JP2004148542A - 光学フィルムおよび偏光板 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶分子または偏光子を紫外線劣化から効果的に保護し、かつ外観欠点がきわめて少ない美麗なノルボルネン系樹脂製光学フィルムを提供する。
【解決手段】光学フィルムは、ノルボルネン系樹脂製のフィルムと、同フィルムの少なくとも片面に設けられた紫外線吸収層とからなり、波長360nmでの光線透過率が10%以下である。ノルボルネン系樹脂フィルムは、好ましくは溶融押出法によって成形される。紫外線吸収層は、好ましくは高分子の紫外線吸収剤からなり、より好ましくは数平均分子量10万〜100万の高分子量の紫外線吸収剤からなる。紫外線吸収層は、紫外線吸収性モノマーと多官能モノマーを共重合させてなる架橋共重合体からなるものであってもよい。
【選択図】 なし
【解決手段】光学フィルムは、ノルボルネン系樹脂製のフィルムと、同フィルムの少なくとも片面に設けられた紫外線吸収層とからなり、波長360nmでの光線透過率が10%以下である。ノルボルネン系樹脂フィルムは、好ましくは溶融押出法によって成形される。紫外線吸収層は、好ましくは高分子の紫外線吸収剤からなり、より好ましくは数平均分子量10万〜100万の高分子量の紫外線吸収剤からなる。紫外線吸収層は、紫外線吸収性モノマーと多官能モノマーを共重合させてなる架橋共重合体からなるものであってもよい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ(以下「LCD」と略記する)を構成する偏光板の偏光子を保護する保護フィルムとして用いられる光学フィルム、およびこれを用いて構成された偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、卓上電子計算機、電子時計、携帯電話、コンピュータ用ディスプレイ、テレビ、ワープロ、自動車、機械類の計器類等にはLCDが用いられることが多い。代表的なLCDは、液晶分子を封入した電極が組み込まれたガラス製の液晶セルの少なくとも片面に偏光板が貼り合わされたものである。
【0003】
偏光板は、偏光子とその両面に積層されてこれを保護する保護フィルムとから構成されている。従来、偏光子は、ヨウ素または二色性染料が吸着された延伸ポリビニルアルコールフィルムからなり、保護フィルムとしては、トリアセチルセルロースフィルム(以下「TACフィルム」と略記する)やそれをアルカリ処理したフィルム等が使用されてきた。
【0004】
ところが、TACフィルムは、耐熱性、耐湿性が十分でなく、これを高温もしくは高湿雰囲気下で長時間使用すると、偏光度の著しい低下、偏光子と保護フィルムとの分離、TACの加水分解による透明性の低下等によって偏光板の性能が低下し、そのためこれを用いて構成したLCDは画質の低下を来たした。また、偏光板は、LCD構成前の高温高湿下での耐久性試験において著しい品質低下を起こすことがあった。
【0005】
従来、このような問題の解決を企図してノルボルネン系樹脂製の偏光板保護フィルムが提案された(特許文献1参照)。
【0006】
一般に、偏光板保護フィルムには紫外線防止機能が要求される。この機能は、偏光板保護フィルム自体が紫外線によって劣化するのを防ぐためだけではなく、その下層の偏光子や、カラーフィルター、液晶分子の劣化を防ぐためである。偏光板保護フィルムがこのような紫外線防止機能を有効に果たすには、360nmでの光線透過率が10%以下であることが要求される。上記提案のノルボルネン系樹脂は300nmより長波長の紫外線を吸収しないため、なんらかの手段でこの波長領域の紫外線をカットする必要がある。
【0007】
この紫外線カット方法として、従来は、偏光板保護フィルムに直接紫外線吸収剤を含ませる方法がとられ、特に溶融押出法によって成形されるフィルムでは紫外線吸収剤を押出時に直接配合していた。しかし、このように押出時に紫外線吸収剤を配合する方法は、紫外線吸収剤が溶融押出時の熱で分解してゲルを発生し、これがフィルムの外観欠点を招く。特にノルボルネン系樹脂は、たとえばポリプロピレン等と比べて高い成形温度を必要とするので、紫外線吸収剤の分解は避けられない。
【0008】
また、紫外線吸収剤もしくはその分解物が成形時に高い熱によって揮発し、金型から樹脂が吐出すると同時にこれらの揮発分が冷却ロールや金型等に付着し、さらにはフィルムに液状もしくは固形状で転写されるため、これもまたフィルムの外観を損ねる原因となる。
【0009】
この点を克服するために、多層押出により、少なくとも中間層に紫外線吸収剤を配合したノルボルネン系樹脂多層フィルムを成形することが提案されている(特許文献2参照)。しかし、この方法では、紫外線吸収剤もしくはその分解物の揮発は防げても、分解物に由来するゲルは紫外線吸収剤の種類によっては発生することがある。
【0010】
また、トリアセチルセルロースからなるフィルムに紫外線吸収性共重合ポリマーを配合することで紫外線吸収剤のブリードアウトが少ない保護フィルムを得ることが提案されている(特許文献3参照)。しかし、トリアセチルセルロースフィルムは溶融押出成形ではなく溶液流延法で成形されるため、このような高分子タイプの紫外線吸収剤を用いてノルボルネン系樹脂の溶融押出成形でフィルムを成形しようとしても、紫外線吸収剤がやはり分解してしまい、結局ゲルの発生は防げない。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−51117号公報、請求項1。
【特許文献2】
特開2002−249600号公報、請求項1〜5。
【特許文献3】
特開2002−31715号公報、段落[0006]〜[0017]。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、液晶分子または偏光子を紫外線劣化から保護する保護フィルムとして効果的に機能し、上述した原因による外観欠点がきわめて少ない美麗なノルボルネン系樹脂製光学フィルム、およびこれを用いて構成された偏光板を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による光学フィルムは、ノルボルネン系樹脂製のフィルムと、同フィルムの少なくとも片面に設けられた紫外線吸収層とからなり、波長360nmでの光線透過率が10%以下であることを特徴とするものである。
【0014】
ノルボルネン系樹脂フィルムは、好ましくは溶融押出法によって成形される。
【0015】
紫外線吸収層は、好ましくは高分子の紫外線吸収剤からなり、より好ましくは数平均分子量10万〜100万の高分子量の紫外線吸収剤からなる。
【0016】
紫外線吸収層は、紫外線吸収性モノマーと多官能モノマーを共重合させてなる架橋共重合体からなるものであってもよい。
【0017】
本発明による光学フィルムが偏光子の少なくとも片面に積層されて偏光板が構成される。
【0018】
以下、本発明について詳述する。
【0019】
本発明で用いるノルボルネン系樹脂は、その繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有する重合体であり、例えばノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノルボルネン系モノマーとオレフィン系モノマーとの付加型重合体、およびこれらの重合体の変性物が挙げられる。
【0020】
上記ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキル、アルキリデン、芳香族等の置換誘導体、並びに、ノルボルネンまたはその置換誘導体のハロゲン原子、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基などの極性置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン等;ジシクロペンタジエン、およびその上記と同様の誘導体や置換体、例えば2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、およびその上記と同様の誘導体や置換体、例えば、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン等;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデンとの付加物、およびその上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4−ジメタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレンなど;シクロペンタジエンの多量体、およびその上記と同様の誘導体や置換体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセンなどが挙げられる。
【0021】
上記ノルボルネン系モノマーの重合方法は触媒を用いる公知の方法でよく、ノルボルネン系モノマーの単独重合、同モノマーと共重合可能な他のモノマーとの共重合が行われる。ノルボルネン系重合体を水素添加することにより水素添加物とすることもできる。また、これらの重合体や重合体水素添加物を公知の方法により、α,β−不飽和カルボン酸および/またはその誘導体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結合および加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、不飽和エポキシ単量体などを用いて変性させてもよい。
【0022】
上記重合用の重合触媒としては、例えばIr、Os、Ruの三塩化物の含水塩、MoCl5、WCl6、ReCl5、(C2H5)3Al、(C2H5)3Al/TiCl4、(π−C4H7)4Mo/TiCl4、(π−C4H7)4W/TiCl4、(π−C3H5)3Cr/WCl6等 が挙げられる。
【0023】
上記ノルボルネン系樹脂としては、例えば、日本ゼオン社製、商品名「ZEONOR」、「ZEONEX」;ジェイエスアール社製、商品名「ARTON」;日立化成社製、商品名「OPTOREZ」;三井化学社製、商品名「APEL」等が市販されている。
【0024】
ノルボルネン系樹脂フィルムの製造方法としては、公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、溶液流延法、溶融成形法(溶融押出成形法、プレス成形法、射出成形法)等を挙げることができるが、生産性や得られるフィルムの強度を考慮すると、溶融押出成形法が好ましい。
【0025】
溶液流延法ではノルボルネン系樹脂を溶媒に溶解し、得られた樹脂溶液を、バーコーター、Tダイ、ドクターナイフ、コンマコーター等を用いて、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱性フィルム、スチールベルト、金属ドラム等の上に流延し、加熱乾燥することにより、ノルボルネン系樹脂フィルムを得る。溶媒としては、ノルボルネン系樹脂を均一に溶解できるものであれば特に制限はなく、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、o−ジクロロベンゼン、リモネン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。ただし、溶液流延法では溶融押出法に比べると、樹脂の絡まり度合いが低いため、フィルム強度および伸びが得られ難い上に、残留する溶媒のためにフィルム強度が発現し難くなる。特にノルボルネン系樹脂はもともと強度、伸びが低く脆いため、2次加工で扱いが難しい。溶液流延法ではさらに強度、伸びが低下するため、ノルボルネン系樹脂を注意深く扱う。また、溶媒を十分に乾燥させるように、生産速度を調整する。
【0026】
溶融押出成形法としては、Tダイ法、インフレーション法等が挙げられる。
【0027】
上記ノルボルネン系樹脂フィルムの厚みは、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは15〜100μmである。フィルムの厚みは、薄すぎると強度が低下し、厚すぎると偏光板の厚みが厚くなり好ましくない。
【0028】
ノルボルネン系樹脂フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲で、耐熱性、耐紫外線性、平滑性等を向上させるために、フェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤等が添加されてもよい。また、紫外線吸収剤をごく少量配合しても構わない。
【0029】
本発明による光学フィルムの波長360nmでの紫外線透過率は、10%以下に制限され、好ましくは5%以下である。紫外線透過率が10%を超えると、偏光子や液晶分子を紫外線から保護する能力が十分でなく、偏光板をLCDに組み込んだ場合に表示品質の低下を来たすことがある。紫外線透過率は、例えば分光光度計を用いて測定することができる。
【0030】
上記紫外線透過率は、ノルボルネン系樹脂製のフィルムの少なくとも片面に紫外線吸収剤を含有する層を設けることで得ることができる。
【0031】
ノルボルネン系樹脂フィルムに紫外線吸収剤を含有させて紫外線吸収能力を付与することによっても上記紫外線透過率を得ることができるが、この方法ではフィルムを溶融押出法によって成形する場合に外観上の問題を生じることが多い。
【0032】
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アミン系紫外線吸収剤等の公知のものが使用可能である。また、紫外線吸収剤は、これを含む塗工液の濃度を低く抑えるために、一定重量濃度での360nmの吸光度が大きく、さらに黄色みの少ないものが好ましい。紫外線吸収剤の分子量は塗工後のブリードを抑えるため好ましくは300以上である。
【0033】
このような点を考慮すると、2,2′−メチレンビス〔4−(2,2′−ジエチルブチル)−6−(2−ベンゾトリアゾール)フェノール)〕、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−t−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールのような2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類;2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′−メチレンビス〔4(1,1,3,4−テトラメチルブチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)〕、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンのような2−ヒドロキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤が好適に用いられる。
【0034】
塗工の際、上記のような低分子量の紫外線吸収剤では粉吹きや塗工ムラが起き易いので、合成樹脂製のバインダーを併用することが好ましい。
【0035】
紫外線吸収剤として高分子量のものを用いると、このようなバインダーは必ずしも必要でない。高分子量の紫外線吸収剤は、分子内に紫外線吸収性残基および(メタ)アクリル酸エステルのような反応性基を含有する紫外線吸収性モノマー(a)と、(メタ)アクリル酸エステルのような反応性モノマー(b)とを共重合したものが挙げられる。
【0036】
紫外線吸収性モノマーは、紫外線吸収性を示すモノマーであればいずれも使用しうるが、好ましくは、下記一般式[I]で示される2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体、および/または、下記一般式[II]で示される2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体がビニル化合物の主鎖に側鎖として結合したものである。下記一般式[I]で示される2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体と下記一般式[II]で示される2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体とを併用する場合、紫外線吸収特性の異なる2種類以上のモノマーを併用することになり、紫外線吸収効果を一層向上することができる。
【0037】
【化1】
【0038】
[式中、R1は水素、炭素数1〜6の低級アルキル基またはアルコキシ基を、R2は炭素数1〜10の低級アルキレン基またはオキシアルキレン基、あるいは単結合(この場合はXがベンゼン環に直接結合する)を、Xはエステル結合、アミド結合、エーテル結合またはウレタン結合を、R3は水素または低級アルキル基をそれぞれ意味する]。
【0039】
なお、紫外線吸収性モノマー[I]は、例えば、BP−R2−OH(BP:2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格)等の官能基を有する紫外線吸収性化合物と、CH2=CR3−COOHのような官能基を有する重合性ビニル化合物とを反応させ、エステル結合X(−COO−)により重合性ビニル化合物中に紫外線吸収性化合物残基を結合、導入することにより得られる。
【0040】
紫外線吸収性モノマー[I]の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メチル−2−アクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0041】
【化2】
【0042】
[式中、R1は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を、R2は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アルキレン基またはオキシアルキレン基、あるいは単結合(この場合はXがベンゼン環に直接結合する)を、Xはエステル結合、アミド結合、エーテル結合またはウレタン結合を、R4は炭素数1〜8のアルキル基、アルキレン基、アミノアルキレン基、あるいは単結合(この場合はXとCが直接結合する)を、R5は水素原子または低級アルキル基をそれぞれ意味する。]
紫外線吸収性モノマー[II]の具体例としては、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシ)エチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシ)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(アクリロイルオキシ)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−(メタクリロイルオキシ)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−メチル−5′−(アクリロイルオキシ)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾリトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(アクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−メチル−5′−(アクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(アクロイルオキシブチル)フェニル〕−5−メチルベンゾトリアゾール、〔2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(アクリロイルオキシエトキシカルボニルエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0043】
また、上記の紫外線吸収性モノマー(a)と共重合可能な反応性モノマー(b)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、アルキルビニルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、スチレンなどである。反応性モノマーのアルキル基の炭素数は特に制約されないが、好ましくは1〜18である。これら反応性モノマーの具体例としては以下のものが挙げられる。
【0044】
(1) (メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート
(2) アルキルビニルエーテルとしてメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル
(3) カルボン酸ビニルエステルとして酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル。
【0045】
紫外線吸収性モノマー(a)と反応性モノマー(b)との共重合比は、重量比で、(a)/(b)=5/95〜60/40の範囲が好ましい。この範囲を超えて紫外線吸収性モノマーの比率が増加するとフィルム特性が不十分となり易く、逆に低下すると紫外線吸収層が厚くなりすぎる。
【0046】
高分子量の紫外線吸収剤は従来知られている重合法、一般的にはラジカル重合によって合成される。この紫外線吸収剤の分子量は、1000〜100万程度であり、好ましくは10万〜100万程度である。分子量10万〜100万程度の紫外線吸収剤を用いる場合、これにバインダーを併用しなくともノルボルネン系樹脂フィルムと紫外線吸収層の界面で十分な接着強度が得られる。
【0047】
バインダーは透明樹脂であればよく、例えば、ノルボルネン系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
【0048】
紫外線吸収層の形成は公知の方法で行うことができる。一般的には、紫外線吸収剤および必要に応じてバインダー樹脂を溶媒に溶解し、得られた塗工用の樹脂溶液を、バーコーター、Tダイ、ドクターナイフ、コンマコーター等を用いて、ノルボルネン系樹脂フィルムの上に流延し、加熱乾燥することにより、ノルボルネン系樹脂フィルムの少なくとも片面に紫外線吸収層を形成する。紫外線吸収層をノルボルネン系樹脂フィルムの片面のみに形成する場合、紫外線吸収層は偏光子側とは逆側に設けることが好ましい。溶媒は、紫外線吸収剤およびバインダーを均一に溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、クロロホルム、THF、ジクロロメタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、o−ジクロロベンゼン、リモネン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0049】
紫外線吸収剤および必要に応じてバインダー樹脂を、溶媒に溶かさず、水に分散させ、得られたエマルジョンを用いて上記のように塗工を行ってもよい。さらには、溶媒を用いず、紫外線吸収剤および必要に応じてバインダー樹脂を融点以上に加熱して融解させ、得られた融解液を直接フィルムに塗布してもよい。この方法は特に高分子量の紫外線吸収剤を用いる場合に適用される。
【0050】
このようにノルボルネン系樹脂製のフィルムの少なくとも片面に紫外線吸収層を設けると、フィルムの表面に存在するわずかな凸凹(ダイライン)が紫外線吸収層で埋められ、外観が一層向上する。
【0051】
通常、紫外線吸収層の表面には、無機化合物、シランカップリング剤等の有機シリコーン化合物、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂等からなるハードコート層が設けられるが、このハードコート層に紫外線吸収剤を含ませて紫外線吸収層としての機能を持たせてもよい。ハードコート層は紫外線吸収剤を含有することで、紫外線吸収能を持つと共に、ハードコート本来の機能である成形品の耐熱性、光学特性、耐薬品性、耐磨耗性および透湿性等を向上させる機能をも併せ持つことになる。
【0052】
紫外線吸収剤を含むハードコート層は、例えば、ハードコートの原料となる多官能モノマーに紫外線吸収剤を配合し、この配合物をノルボルネン系樹脂フィルムに塗布し、熱硬化法、紫外線硬化法、電子線硬化法等の公知の方法によって硬化処理を施すことで形成できる。ただし、場合によってはハードコートの硬度が低下したり、硬化中に相分離が起こり、ヘイズが上がったりする問題が起こることがある。このような場合、高分子量の紫外線吸収剤の説明の箇所で述べた紫外線吸収性モノマー(a)をハードコートの原料となる多官能モノマーに配合しこれらを均一にランダム共重合させ、この重合反応液を塗工液として用いる。この方法により上記問題は解決される。多官能モノマーとしては、紫外線吸収性モノマーがアクリル酸誘導体である場合、反応性の点から多官能(メタ)アクリレートが好ましい。多官能(メタ)アクリレートの例としては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン付加物へキサアクリレートおよびそれらの変成物、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマ−、N−ビニル−2−ピロリドン、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートおよびそれらの変成物などが使用できる。これらの多官能モノマーは耐擦傷性と柔軟性のバランスから、単独でまたは2種類以上の組み合わせで用いられる。
【0053】
紫外線吸収層の厚みは、厚すぎると塗工層の乾燥の際にフィルムがカールする原因となる上に乾燥に時間がかかるので薄い方がよく、乾燥後の厚みで好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下である。これらの厚みは、主に、塗工液中の紫外線吸収剤の濃度、モル吸光係数、分子量、バインダーの濃度によって決まる。ただし、ハードコート層に紫外線吸収剤を配合する場合は、ハードコートとしての性能を維持するためにある程度の厚みが必要となるため、好ましくは2〜15μm、より好ましくは4〜10μmである。
【0054】
上記ノルボルネン系樹脂フィルムは偏光板用の保護フィルムの主体をなすものであり、例えば、ポリビニルアルコール(以下、PVAという)フィルムにヨウ素を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸したPVA・染料系偏光膜;PVAフィルムにヨウ素を吸着させ延伸してポリビニレン構造としたPVA・ポリビニレン系偏光膜等が挙げられる。
【0055】
上記ノルボルネン系樹脂フィルムは接着剤を介して偏光膜と貼合わせて偏光板を構成する。この接着剤としては、接着性、透明性、耐久性等の観点からポリウレタン系接着剤が好ましい。ポリウレタン系接着剤には1液型と2液型があるが、接着性能等の観点から後者が好ましい。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0057】
参考例1(ノルボルネン系樹脂フィルムの作製)
ノルボルネン系樹脂(ジェイエスアール社製、商品名:ARTON−G6810)を単軸押出機に供給しT型ダイスからフィルムを押出し、金属ロールを用いて冷却し、ノルボルネン系樹脂フィルムを得た。フィルムの厚みは実施例に合わせて適宜調節した。このフィルムの360nmにおける透過率は90.8%であった。
【0058】
(実施例1)
メチルメタクリレート50重量%と、紫外線吸収性モノマーとして下記化学式[III]で示される2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシ)エチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学社製、商品名:RUVA−93、)50重量%とを共重合させてなる数平均分子量25万のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を酢酸エチルに溶解させ、30重量%の高分子量紫外線吸収剤溶液を塗工液として調製した。この塗工液を参考例1のノルボルネン系樹脂フィルム(厚さ39.5μm)の片面に#5のメイヤーバーを用いて塗布した。フィルムに張力をかけた状態でこれをオーブンで80℃で10分間乾燥させ、厚さ40μmの2層フィルムを作製した。
【0059】
【化3】
【0060】
(実施例2)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として下記化学式[IV]で示される2,2′−メチレンビス〔4−(2,2−ジエチルブチル)−6−(2−ベンゾトリアゾール)フェノール)〕(旭電化社製、商品名:LA31、分子量659)10重量%と、バインダーとしてノルボルネン系樹脂(ジェイエスアール社製、商品名:ARTON−G6810)30重量%とをクロロホルムに溶解させ、塗工液を調製した。この塗工液を参考例1のノルボルネン系樹脂フィルム(厚さ39μm)の片面に#5のメイヤーバーを用いて塗布した。フィルムに張力をかけた状態でこれをオーブンで80℃で10分間乾燥させ、厚さ40μmの2層フィルムを作製した。
【0061】
【化4】
【0062】
(実施例3)
2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシ)エチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学社製、商品名:RUVA−93、化3)10重量%とトリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業社製、商品名:NKエステルA−TMPT)90重量%とを共重合させ、架橋共重合体を含む反応液を調製した。この液を塗工液として参考例1のノルボルネン系樹脂フィルム(厚さ40μm)の片面に#5のメイヤーバーを用いて塗布した。フィルムに張力をかけた状態でこれに加速電圧100kV、吸収線量50kGyの条件で電子線を照射し、フィルムを固化させた。フィルムの厚みは45μmであった。
【0063】
(比較例1)
ノルボルネン系樹脂(ジェイエスアール社製、商品名:ARTON−G6810)に紫外線吸収剤を添加した後、全体を混合機で10分間混合し、得られた混合物を単軸押出機に供給しT型ダイスからフィルムを押出し、金属ロールを用いて冷却し、厚み40μmのノルボルネン系樹脂フィルムを得た。紫外線吸収剤は実施例1と同じ共重合体を使用し、添加量を12000ppmとした。
【0064】
(比較例2)
紫外線吸収剤として実施例2と同様の成分を使用し、濃度を6000ppmとした以外、比較例1と同様の操作を行った。
【0065】
(比較例3)
ノルボルネン系樹脂(ジェイエスアール社製、商品名:ARTON−G6810)に紫外線吸収剤を添加した後、全体を混合機で10分間混合し、単軸押出機2台から両表面層となる溶融樹脂、および、単軸押出機1台から中間層となる溶融樹脂をフィードブロックに同一の押出量で供給、合流させた後、T型ダイスからフィルムを押出し、金属ロールを用いて冷却し、厚み40μmの3層積層体からなるノルボルネン系樹脂フィルムを得た。尚、紫外線吸収剤として実施例2と同じ共重合体を使用し、両表面層での添加量を4000ppm、中間層での添加量を10000ppmとした。
【0066】
上記、実施例に用いた塗工前のノルボルネン系樹脂フィルム、実施例1〜3,比較例1〜3のノルボルネン系樹脂フィルムにつき、下記項目の評価を行った。
【0067】
《紫外線透過率》
フィルムを自記分光光度計(日立製作所社製「U−3500」)を用いて、360nmにおける紫外線透過率を測定した。
【0068】
《外観の評価》
得られたフィルムをクロスニコルの状態にした偏光板に挟み、これをライトボックスの上に置いて、透過方式にて100μm以上の大きさのゲルに由来する点状欠点の数を面積10m2の範囲で目視にてカウントし、下記の基準で外観を評価した。
【0069】
◎:3個/m2以下
△:4〜9個/m2
×:10個/m2以上
これらの結果を表1にまとめて示す。
【0070】
【表1】
【0071】
表1から明らかなように、紫外線吸収剤を含まない押出フィルム(参考例1)には欠点がほとんどないが、比較例にあるように、紫外線吸収剤を配合するとその分解で生じるゲルに由来する欠点が大幅に増える。紫外線吸収剤を含まないノルボルネン系樹脂フィルムに紫外線吸収能を持たせるには、実施例にあるように同フィルムに紫外線吸収層を設けることが好ましい。特に高分子量の紫外線吸収剤からなる層を設ける場合、バインダーは必ずしも必要でないため、紫外線吸収層の厚みを薄くすることができる(実施例1)。また、ハードコートの原料である多官能モノマーに紫外線吸収性モノマーを共重合させ、この重合反応液をノルボルネン系樹脂フィルムに塗布することで押出フィルムにハードコート層としての機能も有する紫外線吸収層を形成することができる(実施例3)。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、ノルボルネン系樹脂フィルムに紫外線吸収層を設けることにより偏光板保護フィルムを構成することで、360nmにおける紫外線透過率を10%以下に抑えることができ、偏光子と液晶分子が紫外線によって性能低下を来たすのを効果的に防止するとともに、紫外線吸収剤の分解で生じるゲルに由来する外観欠点がきわめて少ない美麗なノルボルネン系樹脂製の偏光板保護フィルムを得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ(以下「LCD」と略記する)を構成する偏光板の偏光子を保護する保護フィルムとして用いられる光学フィルム、およびこれを用いて構成された偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、卓上電子計算機、電子時計、携帯電話、コンピュータ用ディスプレイ、テレビ、ワープロ、自動車、機械類の計器類等にはLCDが用いられることが多い。代表的なLCDは、液晶分子を封入した電極が組み込まれたガラス製の液晶セルの少なくとも片面に偏光板が貼り合わされたものである。
【0003】
偏光板は、偏光子とその両面に積層されてこれを保護する保護フィルムとから構成されている。従来、偏光子は、ヨウ素または二色性染料が吸着された延伸ポリビニルアルコールフィルムからなり、保護フィルムとしては、トリアセチルセルロースフィルム(以下「TACフィルム」と略記する)やそれをアルカリ処理したフィルム等が使用されてきた。
【0004】
ところが、TACフィルムは、耐熱性、耐湿性が十分でなく、これを高温もしくは高湿雰囲気下で長時間使用すると、偏光度の著しい低下、偏光子と保護フィルムとの分離、TACの加水分解による透明性の低下等によって偏光板の性能が低下し、そのためこれを用いて構成したLCDは画質の低下を来たした。また、偏光板は、LCD構成前の高温高湿下での耐久性試験において著しい品質低下を起こすことがあった。
【0005】
従来、このような問題の解決を企図してノルボルネン系樹脂製の偏光板保護フィルムが提案された(特許文献1参照)。
【0006】
一般に、偏光板保護フィルムには紫外線防止機能が要求される。この機能は、偏光板保護フィルム自体が紫外線によって劣化するのを防ぐためだけではなく、その下層の偏光子や、カラーフィルター、液晶分子の劣化を防ぐためである。偏光板保護フィルムがこのような紫外線防止機能を有効に果たすには、360nmでの光線透過率が10%以下であることが要求される。上記提案のノルボルネン系樹脂は300nmより長波長の紫外線を吸収しないため、なんらかの手段でこの波長領域の紫外線をカットする必要がある。
【0007】
この紫外線カット方法として、従来は、偏光板保護フィルムに直接紫外線吸収剤を含ませる方法がとられ、特に溶融押出法によって成形されるフィルムでは紫外線吸収剤を押出時に直接配合していた。しかし、このように押出時に紫外線吸収剤を配合する方法は、紫外線吸収剤が溶融押出時の熱で分解してゲルを発生し、これがフィルムの外観欠点を招く。特にノルボルネン系樹脂は、たとえばポリプロピレン等と比べて高い成形温度を必要とするので、紫外線吸収剤の分解は避けられない。
【0008】
また、紫外線吸収剤もしくはその分解物が成形時に高い熱によって揮発し、金型から樹脂が吐出すると同時にこれらの揮発分が冷却ロールや金型等に付着し、さらにはフィルムに液状もしくは固形状で転写されるため、これもまたフィルムの外観を損ねる原因となる。
【0009】
この点を克服するために、多層押出により、少なくとも中間層に紫外線吸収剤を配合したノルボルネン系樹脂多層フィルムを成形することが提案されている(特許文献2参照)。しかし、この方法では、紫外線吸収剤もしくはその分解物の揮発は防げても、分解物に由来するゲルは紫外線吸収剤の種類によっては発生することがある。
【0010】
また、トリアセチルセルロースからなるフィルムに紫外線吸収性共重合ポリマーを配合することで紫外線吸収剤のブリードアウトが少ない保護フィルムを得ることが提案されている(特許文献3参照)。しかし、トリアセチルセルロースフィルムは溶融押出成形ではなく溶液流延法で成形されるため、このような高分子タイプの紫外線吸収剤を用いてノルボルネン系樹脂の溶融押出成形でフィルムを成形しようとしても、紫外線吸収剤がやはり分解してしまい、結局ゲルの発生は防げない。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−51117号公報、請求項1。
【特許文献2】
特開2002−249600号公報、請求項1〜5。
【特許文献3】
特開2002−31715号公報、段落[0006]〜[0017]。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、液晶分子または偏光子を紫外線劣化から保護する保護フィルムとして効果的に機能し、上述した原因による外観欠点がきわめて少ない美麗なノルボルネン系樹脂製光学フィルム、およびこれを用いて構成された偏光板を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による光学フィルムは、ノルボルネン系樹脂製のフィルムと、同フィルムの少なくとも片面に設けられた紫外線吸収層とからなり、波長360nmでの光線透過率が10%以下であることを特徴とするものである。
【0014】
ノルボルネン系樹脂フィルムは、好ましくは溶融押出法によって成形される。
【0015】
紫外線吸収層は、好ましくは高分子の紫外線吸収剤からなり、より好ましくは数平均分子量10万〜100万の高分子量の紫外線吸収剤からなる。
【0016】
紫外線吸収層は、紫外線吸収性モノマーと多官能モノマーを共重合させてなる架橋共重合体からなるものであってもよい。
【0017】
本発明による光学フィルムが偏光子の少なくとも片面に積層されて偏光板が構成される。
【0018】
以下、本発明について詳述する。
【0019】
本発明で用いるノルボルネン系樹脂は、その繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有する重合体であり、例えばノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノルボルネン系モノマーとオレフィン系モノマーとの付加型重合体、およびこれらの重合体の変性物が挙げられる。
【0020】
上記ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキル、アルキリデン、芳香族等の置換誘導体、並びに、ノルボルネンまたはその置換誘導体のハロゲン原子、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基などの極性置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン等;ジシクロペンタジエン、およびその上記と同様の誘導体や置換体、例えば2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、およびその上記と同様の誘導体や置換体、例えば、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン等;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデンとの付加物、およびその上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4−ジメタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレンなど;シクロペンタジエンの多量体、およびその上記と同様の誘導体や置換体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセンなどが挙げられる。
【0021】
上記ノルボルネン系モノマーの重合方法は触媒を用いる公知の方法でよく、ノルボルネン系モノマーの単独重合、同モノマーと共重合可能な他のモノマーとの共重合が行われる。ノルボルネン系重合体を水素添加することにより水素添加物とすることもできる。また、これらの重合体や重合体水素添加物を公知の方法により、α,β−不飽和カルボン酸および/またはその誘導体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結合および加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、不飽和エポキシ単量体などを用いて変性させてもよい。
【0022】
上記重合用の重合触媒としては、例えばIr、Os、Ruの三塩化物の含水塩、MoCl5、WCl6、ReCl5、(C2H5)3Al、(C2H5)3Al/TiCl4、(π−C4H7)4Mo/TiCl4、(π−C4H7)4W/TiCl4、(π−C3H5)3Cr/WCl6等 が挙げられる。
【0023】
上記ノルボルネン系樹脂としては、例えば、日本ゼオン社製、商品名「ZEONOR」、「ZEONEX」;ジェイエスアール社製、商品名「ARTON」;日立化成社製、商品名「OPTOREZ」;三井化学社製、商品名「APEL」等が市販されている。
【0024】
ノルボルネン系樹脂フィルムの製造方法としては、公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、溶液流延法、溶融成形法(溶融押出成形法、プレス成形法、射出成形法)等を挙げることができるが、生産性や得られるフィルムの強度を考慮すると、溶融押出成形法が好ましい。
【0025】
溶液流延法ではノルボルネン系樹脂を溶媒に溶解し、得られた樹脂溶液を、バーコーター、Tダイ、ドクターナイフ、コンマコーター等を用いて、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱性フィルム、スチールベルト、金属ドラム等の上に流延し、加熱乾燥することにより、ノルボルネン系樹脂フィルムを得る。溶媒としては、ノルボルネン系樹脂を均一に溶解できるものであれば特に制限はなく、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、o−ジクロロベンゼン、リモネン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。ただし、溶液流延法では溶融押出法に比べると、樹脂の絡まり度合いが低いため、フィルム強度および伸びが得られ難い上に、残留する溶媒のためにフィルム強度が発現し難くなる。特にノルボルネン系樹脂はもともと強度、伸びが低く脆いため、2次加工で扱いが難しい。溶液流延法ではさらに強度、伸びが低下するため、ノルボルネン系樹脂を注意深く扱う。また、溶媒を十分に乾燥させるように、生産速度を調整する。
【0026】
溶融押出成形法としては、Tダイ法、インフレーション法等が挙げられる。
【0027】
上記ノルボルネン系樹脂フィルムの厚みは、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは15〜100μmである。フィルムの厚みは、薄すぎると強度が低下し、厚すぎると偏光板の厚みが厚くなり好ましくない。
【0028】
ノルボルネン系樹脂フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲で、耐熱性、耐紫外線性、平滑性等を向上させるために、フェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤等が添加されてもよい。また、紫外線吸収剤をごく少量配合しても構わない。
【0029】
本発明による光学フィルムの波長360nmでの紫外線透過率は、10%以下に制限され、好ましくは5%以下である。紫外線透過率が10%を超えると、偏光子や液晶分子を紫外線から保護する能力が十分でなく、偏光板をLCDに組み込んだ場合に表示品質の低下を来たすことがある。紫外線透過率は、例えば分光光度計を用いて測定することができる。
【0030】
上記紫外線透過率は、ノルボルネン系樹脂製のフィルムの少なくとも片面に紫外線吸収剤を含有する層を設けることで得ることができる。
【0031】
ノルボルネン系樹脂フィルムに紫外線吸収剤を含有させて紫外線吸収能力を付与することによっても上記紫外線透過率を得ることができるが、この方法ではフィルムを溶融押出法によって成形する場合に外観上の問題を生じることが多い。
【0032】
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アミン系紫外線吸収剤等の公知のものが使用可能である。また、紫外線吸収剤は、これを含む塗工液の濃度を低く抑えるために、一定重量濃度での360nmの吸光度が大きく、さらに黄色みの少ないものが好ましい。紫外線吸収剤の分子量は塗工後のブリードを抑えるため好ましくは300以上である。
【0033】
このような点を考慮すると、2,2′−メチレンビス〔4−(2,2′−ジエチルブチル)−6−(2−ベンゾトリアゾール)フェノール)〕、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−t−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールのような2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類;2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′−メチレンビス〔4(1,1,3,4−テトラメチルブチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)〕、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンのような2−ヒドロキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤が好適に用いられる。
【0034】
塗工の際、上記のような低分子量の紫外線吸収剤では粉吹きや塗工ムラが起き易いので、合成樹脂製のバインダーを併用することが好ましい。
【0035】
紫外線吸収剤として高分子量のものを用いると、このようなバインダーは必ずしも必要でない。高分子量の紫外線吸収剤は、分子内に紫外線吸収性残基および(メタ)アクリル酸エステルのような反応性基を含有する紫外線吸収性モノマー(a)と、(メタ)アクリル酸エステルのような反応性モノマー(b)とを共重合したものが挙げられる。
【0036】
紫外線吸収性モノマーは、紫外線吸収性を示すモノマーであればいずれも使用しうるが、好ましくは、下記一般式[I]で示される2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体、および/または、下記一般式[II]で示される2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体がビニル化合物の主鎖に側鎖として結合したものである。下記一般式[I]で示される2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体と下記一般式[II]で示される2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体とを併用する場合、紫外線吸収特性の異なる2種類以上のモノマーを併用することになり、紫外線吸収効果を一層向上することができる。
【0037】
【化1】
【0038】
[式中、R1は水素、炭素数1〜6の低級アルキル基またはアルコキシ基を、R2は炭素数1〜10の低級アルキレン基またはオキシアルキレン基、あるいは単結合(この場合はXがベンゼン環に直接結合する)を、Xはエステル結合、アミド結合、エーテル結合またはウレタン結合を、R3は水素または低級アルキル基をそれぞれ意味する]。
【0039】
なお、紫外線吸収性モノマー[I]は、例えば、BP−R2−OH(BP:2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格)等の官能基を有する紫外線吸収性化合物と、CH2=CR3−COOHのような官能基を有する重合性ビニル化合物とを反応させ、エステル結合X(−COO−)により重合性ビニル化合物中に紫外線吸収性化合物残基を結合、導入することにより得られる。
【0040】
紫外線吸収性モノマー[I]の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メチル−2−アクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0041】
【化2】
【0042】
[式中、R1は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を、R2は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アルキレン基またはオキシアルキレン基、あるいは単結合(この場合はXがベンゼン環に直接結合する)を、Xはエステル結合、アミド結合、エーテル結合またはウレタン結合を、R4は炭素数1〜8のアルキル基、アルキレン基、アミノアルキレン基、あるいは単結合(この場合はXとCが直接結合する)を、R5は水素原子または低級アルキル基をそれぞれ意味する。]
紫外線吸収性モノマー[II]の具体例としては、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシ)エチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシ)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(アクリロイルオキシ)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−(メタクリロイルオキシ)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−メチル−5′−(アクリロイルオキシ)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾリトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(アクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−メチル−5′−(アクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(アクロイルオキシブチル)フェニル〕−5−メチルベンゾトリアゾール、〔2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(アクリロイルオキシエトキシカルボニルエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0043】
また、上記の紫外線吸収性モノマー(a)と共重合可能な反応性モノマー(b)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、アルキルビニルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、スチレンなどである。反応性モノマーのアルキル基の炭素数は特に制約されないが、好ましくは1〜18である。これら反応性モノマーの具体例としては以下のものが挙げられる。
【0044】
(1) (メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート
(2) アルキルビニルエーテルとしてメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル
(3) カルボン酸ビニルエステルとして酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル。
【0045】
紫外線吸収性モノマー(a)と反応性モノマー(b)との共重合比は、重量比で、(a)/(b)=5/95〜60/40の範囲が好ましい。この範囲を超えて紫外線吸収性モノマーの比率が増加するとフィルム特性が不十分となり易く、逆に低下すると紫外線吸収層が厚くなりすぎる。
【0046】
高分子量の紫外線吸収剤は従来知られている重合法、一般的にはラジカル重合によって合成される。この紫外線吸収剤の分子量は、1000〜100万程度であり、好ましくは10万〜100万程度である。分子量10万〜100万程度の紫外線吸収剤を用いる場合、これにバインダーを併用しなくともノルボルネン系樹脂フィルムと紫外線吸収層の界面で十分な接着強度が得られる。
【0047】
バインダーは透明樹脂であればよく、例えば、ノルボルネン系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
【0048】
紫外線吸収層の形成は公知の方法で行うことができる。一般的には、紫外線吸収剤および必要に応じてバインダー樹脂を溶媒に溶解し、得られた塗工用の樹脂溶液を、バーコーター、Tダイ、ドクターナイフ、コンマコーター等を用いて、ノルボルネン系樹脂フィルムの上に流延し、加熱乾燥することにより、ノルボルネン系樹脂フィルムの少なくとも片面に紫外線吸収層を形成する。紫外線吸収層をノルボルネン系樹脂フィルムの片面のみに形成する場合、紫外線吸収層は偏光子側とは逆側に設けることが好ましい。溶媒は、紫外線吸収剤およびバインダーを均一に溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、クロロホルム、THF、ジクロロメタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、o−ジクロロベンゼン、リモネン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0049】
紫外線吸収剤および必要に応じてバインダー樹脂を、溶媒に溶かさず、水に分散させ、得られたエマルジョンを用いて上記のように塗工を行ってもよい。さらには、溶媒を用いず、紫外線吸収剤および必要に応じてバインダー樹脂を融点以上に加熱して融解させ、得られた融解液を直接フィルムに塗布してもよい。この方法は特に高分子量の紫外線吸収剤を用いる場合に適用される。
【0050】
このようにノルボルネン系樹脂製のフィルムの少なくとも片面に紫外線吸収層を設けると、フィルムの表面に存在するわずかな凸凹(ダイライン)が紫外線吸収層で埋められ、外観が一層向上する。
【0051】
通常、紫外線吸収層の表面には、無機化合物、シランカップリング剤等の有機シリコーン化合物、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂等からなるハードコート層が設けられるが、このハードコート層に紫外線吸収剤を含ませて紫外線吸収層としての機能を持たせてもよい。ハードコート層は紫外線吸収剤を含有することで、紫外線吸収能を持つと共に、ハードコート本来の機能である成形品の耐熱性、光学特性、耐薬品性、耐磨耗性および透湿性等を向上させる機能をも併せ持つことになる。
【0052】
紫外線吸収剤を含むハードコート層は、例えば、ハードコートの原料となる多官能モノマーに紫外線吸収剤を配合し、この配合物をノルボルネン系樹脂フィルムに塗布し、熱硬化法、紫外線硬化法、電子線硬化法等の公知の方法によって硬化処理を施すことで形成できる。ただし、場合によってはハードコートの硬度が低下したり、硬化中に相分離が起こり、ヘイズが上がったりする問題が起こることがある。このような場合、高分子量の紫外線吸収剤の説明の箇所で述べた紫外線吸収性モノマー(a)をハードコートの原料となる多官能モノマーに配合しこれらを均一にランダム共重合させ、この重合反応液を塗工液として用いる。この方法により上記問題は解決される。多官能モノマーとしては、紫外線吸収性モノマーがアクリル酸誘導体である場合、反応性の点から多官能(メタ)アクリレートが好ましい。多官能(メタ)アクリレートの例としては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン付加物へキサアクリレートおよびそれらの変成物、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマ−、N−ビニル−2−ピロリドン、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートおよびそれらの変成物などが使用できる。これらの多官能モノマーは耐擦傷性と柔軟性のバランスから、単独でまたは2種類以上の組み合わせで用いられる。
【0053】
紫外線吸収層の厚みは、厚すぎると塗工層の乾燥の際にフィルムがカールする原因となる上に乾燥に時間がかかるので薄い方がよく、乾燥後の厚みで好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下である。これらの厚みは、主に、塗工液中の紫外線吸収剤の濃度、モル吸光係数、分子量、バインダーの濃度によって決まる。ただし、ハードコート層に紫外線吸収剤を配合する場合は、ハードコートとしての性能を維持するためにある程度の厚みが必要となるため、好ましくは2〜15μm、より好ましくは4〜10μmである。
【0054】
上記ノルボルネン系樹脂フィルムは偏光板用の保護フィルムの主体をなすものであり、例えば、ポリビニルアルコール(以下、PVAという)フィルムにヨウ素を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸したPVA・染料系偏光膜;PVAフィルムにヨウ素を吸着させ延伸してポリビニレン構造としたPVA・ポリビニレン系偏光膜等が挙げられる。
【0055】
上記ノルボルネン系樹脂フィルムは接着剤を介して偏光膜と貼合わせて偏光板を構成する。この接着剤としては、接着性、透明性、耐久性等の観点からポリウレタン系接着剤が好ましい。ポリウレタン系接着剤には1液型と2液型があるが、接着性能等の観点から後者が好ましい。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0057】
参考例1(ノルボルネン系樹脂フィルムの作製)
ノルボルネン系樹脂(ジェイエスアール社製、商品名:ARTON−G6810)を単軸押出機に供給しT型ダイスからフィルムを押出し、金属ロールを用いて冷却し、ノルボルネン系樹脂フィルムを得た。フィルムの厚みは実施例に合わせて適宜調節した。このフィルムの360nmにおける透過率は90.8%であった。
【0058】
(実施例1)
メチルメタクリレート50重量%と、紫外線吸収性モノマーとして下記化学式[III]で示される2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシ)エチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学社製、商品名:RUVA−93、)50重量%とを共重合させてなる数平均分子量25万のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を酢酸エチルに溶解させ、30重量%の高分子量紫外線吸収剤溶液を塗工液として調製した。この塗工液を参考例1のノルボルネン系樹脂フィルム(厚さ39.5μm)の片面に#5のメイヤーバーを用いて塗布した。フィルムに張力をかけた状態でこれをオーブンで80℃で10分間乾燥させ、厚さ40μmの2層フィルムを作製した。
【0059】
【化3】
【0060】
(実施例2)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として下記化学式[IV]で示される2,2′−メチレンビス〔4−(2,2−ジエチルブチル)−6−(2−ベンゾトリアゾール)フェノール)〕(旭電化社製、商品名:LA31、分子量659)10重量%と、バインダーとしてノルボルネン系樹脂(ジェイエスアール社製、商品名:ARTON−G6810)30重量%とをクロロホルムに溶解させ、塗工液を調製した。この塗工液を参考例1のノルボルネン系樹脂フィルム(厚さ39μm)の片面に#5のメイヤーバーを用いて塗布した。フィルムに張力をかけた状態でこれをオーブンで80℃で10分間乾燥させ、厚さ40μmの2層フィルムを作製した。
【0061】
【化4】
【0062】
(実施例3)
2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシ)エチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学社製、商品名:RUVA−93、化3)10重量%とトリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業社製、商品名:NKエステルA−TMPT)90重量%とを共重合させ、架橋共重合体を含む反応液を調製した。この液を塗工液として参考例1のノルボルネン系樹脂フィルム(厚さ40μm)の片面に#5のメイヤーバーを用いて塗布した。フィルムに張力をかけた状態でこれに加速電圧100kV、吸収線量50kGyの条件で電子線を照射し、フィルムを固化させた。フィルムの厚みは45μmであった。
【0063】
(比較例1)
ノルボルネン系樹脂(ジェイエスアール社製、商品名:ARTON−G6810)に紫外線吸収剤を添加した後、全体を混合機で10分間混合し、得られた混合物を単軸押出機に供給しT型ダイスからフィルムを押出し、金属ロールを用いて冷却し、厚み40μmのノルボルネン系樹脂フィルムを得た。紫外線吸収剤は実施例1と同じ共重合体を使用し、添加量を12000ppmとした。
【0064】
(比較例2)
紫外線吸収剤として実施例2と同様の成分を使用し、濃度を6000ppmとした以外、比較例1と同様の操作を行った。
【0065】
(比較例3)
ノルボルネン系樹脂(ジェイエスアール社製、商品名:ARTON−G6810)に紫外線吸収剤を添加した後、全体を混合機で10分間混合し、単軸押出機2台から両表面層となる溶融樹脂、および、単軸押出機1台から中間層となる溶融樹脂をフィードブロックに同一の押出量で供給、合流させた後、T型ダイスからフィルムを押出し、金属ロールを用いて冷却し、厚み40μmの3層積層体からなるノルボルネン系樹脂フィルムを得た。尚、紫外線吸収剤として実施例2と同じ共重合体を使用し、両表面層での添加量を4000ppm、中間層での添加量を10000ppmとした。
【0066】
上記、実施例に用いた塗工前のノルボルネン系樹脂フィルム、実施例1〜3,比較例1〜3のノルボルネン系樹脂フィルムにつき、下記項目の評価を行った。
【0067】
《紫外線透過率》
フィルムを自記分光光度計(日立製作所社製「U−3500」)を用いて、360nmにおける紫外線透過率を測定した。
【0068】
《外観の評価》
得られたフィルムをクロスニコルの状態にした偏光板に挟み、これをライトボックスの上に置いて、透過方式にて100μm以上の大きさのゲルに由来する点状欠点の数を面積10m2の範囲で目視にてカウントし、下記の基準で外観を評価した。
【0069】
◎:3個/m2以下
△:4〜9個/m2
×:10個/m2以上
これらの結果を表1にまとめて示す。
【0070】
【表1】
【0071】
表1から明らかなように、紫外線吸収剤を含まない押出フィルム(参考例1)には欠点がほとんどないが、比較例にあるように、紫外線吸収剤を配合するとその分解で生じるゲルに由来する欠点が大幅に増える。紫外線吸収剤を含まないノルボルネン系樹脂フィルムに紫外線吸収能を持たせるには、実施例にあるように同フィルムに紫外線吸収層を設けることが好ましい。特に高分子量の紫外線吸収剤からなる層を設ける場合、バインダーは必ずしも必要でないため、紫外線吸収層の厚みを薄くすることができる(実施例1)。また、ハードコートの原料である多官能モノマーに紫外線吸収性モノマーを共重合させ、この重合反応液をノルボルネン系樹脂フィルムに塗布することで押出フィルムにハードコート層としての機能も有する紫外線吸収層を形成することができる(実施例3)。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、ノルボルネン系樹脂フィルムに紫外線吸収層を設けることにより偏光板保護フィルムを構成することで、360nmにおける紫外線透過率を10%以下に抑えることができ、偏光子と液晶分子が紫外線によって性能低下を来たすのを効果的に防止するとともに、紫外線吸収剤の分解で生じるゲルに由来する外観欠点がきわめて少ない美麗なノルボルネン系樹脂製の偏光板保護フィルムを得ることができる。
Claims (6)
- ノルボルネン系樹脂製のフィルムと、同フィルムの少なくとも片面に設けられた紫外線吸収層とからなり、波長360nmでの光線透過率が10%以下であることを特徴とする光学フィルム。
- ノルボルネン系樹脂フィルムが溶融押出法によって成形されたものであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
- 紫外線吸収層が高分子の紫外線吸収剤からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の光学フィルム。
- 紫外線吸収層が数平均分子量10万〜100万の高分子量の紫外線吸収剤からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の光学フィルム。
- 紫外線吸収層が紫外線吸収性モノマーと多官能モノマーを共重合させてなる架橋共重合体からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の光学フィルム。
- 請求項1〜5に記載の光学フィルムが偏光子の少なくとも片面に積層されてなることを特徴とする偏光板。
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