JP5215557B2 - 貯湯式給湯システム - Google Patents

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本発明は、貯湯タンクと、ヒートポンプ等の加熱手段とを備える貯湯式給湯システムに関するものである。
従来の貯湯式給湯システムとして、貯湯タンクの湯切れ防止のための追加沸き上げを行うか否かを選択する追加沸き上げ選択手段を設け、追加沸き上げを行わないようにすることができるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−011978号公報(第10、11頁、図2)
しかしながら、上記従来の技術では、貯湯タンクの残湯が不足したときに、追い焚きで追加沸き上げを行うか否かを、予め設定手段で設定しておく必要があるが、貯湯タンクの日中のある時点での残湯量は、その日の湯の使用状況により変化し、その後の湯の使用量も、使用者のニーズにより時々刻々と変化する。それ故、従来の技術のように、予め設定した追加沸き上げの動作パターンによる運転が必ずしも適切であるとはいえない。
また、従来の技術では、使用者が「今日はもう湯を使わないので追加沸き上げを止めたい」というときや、「追加沸き上げを行なわないつもりだったが、あと1人分だけ沸かし、それ以上は電気代が高い時間帯に沸かすのを止めたい」というときに、その場で簡単に操作できないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、不必要な追加沸き上げを抑制し、必要なときに簡単な操作で追加沸き上げを行なうことができる、使い勝手のよい貯湯式給湯システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、貯湯タンクと、前記貯湯タンクの湯水を主に深夜電力時間帯に湯に沸き上げる加熱手段と、前記加熱手段の沸き上げ動作を制御する制御装置と、前記制御装置の動作設定を行なうリモートコントローラと、を備え、前記深夜電力時間帯以外の時間帯に、前記貯湯タンクの残湯量が少なくなったときに追加沸き上げを行なう貯湯式給湯システムにおいて、前記リモートコントローラに、操作した時点から所定の期間、前記追加沸き上げを禁止する信号を前記制御装置に入力するための禁止スイッチを備えることを特徴とする。
この発明によれば、簡単な操作で、不必要な追加沸き上げを抑制することができる、使い勝手のよい貯湯式給湯システムを得られる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる貯湯式給湯システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる貯湯式給湯システムの実施の形態1の構成を示す図であり、図2は、制御装置によるヒートポンプユニットの実施の形態1の追加沸き上げ制御フローチャートである。
図1に示すように、貯湯式給湯システム30は、貯湯タンクユニット25と加熱手段としてのヒートポンプユニット20とを備えている。貯湯タンクユニット25には、貯湯タンク1が内臓されており、貯湯タンク1の下部には給水管2が接続され、給水管2には外部より市水が供給される。
貯湯タンク1の上部には給湯管4が接続され、給湯管4には蛇口18が接続され、蛇口18から貯湯タンク1の湯を給湯するようになっている。また、貯湯タンク1の側部には、貯湯タンク1内の湯温を検出する温度センサ1aが設置されている。
貯湯タンク1とヒートポンプユニット20とは、加熱循環回路3、3により接続されている。ヒートポンプユニット20には図示しない循環ポンプが設置され、貯湯タンク1の湯水の沸き上げ運転時には、図1の矢印aで示すように、貯湯タンク1の下部から湯水をヒートポンプユニット20に吸込み、自然冷媒を封入したヒートポンプにより外気との熱交換を行い、湯水を予め設定された目標沸き上げ温度に沸き上げ、貯湯タンク1の上部に戻して貯湯する。
このとき、貯湯タンク1に貯湯される湯の温度は、加熱循環回路3の貯湯タンク1入口付近に設置した温度センサ3bにより検出される。また、加熱循環回路3の貯湯タンク1出口付近には温度センサ3aが設置され、貯湯タンク1からヒートポンプユニット20へ吸込まれる湯水の温度を検出している。
以上説明した貯湯タンク1の湯水の沸き上げは、制御装置10によりヒートポンプユニット20を制御して行なわれる。リモートコントローラ15は、所望の沸き上げ温度や沸き上げ設定など行なう設定スイッチ15aと、追加沸き上げの禁止設定を行なう禁止スイッチ15bと、少量追加沸き上げ設定を行なう許可スイッチ15cとを備え、それぞれのスイッチ操作により、制御装置10へ設定信号を入力する。
制御装置10は、判断部10aと記憶部10bとを備え、リモートコントローラ15からの各種設定信号と、温度センサ1a、3a、3bからの検出温度信号とに基づいて、ヒートポンプユニット20等のシステム全体を制御する。
次に、実施の形態1の貯湯式給湯システム30の動作を説明する。給水管2から給水された市水は、給水管2に接続された図示しない減圧弁により所定圧力に減圧され、貯湯タンク1に給水される。貯湯タンク1は、常に所定圧力の満水状態となっている。
貯湯タンク1の湯水の沸き上げは、主に深夜電力時間帯(一般に、23時から翌朝7時までの時間)に行われ、貯湯タンク1の湯水は、制御装置10の沸き上げ指令を受けたヒートポンプユニット20の動作により、貯湯タンク1の下部から加熱循環回路3に吸込まれ、ヒートポンプユニット20で外気と熱交換し、リモートコントローラ15で設定された温度(例えば、90℃)に加熱昇温され、貯湯タンク1の上部に戻される(図1の矢印a参照)。この沸き上げ動作により、貯湯タンク1の上部から、90℃の湯が少量づつ層状に貯湯されていく。
貯湯タンク1の湯水の沸き上げは、温度センサ3aの温度が所定の温度(例えば、60℃)以上になったら、貯湯タンク1の湯水が全量沸き上がったと判断して終了する。沸き上げが終了した後、貯湯タンク1に蓄えられた湯は、蛇口18からの給湯に使用され、貯湯タンク1の貯湯は徐々に減少する。
深夜電力時間帯に沸き上げて貯湯タンク1に蓄えた貯湯のみで昼間の給湯を賄うことができればよいが、季節や日によって湯の使用量が異なるので、使用量が貯湯量を超え、湯切れすることがある。通常は、湯切れ(=貯湯がなくなる)となる前に、深夜時間帯か昼間時間帯かに係わらず、貯湯タンク1の残湯量が一定量を下回らないように追加沸き上げを行う。
従来の貯湯式給湯システムでは、例えば、温度センサ1aの検出温度が、予め設定した温度(例えば、45℃)を下回ったとき、制御装置10の判断部10aが、貯湯タンク1の残湯量が不足すると判断し、ヒートポンプユニット20へ追加沸き上げを指示する。
追加沸き上げにより貯湯タンク1の温度センサ1aが予め設定した温度(例えば、60℃)を越えたら、ヒートポンプユニット20による追加沸き上げを停止する。このようにして、湯切れを回避する追加沸き上げが行われている。
湯切れを回避するために、上述のような追加沸き上げを常に行なっていると、結局のところ、一定量の使わない湯を常に貯湯タンク1内に確保する運転を行うことになり、実際にはそれ以上湯を使わない場合であっても、単価の高い昼間時間帯に沸き上げを行なうので、省エネルギーの面及びランニングコストの面で問題がある。
図2を参照して、制御装置によるヒートポンプユニットの実施の形態1の追加沸き上げ動作について説明する。なお、ここでは、使用者が、事前に図1に示すリモートコントローラ15の禁止スイッチ15bにより、追加沸き上げを禁止する信号を制御装置10に入力し、記憶部10bに追加沸き上げが禁止であることが記憶されている場合を中心にして説明する。
図2に示すように、ステップS50で追加沸き上げ動作を禁止する制御が開始され、ステップS51に進む。ステップS51では、図1に示す貯湯タンク1の温度センサ1aの検出温度が、制御装置10の記憶部10bに記憶された設定温度(例えば、45℃)未満となる等、追加沸き上げ開始のトリガとなっているか否かを、制御装置10の判断部10aで判断する。
追加沸き上げ開始のトリガとなっているときはステップS52に進み、追加沸き上げ開始のトリガとなっていないときはステップS53に進む。ステップS53では、沸き上げは停止状態である。
ステップS52では、追加沸き上げ禁止スイッチ15bがON状態となったか否かを、制御装置10の判断部10aが、記憶部10bの記憶を確認して判断し、ON状態となったときはステップS54に進む。ON状態となっていないときはステップS55に進み、追加沸き上げが禁止されていないので、通常どおり追加沸き上げを開始する。
ステップS55で追加沸き上げを開始した後、ステップS56に進む。ステップS56では、図1に示す貯湯タンク1の温度センサ1aの検出温度が、制御装置10の記憶部10bに記憶された設定温度(例えば、60℃)以上となる等、追加沸き上げ終了のトリガとなっているか否かを、制御装置10の判断部10aが判断し、追加沸き上げ終了のトリガとなっているときは、ステップS53に進み、追加沸き上げを停止する。ステップS53の後、ステップS51に戻り、ループ状態となる。
また、ステップS56で追加沸き上げ終了のトリガとなっていないときは、ステップS52に進み、追加沸き上げを行いながら、沸き上げ禁止スイッチがON(ステップS52肯定)となるか、又は追加沸き上げ終了のトリガによる終了判定(ステップS56肯定)となるまで、ループ状態となる。
ステップS54では、沸き上げ禁止スイッチ15bがONであるので、追加沸き上げを行わない状態であり、現在の時間が深夜電力時間帯であるか否かを制御装置10の判断部10aが判断し、深夜電力時間帯であるときは、ステップS57に進む。深夜電力時間帯でないときは、ステップS51に戻りループ状態となる。
ステップS57では、深夜電力時間帯であるので追加沸き上げを行っても電気料金単価が低いので、制御装置10は、追加沸き上げ禁止スイッチ15bによる設定をONからOFFに変えて追加沸き上げ禁止を解除し、ステップS51に進み、上記のように追加沸き上げが行われる。
以上説明したように、使用者が、当日の深夜電力時間帯までの湯の使用量を推測し、節約の意識をもってリモートコントローラ15の禁止スイッチ15bを押すだけの簡単な操作で、深夜電力時間帯以外の高電力料金時間帯での追加沸き上げを抑制することが可能となる。
また、深夜電力時間帯になれば、自動的に沸き上げ禁止が解除されるので、一旦行った追加沸き上げ禁止の設定を深夜電力時間帯になったあと解除するという手間も不要であり、不必要な追加沸き上げの抑制を簡単な操作で行なうことができる、使い勝手のよい貯湯式給湯システムが得られる。
なお、図2に図示していないが、ステップS54が否定されてステップS51に戻る経路の途中に、新たなステップS58を設け、貯湯タンク1の残湯が残っているか否か(例えば、温度センサ1aの検出温度が35℃以上であるか否か)を判断し、残っていなければ、ステップS57に進み追加沸き上げ禁止を解除するようにしてもよい。
実施の形態2.
次に、本発明にかかる貯湯式給湯システムの実施の形態2について説明する。図3は、制御装置によるヒートポンプユニットの実施の形態2の追加沸き上げ制御フローチャートである。実施の形態2の貯湯式給湯システムの装置構成は、図1と同じであり説明を省略する。
図3を参照して、制御装置によるヒートポンプユニットの実施の形態2の追加沸き上げ動作について説明する。なお、ここでは、使用者が、事前に図1に示すリモートコントローラ15の禁止スイッチ15b又は沸き上げ設定のためのスイッチ15aにより、予め追加沸き上げの禁止を設定し、制御装置10の記憶部10bに追加沸き上げが禁止であることが記憶されている場合を中心にして説明する。
図3に示すように、ステップS60で追加沸き上げ動作を禁止する制御を開始し、ステップS61に進む。ステップS61では、深夜電力時間帯以外の沸き上げが使用者の設定により禁止されているか否か、図1に示す制御装置10の記憶部10bに記憶された内容を判断部10aが判断する。
沸き上げ禁止モード(追加沸き上げを行なわない運転モード)となっているときはステップS62に進む。沸き上げ禁止モードになっていないときはステップS63に進み、ステップS63では追加沸き上げを開始する。次に、ステップS67に進み、所望量の沸き上げが終了するまでステップS67をループする。所望量の沸き上げが終了する(ステップS67肯定)と、ステップS68に進み沸き上げを停止し、ステップS69で制御を終了する。
沸き上げ禁止モードとなっていてステップS62に進むと、使用者によりリモートコントローラ15の許可スイッチ15cが1回操作され少量の追加沸き上げが許可されたか否か、制御装置10の記憶部10bの情報を判断部10aが判断し、少量の追加沸き上げが許可されていれば(ステップS62肯定)、ステップS64に進む。許可されていなければ、ステップS61とステップS62でループ状態となり、追加沸き上げは行わない。
ステップS64では、深夜電力時間帯以外は沸き上げ禁止モードであるが、使用者による1回の少量の沸き上げが許可されたので、追加沸き上げを開始し、ステップS65に進む。
ステップS65では、予め設定され制御装置10の記憶部10bに記憶された一定量(例えば、図1の温度センサ1aが75℃を検出するまで、又は、所定の時間)となるまで追加沸き上げを行い、一定量(少量)の沸き上げが終了すれば(ステップS65肯定)、ステップS66に進んで追加沸き上げを停止しステップS61に戻る。一方、一定量の沸き上げが終了するまでの間は、ステップS65でループ状態となる。
なお、本実施の形態2では、追加沸き上げ禁止状態下での1回の追加沸き上げを、予め制御装置10の記憶部10bに記憶された一定量の値を用いて行ったが、例えば、この値をリモートコントローラ15で使用者が所望の値に設定したり、予め複数の値を記憶部10bで記憶しておき、その値の中から使用者が任意に選定して設定してもよく、その場合も上述と同様の効果を奏する。
以上説明したように、使用者が当日の深夜電力時間帯までの追加沸き上げを禁止した状態であっても、例えば、「あと一人分だけシャワーを使いたい」とか、「あとちょっとだけお風呂にお湯を足したい」ときなど、単に追加沸き上げの禁止を解除してしまうのではなく、必要な量を適切に追加沸き上げし、そのあと追加沸き上げを引き続き禁止する動作を継続することができる。
また、リモートコントローラ15の少量許可スイッチ15cを1回押すだけの手軽な操作で、深夜電力時間帯以外の高電力料金時間帯での追加沸き上げを抑制することが可能となり、一旦行った追加沸き上げ禁止の設定を変更したり解除するという手間も不要であり、不必要な追加沸き上げの抑制や必要な時の適切な沸き上げを手軽な操作で行える、使い勝手のよい貯湯式給湯システムが得られる。
なお、加熱手段としては、上記のヒートポンプユニット20に換え、電気ヒーターを貯湯タンク1内に設置してもよい。
本発明にかかる貯湯式給湯システムの実施の形態1の構成を示す図である。 制御装置によるヒートポンプユニットの実施の形態1の追加沸き上げ制御フローチャートである。 制御装置によるヒートポンプユニットの実施の形態2の追加沸き上げ制御フローチャートである。
符号の説明
1 貯湯タンク
1a,3a,3b 温度センサ
2 給水管
3 加熱循環回路
4 給湯管
10 制御装置
10a 判断部
10b 記憶部
15 リモートコントローラ
15a 設定スイッチ
15b 禁止スイッチ
15c 少量許可スイッチ
18 蛇口
20 ヒートポンプユニット
25 貯湯タンクユニット
30 貯湯式給湯システム

Claims (4)

  1. 貯湯タンクと、
    前記貯湯タンクの湯水を湯に沸き上げる沸き上げを実行する加熱手段と、
    沸き上げ禁止スイッチ、沸き上げ許可スイッチを有するリモートコントローラと、
    前記加熱手段の沸き上げ動作を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記沸き上げ禁止スイッチがオン状態となり、沸き上げ許可スイッチがオフ状態となっている場合は、沸き上げ開始条件が成立しかつ深夜電力時間帯の時間帯であるときにのみ、前記加熱手段の沸き上げを前記加熱手段に実行させる第1の手段と、
    前記沸き上げ禁止スイッチがオン状態となっている状態で前記沸き上げ許可スイッチがオンになった場合、前記沸き上げ許可スイッチの1回のオンの度に、所定量又は所定時間の沸き上げを深夜電力時間帯以外の時間帯に前記加熱手段に実行させ、かつその後沸き上げ禁止状態とする第2の手段と、
    を備えることを特徴とする貯湯式給湯システム。
  2. 前記所定量又は所定時間は、任意に設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯システム。
  3. 前記加熱手段は、ヒートポンプであることを特徴とする請求項1または2に記載の貯湯式給湯システム。
  4. 前記ヒートポンプの冷媒は、自然冷媒であることを特徴とする請求項に記載の貯湯式給湯システム。
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