDI)系、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系などが好まれる。また、堅牢性、ガスバリア性、耐候性の点で、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ビュレット体が良い。
エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリグリシジル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記架橋性化合物の使用量としては特に限定されず、架橋性化合物の種類等によって適宜決定することができるが、該アクリル系共重合体の架橋性基(例えば水酸基)と架橋性化合物の架橋基との反応基比率は、水酸基:架橋基=1:1〜1:20が層内凝集力、層間密着性の点で望ましく、更に、1:1〜1:10が好ましい。架橋基比率が上記範囲であれば密着性、高温高湿耐性、ガスバリア性、耐ブロッキング性等の点で有利である。
また、上記架橋性化合物は、架橋反応を促進させるために、塩類や無機物質、有機物質、酸物質、アルカリ物質等の架橋触媒を1種又は2種以上添加してもよい。例えば、架橋性化合物としてポリイソシアネート化合物を用いる場合、ジブチル錫ジラウレート、第3級アミン等の公知の触媒を1種又は2種以上添加が例示される。
また、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、安定剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有したり、それらを上記樹脂と共重合させたものを使用することができる。
(耐候性コート層の形成方法)
耐候性コート層は、公知のコーティング方法を適宜採択して形成することができる。例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーター、スプレイあるいは刷毛を用いたコーティング方法等の方法がいずれも使用できる。また、蒸着フィルムを樹脂液に浸漬して行ってもよい。塗布後は、80〜200℃程度の温度での熱風乾燥、熱ロール乾燥などの加熱乾燥や、赤外線乾燥などの公知の乾燥方法を用いて溶媒を蒸発させることができる。また、耐水性、耐久性を高めるために、電子線照射による架橋処理を行うこともできる。
耐候性コート層の厚さは0.005〜5μm程度、更に0.01〜1μmであることが好ましい。上記5μm以下の厚さであれば、滑り性が良好であり、アンカーコート層自体の内部応力による基材フィルムからの剥離もほとんどなく、また、0.005μm以上の厚さであれば、均一な厚さを保つことができ好ましい。
また、耐候性コート層による基材フィルム表面の平坦化により、無機薄膜を形成する粒子が緻密に堆積し、且つ均一な厚さに形成しやすいことから、高いガスバリア性を得ることができる。
[無機薄膜]
無機薄膜の形成方法としては、蒸着法、コーティング法などの方法がいずれも使用できるが、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で蒸着法が好ましい。この蒸着法には、物理気相蒸着(PVD)、あるいは化学気相蒸着(CVD)などの方法が含まれる。物理気相蒸着法には、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどが挙げられ、化学気相蒸着法には、プラズマを利用したプラズマCVD、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法(Cat−CVD)等が挙げられる。
更には、上記無機薄膜は多層化することが、高いガスバリア性を長期間安定に維持できる点で好ましく、少なくとも2層の無機薄膜層からなるものがより好ましい。その際には、公知の各種成膜方法を組み合わせても良い。例えば、耐候性コート層の上に、順に、真空蒸着膜/真空蒸着膜、真空蒸着膜/プラズマCVD膜、真空蒸着膜/プラズマ処理/真空蒸着膜、真空蒸着膜/プラズマCVD膜/真空蒸着膜、真空蒸着膜/Cat−CVD膜/真空蒸着膜、真空蒸着膜/耐候性コート/真空蒸着膜、プラズマCVD膜/真空蒸着膜、プラズマCVD膜/真空蒸着膜/プラズマCVD膜、等の多層無機薄膜構成が挙げられる。中でも、真空蒸着膜/プラズマCVD膜の多層化は、ガスバリア性の良さ、密着性、生産性の点で好ましい。
無機薄膜を構成する無機物質としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン、水素化炭素等、あるいはこれらの酸化物、炭化物、窒化物またはそれらの混合物が挙げられるが、好ましくは酸化珪素、酸化アルミニウム、水素化炭素を主体としたダイアモンドライクカーボンである。特に、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物、特に酸化珪素は、高いガスバリア性が安定に維持できる点で好ましい。
化学気相蒸着に使用し得る材料ガスは、少なくとも1種以上のガスからなることが好ましく、例えば珪素化合物薄膜の形成においては、珪素を含む第一原料ガスに対して、第二原料ガスとして、アンモニア、窒素、酸素、水素やアルゴンなどの希ガスを使用することが好ましい。珪素を含む第一原料ガスとしては、モノシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等を単独、或いは2種組み合わせて使用することができる。また、原料ガスは、室温において液体でも気体でもよく、液体原料は、原料気化機により気化して装置内へ供給することができる。触媒化学気相成長法においては、加熱触媒体の劣化や反応性・反応速度の点から、モノシランガスが好ましい。
各無機薄膜の厚さは、一般に0.1〜500nm程度であるが、好ましくは0.5〜100nm、更に好ましくは1〜50nmである。上記範囲内であれば、十分なガスバリア性が得られ、また、無機薄膜に亀裂や剥離を発生させることなく、生産性にも優れている。
[保護層]
本発明のガスバリア性フィルムにおいては、無機薄膜の最上層を保護するために、保護層を有してもよい。該保護層を形成する樹脂としては、溶剤性及び水性の樹脂をいずれも使用することができ、具体的には、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂系、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、ビニル変性樹脂、ニトロセルロース系樹脂、シリコン系樹脂、イソシアネート系樹脂、エポキシ系樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン系樹脂、変性シリコン系樹脂、アルキルチタネート等を単独であるいは2種以上組み併せて使用することができる。また、保護層としては、バリア性、摩耗性、滑り性向上のためシリカゾル、アルミナゾル、粒子状無機フィラー及び層状無機フィラーから選ばれる1種以上の無機粒子を前記1種以上の樹脂に混合してなる層、又は該無機粒子存在下で前記樹脂の原料を重合させて形成される無機粒子含有樹脂からなる層を用いることが出来る。
保護層を形成する樹脂としては、無機薄膜のガスバリア性向上の点から上記水性樹脂が好ましい。さらに水性樹脂として、ビニルアルコール樹脂またはエチレンビニルアルコール樹脂が好ましい。
また、保護層として、ポリビニルアルコール及びエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を含有する水性液を塗布してなる樹脂層を用いることができる。
保護層の厚さは、印刷性、加工性の点から、好ましくは0.05〜10μm,更に好ましくは0.1〜3μmである。その形成方法としては、公知のコーティング方法が適宜採択される。例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーター、スプレイあるいは刷毛を用いたコーティング方法等の方法がいずれも使用できる。また、蒸着フィルムを保護層用樹脂液に浸漬して行ってもよい。塗布後は、80〜200℃程度の温度での熱風乾燥、熱ロール乾燥などの加熱乾燥や、赤外線乾燥などの公知の乾燥方法を用いて水分を蒸発させることができる。また、耐水性、耐久性を高めるために、電子線照射による架橋処理を行う事もできる。
(ガスバリア性フィルムの製造方法)
本発明のガスバリア性フィルムの製造方法は、基材フィルムの少なくとも一方の面に耐候性コート層を形成し、該コート層面に無機薄膜を形成するガスバリア性フィルムの製造方法であって、上記耐候性コート層が、重合性紫外線安定性単量体、重合性紫外線吸収性単量体、及びシクロアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種を反応させて得られるアクリル系共重合体を用いて得られるものである。各構成層、耐候性コート層を形成するアクリル系共重合体については、前述の通りである。
また、前記耐候性コート層として、架橋性官能基を有する上記アクリル系共重合体、及び架橋性化合物を反応させて得られたものが好ましいことも前述の通りである。
(ガスバリア性フィルムの耐候性向上方法)
本発明のガスバリア性フィルムの耐候性向上方法は、基材フィルム、その少なくとも一方の面に形成されたコート層、及び該コート層面に形成された無機薄膜を有するガスバリア性フィルムにおいて、該コート層に、紫外線安定性基、紫外線吸収性基、及びシクロアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を有するアクリル系共重合体を用いるものである。各構成層、耐候性コート層を形成するアクリル系共重合体については、前述の通りである。また、前記コート層としては、架橋性官能基を有する上記アクリル系共重合体、及び架橋性化合物を反応させて得られたものが好ましい。
次に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各例で得られたガスバリア系フィルムの性能評価は、以下のように行った。
<剥離試験>
得られたガスバリア性フィルム、又は耐光試験後のガスバリア性フィルムの無機薄膜面に、ウレタン系接着剤(三井化学ポリウレタン(株)製「タケラックA543」と「タケネートA3」とを配合)を塗布、80℃で1分乾燥し、厚さ約10μmの接着樹脂層を形成し、この接着樹脂層上に、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製「パイレンフィルム−CT P1146」)をラミネート、40℃×3日エージングし、積層体を得た。
次いで、該積層体について、JIS Z1707に準じ、積層体を幅15mmの短冊状に切り出し、その端部を一部剥離させ、剥離試験機(島津製作所製、製品名EZ−TEST)により100mm/分の速度でT型剥離を行い、接着強度(g/15mm)を測定した。
<水蒸気透過率測定>
耐光性試験前後のガスバリア性フィルムを各々用いたラミネート積層体について、JIS Z0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z0208「防湿包装材量の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、水蒸気透過率を測定した。
透湿面積7.0cm×7.0cm角のガスバリア性フィルムを2枚用い、吸湿剤として無水塩化カルシウム約10gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、72時間以上間隔で質量増加がほぼ一定になる目安として14日間まで、質量測定(0.1mg単位)し、水蒸気透過率を下記式から算出した。
水蒸気透過率(g/m2/24h)=(m/s)/t
m; 試験期間最後2回の秤量間隔の増加質量(g)
s; 透湿面積(m2
t; 試験期間最後2回の秤量間隔の時間(h)/24(h)
なお、上記剥離試験及び水蒸気透過率測定は、各々得られたラミネート積層体について、また、これに以下の高温高湿試験(1)又は(2)を行った後、及びガスバリア性フィルムを以下の耐光試験に供した後得られたラミネート積層体について行った。
<高温高湿試験>
(1)得られたラミネート積層体を、60℃×90RH%下に30日間保管した。
(2)得られたラミネート積層体を、85℃×85RH%下に30日間保管した。
<耐光試験>
得られたガスバリア性フィルムを、無機薄膜面側をウエザロメーター(キセノン型スガ試験機製WBL 75XS)の光源へ向けて、面照射照度60W/m2、測定波長300〜400nm、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%の条件で200時間照射した。
<無機薄膜、耐候性コート層の膜厚測定>
得られたガスバリア性フィルムを樹脂に包埋し、その断面方法に超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡で観測した。
<無機薄膜の組成分析>
得られたガスバリア性フィルムの無機薄膜面について、島津製作所製ESCA−3400を用い元素組成を分析した。
実施例1
基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポン製、「Q51C12」)を用い、そのコロナ処理面に、下記のコート液を塗布乾燥して厚さ0.1μmのコート層を形成した。
次いで、真空蒸着装置を使用して1.33×10-3Pa(1×10-5Torr)の真空下でSiOを高周波加熱方式で蒸発させ、コート層上に厚さ20nmのSiOx(x=1.7)薄膜を有する薄膜ガスバリア性フィルムを得た。
コート液
攪拌機、温度計、冷却器、窒素ガス導入管のついた四つ口フラスコに窒素ガス気流下、酢酸エチル100質量部を仕込み、80℃に昇温した中に、表1−1に示す重合性単量体成分からなる原料とベンゾイルパーオキサイド1質量部の混合物を2時間かけて滴下し、更に80℃で4時間保持して、アクリル系共重合体の50質量%溶液を得た。
次いで、このアクリル樹脂溶液に、エポキシ系共重合体(ナガセケムテックス(株)製「デコナールEX622」)をカルボキシル基に対するエポキシ基の当量比が1:1になるように混合した。
実施例2〜12
表1−1に示す重合性単量体成分からなる原料を用いてアクリル系共重合体溶液を作製し、次いで、このアクリル系共重合体溶液に、イソシアネート樹脂(住友バイエルウレタン(株)製「スミジュールN−3200」を水酸基に対するイソシアネート基の当量比が1:1になるように混合した以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例13
実施例10のガスバリア性フィルムの無機薄膜面上に、メタクリル酸とメタクリル酸ブチル(質量比25:75)の共重合体のアンモニウム塩水溶液を塗布、乾燥させ厚さ0.3μmの保護層を形成した。
実施例14
実施例10のガスバリア性フィルムの無機薄膜面上に、プラズマCVD装置を使用して、原料としてテトラエトキシシラン、反応ガスとして酸素、窒素、アルゴンを用い、8x10-2Torrの真空下において、13.56MHz高周波放電プラズマ源で1kW印加し、SiOxNy(x=1.6、y=0.2)膜、薄膜厚さ20nmのプラズマCVD膜を成膜した。次いで、プラズマCVD膜面上に、実施例1と同様にして真空蒸着膜を成膜し、無機薄膜3層のガスバリア性フィルムを得た。
比較例1
コート液として、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業製「コロネートL」)と飽和ポリエステル(東洋紡績製「バイロン300」)とを1:1質量比で混合して得られるものを用いた以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
比較例2
コート液として、アクリル系共重合体として三井化学ポリウレタン製「タケラックUA−902」、芳香族イソシアネートとしてトリレンジイソシアネート(TDI)(三井化学ポリウレタン製「コスモネート80」)を、水酸基価とイソシアネート基価の当量が1:1になるように混合して用いた以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
比較例3
コート液として、ポリエステル樹脂として高松樹脂製「ペスレジンA−120」、アクリル樹脂としてジョンソンポリマー製「JDX−6500」を固形分比率1:1になるように混合して用いた以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
比較例4
実施例2において、アクリル系共重合体溶液の原料単量体を表1−2に示すように代えた以外は、同様にしてコート液を作製し、ガスバリア性フィルムを得た。
比較例5
実施例10の原料単量体において、単量体a−1とb−2を除き、ヒンダードアミン系紫外線安定剤(HALS)としてチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製「TINUVIN 123」を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(UVA)としてチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製「TINUVIN PS」を樹脂固形分比としてそれぞれ2質量%、35質量%添加して、アクリル樹脂溶液を作製した。次いで、このアクリル樹脂溶液に、イソシアネート樹脂(住友バイエルウレタン(株)製「スミジュールN−3200」を、水酸基に対するイソシアネート基の当量が1:1になるように混合した以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
比較例6
エチルアクリレート67.5ml、メチルメタクリレート66.4ml、イタコン酸21.3g、p−スチレンスルホン酸ナトリウム51gをイオン交換水250mlに溶解した水溶液、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8mlを水100mlに溶解した水溶液、硫酸アンモニウム2gを水20mlに溶解した水溶液、イオン交換水505mlを用い、乳化重合法で、エチルアクリレート/メチルメタクリレート/イタコン酸/p−スチレンスルホン酸共重合体(37.5:37.5:10:15モル比)を作製した。上記アクリル共重合体3質量%と、界面活性剤としてICI製「Synperonic NP10」0.03%、メラミン系架橋性化合物として三井サイテック製「サイメル300」0.3%、p−トルエンスルホン酸アンモニウム10%水溶液0.03%を混合配合した以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
上記得られた各ガスバリア性フィルムについて、前記方法により、耐光試験前後の水蒸気透過率、高温高湿試験、耐光試験前後の剥離試験を行った。結果を表2−1及び表2−2に示す。
なお、上記実施例及び比較例において用いた単量体は以下の通りである。
(重合性紫外線安定性単量体)
a−1:4−メタクリロイルオキシー2,2,6,6、−テトラメチルピペリジン
a−2:4−メタクリロイルオキシー2,2,6,6、−ペンタメチルピペリジン
a−3:1−メタクリロイルー4−メタクリロイルアミノー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(重合性紫外線吸収性単量体)
b−1:2−ヒドロキシー4−(3−メタクリロイルオキシー2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン
b−2:2−[2’−ヒドロキシー5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
b−3:2−[2’−ヒドロキシー5’−(Β−メタクリロイルオキシエトキシ)−3’−t−ブチルフェニル]−4−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール
(シクロアルキル(メタ)アクリレート)
c−1:シクロヘキシルメタクリレート
c−2:t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート
(水酸基を有する重合体不飽和単量体)
d−1:ヒドロキシプロピルアクリレート
d−2:ヒドロキシエチルメタクリレート
(その他の重合体不飽和単量体)
e−1:n−ブチルメタクリレート
e−2:n−ブチルアクリレート
e−3:2−エチルヘキシルアクリレート
e−4:メチルメタクリレート
e−5:エチルアクリレート
e−6:メタクリル酸
e−7:イタコン酸
e−8:p-トルエンスルホン酸
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本発明のガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装、例えば、食品や工業用品及び医薬品等の変質を防止するための包装に広く利用される。また、包装用途以外にも、液晶表示素子、有機EL素子、有機TFT、有機半導体センサー、有機発光デバイス等の有機デバイス、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、電子ペーパー、フィルムコンデンサー、無機EL素子、カラーフィルター等で使用する透明導電シートや真空断熱材としても好適に使用できる。

Claims (12)

  1. 基材フィルム、その少なくとも一方の面に形成された耐候性コート層、及び該コート層面に蒸着法で形成された厚さ0.1〜500nmの無機薄膜層を有するガスバリア性フィルムであって、該基材フィルムが、厚さ5〜500μmのポリエステルフィルムであり、該耐候性コート層が、少なくとも、紫外線安定性基、紫外線吸収性基及びシクロアルキル基を有するアクリル系共重合体を含むガスバリア性フィルム。
  2. 紫外線安定性基がヒンダードアミン基であり、かつ紫外線吸収性基がベンゾトリアゾール基及び/又はベンゾフェノン基である、請求項1記載のガスバリア性フィルム。
  3. 耐候性コート層が、前記アクリル系共重合体と架橋性化合物とを反応させて得られたものである、請求項1又は2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. 耐候性コート層が、ヒンダードアミン基、ベンゾトリアゾール基及び/又はベンゾフェノン基、並びにシクロアルキル基と、水酸基とを有するアクリル系共重合体をイソシアネート化合物と反応させてなるものである、請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  5. アクリル系共重合体が、少なくとも、重合性紫外線安定性単量体、重合性紫外線吸収性単量体、及びシクロアルキル(メタ)アクリレート共重合させて得られるものである、請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  6. 無機薄膜層が無機酸化物からなる、請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  7. 無機薄膜層が少なくとも2層の無機薄膜層からなる、請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  8. 基材フィルムが、ポリエチレンナフタレートを含む二軸延伸フィルムである、請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  9. 基材フィルムの少なくとも一方の面に耐候性コート層を形成し、該コート層面に蒸着法で厚さ0.1〜500nmの無機薄膜を形成するガスバリア性フィルムの製造方法であって、上記基材フィルムが、厚さ5〜500μmのポリエステルフィルムであり、上記耐候性コート層が、少なくとも、重合性紫外線安定性単量体、重合性紫外線吸収性単量体、及びシクロアルキル(メタ)アクリレート共重合させて得られるアクリル系共重合体を用いるガスバリア性フィルムの製造方法。
  10. アクリル系共重合体が架橋性官能基を有する、請求項9記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  11. 耐候性コート層が、架橋性官能基を有する前記アクリル系共重合体、及び架橋性化合物を反応させて得る、請求項10記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  12. 基材フィルム、その少なくとも一方の面に形成されたコート層、及び該コート層面に蒸着法で形成された厚さ0.1〜500nmの無機薄膜を有するガスバリア性フィルムにおいて、該基材フィルムが、厚さ5〜500μmのポリエステルフィルムであり、該コート層に、少なくとも、紫外線安定性基、紫外線吸収性基及びシクロアルキル基を有するアクリル系共重合体を用いる、ガスバリア性フィルムの耐候性向上方法。
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